JP2004087380A - 燃料電池用電解質膜およびその製造方法 - Google Patents
燃料電池用電解質膜およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004087380A JP2004087380A JP2002248831A JP2002248831A JP2004087380A JP 2004087380 A JP2004087380 A JP 2004087380A JP 2002248831 A JP2002248831 A JP 2002248831A JP 2002248831 A JP2002248831 A JP 2002248831A JP 2004087380 A JP2004087380 A JP 2004087380A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluororesin
- fuel cell
- electrolyte membrane
- ionizing radiation
- graft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
【課題】低コストの特質と優れたイオン交換性を有する燃料電池用電解質膜と、これを製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】ふっ素樹脂膜に電離性放射線を照射して改質し、改質されたふっ素樹脂膜に電離性放射線とビニル基含有化合物を作用させることによって分子中にビニル基含有化合物をグラフト重合した後、このグラフト重合部をスルホン化する。
【解決手段】ふっ素樹脂膜に電離性放射線を照射して改質し、改質されたふっ素樹脂膜に電離性放射線とビニル基含有化合物を作用させることによって分子中にビニル基含有化合物をグラフト重合した後、このグラフト重合部をスルホン化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用電解質膜およびその製造方法に関し、特に、低コストの特質と優れたイオン交換性を有する燃料電池用電解質膜と、これを製造するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子より構成される電解質膜を燃料極と空気極とで挟み、発電燃料として水素ガスあるいはメタノール等を使用する燃料電池においては、電解質膜の材質が電池性能を左右する重要な因子となる。
【0003】
通常、燃料電池用電解質膜は、スルホン酸基を含むポリマより構成されるのが普通であり、代表的には、パーフルオロスルホン酸ポリマが知られている。このポリマを構成材とした電解質膜は、優れたイオン交換性を備えていることから、高機能の電解質膜として高い評価を受けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、パーフルオロスルホン酸ポリマを使用した従来の電解質膜によると、構成材となるポリマが、数多くの工程より成立する複雑な合成過程を経て製造されるため、高コスト化を余儀なくされるという問題を有している。
【0005】
従って、本発明の目的は、低コストの特質と優れたイオン交換性を有する燃料電池用電解質膜と、これを製造するための製造方法とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池の燃料極および空気極の間に挟まれて使用され、固体高分子膜より構成される燃料電池用電解質膜において、前記固体高分子膜は、電離性放射線の照射によって改質されたふっ素樹脂より構成され、
前記改質されたふっ素樹脂は、ビニル基およびふっ素の少なくとも一方を含む化合物の電離性放射線によるグラフト重合部を分子中に有するとともに、前記グラフト重合部をスルホン化した分子構成を有することを特徴とする燃料電池用電解質膜を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池の燃料極および空気極の間に挟まれて使用される燃料電池用電解質膜の製造方法において、
ふっ素樹脂に電離性放射線を照射して改質する工程と、
改質された前記ふっ素樹脂に電離性放射線とビニル基およびふっ素の少なくとも一方を含む化合物とを作用させることによって前記ふっ素樹脂の分子中に前記化合物のグラフト重合部を形成する工程と、
前記ふっ素樹脂を膜状化する工程を含み、
前記グラフト重合部をスルホン化するか、あるいは前記化合物の分子中に予めスルホン酸基を含ませることによって前記ふっ素樹脂をスルホン化することを特徴とする燃料電池用電解質膜の製造方法を提供するものである。
【0008】
上記のふっ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン系重合体(以下、PTFEという)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体(以下、PFAという)、あるいはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体(以下、FEPという)等が使用される。
【0009】
なお、上記のPTFEには、純然たるホモポリマだけでなく、たとえば、1モル%以下等の少量のコモノマを共重合させたポリマも含まれ、この場合のコモノマとしては、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、あるいはクロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。
【0010】
また、前述した各共重合体として、少量の第3成分を結合させたものを使用することは可能であり、さらには、以上掲げた各ふっ素樹脂の改質体に、非改質のPTFE、PFA、FEP等のふっ素樹脂;またはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;あるいはポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等のエンジニアリングプラスティックス類を混合することも可能である。
【0011】
本発明の製造方法において、電離性放射線照射時におけるふっ素樹脂の形態としては、粉末状、シート状、フィルム状、ブロック状あるいは繊維状のいずれでもよく、また、これらより得られる改質ふっ素樹脂によって構成される固体高分子膜の形態としては、単一構成、異材質のふっ素樹脂同士との複合体、あるいはふっ素樹脂以外の材料との複合体等が考えられる。なお、本発明の製造方法における電解質膜としての膜の形成は、たとえば、未改質のふっ素樹脂の段階、あるいはグラフト前の改質ふっ素樹脂の段階等において適宜行えばよく、特に、時期を問わない。
【0012】
改質ふっ素樹脂にグラフトされるビニル基含有化合物としては、たとえば、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、スチレン等が使用され、一方、ふっ素含有化合物としては、テトラフルオロエチレンオキサイド、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(ペルフルオロプロピレンオキシド)、ペルフルオロ酸フルオリド等が使用される。また、分子中にビニル基とふっ素を同時に含む化合物としては、ペンタフルオロ−α−メチルスチレン、ヘキサフルオロジビニルスチレン等が使用され、さらに、グラフト化合物の分子中に予めスルホン酸基を含ませる形態の化合物としては、2−スルホエチルメタクリレート等が使用される。
【0013】
以上に挙げた化合物のうち、ビニル基を含む化合物は、改質ふっ素樹脂との高い反応性を有しているため、グラフト率を高めてスルホン酸基を数多く導入できる特長があり、従って、これを使用するときには、得られる電解質膜に対して高いイオン交換性を与えることが可能となる。また、ふっ素を分子中に含む化合物使用の場合には、その高い電子吸引性の性質からスルホン酸基の離脱を抑制する効果を期待することができ、従って、長期に亘って所定のイオン交換性を持続することのできる高安定性の電解質膜の提供が可能となる。
【0014】
なお、これらの化合物を改質ふっ素樹脂にグラフト重合する方法としては、改質ふっ素樹脂の主鎖に予め電離性放射線を照射することによってグラフト反応の起点となるラジカルを生成させ、その後で上記化合物を作用させる前照射による方法と、上記化合物の共存下に改質ふっ素樹脂に電離性放射線を照射する同時照射による方法とが考えられ、いずれの方法も、本発明の製造方法においては有効な方法となる。
【0015】
本発明の製造方法において、改質ふっ素樹脂を得るための放射線の照射条件としては、ふっ素樹脂を結晶融点以上に加熱するとともに、酸素濃度を10torr以下に設定し、さらに、照射線量を0.1kGy〜1MGyに設定することが好ましい。
【0016】
ふっ素樹脂を結晶融点以上に加熱することは、ふっ素樹脂の主鎖の分子運動を活発化させ、分子間の架橋反応を効率的に行わせる効果を生む。但し、過剰な加熱は、ふっ素樹脂の主鎖の切断と分解を招くため、結晶融点より10〜30℃高い温度とすることが好ましい。なお、結晶融点は、示差走査熱量計(DSC}によって容易に特定でき、たとえば、PTFEの場合で327℃、PFAの場合で310℃、FEPの場合で275℃にそれぞれ特定することができる。
【0017】
10torr以下とする酸素濃度は、架橋反応に対する酸素の阻害性を抑制し、これによって充分な架橋度合を確保するために好ましい条件であり、また、0.1kGy〜1MGyとする照射線量は、下限が充分な架橋度合を得るため、そして、上限が、伸び特性等の低下を防ぐための好ましい境界値となる。
【0018】
ビニル基含有化合物あるいはふっ素含有化合物等を改質ふっ素樹脂にグラフト重合するための電離性放射線の照射条件としては、0.1kGy〜500kGyの範囲内に設定することが好ましく、照射量がこれを下廻る場合には、官能基特性が有効に作用するまでのグラフト反応効果が得にくくなり、逆に、照射量がこれを超過する場合には、得られる膜の伸び特性に著しい低下をきたすようになる。
【0019】
なお、グラフト重合時の放射線の照射温度としては、室温あるいはそれ以下が好ましく、また、照射の雰囲気としては、不活性雰囲気、あるいは酸素存在下のいずれでもよい。また、電離性放射線としては、γ線、電子線、X線、中性子線あるいは高エネルギーイオン等が使用され、グラフト重合部のスルホン化には、クロロスルホン酸あるいは硫酸等が使用される。
【0020】
本発明におけるグラフト重合は、グラフト率が10重量%以上となるように行うことが好ましく、また、そのスルホン化は、スルホン酸当量重量が1000g/eq以下となるように行うことが好ましい。グラフト率が10重量%未満の場合には、実用的なイオン交換性付与のために必要なスルホン酸基数の確保を難しくする一方、1000g/eqを上限とするスルホン酸当量重量は、良好なイオン交換性を確保するための適正尺度となる。
【0021】
また、グラフト重合は、50〜150℃の温度下で行うことが好ましく、温度条件をこの範囲に設定する場合には、改質ふっ素樹脂のα緩和による分子運度の高まりの効果が得られ、これにより、グラフト鎖を膜厚方向に均一に成長させることが可能となる。50℃を下廻る温度設定は、以上の効果の確保を難しくし、一方、150℃を超える温度設定は、生成ラジカルの寿命を短くしてグラフト反応の進行に支障を与えるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による燃料電池用電解質膜およびその製造方法の実施の形態を説明する。
【実施例1】
厚さが50μmの6cm角のPTFEフィルムに対し、酸素濃度が0.5torrの窒素ガス雰囲気、および340℃の加熱下において照射線量が120kGyとなるように電子線(加速電圧800keV)を照射することによって所定の改質PTFEフィルムを得た。
【0023】
このフィルムの改質前後の融点と結晶化点をDSCによって測定したところ、改質前に330℃と310℃を示した融点と結晶化点が、改質後には、それぞれ315℃と290℃を示し、充分な改質効果が確認された。また、改質PTFE中の残存ラジカル量をESR(電子スピン共鳴装置)により測定したところ、残存ラジカルは全く認められなかった。
【0024】
次に、ガラスアンプルに4−クロロスチレン溶液を50ml入れてFreeze & Thaw法による3回の真空脱気を施す一方、別に準備したガラスアンプルに改質PTFEフィルムを入れて真空封管し、これに、室温において15kGy(線量率3kGy/h)の電子線を照射した。
【0025】
次に、これらのガラスアンプル同士をH型に溶接するとともに、ブレーカブル部を破壊することによって4−クロロスチレン溶液を改質PTFEフィルムの側に移し、引き続き、これを、120℃のオイルバス中に入れて4時間のグラフト反応を実施した。
【0026】
反応後、アンプルを開放してPTFEフィルムを取り出し、ソックスレー抽出器内でのトルエン洗浄を24時間施すことによってホモポリマ分を除去した後、回収したフィルムに対して60℃での真空乾燥を24時間施した。このようにして得られたフィルムの、反応前後における重量より求めたグラフト率は、22重量%であった。
【0027】
次に、以上により得られた改質PTFEフィルムをフラスコに入れ、これに、1,1,2,2,−テトラクロロエタンとクロロスルホン酸を前者7対後者3の割合で注入した後、50℃のウオータバス中で20時間の反応を行わせた。
次いで、PTFEフィルムをフラスコより取り出し、これに、ソックスレー抽出器内でのジクロロメタンによる24時間の洗浄と60℃での24時間の真空乾燥を順に施し、これにより、所定の燃料電池用電解質膜を得た。なお、この膜のスルホン化率を反応前後の重量に基づいて求めたところ、96%であった。
【0028】
また、以上により得られた電解質膜に対し、常温での24時間の含水と0.1mol/lのKCl水溶液中への24時間浸漬を順に施した後、この水溶液に0.05mol/lのNaOH滴下による中和滴定を施すことによりイオン交換容量を測定し、その結果より、この膜のスルホン酸当量重量を計算によって求めた。
結果は、430g/eqであり、さらに、プロトンの伝導性を示すイオン伝導率(25℃)も1.2×10−2S/cmを示し、優れたイオン交換性を有する電解質膜であることが確認された。
【0029】
【実施例2】
実施例1の改質PTFEフィルムに常温の空気中で30kGy線量の電子線を照射し、グラフト前処理を施した。次に、このフィルムを収容した反応容器にエタノール、2−スルホエチルメタクリレートおよび2,2−アゾビスを順に100:10:1となる重量割合で入れ、窒素ガス(99.9%)で5分間バブリングした後、オイルバス中で5時間反応させた。
【0030】
反応終了後、PTFEフィルムを取り出し、ソックスレー抽出器内でのエタノール洗浄および純水での洗浄をそれぞれ24時間ずつ施し、これによってホモポリマ分を除去した後、60℃で24時間の真空乾燥を施すことにより所定の燃料電池用電解質膜を得た。
【0031】
この電解質膜のグラフト率を反応前後の重量より求めたところ、76重量%であり、また、イオン交換容量を実施例1と同様にして測定し、その結果よりスルホン酸当量重量を計算したところ、303g/eqであった。さらに、イオン伝導率(25℃) も6.3×10−2S/cmと、充分なレベルにあることが確認された。
【0032】
【実施例3】
PTFEモールディングパウダ(平均粒径25μm、分子量800万)を360℃で1時間加熱して焼成し、酸素濃度0.5torr、および335℃の加熱温度のもとで電子線(加速電圧800keV)を120kGy照射した後、粉砕することによって平均粒径が25μmの改質PTFEパウダを得た。
【0033】
次に、この改質パウダを電子線照射のない非改質FEPパウダ(MI=25、平均粒径25μm)に重量分率が50%となるようにブレンドした後、これを2軸押出機で押し出すことによって混合ペレットを作製し、引き続き、得られたペレットをホットフォーミング成型(予備成型圧500kgf/cm2、焼成温度360、および冷却圧350kgf/cm2)することによりブロック状に成型した。
【0034】
次いで、このブロックに対して200℃で10時間のアニール処理を施し、さらに、スカイビング加工することによって厚さが50μmのフィルムとした後、これより6cm角のフィルムを採取して実施例2と同じグラフト前処理を施し、引き続き、これに、実施例2と同じ方法(80で24時間)によるスチレン/ジビニルベンゼン(100/5重量比)のグラフト反応とクロロスルホン酸によるスルホン化処理とを順次施すことによって所定の燃料電池用電解質膜を得た。
【0035】
この電解質膜のイオン交換容量を実施例1と同様にして測定し、その結果よりスルホン酸当量重量を計算したところ、155g/eqの結果が得られ、また、イオン伝導率(25℃)も5.6×10−2S/cmと充分なレベルにあることが確認された。
【0036】
【実施例4】
実施例1において、4−クロロスチレンの代わりにテトラフルオロエチレンオキシド50mlを使用するとともに、改質PTFEフィルムへの電子線の照射線量を100kGyに設定し、他を同一条件に設定することによって所定の燃料電池用電解質膜を得た。この電解質膜の、実施例1と同様のイオン交換容量測定に基づくスルホン酸当量重量の計算結果は、260g/eqであり、また、そのイオン伝導率も2.4×10−2S/cmを示し、優れたイオン交換性が確認された。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による燃料電池用電解質膜およびその製造方法によれば、電離性放射線の照射によって改質されたふっ素樹脂にビニル基およびふっ素の少なくとも一方を含む化合物を電離性放射線によりグラフト重合し、これをスルホン化するか、あるいは上記化合物中に予めスルホン基を含ませておくことによって所定の電解質膜とするため、放射線照射という安価な手段に基づく優れた低コスト性と、前述したような優れたイオン交換性とを備える燃料電池用電解質膜を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用電解質膜およびその製造方法に関し、特に、低コストの特質と優れたイオン交換性を有する燃料電池用電解質膜と、これを製造するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子より構成される電解質膜を燃料極と空気極とで挟み、発電燃料として水素ガスあるいはメタノール等を使用する燃料電池においては、電解質膜の材質が電池性能を左右する重要な因子となる。
【0003】
通常、燃料電池用電解質膜は、スルホン酸基を含むポリマより構成されるのが普通であり、代表的には、パーフルオロスルホン酸ポリマが知られている。このポリマを構成材とした電解質膜は、優れたイオン交換性を備えていることから、高機能の電解質膜として高い評価を受けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、パーフルオロスルホン酸ポリマを使用した従来の電解質膜によると、構成材となるポリマが、数多くの工程より成立する複雑な合成過程を経て製造されるため、高コスト化を余儀なくされるという問題を有している。
【0005】
従って、本発明の目的は、低コストの特質と優れたイオン交換性を有する燃料電池用電解質膜と、これを製造するための製造方法とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池の燃料極および空気極の間に挟まれて使用され、固体高分子膜より構成される燃料電池用電解質膜において、前記固体高分子膜は、電離性放射線の照射によって改質されたふっ素樹脂より構成され、
前記改質されたふっ素樹脂は、ビニル基およびふっ素の少なくとも一方を含む化合物の電離性放射線によるグラフト重合部を分子中に有するとともに、前記グラフト重合部をスルホン化した分子構成を有することを特徴とする燃料電池用電解質膜を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池の燃料極および空気極の間に挟まれて使用される燃料電池用電解質膜の製造方法において、
ふっ素樹脂に電離性放射線を照射して改質する工程と、
改質された前記ふっ素樹脂に電離性放射線とビニル基およびふっ素の少なくとも一方を含む化合物とを作用させることによって前記ふっ素樹脂の分子中に前記化合物のグラフト重合部を形成する工程と、
前記ふっ素樹脂を膜状化する工程を含み、
前記グラフト重合部をスルホン化するか、あるいは前記化合物の分子中に予めスルホン酸基を含ませることによって前記ふっ素樹脂をスルホン化することを特徴とする燃料電池用電解質膜の製造方法を提供するものである。
【0008】
上記のふっ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン系重合体(以下、PTFEという)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体(以下、PFAという)、あるいはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体(以下、FEPという)等が使用される。
【0009】
なお、上記のPTFEには、純然たるホモポリマだけでなく、たとえば、1モル%以下等の少量のコモノマを共重合させたポリマも含まれ、この場合のコモノマとしては、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、あるいはクロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。
【0010】
また、前述した各共重合体として、少量の第3成分を結合させたものを使用することは可能であり、さらには、以上掲げた各ふっ素樹脂の改質体に、非改質のPTFE、PFA、FEP等のふっ素樹脂;またはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;あるいはポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等のエンジニアリングプラスティックス類を混合することも可能である。
【0011】
本発明の製造方法において、電離性放射線照射時におけるふっ素樹脂の形態としては、粉末状、シート状、フィルム状、ブロック状あるいは繊維状のいずれでもよく、また、これらより得られる改質ふっ素樹脂によって構成される固体高分子膜の形態としては、単一構成、異材質のふっ素樹脂同士との複合体、あるいはふっ素樹脂以外の材料との複合体等が考えられる。なお、本発明の製造方法における電解質膜としての膜の形成は、たとえば、未改質のふっ素樹脂の段階、あるいはグラフト前の改質ふっ素樹脂の段階等において適宜行えばよく、特に、時期を問わない。
【0012】
改質ふっ素樹脂にグラフトされるビニル基含有化合物としては、たとえば、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、スチレン等が使用され、一方、ふっ素含有化合物としては、テトラフルオロエチレンオキサイド、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(ペルフルオロプロピレンオキシド)、ペルフルオロ酸フルオリド等が使用される。また、分子中にビニル基とふっ素を同時に含む化合物としては、ペンタフルオロ−α−メチルスチレン、ヘキサフルオロジビニルスチレン等が使用され、さらに、グラフト化合物の分子中に予めスルホン酸基を含ませる形態の化合物としては、2−スルホエチルメタクリレート等が使用される。
【0013】
以上に挙げた化合物のうち、ビニル基を含む化合物は、改質ふっ素樹脂との高い反応性を有しているため、グラフト率を高めてスルホン酸基を数多く導入できる特長があり、従って、これを使用するときには、得られる電解質膜に対して高いイオン交換性を与えることが可能となる。また、ふっ素を分子中に含む化合物使用の場合には、その高い電子吸引性の性質からスルホン酸基の離脱を抑制する効果を期待することができ、従って、長期に亘って所定のイオン交換性を持続することのできる高安定性の電解質膜の提供が可能となる。
【0014】
なお、これらの化合物を改質ふっ素樹脂にグラフト重合する方法としては、改質ふっ素樹脂の主鎖に予め電離性放射線を照射することによってグラフト反応の起点となるラジカルを生成させ、その後で上記化合物を作用させる前照射による方法と、上記化合物の共存下に改質ふっ素樹脂に電離性放射線を照射する同時照射による方法とが考えられ、いずれの方法も、本発明の製造方法においては有効な方法となる。
【0015】
本発明の製造方法において、改質ふっ素樹脂を得るための放射線の照射条件としては、ふっ素樹脂を結晶融点以上に加熱するとともに、酸素濃度を10torr以下に設定し、さらに、照射線量を0.1kGy〜1MGyに設定することが好ましい。
【0016】
ふっ素樹脂を結晶融点以上に加熱することは、ふっ素樹脂の主鎖の分子運動を活発化させ、分子間の架橋反応を効率的に行わせる効果を生む。但し、過剰な加熱は、ふっ素樹脂の主鎖の切断と分解を招くため、結晶融点より10〜30℃高い温度とすることが好ましい。なお、結晶融点は、示差走査熱量計(DSC}によって容易に特定でき、たとえば、PTFEの場合で327℃、PFAの場合で310℃、FEPの場合で275℃にそれぞれ特定することができる。
【0017】
10torr以下とする酸素濃度は、架橋反応に対する酸素の阻害性を抑制し、これによって充分な架橋度合を確保するために好ましい条件であり、また、0.1kGy〜1MGyとする照射線量は、下限が充分な架橋度合を得るため、そして、上限が、伸び特性等の低下を防ぐための好ましい境界値となる。
【0018】
ビニル基含有化合物あるいはふっ素含有化合物等を改質ふっ素樹脂にグラフト重合するための電離性放射線の照射条件としては、0.1kGy〜500kGyの範囲内に設定することが好ましく、照射量がこれを下廻る場合には、官能基特性が有効に作用するまでのグラフト反応効果が得にくくなり、逆に、照射量がこれを超過する場合には、得られる膜の伸び特性に著しい低下をきたすようになる。
【0019】
なお、グラフト重合時の放射線の照射温度としては、室温あるいはそれ以下が好ましく、また、照射の雰囲気としては、不活性雰囲気、あるいは酸素存在下のいずれでもよい。また、電離性放射線としては、γ線、電子線、X線、中性子線あるいは高エネルギーイオン等が使用され、グラフト重合部のスルホン化には、クロロスルホン酸あるいは硫酸等が使用される。
【0020】
本発明におけるグラフト重合は、グラフト率が10重量%以上となるように行うことが好ましく、また、そのスルホン化は、スルホン酸当量重量が1000g/eq以下となるように行うことが好ましい。グラフト率が10重量%未満の場合には、実用的なイオン交換性付与のために必要なスルホン酸基数の確保を難しくする一方、1000g/eqを上限とするスルホン酸当量重量は、良好なイオン交換性を確保するための適正尺度となる。
【0021】
また、グラフト重合は、50〜150℃の温度下で行うことが好ましく、温度条件をこの範囲に設定する場合には、改質ふっ素樹脂のα緩和による分子運度の高まりの効果が得られ、これにより、グラフト鎖を膜厚方向に均一に成長させることが可能となる。50℃を下廻る温度設定は、以上の効果の確保を難しくし、一方、150℃を超える温度設定は、生成ラジカルの寿命を短くしてグラフト反応の進行に支障を与えるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による燃料電池用電解質膜およびその製造方法の実施の形態を説明する。
【実施例1】
厚さが50μmの6cm角のPTFEフィルムに対し、酸素濃度が0.5torrの窒素ガス雰囲気、および340℃の加熱下において照射線量が120kGyとなるように電子線(加速電圧800keV)を照射することによって所定の改質PTFEフィルムを得た。
【0023】
このフィルムの改質前後の融点と結晶化点をDSCによって測定したところ、改質前に330℃と310℃を示した融点と結晶化点が、改質後には、それぞれ315℃と290℃を示し、充分な改質効果が確認された。また、改質PTFE中の残存ラジカル量をESR(電子スピン共鳴装置)により測定したところ、残存ラジカルは全く認められなかった。
【0024】
次に、ガラスアンプルに4−クロロスチレン溶液を50ml入れてFreeze & Thaw法による3回の真空脱気を施す一方、別に準備したガラスアンプルに改質PTFEフィルムを入れて真空封管し、これに、室温において15kGy(線量率3kGy/h)の電子線を照射した。
【0025】
次に、これらのガラスアンプル同士をH型に溶接するとともに、ブレーカブル部を破壊することによって4−クロロスチレン溶液を改質PTFEフィルムの側に移し、引き続き、これを、120℃のオイルバス中に入れて4時間のグラフト反応を実施した。
【0026】
反応後、アンプルを開放してPTFEフィルムを取り出し、ソックスレー抽出器内でのトルエン洗浄を24時間施すことによってホモポリマ分を除去した後、回収したフィルムに対して60℃での真空乾燥を24時間施した。このようにして得られたフィルムの、反応前後における重量より求めたグラフト率は、22重量%であった。
【0027】
次に、以上により得られた改質PTFEフィルムをフラスコに入れ、これに、1,1,2,2,−テトラクロロエタンとクロロスルホン酸を前者7対後者3の割合で注入した後、50℃のウオータバス中で20時間の反応を行わせた。
次いで、PTFEフィルムをフラスコより取り出し、これに、ソックスレー抽出器内でのジクロロメタンによる24時間の洗浄と60℃での24時間の真空乾燥を順に施し、これにより、所定の燃料電池用電解質膜を得た。なお、この膜のスルホン化率を反応前後の重量に基づいて求めたところ、96%であった。
【0028】
また、以上により得られた電解質膜に対し、常温での24時間の含水と0.1mol/lのKCl水溶液中への24時間浸漬を順に施した後、この水溶液に0.05mol/lのNaOH滴下による中和滴定を施すことによりイオン交換容量を測定し、その結果より、この膜のスルホン酸当量重量を計算によって求めた。
結果は、430g/eqであり、さらに、プロトンの伝導性を示すイオン伝導率(25℃)も1.2×10−2S/cmを示し、優れたイオン交換性を有する電解質膜であることが確認された。
【0029】
【実施例2】
実施例1の改質PTFEフィルムに常温の空気中で30kGy線量の電子線を照射し、グラフト前処理を施した。次に、このフィルムを収容した反応容器にエタノール、2−スルホエチルメタクリレートおよび2,2−アゾビスを順に100:10:1となる重量割合で入れ、窒素ガス(99.9%)で5分間バブリングした後、オイルバス中で5時間反応させた。
【0030】
反応終了後、PTFEフィルムを取り出し、ソックスレー抽出器内でのエタノール洗浄および純水での洗浄をそれぞれ24時間ずつ施し、これによってホモポリマ分を除去した後、60℃で24時間の真空乾燥を施すことにより所定の燃料電池用電解質膜を得た。
【0031】
この電解質膜のグラフト率を反応前後の重量より求めたところ、76重量%であり、また、イオン交換容量を実施例1と同様にして測定し、その結果よりスルホン酸当量重量を計算したところ、303g/eqであった。さらに、イオン伝導率(25℃) も6.3×10−2S/cmと、充分なレベルにあることが確認された。
【0032】
【実施例3】
PTFEモールディングパウダ(平均粒径25μm、分子量800万)を360℃で1時間加熱して焼成し、酸素濃度0.5torr、および335℃の加熱温度のもとで電子線(加速電圧800keV)を120kGy照射した後、粉砕することによって平均粒径が25μmの改質PTFEパウダを得た。
【0033】
次に、この改質パウダを電子線照射のない非改質FEPパウダ(MI=25、平均粒径25μm)に重量分率が50%となるようにブレンドした後、これを2軸押出機で押し出すことによって混合ペレットを作製し、引き続き、得られたペレットをホットフォーミング成型(予備成型圧500kgf/cm2、焼成温度360、および冷却圧350kgf/cm2)することによりブロック状に成型した。
【0034】
次いで、このブロックに対して200℃で10時間のアニール処理を施し、さらに、スカイビング加工することによって厚さが50μmのフィルムとした後、これより6cm角のフィルムを採取して実施例2と同じグラフト前処理を施し、引き続き、これに、実施例2と同じ方法(80で24時間)によるスチレン/ジビニルベンゼン(100/5重量比)のグラフト反応とクロロスルホン酸によるスルホン化処理とを順次施すことによって所定の燃料電池用電解質膜を得た。
【0035】
この電解質膜のイオン交換容量を実施例1と同様にして測定し、その結果よりスルホン酸当量重量を計算したところ、155g/eqの結果が得られ、また、イオン伝導率(25℃)も5.6×10−2S/cmと充分なレベルにあることが確認された。
【0036】
【実施例4】
実施例1において、4−クロロスチレンの代わりにテトラフルオロエチレンオキシド50mlを使用するとともに、改質PTFEフィルムへの電子線の照射線量を100kGyに設定し、他を同一条件に設定することによって所定の燃料電池用電解質膜を得た。この電解質膜の、実施例1と同様のイオン交換容量測定に基づくスルホン酸当量重量の計算結果は、260g/eqであり、また、そのイオン伝導率も2.4×10−2S/cmを示し、優れたイオン交換性が確認された。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による燃料電池用電解質膜およびその製造方法によれば、電離性放射線の照射によって改質されたふっ素樹脂にビニル基およびふっ素の少なくとも一方を含む化合物を電離性放射線によりグラフト重合し、これをスルホン化するか、あるいは上記化合物中に予めスルホン基を含ませておくことによって所定の電解質膜とするため、放射線照射という安価な手段に基づく優れた低コスト性と、前述したような優れたイオン交換性とを備える燃料電池用電解質膜を提供することができる。
Claims (6)
- 燃料電池の燃料極および空気極の間に挟まれて使用され、固体高分子膜より構成される燃料電池用電解質膜において、
前記固体高分子膜は、電離性放射線の照射によって改質されたふっ素樹脂より構成され、
前記改質されたふっ素樹脂は、ビニル基およびふっ素の少なくとも一方を含む化合物の電離性放射線照射によるグラフト重合部を分子中に有するとともに、前記グラフト重合部をスルホン化した分子構成を有することを特徴とする燃料電池用電解質膜。 - 前記ふっ素樹脂は、テトラフルオロエチレン系重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体より選択される1種以上の重合体であることを特徴とする請求項1項記載の燃料電池用電解質膜。
- 燃料電池の燃料極および空気極の間に挟まれて使用される燃料電池用電解質膜の製造方法において、
ふっ素樹脂に電離性放射線を照射して改質する工程と、
改質された前記ふっ素樹脂に電離性放射線とビニル基およびふっ素の少なくとも一方を含む化合物とを作用させることによって前記ふっ素樹脂の分子中に前記化合物のグラフト重合部を形成する工程と、
前記ふっ素樹脂を膜状化する工程を含み、
前記グラフト重合部をスルホン化するか、あるいは前記化合物の分子中に予めスルホン酸基を含ませることによって前記ふっ素樹脂をスルホン化することを特徴とする燃料電池用電解質膜の製造方法。 - 前記ふっ素樹脂を改質するための電離性放射線の照射のステップは、前記ふっ素樹脂の結晶融点以上、10torr以下の酸素濃度、および0.1kGy〜1MGyの照射線量の条件下で行われ、改質された前記ふっ素樹脂に電離性放射線を作用させるステップは、照射線量が0.1kGy〜500kGyとなるように行われることを特徴とする請求項3項記載の燃料電池用電解質膜の製造方法。
- 前記グラフト重合部を形成するステップは、グラフト率が10重量%以上となるように行われ、前記ふっ素樹脂をスルホン化するステップは、スルホン酸当量重量が1000g/eq以下となるように行われることを特徴とする請求項3項記載の燃料電池用電解質膜の製造方法。
- 前記グラフト重合部を形成するステップは、50〜150℃の温度下で行われることを特徴とする請求項3項記載の燃料電池用電解質膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002248831A JP2004087380A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 燃料電池用電解質膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002248831A JP2004087380A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 燃料電池用電解質膜およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004087380A true JP2004087380A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32056108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002248831A Pending JP2004087380A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 燃料電池用電解質膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004087380A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006066174A (ja) * | 2004-08-26 | 2006-03-09 | Nitto Denko Corp | 耐酸性の優れた燃料電池用電解質膜 |
WO2006134801A1 (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-21 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | 固体高分子電解質膜及びその製造方法、並びに燃料電池 |
JP2007128763A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 燃料電池用固体高分子電解質膜及び燃料電池 |
JP2014067606A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Nitto Denko Corp | 高分子電解質膜およびそれを用いた燃料電池 |
-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002248831A patent/JP2004087380A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006066174A (ja) * | 2004-08-26 | 2006-03-09 | Nitto Denko Corp | 耐酸性の優れた燃料電池用電解質膜 |
JP4670074B2 (ja) * | 2004-08-26 | 2011-04-13 | 日東電工株式会社 | 耐酸性の優れた燃料電池用電解質膜 |
WO2006134801A1 (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-21 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | 固体高分子電解質膜及びその製造方法、並びに燃料電池 |
JP2006351244A (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-28 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 固体高分子電解質膜及びその製造方法、並びに燃料電池 |
JP2007128763A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 燃料電池用固体高分子電解質膜及び燃料電池 |
JP2014067606A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Nitto Denko Corp | 高分子電解質膜およびそれを用いた燃料電池 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Nasef et al. | Preparation of crosslinked cation exchange membranes by radiation grafting of styrene/divinylbenzene mixtures onto PFA films | |
Chen et al. | Double crosslinked polyetheretherketone-based polymer electrolyte membranes prepared by radiation and thermal crosslinking techniques | |
US20140370417A1 (en) | Anion exchange membrane, method for producing the same, and fuel cell using the same | |
JP3817213B2 (ja) | 高分子電解質膜 | |
JP4986219B2 (ja) | 電解質膜 | |
JP2002313364A (ja) | 燃料電池用電解質膜及びその製造方法並びに燃料電池 | |
Rohani et al. | Effect of reaction conditions on electron induced graft copolymerization of styrene onto poly (ethylene-co-tetrafluoroethylene) films: Kinetics study | |
JP4854284B2 (ja) | 高分子電解質膜の製造方法 | |
Ponomarev et al. | Synthesis of polymer nanocomposite ion-exchange membranes from sulfonated polystyrene and study of their properties | |
JP4576620B2 (ja) | ナノ構造制御高分子イオン交換膜の製造方法 | |
Atanasov et al. | ETFE-g-pentafluorostyrene: Functionalization and proton conductivity | |
JP2004087380A (ja) | 燃料電池用電解質膜およびその製造方法 | |
Chen et al. | Preparation and properties of sulfonated ETFE‐g‐polyvinyltoluene membranes for application in fuel cells | |
JP2008195748A (ja) | 架橋芳香族高分子電解質膜及びその製造方法 | |
Sithambaranathan et al. | Kinetic behaviour of graft copolymerisation of nitrogenous heterocyclic monomer onto EB-irradiated ETFE films | |
JP3781023B2 (ja) | 燃料電池用電解質膜及びその製造方法 | |
Sawada et al. | Location and size of nanoscale free-volume holes in crosslinked-polytetrafluoroethylene-based graft-type polymer electrolyte membranes determined by positron annihilation lifetime spectroscopy | |
WO2007102418A1 (ja) | 燃料電池用固体高分子電解質膜及び燃料電池 | |
JP4716363B2 (ja) | プロトン伝導性膜の製造方法 | |
JP4683181B2 (ja) | 燃料電池用固体高分子電解質膜の製造方法 | |
JP4692714B2 (ja) | 燃料電池用固体高分子電解質膜の製造方法 | |
JP4499004B2 (ja) | スルホン化された高分子電解質膜の製造方法 | |
JP4434666B2 (ja) | 固体高分子電解質膜の製造方法及び燃料電池 | |
KR101446955B1 (ko) | 수소이온 전도성막의 제조방법 | |
JP2005113116A (ja) | テトラフルオロエチレンポリマーアロイおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040917 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070306 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070703 |