JP2004087230A - フォーカス測定装置及びフォーカス測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子ビームの照射により発光する蛍光体をネックに設けたコイルに電流供給することで、1ピッチの蛍光体上を電子ビームを移動させることによりフォーカスを測定するフォーカス測定装置を提供する。
【解決手段】フォーカス測定装置は、カラー陰極線管に白色のドット画像を発光させる映像制御手段と、カラー陰極線管の表示面に対向配置すると共に3色の蛍光体を分離できる視野を有するレンズを備えた撮像手段と、撮像手段で撮像した映像信号を画像データとして取り込むイメージメモリーと、イメージメモリーに取り込んだ画像データに基づいて重心位置を算出して蛍光体ピッチを算出する蛍光体ピッチ算出手段と、カラー陰極線管のネック部分に取付けると共に電子ビームを蛍光体ピッチ算出手段で算出した蛍光体ピッチの開始位置から横方向に動かすコイルを備えた電子ビーム移動手段と、を備えたことである。
【選択図】 図1
【解決手段】フォーカス測定装置は、カラー陰極線管に白色のドット画像を発光させる映像制御手段と、カラー陰極線管の表示面に対向配置すると共に3色の蛍光体を分離できる視野を有するレンズを備えた撮像手段と、撮像手段で撮像した映像信号を画像データとして取り込むイメージメモリーと、イメージメモリーに取り込んだ画像データに基づいて重心位置を算出して蛍光体ピッチを算出する蛍光体ピッチ算出手段と、カラー陰極線管のネック部分に取付けると共に電子ビームを蛍光体ピッチ算出手段で算出した蛍光体ピッチの開始位置から横方向に動かすコイルを備えた電子ビーム移動手段と、を備えたことである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォーカス測定装置及びフォーカス測定方法に関するものであり、詳しくはカラー陰極線管(CRT;Cathode Ray Tube)に白色のドット画像を発光させ、そのドット画像をCRTのネック部分に設けたコイルへ電流を供給して電子ビームを横方向に動かして得られる画像を撮像し、スポット形状にしてCRTのフォーカス性能を評価するフォーカス測定装置及びフォーカス測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術におけるCRTのフォーカス測定装置は、CRTに表示された所定のテストパターンをCCDカメラで撮像し、その撮像画像を用いてCRTの電子ビームのエネルギー強度分布が算出される。更に、そのエネルギー強度分布の形状が、例えば、標準的な山(適正)、裾野の広がったラッパ状(ハロー傾向)、山頂が台形状の釣鐘形(ブルーミング傾向)のいずれかに属するか判別され、その判別結果に基づいてCRTのフォーカス性能が評価される。エネルギー強度分布の形状を目視評価と相関性の高い形状に分類し、その形状によってフォーカス性能を評価することで目視評価との相関性を高めるというものが周知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−128197号公報 (第4−第9頁、図3)
【0004】
【特許文献2】
特開平8−203436号公報 (第3−第6頁、図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術で説明したCRTは、赤、緑、青のストライプが順番に配置されており、ドット画像を発光すると、水平方向の画像はそれぞれの色ごとに不連続な画像となり、フォーカス評価(ドットプロファイル評価)が正確に行えないという問題がある。
【0006】
又、ドットの発光位置を信号発生器側で行うとすると、正確に測定するために発生位置を1ピッチの30分割程度の間隔で移動する必要があり、信号発生器側の基本クロックが非常に高くなり、現実的でないのと、CRTの1ピッチが異なると分割ステップが異なってくるという問題もある。
更に、CRTの前面から電子ビームを移動する方法もあるが、この場合は電子ビームを移動すると、電子ビームの位置が変わると同時に電子ビームが蛍光面に当たる位置も変化するため、色純度が変化して、測定が不可能であるという問題もある。
【0007】
従って、CRTのドット画像のフォーカス評価を行うのに蛍光体を発光させる電子ビームを横方向に連続的に動かして連続した画像を取り込んでフォーカス評価できるようにすることに解決しなければならない課題を有する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明に係るフォーカス測定装置及びフォーカス測定方法は、次に示す構成にすることである。
【0009】
(1)フォーカス測定装置は、カラー陰極線管に白色のドット画像を発光させる映像制御手段と、前記カラー陰極線管の表示面に対向配置すると共に3色の蛍光体を分離できる視野を有するレンズを備えた撮像手段と、前記撮像手段で撮像した映像信号を画像データとして取り込むイメージメモリーと、前記イメージメモリーに取り込んだ画像データに基づいて重心位置を算出して蛍光体ピッチを算出する蛍光体ピッチ算出手段と、前記カラー陰極線管のネック部分に取付けると共に電子ビームを前記蛍光体ピッチ算出手段で算出した蛍光体ピッチの開始位置から横方向に動かすコイルを備えた電子ビーム移動手段と、を備えたことである。(2)上記撮像手段は、白黒のフォーカス測定の場合は識別フィルターを取り付けるか又は前記カラー陰極線管を単色で発光させ、カラーのフォーカス測定の場合は前記撮像手段で撮像した映像信号を画像データとして取り込む3個のイメージメモリーを備えたことを特徴とする(1)に記載のフォーカス測定装置である。
【0010】
(3)フォーカス測定方法は、カラー陰極線管のネック部分に取付けたコイルに電流を流さないで、カラー陰極線管の表示面に対向配置した撮像手段により得られた画像データの重心位置に対し、1ピッチ移動するのに必要な前記コイルに流す電流を求めると共に当該1ピッチの1ピクセルずつ移動するのに必要な前記コイルに流す電流を求め、この求めたコイルに流す電流をコイルに流して電子ビームが移動したときの画像から対応する蛍光体の発光していた部分のみを記録することを1ピッチ間の全ての位置で行い、この記録したデータを貼り付けて連続したドットプロファイルを作成することである。
(4)上記ドットプロファイルを作成するに際し、前記コイルに電流を流して電子ビームが移動したときの画像の重心を求め、横方向に関しては電流を流していない状態から、何画素の位置の画像かを求めてその位置に貼り付け、垂直方向は電流を流していないときの位置に貼り付けて、前記カラー陰極線管の表示面に表示されるドット画像や前記撮像手段が上下左右に微移動した時の補正を行って連続したドットプロファイルを作成することを特徴とする(3)に記載のフォーカス測定方法である。
【0011】
このように、CRTに撮像手段を対向配置すると共に、ネック部分にコイルを取付けて、電子ビームを1ピッチの蛍光体上を横方向に動かし、その動かした時のフォーカスを測定するようにしたことにより、1ピッチの蛍光体に対して連続した画像を合成することが可能になり、精度の良いフォーカス測定が行える。
【0012】
又、実際にドット位置を移動して画像を合成したので、補間による方法よりも精度の高いフォーカス測定を得ることができるようになる。
【0013】
更に、コンバーゼンスの測定精度も蛍光体のサンプリングの影響を受けないので精度を上げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るフォーカス測定装置及びフォーカス測定方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
本願発明のフォーカス測定方法を具現化することができるフォーカス測定装置は、図1に示すように、CRT12に白色のドット画像を発光させる映像制御手段である映像制御部11と、CRT12と、CRT12に対向配置され、CRT12の蛍光体を分離できる程度の機能を有するレンズ15と、CCD等の撮像素子14を備えた撮像手段であるビデオカメラ等で構成されたカメラ部13と、カメラ部13で撮像した画像をイメージメモリーに取り込むと共にコイル18に供給する電流を設定する等の演算処理を行う画像処理装置16と、画像処理装置16からの電子ビーム19を横方向に移動させるためのコイル18に電流を供給するコイル電流発生回路17と、CRT12のネック部分に取付けて垂直磁界を発生させ電子ビーム19を横方向に動かすコイル18とからなる。ここで、電子ビーム移動手段は、画像処理装置16、コイル発生回路17、CRT12のネック部分に取付けたコイル18とから概略構成されている。
撮像手段は、白黒のフォーカス測定にも対応することができ、この場合には識別フィルターを取り付けるか又はCRT12を単色で発光させて対応する。
【0016】
画像処理装置は、図2に示すように、カメラ部13からの信号(HD、CLK)に同期してカメラ部13で撮像した映像信号をR、G、Bの3色のデジタル信号に変換するA/D変換器22、23、24のクロックを生成するタイミング信号発生回路21と、カメラ部13で撮像したデータをディジタル値の信号に変換するR、G、B用のA/D変換器22、23、24と、A/D変換器22、23、24からの信号又はコンピュータ26からの信号を切り替えるセレクター25と、画像処理及びコイル18へ供給するコイルパラメータを生成するコンピュータ26と、R、G、BのA/D変換器22、23、24で変換された画像データを取込むR、G、Bのイメージメモリー29、30、31と、イメージメモリー31(、29、30)に取り込んだ画像データに基づいて重心位置を算出して蛍光体ピッチを算出する蛍光体ピッチ算出手段である蛍光体ピッチ算出部32と、コイル18に電流を供給して電子ビーム19(図1参照)を横方向に移動したときに得られたスポット像を記録及び足し込みを行うスポット生成メモリー33と、コンピュータ26からのコイルパラメータを出力するI/O部27と、I/O部27からの信号をアナログ信号に変換してコイル電流発生回路17に供給するD/A変換器28とから構成されている。
【0017】
コンピュータ26で計算されたコイル18に流すための電流を発生させるコイルパラメータは、I/O部27を介してコイル電流発生回路17に出力され、コイル電流発生回路17において、コイルパラメータに基づいて所定の電流をコイル18に供給することにより電子ビームを横方向に移動させる。
【0018】
このような構成からなるフォーカス測定装置において、先ず、CRT12に白色のドット画像を発生させる。そして、このCRT12の表示面のドット画像の三色の蛍光体を分離して撮像できる視野を有するレンズ15を取付けたカメラ部13により、ドット画像はレンズ15によって結像され、カメラ部13の撮像素子によって電気信号に変換し、映像信号として出力される。
【0019】
三色の蛍光体を分離して撮像できるレンズ15を利用することで、図3に示すように、映像信号として取り込んだ三色の画像データは夫々が分離した状態でイメージメモリー29、30、31に記録することができ、これは、撮像素子の各画素で得られた撮像データが三色分離されてイメージメモリー29、30、31に記録でき、各色の重心を計算できるのである。実施例の場合には青の画像データの重心位置を計算して求めて、その求めた重心位置の差を検出して、1つの蛍光体ピッチを検出すると共に、1ピッチあたりのピクセル数を取得することが可能になる。
【0020】
このような構成からなるフォーカス測定装置において、フォーカス測定を行うための手順について、図1及び図2に示すブロック図を参照して、図4に示すフローチャートに基づいて、以下説明する。
【0021】
先ず、画像処理装置16からの制御に基づいて映像制御部11に白色の表示を行うように制御して、CRT12にドットを表示する(ステップST11)。このときにはコイル18には電流は印加されていない。
この状態で、三色の蛍光体を分離できる程度の機能を有するレンズ15により結像され、その結像された映像がカメラ部13で撮像して映像信号が生成され、画像処理装置16に入力される。
画像処理装置16に入力された画像信号は、タイミング信号発生回路21のタイミングによりR、G、BのA/D変換器(実施例において8ビットA/D変換器)22、23、24に入力され画像データである輝度信号データに変換された後に、セレクター25を介して、R、G、Bの夫々のイメージメモリー29、30、31に記録される。
【0022】
次に、1ピッチ間隔を取得すると共に、1ピッチあたりのピクセル数も取得する(ステップST12)
これは、コイル18に電流を流さない状態にしておいて、青のイメージメモリー31に読み込んだ1フレーム画像を使用して行う。具体的には、図5に示すように、ストライプ毎に重心を計算し、隣り合ったストライプ間の重心差を蛍光体ピッチとする。ここで、カメラ感度は青が一番高く、クロストークも少ないので、最も重心安定度があるので、青をピッチ計算に使用している。
具体的に示せば、実施例においては、コンピュータ26からの制御により蛍光体ピッチ算出部32において、1フレーム画像として記録されている青のイメージメモリー31の内容を利用して重心を計算する。重心の計算は、イメージメモリー31に記録されている量子化された輝度信号データと水平エリアアドレスデータの積及び所定のエリアアドレスまでの輝度信号データの和の演算を行う、所謂、積和演算を行う。エリアアドレスは、カメラ部13の撮像素子(CCD)の画素数によって決定されるものであり、このエリアアドレスはCRT12に対向配置したレンズ15及びカメラ部13の位置によって予め決定することができる。積和演算により重心を求めるには、Dt(n)を水平エリアアドレスnにおける輝度信号データとすると、下記の式(1)で求めることができる。
【0023】
【数1】
【0024】
このようにして青のデータを利用して1フレーム画像の青の全ての重心を計算する。そして、隣りの青の重心との差、即ち、重心差が、蛍光体ピッチの1ピッチとなり、その1ピッチあたりのピクセル数を取得することができる。
【0025】
次に、図4に戻って、1ピッチ動かすための開始位置での青全体重心を取得する(ステップST13)。
【0026】
そして、1ピッチ移動に必要なコイル18に供給する電流のコイルパラメータを計算する(ステップST14)。
即ち、撮像素子の1画素ぶんである1ピクセル動かすのに必要なコイル18のコイルパラメータを計算して取得するには、図6に示すように、コイルパラメータの初期値に、所定の電流がコイル18に供給できるように設定し、青の全重心位置が1ピッチの半分を超えるまでコイル18に流す電流を変化させる。
1ピッチの半分を超えた時点で、コイル18の電流値を実際の横方向ピクセル数(全重心の横の差)で割り、1ピクセルあたりの仮コイルパラメータを計算する。そして、仮コイルパラメータに1ピッチ分のピクセル数を掛け、この値をコイル18に送り実際に移動したピクセル数(開始位置青重心位置と今回の重心位置との差)を得て、以下の式でコイルパラメータの値の調整を行う。
【0027】
今回の1ピクセル当たりのコイルパラメータ
=(コイル18に送った値÷横重心移動量)
【0028】
新コイルパラメータ
=(仮コイルパラメータ+今回の1ピクセル当たりのコイルパラメータ)÷2
【0029】
これを3回繰返し、1ピッチ動かすのに必要な電流値を決定する。
【0030】
次に、ドットを1ピッチ動かし、スポット像を生成する為に、スポット生成メモリー33をクリアする(ステップST15)。
そして、1ピッチ動かして全ての位置での画像の足し込みがされたかどうかを判断し、全ての位置での足し込みが完了していない場合には、コンピュータ26は1ピクセル移動するのに必要なコイルパラメータをコイル電流発生回路17に送る(ステップST16、ST17)。
【0031】
そうすると、コイル電流発生回路17は、このコイルパラメータに基づく電流をコイル18に供給することにより、現在のドットを形成する電子ビーム19が横方向に動く。
【0032】
図7に示すものは、コイルを使用して1ピクセル毎にドットを動かしたときに発光した部分のドット画像であり、図8に示すものは1ピクセル動かしたドット画像を撮像して得られたスポット像を取込んでスポット生成メモリーに記録したものである。
このように、電子ビーム19が横方向に動くことにより、撮像する画像も変化する。この撮像した画像から移動した量を求め、1ピクセル移動するのに必要なコイルパラメータを調節する(ステップST18)。
そして、電子ビーム19を横方向に動いたことにより変化した青の重心を算出し、開始位置での青の重心との差を求め、この差を画像の足し込み位置とする(ステップST19)。
図9に示すものは、現在の発光した部分のドット画像であり、図10に示すものは、前回のデータに今回のデータを足し込んで形成されたスポット生成メモリー33内のスポット像である。
【0033】
そして、次に、該当位置で画像差し込みが行われたか否かを判断し、足し込みが行われていない場合には、画像をスポット生成メモリー33に足し込み、ステップST16に行き、1ピッチ全ての位置での画像足し込みが行われたか否かを判断する(ステップST20、ST21、ST16)。
【0034】
ステップST16にて、1ピッチ全ての足し込みが行われていない場合には、ステップST17〜ST21に行き、再度、コイル18にコイルパラメータを送信して電子ビーム19を横方向に移動させることにより画像を撮像して、スポット像に足し込む等を行う。
1ピッチ全ての足し込みが行われている場合には、次に、スポット生成メモリー33の内容を1ピッチピクセル数で割り、通常輝度に戻してイメージメモリー31に転送する(ステップST22)。
図11に示すものは、最後の現在発光した部分のドット画像であり、図12に示すものは、1ピッチ最後まで足し込んだドットプロファイルを示すスポット像である。
【0035】
ここで、、通常は、最終的なスポット形状になるが均等に足し込んでいない場合があるため、最後まで足し込む必要がある。図13は最後まで足し込んだときの発光部分のドット画像であり、図14に示すものは更に画像足し込みを行ってドットプロファイルを形成したものである。
図14に示すものは、1ピッチ移動した最終イメージの発光部分のドット画像であり、図16に示すものは、最終イメージを足し込んだ結果、平均化したドットプロファイルを得たスポットイメージである。
そして、生成されたスポット像を適宜表示手段に表示させることにより、1つの蛍光体を電子ビーム19が走査するようにして発光させて得られたスポットを視認することで、フォーカスの度合いを測定することができる(ステップST23)。
【0036】
又、上記手法により作成したスポット像に対して、横方向重心位置ずれの補正及び縦方向重心位置ずれの補正を行う必要がある。
この横方向重心位置ずれの補正は、図17に示すように、基本的には、像を1ピクセル毎、右にずらしながら足し込みを行うのだが、実際には必要な像を取り込めるとは限らない。そこで、コイル18にパラメータを要求した位置ではなく実測した重心位置に像を足し込むようにする。但し、重心位置が1ピッチの外側にある場合、既に、実測位置の像が足し込まれている場合はそのデータは捨てる。
【0037】
縦方向重心位置ずれの補正は、図18に示すように、縦方向のずれは、最初に取り込んだ像の重心位置に合わせる。
このずれの計算は青、赤、緑それぞれ独立した重心差を算出して補正を行う。これにより、測定中にドット画像が上下に変動しても影響をキャンセルできる。
輝度補正は、最初に取り込んだ像の輝度合計と今回の輝度合計との比率を求め、足し込み時に各画素について最初の像に合わせる方向で比率を掛け、補正を行う。この補正は、青、赤、緑それぞれ独立して行う。実際のテレビジョンはフィールド毎で、僅かながら輝度変化しており、この補正を行うことにより、滑らかな画像合成ができる。
【0038】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明に係るフォーカス測定装置は、ネックに取付けたコイルによって電子ビームを移動することにより、1ピッチの蛍光体に対して連続した画像を合成することにより、精度の良いフォーカス測定が行えるという効果がある。
【0039】
実際にドット位置を移動して画像を合成したので、補間による方法よりも精度の高いフォーカス測定を得ることがでいるという効果がある。
【0040】
更に、コンバーゼンスの測定精度も蛍光体のサンプリングの影響を受けないので精度を上げることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォーカス測定装置のブロック図である。
【図2】同フォーカス測定装置を構成する画像処理装置のブロック図である。
【図3】同三色の蛍光体を分離できる程度の機能を有するレンズにより結像され、その結像された映像を示した説明図である。
【図4】同フォーカス測定を行うためのフローチャートである。
【図5】同1ピッチあたりのピクセル数を取得するための様子を示した説明図である。
【図6】同1ピクセル動かすのに必要なコイルパラメータを取得するための様子を示した説明図である。
【図7】同1ピクセル動かしたときのドットの画像を示す説明図である。
【図8】同図7における画像を取り込んでメモリに記録したスポット像の説明図である。
【図9】同1ピクセルぶん動かしたときのドットの画像を示す説明図である。
【図10】同図9における1ピクセルぶん動かしたときの画像を取り込んで足し込んだスポット像の説明図である。
【図11】同図9における画像から更に1ピクセル動かしたときのドットの画像を示す説明図である。
【図12】同図11における画像を取り込んでメモリに記録したスポット像の説明図である。
【図13】同1ピクセルぶん更に動かしたときのドットの画像を示す説明図である。
【図14】同図13における1ピクセルぶん動かしたときの画像を取り込んで足し込んだスポット像の説明図である。
【図15】同1ピッチ動かした最終のイメージの画像を示す説明図である。
【図16】同図15における画像を取り込んでメモリに記録したスポット像の説明図である。
【図17】同横方向重心位置ずれに対応したスポット像を示す説明図である。
【図18】同縦方向重心位置ずれに対応したスポット像を示す説明図である。
【符号の説明】
11;映像制御部、12;CRT、13;カメラ部、14;撮像素子、15;レンズ、16;画像処理装置、17;コイル電流発生回路、21;タイミング信号発生回路、22;A/D変換器(R用)、23;A/D変換器(G用)、24;A/D変換器(B用)、25;セレクター、26;コンピュータ、27;I/O部、28;D/A変換器、29;イメージメモリー(R用)、30;イメージメモリー(G用)、31;イメージメモリー(B用)、32;蛍光体ピッチ算出部、33;スポット生成メモリー。
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォーカス測定装置及びフォーカス測定方法に関するものであり、詳しくはカラー陰極線管(CRT;Cathode Ray Tube)に白色のドット画像を発光させ、そのドット画像をCRTのネック部分に設けたコイルへ電流を供給して電子ビームを横方向に動かして得られる画像を撮像し、スポット形状にしてCRTのフォーカス性能を評価するフォーカス測定装置及びフォーカス測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術におけるCRTのフォーカス測定装置は、CRTに表示された所定のテストパターンをCCDカメラで撮像し、その撮像画像を用いてCRTの電子ビームのエネルギー強度分布が算出される。更に、そのエネルギー強度分布の形状が、例えば、標準的な山(適正)、裾野の広がったラッパ状(ハロー傾向)、山頂が台形状の釣鐘形(ブルーミング傾向)のいずれかに属するか判別され、その判別結果に基づいてCRTのフォーカス性能が評価される。エネルギー強度分布の形状を目視評価と相関性の高い形状に分類し、その形状によってフォーカス性能を評価することで目視評価との相関性を高めるというものが周知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−128197号公報 (第4−第9頁、図3)
【0004】
【特許文献2】
特開平8−203436号公報 (第3−第6頁、図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術で説明したCRTは、赤、緑、青のストライプが順番に配置されており、ドット画像を発光すると、水平方向の画像はそれぞれの色ごとに不連続な画像となり、フォーカス評価(ドットプロファイル評価)が正確に行えないという問題がある。
【0006】
又、ドットの発光位置を信号発生器側で行うとすると、正確に測定するために発生位置を1ピッチの30分割程度の間隔で移動する必要があり、信号発生器側の基本クロックが非常に高くなり、現実的でないのと、CRTの1ピッチが異なると分割ステップが異なってくるという問題もある。
更に、CRTの前面から電子ビームを移動する方法もあるが、この場合は電子ビームを移動すると、電子ビームの位置が変わると同時に電子ビームが蛍光面に当たる位置も変化するため、色純度が変化して、測定が不可能であるという問題もある。
【0007】
従って、CRTのドット画像のフォーカス評価を行うのに蛍光体を発光させる電子ビームを横方向に連続的に動かして連続した画像を取り込んでフォーカス評価できるようにすることに解決しなければならない課題を有する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明に係るフォーカス測定装置及びフォーカス測定方法は、次に示す構成にすることである。
【0009】
(1)フォーカス測定装置は、カラー陰極線管に白色のドット画像を発光させる映像制御手段と、前記カラー陰極線管の表示面に対向配置すると共に3色の蛍光体を分離できる視野を有するレンズを備えた撮像手段と、前記撮像手段で撮像した映像信号を画像データとして取り込むイメージメモリーと、前記イメージメモリーに取り込んだ画像データに基づいて重心位置を算出して蛍光体ピッチを算出する蛍光体ピッチ算出手段と、前記カラー陰極線管のネック部分に取付けると共に電子ビームを前記蛍光体ピッチ算出手段で算出した蛍光体ピッチの開始位置から横方向に動かすコイルを備えた電子ビーム移動手段と、を備えたことである。(2)上記撮像手段は、白黒のフォーカス測定の場合は識別フィルターを取り付けるか又は前記カラー陰極線管を単色で発光させ、カラーのフォーカス測定の場合は前記撮像手段で撮像した映像信号を画像データとして取り込む3個のイメージメモリーを備えたことを特徴とする(1)に記載のフォーカス測定装置である。
【0010】
(3)フォーカス測定方法は、カラー陰極線管のネック部分に取付けたコイルに電流を流さないで、カラー陰極線管の表示面に対向配置した撮像手段により得られた画像データの重心位置に対し、1ピッチ移動するのに必要な前記コイルに流す電流を求めると共に当該1ピッチの1ピクセルずつ移動するのに必要な前記コイルに流す電流を求め、この求めたコイルに流す電流をコイルに流して電子ビームが移動したときの画像から対応する蛍光体の発光していた部分のみを記録することを1ピッチ間の全ての位置で行い、この記録したデータを貼り付けて連続したドットプロファイルを作成することである。
(4)上記ドットプロファイルを作成するに際し、前記コイルに電流を流して電子ビームが移動したときの画像の重心を求め、横方向に関しては電流を流していない状態から、何画素の位置の画像かを求めてその位置に貼り付け、垂直方向は電流を流していないときの位置に貼り付けて、前記カラー陰極線管の表示面に表示されるドット画像や前記撮像手段が上下左右に微移動した時の補正を行って連続したドットプロファイルを作成することを特徴とする(3)に記載のフォーカス測定方法である。
【0011】
このように、CRTに撮像手段を対向配置すると共に、ネック部分にコイルを取付けて、電子ビームを1ピッチの蛍光体上を横方向に動かし、その動かした時のフォーカスを測定するようにしたことにより、1ピッチの蛍光体に対して連続した画像を合成することが可能になり、精度の良いフォーカス測定が行える。
【0012】
又、実際にドット位置を移動して画像を合成したので、補間による方法よりも精度の高いフォーカス測定を得ることができるようになる。
【0013】
更に、コンバーゼンスの測定精度も蛍光体のサンプリングの影響を受けないので精度を上げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るフォーカス測定装置及びフォーカス測定方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
本願発明のフォーカス測定方法を具現化することができるフォーカス測定装置は、図1に示すように、CRT12に白色のドット画像を発光させる映像制御手段である映像制御部11と、CRT12と、CRT12に対向配置され、CRT12の蛍光体を分離できる程度の機能を有するレンズ15と、CCD等の撮像素子14を備えた撮像手段であるビデオカメラ等で構成されたカメラ部13と、カメラ部13で撮像した画像をイメージメモリーに取り込むと共にコイル18に供給する電流を設定する等の演算処理を行う画像処理装置16と、画像処理装置16からの電子ビーム19を横方向に移動させるためのコイル18に電流を供給するコイル電流発生回路17と、CRT12のネック部分に取付けて垂直磁界を発生させ電子ビーム19を横方向に動かすコイル18とからなる。ここで、電子ビーム移動手段は、画像処理装置16、コイル発生回路17、CRT12のネック部分に取付けたコイル18とから概略構成されている。
撮像手段は、白黒のフォーカス測定にも対応することができ、この場合には識別フィルターを取り付けるか又はCRT12を単色で発光させて対応する。
【0016】
画像処理装置は、図2に示すように、カメラ部13からの信号(HD、CLK)に同期してカメラ部13で撮像した映像信号をR、G、Bの3色のデジタル信号に変換するA/D変換器22、23、24のクロックを生成するタイミング信号発生回路21と、カメラ部13で撮像したデータをディジタル値の信号に変換するR、G、B用のA/D変換器22、23、24と、A/D変換器22、23、24からの信号又はコンピュータ26からの信号を切り替えるセレクター25と、画像処理及びコイル18へ供給するコイルパラメータを生成するコンピュータ26と、R、G、BのA/D変換器22、23、24で変換された画像データを取込むR、G、Bのイメージメモリー29、30、31と、イメージメモリー31(、29、30)に取り込んだ画像データに基づいて重心位置を算出して蛍光体ピッチを算出する蛍光体ピッチ算出手段である蛍光体ピッチ算出部32と、コイル18に電流を供給して電子ビーム19(図1参照)を横方向に移動したときに得られたスポット像を記録及び足し込みを行うスポット生成メモリー33と、コンピュータ26からのコイルパラメータを出力するI/O部27と、I/O部27からの信号をアナログ信号に変換してコイル電流発生回路17に供給するD/A変換器28とから構成されている。
【0017】
コンピュータ26で計算されたコイル18に流すための電流を発生させるコイルパラメータは、I/O部27を介してコイル電流発生回路17に出力され、コイル電流発生回路17において、コイルパラメータに基づいて所定の電流をコイル18に供給することにより電子ビームを横方向に移動させる。
【0018】
このような構成からなるフォーカス測定装置において、先ず、CRT12に白色のドット画像を発生させる。そして、このCRT12の表示面のドット画像の三色の蛍光体を分離して撮像できる視野を有するレンズ15を取付けたカメラ部13により、ドット画像はレンズ15によって結像され、カメラ部13の撮像素子によって電気信号に変換し、映像信号として出力される。
【0019】
三色の蛍光体を分離して撮像できるレンズ15を利用することで、図3に示すように、映像信号として取り込んだ三色の画像データは夫々が分離した状態でイメージメモリー29、30、31に記録することができ、これは、撮像素子の各画素で得られた撮像データが三色分離されてイメージメモリー29、30、31に記録でき、各色の重心を計算できるのである。実施例の場合には青の画像データの重心位置を計算して求めて、その求めた重心位置の差を検出して、1つの蛍光体ピッチを検出すると共に、1ピッチあたりのピクセル数を取得することが可能になる。
【0020】
このような構成からなるフォーカス測定装置において、フォーカス測定を行うための手順について、図1及び図2に示すブロック図を参照して、図4に示すフローチャートに基づいて、以下説明する。
【0021】
先ず、画像処理装置16からの制御に基づいて映像制御部11に白色の表示を行うように制御して、CRT12にドットを表示する(ステップST11)。このときにはコイル18には電流は印加されていない。
この状態で、三色の蛍光体を分離できる程度の機能を有するレンズ15により結像され、その結像された映像がカメラ部13で撮像して映像信号が生成され、画像処理装置16に入力される。
画像処理装置16に入力された画像信号は、タイミング信号発生回路21のタイミングによりR、G、BのA/D変換器(実施例において8ビットA/D変換器)22、23、24に入力され画像データである輝度信号データに変換された後に、セレクター25を介して、R、G、Bの夫々のイメージメモリー29、30、31に記録される。
【0022】
次に、1ピッチ間隔を取得すると共に、1ピッチあたりのピクセル数も取得する(ステップST12)
これは、コイル18に電流を流さない状態にしておいて、青のイメージメモリー31に読み込んだ1フレーム画像を使用して行う。具体的には、図5に示すように、ストライプ毎に重心を計算し、隣り合ったストライプ間の重心差を蛍光体ピッチとする。ここで、カメラ感度は青が一番高く、クロストークも少ないので、最も重心安定度があるので、青をピッチ計算に使用している。
具体的に示せば、実施例においては、コンピュータ26からの制御により蛍光体ピッチ算出部32において、1フレーム画像として記録されている青のイメージメモリー31の内容を利用して重心を計算する。重心の計算は、イメージメモリー31に記録されている量子化された輝度信号データと水平エリアアドレスデータの積及び所定のエリアアドレスまでの輝度信号データの和の演算を行う、所謂、積和演算を行う。エリアアドレスは、カメラ部13の撮像素子(CCD)の画素数によって決定されるものであり、このエリアアドレスはCRT12に対向配置したレンズ15及びカメラ部13の位置によって予め決定することができる。積和演算により重心を求めるには、Dt(n)を水平エリアアドレスnにおける輝度信号データとすると、下記の式(1)で求めることができる。
【0023】
【数1】
【0024】
このようにして青のデータを利用して1フレーム画像の青の全ての重心を計算する。そして、隣りの青の重心との差、即ち、重心差が、蛍光体ピッチの1ピッチとなり、その1ピッチあたりのピクセル数を取得することができる。
【0025】
次に、図4に戻って、1ピッチ動かすための開始位置での青全体重心を取得する(ステップST13)。
【0026】
そして、1ピッチ移動に必要なコイル18に供給する電流のコイルパラメータを計算する(ステップST14)。
即ち、撮像素子の1画素ぶんである1ピクセル動かすのに必要なコイル18のコイルパラメータを計算して取得するには、図6に示すように、コイルパラメータの初期値に、所定の電流がコイル18に供給できるように設定し、青の全重心位置が1ピッチの半分を超えるまでコイル18に流す電流を変化させる。
1ピッチの半分を超えた時点で、コイル18の電流値を実際の横方向ピクセル数(全重心の横の差)で割り、1ピクセルあたりの仮コイルパラメータを計算する。そして、仮コイルパラメータに1ピッチ分のピクセル数を掛け、この値をコイル18に送り実際に移動したピクセル数(開始位置青重心位置と今回の重心位置との差)を得て、以下の式でコイルパラメータの値の調整を行う。
【0027】
今回の1ピクセル当たりのコイルパラメータ
=(コイル18に送った値÷横重心移動量)
【0028】
新コイルパラメータ
=(仮コイルパラメータ+今回の1ピクセル当たりのコイルパラメータ)÷2
【0029】
これを3回繰返し、1ピッチ動かすのに必要な電流値を決定する。
【0030】
次に、ドットを1ピッチ動かし、スポット像を生成する為に、スポット生成メモリー33をクリアする(ステップST15)。
そして、1ピッチ動かして全ての位置での画像の足し込みがされたかどうかを判断し、全ての位置での足し込みが完了していない場合には、コンピュータ26は1ピクセル移動するのに必要なコイルパラメータをコイル電流発生回路17に送る(ステップST16、ST17)。
【0031】
そうすると、コイル電流発生回路17は、このコイルパラメータに基づく電流をコイル18に供給することにより、現在のドットを形成する電子ビーム19が横方向に動く。
【0032】
図7に示すものは、コイルを使用して1ピクセル毎にドットを動かしたときに発光した部分のドット画像であり、図8に示すものは1ピクセル動かしたドット画像を撮像して得られたスポット像を取込んでスポット生成メモリーに記録したものである。
このように、電子ビーム19が横方向に動くことにより、撮像する画像も変化する。この撮像した画像から移動した量を求め、1ピクセル移動するのに必要なコイルパラメータを調節する(ステップST18)。
そして、電子ビーム19を横方向に動いたことにより変化した青の重心を算出し、開始位置での青の重心との差を求め、この差を画像の足し込み位置とする(ステップST19)。
図9に示すものは、現在の発光した部分のドット画像であり、図10に示すものは、前回のデータに今回のデータを足し込んで形成されたスポット生成メモリー33内のスポット像である。
【0033】
そして、次に、該当位置で画像差し込みが行われたか否かを判断し、足し込みが行われていない場合には、画像をスポット生成メモリー33に足し込み、ステップST16に行き、1ピッチ全ての位置での画像足し込みが行われたか否かを判断する(ステップST20、ST21、ST16)。
【0034】
ステップST16にて、1ピッチ全ての足し込みが行われていない場合には、ステップST17〜ST21に行き、再度、コイル18にコイルパラメータを送信して電子ビーム19を横方向に移動させることにより画像を撮像して、スポット像に足し込む等を行う。
1ピッチ全ての足し込みが行われている場合には、次に、スポット生成メモリー33の内容を1ピッチピクセル数で割り、通常輝度に戻してイメージメモリー31に転送する(ステップST22)。
図11に示すものは、最後の現在発光した部分のドット画像であり、図12に示すものは、1ピッチ最後まで足し込んだドットプロファイルを示すスポット像である。
【0035】
ここで、、通常は、最終的なスポット形状になるが均等に足し込んでいない場合があるため、最後まで足し込む必要がある。図13は最後まで足し込んだときの発光部分のドット画像であり、図14に示すものは更に画像足し込みを行ってドットプロファイルを形成したものである。
図14に示すものは、1ピッチ移動した最終イメージの発光部分のドット画像であり、図16に示すものは、最終イメージを足し込んだ結果、平均化したドットプロファイルを得たスポットイメージである。
そして、生成されたスポット像を適宜表示手段に表示させることにより、1つの蛍光体を電子ビーム19が走査するようにして発光させて得られたスポットを視認することで、フォーカスの度合いを測定することができる(ステップST23)。
【0036】
又、上記手法により作成したスポット像に対して、横方向重心位置ずれの補正及び縦方向重心位置ずれの補正を行う必要がある。
この横方向重心位置ずれの補正は、図17に示すように、基本的には、像を1ピクセル毎、右にずらしながら足し込みを行うのだが、実際には必要な像を取り込めるとは限らない。そこで、コイル18にパラメータを要求した位置ではなく実測した重心位置に像を足し込むようにする。但し、重心位置が1ピッチの外側にある場合、既に、実測位置の像が足し込まれている場合はそのデータは捨てる。
【0037】
縦方向重心位置ずれの補正は、図18に示すように、縦方向のずれは、最初に取り込んだ像の重心位置に合わせる。
このずれの計算は青、赤、緑それぞれ独立した重心差を算出して補正を行う。これにより、測定中にドット画像が上下に変動しても影響をキャンセルできる。
輝度補正は、最初に取り込んだ像の輝度合計と今回の輝度合計との比率を求め、足し込み時に各画素について最初の像に合わせる方向で比率を掛け、補正を行う。この補正は、青、赤、緑それぞれ独立して行う。実際のテレビジョンはフィールド毎で、僅かながら輝度変化しており、この補正を行うことにより、滑らかな画像合成ができる。
【0038】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明に係るフォーカス測定装置は、ネックに取付けたコイルによって電子ビームを移動することにより、1ピッチの蛍光体に対して連続した画像を合成することにより、精度の良いフォーカス測定が行えるという効果がある。
【0039】
実際にドット位置を移動して画像を合成したので、補間による方法よりも精度の高いフォーカス測定を得ることがでいるという効果がある。
【0040】
更に、コンバーゼンスの測定精度も蛍光体のサンプリングの影響を受けないので精度を上げることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォーカス測定装置のブロック図である。
【図2】同フォーカス測定装置を構成する画像処理装置のブロック図である。
【図3】同三色の蛍光体を分離できる程度の機能を有するレンズにより結像され、その結像された映像を示した説明図である。
【図4】同フォーカス測定を行うためのフローチャートである。
【図5】同1ピッチあたりのピクセル数を取得するための様子を示した説明図である。
【図6】同1ピクセル動かすのに必要なコイルパラメータを取得するための様子を示した説明図である。
【図7】同1ピクセル動かしたときのドットの画像を示す説明図である。
【図8】同図7における画像を取り込んでメモリに記録したスポット像の説明図である。
【図9】同1ピクセルぶん動かしたときのドットの画像を示す説明図である。
【図10】同図9における1ピクセルぶん動かしたときの画像を取り込んで足し込んだスポット像の説明図である。
【図11】同図9における画像から更に1ピクセル動かしたときのドットの画像を示す説明図である。
【図12】同図11における画像を取り込んでメモリに記録したスポット像の説明図である。
【図13】同1ピクセルぶん更に動かしたときのドットの画像を示す説明図である。
【図14】同図13における1ピクセルぶん動かしたときの画像を取り込んで足し込んだスポット像の説明図である。
【図15】同1ピッチ動かした最終のイメージの画像を示す説明図である。
【図16】同図15における画像を取り込んでメモリに記録したスポット像の説明図である。
【図17】同横方向重心位置ずれに対応したスポット像を示す説明図である。
【図18】同縦方向重心位置ずれに対応したスポット像を示す説明図である。
【符号の説明】
11;映像制御部、12;CRT、13;カメラ部、14;撮像素子、15;レンズ、16;画像処理装置、17;コイル電流発生回路、21;タイミング信号発生回路、22;A/D変換器(R用)、23;A/D変換器(G用)、24;A/D変換器(B用)、25;セレクター、26;コンピュータ、27;I/O部、28;D/A変換器、29;イメージメモリー(R用)、30;イメージメモリー(G用)、31;イメージメモリー(B用)、32;蛍光体ピッチ算出部、33;スポット生成メモリー。
Claims (4)
- カラー陰極線管に白色のドット画像を発光させる映像制御手段と、
前記カラー陰極線管の表示面に対向配置すると共に3色の蛍光体を分離できる視野を有するレンズを備えた撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した映像信号を画像データとして取り込むイメージメモリーと、
前記イメージメモリーに取り込んだ画像データに基づいて重心位置を算出して蛍光体ピッチを算出する蛍光体ピッチ算出手段と、
前記カラー陰極線管のネック部分に取付けると共に電子ビームを前記蛍光体ピッチ算出手段で算出した蛍光体ピッチの開始位置から横方向に動かすコイルを備えた電子ビーム移動手段と、
を備えたことを特徴とするフォーカス測定装置。 - 上記撮像手段は、白黒のフォーカス測定の場合は識別フィルターを取り付けるか又は前記カラー陰極線管を単色で発光させ、カラーのフォーカス測定の場合は前記撮像手段で撮像した映像信号を画像データとして取り込む3個のイメージメモリーを備えたことを特徴とする請求項1に記載のフォーカス測定装置。
- カラー陰極線管のネック部分に取付けたコイルに電流を流さないで、カラー陰極線管の表示面に対向配置した撮像手段により得られた画像データの重心位置に対し、1ピッチ移動するのに必要な前記コイルに流す電流を求めると共に当該1ピッチの1ピクセルずつ移動するのに必要な前記コイルに流す電流を求め、
この求めたコイルに流す電流をコイルに流して電子ビームが移動したときの画像から対応する蛍光体の発光していた部分のみを記録することを1ピッチ間の全ての位置で行い、
この記録したデータを貼り付けて連続したドットプロファイルを作成することを特徴とするフォーカス測定方法。 - 上記ドットプロファイルを作成するに際し、前記コイルに電流を流して電子ビームが移動したときの画像の重心を求め、
横方向に関しては電流を流していない状態から、何画素の位置の画像かを求めてその位置に貼り付け、
垂直方向は電流を流していないときの位置に貼り付けて、
前記カラー陰極線管の表示面に表示されるドット画像や前記撮像手段が上下左右に微移動した時の補正を行って連続したドットプロファイルを作成することを特徴とする請求項3に記載のフォーカス測定方法。
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