JP2004085707A - トナー濃度制御装置、印字装置、及び複写機 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像器が停止状態で長時間放置されたために生じるトナー帯電量の低下によって動作開始直後に画像濃度が高くなる不都合を解消する。
【解決手段】現像器5に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサ11と、このトナー濃度センサの検出値に基づいて現像器へのトナー補給を制御する制御部14と、現像器の動作停止からの経過時間を計時するマシン停止タイマ20と、現像器の動作開始からの経過時間を計時するプリント動作タイマ21と、これらの両タイマによる計時値に基づいて、制御部で用いられるトナー濃度センサの検出値を実質的に補正する補正部22とを有するものとする。
【選択図】 図2
【解決手段】現像器5に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサ11と、このトナー濃度センサの検出値に基づいて現像器へのトナー補給を制御する制御部14と、現像器の動作停止からの経過時間を計時するマシン停止タイマ20と、現像器の動作開始からの経過時間を計時するプリント動作タイマ21と、これらの両タイマによる計時値に基づいて、制御部で用いられるトナー濃度センサの検出値を実質的に補正する補正部22とを有するものとする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤のトナー濃度を制御するトナー濃度制御装置及びこれを備えた印字装置並びに複写機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式により記録紙上にトナーによる画像を形成する装置において、トナーの他にキャリアを含有させた二成分現像剤を用いる場合には、記録紙上に形成されるトナー画像の濃度(画像濃度)が現像器内の現像剤のトナー濃度(現像剤中のトナーの割合)に左右されることから、均一な画像濃度を確保するため、現像器内の現像剤のトナー濃度を検出し、この検出値に基づいて適宜に現像器内にトナーを補給して現像剤のトナー濃度を適正範囲内に維持するトナー濃度制御が行われる。
【0003】
現像剤のトナー濃度は、現像剤の磁気抵抗を計測する磁気センサ(TDCセンサーと称す)で検出することができる。これは、現像剤に含まれるキャリアに付着するトナー量に応じてキャリア相互の間隔が増減することに伴って現像剤の磁気抵抗が変化する特性を利用して現像剤の磁気抵抗の大小でトナー濃度を検出するものである。
【0004】
この種のトナー濃度センサでは、トナー帯電量の高低がキャリア相互の間隔に影響することが原因で、トナー帯電量が変動するとこれに応じて検出値も変動する難点がある。例えばトナー帯電量が低下すると、トナ−の帯電気によるクーロン反発力が減少しキャリア相互の間隔が小さくなり、これに伴って磁気抵抗が小さくなるため、トナー濃度が実際よりも低く検出される。このため、トナー濃度センサの検出値に基づいたトナー濃度制御では、トナー帯電量が低下すると、実際のトナー濃度が適切なトナー濃度より高い状態になり、画像濃度が高くなり過ぎるという問題が生じる。トナー帯電量が上昇する場合は、これとは逆に画像濃度が低下する。
【0005】
このようなトナー濃度センサの検出誤差を招くトナー帯電量の変動は、現像器が停止状態で長時間放置された場合に生じる短期的なトナー帯電量の低下現象と、経時的な現像剤の劣化に伴って生じる長期的なトナー帯電量の変動現象との2つの態様がある。このうち、長時間放置による短期的なトナー帯電量の低下現象に対しては、動作開始時にエージングを行ってトナー帯電量を回復させることで対処することができる。他方、現像剤劣化による長期的なトナー帯電量の変動現象に対しては、トナー濃度センサによる検出値をランニング枚数に応じて補正することで対処することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の短期的なトナー帯電量の低下現象の対応策であるエージングは、動作開始時に余計な待ち時間を必要とすることから、装置の使用効率を低下させる不都合を招き、このような不都合を避ける観点から短期的なトナー帯電量の低下現象に対してもトナー濃度制御のプロセスで対処することが望まれる。また、前記の長期的なトナー帯電量の変動現象の対応策である補正処理では、従来、一定の枚数間隔で補正値を設定していたため、トナー帯電量が急激に変化する際には補正を精度良く行うことができない不都合が生じ、トナー帯電量の急激な変化に適切に対応することができる補正処理が望まれる。
【0007】
また近年、環境保護の観点からクロム等の金属系成分を取り除いたトナー、例えばメタルフリーCCAなどが注目されているが、この種の環境保護対策トナーでは上記のトナー帯電量の変動現象が顕著であり、このような環境保護対策トナーの普及を促進する上でも、トナー帯電量の変動に左右されることなく安定した画像濃度を得ることができるトナー濃度制御が望まれる。
【0008】
本発明は、このような発明者の知見に基づき案出されたものであり、その主な目的は、現像器が停止状態で長時間放置されたために生じるトナー帯電量の低下によって動作開始直後に画像濃度が高くなる不都合を避けることができ、また経時的な現像剤の劣化に伴うトナー帯電量の変動に左右されることなく適切な濃度の画像を安定して得ることができるトナー濃度制御装置、印字装置、及び複写機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明においては、請求項1に示すとおり、トナー濃度制御装置の構成を、現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、現像手段の動作停止からの経過時間を計時する第1計時手段と、現像手段の動作開始からの経過時間を計時する第2計時手段と、これら第1・第2の両計時手段による計時値に基づいて、制御手段で用いられるトナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有するものとした。これによると、現像器が停止状態で長時間放置されたために生じる短期的なトナー帯電量の低下現象に対して、現像器の停止時間に基づいてトナー濃度センサの出力値を補正することで実際のトナー濃度に適合するトナー濃度制御が可能になり、画像形成動作開始直後に画像濃度が高くなる不都合を避けることができる。特に第1計時手段の計時値からトナー帯電量の低下状況が判別され、また第2計時手段の計時値からトナー帯電量の回復状況が判別され、これらの計時値に基づくことでトナー帯電量の変動状況が正確に反映された補正を行うことができ、動作停止状況に左右されることなく安定した濃度の画像を得ることができる。
【0010】
この場合、補正手段で行われる補正の対象は、トナー濃度検出手段の検出値が実質的に補正されるものであれば特に限定されるものではなく、トナー濃度検出手段の出力値の他に、例えばトナー濃度検出手段の制御電圧でも良い。また、トナー補給手段を制御する際にトナー濃度検出手段の出力値と比較されるしきい値を補正することも可能である。
【0011】
前記トナー濃度制御装置においては、請求項2に示すとおり、第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、第1計時手段を初期状態に戻す処理が行われ、補正手段は、第1計時手段による計時値に基づいて補正を実行する構成とすることができる。これによると、第2計時手段による計時値(動作時間)が、第1計時手段の初期化の要否を判定するための基準に用いられ、補正自体は第1計時手段による計時値(停止時間)に基づいて行われることになり、制御手順を簡素化することができる。この場合、所定のしきい値を上回る動作時間でトナー帯電量が十分に回復したものとみなして第1計時手段の初期化が行われ、他方、所定のしきい値に満たない短時間の動作によるトナー帯電量の回復は無視される。なお、第1計時手段の初期化の処理は、現像手段の動作を停止させた際に行うと良い。
【0012】
前記トナー濃度制御装置においては、請求項3に示すとおり、第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、補正手段が、トナー濃度検出手段の検出値をこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させる補正を行う構成をとることができる。これによると、補正によりトナー濃度検出手段の検出値が示すみかけのトナー濃度と実際のトナー濃度との間の誤差が縮小され、適正なトナー濃度とすることができる。この場合、第1計時手段による計時値(停止時間)に基づいて補正の要否が判定され、第1計時手段による計時値が所定のしきい値に達しない場合には、補正が行われない。なお、停止時間の長短に関わらずに1つの補正値で一律に補正すると、制御手順をより一層簡素化することができる。また、第1計時手段の計時値による補正の要否の判定並びに補正の処理は、現像手段の動作を開始させる際に行うと良い。
【0013】
また、本発明においては、請求項4に示すとおり、トナー濃度制御装置の構成を、現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、現像手段の初期状態からの現像回数を計数する計数手段と、この計数手段による計数値に基づいて、制御手段で用いられるトナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有し、この補正手段が、現像回数の増大に伴うトナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって段階的に設定された補正値を用いて補正を行うものとした。これによると、経時的な現像剤の劣化に伴う長期的なトナー帯電量の変動現象に対して、トナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって設定された補正値でトナー濃度センサの出力値を補正することで実際のトナー濃度に精度良く適合したトナー濃度制御が可能になり、現像剤の劣化に左右されずにトナー濃度を一定に保持することができ、安定した画像濃度を確保することができる。この場合、トナー帯電量の変化が急な期間では、短い回数間隔で、トナー帯電量の変化が緩やか期間では、長い回数間隔で補正値が設定される。
【0014】
前記トナー濃度制御装置においては、請求項5に示すとおり、現像剤の初期状態から現像を開始した当初においてトナー帯電量が高い状態から急激に低下する急減期では、短い回数間隔で補正値が設定され、その後にトナー帯電量が一定となる安定期を経た後に現れる、現像回数の増大に伴って徐々にトナー帯電量が低下する緩減期では、長い回数間隔で補正値が設定された構成をとることができる。これによると、実際のトナー帯電量の変動パターンに適合した補正を行うことができ、特に急減期においてトナー帯電量の急激な変化に適切に対応した精度の高い補正を行うことができる。
【0015】
前記トナー濃度制御装置においては、請求項6に示すとおり、急減期では、トナー濃度検出手段による検出値がこれより低い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定され、緩減期では、トナー濃度検出手段による検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定された構成をとることができる。これによると、実際のトナー帯電量の変動パターンに適した補正を行うことができ、現像回数の少ない時期に画像濃度が低くなる不都合を避けることができ、また現像回数が増えるのに伴って画像濃度が高くなる不都合を避けることができ、現像回数に左右されることなく安定した画像濃度を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明による複写機の概略構成を示す模式図である。この複写機は、原稿読取部1で読み取った原稿Aの画像を記録紙Bに記録する(記録時の一連の複写プロセスをプリンタ動作と称す)ものであり、静電潜像を形成する感光体ドラム2の周りに、その作像面を一様に帯電する帯電器3と、感光体ドラム2の作像面上に原稿Aの読取画像にしたがった静電潜像を形成する露光装置4と、感光体ドラム2上の静電潜像をトナーによって可視化する現像器5と、感光体ドラム2上のトナー像を記録紙Bに転写する転写装置6と、感光体ドラム2上の残トナーを除去するクリーニング装置7とが設けられ、感光体ドラム2の側方には、記録紙Bに転写されたトナー像を定着するための定着装置8が設けられている。
【0018】
現像器5では、トナーの他にキャリアを含有する二成分現像剤が用いられ、トナーとキャリアとの摩擦帯電によって各々が異なる極性に帯電する。キャリアに帯電付着されたトナーは感光体ドラム2の表面近傍に搬送され、現像器5に現像バイアス電圧が印加されると、現像バイアス電圧と感光体ドラム2上の露光部分の電位との差によって感光体ドラム2上の露光部分に現像剤中のトナーだけが吸着され、感光体ドラム2上の静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
【0019】
図2は、図1に示した複写機におけるトナー濃度制御に係る要部の構成を示す模式図である。ここでは、現像器(現像手段)5に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサ(トナー濃度検出手段)11と、このトナー濃度センサ11の出力値に基づいて、現像器5にトナーを補給するトナー供給ローラ(トナー補給手段)12の駆動モータ13を制御する制御部(制御手段)14とが設けられている。制御部14には、ここでの制御に要するプログラムなどが格納されるROM15、制御時のワークエリアとなるRAM16、制御時の設定条件などの情報が格納されるEEPROM17、各種の情報が表示される表示パネル18が接続されている。
【0020】
ここでは、現像器5が停止状態で長時間放置されたために生じる短期的なトナー帯電量の変化に対して画像濃度を一定に保持するため、現像器5の動作停止からの経過時間を計時するマシン停止タイマ(第1計時手段)20と、現像器5の動作開始からの経過時間を計時するプリント動作タイマ(第2計時手段)21と、これらの2つのタイマ20・21による計時値に基づいて制御部14での制御に用いられるトナー濃度センサ11の出力値を実質的に補正する補正部22とが設けられている。特にここでは、制御部14からトナー濃度センサ11に入力される制御電圧が直接の補正対象となっており、制御電圧の補正量に応じた出力電圧がトナー濃度センサ11から出力される。
【0021】
制御部14には、マシン停止タイマ20による計時値(停止時間)が所定のしきい値を上回るか否かを判定する停止時間判定部(判定手段)23が設けられており、この停止時間判定部23で停止時間が所定のしきい値(例えば1h)を上回り、停止状態で長時間経過したことによってトナー帯電量が大幅に低下したものと判定された場合に、補正部22が、トナー濃度センサ11の検出値をこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させる補正を行う。このマシン停止タイマ20による停止時間に基づいた補正処理の要否の判定は、プリント動作開始時に行われる。
【0022】
さらに制御部14には、プリント動作タイマ21による計時値(動作時間)が所定のしきい値を上回る否かを判定する動作時間判定部(判定手段)24が設けられており、この動作時間判定部24で動作時間が所定のしきい値(例えば10s)を上回り、十分な動作時間の経過によってトナー帯電量が回復したものと判定された場合に、マシン停止タイマ20を初期状態に戻す処理が行われる。このプリント動作タイマ21による動作時間に基づいたマシン停止タイマ20の初期化処理の要否の判定は、プリント動作停止時に行われる。
【0023】
図3は、図2に示した制御部14でのトナー濃度制御の概要を示している。制御部14では、トナー濃度センサ11の出力値を所定のしきい値と比較してトナー補給の要否を判定し、トナー濃度センサ11の出力値が所定のしきい値を上回るとき、すなわちトナー濃度が所定の基準値を下回ったときにはトナー補給が必要であるものと判断してトナー供給ローラ12の駆動モータ13を起動し、トナーが現像器5に補給される。
【0024】
図4は、図2に示した補正部22での補正処理の概要を示している。補正部22では、トナー濃度センサ11の制御電圧を、所定の基準値に補正値を加算した値に設定する補正が行われる。これにより補正値に相当する分だけトナー濃度センサ11の出力値が変化する。ここで補正値が負の値であれば、トナー濃度センサ11の出力値が低下し、みかけのトナー濃度が高めに修正される。他方、補正値が正の値であれば、トナー濃度センサ11の出力値が上昇し、みかけのトナー濃度が低めに修正される。
【0025】
図5は、短期的なトナー帯電量の低下現象によるトナー帯電量及びトナー濃度の変動状況を示している。現像器5が停止状態で長時間放置されるとトナー帯電量が大幅に低下し、現像器5が動作を再開するとトナー帯電量が次第に回復する。実際のトナー濃度は、トナー帯電量と逆の変動パターンを示す。すなわち、プリント動作開始直後には、トナー帯電量の低下に伴う磁気抵抗の低下によってみかけのトナー濃度が低くなることでトナー補給が促進されることにより、実際のトナー濃度がトナー帯電量とは逆に高い値を示し、トナー帯電量が回復するのに伴って正常な状態に復帰する。
【0026】
図6は、図2に示した補正部22で行われる短期的なトナー帯電量の低下現象に対する補正状況を示している。補正部22では、トナー濃度センサ11の制御電圧を、所定の基準値に補正値αを加算した値に設定する補正が行われる。ここでは、トナー濃度センサ11の検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させる補正が行われ、具体的には、補正値α=−2とし、制御電圧が基準値より低く設定される。これにより補正値に相当する分だけトナー濃度センサ11の出力値が低くなり、みかけのトナー濃度が高めに修正され、トナー補給が制限されて実際のトナー濃度が高くなるのを避けることができる。補正は、所定時間(例えば10分)の経過で解除される。
【0027】
図7は、図2に示した補正部22で補正を行った場合のトナー帯電量及びトナー濃度の経時変化の一例を示している。ここでは、現像器5の動作停止後にしいき値(1h)を越える時間が経過したところでプリント動作が開始され、このときマシン停止タイマ20の計時値T1>1hとなるため、所定の補正処理が行われる。そしてこのプリント動作がしいき値(10s)を下回る時間で停止されると、プリント動作タイマ21の計時値T2<10sとなるため、マシン停止タイマ20の初期化処理は行われず、停止時間が継続して計時される。その後、しいき値(1h)を下回る時間をおいてプリント動作が開始されると、マシン停止タイマ20の計時値T1>1hとなるため、所定の補正処理が行われる。このプリント動作はしいき値(10s)を上回る時間継続したため、プリント動作タイマ21の計時値T2>10sとなるので、マシン停止タイマ20の初期化処理が行われる。
【0028】
図8は、図1に示した複写機でのタイマ設定及び複写処理の際の手順を示すフロー図である。まずステップ101にて複写機のセッティング時にマシン停止タイマ20を起動する処理が行われる。そして所定のキー操作などでコピー処理が開始されると、まずステップ201にてマシン停止タイマ20の計時値(停止時間)が所定のしきい値(ここでは1h)以上か否かを判定し、しきい値を下回ればステップ202に進んでトナー濃度センサ11の制御電圧が基準値に設定され、他方、マシン停止タイマ20の計時値がしきい値以上であればステップ203に進んでトナー濃度センサ11の制御電圧が基準値に補正値αを加算した値に設定される。
【0029】
次にステップ204にてプリント動作が開始され、つづくステップ205にてプリント動作タイマ21が起動される。ついでステップ206にてプリント動作が実行され、ステップ207にてプリント動作が終了したか否かを判定し、プリント動作が終了していればステップ208に進んでプリント動作タイマ21が停止される。そしてステップ209にてプリント動作タイマ21の計時値(動作時間)が所定のしきい値(ここでは10s)以上か否かを判定し、プリント動作タイマ21の計時値がしきい値以上であればステップ210に進んでマシン停止タイマ20がリスタートされる。
【0030】
また、本複写機では、経時的な現像剤の劣化に伴う長期的なトナー帯電量の変動現象に対して画像濃度を一定に保持するため、図2に示したように、現像器5の初期状態からの現像回数を計数する現像カウンタ(計数手段)25を有し、補正部22では、この現像カウンタ25による計数値(現像回数)に基づいて制御部14に入力されるトナー濃度センサ11の出力値を実質的に補正する処理が行われ、このとき、現像回数の増大に伴うトナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって段階的に設定された補正値を用いて補正が行われる。ここでは、現像カウンタ25の計数値から現像回数判定部26にていずれの期間に該当するかを判定し、期間ごとに補正値が定められた補正値テーブルを参照して該当する期間に対応する補正値が求められる。
【0031】
図9は、長期的なトナー帯電量の変動現象によるトナー帯電量及びトナー濃度の変動状況を示している。トナー帯電量は、現像剤の初期状態からランニング枚数(現像回数)が増大するのにしたがって特徴的な変動パターンを示す。まず現像剤の初期状態から現像を開始した当初においてトナー帯電量が高い状態から急激に低下する急減期が現れ、その後にトナー帯電量が一定となる安定期を経た後、現像回数の増大に伴って徐々にトナー帯電量が低下する緩減期が現れる。実際のトナー濃度は、トナー帯電量と逆の変動パターンを示す。すなわち、実際のトナー濃度は、急減期には急激に増大し、緩減期には徐々に増大する。
【0032】
図10は、図2に示した補正部22で行われる長期的なトナー帯電量の変動現象に対する補正状況を示す図である。現像カウンタ25により得られるランニング枚数(現像回数)から現像回数判定部26にて該当する期間が求められ、その期間に対応する補正値xを所定の基準値に加算した値にトナー濃度センサ11の制御電圧を設定する処理が補正部22で行われ、これによりトナー帯電量の変化に左右されずにトナー濃度を一定に保持することができる。
【0033】
図11は、図2に示した補正部22での補正の際に参照される補正値テーブルを示している。この補正値テーブルは、現像カウンタ25のカウント値(現像回数)の推移に伴って補正値が段階的に設定され、トナー帯電量の急減期では短い回数間隔で補正値が設定され、緩減期では長い回数間隔で補正値が設定されている。すなわち、急減期は、3期に分かれ、10000回、並びに5000回の短い回数間隔で設定されている。緩減期は、3期に分かれ、30000回の長い回数間隔で設定されている。
【0034】
補正値は急減期の第3期で0となり、これよりトナー帯電量が高い急減期の第1期及び第2期では、補正値が正の値を示し、トナー濃度センサ11による検出値がこれより低い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定されており、補正によってみかけのトナー濃度が低めに修正されるため、トナー補給が促進されて、急減期で画像濃度が低くなる不都合を避けることができる。さらにこの急減期では、トナー帯電量の低下に伴って実際のトナー濃度が適正な値に近づくのに対応して3、1、0と段階的に補正幅が小さくなり、トナー帯電量の変動に左右されない安定したトナー濃度を確保することができる。
【0035】
緩減期では、補正値が負の値を示し、トナー濃度センサ11による検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定されており、補正によってみかけのトナー濃度が高めに修正されるため、トナー補給が抑制されて、緩減期で画像濃度が高くなる不都合を避けることができる。さらにこの緩減期では、トナー帯電量の低下に伴って実際のトナー濃度が適正な値から遠ざかるのに対応して−4、−6、−8と段階的に補正幅が大きくなり、トナー帯電量の変動に左右されない安定したトナー濃度を確保することができる。
【0036】
安定期では補正値が−2に設定されており、緩減期と同様にトナー濃度センサによる検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定されている。
【0037】
図12は、図1に示した複写機における長期的なトナー帯電量の変動現象に対するトナー濃度補正処理の手順を示すフロー図である。ここでは、まずステップ301にて現像剤の交換による現像剤の初期化動作の有無が判定され、現像剤の初期化が行われていればステップ302に進んで現像カウンタ25がリセットされる。次にステップ303にてプリント動作が開始され、ついでステップ304にて現像カウンタ25においてプリント枚数ごとに加算する処理が行われる。そしてステップ305にてプリント動作を終了して良いものと判定されると、つづくステップ306にてプリント動作を停止し、ステップ307にて現像カウンタ25の計数値が図11に示した補正値テーブルに規定された判定基準値(次の期間の最小カウント値)を超えている、すなわち現像回数が次の期間に移行したか否かが判定され、計数値が所定の判定基準値を越えている場合にはステップ308に進んで補正値テーブル中の次の期間の補正値を基準値に加算したものをトナー濃度センサ11の制御電圧に設定する補正処理が行われる。他方、現像カウンタ25の計数値が所定の判定基準値を超えていなければ制御電圧の更新処理を行うことなく終了する。そして、次回以後のプリンタ動作において、新たな補正値に基づいたトナー濃度制御が行われる。
【0038】
なお、本実施形態においては、複写機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図1に示した原稿読取装置を具備しない印字装置でも良く、この場合には、代わりにPCなどの外部装置とのインタフェイスが設けられる。
【0039】
【発明の効果】
このように本発明によれば、現像器が停止状態で長時間放置されたために生じる短期的なトナー帯電量の低下現象に対して、現像器の停止時間に基づいてトナー濃度センサの出力値を補正することで実際のトナー濃度に適合するトナー濃度制御が可能になり、画像形成動作開始直後に画像濃度が高くなる不都合を避けることができる。また経時的な現像剤の劣化に伴う長期的なトナー帯電量の変動現象に対して、トナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって設定された補正値でトナー濃度センサの出力値を補正することで実際のトナー濃度に精度良く適合したトナー濃度制御が可能になり、現像剤の劣化に左右されずにトナー濃度を一定に保持することができ、安定した画像濃度を確保する上で大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複写機の概略構成を示す模式図
【図2】図1に示した複写機におけるトナー濃度制御に係る要部の構成を示す模式図
【図3】図2に示した制御部でのトナー濃度制御の概要を示す図
【図4】図2に示した補正部での補正処理の概要を示す図
【図5】短期的なトナー帯電量の低下現象によるトナー帯電量及びトナー濃度の変動状況を示す図
【図6】図2に示した補正部で行われる短期的なトナー帯電量の低下現象に対する補正状況を示す図
【図7】図2に示した補正部で補正を行った場合のトナー帯電量及びトナー濃度の経時変化の一例を示す図
【図8】図1に示した複写機でのタイマ設定及び複写処理の際の手順を示すフロー図
【図9】長期的なトナー帯電量の変動現象によるトナー帯電量及びトナー濃度の変動状況を示す図
【図10】図2に示した補正部で行われる長期的なトナー帯電量の変動現象に対する補正状況を示す図
【図11】図2に示した補正部での補正の際に参照される補正値テーブルを示す図
【図12】図1に示した複写機における長期的なトナー帯電量の変動現象に対するトナー濃度補正処理の手順を示すフロー図
【符号の説明】
2 感光体ドラム
3 帯電器
4 露光装置
5 現像器(現像手段)
6 転写装置
8 定着装置
11 トナー濃度センサ(トナー濃度検出手段)
13 駆動モータ
14 制御部(制御手段)
20 マシン停止タイマ(第1計時手段)
21 プリント動作タイマ(第2計時手段)
22 補正部
23 停止時間判定部(判定手段)
24 動作時間判定部(判定手段)
25 現像カウンタ(計数手段)
26 現像回数判定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤のトナー濃度を制御するトナー濃度制御装置及びこれを備えた印字装置並びに複写機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式により記録紙上にトナーによる画像を形成する装置において、トナーの他にキャリアを含有させた二成分現像剤を用いる場合には、記録紙上に形成されるトナー画像の濃度(画像濃度)が現像器内の現像剤のトナー濃度(現像剤中のトナーの割合)に左右されることから、均一な画像濃度を確保するため、現像器内の現像剤のトナー濃度を検出し、この検出値に基づいて適宜に現像器内にトナーを補給して現像剤のトナー濃度を適正範囲内に維持するトナー濃度制御が行われる。
【0003】
現像剤のトナー濃度は、現像剤の磁気抵抗を計測する磁気センサ(TDCセンサーと称す)で検出することができる。これは、現像剤に含まれるキャリアに付着するトナー量に応じてキャリア相互の間隔が増減することに伴って現像剤の磁気抵抗が変化する特性を利用して現像剤の磁気抵抗の大小でトナー濃度を検出するものである。
【0004】
この種のトナー濃度センサでは、トナー帯電量の高低がキャリア相互の間隔に影響することが原因で、トナー帯電量が変動するとこれに応じて検出値も変動する難点がある。例えばトナー帯電量が低下すると、トナ−の帯電気によるクーロン反発力が減少しキャリア相互の間隔が小さくなり、これに伴って磁気抵抗が小さくなるため、トナー濃度が実際よりも低く検出される。このため、トナー濃度センサの検出値に基づいたトナー濃度制御では、トナー帯電量が低下すると、実際のトナー濃度が適切なトナー濃度より高い状態になり、画像濃度が高くなり過ぎるという問題が生じる。トナー帯電量が上昇する場合は、これとは逆に画像濃度が低下する。
【0005】
このようなトナー濃度センサの検出誤差を招くトナー帯電量の変動は、現像器が停止状態で長時間放置された場合に生じる短期的なトナー帯電量の低下現象と、経時的な現像剤の劣化に伴って生じる長期的なトナー帯電量の変動現象との2つの態様がある。このうち、長時間放置による短期的なトナー帯電量の低下現象に対しては、動作開始時にエージングを行ってトナー帯電量を回復させることで対処することができる。他方、現像剤劣化による長期的なトナー帯電量の変動現象に対しては、トナー濃度センサによる検出値をランニング枚数に応じて補正することで対処することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の短期的なトナー帯電量の低下現象の対応策であるエージングは、動作開始時に余計な待ち時間を必要とすることから、装置の使用効率を低下させる不都合を招き、このような不都合を避ける観点から短期的なトナー帯電量の低下現象に対してもトナー濃度制御のプロセスで対処することが望まれる。また、前記の長期的なトナー帯電量の変動現象の対応策である補正処理では、従来、一定の枚数間隔で補正値を設定していたため、トナー帯電量が急激に変化する際には補正を精度良く行うことができない不都合が生じ、トナー帯電量の急激な変化に適切に対応することができる補正処理が望まれる。
【0007】
また近年、環境保護の観点からクロム等の金属系成分を取り除いたトナー、例えばメタルフリーCCAなどが注目されているが、この種の環境保護対策トナーでは上記のトナー帯電量の変動現象が顕著であり、このような環境保護対策トナーの普及を促進する上でも、トナー帯電量の変動に左右されることなく安定した画像濃度を得ることができるトナー濃度制御が望まれる。
【0008】
本発明は、このような発明者の知見に基づき案出されたものであり、その主な目的は、現像器が停止状態で長時間放置されたために生じるトナー帯電量の低下によって動作開始直後に画像濃度が高くなる不都合を避けることができ、また経時的な現像剤の劣化に伴うトナー帯電量の変動に左右されることなく適切な濃度の画像を安定して得ることができるトナー濃度制御装置、印字装置、及び複写機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明においては、請求項1に示すとおり、トナー濃度制御装置の構成を、現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、現像手段の動作停止からの経過時間を計時する第1計時手段と、現像手段の動作開始からの経過時間を計時する第2計時手段と、これら第1・第2の両計時手段による計時値に基づいて、制御手段で用いられるトナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有するものとした。これによると、現像器が停止状態で長時間放置されたために生じる短期的なトナー帯電量の低下現象に対して、現像器の停止時間に基づいてトナー濃度センサの出力値を補正することで実際のトナー濃度に適合するトナー濃度制御が可能になり、画像形成動作開始直後に画像濃度が高くなる不都合を避けることができる。特に第1計時手段の計時値からトナー帯電量の低下状況が判別され、また第2計時手段の計時値からトナー帯電量の回復状況が判別され、これらの計時値に基づくことでトナー帯電量の変動状況が正確に反映された補正を行うことができ、動作停止状況に左右されることなく安定した濃度の画像を得ることができる。
【0010】
この場合、補正手段で行われる補正の対象は、トナー濃度検出手段の検出値が実質的に補正されるものであれば特に限定されるものではなく、トナー濃度検出手段の出力値の他に、例えばトナー濃度検出手段の制御電圧でも良い。また、トナー補給手段を制御する際にトナー濃度検出手段の出力値と比較されるしきい値を補正することも可能である。
【0011】
前記トナー濃度制御装置においては、請求項2に示すとおり、第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、第1計時手段を初期状態に戻す処理が行われ、補正手段は、第1計時手段による計時値に基づいて補正を実行する構成とすることができる。これによると、第2計時手段による計時値(動作時間)が、第1計時手段の初期化の要否を判定するための基準に用いられ、補正自体は第1計時手段による計時値(停止時間)に基づいて行われることになり、制御手順を簡素化することができる。この場合、所定のしきい値を上回る動作時間でトナー帯電量が十分に回復したものとみなして第1計時手段の初期化が行われ、他方、所定のしきい値に満たない短時間の動作によるトナー帯電量の回復は無視される。なお、第1計時手段の初期化の処理は、現像手段の動作を停止させた際に行うと良い。
【0012】
前記トナー濃度制御装置においては、請求項3に示すとおり、第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、補正手段が、トナー濃度検出手段の検出値をこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させる補正を行う構成をとることができる。これによると、補正によりトナー濃度検出手段の検出値が示すみかけのトナー濃度と実際のトナー濃度との間の誤差が縮小され、適正なトナー濃度とすることができる。この場合、第1計時手段による計時値(停止時間)に基づいて補正の要否が判定され、第1計時手段による計時値が所定のしきい値に達しない場合には、補正が行われない。なお、停止時間の長短に関わらずに1つの補正値で一律に補正すると、制御手順をより一層簡素化することができる。また、第1計時手段の計時値による補正の要否の判定並びに補正の処理は、現像手段の動作を開始させる際に行うと良い。
【0013】
また、本発明においては、請求項4に示すとおり、トナー濃度制御装置の構成を、現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、現像手段の初期状態からの現像回数を計数する計数手段と、この計数手段による計数値に基づいて、制御手段で用いられるトナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有し、この補正手段が、現像回数の増大に伴うトナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって段階的に設定された補正値を用いて補正を行うものとした。これによると、経時的な現像剤の劣化に伴う長期的なトナー帯電量の変動現象に対して、トナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって設定された補正値でトナー濃度センサの出力値を補正することで実際のトナー濃度に精度良く適合したトナー濃度制御が可能になり、現像剤の劣化に左右されずにトナー濃度を一定に保持することができ、安定した画像濃度を確保することができる。この場合、トナー帯電量の変化が急な期間では、短い回数間隔で、トナー帯電量の変化が緩やか期間では、長い回数間隔で補正値が設定される。
【0014】
前記トナー濃度制御装置においては、請求項5に示すとおり、現像剤の初期状態から現像を開始した当初においてトナー帯電量が高い状態から急激に低下する急減期では、短い回数間隔で補正値が設定され、その後にトナー帯電量が一定となる安定期を経た後に現れる、現像回数の増大に伴って徐々にトナー帯電量が低下する緩減期では、長い回数間隔で補正値が設定された構成をとることができる。これによると、実際のトナー帯電量の変動パターンに適合した補正を行うことができ、特に急減期においてトナー帯電量の急激な変化に適切に対応した精度の高い補正を行うことができる。
【0015】
前記トナー濃度制御装置においては、請求項6に示すとおり、急減期では、トナー濃度検出手段による検出値がこれより低い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定され、緩減期では、トナー濃度検出手段による検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定された構成をとることができる。これによると、実際のトナー帯電量の変動パターンに適した補正を行うことができ、現像回数の少ない時期に画像濃度が低くなる不都合を避けることができ、また現像回数が増えるのに伴って画像濃度が高くなる不都合を避けることができ、現像回数に左右されることなく安定した画像濃度を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明による複写機の概略構成を示す模式図である。この複写機は、原稿読取部1で読み取った原稿Aの画像を記録紙Bに記録する(記録時の一連の複写プロセスをプリンタ動作と称す)ものであり、静電潜像を形成する感光体ドラム2の周りに、その作像面を一様に帯電する帯電器3と、感光体ドラム2の作像面上に原稿Aの読取画像にしたがった静電潜像を形成する露光装置4と、感光体ドラム2上の静電潜像をトナーによって可視化する現像器5と、感光体ドラム2上のトナー像を記録紙Bに転写する転写装置6と、感光体ドラム2上の残トナーを除去するクリーニング装置7とが設けられ、感光体ドラム2の側方には、記録紙Bに転写されたトナー像を定着するための定着装置8が設けられている。
【0018】
現像器5では、トナーの他にキャリアを含有する二成分現像剤が用いられ、トナーとキャリアとの摩擦帯電によって各々が異なる極性に帯電する。キャリアに帯電付着されたトナーは感光体ドラム2の表面近傍に搬送され、現像器5に現像バイアス電圧が印加されると、現像バイアス電圧と感光体ドラム2上の露光部分の電位との差によって感光体ドラム2上の露光部分に現像剤中のトナーだけが吸着され、感光体ドラム2上の静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
【0019】
図2は、図1に示した複写機におけるトナー濃度制御に係る要部の構成を示す模式図である。ここでは、現像器(現像手段)5に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサ(トナー濃度検出手段)11と、このトナー濃度センサ11の出力値に基づいて、現像器5にトナーを補給するトナー供給ローラ(トナー補給手段)12の駆動モータ13を制御する制御部(制御手段)14とが設けられている。制御部14には、ここでの制御に要するプログラムなどが格納されるROM15、制御時のワークエリアとなるRAM16、制御時の設定条件などの情報が格納されるEEPROM17、各種の情報が表示される表示パネル18が接続されている。
【0020】
ここでは、現像器5が停止状態で長時間放置されたために生じる短期的なトナー帯電量の変化に対して画像濃度を一定に保持するため、現像器5の動作停止からの経過時間を計時するマシン停止タイマ(第1計時手段)20と、現像器5の動作開始からの経過時間を計時するプリント動作タイマ(第2計時手段)21と、これらの2つのタイマ20・21による計時値に基づいて制御部14での制御に用いられるトナー濃度センサ11の出力値を実質的に補正する補正部22とが設けられている。特にここでは、制御部14からトナー濃度センサ11に入力される制御電圧が直接の補正対象となっており、制御電圧の補正量に応じた出力電圧がトナー濃度センサ11から出力される。
【0021】
制御部14には、マシン停止タイマ20による計時値(停止時間)が所定のしきい値を上回るか否かを判定する停止時間判定部(判定手段)23が設けられており、この停止時間判定部23で停止時間が所定のしきい値(例えば1h)を上回り、停止状態で長時間経過したことによってトナー帯電量が大幅に低下したものと判定された場合に、補正部22が、トナー濃度センサ11の検出値をこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させる補正を行う。このマシン停止タイマ20による停止時間に基づいた補正処理の要否の判定は、プリント動作開始時に行われる。
【0022】
さらに制御部14には、プリント動作タイマ21による計時値(動作時間)が所定のしきい値を上回る否かを判定する動作時間判定部(判定手段)24が設けられており、この動作時間判定部24で動作時間が所定のしきい値(例えば10s)を上回り、十分な動作時間の経過によってトナー帯電量が回復したものと判定された場合に、マシン停止タイマ20を初期状態に戻す処理が行われる。このプリント動作タイマ21による動作時間に基づいたマシン停止タイマ20の初期化処理の要否の判定は、プリント動作停止時に行われる。
【0023】
図3は、図2に示した制御部14でのトナー濃度制御の概要を示している。制御部14では、トナー濃度センサ11の出力値を所定のしきい値と比較してトナー補給の要否を判定し、トナー濃度センサ11の出力値が所定のしきい値を上回るとき、すなわちトナー濃度が所定の基準値を下回ったときにはトナー補給が必要であるものと判断してトナー供給ローラ12の駆動モータ13を起動し、トナーが現像器5に補給される。
【0024】
図4は、図2に示した補正部22での補正処理の概要を示している。補正部22では、トナー濃度センサ11の制御電圧を、所定の基準値に補正値を加算した値に設定する補正が行われる。これにより補正値に相当する分だけトナー濃度センサ11の出力値が変化する。ここで補正値が負の値であれば、トナー濃度センサ11の出力値が低下し、みかけのトナー濃度が高めに修正される。他方、補正値が正の値であれば、トナー濃度センサ11の出力値が上昇し、みかけのトナー濃度が低めに修正される。
【0025】
図5は、短期的なトナー帯電量の低下現象によるトナー帯電量及びトナー濃度の変動状況を示している。現像器5が停止状態で長時間放置されるとトナー帯電量が大幅に低下し、現像器5が動作を再開するとトナー帯電量が次第に回復する。実際のトナー濃度は、トナー帯電量と逆の変動パターンを示す。すなわち、プリント動作開始直後には、トナー帯電量の低下に伴う磁気抵抗の低下によってみかけのトナー濃度が低くなることでトナー補給が促進されることにより、実際のトナー濃度がトナー帯電量とは逆に高い値を示し、トナー帯電量が回復するのに伴って正常な状態に復帰する。
【0026】
図6は、図2に示した補正部22で行われる短期的なトナー帯電量の低下現象に対する補正状況を示している。補正部22では、トナー濃度センサ11の制御電圧を、所定の基準値に補正値αを加算した値に設定する補正が行われる。ここでは、トナー濃度センサ11の検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させる補正が行われ、具体的には、補正値α=−2とし、制御電圧が基準値より低く設定される。これにより補正値に相当する分だけトナー濃度センサ11の出力値が低くなり、みかけのトナー濃度が高めに修正され、トナー補給が制限されて実際のトナー濃度が高くなるのを避けることができる。補正は、所定時間(例えば10分)の経過で解除される。
【0027】
図7は、図2に示した補正部22で補正を行った場合のトナー帯電量及びトナー濃度の経時変化の一例を示している。ここでは、現像器5の動作停止後にしいき値(1h)を越える時間が経過したところでプリント動作が開始され、このときマシン停止タイマ20の計時値T1>1hとなるため、所定の補正処理が行われる。そしてこのプリント動作がしいき値(10s)を下回る時間で停止されると、プリント動作タイマ21の計時値T2<10sとなるため、マシン停止タイマ20の初期化処理は行われず、停止時間が継続して計時される。その後、しいき値(1h)を下回る時間をおいてプリント動作が開始されると、マシン停止タイマ20の計時値T1>1hとなるため、所定の補正処理が行われる。このプリント動作はしいき値(10s)を上回る時間継続したため、プリント動作タイマ21の計時値T2>10sとなるので、マシン停止タイマ20の初期化処理が行われる。
【0028】
図8は、図1に示した複写機でのタイマ設定及び複写処理の際の手順を示すフロー図である。まずステップ101にて複写機のセッティング時にマシン停止タイマ20を起動する処理が行われる。そして所定のキー操作などでコピー処理が開始されると、まずステップ201にてマシン停止タイマ20の計時値(停止時間)が所定のしきい値(ここでは1h)以上か否かを判定し、しきい値を下回ればステップ202に進んでトナー濃度センサ11の制御電圧が基準値に設定され、他方、マシン停止タイマ20の計時値がしきい値以上であればステップ203に進んでトナー濃度センサ11の制御電圧が基準値に補正値αを加算した値に設定される。
【0029】
次にステップ204にてプリント動作が開始され、つづくステップ205にてプリント動作タイマ21が起動される。ついでステップ206にてプリント動作が実行され、ステップ207にてプリント動作が終了したか否かを判定し、プリント動作が終了していればステップ208に進んでプリント動作タイマ21が停止される。そしてステップ209にてプリント動作タイマ21の計時値(動作時間)が所定のしきい値(ここでは10s)以上か否かを判定し、プリント動作タイマ21の計時値がしきい値以上であればステップ210に進んでマシン停止タイマ20がリスタートされる。
【0030】
また、本複写機では、経時的な現像剤の劣化に伴う長期的なトナー帯電量の変動現象に対して画像濃度を一定に保持するため、図2に示したように、現像器5の初期状態からの現像回数を計数する現像カウンタ(計数手段)25を有し、補正部22では、この現像カウンタ25による計数値(現像回数)に基づいて制御部14に入力されるトナー濃度センサ11の出力値を実質的に補正する処理が行われ、このとき、現像回数の増大に伴うトナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって段階的に設定された補正値を用いて補正が行われる。ここでは、現像カウンタ25の計数値から現像回数判定部26にていずれの期間に該当するかを判定し、期間ごとに補正値が定められた補正値テーブルを参照して該当する期間に対応する補正値が求められる。
【0031】
図9は、長期的なトナー帯電量の変動現象によるトナー帯電量及びトナー濃度の変動状況を示している。トナー帯電量は、現像剤の初期状態からランニング枚数(現像回数)が増大するのにしたがって特徴的な変動パターンを示す。まず現像剤の初期状態から現像を開始した当初においてトナー帯電量が高い状態から急激に低下する急減期が現れ、その後にトナー帯電量が一定となる安定期を経た後、現像回数の増大に伴って徐々にトナー帯電量が低下する緩減期が現れる。実際のトナー濃度は、トナー帯電量と逆の変動パターンを示す。すなわち、実際のトナー濃度は、急減期には急激に増大し、緩減期には徐々に増大する。
【0032】
図10は、図2に示した補正部22で行われる長期的なトナー帯電量の変動現象に対する補正状況を示す図である。現像カウンタ25により得られるランニング枚数(現像回数)から現像回数判定部26にて該当する期間が求められ、その期間に対応する補正値xを所定の基準値に加算した値にトナー濃度センサ11の制御電圧を設定する処理が補正部22で行われ、これによりトナー帯電量の変化に左右されずにトナー濃度を一定に保持することができる。
【0033】
図11は、図2に示した補正部22での補正の際に参照される補正値テーブルを示している。この補正値テーブルは、現像カウンタ25のカウント値(現像回数)の推移に伴って補正値が段階的に設定され、トナー帯電量の急減期では短い回数間隔で補正値が設定され、緩減期では長い回数間隔で補正値が設定されている。すなわち、急減期は、3期に分かれ、10000回、並びに5000回の短い回数間隔で設定されている。緩減期は、3期に分かれ、30000回の長い回数間隔で設定されている。
【0034】
補正値は急減期の第3期で0となり、これよりトナー帯電量が高い急減期の第1期及び第2期では、補正値が正の値を示し、トナー濃度センサ11による検出値がこれより低い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定されており、補正によってみかけのトナー濃度が低めに修正されるため、トナー補給が促進されて、急減期で画像濃度が低くなる不都合を避けることができる。さらにこの急減期では、トナー帯電量の低下に伴って実際のトナー濃度が適正な値に近づくのに対応して3、1、0と段階的に補正幅が小さくなり、トナー帯電量の変動に左右されない安定したトナー濃度を確保することができる。
【0035】
緩減期では、補正値が負の値を示し、トナー濃度センサ11による検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定されており、補正によってみかけのトナー濃度が高めに修正されるため、トナー補給が抑制されて、緩減期で画像濃度が高くなる不都合を避けることができる。さらにこの緩減期では、トナー帯電量の低下に伴って実際のトナー濃度が適正な値から遠ざかるのに対応して−4、−6、−8と段階的に補正幅が大きくなり、トナー帯電量の変動に左右されない安定したトナー濃度を確保することができる。
【0036】
安定期では補正値が−2に設定されており、緩減期と同様にトナー濃度センサによる検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように補正値が設定されている。
【0037】
図12は、図1に示した複写機における長期的なトナー帯電量の変動現象に対するトナー濃度補正処理の手順を示すフロー図である。ここでは、まずステップ301にて現像剤の交換による現像剤の初期化動作の有無が判定され、現像剤の初期化が行われていればステップ302に進んで現像カウンタ25がリセットされる。次にステップ303にてプリント動作が開始され、ついでステップ304にて現像カウンタ25においてプリント枚数ごとに加算する処理が行われる。そしてステップ305にてプリント動作を終了して良いものと判定されると、つづくステップ306にてプリント動作を停止し、ステップ307にて現像カウンタ25の計数値が図11に示した補正値テーブルに規定された判定基準値(次の期間の最小カウント値)を超えている、すなわち現像回数が次の期間に移行したか否かが判定され、計数値が所定の判定基準値を越えている場合にはステップ308に進んで補正値テーブル中の次の期間の補正値を基準値に加算したものをトナー濃度センサ11の制御電圧に設定する補正処理が行われる。他方、現像カウンタ25の計数値が所定の判定基準値を超えていなければ制御電圧の更新処理を行うことなく終了する。そして、次回以後のプリンタ動作において、新たな補正値に基づいたトナー濃度制御が行われる。
【0038】
なお、本実施形態においては、複写機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図1に示した原稿読取装置を具備しない印字装置でも良く、この場合には、代わりにPCなどの外部装置とのインタフェイスが設けられる。
【0039】
【発明の効果】
このように本発明によれば、現像器が停止状態で長時間放置されたために生じる短期的なトナー帯電量の低下現象に対して、現像器の停止時間に基づいてトナー濃度センサの出力値を補正することで実際のトナー濃度に適合するトナー濃度制御が可能になり、画像形成動作開始直後に画像濃度が高くなる不都合を避けることができる。また経時的な現像剤の劣化に伴う長期的なトナー帯電量の変動現象に対して、トナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって設定された補正値でトナー濃度センサの出力値を補正することで実際のトナー濃度に精度良く適合したトナー濃度制御が可能になり、現像剤の劣化に左右されずにトナー濃度を一定に保持することができ、安定した画像濃度を確保する上で大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複写機の概略構成を示す模式図
【図2】図1に示した複写機におけるトナー濃度制御に係る要部の構成を示す模式図
【図3】図2に示した制御部でのトナー濃度制御の概要を示す図
【図4】図2に示した補正部での補正処理の概要を示す図
【図5】短期的なトナー帯電量の低下現象によるトナー帯電量及びトナー濃度の変動状況を示す図
【図6】図2に示した補正部で行われる短期的なトナー帯電量の低下現象に対する補正状況を示す図
【図7】図2に示した補正部で補正を行った場合のトナー帯電量及びトナー濃度の経時変化の一例を示す図
【図8】図1に示した複写機でのタイマ設定及び複写処理の際の手順を示すフロー図
【図9】長期的なトナー帯電量の変動現象によるトナー帯電量及びトナー濃度の変動状況を示す図
【図10】図2に示した補正部で行われる長期的なトナー帯電量の変動現象に対する補正状況を示す図
【図11】図2に示した補正部での補正の際に参照される補正値テーブルを示す図
【図12】図1に示した複写機における長期的なトナー帯電量の変動現象に対するトナー濃度補正処理の手順を示すフロー図
【符号の説明】
2 感光体ドラム
3 帯電器
4 露光装置
5 現像器(現像手段)
6 転写装置
8 定着装置
11 トナー濃度センサ(トナー濃度検出手段)
13 駆動モータ
14 制御部(制御手段)
20 マシン停止タイマ(第1計時手段)
21 プリント動作タイマ(第2計時手段)
22 補正部
23 停止時間判定部(判定手段)
24 動作時間判定部(判定手段)
25 現像カウンタ(計数手段)
26 現像回数判定部
Claims (18)
- 現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて前記現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、前記現像手段の動作停止からの経過時間を計時する第1計時手段と、前記現像手段の動作開始からの経過時間を計時する第2計時手段と、これら第1・第2の両計時手段による計時値に基づいて、前記制御手段で用いられる前記トナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有することを特徴とするトナー濃度制御装置。
- 前記第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで前記第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、前記第1計時手段を初期状態に戻す処理が行われ、前記補正手段は、前記第1計時手段による計時値に基づいて補正を実行することを特徴とする請求項1に記載のトナー濃度制御装置。
- 前記第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで前記第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、前記補正手段が、前記トナー濃度検出手段の検出値をこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させる補正を行うことを特徴とする請求項2に記載のトナー濃度制御装置。
- 現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて前記現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、前記現像手段の初期状態からの現像回数を計数する計数手段と、この計数手段による計数値に基づいて、前記制御手段で用いられる前記トナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有し、この補正手段が、現像回数の増大に伴うトナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって段階的に設定された補正値を用いて補正を行うことを特徴とするトナー濃度制御装置。
- 現像剤の初期状態から現像を開始した当初においてトナー帯電量が高い状態から急激に低下する急減期では、短い回数間隔で前記補正値が設定され、その後にトナー帯電量が一定となる安定期を経た後に現れる、現像回数の増大に伴って徐々にトナー帯電量が低下する緩減期では、長い回数間隔で前記補正値が設定されたことを特徴とする請求項4に記載のトナー濃度制御装置。
- 前記急減期では、前記トナー濃度検出手段による検出値がこれより低い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように前記補正値が設定され、前記緩減期では、前記トナー濃度検出手段による検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように前記補正値が設定されたことを特徴とする請求項5に記載のトナー濃度制御装置。
- 現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて前記現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、前記現像手段の動作停止からの経過時間を計時する第1計時手段と、前記現像手段の動作開始からの経過時間を計時する第2計時手段と、これら第1・第2の両計時手段による計時値に基づいて、前記制御手段で用いられる前記トナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有することを特徴とする印字装置。
- 前記第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで前記第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、前記第1計時手段を初期状態に戻す処理が行われ、前記補正手段は、前記第1計時手段による計時値に基づいて補正を実行することを特徴とする請求項7に記載の印字装置。
- 前記第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで前記第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、前記補正手段が、前記トナー濃度検出手段の検出値をこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させる補正を行うことを特徴とする請求項8に記載の印字装置。
- 現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて前記現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、前記現像手段の初期状態からの現像回数を計数する計数手段と、この計数手段による計数値に基づいて、前記制御手段で用いられる前記トナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有し、この補正手段が、現像回数の増大に伴うトナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって段階的に設定された補正値を用いて補正を行うことを特徴とする印字装置。
- 現像剤の初期状態から現像を開始した当初においてトナー帯電量が高い状態から急激に低下する急減期では、短い回数間隔で前記補正値が設定され、その後にトナー帯電量が一定となる安定期を経た後に現れる、現像回数の増大に伴って徐々にトナー帯電量が低下する緩減期では、長い回数間隔で前記補正値が設定されたことを特徴とする請求項10に記載の印字装置。
- 前記急減期では、前記トナー濃度検出手段による検出値がこれより低い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように前記補正値が設定され、前記緩減期では、前記トナー濃度検出手段による検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように前記補正値が設定されたことを特徴とする請求項11に記載の印字装置。
- 現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて前記現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、前記現像手段の動作停止からの経過時間を計時する第1計時手段と、前記現像手段の動作開始からの経過時間を計時する第2計時手段と、これら第1・第2の両計時手段による計時値に基づいて、前記制御手段で用いられる前記トナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有することを特徴とする複写機。
- 前記第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで前記第2計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、前記第1計時手段を初期状態に戻す処理が行われ、前記補正手段は、前記第1計時手段による計時値に基づいて補正を実行することを特徴とする請求項13に記載の複写機。
- 前記第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るか否かを判定する判定手段を有し、ここで前記第1計時手段による計時値が所定のしきい値を上回るものと判定されると、前記補正手段が、前記トナー濃度検出手段の検出値をこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させる補正を行うことを特徴とする請求項14に記載の複写機。
- 現像手段に収容された現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、このトナー濃度検出手段の検出値に基づいて前記現像手段へのトナー補給を制御する制御手段と、前記現像手段の初期状態からの現像回数を計数する計数手段と、この計数手段による計数値に基づいて、前記制御手段で用いられる前記トナー濃度検出手段の検出値を実質的に補正する補正手段とを有し、この補正手段が、現像回数の増大に伴うトナー帯電量の変化の緩急に応じた回数間隔をもって段階的に設定された補正値を用いて補正を行うことを特徴とする複写機。
- 現像剤の初期状態から現像を開始した当初においてトナー帯電量が高い状態から急激に低下する急減期では、短い回数間隔で前記補正値が設定され、その後にトナー帯電量が一定となる安定期を経た後に現れる、現像回数の増大に伴って徐々にトナー帯電量が低下する緩減期では、長い回数間隔で前記補正値が設定されたことを特徴とする請求項16に記載の複写機。
- 前記急減期では、前記トナー濃度検出手段による検出値がこれより低い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように前記補正値が設定され、前記緩減期では、前記トナー濃度検出手段による検出値がこれより高い値を示す実際のトナー濃度に近似させるように前記補正値が設定されたことを特徴とする請求項17に記載の複写機。
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