JP2004085062A - 2重管およびこれを用いた真空式太陽熱集熱器 - Google Patents
2重管およびこれを用いた真空式太陽熱集熱器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】入口ヘッダ管に集熱管を連通状に接続するさいの接合作業性に優れるとともに、接合部の洩れ検査の作業性に優れた真空式太陽熱集熱器を提供する。
【解決手段】内部が真空とされたガラス管2内に、一端部がガラス管2から突出するように配された集熱管3、集熱管3内に熱媒を供給する入口ヘッダ管4、および集熱管3内で加熱された熱媒を排出する出口ヘッダ管5を備えている。出口ヘッダ管5内にこれよりも細いアルミニウム製入口ヘッダ管4を配する。両管5、4は周壁の上部を全長にわたって共有している。共有部分15が周方向に所定の長さを有している。入口ヘッダ管4および出口ヘッダ管5の周壁の共有部分15に、入口ヘッダ管4内にのみ通じる熱媒流出用貫通穴17を形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】内部が真空とされたガラス管2内に、一端部がガラス管2から突出するように配された集熱管3、集熱管3内に熱媒を供給する入口ヘッダ管4、および集熱管3内で加熱された熱媒を排出する出口ヘッダ管5を備えている。出口ヘッダ管5内にこれよりも細いアルミニウム製入口ヘッダ管4を配する。両管5、4は周壁の上部を全長にわたって共有している。共有部分15が周方向に所定の長さを有している。入口ヘッダ管4および出口ヘッダ管5の周壁の共有部分15に、入口ヘッダ管4内にのみ通じる熱媒流出用貫通穴17を形成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は真空式太陽熱集熱器、それを具備した太陽熱発電装置および真空式太陽熱集熱器に用いられる2重管に関する。
【0002】
この明細書において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0003】
【従来の技術】
真空式太陽熱集熱器として、従来、内部が真空とされたガラス管内に、一端部がガラス管から突出するように配された集熱管、集熱管内に熱媒を供給する入口ヘッダ管、および入口ヘッダ管よりも大径でかつ集熱管内で加熱された熱媒を排出する出口ヘッダ管を備えており、集熱管が、外管および外管よりも小径でかつ外管内に同軸上に配された内管よりなり、入口ヘッダ管が出口ヘッダ管よりも小径となされるとともに出口ヘッダ管内に同軸上に配され、集熱管の外管が出口ヘッダ管の周壁に連通状に接続され、同じく内管が入口ヘッダ管の周壁に連通状に接続されているものが知られている(特開平6−42821号公報参照)。集熱管の外管の出口ヘッダ管への接続および集熱管の内管の入口ヘッダ管への接続は次のようにして行われている。すなわち、入口ヘッダ管の周壁に熱媒流出用貫通穴が、出口ヘッダ管の周壁に熱媒流入用貫通穴がそれぞれ形成され、集熱管の外管が、出口ヘッダ管の周壁における熱媒流入用貫通穴の周囲の部分に溶接され、集熱管の内管が、熱媒流入用貫通穴を通して出口ヘッダ管内に挿入されるとともに入口ヘッダ管の周壁における熱媒流出用貫通穴の周囲の部分に溶接されている。この真空式太陽熱集熱器は、熱媒として水を用いているため、集熱管の外管および内管、入口ヘッダ管、ならびに出口ヘッダ管が銅により形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の真空式太陽熱集熱器においては、集熱管の内管を出口ヘッダ管内に配された入口ヘッダ管の周壁に連通状に接続するさいには、集熱管の内管の端部を、出口ヘッダ管の周壁に形成された熱媒流入用貫通穴から出口ヘッダ管内に挿入し、内管の外周面と熱媒流入用貫通穴との間の隙間を通して、内管を入口ヘッダ管に溶接する必要があり、この溶接作業性が極めて悪いという問題がある。しかも、溶接部の洩れ検査の作業性も悪いという問題がある。また、上述した溶接作業性が悪いために、溶接不良を起こす可能性が高く、熱媒の洩れが発生するおそれがある。さらに、熱媒の洩れが発生した場合の補修作業も極めて困難である。
【0005】
この発明の目的は、上記問題を解決し、内管に他の管を連通状に接続するさいの接合作業性に優れるとともに、接合部の洩れ検査の作業性に優れた2重管およびこれを用いた真空式太陽熱集熱器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段よりなる。
【0007】
1)外管および外管内に配された外管よりも細い内管よりなるとともに、外管と内管とが周壁の一部を全長にわたって共有しており、この共有部分が周方向に所定の長さを有している2重管。ここで、共有部分の周方向の所定長さとは、共有部分に、内管内にのみ通じる貫通穴を形成しうるような長さをいう。
【0008】
2)外管と内管とが一体に押出成形されている上記1)の2重管。
【0009】
3)外管と内管とが周壁の一部を全長にわたって共有している外管および内管の周壁の共有部分外面に、長さ方向に伸びる凹溝または凸条が成形されている上記1)または2)の2重管。この場合、凹溝または凸条は、外管および内管とともに押出成形されていることが好ましい。
【0010】
4)内部が真空とされたガラス管内に、一端部がガラス管から突出するように配された集熱管、集熱管内に熱媒を供給する入口ヘッダ管、および集熱管内で加熱された熱媒を排出する出口ヘッダ管を備えており、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管が、それぞれ上記1)、2)または3)の2重管の内管および外管からなり、2重管における入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の周壁の共有部分に、入口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流出用貫通穴が形成されている真空式太陽熱集熱器。
【0011】
5)集熱管が、上記1)、2)または3)の2重管により形成され、集熱管のガラス管から突出した部分における外管および内管の周壁の共有部分に、内管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴が形成されている上記4)の真空式太陽熱集熱器。
【0012】
6)集熱管の外管におけるガラス管内に存在する部分の外周面に、集熱板が固定状に設けられている上記5)の真空式太陽熱集熱器。
【0013】
7)集熱板が外管外周面に溶接されている上記6)の真空式太陽熱集熱器。
【0014】
8)集熱管の外管および内管と、集熱板とが一体に押出成形されている上記6)の真空式太陽熱集熱器。
【0015】
9)出口ヘッダ管の周壁における入口ヘッダ管との共有部分を除いた部分に、出口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴が形成され、集熱管の外管におけるガラス管から突出した端部が開口するとともに他端部が閉鎖され、同じく内管における外管の開口端と同じ側の端部が閉鎖されるとともに他端部が開口され、集熱管の外管の開口端が出口ヘッダ管の周壁における熱媒流入用貫通穴の周囲の部分に接合され、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の周壁の共有部分に形成された熱媒流出用貫通穴と、集熱管の内管および外管の周壁の共有部分に形成された熱媒流入用貫通穴とが、連通管により通じさせられている上記5)〜8)のうちのいずれかの真空式太陽熱集熱器。
【0016】
10)出口ヘッダ管の周壁における入口ヘッダ管との共有部分を除いた部分に、出口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴が形成され、集熱管が両端が開口したヘアピン状となされ、集熱管の一端開口が熱媒流出用貫通穴を介して入口ヘッダ管内に連通させられるとともに、他端開口が熱媒流入用貫通穴を介して出口ヘッダ管内に連通させられている上記4)の真空式太陽熱集熱器。
【0017】
11)集熱管におけるガラス管内に存在する部分の外周面に、集熱板が固定状に設けられている上記10)の真空式太陽熱集熱器。
【0018】
12)集熱板が集熱管に溶接されている上記11)の真空式太陽熱集熱器。
【0019】
13)集熱管が、2つの直管と両直管の一端どうしを連結するUベンドよりなり、2つの直管と集熱板とが一体に押出成形されている上記11)の真空式太陽熱集熱器。
【0020】
14)入口ヘッダ管および出口ヘッダ管が断熱兼保護ハウジング内に配され、出口ヘッダ管の一端開口が蓋により閉鎖され、入口ヘッダ管の一端部がこの蓋を密閉状に貫通して出口ヘッダ管の外方に突出しかつ断熱兼保護ハウジングの壁を貫通してハウジング外に伸びており、入口ヘッダ管の他端開口が閉鎖され、出口ヘッダ管の他端部に断熱兼保護ハウジング内に配された熱媒送出管が接続され、出口ヘッダ管と熱媒送出管とが全体としてヘアピン状となされ、熱媒送出管が、入口ヘッダ管が貫通した断熱兼保護ハウジングの壁を貫通してハウジング外に伸びている上記4)〜13)のうちのいずれかの真空式太陽熱集熱器。
【0021】
15)集熱管、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管がそれぞれアルミニウムで形成され、熱媒として水を含まない流体が用いられる上記4)〜14)のうちのいずれかの真空式太陽熱集熱器。
【0022】
16)熱媒として、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、PFC(パーフルオロカーボン)、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、HC(炭化水素系)、アンモニアおよびCO2からなる群から選ばれた1種のものが用いられる上記15)の真空式太陽熱集熱器。
【0023】
17)熱媒として、CO2が用いられる上記15)の真空式太陽熱集熱器。
【0024】
18)上記4)〜17)のうちのいずれかの真空式太陽熱集熱器を備えている太陽熱発電装置。
【0025】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図面を通じて同一物および同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
図1はこの発明による真空式太陽熱集熱器の第1の実施形態の全体構成を示し、図2〜図4はその要部の構成を示す。
【0027】
図1において、真空式太陽熱集熱器(1)は、HCFC、HFC、PFC、HFE、HC、アンモニアおよびCO2からなる群から選ばれた1種のもの、たとえばCO2を熱媒として用いるものであって、両端が閉鎖されかつ内部が真空とされた複数のガラス管(2)、全てのガラス管(2)内に、それぞれ一端部がガラス管(2)から突出するように配された集熱管(3)、集熱管(3)内に熱媒を供給する入口ヘッダ管(4)、および集熱管(3)内で加熱された熱媒を排出する出口ヘッダ管(5)を備えている。
【0028】
集熱管(3)は、図2〜図4に示すように、アルミニウム製外管(6)および外管(6)内に配された外管(6)よりも細いアルミニウム製内管(7)よりなるとともに、外管(6)と内管(7)とが周壁の上部を全長にわたって共有しており、この共有部分(8)が周方向に所定の長さを有するものである。外管(6)および内管(7)の周壁の共有部分(8)に、長さ方向に伸びる凸条(9)が一体に形成されている。集熱管(3)の外管(6)の外周面の両側部分には、1つの直径の延長線上に位置する集熱板(11)が一体に形成されている。集熱板(11)の表面には太陽熱選択吸収膜が形成されている。外管(6)、内管(7)、凸条(9)および集熱板(11)は、アルミニウムより一体に押出成形されている。集熱管(3)のガラス管(2)から突出した部分における外管(6)および内管(7)の共有部分(8)に、内管(7)内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴(12)が形成されている。熱媒流入用貫通穴(12)は、凸条(9)を目印として共有部分(8)に外側から形成されている。
【0029】
集熱管(3)の外管(6)におけるガラス管(2)から突出した端部が開口するとともに他端部が蓋(13)により閉鎖されている。集熱管(3)の内管(7)におけるガラス管(2)から突出した側の端部が蓋(14)により閉鎖されるとともに他端部が開口している。また、内管(7)におけるガラス管(2)内に存在する部分の端部は、外管(6)の同じ側の端部よりも長さ方向の内側に位置している。
【0030】
入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)は、集熱管(3)と同様な構成である。すなわち、図2および図3に示すように、アルミニウム製出口ヘッダ管(5)内にこれよりも細いアルミニウム製入口ヘッダ管(4)が配され、両管(5)(4)が周壁の上部を全長にわたって共有しており、この共有部分(15)が周方向に所定の長さを有している。入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の周壁の共有部分(15)に、長さ方向に伸びる凸条(16)が一体に形成されている。入口ヘッダ管(4)、出口ヘッダ管(5)および凸条(16)は、アルミニウムより一体に押出成形されている。入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の周壁の共有部分(15)に、入口ヘッダ管(4)内にのみ通じる熱媒流出用貫通穴(17)が、長さ方向に所定間隔をおいて集熱管(3)と同数形成されている。熱媒流出用貫通穴(17)は、凸条(16)を目印として共有部分(15)に外側から形成されている。出口ヘッダ管(5)の周壁における入口ヘッダ管(4)との共有部分(15)を除いた部分に、出口ヘッダ管(5)内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴(18)が形成されている。熱媒流出用貫通穴(17)と熱媒流入用貫通穴(18)とは、入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の長さ方向に関して同一位置に形成されている。
【0031】
出口ヘッダ管(5)の左右両端部はそれぞれ蓋(20)(21)により閉鎖されている。左端部の蓋(20)には、熱媒送出管(22)が連通状に接続されている。入口ヘッダ管(4)の左端部は蓋(23)により閉鎖されている。また、入口ヘッダ管(4)の右端部は蓋(21)を密閉状に貫通して出口ヘッダ管(5)よりも右方に突出している。
【0032】
そして、集熱管(3)の外管(6)の開口端部が、出口ヘッダ管(5)の周壁における熱媒流入用貫通穴(18)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合されている。また、入口ヘッダ管(4)内にのみ通じる熱媒流出用貫通穴(17)と、内管(7)内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴(12)とは、アルミニウム製の連通管(24)を介して通じさせられている。すなわち、連通管(24)の一端部が入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の共有部分(15)における熱媒流出用貫通穴(17)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合され、連通管(24)の他端部が外管(6)および内管(7)の共有部分(8)における熱媒流入用貫通穴(12)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合されている。
【0033】
入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)、集熱管(3)におけるガラス管(2)から突出した部分、ならびに連通管(24)は断熱兼保護ハウジング(25)内に入れられている。熱媒送出管(22)は断熱兼保護ハウジング(25)の左壁に貫通させられて固定され、入口ヘッダ管(4)における出口ヘッダ管(5)よりも右方に突出した部分は断熱兼保護ハウジング(25)の右壁に貫通させられて固定されている。
【0034】
このような真空式太陽熱集熱器(1)において、入口ヘッダ管(4)に送り込まれた熱媒は、入口ヘッダ管(4)から熱媒流出用貫通穴(17)を通って全ての連通管(24)内に分岐して流入し、さらに熱媒流入用貫通穴(12)を通って全ての集熱管(3)の内管(7)内に流入する。内管(7)内に流入した熱媒は、内管(7)の他端開口から外管(6)内に流入し、さらに熱媒流出用貫通穴(17)を通って出口ヘッダ管(5)内に流入した後、熱媒送出管(22)を通って送り出されるようになっている。そして、集熱管(3)の内管(7)および外管(6)内を流れる間に、太陽熱を利用して加熱される。
【0035】
なお、真空式太陽熱集熱器(1)は、複数のものが直列状にまたは並列状に並べられて用いられることがある。すなわち、複数の真空式太陽熱集熱器(1)のうち1つを除いたものの熱媒送出管(22)が、これに隣接する真空式太陽熱集熱器(1)の入口ヘッダ管(4)の開口端部に接続されており、1つの真空式太陽熱集熱器(1)の入口ヘッダ管(4)から流入した熱媒が、全ての真空式太陽熱集熱器(1)を順次流れた後、最後の真空式太陽熱集熱器(1)の熱媒送出管(22)から送り出されるようになっていることがある。また、熱媒が全ての真空式太陽熱集熱器(1)の入口ヘッダ管(4)に分岐して流入し、全ての真空式太陽熱集熱器(1)の熱媒送出管(22)から送り出された熱媒が合流して送られるようになっていることがある。
【0036】
図5〜図7は集熱管の変形例を示す。
【0037】
図5に示す集熱管(30)は、外管(6)および内管(7)の共有部分(8)外面に、凸条の代わりに長さ方向に伸びる凹溝(31)が形成されたものであり、その他は上述した集熱管(3)と同様な構成である。そして、凹溝(31)を目印にして熱媒流入用貫通穴(12)が外側から形成される。この集熱管も外管(6)、内管(7)、集熱板(11)および凹溝(31)が、一体に押出成形されている。
【0038】
図6に示す集熱管(35)は、外管(6)、内管(7)および凸条(9)が一体に押出成形されている。そして、外管(6)の1つの接線上において、凸条(9)の両側に来るように2枚のアルミニウム製集熱板(36)が配され、両集熱板(36)の近接した側縁部どうしおよび凸条(9)が溶接されている。
【0039】
図7に示す集熱管(40)は、外管(6)、内管(7)および凹溝(31)が一体に押出成形されている。そして、外管(6)の1つの接線上において、凹溝(31)の両側に来るように2枚のアルミニウム製集熱板(36)が配され、両集熱板(36)の側縁部どうしおよび外管(6)の凹溝(31)部分が溶接されている。
【0040】
図8〜図10はこの発明による真空式太陽熱集熱器の第2の実施形態を示す。
【0041】
図8〜図10に示す真空式太陽熱集熱器(50)においては、入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の共有部分(15)に形成された熱媒流出用貫通穴(17)と、出口ヘッダ管(5)の周壁における共有部分(15)を除いた部分に形成された熱媒流入用貫通穴(18)とは、入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の長さ方向にずれて形成されている。
【0042】
集熱管(51)は両端が開口したヘアピン状であり、2つのアルミニウム製直管(52)(53)と両直管(52)(53)の一端どうしを連結するアルミニウム製Uベンド(54)とよりなる。一方の直管(52)は他方の直管(53)よりも短くなっている。そして、一方の直管(52)の他端開口が、連通管(55)を介して熱媒流出用貫通穴(17)に通じさせられている。すなわち、連通管(55)の一端部が直管(52)の他端部に溶接またはろう付により接合され、連通管(55)の他端部が入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の共有部分(15)における熱媒流出用貫通穴(17)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合されている。また、集熱管(51)の他方の直管(53)の他端部は、出口ヘッダ管(5)の周壁における熱媒流入用貫通穴(18)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合されている。
【0043】
集熱管(51)の両直管(52)(53)間の部分および両直管(52)(53)の外側部分には、1つの直径の延長線上に位置するアルミニウム製集熱板(56)が一体に形成されている。集熱板(56)の表面には選択吸収膜が形成されている。両直管(52)(53)および集熱板(56)は、アルミニウムより一体に押出成形されている。
【0044】
その他の構成は図1〜図4に示す実施形態の真空式太陽熱集熱器と同じである。
【0045】
このような真空式太陽熱集熱器(50)において、入口ヘッダ管(4)に送り込まれた熱媒は、入口ヘッダ管(4)から熱媒流出用貫通穴(17)を通って全ての連通管(55)内に分岐し、全ての集熱管(51)の一方の直管(52)に流入する。直管(52)内に流入した熱媒は、Uベンド(54)を通って他方の直管(53)内に流入し、さらに熱媒流入用貫通穴(18)を通って出口ヘッダ管(5)内に流入した後、熱媒送出管(22)を通って送り出されるようになっている。そして、集熱管(51)内を流れる間に、太陽熱を利用して加熱される。
【0046】
なお、この真空式太陽熱集熱器(50)は、図1〜図4に示す実施形態の場合と同様に、複数直列状にまたは並列状に並べられて用いられることがある。すなわち、複数の真空式太陽熱集熱器(50)のうち1つを除いたものの熱媒送出管(22)が、これに隣接する真空式太陽熱集熱器(50)の入口ヘッダ管(4)の開口端に接続されており、1つの真空式太陽熱集熱器(50)の入口ヘッダ管(4)に流入した熱媒が、全ての真空式太陽熱集熱器(50)を順次流れた後、最後の真空式太陽熱集熱器(50)の熱媒送出管(22)から送り出されるようになっていることがある。また、熱媒が全ての真空式太陽熱集熱器(50)の入口ヘッダ管(4)に分岐して流入し、全ての熱媒送出管(22)から送り出された熱媒が合流して送られるようになっていることがある。
【0047】
図11は、図8〜図10に示す第2の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の変形例を示す。
【0048】
図11に示す集熱管(60)は、1本のアルミニウム管をヘアピン状に曲げることにより形成されたものであり、2つの直管部(61)(62)に共通した1つの接線上において、両直管部(61)(62)上にアルミニウム製集熱板(63)が配され、両直管部(61)(62)と集熱板(63)とが溶接されている。
【0049】
図12はこの発明による真空式太陽熱集熱器の第3の実施形態を示す。
【0050】
図12に示す真空式太陽熱集熱器(70)においては、熱媒送出管(22)は、断熱兼保護ハウジング(25)内で右方にUターン状に屈曲され、断熱兼保護ハウジング(25)の右壁に貫通させられて固定されている。そして、出口ヘッダ管(5)と熱媒送出管(22)とが全体としてヘアピン状となされている。
【0051】
その他の構成は図1〜図4に示す実施形態の場合と同様である。
【0052】
この実施形態の真空式太陽熱集熱器(70)においては、加熱された熱媒が流れる出口ヘッダ管(5)および熱媒送出管(22)が熱膨張によりその長さ方向に伸びたとしても、この伸びが断熱兼保護ハウジング(25)内で吸収される。したがって、入口ヘッダ管(4)および熱媒送出管(22)における断熱兼保護ハウジング(25)の壁を貫通している部分または断熱兼保護ハウジング(25)のこの壁の破損が防止される。
【0053】
なお、図12に示す第3の実施形態において、集熱管としては、図5〜図7に示すものや、図8〜図10に示す第2の実施形態に用いられているものや、図11に示すものを用いることができる。
【0054】
上記全ての実施形態の真空式太陽熱集熱器は、たとえば熱媒としてCO2が使用される太陽熱発電装置に用いられる。
【0055】
【発明の効果】
1)の発明の2重管によれば、外管および外管内に配された外管よりも細い内管よりなるとともに、外管と内管とが周壁の一部を全長にわたって共有しており、この共有部分が周方向に所定の長さを有しているので、上記共有部分に内管内にのみ通じる貫通穴を形成することができる。したがって、他の管を内管に連通状に接続するさいには、外管の外側から上記共有部分における貫通穴の周囲の部分に、他の管の端部を接合するだけでよく、その接合部位を目視しやすいので、内管に他の管を連通状に接続するさいの接合作業性が、従来の場合に比べて優れたものになる。また、接合作業性が優れているので、接合不良を起こす可能性が極めて低く、内管内を流れる流体の洩れの発生が抑制される。さらに、仮に流体の洩れが発生した場合にも、補修作業を外管の外側から行うことができるので、その作業も極めて容易である。しかも、接合部位を目視しやすいので、接合部の洩れ検査の作業性も優れたものになる。
【0056】
2)の発明によれば、2重管を簡単に製造することができる。
【0057】
3)の発明によれば、凹溝または凸条を目印として、2重管の外側から外管および内管の周壁の共有部分に、正確に貫通穴を形成することができる。
【0058】
4)の発明の真空式太陽熱集熱器によれば、集熱管を入口ヘッダ管に連通状に接続するさいには、出口ヘッダ管の外側から共有部分における熱媒流出用貫通穴の周囲の部分に、集熱管の端部を接合するだけでよく、請求項1の発明の場合と同様に、集熱管を入口ヘッダ管の連通状に接続するさいの接合作業性が、従来の真空式太陽熱集熱器の場合に比べて優れたものになる。また、接合作業性が優れているので、接合不良を起こす可能性が極めて低く、熱媒の洩れの発生が抑制される。さらに、仮に熱媒の洩れが発生した場合にも、補修作業が極めて容易になる。しかも、接合部位を目視しやすいので、接合部の洩れ検査の作業性も優れたものになる。
【0059】
5)の発明によれば、出口ヘッダ管の周壁における入口ヘッダ管との共有部分を除いた部分に、出口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴を形成しておき、集熱管のガラス管から突出した部分における外管および内管の周壁の共有部分に、内管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴を形成しておき、さらに集熱管の外管の一端を開口するとともに他端を閉鎖し、同じく内管における外管の開口端と同じ側の端部を閉鎖するとともに他端部を開口しておくと、集熱管の外管の開口端を出口ヘッダ管の周壁における熱媒流入用貫通穴の周囲の部分に接合し、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の周壁の共有部分に形成された熱媒流出用貫通穴と、集熱管の内管および外管の周壁の共有部分に形成された熱媒流入用貫通穴とを連通管により通じさせることができる。この場合、熱媒は、入口ヘッダ管から熱媒流出用貫通穴を通って集熱管の内管に流入し、内管の他端開口から外管内に流入し、さらに熱媒流出用貫通穴を通って出口ヘッダ管内に流入する。したがって、熱媒がこのように流れる間に、太陽熱により効率良く加熱される。
【0060】
6)〜8)の発明によれば、5)の発明で述べた熱媒の加熱効率が優れたものになる。
【0061】
8)の発明によれば、集熱板を簡単に形成することができる。
【0062】
9)の発明によれば、熱媒は、入口ヘッダ管から熱媒流出用貫通穴を通って連通管内に流入し、さらに熱媒流入用貫通穴を通って集熱管の内管内に流入する。内管内に流入した熱媒は、内管の他端開口から外管内に流入し、さらに熱媒流出用貫通穴を通って出口ヘッダ管内に流入する。したがって、熱媒がこのように流れる間に、太陽熱により効率良く加熱される。
【0063】
10)の発明によれば、熱媒は、入口ヘッダ管から熱媒流出用貫通穴を通って集熱管に流入してヘアピン状集熱管内を流れ、熱媒流出用貫通穴を通って出口ヘッダ管内に流入する。したがって、熱媒がこのように流れる間に、太陽熱により効率良く加熱される。
【0064】
11)〜13)の発明によれば、10)の発明で述べた熱媒の加熱効率が優れたものになる。
【0065】
13)の発明によれば、集熱板を簡単に形成することができる。
【0066】
14)の発明によれば、加熱された熱媒が流れる出口ヘッダ管および熱媒送出管が熱膨張によりその長さ方向に伸びたとしても、この伸びが断熱兼保護ハウジング内で吸収される。したがって、入口ヘッダ管および熱媒送出管における断熱兼保護ハウジングの壁を貫通している部分または断熱兼保護ハウジングのこの壁の破損が防止される。
【0067】
15)の発明によれば、真空式太陽熱集熱器の全体の重量が軽量化される。しかも、熱媒に水が含まれないので、アルミニウムで形成された集熱管、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の腐食のおそれはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による真空式太陽熱集熱器の第1の実施形態を示す一部を省略した水平断面図である。
【図2】同じく第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器の一部分を拡大して示す部分斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の横断面図である。
【図5】第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の変形例を示す横断面図である。
【図6】第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の他の変形例を示す横断面図である。
【図7】第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管のさらに他の変形例を示す横断面図である。
【図8】この発明による真空式太陽熱集熱器の第2の実施形態の一部分を示す部分斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】第2の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の横断面図である。
【図11】第2の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の変形例を示す横断面図である。
【図12】この発明による真空式太陽熱集熱器の第3の実施形態を示す一部を省略した水平断面図である。
【符号の説明】
(1)(50)(70):真空式太陽熱集熱器
(2):ガラス管
(3)(30)(35)(40)(51)(60):集熱管
(4):入口ヘッダ管
(5):出口ヘッダ管
(6):外管
(7):内管
(8):共有部分
(9):凸条
(11)(36)(56)(63):集熱板
(12):熱媒流入用貫通穴
(15):共有部分
(16):凸条
(17):熱媒流出用貫通穴
(18):熱媒流入用貫通穴
(22):熱媒送出管
(24):連通管
(25):断熱兼保護用ハウジング
(31):凹溝
(52)(53):直管
(54):Uベンド
(55):連通管
(61)(62):直管部
【発明の属する技術分野】
この発明は真空式太陽熱集熱器、それを具備した太陽熱発電装置および真空式太陽熱集熱器に用いられる2重管に関する。
【0002】
この明細書において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0003】
【従来の技術】
真空式太陽熱集熱器として、従来、内部が真空とされたガラス管内に、一端部がガラス管から突出するように配された集熱管、集熱管内に熱媒を供給する入口ヘッダ管、および入口ヘッダ管よりも大径でかつ集熱管内で加熱された熱媒を排出する出口ヘッダ管を備えており、集熱管が、外管および外管よりも小径でかつ外管内に同軸上に配された内管よりなり、入口ヘッダ管が出口ヘッダ管よりも小径となされるとともに出口ヘッダ管内に同軸上に配され、集熱管の外管が出口ヘッダ管の周壁に連通状に接続され、同じく内管が入口ヘッダ管の周壁に連通状に接続されているものが知られている(特開平6−42821号公報参照)。集熱管の外管の出口ヘッダ管への接続および集熱管の内管の入口ヘッダ管への接続は次のようにして行われている。すなわち、入口ヘッダ管の周壁に熱媒流出用貫通穴が、出口ヘッダ管の周壁に熱媒流入用貫通穴がそれぞれ形成され、集熱管の外管が、出口ヘッダ管の周壁における熱媒流入用貫通穴の周囲の部分に溶接され、集熱管の内管が、熱媒流入用貫通穴を通して出口ヘッダ管内に挿入されるとともに入口ヘッダ管の周壁における熱媒流出用貫通穴の周囲の部分に溶接されている。この真空式太陽熱集熱器は、熱媒として水を用いているため、集熱管の外管および内管、入口ヘッダ管、ならびに出口ヘッダ管が銅により形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の真空式太陽熱集熱器においては、集熱管の内管を出口ヘッダ管内に配された入口ヘッダ管の周壁に連通状に接続するさいには、集熱管の内管の端部を、出口ヘッダ管の周壁に形成された熱媒流入用貫通穴から出口ヘッダ管内に挿入し、内管の外周面と熱媒流入用貫通穴との間の隙間を通して、内管を入口ヘッダ管に溶接する必要があり、この溶接作業性が極めて悪いという問題がある。しかも、溶接部の洩れ検査の作業性も悪いという問題がある。また、上述した溶接作業性が悪いために、溶接不良を起こす可能性が高く、熱媒の洩れが発生するおそれがある。さらに、熱媒の洩れが発生した場合の補修作業も極めて困難である。
【0005】
この発明の目的は、上記問題を解決し、内管に他の管を連通状に接続するさいの接合作業性に優れるとともに、接合部の洩れ検査の作業性に優れた2重管およびこれを用いた真空式太陽熱集熱器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段よりなる。
【0007】
1)外管および外管内に配された外管よりも細い内管よりなるとともに、外管と内管とが周壁の一部を全長にわたって共有しており、この共有部分が周方向に所定の長さを有している2重管。ここで、共有部分の周方向の所定長さとは、共有部分に、内管内にのみ通じる貫通穴を形成しうるような長さをいう。
【0008】
2)外管と内管とが一体に押出成形されている上記1)の2重管。
【0009】
3)外管と内管とが周壁の一部を全長にわたって共有している外管および内管の周壁の共有部分外面に、長さ方向に伸びる凹溝または凸条が成形されている上記1)または2)の2重管。この場合、凹溝または凸条は、外管および内管とともに押出成形されていることが好ましい。
【0010】
4)内部が真空とされたガラス管内に、一端部がガラス管から突出するように配された集熱管、集熱管内に熱媒を供給する入口ヘッダ管、および集熱管内で加熱された熱媒を排出する出口ヘッダ管を備えており、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管が、それぞれ上記1)、2)または3)の2重管の内管および外管からなり、2重管における入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の周壁の共有部分に、入口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流出用貫通穴が形成されている真空式太陽熱集熱器。
【0011】
5)集熱管が、上記1)、2)または3)の2重管により形成され、集熱管のガラス管から突出した部分における外管および内管の周壁の共有部分に、内管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴が形成されている上記4)の真空式太陽熱集熱器。
【0012】
6)集熱管の外管におけるガラス管内に存在する部分の外周面に、集熱板が固定状に設けられている上記5)の真空式太陽熱集熱器。
【0013】
7)集熱板が外管外周面に溶接されている上記6)の真空式太陽熱集熱器。
【0014】
8)集熱管の外管および内管と、集熱板とが一体に押出成形されている上記6)の真空式太陽熱集熱器。
【0015】
9)出口ヘッダ管の周壁における入口ヘッダ管との共有部分を除いた部分に、出口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴が形成され、集熱管の外管におけるガラス管から突出した端部が開口するとともに他端部が閉鎖され、同じく内管における外管の開口端と同じ側の端部が閉鎖されるとともに他端部が開口され、集熱管の外管の開口端が出口ヘッダ管の周壁における熱媒流入用貫通穴の周囲の部分に接合され、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の周壁の共有部分に形成された熱媒流出用貫通穴と、集熱管の内管および外管の周壁の共有部分に形成された熱媒流入用貫通穴とが、連通管により通じさせられている上記5)〜8)のうちのいずれかの真空式太陽熱集熱器。
【0016】
10)出口ヘッダ管の周壁における入口ヘッダ管との共有部分を除いた部分に、出口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴が形成され、集熱管が両端が開口したヘアピン状となされ、集熱管の一端開口が熱媒流出用貫通穴を介して入口ヘッダ管内に連通させられるとともに、他端開口が熱媒流入用貫通穴を介して出口ヘッダ管内に連通させられている上記4)の真空式太陽熱集熱器。
【0017】
11)集熱管におけるガラス管内に存在する部分の外周面に、集熱板が固定状に設けられている上記10)の真空式太陽熱集熱器。
【0018】
12)集熱板が集熱管に溶接されている上記11)の真空式太陽熱集熱器。
【0019】
13)集熱管が、2つの直管と両直管の一端どうしを連結するUベンドよりなり、2つの直管と集熱板とが一体に押出成形されている上記11)の真空式太陽熱集熱器。
【0020】
14)入口ヘッダ管および出口ヘッダ管が断熱兼保護ハウジング内に配され、出口ヘッダ管の一端開口が蓋により閉鎖され、入口ヘッダ管の一端部がこの蓋を密閉状に貫通して出口ヘッダ管の外方に突出しかつ断熱兼保護ハウジングの壁を貫通してハウジング外に伸びており、入口ヘッダ管の他端開口が閉鎖され、出口ヘッダ管の他端部に断熱兼保護ハウジング内に配された熱媒送出管が接続され、出口ヘッダ管と熱媒送出管とが全体としてヘアピン状となされ、熱媒送出管が、入口ヘッダ管が貫通した断熱兼保護ハウジングの壁を貫通してハウジング外に伸びている上記4)〜13)のうちのいずれかの真空式太陽熱集熱器。
【0021】
15)集熱管、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管がそれぞれアルミニウムで形成され、熱媒として水を含まない流体が用いられる上記4)〜14)のうちのいずれかの真空式太陽熱集熱器。
【0022】
16)熱媒として、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、PFC(パーフルオロカーボン)、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、HC(炭化水素系)、アンモニアおよびCO2からなる群から選ばれた1種のものが用いられる上記15)の真空式太陽熱集熱器。
【0023】
17)熱媒として、CO2が用いられる上記15)の真空式太陽熱集熱器。
【0024】
18)上記4)〜17)のうちのいずれかの真空式太陽熱集熱器を備えている太陽熱発電装置。
【0025】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図面を通じて同一物および同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
図1はこの発明による真空式太陽熱集熱器の第1の実施形態の全体構成を示し、図2〜図4はその要部の構成を示す。
【0027】
図1において、真空式太陽熱集熱器(1)は、HCFC、HFC、PFC、HFE、HC、アンモニアおよびCO2からなる群から選ばれた1種のもの、たとえばCO2を熱媒として用いるものであって、両端が閉鎖されかつ内部が真空とされた複数のガラス管(2)、全てのガラス管(2)内に、それぞれ一端部がガラス管(2)から突出するように配された集熱管(3)、集熱管(3)内に熱媒を供給する入口ヘッダ管(4)、および集熱管(3)内で加熱された熱媒を排出する出口ヘッダ管(5)を備えている。
【0028】
集熱管(3)は、図2〜図4に示すように、アルミニウム製外管(6)および外管(6)内に配された外管(6)よりも細いアルミニウム製内管(7)よりなるとともに、外管(6)と内管(7)とが周壁の上部を全長にわたって共有しており、この共有部分(8)が周方向に所定の長さを有するものである。外管(6)および内管(7)の周壁の共有部分(8)に、長さ方向に伸びる凸条(9)が一体に形成されている。集熱管(3)の外管(6)の外周面の両側部分には、1つの直径の延長線上に位置する集熱板(11)が一体に形成されている。集熱板(11)の表面には太陽熱選択吸収膜が形成されている。外管(6)、内管(7)、凸条(9)および集熱板(11)は、アルミニウムより一体に押出成形されている。集熱管(3)のガラス管(2)から突出した部分における外管(6)および内管(7)の共有部分(8)に、内管(7)内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴(12)が形成されている。熱媒流入用貫通穴(12)は、凸条(9)を目印として共有部分(8)に外側から形成されている。
【0029】
集熱管(3)の外管(6)におけるガラス管(2)から突出した端部が開口するとともに他端部が蓋(13)により閉鎖されている。集熱管(3)の内管(7)におけるガラス管(2)から突出した側の端部が蓋(14)により閉鎖されるとともに他端部が開口している。また、内管(7)におけるガラス管(2)内に存在する部分の端部は、外管(6)の同じ側の端部よりも長さ方向の内側に位置している。
【0030】
入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)は、集熱管(3)と同様な構成である。すなわち、図2および図3に示すように、アルミニウム製出口ヘッダ管(5)内にこれよりも細いアルミニウム製入口ヘッダ管(4)が配され、両管(5)(4)が周壁の上部を全長にわたって共有しており、この共有部分(15)が周方向に所定の長さを有している。入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の周壁の共有部分(15)に、長さ方向に伸びる凸条(16)が一体に形成されている。入口ヘッダ管(4)、出口ヘッダ管(5)および凸条(16)は、アルミニウムより一体に押出成形されている。入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の周壁の共有部分(15)に、入口ヘッダ管(4)内にのみ通じる熱媒流出用貫通穴(17)が、長さ方向に所定間隔をおいて集熱管(3)と同数形成されている。熱媒流出用貫通穴(17)は、凸条(16)を目印として共有部分(15)に外側から形成されている。出口ヘッダ管(5)の周壁における入口ヘッダ管(4)との共有部分(15)を除いた部分に、出口ヘッダ管(5)内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴(18)が形成されている。熱媒流出用貫通穴(17)と熱媒流入用貫通穴(18)とは、入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の長さ方向に関して同一位置に形成されている。
【0031】
出口ヘッダ管(5)の左右両端部はそれぞれ蓋(20)(21)により閉鎖されている。左端部の蓋(20)には、熱媒送出管(22)が連通状に接続されている。入口ヘッダ管(4)の左端部は蓋(23)により閉鎖されている。また、入口ヘッダ管(4)の右端部は蓋(21)を密閉状に貫通して出口ヘッダ管(5)よりも右方に突出している。
【0032】
そして、集熱管(3)の外管(6)の開口端部が、出口ヘッダ管(5)の周壁における熱媒流入用貫通穴(18)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合されている。また、入口ヘッダ管(4)内にのみ通じる熱媒流出用貫通穴(17)と、内管(7)内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴(12)とは、アルミニウム製の連通管(24)を介して通じさせられている。すなわち、連通管(24)の一端部が入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の共有部分(15)における熱媒流出用貫通穴(17)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合され、連通管(24)の他端部が外管(6)および内管(7)の共有部分(8)における熱媒流入用貫通穴(12)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合されている。
【0033】
入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)、集熱管(3)におけるガラス管(2)から突出した部分、ならびに連通管(24)は断熱兼保護ハウジング(25)内に入れられている。熱媒送出管(22)は断熱兼保護ハウジング(25)の左壁に貫通させられて固定され、入口ヘッダ管(4)における出口ヘッダ管(5)よりも右方に突出した部分は断熱兼保護ハウジング(25)の右壁に貫通させられて固定されている。
【0034】
このような真空式太陽熱集熱器(1)において、入口ヘッダ管(4)に送り込まれた熱媒は、入口ヘッダ管(4)から熱媒流出用貫通穴(17)を通って全ての連通管(24)内に分岐して流入し、さらに熱媒流入用貫通穴(12)を通って全ての集熱管(3)の内管(7)内に流入する。内管(7)内に流入した熱媒は、内管(7)の他端開口から外管(6)内に流入し、さらに熱媒流出用貫通穴(17)を通って出口ヘッダ管(5)内に流入した後、熱媒送出管(22)を通って送り出されるようになっている。そして、集熱管(3)の内管(7)および外管(6)内を流れる間に、太陽熱を利用して加熱される。
【0035】
なお、真空式太陽熱集熱器(1)は、複数のものが直列状にまたは並列状に並べられて用いられることがある。すなわち、複数の真空式太陽熱集熱器(1)のうち1つを除いたものの熱媒送出管(22)が、これに隣接する真空式太陽熱集熱器(1)の入口ヘッダ管(4)の開口端部に接続されており、1つの真空式太陽熱集熱器(1)の入口ヘッダ管(4)から流入した熱媒が、全ての真空式太陽熱集熱器(1)を順次流れた後、最後の真空式太陽熱集熱器(1)の熱媒送出管(22)から送り出されるようになっていることがある。また、熱媒が全ての真空式太陽熱集熱器(1)の入口ヘッダ管(4)に分岐して流入し、全ての真空式太陽熱集熱器(1)の熱媒送出管(22)から送り出された熱媒が合流して送られるようになっていることがある。
【0036】
図5〜図7は集熱管の変形例を示す。
【0037】
図5に示す集熱管(30)は、外管(6)および内管(7)の共有部分(8)外面に、凸条の代わりに長さ方向に伸びる凹溝(31)が形成されたものであり、その他は上述した集熱管(3)と同様な構成である。そして、凹溝(31)を目印にして熱媒流入用貫通穴(12)が外側から形成される。この集熱管も外管(6)、内管(7)、集熱板(11)および凹溝(31)が、一体に押出成形されている。
【0038】
図6に示す集熱管(35)は、外管(6)、内管(7)および凸条(9)が一体に押出成形されている。そして、外管(6)の1つの接線上において、凸条(9)の両側に来るように2枚のアルミニウム製集熱板(36)が配され、両集熱板(36)の近接した側縁部どうしおよび凸条(9)が溶接されている。
【0039】
図7に示す集熱管(40)は、外管(6)、内管(7)および凹溝(31)が一体に押出成形されている。そして、外管(6)の1つの接線上において、凹溝(31)の両側に来るように2枚のアルミニウム製集熱板(36)が配され、両集熱板(36)の側縁部どうしおよび外管(6)の凹溝(31)部分が溶接されている。
【0040】
図8〜図10はこの発明による真空式太陽熱集熱器の第2の実施形態を示す。
【0041】
図8〜図10に示す真空式太陽熱集熱器(50)においては、入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の共有部分(15)に形成された熱媒流出用貫通穴(17)と、出口ヘッダ管(5)の周壁における共有部分(15)を除いた部分に形成された熱媒流入用貫通穴(18)とは、入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の長さ方向にずれて形成されている。
【0042】
集熱管(51)は両端が開口したヘアピン状であり、2つのアルミニウム製直管(52)(53)と両直管(52)(53)の一端どうしを連結するアルミニウム製Uベンド(54)とよりなる。一方の直管(52)は他方の直管(53)よりも短くなっている。そして、一方の直管(52)の他端開口が、連通管(55)を介して熱媒流出用貫通穴(17)に通じさせられている。すなわち、連通管(55)の一端部が直管(52)の他端部に溶接またはろう付により接合され、連通管(55)の他端部が入口ヘッダ管(4)および出口ヘッダ管(5)の共有部分(15)における熱媒流出用貫通穴(17)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合されている。また、集熱管(51)の他方の直管(53)の他端部は、出口ヘッダ管(5)の周壁における熱媒流入用貫通穴(18)の周囲の部分に溶接またはろう付により接合されている。
【0043】
集熱管(51)の両直管(52)(53)間の部分および両直管(52)(53)の外側部分には、1つの直径の延長線上に位置するアルミニウム製集熱板(56)が一体に形成されている。集熱板(56)の表面には選択吸収膜が形成されている。両直管(52)(53)および集熱板(56)は、アルミニウムより一体に押出成形されている。
【0044】
その他の構成は図1〜図4に示す実施形態の真空式太陽熱集熱器と同じである。
【0045】
このような真空式太陽熱集熱器(50)において、入口ヘッダ管(4)に送り込まれた熱媒は、入口ヘッダ管(4)から熱媒流出用貫通穴(17)を通って全ての連通管(55)内に分岐し、全ての集熱管(51)の一方の直管(52)に流入する。直管(52)内に流入した熱媒は、Uベンド(54)を通って他方の直管(53)内に流入し、さらに熱媒流入用貫通穴(18)を通って出口ヘッダ管(5)内に流入した後、熱媒送出管(22)を通って送り出されるようになっている。そして、集熱管(51)内を流れる間に、太陽熱を利用して加熱される。
【0046】
なお、この真空式太陽熱集熱器(50)は、図1〜図4に示す実施形態の場合と同様に、複数直列状にまたは並列状に並べられて用いられることがある。すなわち、複数の真空式太陽熱集熱器(50)のうち1つを除いたものの熱媒送出管(22)が、これに隣接する真空式太陽熱集熱器(50)の入口ヘッダ管(4)の開口端に接続されており、1つの真空式太陽熱集熱器(50)の入口ヘッダ管(4)に流入した熱媒が、全ての真空式太陽熱集熱器(50)を順次流れた後、最後の真空式太陽熱集熱器(50)の熱媒送出管(22)から送り出されるようになっていることがある。また、熱媒が全ての真空式太陽熱集熱器(50)の入口ヘッダ管(4)に分岐して流入し、全ての熱媒送出管(22)から送り出された熱媒が合流して送られるようになっていることがある。
【0047】
図11は、図8〜図10に示す第2の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の変形例を示す。
【0048】
図11に示す集熱管(60)は、1本のアルミニウム管をヘアピン状に曲げることにより形成されたものであり、2つの直管部(61)(62)に共通した1つの接線上において、両直管部(61)(62)上にアルミニウム製集熱板(63)が配され、両直管部(61)(62)と集熱板(63)とが溶接されている。
【0049】
図12はこの発明による真空式太陽熱集熱器の第3の実施形態を示す。
【0050】
図12に示す真空式太陽熱集熱器(70)においては、熱媒送出管(22)は、断熱兼保護ハウジング(25)内で右方にUターン状に屈曲され、断熱兼保護ハウジング(25)の右壁に貫通させられて固定されている。そして、出口ヘッダ管(5)と熱媒送出管(22)とが全体としてヘアピン状となされている。
【0051】
その他の構成は図1〜図4に示す実施形態の場合と同様である。
【0052】
この実施形態の真空式太陽熱集熱器(70)においては、加熱された熱媒が流れる出口ヘッダ管(5)および熱媒送出管(22)が熱膨張によりその長さ方向に伸びたとしても、この伸びが断熱兼保護ハウジング(25)内で吸収される。したがって、入口ヘッダ管(4)および熱媒送出管(22)における断熱兼保護ハウジング(25)の壁を貫通している部分または断熱兼保護ハウジング(25)のこの壁の破損が防止される。
【0053】
なお、図12に示す第3の実施形態において、集熱管としては、図5〜図7に示すものや、図8〜図10に示す第2の実施形態に用いられているものや、図11に示すものを用いることができる。
【0054】
上記全ての実施形態の真空式太陽熱集熱器は、たとえば熱媒としてCO2が使用される太陽熱発電装置に用いられる。
【0055】
【発明の効果】
1)の発明の2重管によれば、外管および外管内に配された外管よりも細い内管よりなるとともに、外管と内管とが周壁の一部を全長にわたって共有しており、この共有部分が周方向に所定の長さを有しているので、上記共有部分に内管内にのみ通じる貫通穴を形成することができる。したがって、他の管を内管に連通状に接続するさいには、外管の外側から上記共有部分における貫通穴の周囲の部分に、他の管の端部を接合するだけでよく、その接合部位を目視しやすいので、内管に他の管を連通状に接続するさいの接合作業性が、従来の場合に比べて優れたものになる。また、接合作業性が優れているので、接合不良を起こす可能性が極めて低く、内管内を流れる流体の洩れの発生が抑制される。さらに、仮に流体の洩れが発生した場合にも、補修作業を外管の外側から行うことができるので、その作業も極めて容易である。しかも、接合部位を目視しやすいので、接合部の洩れ検査の作業性も優れたものになる。
【0056】
2)の発明によれば、2重管を簡単に製造することができる。
【0057】
3)の発明によれば、凹溝または凸条を目印として、2重管の外側から外管および内管の周壁の共有部分に、正確に貫通穴を形成することができる。
【0058】
4)の発明の真空式太陽熱集熱器によれば、集熱管を入口ヘッダ管に連通状に接続するさいには、出口ヘッダ管の外側から共有部分における熱媒流出用貫通穴の周囲の部分に、集熱管の端部を接合するだけでよく、請求項1の発明の場合と同様に、集熱管を入口ヘッダ管の連通状に接続するさいの接合作業性が、従来の真空式太陽熱集熱器の場合に比べて優れたものになる。また、接合作業性が優れているので、接合不良を起こす可能性が極めて低く、熱媒の洩れの発生が抑制される。さらに、仮に熱媒の洩れが発生した場合にも、補修作業が極めて容易になる。しかも、接合部位を目視しやすいので、接合部の洩れ検査の作業性も優れたものになる。
【0059】
5)の発明によれば、出口ヘッダ管の周壁における入口ヘッダ管との共有部分を除いた部分に、出口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴を形成しておき、集熱管のガラス管から突出した部分における外管および内管の周壁の共有部分に、内管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴を形成しておき、さらに集熱管の外管の一端を開口するとともに他端を閉鎖し、同じく内管における外管の開口端と同じ側の端部を閉鎖するとともに他端部を開口しておくと、集熱管の外管の開口端を出口ヘッダ管の周壁における熱媒流入用貫通穴の周囲の部分に接合し、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の周壁の共有部分に形成された熱媒流出用貫通穴と、集熱管の内管および外管の周壁の共有部分に形成された熱媒流入用貫通穴とを連通管により通じさせることができる。この場合、熱媒は、入口ヘッダ管から熱媒流出用貫通穴を通って集熱管の内管に流入し、内管の他端開口から外管内に流入し、さらに熱媒流出用貫通穴を通って出口ヘッダ管内に流入する。したがって、熱媒がこのように流れる間に、太陽熱により効率良く加熱される。
【0060】
6)〜8)の発明によれば、5)の発明で述べた熱媒の加熱効率が優れたものになる。
【0061】
8)の発明によれば、集熱板を簡単に形成することができる。
【0062】
9)の発明によれば、熱媒は、入口ヘッダ管から熱媒流出用貫通穴を通って連通管内に流入し、さらに熱媒流入用貫通穴を通って集熱管の内管内に流入する。内管内に流入した熱媒は、内管の他端開口から外管内に流入し、さらに熱媒流出用貫通穴を通って出口ヘッダ管内に流入する。したがって、熱媒がこのように流れる間に、太陽熱により効率良く加熱される。
【0063】
10)の発明によれば、熱媒は、入口ヘッダ管から熱媒流出用貫通穴を通って集熱管に流入してヘアピン状集熱管内を流れ、熱媒流出用貫通穴を通って出口ヘッダ管内に流入する。したがって、熱媒がこのように流れる間に、太陽熱により効率良く加熱される。
【0064】
11)〜13)の発明によれば、10)の発明で述べた熱媒の加熱効率が優れたものになる。
【0065】
13)の発明によれば、集熱板を簡単に形成することができる。
【0066】
14)の発明によれば、加熱された熱媒が流れる出口ヘッダ管および熱媒送出管が熱膨張によりその長さ方向に伸びたとしても、この伸びが断熱兼保護ハウジング内で吸収される。したがって、入口ヘッダ管および熱媒送出管における断熱兼保護ハウジングの壁を貫通している部分または断熱兼保護ハウジングのこの壁の破損が防止される。
【0067】
15)の発明によれば、真空式太陽熱集熱器の全体の重量が軽量化される。しかも、熱媒に水が含まれないので、アルミニウムで形成された集熱管、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の腐食のおそれはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による真空式太陽熱集熱器の第1の実施形態を示す一部を省略した水平断面図である。
【図2】同じく第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器の一部分を拡大して示す部分斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の横断面図である。
【図5】第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の変形例を示す横断面図である。
【図6】第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の他の変形例を示す横断面図である。
【図7】第1の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管のさらに他の変形例を示す横断面図である。
【図8】この発明による真空式太陽熱集熱器の第2の実施形態の一部分を示す部分斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】第2の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の横断面図である。
【図11】第2の実施形態の真空式太陽熱集熱器に用いられる集熱管の変形例を示す横断面図である。
【図12】この発明による真空式太陽熱集熱器の第3の実施形態を示す一部を省略した水平断面図である。
【符号の説明】
(1)(50)(70):真空式太陽熱集熱器
(2):ガラス管
(3)(30)(35)(40)(51)(60):集熱管
(4):入口ヘッダ管
(5):出口ヘッダ管
(6):外管
(7):内管
(8):共有部分
(9):凸条
(11)(36)(56)(63):集熱板
(12):熱媒流入用貫通穴
(15):共有部分
(16):凸条
(17):熱媒流出用貫通穴
(18):熱媒流入用貫通穴
(22):熱媒送出管
(24):連通管
(25):断熱兼保護用ハウジング
(31):凹溝
(52)(53):直管
(54):Uベンド
(55):連通管
(61)(62):直管部
Claims (18)
- 外管および外管内に配された外管よりも細い内管よりなるとともに、外管と内管とが周壁の一部を全長にわたって共有しており、この共有部分が周方向に所定の長さを有している2重管。
- 外管と内管とが一体に押出成形されている請求項1記載の2重管。
- 外管と内管とが周壁の一部を全長にわたって共有している共有部分外面に、長さ方向に伸びる凹溝または凸条が成形されている請求項1または2記載の2重管。
- 内部が真空とされたガラス管内に、一端部がガラス管から突出するように配された集熱管、集熱管内に熱媒を供給する入口ヘッダ管、および集熱管内で加熱された熱媒を排出する出口ヘッダ管を備えており、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管が、それぞれ請求項1、2または3記載の2重管の内管および外管からなり、2重管における入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の周壁の共有部分に、入口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流出用貫通穴が形成されている真空式太陽熱集熱器。
- 集熱管が、請求項1、2または3記載の2重管により形成され、集熱管のガラス管から突出した部分における外管および内管の周壁の共有部分に、内管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴が形成されている請求項4記載の真空式太陽熱集熱器。
- 集熱管の外管におけるガラス管内に存在する部分の外周面に、集熱板が固定状に設けられている請求項5記載の真空式太陽熱集熱器。
- 集熱板が外管外周面に溶接されている請求項6記載の真空式太陽熱集熱器。
- 集熱管の外管および内管と、集熱板とが一体に押出成形されている請求項6記載の真空式太陽熱集熱器。
- 出口ヘッダ管の周壁における入口ヘッダ管との共有部分を除いた部分に、出口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴が形成され、集熱管の外管におけるガラス管から突出した端部が開口するとともに他端部が閉鎖され、同じく内管における外管の開口端と同じ側の端部が閉鎖されるとともに他端部が開口され、集熱管の外管の開口端が出口ヘッダ管の周壁における熱媒流入用貫通穴の周囲の部分に接合され、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管の周壁の共有部分に形成された熱媒流出用貫通穴と、集熱管の内管および外管の周壁の共有部分に形成された熱媒流入用貫通穴とが、連通管により通じさせられている請求項5〜8のうちのいずれかに記載の真空式太陽熱集熱器。
- 出口ヘッダ管の周壁における入口ヘッダ管との共有部分を除いた部分に、出口ヘッダ管内にのみ通じる熱媒流入用貫通穴が形成され、集熱管が両端が開口したヘアピン状となされ、集熱管の一端開口が熱媒流出用貫通穴を介して入口ヘッダ管内に連通させられるとともに、他端開口が熱媒流入用貫通穴を介して出口ヘッダ管内に連通させられている請求項4記載の真空式太陽熱集熱器。
- 集熱管におけるガラス管内に存在する部分の外周面に、集熱板が固定状に設けられている請求項10記載の真空式太陽熱集熱器。
- 集熱板が集熱管に溶接されている請求項11記載の真空式太陽熱集熱器。
- 集熱管が、2つの直管と両直管の一端どうしを連結するUベンドよりなり、2つの直管と集熱板とが一体に押出成形されている請求項11記載の真空式太陽熱集熱器。
- 入口ヘッダ管および出口ヘッダ管が断熱兼保護ハウジング内に配され、出口ヘッダ管の一端開口が蓋により閉鎖され、入口ヘッダ管の一端部がこの蓋を密閉状に貫通して出口ヘッダ管の外方に突出しかつ断熱兼保護ハウジングの壁を貫通してハウジング外に伸びており、入口ヘッダ管の他端開口が閉鎖され、出口ヘッダ管の他端部に断熱兼保護ハウジング内に配された熱媒送出管が接続され、出口ヘッダ管と熱媒送出管とが全体としてヘアピン状となされ、熱媒送出管が、入口ヘッダ管が貫通した断熱兼保護ハウジングの壁を貫通してハウジング外に伸びている請求項4〜13のうちのいずれかに記載の真空式太陽熱集熱器。
- 集熱管、入口ヘッダ管および出口ヘッダ管がそれぞれアルミニウムで形成され、熱媒として水を含まない流体が用いられる請求項4〜14のうちのいずれかに記載の真空式太陽熱集熱器。
- 熱媒として、HCFC、HFC、PFC、HFE、HC、アンモニアおよびCO2からなる群から選ばれた1種のものが用いられる請求項15記載の真空式太陽熱集熱器。
- 熱媒として、CO2が用いられる請求項15記載の真空式太陽熱集熱器。
- 請求項4〜17のうちのいずれかに記載の真空式太陽熱集熱器を備えている太陽熱発電装置。
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2002
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