JP2004084992A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱調理器において、加熱室内の食品についての情報を正確に検知できるようにすること。
【解決手段】センサ7は、水分量センサを含む。水分量センサは、加熱室内の食品の光を吸収する特性を検知することにより、当該食品が含有する水分量を検知するセンサである。水は、波長1.0〜2.0μm(以下、帯域Aという)の光を吸収しやすい。そして、水分量センサは、加熱室内の食品に白熱光源である庫内照明ランプ50を点灯した状態と消灯した状態の帯域Aを比較することにより、当該食品が含有する水分量を検知する。
【選択図】 図2
【解決手段】センサ7は、水分量センサを含む。水分量センサは、加熱室内の食品の光を吸収する特性を検知することにより、当該食品が含有する水分量を検知するセンサである。水は、波長1.0〜2.0μm(以下、帯域Aという)の光を吸収しやすい。そして、水分量センサは、加熱室内の食品に白熱光源である庫内照明ランプ50を点灯した状態と消灯した状態の帯域Aを比較することにより、当該食品が含有する水分量を検知する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品を加熱する加熱調理器に関し、特に、加熱室内の食品の水分量を検知できる加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、加熱調理器では、加熱室内の食品の質量や、加熱することにより発生するガスや蒸気、表面の温度変化等、当該食品について何らかの情報を検知できるものがあった。
【0003】
しかしながら、従来の加熱調理器では、上記したような情報を検知しても、当該検知が正確に行なわれない場合があった。
【0004】
なお、従来、上記のような検知の結果を用いて、食品の加熱の度合いを推測し、当該推測の結果に基づいて加熱調理が制御される場合もあった。加熱室内の食品について何らかの検知を行ない、食品の加熱の度合いを推測して、加熱制御を行なう従来技術としては、たとえば、次の2つを挙げることができる。特開昭57−118780号公報には、食品におけるマイクロ波の透過状況によって水分の凍結状況を検知する解凍装置が開示されている。また、特開2002−181334公報には、食品から放出される赤外線量を継続的に検知することにより食品の温度の上昇勾配を求め、当該上昇勾配を用いて、加熱制御の態様を決定する加熱調理器が開示されている。そして、上記のような検知が正確に行なわれない場合には、このような加熱制御も適切には行なうことができなかった。
【0005】
このことから、従来から、加熱調理器において、食品についての情報を正確に検知することが望まれていた。
【0006】
本発明は上述したかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、加熱室内の食品についての情報を正確に検知できる加熱調理器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に従った加熱調理器は、被加熱物を収容する加熱室と、前記加熱室内に収容した被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室内の被加熱物に光を照射する光照射部と、前記光照射部が前記加熱室内の被加熱物に照射した光の反射光を検知する光検知部と、前記光検知部の検知結果に基づいて前記加熱手段を制御する加熱制御部とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に従うと、加熱調理器では、被加熱物における反射光を検知することにより、被加熱物に含まれる水の量を検知することができる。なお、被加熱物が光を吸収する特性は、当該被加熱物に含まれる水の量に影響を受ける。具体的には、当該被加熱物に含まれる水の量によって、吸光度が変化する。また、被加熱物のこのような光の特性は、当該被加熱物に含まれる水の塩分およびpHの影響を受けることがない。
【0009】
これにより、加熱調理器において、被加熱物の量を、当該被加熱物に含まれる水の塩分およびpHに影響を受けることなく検知できる。つまり、加熱調理器において、加熱室内の食品ついての情報を正確に検知できる。
【0010】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記光検知部は、前記光照射部が照射した光の波長のうち、前記被加熱物の水分量に応じて反射量が変化する波長を当該被加熱物の光の特性として検知することが好ましい。
【0011】
また、本発明に従った加熱調理器は、前記光照射部を、光を照射する状態と、光を照射しない状態とに制御可能な光照射制御部をさらに含み、前記光検知部は、前記光照射部が光を照射した状態での前記被加熱物の光の特性と、前記光照射部が光を照射しない状態での前記被加熱物の光の特性との、いずれか一方を検知し、当該検知結果を保持し、いずれか他方が検知された際に両者を比較することにより、前記加熱室内の食品の水分量を検知することが好ましい。
【0012】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記光照射部は、前記加熱室内を照らすランプと兼用されることが好ましい。
【0013】
これにより、被加熱物の光学特性の検知に用いられる光照射部を、加熱室内を照らす部材と兼用できるため、加熱調理器を構成するための部材を削減でき、加熱調理器のコスト削減を実現できる。
【0014】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記加熱制御部は、予め定められた調理メニューに従って前記加熱手段の動作を制御し、前記決定した水分量に応じて適切な調理メニューを決定することが好ましい。
【0015】
これにより、加熱調理器における加熱制御が、正確に検知された被加熱物の特性に基づいて、つまり、正確に、実行される。また、被加熱物の加熱の仕上がりを所望のものに仕上げる際の、ユーザに求められる操作を、少なくすることができる。
【0016】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記調理メニューは、前記被加熱物の種類に応じて定められており、前記加熱制御部は、前記決定した水分量に応じて、前記加熱室内の被加熱物の種類を決定し、かつ、当該決定した種類に応じて、前記加熱手段の動作の制御に適切な調理メニューを決定することが好ましい。
【0017】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記調理メニューは、被加熱物の種類に応じて定められており、前記加熱制御部は、前記決定した水分量に応じて、前記加熱室内の被加熱物の量を決定し、かつ、当該決定した量に応じて、前記加熱手段の動作の制御に適切な調理メニューを決定することが好ましい。
【0018】
また、本発明に従った加熱調理器は、前記加熱室内の被加熱物が発する赤外線量を検知する赤外線検知部をさらに含み、前記光検知部は、前記赤外線検知部と兼用されることが好ましい。
【0019】
これにより、加熱調理器を構成する部材を削減でき、加熱調理器のコスト削減を実行できる。
【0020】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記加熱制御部は、前記光検知部の検知結果から決定した前記被加熱物の水分量および前記赤外線検知部で検知した赤外線量に基づいて、前記加熱手段の動作を制御することが好ましい。
【0021】
これにより、加熱調理器において、被加熱物の吸光特性および表面温度から、被加熱物の状態を特定できる。これにより、加熱制御を、より被加熱物の実状に沿ったものとすることができる。
【0022】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記加熱制御部は、前記決定した水分量から予想される前記被加熱物の状態と、前記赤外線検知部が検知した赤外線量から予想される前記被加熱物の状態とを比較し、これらが相反する場合には、前記加熱手段の動作を停止させることが好ましい。
【0023】
これにより、光検知部および/または赤外線検知部の検知動作に異常が生じた場合、当該異常な検知動作に基づいて加熱手段による加熱が続行されることを回避できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の加熱調理器の一実施の形態である電子レンジについて説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には、特記された場合を除き、同一の符号が付され、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0025】
[電子レンジの概略構成]
図1は、電子レンジの正面図である。
【0026】
図1を参照して、電子レンジ1は、主に、本体とドア3とからなる。本体には、本体枠5が備えられている。本体枠5の内側には、加熱室10が設けられている。ドア3は、加熱室10を開閉可能である。また、加熱室10の底面には、食品100を載置する載置板9が備えられている。
【0027】
本体の前面の右方には、操作パネル6が備えられている。操作パネル6は、ユーザが種々の情報を入力するためのキーや、種々の情報を表示するための表示パネル60を備えている。
【0028】
加熱室10の右側壁の上部には、検知孔11が形成されている。また、加熱室10の右側壁および左側壁には、マトリクス状に形成された複数の孔12,13が形成されている。さらに、図1では、後述するセンサ7が、加熱室10内で光量または赤外線量を検知できる領域を、視野700として示している。
【0029】
電子レンジ1の本体は、天面および両側面を、たとえば金属からなる板体に覆われている。図2に、電子レンジ1の、当該板体を省略した状態での斜視図を示す。
【0030】
さらに図2を参照して、操作パネル6の後方であって、加熱室10の右隣には、マグネトロン21とトランス22が備えられている。マグネトロン21は、加熱室10内にマイクロ波を供給するためのものであり、トランス22は、マグネトロン21に、高電圧を供給するためのものである。また、本体の内部であって、マグネトロン21の後方には、マグネトロン21とトランス22を冷却するための冷却ファン23が備えられている。冷却ファン23が空気の流れを作ることにより、加熱室10内では、孔12を介して空気が導入され、孔13を介して空気が排出される。
【0031】
電子レンジ1は、本体枠5の孔12に当接する位置に、加熱室10内を照らす庫内照明ランプ50を備え、本体枠5の検知孔11に当接する位置に、加熱室10内の食品を対象とした検知を行なうセンサ7を備えている。
【0032】
[電子レンジの制御ブロック図]
図3に、電子レンジ1の制御ブロック図を示す。
【0033】
図3を参照して、電子レンジ1は、当該電子レンジ1の動作を全体的に制御する制御回路25を備えている。制御回路25は、メモリおよびマイクロコンピュータを含む。
【0034】
センサ7は、加熱室10内の食品の、水分量を検知する水分量センサ7Aおよび表面から放出される赤外線量を検知する赤外線温度センサ7Bを含む。
【0035】
制御回路25は、操作パネル6の各種ボタン等に対して入力された情報、ならびに、水分量センサ7Aおよび赤外線温度センサ7Bの検知出力を入力される。また、制御回路25は、冷却ファン23を回転させる冷却ファンモータ24、加熱室10内に熱を放出するオーブン用ヒータ13、マグネトロン21にマイクロ波を発振させるための回路であるマイクロ波発振回路20、庫内照明ランプ50、表示パネル60、および、センサ7を移動させるセンサ駆動モータ701の動作を制御する。なお、マイクロ波発振回路20は、トランス22を含む。
【0036】
水分量センサ7Aは、加熱室10内の食品の光を吸収する特性を検知することにより、当該食品が含有する水分量を検知するセンサである。水は、波長1.0〜2.0μm(以下、帯域Aという)の光を吸収しやすい。そして、水分量センサ7Aは、加熱室10内の食品に白熱光源である庫内照明ランプ50を点灯した状態と消灯した状態の帯域Aを比較することにより、当該食品が含有する水分量を検知する。
【0037】
水分量センサ7Aは、レンズを介して、上記の反射光量を検知する。当該レンズ自体の光の波長に対する透過率の変化を図4に示す。図4を参照して、当該レンズは、その波長1.0μmまでの透過率が50%となっている。
【0038】
図5に、水分量センサ7Aと制御回路25のマイクロコンピュータとの間の回路構成を模式的に示す。図5を参照して、水分量センサ7Aの出力は、バッファ25Aに入力された後、分岐する。一方は、比較器25Dの一方側の入力端子に入力され、もう一方は、スイッチ25B、ホールド回路25Cを通して、比較器25Dの他方側の入力端子に入力される。
【0039】
水分量センサ7Aは、まず、庫内照明ランプ50が点灯しかつスイッチ25Bが回路を閉じる状態とされているときに反射光強度を検知する。この検知出力は、バッファ25Aから、スイッチ25B,ホールド回路25Cを介して、比較器25Dの上記した他方側の入力端子に導入される。次に、水分量センサ7Aは、庫内照明ランプ50が消灯しかつスイッチ25Bが回路を開く状態とされているときに反射光強度を検知する。このとき、ホールド回路25Cは、庫内照明ランプ50が消灯していたときの出力をそのまま保持する。この検知出力は、バッファ25Aから、比較器25Dの上記した一方側の入力端子に導入される。比較器25Dでは、2つの入力端子のそれぞれに導入された2つの検知出力の差が、マイクロコンピュータに導入される。これを受けて、マイクロコンピュータは、導入された結果を、制御回路25内のメモリに記憶されたテーブルに参照させて、加熱室10内の食品の水分量を決定する。
【0040】
つまり、本実施の形態では、庫内照明ランプ50が、水分量センサ7Aの検知用の光源としても用いられている。なお、庫内照明ランプ50は、加熱室10内を照らすものであるため、ドア3が閉状態とされていても、電子レンジ1の外部から、庫内照明ランプ50が点灯しているか消灯しているかを視認可能である。
【0041】
赤外線温度センサ7Bは、加熱室10内の食品の表面から放出される赤外線量を検知し、当該食品の温度を検知するセンサである。
【0042】
また、本実施の形態では、バッファ25A,スイッチ25B,ホールド回路25C,および,比較器25Dにより、庫内照明ランプ50が点灯してる際の水分量センサ7Aの検知出力をサンプル・ホールドする回路が構成されている。そして、図5に示す回路では、水分量センサ7Aの検知出力のうち、庫内照明ランプ50が点灯している際のものはサンプル・ホールドする回路に、庫内照明ランプ50が消灯している際のものは直接比較器25Dに、分岐して出力される。なお、サンプル・ホールドする回路に出力される検知出力と、直接比較器25Dに出力される検知出力とは、交換されても良い。
【0043】
水分量センサ7Aと赤外線温度センサ7Bは、1μm以上の波長の電磁波を検知できる、単一のセンサにより構成することができる。つまり、水分量センサ7Aと赤外線温度センサ7Bは、同一のセンサにより構成することができる。
【0044】
図6は、センサ7を移動させた状態を模式的に示す図である。図6を参照して、センサ7は、その外郭を覆う筐体70と、筐体の表面に埋め込まれたレンズ71とを備えている。筐体70は、センサ7において実際に光量を検知する素子を収容している。
【0045】
センサ7は、光量または赤外線量の検知を行なう際には、実線で示された位置、つまり、レンズ71が検知孔11に対向する位置にある。そして、センサ7は、センサ駆動モータ701が運転して量矢印R1方向に回動されることにより、その視野を加熱室10内で移動される。
【0046】
一方、センサ7は、光量または赤外線量の検知を行なわないときには、破線で示された位置、つまり、レンズ71が検知孔11とは対向しない位置にある。なお、検知孔11近傍には、防護壁11Aが取り付けられている。防護壁11Aで遮られることにより、センサ7が検知を行なわないときに、加熱室10内の食品が飛散してレンズ71に付着することを、確実に回避できる。防護壁11Aは、たとえば、検知孔11Aを形成する際に、本体枠5の一部分であって検知孔11部分に相当する部分で構成される。つまり、防護壁11Aは、たとえば、本体枠5と一体的に構成される。また、センサ7の視野の移動方向は、加熱室10の底面全体をより早く視野に含めることができるように、移動される。具体的には、加熱室10の奥行き方向が幅方向よりも寸法が短い場合には、センサ7の視野は、奥行き方向に移動される。また、センサ7の視野が、奥行き方向よりも幅方向の方が大きな寸法を有し、奥行き方向よりも幅方向に移動された方が早く加熱室10の底面全体を視野に含めることができる場合には、当該視野は、幅方向に移動される。
【0047】
[電子レンジにおける加熱制御]
次に、電子レンジ1における加熱制御の一例を、図7を参照して説明する。
【0048】
制御回路25は、操作パネル6上において加熱動作をスタートさせるための操作がなされると、SA1で、マグネトロン21にマイクロ波の発振を開始させ、そして、庫内照明ランプ50を点灯させる。
【0049】
次に、SA2で、制御回路25は、庫内照明ランプ50を消灯させ、水分量センサ7Aの出力をホールドさせるために、スイッチ25Bに回路を閉じさせる。
【0050】
次に、SA3で、制御回路25は、水分量センサ7Aの検知出力である電圧値Vを読込む。なお、水分量センサ7Aは、上記した帯域Aの光量を電圧値として出力するよう、構成されている。
【0051】
次に、SA4で、制御回路25は、庫内照明ランプ50を再度点灯させる。
次に、SA5で、制御回路25は、SA3で読込んだVが、所定の範囲(Vmin≦V≦Vmax:Vmin,Vmaxは、それぞれ予め定められた数値)であるか否かを判断する。当該所定の範囲内であれば、SA6に処理が移行され、当該所定の範囲外であれば、SA8に処理が移行される。
【0052】
SA6では、加熱時間tが決定される。なお、加熱時間tは、上記した検知出力Vの関数f(V)とされる。なお、この関数により、Vが対応する加熱室10内の食品の水分量が多いほど、加熱時間tは長いものに設定される。
【0053】
そして、SA7では、SA6で決定された加熱時間tだけ加熱動作が事項された後、処理が終了する。
【0054】
一方、SA8では、検知出力Vに対応して決定される食品の水分量が、マグネトロン21による加熱の対象になるのに少な過ぎるとして、または、加熱室10内に載置される食品の水分量としては考えられないほど多いとして、エラー報知がなされた後、マグネトロン21の動作を停止され、処理が終了する。なお、SA8の処理は、主に、無負荷運転、または、水分量センサ7Aの動作異常の場合に実行されるものである。
【0055】
次に、電子レンジ1における加熱制御の他の例を、図8を参照して説明する。制御回路25は、操作パネル6上において加熱動作をスタートさせるための操作がなされると、まず、SB1で、マグネトロン21にマイクロ波の発振を開始させ、そして、庫内照明ランプ50を点灯させ、次に、SB2で、赤外線温度センサ7Bによる加熱室10内の食品の表面温度をTiniとして読込む。
【0056】
次に、制御回路25は、SB3で、庫内照明ランプ50を消灯させ、水分量センサ7Aの出力をホールドさせるために、スイッチ25Bに回路を閉じさせ、SB4で、水分量センサ7Aの検知出力である電圧値Vを読込み、SB5で、庫内照明ランプ50を再度点灯させる。
【0057】
次に、制御回路25は、SB6で、SB4で読込んだVが、所定の範囲(Vmin≦V≦Vmax:Vmin,Vmaxは、それぞれ予め定められた数値)であるか否かを判断する。当該所定の範囲内であれば、SB7に処理が移行される。一方、当該所定の範囲外であれば、SB13に処理が移行され、上記したSA8と同様に、エラー報知がなされ、マグネトロン21の動作が停止されて、処理が終了する。
【0058】
SB7で、制御回路25は、SB4で読込んだ検知出力Vに応じて、最長加熱時間tmaxおよび仕上がり設定温度Tmaxが決定される。仕上がり設定温度Tmaxは、予め定められたVの関数f2(V)に従って定められるものであり、赤外線温度センサ7Bによって検知される食品の温度がこの温度になったときにマグネトロン21による加熱を停止させるための温度である。最長加熱時間tmaxは、予め定められたVの関数f1(V)に従って定められるものであり、赤外線温度センサ7Bが検知する温度がTmaxに到達する前であっても、最長この時間だけ加熱が継続された際には、強制的にマグネトロン21による加熱を停止させるための時間である。
【0059】
次に、制御回路25は、SB8で、赤外線温度センサ7Bの検知する温度Tを読込み、SB9で、読込んだ温度TがTmaxに到達しているか否かを判断する。到達していれば、マグネトロン21による加熱を停止させ、処理を終了させる。一方、到達していなければ、処理をSB10に進める。
【0060】
SB10では、制御回路25は、SB1でマグネトロン21による加熱を開始させてから、tmaxを経過したか否かを判断する。経過していれば、マグネトロン21による加熱を停止させ、処理を終了させる。一方、到達していなければ、処理をSB11に進める。
【0061】
SB11では、制御回路25は、SB1でマグネトロン21による加熱を開始させてから△tとなったか否かを判断する。なお、△tは、tmaxとして通常定められるよりも短い時間である。そして、現在、加熱開始から△tである場合には、処理をSB12に進め、そうでない場合には、処理はSB8に戻される。
【0062】
SB12では、制御回路25は、T−Tiniを算出し、その値が予め定められた値よりも小さいか否かを判断する。なお、SB12で比較対象とされる値は、SB4で読込まれたVの関数であるf3(V)とされる。つまり、SB12では、マグネトロン21による加熱が△tだけ行なわれた場合の、食品の水分量にふさわしい温度以上、食品の温度が上昇しているか否かを判断していることになる。そして、食品の水分量にふさわしい温度以上、食品の温度が上昇している場合、つまり、T−Tiniがf3(V)以上である場合には、処理は、SB8に戻される。一方、そうでない場合、つまり、T−Tiniがf3(V)未満である場合には、処理は、SB13に進められる。
【0063】
以上説明した本実施の形態では、加熱室10内の食品の水分量が検出され、当該水分量に応じて、加熱制御における加熱時間等が決定される。
【0064】
また、図8に示したフローチャートに従って処理がなされる場合、加熱制御は、食品の水分量、および、食品の表面から放出される赤外線量に応じて、実行される。
【0065】
また、以上説明した本実施の形態では、食品の水分量に応じて、加熱時間および仕上がり設定温度が決定される。なお、電子レンジ1は、食品の水分量に基づいて、時間や温度だけでなく食品の種類(生地から焼くもの、または、こげ目を付けるだけのもの等)や量を決定し、それに従った調理メニューを決定して、実行するように構成されてもよい。
【0066】
なお、以上説明した本実施の形態では、加熱調理器の一例として電子レンジを挙げたが、加熱室内の食品に照射した光の反射光を検知できる加熱調理器であれば、オーブン加熱を行なうもの等、他のタイプの調理器にも、本発明は適用可能である。
【0067】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。なお、上記した各実施の形態は、単独でも、また、可能な限り組合せても、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱調理器の一実施の形態である電子レンジの正面図である。
【図2】図1の電子レンジの、本体の天面および両側面を覆う板体を省略した状態での斜視図である。
【図3】図1の電子レンジの制御ブロック図である。
【図4】図1の電子レンジの水分量センサのレンズ自体の、光の波長に対する透過率の変化を示す図である。
【図5】図1の電子レンジの水分量センサと制御回路のマイクロコンピュータとの間の回路構成を模式的に示す図である。
【図6】図1の電子レンジにおいてセンサを移動させた状態を模式的に示す図である。
【図7】図1の電子レンジにおける加熱制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】図1の電子レンジにおける加熱制御の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電子レンジ、6 操作パネル、7 センサ、7A 水分量センサ、7B 赤外線温度センサ、10 本体枠、11 検知孔、20 マイクロ波発振回路、25 制御回路、25A バッファ、25B スイッチ、25C ホールド回路、25D 比較器、50 庫内照明ランプ、70 筐体、71 レンズ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品を加熱する加熱調理器に関し、特に、加熱室内の食品の水分量を検知できる加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、加熱調理器では、加熱室内の食品の質量や、加熱することにより発生するガスや蒸気、表面の温度変化等、当該食品について何らかの情報を検知できるものがあった。
【0003】
しかしながら、従来の加熱調理器では、上記したような情報を検知しても、当該検知が正確に行なわれない場合があった。
【0004】
なお、従来、上記のような検知の結果を用いて、食品の加熱の度合いを推測し、当該推測の結果に基づいて加熱調理が制御される場合もあった。加熱室内の食品について何らかの検知を行ない、食品の加熱の度合いを推測して、加熱制御を行なう従来技術としては、たとえば、次の2つを挙げることができる。特開昭57−118780号公報には、食品におけるマイクロ波の透過状況によって水分の凍結状況を検知する解凍装置が開示されている。また、特開2002−181334公報には、食品から放出される赤外線量を継続的に検知することにより食品の温度の上昇勾配を求め、当該上昇勾配を用いて、加熱制御の態様を決定する加熱調理器が開示されている。そして、上記のような検知が正確に行なわれない場合には、このような加熱制御も適切には行なうことができなかった。
【0005】
このことから、従来から、加熱調理器において、食品についての情報を正確に検知することが望まれていた。
【0006】
本発明は上述したかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、加熱室内の食品についての情報を正確に検知できる加熱調理器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に従った加熱調理器は、被加熱物を収容する加熱室と、前記加熱室内に収容した被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室内の被加熱物に光を照射する光照射部と、前記光照射部が前記加熱室内の被加熱物に照射した光の反射光を検知する光検知部と、前記光検知部の検知結果に基づいて前記加熱手段を制御する加熱制御部とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に従うと、加熱調理器では、被加熱物における反射光を検知することにより、被加熱物に含まれる水の量を検知することができる。なお、被加熱物が光を吸収する特性は、当該被加熱物に含まれる水の量に影響を受ける。具体的には、当該被加熱物に含まれる水の量によって、吸光度が変化する。また、被加熱物のこのような光の特性は、当該被加熱物に含まれる水の塩分およびpHの影響を受けることがない。
【0009】
これにより、加熱調理器において、被加熱物の量を、当該被加熱物に含まれる水の塩分およびpHに影響を受けることなく検知できる。つまり、加熱調理器において、加熱室内の食品ついての情報を正確に検知できる。
【0010】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記光検知部は、前記光照射部が照射した光の波長のうち、前記被加熱物の水分量に応じて反射量が変化する波長を当該被加熱物の光の特性として検知することが好ましい。
【0011】
また、本発明に従った加熱調理器は、前記光照射部を、光を照射する状態と、光を照射しない状態とに制御可能な光照射制御部をさらに含み、前記光検知部は、前記光照射部が光を照射した状態での前記被加熱物の光の特性と、前記光照射部が光を照射しない状態での前記被加熱物の光の特性との、いずれか一方を検知し、当該検知結果を保持し、いずれか他方が検知された際に両者を比較することにより、前記加熱室内の食品の水分量を検知することが好ましい。
【0012】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記光照射部は、前記加熱室内を照らすランプと兼用されることが好ましい。
【0013】
これにより、被加熱物の光学特性の検知に用いられる光照射部を、加熱室内を照らす部材と兼用できるため、加熱調理器を構成するための部材を削減でき、加熱調理器のコスト削減を実現できる。
【0014】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記加熱制御部は、予め定められた調理メニューに従って前記加熱手段の動作を制御し、前記決定した水分量に応じて適切な調理メニューを決定することが好ましい。
【0015】
これにより、加熱調理器における加熱制御が、正確に検知された被加熱物の特性に基づいて、つまり、正確に、実行される。また、被加熱物の加熱の仕上がりを所望のものに仕上げる際の、ユーザに求められる操作を、少なくすることができる。
【0016】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記調理メニューは、前記被加熱物の種類に応じて定められており、前記加熱制御部は、前記決定した水分量に応じて、前記加熱室内の被加熱物の種類を決定し、かつ、当該決定した種類に応じて、前記加熱手段の動作の制御に適切な調理メニューを決定することが好ましい。
【0017】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記調理メニューは、被加熱物の種類に応じて定められており、前記加熱制御部は、前記決定した水分量に応じて、前記加熱室内の被加熱物の量を決定し、かつ、当該決定した量に応じて、前記加熱手段の動作の制御に適切な調理メニューを決定することが好ましい。
【0018】
また、本発明に従った加熱調理器は、前記加熱室内の被加熱物が発する赤外線量を検知する赤外線検知部をさらに含み、前記光検知部は、前記赤外線検知部と兼用されることが好ましい。
【0019】
これにより、加熱調理器を構成する部材を削減でき、加熱調理器のコスト削減を実行できる。
【0020】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記加熱制御部は、前記光検知部の検知結果から決定した前記被加熱物の水分量および前記赤外線検知部で検知した赤外線量に基づいて、前記加熱手段の動作を制御することが好ましい。
【0021】
これにより、加熱調理器において、被加熱物の吸光特性および表面温度から、被加熱物の状態を特定できる。これにより、加熱制御を、より被加熱物の実状に沿ったものとすることができる。
【0022】
また、本発明に従った加熱調理器では、前記加熱制御部は、前記決定した水分量から予想される前記被加熱物の状態と、前記赤外線検知部が検知した赤外線量から予想される前記被加熱物の状態とを比較し、これらが相反する場合には、前記加熱手段の動作を停止させることが好ましい。
【0023】
これにより、光検知部および/または赤外線検知部の検知動作に異常が生じた場合、当該異常な検知動作に基づいて加熱手段による加熱が続行されることを回避できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の加熱調理器の一実施の形態である電子レンジについて説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には、特記された場合を除き、同一の符号が付され、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0025】
[電子レンジの概略構成]
図1は、電子レンジの正面図である。
【0026】
図1を参照して、電子レンジ1は、主に、本体とドア3とからなる。本体には、本体枠5が備えられている。本体枠5の内側には、加熱室10が設けられている。ドア3は、加熱室10を開閉可能である。また、加熱室10の底面には、食品100を載置する載置板9が備えられている。
【0027】
本体の前面の右方には、操作パネル6が備えられている。操作パネル6は、ユーザが種々の情報を入力するためのキーや、種々の情報を表示するための表示パネル60を備えている。
【0028】
加熱室10の右側壁の上部には、検知孔11が形成されている。また、加熱室10の右側壁および左側壁には、マトリクス状に形成された複数の孔12,13が形成されている。さらに、図1では、後述するセンサ7が、加熱室10内で光量または赤外線量を検知できる領域を、視野700として示している。
【0029】
電子レンジ1の本体は、天面および両側面を、たとえば金属からなる板体に覆われている。図2に、電子レンジ1の、当該板体を省略した状態での斜視図を示す。
【0030】
さらに図2を参照して、操作パネル6の後方であって、加熱室10の右隣には、マグネトロン21とトランス22が備えられている。マグネトロン21は、加熱室10内にマイクロ波を供給するためのものであり、トランス22は、マグネトロン21に、高電圧を供給するためのものである。また、本体の内部であって、マグネトロン21の後方には、マグネトロン21とトランス22を冷却するための冷却ファン23が備えられている。冷却ファン23が空気の流れを作ることにより、加熱室10内では、孔12を介して空気が導入され、孔13を介して空気が排出される。
【0031】
電子レンジ1は、本体枠5の孔12に当接する位置に、加熱室10内を照らす庫内照明ランプ50を備え、本体枠5の検知孔11に当接する位置に、加熱室10内の食品を対象とした検知を行なうセンサ7を備えている。
【0032】
[電子レンジの制御ブロック図]
図3に、電子レンジ1の制御ブロック図を示す。
【0033】
図3を参照して、電子レンジ1は、当該電子レンジ1の動作を全体的に制御する制御回路25を備えている。制御回路25は、メモリおよびマイクロコンピュータを含む。
【0034】
センサ7は、加熱室10内の食品の、水分量を検知する水分量センサ7Aおよび表面から放出される赤外線量を検知する赤外線温度センサ7Bを含む。
【0035】
制御回路25は、操作パネル6の各種ボタン等に対して入力された情報、ならびに、水分量センサ7Aおよび赤外線温度センサ7Bの検知出力を入力される。また、制御回路25は、冷却ファン23を回転させる冷却ファンモータ24、加熱室10内に熱を放出するオーブン用ヒータ13、マグネトロン21にマイクロ波を発振させるための回路であるマイクロ波発振回路20、庫内照明ランプ50、表示パネル60、および、センサ7を移動させるセンサ駆動モータ701の動作を制御する。なお、マイクロ波発振回路20は、トランス22を含む。
【0036】
水分量センサ7Aは、加熱室10内の食品の光を吸収する特性を検知することにより、当該食品が含有する水分量を検知するセンサである。水は、波長1.0〜2.0μm(以下、帯域Aという)の光を吸収しやすい。そして、水分量センサ7Aは、加熱室10内の食品に白熱光源である庫内照明ランプ50を点灯した状態と消灯した状態の帯域Aを比較することにより、当該食品が含有する水分量を検知する。
【0037】
水分量センサ7Aは、レンズを介して、上記の反射光量を検知する。当該レンズ自体の光の波長に対する透過率の変化を図4に示す。図4を参照して、当該レンズは、その波長1.0μmまでの透過率が50%となっている。
【0038】
図5に、水分量センサ7Aと制御回路25のマイクロコンピュータとの間の回路構成を模式的に示す。図5を参照して、水分量センサ7Aの出力は、バッファ25Aに入力された後、分岐する。一方は、比較器25Dの一方側の入力端子に入力され、もう一方は、スイッチ25B、ホールド回路25Cを通して、比較器25Dの他方側の入力端子に入力される。
【0039】
水分量センサ7Aは、まず、庫内照明ランプ50が点灯しかつスイッチ25Bが回路を閉じる状態とされているときに反射光強度を検知する。この検知出力は、バッファ25Aから、スイッチ25B,ホールド回路25Cを介して、比較器25Dの上記した他方側の入力端子に導入される。次に、水分量センサ7Aは、庫内照明ランプ50が消灯しかつスイッチ25Bが回路を開く状態とされているときに反射光強度を検知する。このとき、ホールド回路25Cは、庫内照明ランプ50が消灯していたときの出力をそのまま保持する。この検知出力は、バッファ25Aから、比較器25Dの上記した一方側の入力端子に導入される。比較器25Dでは、2つの入力端子のそれぞれに導入された2つの検知出力の差が、マイクロコンピュータに導入される。これを受けて、マイクロコンピュータは、導入された結果を、制御回路25内のメモリに記憶されたテーブルに参照させて、加熱室10内の食品の水分量を決定する。
【0040】
つまり、本実施の形態では、庫内照明ランプ50が、水分量センサ7Aの検知用の光源としても用いられている。なお、庫内照明ランプ50は、加熱室10内を照らすものであるため、ドア3が閉状態とされていても、電子レンジ1の外部から、庫内照明ランプ50が点灯しているか消灯しているかを視認可能である。
【0041】
赤外線温度センサ7Bは、加熱室10内の食品の表面から放出される赤外線量を検知し、当該食品の温度を検知するセンサである。
【0042】
また、本実施の形態では、バッファ25A,スイッチ25B,ホールド回路25C,および,比較器25Dにより、庫内照明ランプ50が点灯してる際の水分量センサ7Aの検知出力をサンプル・ホールドする回路が構成されている。そして、図5に示す回路では、水分量センサ7Aの検知出力のうち、庫内照明ランプ50が点灯している際のものはサンプル・ホールドする回路に、庫内照明ランプ50が消灯している際のものは直接比較器25Dに、分岐して出力される。なお、サンプル・ホールドする回路に出力される検知出力と、直接比較器25Dに出力される検知出力とは、交換されても良い。
【0043】
水分量センサ7Aと赤外線温度センサ7Bは、1μm以上の波長の電磁波を検知できる、単一のセンサにより構成することができる。つまり、水分量センサ7Aと赤外線温度センサ7Bは、同一のセンサにより構成することができる。
【0044】
図6は、センサ7を移動させた状態を模式的に示す図である。図6を参照して、センサ7は、その外郭を覆う筐体70と、筐体の表面に埋め込まれたレンズ71とを備えている。筐体70は、センサ7において実際に光量を検知する素子を収容している。
【0045】
センサ7は、光量または赤外線量の検知を行なう際には、実線で示された位置、つまり、レンズ71が検知孔11に対向する位置にある。そして、センサ7は、センサ駆動モータ701が運転して量矢印R1方向に回動されることにより、その視野を加熱室10内で移動される。
【0046】
一方、センサ7は、光量または赤外線量の検知を行なわないときには、破線で示された位置、つまり、レンズ71が検知孔11とは対向しない位置にある。なお、検知孔11近傍には、防護壁11Aが取り付けられている。防護壁11Aで遮られることにより、センサ7が検知を行なわないときに、加熱室10内の食品が飛散してレンズ71に付着することを、確実に回避できる。防護壁11Aは、たとえば、検知孔11Aを形成する際に、本体枠5の一部分であって検知孔11部分に相当する部分で構成される。つまり、防護壁11Aは、たとえば、本体枠5と一体的に構成される。また、センサ7の視野の移動方向は、加熱室10の底面全体をより早く視野に含めることができるように、移動される。具体的には、加熱室10の奥行き方向が幅方向よりも寸法が短い場合には、センサ7の視野は、奥行き方向に移動される。また、センサ7の視野が、奥行き方向よりも幅方向の方が大きな寸法を有し、奥行き方向よりも幅方向に移動された方が早く加熱室10の底面全体を視野に含めることができる場合には、当該視野は、幅方向に移動される。
【0047】
[電子レンジにおける加熱制御]
次に、電子レンジ1における加熱制御の一例を、図7を参照して説明する。
【0048】
制御回路25は、操作パネル6上において加熱動作をスタートさせるための操作がなされると、SA1で、マグネトロン21にマイクロ波の発振を開始させ、そして、庫内照明ランプ50を点灯させる。
【0049】
次に、SA2で、制御回路25は、庫内照明ランプ50を消灯させ、水分量センサ7Aの出力をホールドさせるために、スイッチ25Bに回路を閉じさせる。
【0050】
次に、SA3で、制御回路25は、水分量センサ7Aの検知出力である電圧値Vを読込む。なお、水分量センサ7Aは、上記した帯域Aの光量を電圧値として出力するよう、構成されている。
【0051】
次に、SA4で、制御回路25は、庫内照明ランプ50を再度点灯させる。
次に、SA5で、制御回路25は、SA3で読込んだVが、所定の範囲(Vmin≦V≦Vmax:Vmin,Vmaxは、それぞれ予め定められた数値)であるか否かを判断する。当該所定の範囲内であれば、SA6に処理が移行され、当該所定の範囲外であれば、SA8に処理が移行される。
【0052】
SA6では、加熱時間tが決定される。なお、加熱時間tは、上記した検知出力Vの関数f(V)とされる。なお、この関数により、Vが対応する加熱室10内の食品の水分量が多いほど、加熱時間tは長いものに設定される。
【0053】
そして、SA7では、SA6で決定された加熱時間tだけ加熱動作が事項された後、処理が終了する。
【0054】
一方、SA8では、検知出力Vに対応して決定される食品の水分量が、マグネトロン21による加熱の対象になるのに少な過ぎるとして、または、加熱室10内に載置される食品の水分量としては考えられないほど多いとして、エラー報知がなされた後、マグネトロン21の動作を停止され、処理が終了する。なお、SA8の処理は、主に、無負荷運転、または、水分量センサ7Aの動作異常の場合に実行されるものである。
【0055】
次に、電子レンジ1における加熱制御の他の例を、図8を参照して説明する。制御回路25は、操作パネル6上において加熱動作をスタートさせるための操作がなされると、まず、SB1で、マグネトロン21にマイクロ波の発振を開始させ、そして、庫内照明ランプ50を点灯させ、次に、SB2で、赤外線温度センサ7Bによる加熱室10内の食品の表面温度をTiniとして読込む。
【0056】
次に、制御回路25は、SB3で、庫内照明ランプ50を消灯させ、水分量センサ7Aの出力をホールドさせるために、スイッチ25Bに回路を閉じさせ、SB4で、水分量センサ7Aの検知出力である電圧値Vを読込み、SB5で、庫内照明ランプ50を再度点灯させる。
【0057】
次に、制御回路25は、SB6で、SB4で読込んだVが、所定の範囲(Vmin≦V≦Vmax:Vmin,Vmaxは、それぞれ予め定められた数値)であるか否かを判断する。当該所定の範囲内であれば、SB7に処理が移行される。一方、当該所定の範囲外であれば、SB13に処理が移行され、上記したSA8と同様に、エラー報知がなされ、マグネトロン21の動作が停止されて、処理が終了する。
【0058】
SB7で、制御回路25は、SB4で読込んだ検知出力Vに応じて、最長加熱時間tmaxおよび仕上がり設定温度Tmaxが決定される。仕上がり設定温度Tmaxは、予め定められたVの関数f2(V)に従って定められるものであり、赤外線温度センサ7Bによって検知される食品の温度がこの温度になったときにマグネトロン21による加熱を停止させるための温度である。最長加熱時間tmaxは、予め定められたVの関数f1(V)に従って定められるものであり、赤外線温度センサ7Bが検知する温度がTmaxに到達する前であっても、最長この時間だけ加熱が継続された際には、強制的にマグネトロン21による加熱を停止させるための時間である。
【0059】
次に、制御回路25は、SB8で、赤外線温度センサ7Bの検知する温度Tを読込み、SB9で、読込んだ温度TがTmaxに到達しているか否かを判断する。到達していれば、マグネトロン21による加熱を停止させ、処理を終了させる。一方、到達していなければ、処理をSB10に進める。
【0060】
SB10では、制御回路25は、SB1でマグネトロン21による加熱を開始させてから、tmaxを経過したか否かを判断する。経過していれば、マグネトロン21による加熱を停止させ、処理を終了させる。一方、到達していなければ、処理をSB11に進める。
【0061】
SB11では、制御回路25は、SB1でマグネトロン21による加熱を開始させてから△tとなったか否かを判断する。なお、△tは、tmaxとして通常定められるよりも短い時間である。そして、現在、加熱開始から△tである場合には、処理をSB12に進め、そうでない場合には、処理はSB8に戻される。
【0062】
SB12では、制御回路25は、T−Tiniを算出し、その値が予め定められた値よりも小さいか否かを判断する。なお、SB12で比較対象とされる値は、SB4で読込まれたVの関数であるf3(V)とされる。つまり、SB12では、マグネトロン21による加熱が△tだけ行なわれた場合の、食品の水分量にふさわしい温度以上、食品の温度が上昇しているか否かを判断していることになる。そして、食品の水分量にふさわしい温度以上、食品の温度が上昇している場合、つまり、T−Tiniがf3(V)以上である場合には、処理は、SB8に戻される。一方、そうでない場合、つまり、T−Tiniがf3(V)未満である場合には、処理は、SB13に進められる。
【0063】
以上説明した本実施の形態では、加熱室10内の食品の水分量が検出され、当該水分量に応じて、加熱制御における加熱時間等が決定される。
【0064】
また、図8に示したフローチャートに従って処理がなされる場合、加熱制御は、食品の水分量、および、食品の表面から放出される赤外線量に応じて、実行される。
【0065】
また、以上説明した本実施の形態では、食品の水分量に応じて、加熱時間および仕上がり設定温度が決定される。なお、電子レンジ1は、食品の水分量に基づいて、時間や温度だけでなく食品の種類(生地から焼くもの、または、こげ目を付けるだけのもの等)や量を決定し、それに従った調理メニューを決定して、実行するように構成されてもよい。
【0066】
なお、以上説明した本実施の形態では、加熱調理器の一例として電子レンジを挙げたが、加熱室内の食品に照射した光の反射光を検知できる加熱調理器であれば、オーブン加熱を行なうもの等、他のタイプの調理器にも、本発明は適用可能である。
【0067】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。なお、上記した各実施の形態は、単独でも、また、可能な限り組合せても、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱調理器の一実施の形態である電子レンジの正面図である。
【図2】図1の電子レンジの、本体の天面および両側面を覆う板体を省略した状態での斜視図である。
【図3】図1の電子レンジの制御ブロック図である。
【図4】図1の電子レンジの水分量センサのレンズ自体の、光の波長に対する透過率の変化を示す図である。
【図5】図1の電子レンジの水分量センサと制御回路のマイクロコンピュータとの間の回路構成を模式的に示す図である。
【図6】図1の電子レンジにおいてセンサを移動させた状態を模式的に示す図である。
【図7】図1の電子レンジにおける加熱制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】図1の電子レンジにおける加熱制御の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電子レンジ、6 操作パネル、7 センサ、7A 水分量センサ、7B 赤外線温度センサ、10 本体枠、11 検知孔、20 マイクロ波発振回路、25 制御回路、25A バッファ、25B スイッチ、25C ホールド回路、25D 比較器、50 庫内照明ランプ、70 筐体、71 レンズ。
Claims (10)
- 被加熱物を収容する加熱室と、
前記加熱室内に収容した被加熱物を加熱する加熱手段と、
前記加熱室内の被加熱物に光を照射する光照射部と、
前記光照射部が前記加熱室内の被加熱物に照射した光の反射光を検知する光検知部と、
前記光検知部の検知結果に基づいて前記加熱手段を制御する加熱制御部とを含む、加熱調理器。 - 前記光検知部は、前記光照射部が照射した光の波長のうち、前記被加熱物の水分量に応じて反射量が変化する波長を当該被加熱物の光の特性として検知する、請求項1に記載の加熱調理器。
- 前記光照射部を、光を照射する状態と、光を照射しない状態とに制御可能な光照射制御部をさらに含み、
前記光検知部は、前記光照射部が光を照射した状態での前記被加熱物の光の特性と、前記光照射部が光を照射しない状態での前記被加熱物の光の特性との、いずれか一方を検知し、当該検知結果を保持し、いずれか他方が検知された際に両者を比較することにより、前記加熱室内の食品の水分量を検知する、請求項2に記載の加熱調理器。 - 前記光照射部は、前記加熱室内を照らすランプと兼用される、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の加熱調理器。
- 前記加熱制御部は、予め定められた調理メニューに従って前記加熱手段の動作を制御し、前記決定した水分量に応じて適切な調理メニューを決定する、請求項3に記載の加熱調理器。
- 前記調理メニューは、前記被加熱物の種類に応じて定められており、
前記加熱制御部は、前記決定した水分量に応じて、前記加熱室内の被加熱物の種類を決定し、かつ、当該決定した種類に応じて、前記加熱手段の動作の制御に適切な調理メニューを決定する、請求項5に記載の加熱調理器。 - 前記調理メニューは、被加熱物の種類に応じて定められており、
前記加熱制御部は、前記決定した水分量に応じて、前記加熱室内の被加熱物の量を決定し、かつ、当該決定した量に応じて、前記加熱手段の動作の制御に適切な調理メニューを決定する、請求項5に記載の加熱調理器。 - 前記加熱室内の被加熱物が発する赤外線量を検知する赤外線検知部をさらに含み、
前記光検知部は、前記赤外線検知部と兼用される、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の加熱調理器。 - 前記加熱制御部は、前記光検知部の検知結果から決定した前記被加熱物の水分量および前記赤外線検知部で検知した赤外線量に基づいて、前記加熱手段の動作を制御する、請求項8に記載の加熱調理器。
- 前記加熱制御部は、前記決定した水分量から予想される前記被加熱物の状態と、前記赤外線検知部が検知した赤外線量から予想される前記被加熱物の状態とを比較し、これらが相反する場合には、前記加熱手段の動作を停止させる、請求項9に記載の加熱調理器。
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