JP2004084831A - 車両用動力伝達機構の油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガレージシフト時の前進用クラッチの過渡油圧制御、およびベルト挟圧力制御を、共通のリニアソレノイド弁を用いて行う場合に、ガレージシフトバルブの作動不良時のベルト滑りを防止しながら、正常時にはベルト滑りが生じない範囲で係合過渡油圧を制御して、ベルト寿命や燃費を損なうことなくショックが良好に低減されるようにする。
【解決手段】ガレージシフト(N→Dシフト)時に前進用クラッチC1を係合させる際に、ガレージシフト油圧PGとモジュレータ油圧PMを切り換えるガレージシフトバルブ114が作動不良でON状態へ切り換えることができない場合には、リニアソレノイド弁SLTによるガレージシフト油圧PGの制御を実行する過程で、挟圧力コントロールバルブ110によって調圧されるベルト挟圧力が通常よりも大きくなるようにリニアソレノイド弁SLTの制御を補正する。
【選択図】 図3
【解決手段】ガレージシフト(N→Dシフト)時に前進用クラッチC1を係合させる際に、ガレージシフト油圧PGとモジュレータ油圧PMを切り換えるガレージシフトバルブ114が作動不良でON状態へ切り換えることができない場合には、リニアソレノイド弁SLTによるガレージシフト油圧PGの制御を実行する過程で、挟圧力コントロールバルブ110によって調圧されるベルト挟圧力が通常よりも大きくなるようにリニアソレノイド弁SLTの制御を補正する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用動力伝達機構の油圧制御装置に係り、特に、動力伝達を接続、遮断する断続装置の係合過渡油圧制御、およびベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) 駆動力源から駆動輪側への動力伝達を接続、遮断するとともに、油圧によって摩擦係合させられることにより接続状態となる断続装置と、(b) 油圧によりベルトを挟圧して動力を伝達するとともに、ベルト掛かり径を変更して変速比を変化させるベルト式無段変速機と、(c) 前記ベルト式無段変速機のベルト挟圧力を伝達トルク(具体的にはアクセル操作量など)に応じて制御する調圧装置と、を有する車両用動力伝達機構の油圧制御装置が知られている。特開平11−182666号公報に記載の装置はその一例で、前後進切換装置のクラッチおよびブレーキが断続装置に相当する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような車両用動力伝達機構においては、駐車場などで発進するためにシフトレバーがN(ニュートラル)等の非走行ポジションからD(ドライブ)等の走行ポジションへ操作されるガレージシフトなどで断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際にショックが発生することを防止するため、その断続装置が滑らかに係合させられるように係合過渡油圧を制御することが望ましく、前記ベルト挟圧力制御用の調圧装置を利用して制御することが考えられている。すなわち、断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際には、一般にアクセル(運転者の出力要求)はOFFで、ベルト挟圧力としては比較的小さな所定値以上であれば良いため、必ずしも高い精度で制御する必要がなく、所定のベルト挟圧力が得られる範囲で調圧装置により係合過渡油圧を制御するのである。また、その調圧装置によって調圧された係合過渡油圧を前記断続装置へ供給する過渡油圧供給状態と、その断続装置を接続状態に保持するための保持油圧をその断続装置に供給する保持油圧供給状態と、に切り換えられる油路切換装置を設け、ガレージシフトなどで断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える時だけ過渡油圧供給状態に切り換えて、調圧装置により油圧制御を行えば良い。
【0004】
しかしながら、このようにベルト挟圧力制御用の調圧装置を利用して係合過渡油圧を制御する場合、上記油路切換装置が作動不良(スティックや電気系の故障など)で過渡油圧供給状態へ切り換えることができなくなると、断続装置は保持油圧に基づいて急係合させられるため、ベルト式無段変速機に作用するトルクが急に大きくなってベルト滑りが発生する可能性がある。これを防止するためには、例えば係合過渡油圧制御時の調圧装置の出力油圧に基づいて十分なベルト挟圧力が発生させられるように、その係合過渡油圧を大きめに設定することが考えられるが、その係合過渡油圧に応じて摩擦係合させられる断続装置の係合時のショックを十分に低減することが難しくなるとともに、正常時のベルト挟圧力が必要以上に大きくなるためベルト寿命や燃費が損なわれる。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、断続装置の係合過渡油圧制御およびベルト挟圧力制御を共通の調圧装置を用いて行う場合に、油路切換装置の作動不良時のベルト滑りを防止しながら、正常時にはベルト滑りが生じない範囲で係合過渡油圧を制御して、ベルト寿命や燃費を損なうことなくショックが良好に低減されるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 駆動力源から駆動輪側への動力伝達を接続、遮断するとともに、油圧によって摩擦係合させられることにより接続状態となる断続装置と、(b) 油圧によりベルトを挟圧して動力を伝達するとともに、ベルト掛かり径を変更して変速比を変化させるベルト式無段変速機と、を有する車両用動力伝達機構の油圧制御装置において、(c) 前記ベルト式無段変速機のベルト挟圧力を制御するとともに、前記断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際には、その断続装置の係合過渡油圧を制御する共通の調圧装置と、(d) その調圧装置によって調圧された前記係合過渡油圧を前記断続装置へ供給する過渡油圧供給状態と、その断続装置を接続状態に保持するための保持油圧をその断続装置に供給する保持油圧供給状態と、に切り換えられる油路切換装置と、(e) 前記断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際に、前記油路切換装置を前記過渡油圧供給状態へ切り換えることができない場合には、前記調圧装置による前記係合過渡油圧の制御を中止して、前記ベルト挟圧力が通常よりも大きくなるようにその調圧装置を制御するフェール時油圧制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明の車両用動力伝達機構の油圧制御装置において、(a) 駆動力源の動力を流体を介して前記断続装置へ伝達する流体式動力伝達装置と、(b) 前記断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際の前記流体式動力伝達装置の出力側部材の回転変化に基づいて、前記油路切換装置の作動不良を判定するフェール判定手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明の車両用動力伝達機構の油圧制御装置において、(a) 前記調圧装置の出力油圧をパイロット圧として前記ベルト挟圧力を制御する挟圧力コントロールバルブを有するとともに、(b) 前記係合過渡油圧制御時の前記調圧装置の出力油圧に基づいて前記挟圧力コントロールバルブが発生させるベルト挟圧力は、前記断続装置がその係合過渡油圧に従って係合させられる際の伝達トルクに基づいてベルト滑りが発生しないように定められており、その断続装置が前記保持油圧によって係合させられる際には、その断続装置の急係合で入力系イナーシャトルクが増大することによりトルク容量が不足してベルト滑りを生じる可能性があることを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
このような車両用動力伝達機構の油圧制御装置においては、ベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御および断続装置の係合過渡油圧制御が共通の調圧装置を用いて行われるため、装置が簡単且つ安価に構成される。また、断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際に、油路切換装置が作動不良で過渡油圧供給状態へ切り換えることができない場合には、係合過渡油圧の制御を中止してベルト挟圧力が通常よりも大きくなるように調圧装置が制御されるため、断続装置が保持油圧に基づいて急係合させられ、ベルト式無段変速機に作用するトルクが急に大きくなっても、ベルト滑りの発生が回避される一方、正常時の係合過渡油圧についてはベルト滑りが生じない範囲で設定すれば良いため、比較的低い油圧によって係合時のショックを良好に低減できるとともに、ベルト寿命や燃費を向上させることができる。
【0010】
第2発明では、断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際の流体式動力伝達装置の出力側部材の回転変化に基づいて油路切換装置の作動不良を判定するため、電気系統の故障だけでなくバルブスティック等の機械的故障についても良好に検出することが可能で、油路切換装置の作動不良に起因するベルト滑りを一層確実に防止できる。
【0011】
第3発明では、係合過渡油圧制御時の調圧装置の出力油圧に基づいて挟圧力コントロールバルブが発生させるベルト挟圧力は、断続装置が係合過渡油圧に従って係合させられる際の伝達トルクに基づいてベルト滑りが発生しないように定められており、断続装置が保持油圧によって係合させられる際には、その断続装置の急係合で入力系イナーシャトルクが増大することによりトルク容量が不足してベルト滑りを生じる可能性があるため、実質的に正常時のベルト挟圧力が低減されてベルト寿命や燃費が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、燃料の燃焼で動力を発生する内燃機関等のエンジンを走行用駆動力源として備えているとともに、そのエンジンの出力を流体を介して伝達する流体式動力伝達装置を有する車両に好適に適用されるが、電動モータなどの他の駆動力源を備えているハイブリッド車両などにも適用され得る。流体式動力伝達装置としては、トルク増幅作用を有するトルクコンバータが好適に用いられるが、流体継手などの他の流体式動力伝達装置を採用することもできる。
【0013】
断続装置は、例えばクラッチやブレーキ等の油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置にて構成され、具体的には遊星歯車式の前後進切換装置の連結状態を切り換えて動力伝達を遮断する遮断状態、前進走行状態、および後進走行状態、を成立させる油圧式のクラッチやブレーキなどである。
【0014】
調圧装置は、励磁電流のデューティ制御などで出力油圧を連続的に変化させることができるソレノイド弁やリニアソレノイド弁などで、ベルト式無段変速機のベルト挟圧力は、例えば第3発明のように調圧装置の出力油圧をパイロット圧として油圧を制御する挟圧力コントロールバルブ等によって制御され、断続装置の係合過渡油圧は、例えば調圧装置の出力油圧をパイロット圧として油圧を制御するガレージシフトコントロールバルブ等によって制御されるが、調圧装置の出力油圧をそのままベルト挟圧力や係合過渡油圧として用いるようにするなど、種々の態様が可能である。ベルト挟圧力は、例えばベルト挟圧用油圧シリンダによって発生させられ、その油圧シリンダの油圧に対応して変化する。
【0015】
油路切換装置は、例えば信号圧に従ってスプールが移動させられることにより油路を切り換える切換弁(ガレージシフトバルブ)などで、異物の噛み込みなどによるスプールのスティック(移動不良)や、そのスプールを移動させるための信号圧を出力するソレノイド弁等のスティック、電気系統の故障などで作動不良が生じ、過渡油圧供給状態へ切り換えることができなくなる場合がある。
【0016】
油路切換装置を過渡油圧供給状態へ切り換えることができない場合に、調圧装置による係合過渡油圧の制御を中止し、ベルト挟圧力が通常よりも大きくなるように調圧装置を制御するフェール時油圧制御手段は、係合過渡油圧とは無関係に調圧装置を制御するものでも良いが、調圧装置による係合過渡油圧の制御を補正するようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10の骨子図である。この車両用駆動装置10は横置き型で、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、走行用の駆動力源としてエンジン12を備えている。内燃機関にて構成されているエンジン12の出力は、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14から前後進切換装置16、ベルト式無段変速機(CVT)18、減速歯車20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右の駆動輪24L、24Rへ分配される。上記トルクコンバータ14、前後進切換装置16、ベルト式無段変速機18などにより動力伝達機構が構成されている。
【0018】
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、およびタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それ等のポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間にはロックアップクラッチ26が設けられており、油圧制御回路86(図2参照)の切換弁などによって係合側油室および解放側油室に対する油圧供給が切り換えられることにより、係合または解放されるようになっており、完全係合させられることによってポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tは一体回転させられる。上記ポンプ翼車14pには、ベルト式無段変速機18を変速制御したりベルト挟圧力を発生させたり、或いは各部に潤滑油を供給したりするための油圧を発生する機械式のオイルポンプ28が設けられている。上記タービン軸34は、トルクコンバータ14の出力側部材に相当する。
【0019】
前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに一体的に連結され、ベルト式無段変速機18の入力軸36はキャリア16cに一体的に連結されている一方、キャリア16cとサンギヤ16sは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介してハウジングに選択的に固定されるようになっている。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は断続装置に相当するもので、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置であり、前進用クラッチC1が係合させられるとともに後進用ブレーキB1が解放されることにより、前後進切換装置16は前進用接続状態となって一体回転させられ、前進方向の駆動力がベルト式無段変速機18側へ伝達される一方、後進用ブレーキB1が係合させられるとともに前進用クラッチC1が解放されることにより、前後進切換装置16は後進用接続状態となって、入力軸36はタービン軸34に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の駆動力がベルト式無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル(遮断状態)になる。
【0020】
上記前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は、油圧制御回路86のマニュアルバルブ120(図3参照)がシフトレバー77の操作に従って機械的に切り換えられることにより、係合、解放されるようになっている。シフトレバー77は、駐車用の「P」ポジション、後進走行用の「R」ポジション、動力伝達を遮断する「N」ポジション、前進走行用の「D」ポジションおよび「L」ポジションへ操作されるようになっており、「P」ポジションおよび「N」ポジションでは、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1内の作動油は何れもマニュアルバルブ120からドレーンされて共に解放される。「R」ポジションでは、モジュレータバルブ122によってモジュレータ油圧PMに調圧された作動油がマニュアルバルブ120から後進用ブレーキB1に供給されて係合させられるとともに、前進用クラッチC1内の作動油はマニュアルバルブ120からドレーンされて解放される。また、「D」ポジションおよび「L」ポジションでは、モジュレータ油圧PMに調圧された作動油がマニュアルバルブ120から前進用クラッチC1に供給されて係合させられるとともに、後進用ブレーキB1内の作動油はマニュアルバルブ120からドレーンされて解放される。
【0021】
図1に戻って、ベルト式無段変速機18は、前記入力軸36に設けられた有効径が可変の入力側可変プーリ42と、出力軸44に設けられた有効径が可変の出力側可変プーリ46と、それ等の可変プーリ42、46に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。可変プーリ42、46はそれぞれV溝幅が可変で、油圧シリンダを備えて構成されており、入力側可変プーリ42の油圧シリンダの油圧が油圧制御回路86によって制御されることにより、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が連続的に変化させられる。
【0022】
一方、出力側可変プーリ46の油圧シリンダの油圧は、伝動ベルト48が滑りを生じないように油圧制御回路86の挟圧力コントロールバルブ110(図3参照)によって調圧制御される。挟圧力コントロールバルブ110は、軸方向へ移動可能なスプール110aおよびそのスプール110aを一方へ付勢する付勢手段としてのスプリング110bを備えており、電子制御装置60によってデューティ制御されるリニアソレノイド弁SLTの出力油圧をパイロット圧として、ライン油圧PLを連続的に調圧制御するようになっており、この油圧に応じてベルト挟圧力すなわち可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力が増減させられる。
【0023】
図2は、図1のエンジン12やベルト式無段変速機18などを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図で、電子制御装置60には、エンジン回転速度センサ62、タービン回転速度センサ64、車速センサ66、アイドルスイッチ付きスロットルセンサ68、冷却水温センサ70、CVT油温センサ72、アクセル操作量センサ74、フットブレーキスイッチ76、レバーポジションセンサ78などが接続され、エンジン12の回転速度(エンジン回転速度)NE、タービン軸34の回転速度(タービン回転速度)NT、車速V、電子スロットル弁80の全閉状態(アイドル状態)およびその開度(スロットル弁開度)θTH、エンジン12の冷却水温TW 、ベルト式無段変速機18等の油圧回路の油温TCVT 、アクセルペダル等のアクセル操作部材の操作量(アクセル操作量)Acc、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無、シフトレバー77のレバーポジション(操作位置)PSH、などを表す信号が供給されるようになっている。タービン回転速度NTは、前進用クラッチC1が係合させられた前進走行時には入力軸36の回転速度(入力軸回転速度)NINと一致し、車速Vは、ベルト式無段変速機18の出力軸44の回転速度(出力軸回転速度)NOUTに対応する。また、アクセル操作量Accは運転者の出力要求量を表している。
【0024】
電子制御装置60は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御やベルト式無段変速機18の変速制御、ベルト挟圧力制御、ロックアップクラッチ26の係合、解放制御、などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と変速制御用とに分けて構成される。エンジン12の出力制御は電子スロットル弁80、燃料噴射装置82、点火装置84などによって行われ、ベルト式無段変速機18の変速制御、ベルト挟圧力制御、およびロックアップクラッチ26の係合、解放制御は、何れも油圧制御回路86によって行われる。油圧制御回路86は、電子制御装置60により励磁されて油路を開閉するソレノイド弁や油圧制御を行うリニアソレノイド弁、それらのソレノイド弁から出力される信号圧に従って油路を開閉したり油圧制御を行ったりする開閉弁、調圧弁などを備えて構成されている。
【0025】
図3は、油圧制御回路86のうちベルト式無段変速機18のベルト挟圧力制御、およびシフトレバー77が「N」ポジションから「D」ポジションへ操作されるガレージシフト(N→Dシフト)時における前進用クラッチC1の係合過渡油圧制御に関する部分の油圧回路図で、前記挟圧力コントロールバルブ110、マニュアルバルブ120の他、ガレージシフトコントロールバルブ112、ガレージシフトバルブ114を備えている。
【0026】
ガレージシフトコントロールバルブ112は、軸方向へ移動可能なスプール112aおよびそのスプール112aを一方へ付勢する付勢手段としてのスプリング112bを備えており、電子制御装置60によってデューティ制御されるリニアソレノイド弁SLTの出力油圧をパイロット圧として、モジュレータ油圧PMを連続的に調圧制御してガレージシフト油圧PGを出力するようになっており、このガレージシフト油圧PGがガレージシフトバルブ114およびマニュアルバルブ120を経て前進用クラッチC1へ供給されることにより、前進用クラッチC1が滑らかに係合させられ、係合時のショックが抑制される。また、ガレージシフトバルブ114は、軸方向へ移動可能なスプール114aおよびそのスプール114aを一方へ付勢する付勢手段としてのスプリング114bを備えており、電子制御装置60によって開閉制御されるソレノイド弁DSUの信号圧(ソレノイドの非励磁で出力)により常には図の右半分に示すOFF状態に保持されて、モジュレータ油圧PMをそのままマニュアルバルブ120側へ出力し、そのモジュレータ油圧PMにより後進用ブレーキB1や前進用クラッチC1を係合状態に保持するが、ガレージシフト時には、ソレノイド弁DSUのソレノイドが励磁されて信号圧の出力が停止させられることにより、図の左半分に示すON状態となり、ガレージシフトコントロールバルブ112から出力されるガレージシフト油圧PGをマニュアルバルブ120側へ出力する。このガレージシフトバルブ114は油路切換装置に相当し、上記ON状態が過渡油圧供給状態で、ガレージシフト油圧PGが係合過渡油圧に相当する一方、OFF状態が保持油圧供給状態で、モジュレータ油圧PMが保持油圧に相当する。
【0027】
ここで、リニアソレノイド弁SLTは、通常は挟圧力コントロールバルブ110を介して前記ベルト式無段変速機18のベルト挟圧力を制御するもので、ガレージシフト時だけ前進用クラッチC1のガレージシフト油圧PGを制御するようになっており、共通の調圧装置として機能している。その場合に、ガレージシフト時にも、リニアソレノイド弁SLTの出力油圧に応じて挟圧力コントロールバルブ110によりベルト挟圧力が制御されることになるが、前進用クラッチC1がガレージシフト油圧PGに従って係合させられる際の伝達トルクに基づいて、ベルト滑りが発生することがない範囲でできるだけ低い所定のベルト挟圧力が得られるように、挟圧力コントロールバルブ110のスプリング110bの付勢力などが定められている。このため、例えばバルブスティックやソレノイド弁DSUの電気系統の故障などでガレージシフトバルブ114をON状態へ切り換えることができず、モジュレータ油圧PMがそのまま前進用クラッチC1へ供給されて急係合させられる時に、リニアソレノイド弁SLTがガレージシフト油圧PG用の油圧制御を継続した場合には、その前進用クラッチC1の急係合に伴う入力系イナーシャトルクの増大によりトルク容量すなわちベルト挟圧力が不足し、ベルト滑りが発生する可能性がある。
【0028】
一方、図4は、前記電子制御装置60の信号処理によって実行される各種の機能のうち、ベルト式無段変速機18のベルト挟圧力制御、およびガレージシフト時における前進用クラッチC1の係合過渡油圧(ガレージシフト油圧PG)の制御に関する部分を説明するブロック線図で、機能的に挟圧力制御手段100、係合過渡油圧制御手段102、フェール時油圧制御手段104、およびフェール判定手段106を備えている。
【0029】
挟圧力制御手段100は、例えば図5に示すように伝達トルクに対応するアクセル操作量Accおよび変速比γをパラメータとしてベルト滑りが生じないように予め定められた必要油圧(ベルト挟圧力に対応)のマップに従って、ベルト式無段変速機18のベルト挟圧力を制御する。具体的には、前記リニアソレノイド弁SLTに対する励磁電流を上記必要油圧に対応するデューティ比で制御することにより、そのリニアソレノイド弁SLTの出力油圧をパイロット圧とする挟圧力コントロールバルブ110によってライン油圧PLが上記必要油圧に調圧され、その必要油圧がベルト式無段変速機18の出力側可変プーリ46の油圧シリンダに供給されることにより、ベルト滑りを生じない所定のベルト挟圧力が得られる。なお、加減速時などに伝達トルクが急に変化する場合には、ベルト挟圧力を増大補正してベルト滑りを防止するようになっている。
【0030】
図4の係合過渡油圧制御手段102は、シフトレバー77が「N」ポジションから「D」ポジションへ操作されたN→Dのガレージシフト時だけ、リニアソレノイド弁SLTを用いて前進用クラッチC1の係合過渡油圧、すなわちガレージシフト油圧PGを制御するためのもので、フェール時油圧制御手段104およびフェール判定手段106と共に、図6のフローチャートに従って信号処理を実行する。図6の各ステップのうち、ステップS1、S2、S3は係合過渡油圧制御手段102によって実行される信号処理で、ステップS4、S5、S6はフェール判定手段106によって実行される信号処理で、ステップS7はフェール時油圧制御手段104によって実行される信号処理である。また、図7は、車両停止時において図6のフローチャートに従って信号処理が行われた場合のタービン回転速度NT、前進用クラッチC1の油圧(クラッチ油圧)PC1、およびリニアソレノイド弁SLTに対する励磁電流のデューティ比DSLTの変化を示すタイムチャートの一例で、実線は正常時、一点鎖線はガレージシフトバルブ114のフェール時のものである。
【0031】
図6のステップS1では、レバーポジションセンサ78の信号に基づいてN→Dシフトか否かを判断し、N→Dシフトでない場合には、ステップS9で前記挟圧力制御手段100により前記図5の必要油圧マップに従ってリニアソレノイド弁SLTを制御することにより、通常のベルト挟圧力制御を行うが、N→Dシフトの場合にはステップS2以下を実行する。図7の時間t1 は、N→Dシフトの判定が為されてステップS2以下の実行が開始された時間である。
【0032】
ステップS2では、ソレノイド弁DSUを励磁して信号圧の出力を停止することによりガレージシフトバルブ114をON状態とし、ステップS3では、ガレージシフトコントロールバルブ112からガレージシフトバルブ114およびマニュアルバルブ120を経て前進用クラッチC1へ供給されるガレージシフト油圧PGにより前進用クラッチC1が滑らかに係合させられるように、予め定められたガレージシフト油圧PGの制御パターンに従ってリニアソレノイド弁SLTのデューティ比DSLTを制御する。ガレージシフト油圧PGの制御パターンは、例えば図7のデューティ比DSLTの欄に実線で示すように、前進用クラッチC1が係合トルクを発生する直前位置まで速やかにピストンを移動させるように比較的高い油圧とするファーストフィル部ZAや、油圧を徐々に増大させて前進用クラッチC1の係合トルクを緩やかに増大させる係合制御部ZBなどを有して定められ、その係合制御部ZBの過程でタービン回転速度NTが徐々に低下させられて回転停止させられることによりN→Dシフトは終了する。図7の時間t4 は、前進用クラッチC1が係合トルクを発生してタービン回転速度NTが低下し始めた時間で、時間t5 は、タービン回転速度NTが0になってN→Dシフトが終了した時間である。
【0033】
このように前進用クラッチC1の係合トルク(クラッチ油圧PC1に対応)が緩やかに増大させられることにより、係合時のシフトショックが抑制されるとともに、その時のデューティ比DSLTに応じてリニアソレノイド弁SLTから出力される油圧に基づいて挟圧力コントロールバルブ110によりベルト挟圧力が制御されることにより、ベルト式無段変速機18がベルト滑りを発生する恐れもない。
【0034】
ステップS4〜S6は、前記ガレージシフトバルブ114のバルブスティックやソレノイド弁DSUの電気系統の故障などでガレージシフトバルブ114をON状態へ切り換えることができず、モジュレータ油圧PMがそのまま前進用クラッチC1へ供給されて急係合させられるフェール時か否かを判断するためのもので、ステップS4では、前記ガレージシフト油圧PGの制御がファーストフィル部ZAか否かを、励磁電流のデューティ比DSLTなどから判断し、ファーストフィル部ZAであればステップS5でフェール判定を行う一方、ファーストフィル部ZAでない場合にはステップS6でフェール判定を行う。これらのフェール判定は、何れもタービン回転速度NTの減速変化量(減速度)ΔNTが所定値αまたはβ以上か否かによって行われるが、ファーストフィル部ZAでは、正常時であればタービン回転速度NTは未だ変化しないため、所定値αは略0に近い比較的小さい値が設定される一方、ファーストフィル部ZAでない場合は、前進用クラッチC1の係合トルクの発生でタービン回転速度NTが徐々に低下する可能性があるため、所定値βは、正常時のタービン回転速度NTの変化量よりも少し大きめの値が設定される。ステップS6は、N→Dシフトの途中でソレノイド弁DSUの電気系統に故障が生じるなどして、ガレージシフトバルブ114がON状態からOFF状態へ切り換わる場合を想定したものである。
【0035】
そして、上記ステップS5、S6の判断が何れもNO(否定)の場合、すなわちガレージシフトコントロールバルブ112によって調圧されたガレージシフト油圧PGがガレージシフトバルブ114から前進用クラッチC1へ供給されて、その前進用クラッチC1が滑らかに係合させられる場合には、ステップS8でN→Dシフトが終了したか否かを判断し、N→Dシフトが終了するまでステップS4以下を繰り返すとともに、N→Dシフトが終了したらステップS9で通常のベルト挟圧力制御に従ってリニアソレノイド弁SLTを制御する。N→Dシフトが終了したか否かは、例えば車速Vおよび変速比γから求められる入力軸回転速度NINとタービン回転速度NTとが一致するか否かによって判断され、図7の時間t5 は、このようにガレージシフト油圧PGに従って前進用クラッチC1が係合させられることにより、タービン回転速度NTが0になってN→Dシフトが終了した時間である。
【0036】
一方、ステップS5またはS6の判断がYES(肯定)となった場合、すなわちガレージシフトバルブ114のバルブスティックやソレノイド弁DSUの電気系統の故障などでガレージシフトバルブ114がOFF状態となり、モジュレータ油圧PMがそのまま前進用クラッチC1へ供給されるフェール時には、ステップS7を実行し、前記ステップS3のリニアソレノイド弁SLTによるガレージシフト油圧PGの制御を実行する過程で、挟圧力コントロールバルブ110の出力油圧すなわちベルト挟圧力が通常のベルト挟圧力よりも所定量だけ大きくなるように、リニアソレノイド弁SLTの制御を補正する。補正量は、前進用クラッチC1がモジュレータ油圧PMに従って急係合させられた場合でも、ベルト式無段変速機18がベルト滑りを生じないように予め一定値、或いは変速比γやアクセル操作量Accなどの運転状態をパラメータとして設定される。補正量を設定する代わりに、フェール時の必要油圧やデューティ比DSLTそのものを設定しても良い。図7の一点鎖線はフェール時のもので、時間t2 はステップS5でフェール判定が為された時間で、時間t3 はタービン回転速度NTが0となってN→Dシフトが終了し、ステップS8の判断がYESになった時間であり、それ等の時間t2 〜t3 の間は、時間t3 以降の通常のベルト挟圧力制御に比較してベルト挟圧力(デューティ比DSLTに対応)が高くされ、前進用クラッチC1の急係合によるベルト滑りが防止される。
【0037】
このように本実施例の車両用動力伝達機構の油圧制御装置は、ベルト式無段変速機18のベルト挟圧力制御、およびガレージシフト(N→Dシフト)時の前進用クラッチC1の係合過渡油圧制御、すなわちガレージシフト油圧PGの制御、が共通のリニアソレノイド弁SLTを用いて行われるため、装置が簡単且つ安価に構成される。
【0038】
また、ガレージシフト(N→Dシフト)時に前進用クラッチC1を係合させる際に、ガレージシフトバルブ114が作動不良でON状態へ切り換えることができない場合、すなわちステップS5またはS6の判断がYESとなった場合には、ステップS7でベルト挟圧力が通常よりも大きくなるようにリニアソレノイド弁SLTの制御が補正されるため、前進用クラッチC1がモジュレータ油圧PMに基づいて急係合させられ、ベルト式無段変速機18に作用するトルクが急に大きくなっても、ベルト滑りの発生が回避される一方、正常時のガレージシフト油圧PGについてはベルト滑りが生じない範囲で設定すれば良いため、比較的低い油圧によって係合時のショックを良好に低減できるとともに、ベルト寿命や燃費を向上させることができる。
【0039】
特に、本実施例ではガレージシフト油圧PGの制御時におけるリニアソレノイド弁SLTの出力油圧に基づいて挟圧力コントロールバルブ110が発生させるベルト挟圧力は、前進用クラッチC1がガレージシフト油圧PGに従って係合させられる際の伝達トルクに基づいてベルト滑りが発生しないように定められており、前進用クラッチC1がモジュレータ油圧PMによって急係合させられる際には、入力系イナーシャトルクが増大することによりトルク容量が不足してベルト滑りを生じる可能性があるため、実質的に正常時のベルト挟圧力が低減されてベルト寿命や燃費が向上する。
【0040】
また、ステップS5、S6では、前進用クラッチC1を係合させる際のタービン回転速度NTの変化に基づいてガレージシフトバルブ114の作動不良を判定するため、電気系統の故障だけでなくバルブスティック等の機械的故障についても良好に検出することが可能で、ガレージシフトバルブ114の作動不良に起因するベルト滑りを一層確実に防止できる。
【0041】
なお、上記実施例では、シフトレバー77が「N」ポジションから「D」ポジションへ操作された場合について説明したが、「N」ポジションから「R」ポジションへ操作された場合、或いは「P」ポジションから「R」ポジションへ操作された場合、すなわち非走行ポジション(遮断状態)から走行ポジション(接続状態)へ切り換える場合には、リニアソレノイド弁SLTを用いて同様の係合過渡油圧制御およびベルト挟圧力制御を行うことが可能である。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両用駆動装置の骨子図である。
【図2】図1の車両用駆動装置の制御系統を説明するブロック線図である。
【図3】図1の車両用駆動装置が備えている油圧制御回路のうち、前後進切換装置の係合過渡油圧およびベルト式無段変速機のベルト挟圧力の制御に関する部分を説明する回路図である。
【図4】図2の電子制御装置が備えている機能の要部を説明するブロック線図である。
【図5】図4の挟圧力制御手段によって行われるベルト挟圧力制御において必要油圧を求める際に用いられる必要油圧マップの一例を示す図である。
【図6】図4の係合過渡油圧制御手段、フェール時油圧制御手段、およびフェール判定手段の処理内容を具体的に説明するフローチャートである。
【図7】ガレージシフト(N→Dシフト)時に図6のフローチャートに従って信号処理が行われた場合の各部の作動状態の変化を説明するタイムチャートの一例である。
【符号の説明】
12:エンジン(駆動力源) 14:トルクコンバータ(流体式動力伝達装置) 14t:タービン翼車(出力側部材) 16:前後進切換装置 18:ベルト式無段変速機 60:電子制御装置 104:フェール時油圧制御手段 106:フェール判定手段 110:挟圧力コントロールバルブ 114:ガレージシフトバルブ(油路切換装置) SLT:リニアソレノイド弁(調圧装置) C1:前進用クラッチ(断続装置) PM:モジュレータ油圧(保持油圧) PG:ガレージシフト油圧(係合過渡油圧)
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用動力伝達機構の油圧制御装置に係り、特に、動力伝達を接続、遮断する断続装置の係合過渡油圧制御、およびベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) 駆動力源から駆動輪側への動力伝達を接続、遮断するとともに、油圧によって摩擦係合させられることにより接続状態となる断続装置と、(b) 油圧によりベルトを挟圧して動力を伝達するとともに、ベルト掛かり径を変更して変速比を変化させるベルト式無段変速機と、(c) 前記ベルト式無段変速機のベルト挟圧力を伝達トルク(具体的にはアクセル操作量など)に応じて制御する調圧装置と、を有する車両用動力伝達機構の油圧制御装置が知られている。特開平11−182666号公報に記載の装置はその一例で、前後進切換装置のクラッチおよびブレーキが断続装置に相当する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような車両用動力伝達機構においては、駐車場などで発進するためにシフトレバーがN(ニュートラル)等の非走行ポジションからD(ドライブ)等の走行ポジションへ操作されるガレージシフトなどで断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際にショックが発生することを防止するため、その断続装置が滑らかに係合させられるように係合過渡油圧を制御することが望ましく、前記ベルト挟圧力制御用の調圧装置を利用して制御することが考えられている。すなわち、断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際には、一般にアクセル(運転者の出力要求)はOFFで、ベルト挟圧力としては比較的小さな所定値以上であれば良いため、必ずしも高い精度で制御する必要がなく、所定のベルト挟圧力が得られる範囲で調圧装置により係合過渡油圧を制御するのである。また、その調圧装置によって調圧された係合過渡油圧を前記断続装置へ供給する過渡油圧供給状態と、その断続装置を接続状態に保持するための保持油圧をその断続装置に供給する保持油圧供給状態と、に切り換えられる油路切換装置を設け、ガレージシフトなどで断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える時だけ過渡油圧供給状態に切り換えて、調圧装置により油圧制御を行えば良い。
【0004】
しかしながら、このようにベルト挟圧力制御用の調圧装置を利用して係合過渡油圧を制御する場合、上記油路切換装置が作動不良(スティックや電気系の故障など)で過渡油圧供給状態へ切り換えることができなくなると、断続装置は保持油圧に基づいて急係合させられるため、ベルト式無段変速機に作用するトルクが急に大きくなってベルト滑りが発生する可能性がある。これを防止するためには、例えば係合過渡油圧制御時の調圧装置の出力油圧に基づいて十分なベルト挟圧力が発生させられるように、その係合過渡油圧を大きめに設定することが考えられるが、その係合過渡油圧に応じて摩擦係合させられる断続装置の係合時のショックを十分に低減することが難しくなるとともに、正常時のベルト挟圧力が必要以上に大きくなるためベルト寿命や燃費が損なわれる。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、断続装置の係合過渡油圧制御およびベルト挟圧力制御を共通の調圧装置を用いて行う場合に、油路切換装置の作動不良時のベルト滑りを防止しながら、正常時にはベルト滑りが生じない範囲で係合過渡油圧を制御して、ベルト寿命や燃費を損なうことなくショックが良好に低減されるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 駆動力源から駆動輪側への動力伝達を接続、遮断するとともに、油圧によって摩擦係合させられることにより接続状態となる断続装置と、(b) 油圧によりベルトを挟圧して動力を伝達するとともに、ベルト掛かり径を変更して変速比を変化させるベルト式無段変速機と、を有する車両用動力伝達機構の油圧制御装置において、(c) 前記ベルト式無段変速機のベルト挟圧力を制御するとともに、前記断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際には、その断続装置の係合過渡油圧を制御する共通の調圧装置と、(d) その調圧装置によって調圧された前記係合過渡油圧を前記断続装置へ供給する過渡油圧供給状態と、その断続装置を接続状態に保持するための保持油圧をその断続装置に供給する保持油圧供給状態と、に切り換えられる油路切換装置と、(e) 前記断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際に、前記油路切換装置を前記過渡油圧供給状態へ切り換えることができない場合には、前記調圧装置による前記係合過渡油圧の制御を中止して、前記ベルト挟圧力が通常よりも大きくなるようにその調圧装置を制御するフェール時油圧制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明の車両用動力伝達機構の油圧制御装置において、(a) 駆動力源の動力を流体を介して前記断続装置へ伝達する流体式動力伝達装置と、(b) 前記断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際の前記流体式動力伝達装置の出力側部材の回転変化に基づいて、前記油路切換装置の作動不良を判定するフェール判定手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明の車両用動力伝達機構の油圧制御装置において、(a) 前記調圧装置の出力油圧をパイロット圧として前記ベルト挟圧力を制御する挟圧力コントロールバルブを有するとともに、(b) 前記係合過渡油圧制御時の前記調圧装置の出力油圧に基づいて前記挟圧力コントロールバルブが発生させるベルト挟圧力は、前記断続装置がその係合過渡油圧に従って係合させられる際の伝達トルクに基づいてベルト滑りが発生しないように定められており、その断続装置が前記保持油圧によって係合させられる際には、その断続装置の急係合で入力系イナーシャトルクが増大することによりトルク容量が不足してベルト滑りを生じる可能性があることを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
このような車両用動力伝達機構の油圧制御装置においては、ベルト式無段変速機のベルト挟圧力制御および断続装置の係合過渡油圧制御が共通の調圧装置を用いて行われるため、装置が簡単且つ安価に構成される。また、断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際に、油路切換装置が作動不良で過渡油圧供給状態へ切り換えることができない場合には、係合過渡油圧の制御を中止してベルト挟圧力が通常よりも大きくなるように調圧装置が制御されるため、断続装置が保持油圧に基づいて急係合させられ、ベルト式無段変速機に作用するトルクが急に大きくなっても、ベルト滑りの発生が回避される一方、正常時の係合過渡油圧についてはベルト滑りが生じない範囲で設定すれば良いため、比較的低い油圧によって係合時のショックを良好に低減できるとともに、ベルト寿命や燃費を向上させることができる。
【0010】
第2発明では、断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際の流体式動力伝達装置の出力側部材の回転変化に基づいて油路切換装置の作動不良を判定するため、電気系統の故障だけでなくバルブスティック等の機械的故障についても良好に検出することが可能で、油路切換装置の作動不良に起因するベルト滑りを一層確実に防止できる。
【0011】
第3発明では、係合過渡油圧制御時の調圧装置の出力油圧に基づいて挟圧力コントロールバルブが発生させるベルト挟圧力は、断続装置が係合過渡油圧に従って係合させられる際の伝達トルクに基づいてベルト滑りが発生しないように定められており、断続装置が保持油圧によって係合させられる際には、その断続装置の急係合で入力系イナーシャトルクが増大することによりトルク容量が不足してベルト滑りを生じる可能性があるため、実質的に正常時のベルト挟圧力が低減されてベルト寿命や燃費が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、燃料の燃焼で動力を発生する内燃機関等のエンジンを走行用駆動力源として備えているとともに、そのエンジンの出力を流体を介して伝達する流体式動力伝達装置を有する車両に好適に適用されるが、電動モータなどの他の駆動力源を備えているハイブリッド車両などにも適用され得る。流体式動力伝達装置としては、トルク増幅作用を有するトルクコンバータが好適に用いられるが、流体継手などの他の流体式動力伝達装置を採用することもできる。
【0013】
断続装置は、例えばクラッチやブレーキ等の油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置にて構成され、具体的には遊星歯車式の前後進切換装置の連結状態を切り換えて動力伝達を遮断する遮断状態、前進走行状態、および後進走行状態、を成立させる油圧式のクラッチやブレーキなどである。
【0014】
調圧装置は、励磁電流のデューティ制御などで出力油圧を連続的に変化させることができるソレノイド弁やリニアソレノイド弁などで、ベルト式無段変速機のベルト挟圧力は、例えば第3発明のように調圧装置の出力油圧をパイロット圧として油圧を制御する挟圧力コントロールバルブ等によって制御され、断続装置の係合過渡油圧は、例えば調圧装置の出力油圧をパイロット圧として油圧を制御するガレージシフトコントロールバルブ等によって制御されるが、調圧装置の出力油圧をそのままベルト挟圧力や係合過渡油圧として用いるようにするなど、種々の態様が可能である。ベルト挟圧力は、例えばベルト挟圧用油圧シリンダによって発生させられ、その油圧シリンダの油圧に対応して変化する。
【0015】
油路切換装置は、例えば信号圧に従ってスプールが移動させられることにより油路を切り換える切換弁(ガレージシフトバルブ)などで、異物の噛み込みなどによるスプールのスティック(移動不良)や、そのスプールを移動させるための信号圧を出力するソレノイド弁等のスティック、電気系統の故障などで作動不良が生じ、過渡油圧供給状態へ切り換えることができなくなる場合がある。
【0016】
油路切換装置を過渡油圧供給状態へ切り換えることができない場合に、調圧装置による係合過渡油圧の制御を中止し、ベルト挟圧力が通常よりも大きくなるように調圧装置を制御するフェール時油圧制御手段は、係合過渡油圧とは無関係に調圧装置を制御するものでも良いが、調圧装置による係合過渡油圧の制御を補正するようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10の骨子図である。この車両用駆動装置10は横置き型で、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、走行用の駆動力源としてエンジン12を備えている。内燃機関にて構成されているエンジン12の出力は、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14から前後進切換装置16、ベルト式無段変速機(CVT)18、減速歯車20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右の駆動輪24L、24Rへ分配される。上記トルクコンバータ14、前後進切換装置16、ベルト式無段変速機18などにより動力伝達機構が構成されている。
【0018】
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、およびタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それ等のポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間にはロックアップクラッチ26が設けられており、油圧制御回路86(図2参照)の切換弁などによって係合側油室および解放側油室に対する油圧供給が切り換えられることにより、係合または解放されるようになっており、完全係合させられることによってポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tは一体回転させられる。上記ポンプ翼車14pには、ベルト式無段変速機18を変速制御したりベルト挟圧力を発生させたり、或いは各部に潤滑油を供給したりするための油圧を発生する機械式のオイルポンプ28が設けられている。上記タービン軸34は、トルクコンバータ14の出力側部材に相当する。
【0019】
前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに一体的に連結され、ベルト式無段変速機18の入力軸36はキャリア16cに一体的に連結されている一方、キャリア16cとサンギヤ16sは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介してハウジングに選択的に固定されるようになっている。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は断続装置に相当するもので、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置であり、前進用クラッチC1が係合させられるとともに後進用ブレーキB1が解放されることにより、前後進切換装置16は前進用接続状態となって一体回転させられ、前進方向の駆動力がベルト式無段変速機18側へ伝達される一方、後進用ブレーキB1が係合させられるとともに前進用クラッチC1が解放されることにより、前後進切換装置16は後進用接続状態となって、入力軸36はタービン軸34に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の駆動力がベルト式無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル(遮断状態)になる。
【0020】
上記前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は、油圧制御回路86のマニュアルバルブ120(図3参照)がシフトレバー77の操作に従って機械的に切り換えられることにより、係合、解放されるようになっている。シフトレバー77は、駐車用の「P」ポジション、後進走行用の「R」ポジション、動力伝達を遮断する「N」ポジション、前進走行用の「D」ポジションおよび「L」ポジションへ操作されるようになっており、「P」ポジションおよび「N」ポジションでは、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1内の作動油は何れもマニュアルバルブ120からドレーンされて共に解放される。「R」ポジションでは、モジュレータバルブ122によってモジュレータ油圧PMに調圧された作動油がマニュアルバルブ120から後進用ブレーキB1に供給されて係合させられるとともに、前進用クラッチC1内の作動油はマニュアルバルブ120からドレーンされて解放される。また、「D」ポジションおよび「L」ポジションでは、モジュレータ油圧PMに調圧された作動油がマニュアルバルブ120から前進用クラッチC1に供給されて係合させられるとともに、後進用ブレーキB1内の作動油はマニュアルバルブ120からドレーンされて解放される。
【0021】
図1に戻って、ベルト式無段変速機18は、前記入力軸36に設けられた有効径が可変の入力側可変プーリ42と、出力軸44に設けられた有効径が可変の出力側可変プーリ46と、それ等の可変プーリ42、46に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。可変プーリ42、46はそれぞれV溝幅が可変で、油圧シリンダを備えて構成されており、入力側可変プーリ42の油圧シリンダの油圧が油圧制御回路86によって制御されることにより、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が連続的に変化させられる。
【0022】
一方、出力側可変プーリ46の油圧シリンダの油圧は、伝動ベルト48が滑りを生じないように油圧制御回路86の挟圧力コントロールバルブ110(図3参照)によって調圧制御される。挟圧力コントロールバルブ110は、軸方向へ移動可能なスプール110aおよびそのスプール110aを一方へ付勢する付勢手段としてのスプリング110bを備えており、電子制御装置60によってデューティ制御されるリニアソレノイド弁SLTの出力油圧をパイロット圧として、ライン油圧PLを連続的に調圧制御するようになっており、この油圧に応じてベルト挟圧力すなわち可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力が増減させられる。
【0023】
図2は、図1のエンジン12やベルト式無段変速機18などを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図で、電子制御装置60には、エンジン回転速度センサ62、タービン回転速度センサ64、車速センサ66、アイドルスイッチ付きスロットルセンサ68、冷却水温センサ70、CVT油温センサ72、アクセル操作量センサ74、フットブレーキスイッチ76、レバーポジションセンサ78などが接続され、エンジン12の回転速度(エンジン回転速度)NE、タービン軸34の回転速度(タービン回転速度)NT、車速V、電子スロットル弁80の全閉状態(アイドル状態)およびその開度(スロットル弁開度)θTH、エンジン12の冷却水温TW 、ベルト式無段変速機18等の油圧回路の油温TCVT 、アクセルペダル等のアクセル操作部材の操作量(アクセル操作量)Acc、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無、シフトレバー77のレバーポジション(操作位置)PSH、などを表す信号が供給されるようになっている。タービン回転速度NTは、前進用クラッチC1が係合させられた前進走行時には入力軸36の回転速度(入力軸回転速度)NINと一致し、車速Vは、ベルト式無段変速機18の出力軸44の回転速度(出力軸回転速度)NOUTに対応する。また、アクセル操作量Accは運転者の出力要求量を表している。
【0024】
電子制御装置60は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御やベルト式無段変速機18の変速制御、ベルト挟圧力制御、ロックアップクラッチ26の係合、解放制御、などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と変速制御用とに分けて構成される。エンジン12の出力制御は電子スロットル弁80、燃料噴射装置82、点火装置84などによって行われ、ベルト式無段変速機18の変速制御、ベルト挟圧力制御、およびロックアップクラッチ26の係合、解放制御は、何れも油圧制御回路86によって行われる。油圧制御回路86は、電子制御装置60により励磁されて油路を開閉するソレノイド弁や油圧制御を行うリニアソレノイド弁、それらのソレノイド弁から出力される信号圧に従って油路を開閉したり油圧制御を行ったりする開閉弁、調圧弁などを備えて構成されている。
【0025】
図3は、油圧制御回路86のうちベルト式無段変速機18のベルト挟圧力制御、およびシフトレバー77が「N」ポジションから「D」ポジションへ操作されるガレージシフト(N→Dシフト)時における前進用クラッチC1の係合過渡油圧制御に関する部分の油圧回路図で、前記挟圧力コントロールバルブ110、マニュアルバルブ120の他、ガレージシフトコントロールバルブ112、ガレージシフトバルブ114を備えている。
【0026】
ガレージシフトコントロールバルブ112は、軸方向へ移動可能なスプール112aおよびそのスプール112aを一方へ付勢する付勢手段としてのスプリング112bを備えており、電子制御装置60によってデューティ制御されるリニアソレノイド弁SLTの出力油圧をパイロット圧として、モジュレータ油圧PMを連続的に調圧制御してガレージシフト油圧PGを出力するようになっており、このガレージシフト油圧PGがガレージシフトバルブ114およびマニュアルバルブ120を経て前進用クラッチC1へ供給されることにより、前進用クラッチC1が滑らかに係合させられ、係合時のショックが抑制される。また、ガレージシフトバルブ114は、軸方向へ移動可能なスプール114aおよびそのスプール114aを一方へ付勢する付勢手段としてのスプリング114bを備えており、電子制御装置60によって開閉制御されるソレノイド弁DSUの信号圧(ソレノイドの非励磁で出力)により常には図の右半分に示すOFF状態に保持されて、モジュレータ油圧PMをそのままマニュアルバルブ120側へ出力し、そのモジュレータ油圧PMにより後進用ブレーキB1や前進用クラッチC1を係合状態に保持するが、ガレージシフト時には、ソレノイド弁DSUのソレノイドが励磁されて信号圧の出力が停止させられることにより、図の左半分に示すON状態となり、ガレージシフトコントロールバルブ112から出力されるガレージシフト油圧PGをマニュアルバルブ120側へ出力する。このガレージシフトバルブ114は油路切換装置に相当し、上記ON状態が過渡油圧供給状態で、ガレージシフト油圧PGが係合過渡油圧に相当する一方、OFF状態が保持油圧供給状態で、モジュレータ油圧PMが保持油圧に相当する。
【0027】
ここで、リニアソレノイド弁SLTは、通常は挟圧力コントロールバルブ110を介して前記ベルト式無段変速機18のベルト挟圧力を制御するもので、ガレージシフト時だけ前進用クラッチC1のガレージシフト油圧PGを制御するようになっており、共通の調圧装置として機能している。その場合に、ガレージシフト時にも、リニアソレノイド弁SLTの出力油圧に応じて挟圧力コントロールバルブ110によりベルト挟圧力が制御されることになるが、前進用クラッチC1がガレージシフト油圧PGに従って係合させられる際の伝達トルクに基づいて、ベルト滑りが発生することがない範囲でできるだけ低い所定のベルト挟圧力が得られるように、挟圧力コントロールバルブ110のスプリング110bの付勢力などが定められている。このため、例えばバルブスティックやソレノイド弁DSUの電気系統の故障などでガレージシフトバルブ114をON状態へ切り換えることができず、モジュレータ油圧PMがそのまま前進用クラッチC1へ供給されて急係合させられる時に、リニアソレノイド弁SLTがガレージシフト油圧PG用の油圧制御を継続した場合には、その前進用クラッチC1の急係合に伴う入力系イナーシャトルクの増大によりトルク容量すなわちベルト挟圧力が不足し、ベルト滑りが発生する可能性がある。
【0028】
一方、図4は、前記電子制御装置60の信号処理によって実行される各種の機能のうち、ベルト式無段変速機18のベルト挟圧力制御、およびガレージシフト時における前進用クラッチC1の係合過渡油圧(ガレージシフト油圧PG)の制御に関する部分を説明するブロック線図で、機能的に挟圧力制御手段100、係合過渡油圧制御手段102、フェール時油圧制御手段104、およびフェール判定手段106を備えている。
【0029】
挟圧力制御手段100は、例えば図5に示すように伝達トルクに対応するアクセル操作量Accおよび変速比γをパラメータとしてベルト滑りが生じないように予め定められた必要油圧(ベルト挟圧力に対応)のマップに従って、ベルト式無段変速機18のベルト挟圧力を制御する。具体的には、前記リニアソレノイド弁SLTに対する励磁電流を上記必要油圧に対応するデューティ比で制御することにより、そのリニアソレノイド弁SLTの出力油圧をパイロット圧とする挟圧力コントロールバルブ110によってライン油圧PLが上記必要油圧に調圧され、その必要油圧がベルト式無段変速機18の出力側可変プーリ46の油圧シリンダに供給されることにより、ベルト滑りを生じない所定のベルト挟圧力が得られる。なお、加減速時などに伝達トルクが急に変化する場合には、ベルト挟圧力を増大補正してベルト滑りを防止するようになっている。
【0030】
図4の係合過渡油圧制御手段102は、シフトレバー77が「N」ポジションから「D」ポジションへ操作されたN→Dのガレージシフト時だけ、リニアソレノイド弁SLTを用いて前進用クラッチC1の係合過渡油圧、すなわちガレージシフト油圧PGを制御するためのもので、フェール時油圧制御手段104およびフェール判定手段106と共に、図6のフローチャートに従って信号処理を実行する。図6の各ステップのうち、ステップS1、S2、S3は係合過渡油圧制御手段102によって実行される信号処理で、ステップS4、S5、S6はフェール判定手段106によって実行される信号処理で、ステップS7はフェール時油圧制御手段104によって実行される信号処理である。また、図7は、車両停止時において図6のフローチャートに従って信号処理が行われた場合のタービン回転速度NT、前進用クラッチC1の油圧(クラッチ油圧)PC1、およびリニアソレノイド弁SLTに対する励磁電流のデューティ比DSLTの変化を示すタイムチャートの一例で、実線は正常時、一点鎖線はガレージシフトバルブ114のフェール時のものである。
【0031】
図6のステップS1では、レバーポジションセンサ78の信号に基づいてN→Dシフトか否かを判断し、N→Dシフトでない場合には、ステップS9で前記挟圧力制御手段100により前記図5の必要油圧マップに従ってリニアソレノイド弁SLTを制御することにより、通常のベルト挟圧力制御を行うが、N→Dシフトの場合にはステップS2以下を実行する。図7の時間t1 は、N→Dシフトの判定が為されてステップS2以下の実行が開始された時間である。
【0032】
ステップS2では、ソレノイド弁DSUを励磁して信号圧の出力を停止することによりガレージシフトバルブ114をON状態とし、ステップS3では、ガレージシフトコントロールバルブ112からガレージシフトバルブ114およびマニュアルバルブ120を経て前進用クラッチC1へ供給されるガレージシフト油圧PGにより前進用クラッチC1が滑らかに係合させられるように、予め定められたガレージシフト油圧PGの制御パターンに従ってリニアソレノイド弁SLTのデューティ比DSLTを制御する。ガレージシフト油圧PGの制御パターンは、例えば図7のデューティ比DSLTの欄に実線で示すように、前進用クラッチC1が係合トルクを発生する直前位置まで速やかにピストンを移動させるように比較的高い油圧とするファーストフィル部ZAや、油圧を徐々に増大させて前進用クラッチC1の係合トルクを緩やかに増大させる係合制御部ZBなどを有して定められ、その係合制御部ZBの過程でタービン回転速度NTが徐々に低下させられて回転停止させられることによりN→Dシフトは終了する。図7の時間t4 は、前進用クラッチC1が係合トルクを発生してタービン回転速度NTが低下し始めた時間で、時間t5 は、タービン回転速度NTが0になってN→Dシフトが終了した時間である。
【0033】
このように前進用クラッチC1の係合トルク(クラッチ油圧PC1に対応)が緩やかに増大させられることにより、係合時のシフトショックが抑制されるとともに、その時のデューティ比DSLTに応じてリニアソレノイド弁SLTから出力される油圧に基づいて挟圧力コントロールバルブ110によりベルト挟圧力が制御されることにより、ベルト式無段変速機18がベルト滑りを発生する恐れもない。
【0034】
ステップS4〜S6は、前記ガレージシフトバルブ114のバルブスティックやソレノイド弁DSUの電気系統の故障などでガレージシフトバルブ114をON状態へ切り換えることができず、モジュレータ油圧PMがそのまま前進用クラッチC1へ供給されて急係合させられるフェール時か否かを判断するためのもので、ステップS4では、前記ガレージシフト油圧PGの制御がファーストフィル部ZAか否かを、励磁電流のデューティ比DSLTなどから判断し、ファーストフィル部ZAであればステップS5でフェール判定を行う一方、ファーストフィル部ZAでない場合にはステップS6でフェール判定を行う。これらのフェール判定は、何れもタービン回転速度NTの減速変化量(減速度)ΔNTが所定値αまたはβ以上か否かによって行われるが、ファーストフィル部ZAでは、正常時であればタービン回転速度NTは未だ変化しないため、所定値αは略0に近い比較的小さい値が設定される一方、ファーストフィル部ZAでない場合は、前進用クラッチC1の係合トルクの発生でタービン回転速度NTが徐々に低下する可能性があるため、所定値βは、正常時のタービン回転速度NTの変化量よりも少し大きめの値が設定される。ステップS6は、N→Dシフトの途中でソレノイド弁DSUの電気系統に故障が生じるなどして、ガレージシフトバルブ114がON状態からOFF状態へ切り換わる場合を想定したものである。
【0035】
そして、上記ステップS5、S6の判断が何れもNO(否定)の場合、すなわちガレージシフトコントロールバルブ112によって調圧されたガレージシフト油圧PGがガレージシフトバルブ114から前進用クラッチC1へ供給されて、その前進用クラッチC1が滑らかに係合させられる場合には、ステップS8でN→Dシフトが終了したか否かを判断し、N→Dシフトが終了するまでステップS4以下を繰り返すとともに、N→Dシフトが終了したらステップS9で通常のベルト挟圧力制御に従ってリニアソレノイド弁SLTを制御する。N→Dシフトが終了したか否かは、例えば車速Vおよび変速比γから求められる入力軸回転速度NINとタービン回転速度NTとが一致するか否かによって判断され、図7の時間t5 は、このようにガレージシフト油圧PGに従って前進用クラッチC1が係合させられることにより、タービン回転速度NTが0になってN→Dシフトが終了した時間である。
【0036】
一方、ステップS5またはS6の判断がYES(肯定)となった場合、すなわちガレージシフトバルブ114のバルブスティックやソレノイド弁DSUの電気系統の故障などでガレージシフトバルブ114がOFF状態となり、モジュレータ油圧PMがそのまま前進用クラッチC1へ供給されるフェール時には、ステップS7を実行し、前記ステップS3のリニアソレノイド弁SLTによるガレージシフト油圧PGの制御を実行する過程で、挟圧力コントロールバルブ110の出力油圧すなわちベルト挟圧力が通常のベルト挟圧力よりも所定量だけ大きくなるように、リニアソレノイド弁SLTの制御を補正する。補正量は、前進用クラッチC1がモジュレータ油圧PMに従って急係合させられた場合でも、ベルト式無段変速機18がベルト滑りを生じないように予め一定値、或いは変速比γやアクセル操作量Accなどの運転状態をパラメータとして設定される。補正量を設定する代わりに、フェール時の必要油圧やデューティ比DSLTそのものを設定しても良い。図7の一点鎖線はフェール時のもので、時間t2 はステップS5でフェール判定が為された時間で、時間t3 はタービン回転速度NTが0となってN→Dシフトが終了し、ステップS8の判断がYESになった時間であり、それ等の時間t2 〜t3 の間は、時間t3 以降の通常のベルト挟圧力制御に比較してベルト挟圧力(デューティ比DSLTに対応)が高くされ、前進用クラッチC1の急係合によるベルト滑りが防止される。
【0037】
このように本実施例の車両用動力伝達機構の油圧制御装置は、ベルト式無段変速機18のベルト挟圧力制御、およびガレージシフト(N→Dシフト)時の前進用クラッチC1の係合過渡油圧制御、すなわちガレージシフト油圧PGの制御、が共通のリニアソレノイド弁SLTを用いて行われるため、装置が簡単且つ安価に構成される。
【0038】
また、ガレージシフト(N→Dシフト)時に前進用クラッチC1を係合させる際に、ガレージシフトバルブ114が作動不良でON状態へ切り換えることができない場合、すなわちステップS5またはS6の判断がYESとなった場合には、ステップS7でベルト挟圧力が通常よりも大きくなるようにリニアソレノイド弁SLTの制御が補正されるため、前進用クラッチC1がモジュレータ油圧PMに基づいて急係合させられ、ベルト式無段変速機18に作用するトルクが急に大きくなっても、ベルト滑りの発生が回避される一方、正常時のガレージシフト油圧PGについてはベルト滑りが生じない範囲で設定すれば良いため、比較的低い油圧によって係合時のショックを良好に低減できるとともに、ベルト寿命や燃費を向上させることができる。
【0039】
特に、本実施例ではガレージシフト油圧PGの制御時におけるリニアソレノイド弁SLTの出力油圧に基づいて挟圧力コントロールバルブ110が発生させるベルト挟圧力は、前進用クラッチC1がガレージシフト油圧PGに従って係合させられる際の伝達トルクに基づいてベルト滑りが発生しないように定められており、前進用クラッチC1がモジュレータ油圧PMによって急係合させられる際には、入力系イナーシャトルクが増大することによりトルク容量が不足してベルト滑りを生じる可能性があるため、実質的に正常時のベルト挟圧力が低減されてベルト寿命や燃費が向上する。
【0040】
また、ステップS5、S6では、前進用クラッチC1を係合させる際のタービン回転速度NTの変化に基づいてガレージシフトバルブ114の作動不良を判定するため、電気系統の故障だけでなくバルブスティック等の機械的故障についても良好に検出することが可能で、ガレージシフトバルブ114の作動不良に起因するベルト滑りを一層確実に防止できる。
【0041】
なお、上記実施例では、シフトレバー77が「N」ポジションから「D」ポジションへ操作された場合について説明したが、「N」ポジションから「R」ポジションへ操作された場合、或いは「P」ポジションから「R」ポジションへ操作された場合、すなわち非走行ポジション(遮断状態)から走行ポジション(接続状態)へ切り換える場合には、リニアソレノイド弁SLTを用いて同様の係合過渡油圧制御およびベルト挟圧力制御を行うことが可能である。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両用駆動装置の骨子図である。
【図2】図1の車両用駆動装置の制御系統を説明するブロック線図である。
【図3】図1の車両用駆動装置が備えている油圧制御回路のうち、前後進切換装置の係合過渡油圧およびベルト式無段変速機のベルト挟圧力の制御に関する部分を説明する回路図である。
【図4】図2の電子制御装置が備えている機能の要部を説明するブロック線図である。
【図5】図4の挟圧力制御手段によって行われるベルト挟圧力制御において必要油圧を求める際に用いられる必要油圧マップの一例を示す図である。
【図6】図4の係合過渡油圧制御手段、フェール時油圧制御手段、およびフェール判定手段の処理内容を具体的に説明するフローチャートである。
【図7】ガレージシフト(N→Dシフト)時に図6のフローチャートに従って信号処理が行われた場合の各部の作動状態の変化を説明するタイムチャートの一例である。
【符号の説明】
12:エンジン(駆動力源) 14:トルクコンバータ(流体式動力伝達装置) 14t:タービン翼車(出力側部材) 16:前後進切換装置 18:ベルト式無段変速機 60:電子制御装置 104:フェール時油圧制御手段 106:フェール判定手段 110:挟圧力コントロールバルブ 114:ガレージシフトバルブ(油路切換装置) SLT:リニアソレノイド弁(調圧装置) C1:前進用クラッチ(断続装置) PM:モジュレータ油圧(保持油圧) PG:ガレージシフト油圧(係合過渡油圧)
Claims (3)
- 駆動力源から駆動輪側への動力伝達を接続、遮断するとともに、油圧によって摩擦係合させられることにより接続状態となる断続装置と、
油圧によりベルトを挟圧して動力を伝達するとともに、ベルト掛かり径を変更して変速比を変化させるベルト式無段変速機と、
を有する車両用動力伝達機構の油圧制御装置において、
前記ベルト式無段変速機のベルト挟圧力を制御するとともに、前記断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際には、該断続装置の係合過渡油圧を制御する共通の調圧装置と、
該調圧装置によって調圧された前記係合過渡油圧を前記断続装置へ供給する過渡油圧供給状態と、該断続装置を接続状態に保持するための保持油圧を該断続装置に供給する保持油圧供給状態と、に切り換えられる油路切換装置と、
前記断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際に、前記油路切換装置を前記過渡油圧供給状態へ切り換えることができない場合には、前記調圧装置による前記係合過渡油圧の制御を中止して、前記ベルト挟圧力が通常よりも大きくなるように該調圧装置を制御するフェール時油圧制御手段と、
を有することを特徴とする車両用動力伝達機構の油圧制御装置。 - 駆動力源の動力を流体を介して前記断続装置へ伝達する流体式動力伝達装置と、
前記断続装置を遮断状態から接続状態へ切り換える際の前記流体式動力伝達装置の出力側部材の回転変化に基づいて、前記油路切換装置の作動不良を判定するフェール判定手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達機構の油圧制御装置。 - 前記調圧装置の出力油圧をパイロット圧として前記ベルト挟圧力を制御する挟圧力コントロールバルブを有するとともに、
前記係合過渡油圧制御時の前記調圧装置の出力油圧に基づいて前記挟圧力コントロールバルブが発生させるベルト挟圧力は、前記断続装置が該係合過渡油圧に従って係合させられる際の伝達トルクに基づいてベルト滑りが発生しないように定められており、該断続装置が前記保持油圧によって係合させられる際には、該断続装置の急係合で入力系イナーシャトルクが増大することによりトルク容量が不足してベルト滑りを生じる可能性がある
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用動力伝達機構の油圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002247811A JP2004084831A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 車両用動力伝達機構の油圧制御装置 |
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JP (1) | JP2004084831A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007177832A (ja) * | 2005-12-27 | 2007-07-12 | Toyota Motor Corp | 車両の制御装置 |
JP2010230097A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Daihatsu Motor Co Ltd | 車両用無段変速装置 |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002247811A patent/JP2004084831A/ja active Pending
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