JP2004084246A - 壁支持構造と壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】部屋間の遮音性能を向上させることができる建物の壁構造を提供しようとする。
【解決手段】
従来の建物の壁基礎をベースとして壁板材を支持する壁支持構造にかわって、ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなる支持部材と、前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有する支持部材保持具と、を備え、前記支持部材保持具が壁基礎に固定され、前記支持部材保持具が前記鍔状展出部を壁基礎に押し付け、壁板材が前記頂部に固定されるものとした。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の壁支持構造と壁構造に係る。特に壁基礎と壁板材の間に介在する支持構造に特徴の有る建物の壁支持構造と壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
今後、高層マンション等の高層ビルの建設が都心を中心に計画されている。建物が高層になるにしたがい、軽量で遮音性能の高い隔壁又は戸境壁が必要とされる。また、人々の音に対する関心が高まるにつれ、隣接部屋同士や上下階の室間遮音がますます重要になってきている。
遮音性能は質量則にしたがって向上するといわれている。すなわち、単位面積当たりの重量が増すほど、遮音性能があがると言われているが、実際には、質量が増えても十分な遮音性能が得られていない。その原因の一つは、振動が壁材に入射して壁表面から固体音が放射されるためである。従って、壁の施工時に、基礎や壁材に入射した振動をいかに減衰させ、他の基礎や壁材に伝えないかがポイントとなる。
【0003】
従来の建物の内装構造は、上記目的を達成するために、
1,基礎と壁の二重構造とする。
2,基礎と壁の間に胴ふちを設ける。
3,基礎と壁の間に空隙を設ける。
4,基礎と壁の間に設ける胴ふちの構造を工夫する。
等の工夫をしていた。
【0004】
ところで、発明者は、特公平7−35838において、「ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させ、荷重により前記本体との接触面積が変化する荷重板部材を前記本体の頂部に接触位置させてなる防振装置」を開示している。
その防振装置は、その構造により床壁や天井壁での固体音に関連する振動に対し優れた防振性能を発揮する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
建物の内装構造の場合、床基礎、壁基礎、天井基礎等の基礎から壁、床、天井に振動が伝わり、壁、床、天井の壁材、床材、天井材が振動することによって、壁、床、天井の面から固体音が放射する。また、部屋の内部で発生した音が、壁、床、天井の壁材、床材、天井材を振動させ、その振動が床基礎、壁基礎、天井基礎に伝わり、上記の経路を通って他の部屋に伝わる。
例えば、壁では、壁基礎に固定された支持構造体が壁板材を支持している。壁基礎が振動すると、その振動エネルギーが支持構造体を介して壁板材に伝搬する。壁板材が振動し、部屋の内部に固体音を放射する。また、部屋の内部で発生した音は、壁板材を振動させ、その振動エネルギーが支持構造体を介して、壁基礎に伝わり、上述の経路を伝わって、他の部屋の内部に固体音を放射する。
従って、壁から部屋に放射される固体音のレベルを下げるためには、壁基礎と壁板材との間で振動を伝えにくい壁支持構造と壁構造とが望まれていた。
【0006】
一方、発明者は、前述の防振装置の構造が従来の壁に使用されている支持構造体に比較して優れた振動減衰特性を有していることを見いだした。
【0007】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み、上記の知見を基に、案出されたもので、従来の建物の壁基礎をベースとして壁板材を支持する壁支持構造にかわって、隣接部屋間の遮音性能または上下階の部屋間の遮音性能を向上させることができ、また施工の容易な建物の壁支持構造と壁構造とを提供しようとする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる建物の壁基礎をベースとして壁板材を支持する壁支持構造は、ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなる支持部材と、前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有する支持部材保持具と、を備え、前記支持部材保持具が前記対象物に相当する壁基礎または壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記鍔状展出部を前記対象物に相当する壁基礎または壁板材のうちの一方に押し付け、壁基礎または壁板材のうちの他方が前記頂部に固定されるものとした。
【0009】
上記本発明の構成により、支持部材がほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなり、支持部材保持具が前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有し、前記支持部材保持具が前記対象物に相当する壁基礎または壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記鍔状展出部を前記対象物に相当する壁基礎または壁板材のうちの一方に押し付け、壁基礎または壁板材のうちの他方が前記頂部に固定されるので、壁基礎または壁板材のうちの一方の振動が、壁基礎または壁板材のうちの一方に押し付けられている前記支持部材を介して壁基礎または壁板材のうちの他方に伝搬する際に、減衰するので、壁基礎と壁板材との間で伝搬する振動を抑制し、壁板材から放射される音響エネルギーが減少する。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明にかかる建物の壁基礎をベースとして壁板材を支持する壁支持構造は、ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなる支持部材と、長尺の平板部と該平板部の長手方向に沿った溝とを持った長手部材であるレール状固定具と、前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と該板状部の縁に設けられ前記溝に長手方向に摺動自在に嵌合する鍔状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有する支持部材保持具と、を備え、前記レール状固定具の前記平板部が壁基礎または壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記レール状固定具に固定され、前記鍔状展出部が前記支持部材保持具により前記対象物に相当する前記レール状固定具に押し付けられ、壁基礎または壁板材のうちの他方が前記頂部に固定されるものとした。
【0011】
上記本発明の構成により、支持部材が、ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなり、レール状固定具が長尺の平板部と該平板部の長手方向に沿った溝とを持った長手部材であり、支持部材保持具が前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と該板状部の縁に設けられ前記溝に長手方向に摺動自在に嵌合する鍔状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有し、前記レール状固定具の前記平板部が壁基礎または壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記レール状固定具に固定され、前記鍔状展出部が前記支持部材保持具により前記対象物に相当する前記レール状固定具に押し付けられ、壁基礎または壁板材のうちの他方が前記頂部に固定されるので、前記支持部材保持具を前記レール状固定具の溝に沿って移動させて、支持部材を所望の位置に配置することが容易であり、壁基礎または壁板材のうちの一方の振動が、前記レール状固定具に伝搬して前記レール状固定具に押し付けられている前記支持部材を介して壁基礎または壁板材のうちの他方に伝搬する際に、減衰するので、壁基礎と壁板材との間で伝搬する振動を抑制し、壁板材から放射される音響エネルギーが減少する。
【0012】
さらに、本発明に係る壁支持構造は、裏側を前記支持部材の前記頂部に固定可能であり表側に取付面を持つ長手部材である壁支持具を備え、前記壁支持具が前記支持部材の前記頂部に固定され、壁基礎または壁板材のうちの他方が前記取付面に固定されるのが好ましい。
上記本発明の構成により、壁支持具が裏側を前記支持部材の前記頂部に固定可能であり表側に取付面を持つ長手部材であり、前記壁支持具が前記支持部材の前記頂部に固定され、壁基礎または壁板材のうちの他方が前記取付面に固定されるので、前記支持部材の配置に制限されずに壁基礎または壁板材のうちの他方を固定でき、壁支持構造の施工が容易になる。
【0013】
さらに、本発明に係る壁支持構造は、支持部材保持具の板状部が長尺の長手板材でできており、複数の前記穴が長手方向に沿って前記板状部に設けられるのが好ましい。
上記本発明の構成により、支持部材保持具の板状部が長尺の長手板材でできており、複数の前記穴が長手方向に沿って前記板状部に設けられので、複数の支持部材を支持部材保持具により位置決めすることができ、壁支持構造の施工が容易になる。
【0014】
さらに、本発明に係る壁支持構造は、前記押し付け部が前記穴の縁に沿って設けられ前記鍔状展出部に係合する複数の爪を持つのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記押し付け部の複数の爪が、前記穴の縁に沿って設けられ、前記鍔状展出部に係合するので、複数の爪の撓みによる力で前記支持部材を前記対象物に押し付けることができ、支持部材の機能を効果的に発揮することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る壁支持構造は、前記押し付け部が前記穴の縁に沿って設けられ前記鍔状展出部を囲う肩を持つのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記押し付け部の肩が、前記穴の縁に沿って設けられ、前記鍔状展出部を囲うので、肩の剛な力で前記支持部材を前記対象物に押し付けることができ、支持部材の機能を効果的に発揮することができる。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明にかかる建物の壁基礎をベースとした壁構造は、ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなる支持部材と、前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有する支持部材保持具と、壁面を形成する板材である壁板材と、を備え、前記支持部材保持具が前記対象物に相当する壁基礎または前記壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記鍔状展出部を前記対象物に相当する壁基礎または前記壁板材のうちの一方に押し付け、壁基礎または前記壁板材のうちの他方が前記頂部に固定されるものとした。
【0017】
上記本発明の構成により、支持部材がほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなり、支持部材保持具が前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有し、壁板材が壁面を形成する板材であり、前記支持部材保持具が前記対象物に相当する壁基礎または前記壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記鍔状展出部を前記対象物に相当する壁基礎または前記壁板材のうちの一方に押し付け、壁基礎または前記壁板材のうちの他方が前記頂部に固定されるので、壁基礎または前記壁板材のうちの一方の振動が、壁基礎または前記壁板材のうちの一方に押し付けられている前記支持部材を介して壁基礎または前記壁板材のうちの他方に伝搬する際に、減衰するので、壁基礎と前記壁板材との間で伝搬する振動を抑制し、前記壁板材から放射される音響エネルギーが減少する。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明にかかる建物の壁基礎をベースとした壁構造は、ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなる支持部材と、長尺の平板部と該平板部の長手方向に沿った溝とを持った長手部材であるレール状固定具と、前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と該板状部の縁に設けられ前記溝に長手方向に摺動自在に嵌合する鍔状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有する支持部材保持具と、壁面を形成する板材である壁板材と、を備え、前記レール状固定具の前記平板部が壁基礎または前記壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記レール状固定具に固定され、前記鍔状展出部が前記支持部材保持具により前記対象物に相当する前記レール状固定具に押し付けられ、壁基礎または前記壁板材のうちの他方が前記頂部に固定されるものとした。
【0019】
上記本発明の構成により、支持部材が、ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなり、レール状固定具が長尺の平板部と該平板部の長手方向に沿った溝とを持った長手部材であり、支持部材保持具が前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と該板状部の縁に設けられ前記溝に長手方向に摺動自在に嵌合する鍔状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有し、壁板材が壁面を形成する板材であり、前記レール状固定具の前記平板部が壁基礎または前記壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記レール状固定具に固定され、前記鍔状展出部が前記支持部材保持具により前記対象物に相当する前記レール状固定具に押し付けられ、壁基礎または前記壁板材のうちの他方が前記頂部に固定されるので、前記支持部材保持具を前記レール状固定具の溝に沿って移動させて、支持部材を所望の位置に配置することが容易であり、壁基礎または前記壁板材のうちの一方の振動が、前記レール状固定具に伝搬して前記レール状固定具に押し付けられている前記支持部材を介して壁基礎または前記壁板材のうちの他方に伝搬する際に、減衰するので、壁基礎と前記壁板材との間で伝搬する振動を抑制し、前記壁板材から放射される音響エネルギーが減少する。
【0020】
さらに、本発明に係る壁構造は、裏側を前記支持部材の前記頂部に固定可能であり表側に取付面を持つ長手部材である壁支持具を備え、前記壁支持具が前記支持部材の前記頂部に固定され、壁基礎または前記壁板材のうちの他方が前記取付面に固定されるのが好ましい。
上記本発明の構成により、壁支持具が裏側を前記支持部材の前記頂部に固定可能であり表側に取付面を持つ長手部材であり、前記壁支持具が前記支持部材の前記頂部に固定され、壁基礎または前記壁板材のうちの他方が前記取付面に固定されるので、前記支持部材の配置に制限されずに壁基礎または前記壁板材のうちの他方を固定でき、壁構造の施工が容易になる。
【0021】
さらに、本発明に係る壁構造は、支持部材保持具の板状部が長尺の長手板材でできており、複数の前記穴が長手方向に沿って前記板状部に設けられるのが好ましい。
上記本発明の構成により、支持部材保持具の板状部が長尺の長手板材でできており、複数の前記穴が長手方向に沿って前記板状部に設けられので、複数の支持部材を支持部材保持具により位置決めすることができ、壁構造の施工が容易になる。
【0022】
さらに、本発明に係る壁構造は、前記押し付け部が前記穴の縁に沿って設けられ前記鍔状展出部に係合する複数の爪を持つのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記押し付け部の複数の爪が、前記穴の縁に沿って設けられ、前記鍔状展出部に係合するので、複数の爪の撓みによる力で前記支持部材を前記対象物に押し付けることができ、支持部材の機能を効果的に発揮することができる。
【0023】
さらに、本発明に係る壁構造は、前記押し付け部が前記穴の縁に沿って設けられ前記鍔状展出部を囲う肩を持つのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記押し付け部の肩が、前記穴の縁に沿って設けられ、前記鍔状展出部を囲うので、肩の剛な力で前記支持部材を前記対象物に押し付けることができ、支持部材の機能を効果的に発揮することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい第一の実施形態に係る壁支持構造と壁構造とを、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
説明の便宜上、後述する支持部材を、その鍔状展出部を壁基礎側へ向け、頂部を壁板材側へ向けて、壁基礎と壁板材の間に配した場合を例にとり説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態の全体側面図である。図2は、本発明の第一の実施形態の側面断面図である。図3は、本発明の第一の実施形態のB−B断面図である。
【0026】
建物1は、壁基礎6と床基礎7と天井基礎8とで構成される。部屋2が、壁基礎6と床基礎7と天井基礎8とで区切られた空間の中に形成される。部屋2は、壁3と床4と天井5とで囲まれた空間である。壁支持構造9が、壁基礎6をベースとして壁板材50を支持する。同じく、床支持構造が、床基礎7をベースとして床板材を支持し、天井支持構造が天井基礎をベースとして天井板材を支持する。
【0027】
壁支持構造9は、建物1の壁基礎6をベースとして壁板材50を支持するものであり、支持部材10と支持部材保持具20と壁支持具30と粘弾性板40とで構成される。
【0028】
壁板材50は、壁面を形成する板材であり、例えば、石膏ボード、壁用ベニア板等の建材である。
【0029】
支持部材10は、後述する支持部材保持具20により壁基礎6に押し付けられ壁板材50を支持するためのものであり、ほぼ椀状をなす本体11を粘弾性材料で形成し、本体開口側端縁に鍔状展出部13を設け、鍔状展出部13の対象物に対向する面に環状の突起14を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部12に向け減少させてなる部材である。
【0030】
支持部材保持具20は、壁基礎6に固定され支持部材10を壁基礎6に押し付けるためのものであり、板状部21と押し付け部22とを有する。
板状部21は、壁基礎6に固定可能になっており鍔状展出部13が収まる穴Hを設けられた板状の部分である。
押し付け部22は、鍔状展出部13を前記対象物に相当する壁基礎6に押し付ける様に該穴Hの周囲に設けられる部分である。
【0031】
各種の形式の支持部材保持具20を、図を基に、詳述する。図6は、支持部材保持具20の第1の実施例である。図7は、支持部材保持具20の第2の実施例である。図8は、支持部材保持具20の第3の実施例である。
第1の実施例の支持部材保持具20では、板状部21は、略四辺形の外形をもち、中央に穴Hが設けられ、四辺形の四隅に取り付け用穴24が設けられる。押し付け部22は、穴Hの縁に沿って設けられ鍔状展出部13に係合する複数の爪22aを持つ。
第2の実施例の支持部材保持具20では、板状部21は、略四辺形の外形をもち、中央に穴Hが設けられ、四辺形の四隅に取り付け用穴24が設けられる。押し付け部22は、穴Hの縁に沿って設けられた鍔状展出部13を囲って覆う肩22bを持つ。
第3の実施例の支持部材保持具20では、板状部21は長尺の長手板材でできており、複数の穴Hが長手方向に沿って所定の間隔で板状部21に設けられる。押し付け部22は、穴Hの縁に沿って設けられ鍔状展出部13に係合する複数の爪22a、または穴Hの縁に沿って設けられた鍔状展出部13を覆う肩22bを持つ。
ところで、 図6〜図8に示した支持部材保持具20はさらに鍔状部23を持っているが、これは後述する第二の実施形態に係る壁支持構造にも兼用するためであり、第一の実施形態に係る支持部材保持具20ではなくてもよい。
【0032】
壁支持具30は、支持部材10に固定され壁板材50を支持するための部材であり、裏側を支持部材10の頂部12に固定可能であり表側に取付面31を持つ長手部材である。
図3には、四辺形に折り曲げられ一辺の中央部が切り欠かれた断面を持った薄板の長手部材が示されている。この部材を「Mバー」と呼称する。「Mバー」の切り欠き部に対向する辺の外側の面が取付面31を形成する。支持部材10の頂部12を固定するネジ穴と壁板材50を固定するネジ穴とが「Mバー」の切り欠き部に対向する辺に設けられる。
【0033】
粘弾性板40は、粘弾性材料(例えば、ゴム)でできた板である。粘弾性板40は、壁支持具30と壁板材50との間に挟まる様に設けられる。
【0034】
第一の実施形態の壁支持構造と壁構造の施工方法を説明する。
支持部材保持具20が、板状部21を壁基礎6に当接する様に配置され、取付ネジ25又は接着剤で壁基礎6固定される。支持部材保持具20は、所定の間隔で壁基礎6の表面に均等に配置される。特に、接着剤で固定した場合、壁基礎に塗った接着剤が、取付穴から溢れて取付穴の上部で玉状に固化して、支持部材保持具20が剥がれるのを防止する。
支持部材10の鍔状展出部13が、支持部材保持具20の穴Hに収められる。支持部材保持具20の押し付け部22が支持部材10の鍔状展出部13を壁基礎6へ押し付けて、環状の突起14が壁基礎6に接触する。
壁支持具30が、支持部材10の頂部12に固定ネジ32で固定される。壁支持具30の長さは、部屋2の天井高さまたは壁幅より僅かに短い。通常は、壁支持具30は、長手方向が垂直または水平になるように配置される。
粘弾性板40が、壁支持具30の表面に貼り付けられる。
壁板材50が、粘弾性板40を挟んで、壁支持具30の取付面31に取付ネジ51で固定される。壁板材50は、定尺サイズのボードである。複数の壁板材50が、組み合わされて壁支持具30に固定され、部屋2の壁3を形成する。
壁板材50の表面は、さらに壁紙等が貼られて化粧を施される。
【0035】
次に、本発明の第一の実施形態に係る壁支持構造と壁構造の防音上の作用を説明する。
建物で発生した振動・騒音は、固体音となって基礎に伝搬する。
壁基礎に伝わった振動エネルギーは、支持部材10に伝搬する。支持部材10は、その振動減衰特性により振動加速度を減衰し、振動エネルギーを小さくする。小さくなった振動エネルギーは、頂部12から壁支持具30へ伝搬する。壁支持具30の振動エネルギーは、粘弾性部材40を介して壁板材50へ伝搬する際に、さらに振動加速度を減少させ、壁板材50へ伝搬する。壁板材50が振動すると、部屋2の内部の空気を加速して、部屋2へ音響を放射する。
支持部材10は、加振力で振動される鍔状展出部または頂部のうちの一方の加速度に比較し、鍔状展出部または頂部のうちの他方の加速度が小さいという振動減衰特性を持っているので、部屋2の内部へ放射される音響エネルギーが小さくなる。
【0036】
次に、本発明の第二の実施形態に係る壁支持構造と壁構造とを説明する。
図1は、本発明の実施形態の全体側面図である。図4は、本発明の第二の実施形態の側面断面図である。図5は、本発明の第二の実施形態のB’−B’断面図である。
建物1の構造は第1の実施形態での構造と同じなので、説明を省略する。
【0037】
壁支持構造9は、建物1の壁基礎6をベースとして壁板材50を支持するためのものであり、支持部材10と支持部材保持具20と壁支持具30と粘弾性板40とレール状固定具60とで構成される。
支持部材10と壁支持具30と粘弾性板40と壁板材50の構造は、第1の実施形態での構造と同じなので、説明を省略する。
【0038】
支持部材保持具20は、後述するレール状固定具60に支持部材10を押し付けるためのものであり、板状部21と鍔状部23と押し付け部22とを有する。板状部21と押し付け部22との構造は、第一の実施形態に係る壁支持構造での構造と同じなので、説明を省略する。
鍔状部23は、板状部21の縁に設けられ後述するレール状固定具60の溝Gに長手方向に摺動自在に嵌合する部分である。
【0039】
鍔状部23の構造を、図6乃至図8を基に説明する。
鍔状部23は、板状部21の対向する一対の辺の部分である。鍔状部23は、所定の間隔と所定の厚みを有し、後述するレール状固定具60の溝Gに嵌合可能になっている。
【0040】
レール状固定具60は、壁基礎に固定され支持部材10を支持するためのものであり、長尺の平板部61と該平板部の長手方向に沿った溝Gとを持った長手部材である。
図5には、所定の幅を持った板材でできた平板部61と、平板部61の両側62が折り曲げられて形成された所定の深さと所定の幅の溝Gとを持った長手部材が示されている。
さらに、取り付け用穴がレール状固定具60の平板部61に設けられている。溝Gの所定の深さと所定の幅の寸法は、支持部材保持具20の鍔状部23が嵌合し長手方向へ摺動するのに適当な値である。
【0041】
第二の実施形態の壁支持構造と壁構造の施工方法を説明する。
レール状固定具60が、平板部61を壁基礎6に当接する様に配置され、取付ネジ63で壁基礎6固定される。通常、レール状固定具60は、長手方向が垂直または水平になるように、所定の間隔で壁基礎6の表面に均等に配置される。
複数の支持部材保持具20が、鍔状部23をレール状固定具60の溝Gに嵌合して、所定の間隔で配置される。
支持部材10の鍔状展出部13が、支持部材保持具20の穴Hに収められる。支持部材保持具20の押し付け部22が支持部材10の鍔状展出部13をレール状固定具60へ押し付けて、環状の突起14がレール状固定具60の平板部61に接触している。
壁支持具30が、支持部材10の頂部12に固定ネジ32で固定される。壁支持具30の長さは、部屋2の天井高さまたは壁幅より僅かに短い。通常は、壁支持具30は、長手方向が垂直または水平になるように配置される。
粘弾性板40が、壁支持具30の取付面31に貼り付けられる。
壁板材50が、粘弾性板40を挟んで、壁支持具30の取付面31に取付ネジ51で固定される。壁板材50は、定尺サイズのボードである。複数の壁板材50が、組み合わされて壁支持具30に固定され、部屋2の壁3を形成する。
壁板材50の表面は、さらに壁紙等が貼られて化粧を施される。
【0042】
次に、本発明の第二の実施形態に係る壁支持構造と壁構造の防音上の作用を説明する。
建物で発生した振動・騒音は、固体音となって基礎に伝搬する。
壁基礎に伝わった振動エネルギーは、レール状固定具60に伝搬する。レール状固定具60に伝わった振動エネルギーは、支持部材10に伝搬する。支持部材10は、その振動減衰特性により振動加速度を減衰し、振動エネルギーを小さくする。小さくなった振動エネルギーは、頂部12から壁支持具30へ伝搬する。壁支持具30の振動エネルギーは、粘弾性部材40を介して壁板材50へ伝搬する際に、さらに振動加速度を減少させ、壁板材50へ伝搬する。壁板材50が振動すると、部屋2の内部の空気を加速して、部屋2へ音響を放射する。
支持部材10は、加振力で振動される鍔状展出部または頂部のうちの一方の加速度に比較し、鍔状展出部または頂部のうちの他方の加速度が小さいという振動減衰特性を持っているので、部屋2の内部へ放射される音響エネルギーが小さくなる。
【0043】
【実施例】
以下で、第一又は第二の実施形態にかかる壁支持構造が壁基礎の振動を室内に漏れるのを抑制する性能を、モデル試験結果により説明する。
図9は、モデル試験結果のグラフである。
モデルは、十分に剛な上板と下板とを上下に配置し、その上板と下板との間に支持部材10を挟んだものである。
上板をランダム加振させ、その際の上板の加速度と下板の加速度とを測定し、両方の加速度を振動数成分に分解しその比の対数(振動加速度レベル差と呼ぶ。)を評価した。
比較のために、支持部材10のかわりにネオプレーン製の中実の球形ゴムまたは建物壁の防振用として市販されているネオプレーン製の円柱型ゴムを用いた試験も行なった。
図9では、試験結果が横軸を振動数(Hz)、縦軸を振動加速度レベル差(dB)としたグラフで示されている。振動加速度レベル差の値が大きいほど、上板の加速度に対して下板の加速度が小さく、防振性能が優れていることを示す。図9において、凡例でCIVR−50と記されているのが、本発明に係る支持部材である。
試験結果から、本発明の壁支持構造は、円柱型の市販ゴムまたは球形ゴムを使用した場合に比べ、ほぼ全ての振動数領域で、振動加速度レベル差が大きくなった。
このことから、本発明にかかる壁支持構造は、優れた防振効果を発揮することが分かる。
【0044】
上述の第一または第二の実施形態の壁支持構造と壁構造を用いれば、壁基礎からの振動が壁板材に伝わりにくく、また壁板材からの振動が壁基礎に伝わりにくく、防音性能の優れた壁支持構造と壁構造とを実現できる。
また、施工現場の状況によりレール状固定具を使用しても使用しなくてもよく、施工の自由度が増す。
また、施工現場の状況により壁支持具を使用しても使用しなくてもよく、施工の自由度が増す。
また、各種の支持部材支持具を選択でき、施工の自由度が増す。
【0045】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
実施例では、鍔状展出部を壁基礎に向け、頂部を壁板材に向けて、壁基礎と壁板材の間に支持部材を配置したがこれに限定されず、例えば、鍔状展出部を壁板材に向け、頂部を壁基礎に向けて、壁基礎と壁板材の間に支持部材を配置してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の建物の壁基礎をベースとして壁板材を支持する壁支持構造と壁構造は、その構成により、以下の効果を有する。
壁基礎と壁板材の間に特殊な形状を持った支持部材を介在させたので、壁基礎または壁板材のうちの一方の振動が、壁基礎または壁板材のうちの一方に押し付けられている前記支持部材を介して壁基礎または壁板材のうちの他方に伝搬する際に、減衰されるので、壁基礎と壁板材との間で伝搬する振動を抑制し、壁板材から放射される音響エネルギーが減少する。
壁基礎と壁板材の間に特殊な形状を持った支持部材とレール状固定具を組み合わせたものを介在させたので、前記支持部材保持具を前記レール状固定具の溝に沿って移動させて、支持部材を所望の位置に配置することが容易であり、壁基礎または壁板材のうちの一方の振動が、前記レール状固定具に伝搬して前記レール状固定具に押し付けられている前記支持部材を介して壁基礎または壁板材のうちの他方に伝搬する際に、減衰されるので、壁基礎と壁板材との間で伝搬する振動を抑制し、壁板材から放射される音響エネルギーが減少する。
また、壁基礎または壁板材のうちの他方と特殊な形状をした支持部材との間に壁支持具を介在させたので、前記支持部材の配置に制限されずに壁基礎または壁板材のうちの他方を固定でき、壁支持構造の施工が容易になる。
また、支持部材保持具を複数の穴が設けられた長尺部材としたので、複数の支持部材を支持部材保持具により位置決めすることができ、壁支持構造の施工が容易になる。
支持部材保持具の押し付け部が複数の爪を持つので、複数の爪の撓みによる力で前記支持部材を前記対象物に押し付けることができ、支持部材の機能を効果的に発揮することができる。
支持部材保持具の押し付け部が鍔状展出部を覆う肩を持つので、肩の剛な力で前記支持部材を前記対象物に押し付けることができ、支持部材の機能を効果的に発揮することができる。
従って、隣接部屋間の遮音性能または上下階の部屋間の遮音性能を向上させることができ、また施工の容易な建物の壁支持構造と壁構造とを提供できる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体側面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態の側面断面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態のB−B断面図である。
【図4】本発明の第二の実施形態の側面断面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態のB’−B’断面図である。
【図6】本発明の支持部材保持具の第1の実施例である。
【図7】本発明の支持部材保持具の第2の実施例である。
【図8】本発明の支持部材保持具の第3の実施例である。
【図9】本発明のモデル試験結果のグラフである。
【符号の説明】
H 穴
G 溝
1 建物
2 部屋
3 壁
4 床
5 天井
6 壁基礎
7 床基礎
8 天井基礎
9 壁支持構造
10 支持部材
11 本体
12 頂部
13 鍔状展出部
14 突起
20 支持部材保持具
21 板状部
22 押し付け部
22a 爪
22b 肩
23 鍔状部
24 取付穴
25 取付ネジ
30 壁支持具(Mバー)
31 取付面
32 取付ネジ
40 粘弾性板
50 壁板材
60 レール状固定具
61 平板部
62 両側
63 取付ネジ

Claims (12)

  1. 建物の壁基礎をベースとして壁板材を支持する壁支持構造であって、
    ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなる支持部材と、
    前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有する支持部材保持具と、
    を備え、
    前記支持部材保持具が前記対象物に相当する壁基礎または壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記鍔状展出部を前記対象物に相当する壁基礎または壁板材のうちの一方の側に押し付け、壁基礎または壁板材のうちの他方が前記頂部に固定される、
    ことを特徴とする壁支持構造。
  2. 建物の壁基礎をベースとして壁板材を支持する壁支持構造であって、
    ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなる支持部材と、
    長尺の平板部と該平板部の長手方向に沿った溝とを持った長手部材であるレール状固定具と、
    前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と該板状部の縁に設けられ前記溝に長手方向に摺動自在に嵌合する鍔状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有する支持部材保持具と、
    を備え、
    前記レール状固定具の前記平板部が壁基礎または壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記レール状固定具に固定され、前記鍔状展出部が前記支持部材保持具により前記対象物に相当する前記レール状固定具に押し付けられ、壁基礎または壁板材のうちの他方が前記頂部に固定される、
    ことを特徴とする壁支持構造。
  3. 裏側を前記支持部材の前記頂部に固定可能であり表側に取付面を持つ長手部材である壁支持具を備え、
    前記壁支持具が前記支持部材の前記頂部に固定され、壁基礎または壁板材のうちの他方が前記取付面に固定される、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のうちのひとつに記載の壁支持構造。
  4. 支持部材保持具の板状部が長尺の長手板材でできており、複数の前記穴が長手方向に沿って前記板状部に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の壁支持構造。
  5. 前記押し付け部が前記穴の縁に沿って設けられ前記鍔状展出部に係合する複数の爪を持つことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の壁支持構造。
  6. 前記押し付け部が前記穴の縁に沿って設けられ前記鍔状展出部を囲う肩を持つことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の壁支持構造。
  7. 建物の壁基礎をベースとした壁構造であって、
    ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなる支持部材と、
    前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有する支持部材保持具と、
    壁面を形成する板材である壁板材と、
    を備え、
    前記支持部材保持具が前記対象物に相当する壁基礎または前記壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記鍔状展出部を前記対象物に相当する壁基礎または前記壁板材のうちの一方の側に押し付け、壁基礎または前記壁板材のうちの他方が前記頂部に固定される、
    ことを特徴とする壁構造。
  8. 建物の壁基礎をベースとした壁構造であって、
    ほぼ椀状をなす本体を粘弾性材料で形成し、該本体開口側端縁に鍔状展出部を設け、該鍔状展出部の対象物に対向する面に環状の突起を設け該対象物に接触し本体内部をほぼ気密構造とし、該本体の肉厚を前記鍔状展出部から頂部に向け減少させてなる支持部材と、
    長尺の平板部と該平板部の長手方向に沿った溝とを持った長手部材であるレール状固定具と、
    前記鍔状展出部が収まる穴を設けられた板状部と該板状部の縁に設けられ前記溝に長手方向に摺動自在に嵌合する鍔状部と前記鍔状展出部を前記対象物に押し付ける様に該穴の周囲に設けられた押し付け部とを有する支持部材保持具と、
    壁面を形成する板材である壁板材と、
    を備え、
    前記レール状固定具の前記平板部が壁基礎または前記壁板材のうちの一方に固定され、前記支持部材保持具が前記レール状固定具に固定され、前記鍔状展出部が前記支持部材保持具により前記対象物に相当する前記レール状固定具に押し付けられ、壁基礎または前記壁板材のうちの他方が前記頂部に固定される、
    ことを特徴とする壁構造。
  9. 裏側を前記支持部材の前記頂部に固定可能であり表側に取付面を持つ長手部材である壁支持具を備え、
    前記壁支持具が前記支持部材の前記頂部に固定され、壁基礎または前記壁板材のうちの他方が前記取付面に固定される、
    ことを特徴とする請求項7または請求項8のうちのひとつに記載の壁構造。
  10. 支持部材保持具の板状部が長尺の長手板材でできており、複数の前記穴が長手方向に沿って前記板状部に設けられることを特徴とする請求項7乃至請求項9に記載の壁構造。
  11. 前記押し付け部が前記穴の縁に沿って設けられ前記鍔状展出部に係合する複数の爪を持つことを特徴とする請求項7乃至請求項10に記載の壁構造。
  12. 前記押し付け部が前記穴の縁に沿って設けられ前記鍔状展出部を囲う肩を持つことを特徴とする請求項7乃至請求項10に記載の壁構造。
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