JP2004084162A - シャッタースラットの構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャッターカーテンを巻き取る際や繰り出す際に、各シャッタースラット同士で傷や変形を起こすことなく、また、シャッターカーテンの巻取収納時や繰り出し時に、各シャッタースラットの擦れ合いによる騒音の発生を低減させる。
【解決手段】巻取時に内側面となるスラット本体7の裏面8に突出し、隣接する他のシャッタースラット1に向いて開口する断面略C字形状の第一の係合部9と、スラット本体7に斜めに延出して形成され、隣接する他のシャッタースラット1の第一の係合部9の内側に嵌入する第二の係合部11と、第一の係合部9の外側面9cを被覆する合成樹脂製のカバー29とを具備するとともに、カバー29は、第一の係合部9の外側面9cを被覆する被覆部30と、第二の係合部11の先端縁11aが当接する第一の係合部29の係合縁13及び屈曲部12を被覆する当接被覆部31とを備える構成とする。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャッターカーテンを構成するシャッタースラットの形状及びこれらシャッタースラットの連結構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物などの開口部に設置されるシャッター装置を構成するシャッターカーテンは、左右に長尺な短冊板状のシャッタースラットを上下の長辺部分にて互いに連結されて構成される。そして、各シャッタースラットは、互いの連結部分で可動可能とされ、例えば開口部の上方に配置されるシャッターケースなどの収納部内にて、シャフトなどの軸体に巻き取られ収納が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シャッタースラットは、巻き取られる際に、連結部分が可動することで軸体に沿い、かつ渦巻き状となって重なるが、この巻き取り時に、内側面となるシャッタースラットの一方の面には、先に巻き取られているシャッタースラット同士の外側部分となる連結部分が角部分となって接触し、巻回状態となる。このことから、各シャッタースラットの一方の面は、他のシャッタースラットの連結部分によって傷がついたり、変形を起こしたり、シャッタースラットに塗装が施されている場合には、その塗膜が剥離したり、外観を損ねるおそれがある。
【0004】
また、シャッタースラットは、一般に、鋼板やアルミ型材などの金属製であることから、その連結部分において、互いが擦れ合い、これにより不快な騒音が発生してしまうおそれがある。
【0005】
さらに、シャッターカーテンを巻き取る際に、その巻き取りが進むにつれて軸体に近い巻回部分ほどシャッタースラット自体の重さが径方向にかかり、この巻回部分においてスラット同士の巻締めが発生し、このことからも、傷や変形が起こったり、この巻締め時の軋み音など騒音が発生するおそれがあった。
【0006】
そこで、特開平11−247550号公報に開示されているようなシャッタースラットの構造、すなわち、シャッタースラットの巻き取り時に内側面となる一方の面にゴムや合成樹脂などの軟質材を被覆した突起を設けた構造が考えられたが、各シャッタースラットの形状が特殊な形状となり容易に製造できない欠点を有し、また、軟質材を被覆させる施工が煩雑であり、簡素な構成のシャッタースラットが望まれていた。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、シャッターカーテンを繰り出す際や巻き取り収納する際などの動作中や、巻回状態となった停止中の際に各シャッタースラット同士で傷や変形を起こすことなく、シャッターとしての外観を損ねることを防止するシャッタースラットの構造とすることを目的とするとともに、シャッターカーテンの繰り出し時や巻き取り収納時に、各シャッタースラットの擦れ合いによる騒音の発生を低減させ、簡素な構成とすることのできるシャッタースラットの構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明のシャッタースラットの構造は、平板状に形成される短冊板形状のスラット本体7が、長辺部同士で可動可能に連結されるシャッタースラットの構造であって、
巻き取り時に内側面となるスラット本体7の一方の面8に突出し、該スラット本体7の一方の長辺部7aに沿って形成され、該一方の長辺部7aを兼ねる一方の開口縁部9aと、該一方の開口縁部9aと対向する他方の開口縁部9bとを有し、該他方の開口縁部9bに前記一方の開口縁部9aより内方に向かって屈曲部12を介して係合縁13が延設され、隣接する他のシャッタースラット1に向いて開口する奥拡がりな断面略C字形状の第一の係合部9と、
前記スラット本体7の他方の長辺部7bに沿い、前記スラット本体7の一方の面8側に該スラット本体7の板面に対して斜めに延出して形成され、隣接する他のシャッタースラット1の第一の係合部9の内側に嵌入するとともに、前記スラット本体7の一方の面8側に折り返し略V字状に折曲形成され、先端縁11aが前記第一の係合部9内にて屈曲部12に当接し前記係合縁13と係合しあう第二の係合部11と、
前記第一の係合部9の外側面9cを被覆する合成樹脂製のカバー29と、
を具備することを特徴とする。
【0009】
このような構成により、シャッターカーテン3を巻き取り、巻回した状態では、巻回状態の内側面側である一方の面8側に各係合部9,11が突出することとなり、各シャッタースラット1の第一の係合部9の外側面9cにカバー29が被覆するように設けられることから、先に巻き取られているシャッタースラット1の表面には第一の係合部9が直接接触することなく、その外側を覆うカバー29が接触することとなり、すなわち金属同士が接触しないことから、順次巻き取られるシャッタースラット1は接触による傷や塗装面の剥離などの発生を防止する。
【0010】
なお、前記カバー29は、前記第一の係合部9の外側面9cの外形状と同等の内側面を有した断面略C字状に形成される樹脂成形部材よりなる別体構成としてもよく、また、前記カバー29は、前記第一の係合部9の外側面9cを被覆する被覆部30と、前記第一の係合部29の係合縁13及び屈曲部12を被覆する当接被覆部31とを備える構成、さらに、前記スラット本体7の一方の面8と前記第一の係合部9の外側面9cとの間に奥拡がりな溝部15が形成されるとともに、前記カバー29の一方の側端縁に膨出部32が形成され、該膨出部32が前記溝部15に嵌入する構成としてもよい。
【0011】
このような構成とすれば、巻回されて収納される際や繰り出される際などの動作中に、各シャッタースラット1同士の連結部分にて互いが可動するが、第一,第二の係合部9,11間において、カバー29が介在することから、各スラット1の素材である金属同士が擦れ合うことなく、樹脂素材による緩衝及び摺動が行われ、不快な音を発生させることを防止し、すなわち、シャッターカーテン3の開閉時の騒音の低減化が図れる。
【0012】
また、上記したように、各シャッタースラット1の連結部分及び巻回状態におけるシャッタースラット1の表裏面の間の双方にカバー29が介在されることとなり、緩衝等が行われることから、シャッターカーテン3の巻き取りの際や繰り出す際などの動作中、或いは巻回状態となった停止中などに発生する巻き締めによる軋み音なども緩和されることとなる。
【0013】
また、この発明のシャッタースラットの構造では、前記シャッタースラット1の長手方向端縁部分における第一の係合部9の前記シャッタースラット端縁から長手方向所定距離の位置に、シャッタースラット1の長手方向に直交して該第一の係合部9の前記係合縁側略半部に達する切込み19が設けられ、切込み端縁23を形成し、
前記第二の係合部11を前記切込み19に対応する位置から端縁までを切欠き、当接端縁21を形成し、
前記第一の係合部9の係合縁側略半部を前記スラット本体7の一方の面8側に折曲し、第一の係合部9を歪曲形成して、前記切込み端縁23を第一の係合部9内方に突出させ、
前記当接端縁21と隣接する他のシャッタースラット1の第一の係合部9の切込み端縁23とを当接させることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、切込み19の端縁23に、隣接して連結された他のシャッタースラット1の第二の係合部11の当接端縁21が対向し、そして、シャッタースラット1の両端にそれぞれ構成することで、この第二の係合部11の両端が、第一の係合部9の両端に位置する各切込み端縁23の間に配置されることとなり、第一の係合部9に対して第二の係合部11が長手方向のスライド移動を規制される。すなわち連結された各シャッタースラット1,1が、各係合部9,11による連結部分において互いに長手方向に抜け落ちることがなくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるシャッタースラットの構造の実施の形態を示す分解斜視図、図2は同シャッタースラットより構成されるシャッターカーテンの側面図、図3は同シャッタースラットの連結状態を示す側面図、図4は同シャッタースラットの端縁部分における側面図及び背面図である。
【0016】
本発明のシャッタースラット1より構成されるシャッターカーテン3は、本実施の形態では、例えば建物の開口の上縁に配設されるシャッターボックス(図示せず)内に水平に配設される巻取軸5に巻き取られることで収納され、このシャッターカーテン3が昇降することで建物開口の開閉が行われる。
【0017】
巻取軸5は、例えば中空パイプ状に形成され、その外周面に吊元部材を介してシャッターカーテン3が連結され、シャッターカーテン3が巻回されるようになっている。
なお、吊元部材は、シャッターカーテン3を構成するシャッタースラット1と別構造の板状部材としてもよく、また、シャッタースラット1自体を巻取軸5にボルトなどの締結固定部材にて固定することで吊元部材としても良く、本実施の形態では、図6に示すように、後述するシャッタースラット1自体を吊元部材として用いるとともに、巻取軸5の直径によっては、シャッタースラット1の中途部分を折曲して、巻取軸5の外周面に沿うように形成し、構成しても良い。
【0018】
本実施の形態のシャッターカーテン3は、図2,3に示すように、鋼板などの金属製板素材が用いられ、平板状で左右に長尺な短冊板状に形成されるシャッタースラット1が、上下の長辺部同士を連結した構成とされる。
【0019】
シャッタースラット1は、図1に示すように、平板状のスラット本体7と、スラット本体7の下縁となる一方の長辺部としての下長辺部7aに一体的に形成される第一の係合部9と、スラット本体7の上縁となる他方の長辺部としての上長辺部7bに一体的に形成される第二の係合部11と備えている。
【0020】
第一の係合部9は、シャッターカーテン3として巻き取られる際に内側面となるスラット本体7の一方の面としての裏面8に突出し、このスラット本体7の下長辺部7aに沿って形成される。この第一の係合部9は、下長辺部7aを兼ねる一方の開口縁部9aと、一方の開口縁部9aと対向する他方の開口縁部9bとを有する奥拡がりな断面略C字状に形成される。他方の開口縁部9bには、一方の開口縁部9aより内方に向かって屈曲部12を介して係合縁13が延設される。そして、隣接する他のシャッタースラット1、すなわち下方に位置するシャッタースラット1に向いてスリット状に開口する。
【0021】
なお、スラット本体7の下長辺部7aに位置する第一の係合部9の外側面9cとスラット本体7の裏面8との間には、間隙を備え、図3,4に示すように上方が開口する溝部15が形成され、本実施の形態では奥拡がりに形成される。
【0022】
第二の係合部11は、スラット本体7の上長辺部7bに沿い、スラット本体7の裏面8側にスラット本体8の板面に対して斜め上方に延出して形成される。この第二の係合部11は、本実施の形態では、図1及び図4(a)に示すように、スラット本体7に対して斜めに延出するとともに、断面略w字状の波形に形成され、またその先端縁11aがスラット本体7の裏面8側に鋭角に折り返され略鉛直方向に延び略V字状に折曲形成される。
【0023】
そして、この第二の係合部11は、隣接する他のシャッタースラット1、すなわち上方に位置するシャッタースラット1の第一の係合部9の内側に嵌入し、先端縁11aが前記第一の係合部9内にて屈曲部12に上方から当接し係合縁13と係合しあう。
【0024】
なお、この第二の係合部11の波状形成部分は、図3に示すように、第一の係合部9に嵌入されスラット1同士が連結状態となった際に、第一の係合部9の一方の開口縁部9aの外側面に対応した湾曲面となり、各スラット1が上下に連なって連結した状態となると各スラット本体7表面が略面一になる。
【0025】
また、シャッタースラット1には、図4に示すように、シャッタースラット1の長手方向端縁部分における第一の係合部9のシャッタースラット11端縁から長手方向所定距離の位置に、シャッタースラット1の長手方向に直交して第一の係合部9の係合縁13側略半部に達する切込み19が形成され、また、図4に示すように、第二の係合部11を上記切込み19に対応する位置からシャッタースラット1の長手方向端縁までを略矩形状に切欠き、第二の係合部11に当接端縁21が形成される。
【0026】
これら切込み19と当接端縁21は、各シャッタースラット1を第一,第二の係合部9,11同士で連結した状態で、長手方向に互いに抜け落ちないようにする規制手段とされる。
【0027】
すなわち、各シャッタースラット1を各係合部9,11にて連結した後に、予め形成される上記切込み19の位置から第一の係合部9の端縁までを、切込み19の深さの位置でスラット本体7の裏面8側に工具などを用いてかしめるように折曲し、略C字状の第一の係合部9を中途で折り曲げ歪曲形成し、この切込み19により形成された片状部分17を第一の係合部9内方に突出させ、この切込み端縁23に、隣接して連結された他のシャッタースラット1の第二の係合部11の当接端縁21を対向させる。これにより第二の係合部11の両端は、第一の係合部9の両端に設けられた各切込み端縁23の間に配置されることとなり、第一の係合部9に対して第二の係合部11が長手方向のスライド移動を規制され、すなわち連結された各シャッタースラット1が互いに長手方向に抜け落ちることがなくなる。
【0028】
なお、上記したが、各シャッタースラット1で構成されるシャッターカーテン3の上端と巻取軸5とを連結する吊元部材として、シャッタースラット1を用いる場合には、このシャッタースラット1自体と巻取軸5とをボルトなどの固定部材25にて固定するが(図6参照)、巻取軸5の直径が比較的小径な場合などには、シャッタースラット1のスラット本体7中途部、好ましくは第二の係合部11に近接した位置を所定角度、例えば150°程度に折曲したスラット部材2を用い、このスラット部材2と、シャッタースラット1とを組合せ、図7(b)に示すように、スラット部材2を1つ若しくは複数、巻取軸5にボルト25などで固定し、このスラット部材2にシャッタースラット1を連結して構成したり、図7(a)に示すように、シャッタースラット1を巻取軸5に固定し、このシャッタースラット1にスラット部材2を連結させ、さらにこのスラット部材2にシャッタスラット1を連結させるなど、適宜組合せ、巻取軸5とシャッタカーテン3とを連結させる。このようなスラット本体7中途部が所定角度折曲したスラット部材2によれば、巻取軸5に巻回された状態での連結部分の径方向の突出長さが小さくなり、その外側に巻回されるシャッターカーテン3(シャッタースラット1)の裏面8に連結部分の外側が接触することがなく、損傷などを起こすことがない。
【0029】
次に、本発明のシャッタースラットの構造を構成するカバー29について説明する。
カバー29は、耐衝撃性,耐摩耗性に優れた硬質な合成樹脂材よりなり、シャッタースラット1の一方の係合部を被覆するように設けられる。本実施の形態のカバー29は、シャッタースラット1の下縁に位置する第一の係合部9の外側面9cを被覆する。
【0030】
このカバー29は、図1に示すように、第一の係合部9の外側面9cの外形状と同等の内側面を有した断面略C字状に形成されるとともに、この第一の係合部9の外側面9cを被覆する被覆部30と、被覆部30の端縁から延出し第一の係合部9cの係合縁13及び屈曲部12を被覆する略L字状の当接被覆部31とを備えた形状となっている。また、当接被覆部31と反対の側端縁には、断面略円形の膨出部32が形成されている。
【0031】
そして、このカバー29は、各シャッタースラット1同士を各係合部9,11にて連結する以前に、各シャッタースラット1の第一の係合部9に取り付けられる。この第一の係合部9に取り付けられた状態は、図3に示すように、膨出部32が、スラット本体7の裏面8と、第一の係合部9の外側面9cとの間の溝部15に嵌入され、スラット本体7の裏面8と第一の係合部9の外側面9cとの間隙に位置し、第一の係合部9の外側面9c全体を覆うとともに、この第一の係合部9の係合縁13及び屈曲部12を覆うようになっている。
【0032】
また、このカバー29が第一の係合部9に取り付けられた状態での各シャッタースラット1同士の連結状態は、図3及び図5に示すように、カバー29の当接被覆部31で覆われている屈曲部12の位置に、第二の係合部11の先端縁11aが当接し、この先端縁11aと係合縁13とで係合しあい、各シャッタースラット1が連結状態となる。すなわち、各シャッタースラット1の係合部分において、カバー29の当接被覆部31が介在することとなる。
【0033】
次に、上記構成のシャッタースラット1のシャッターカーテン組立手順について図8乃至図12を用いて説明する。
まず、シャッタースラット1の第一係合部9にカバー29を取り付ける。
カバー29は、シャッタースラット1と略同等の長さであり、シャッタースラット1の一方の端部より図8に示すようにスライドさせながら(図中矢線)溝部15に膨出部32を嵌入させるとともに、係合縁13に当接被覆部31を沿わせ、かつ、第一の係合部9の外側を被覆させるように装着させる。
装着されたカバー29は、図9に示すように、第一の係合部9の両端近傍に予め形成されている各切込み19間に配置される。
【0034】
次に、上記シャッタースラット1の下方に接続される他のシャッタースラット1の第二の係合部11を、図10に示すように、第一の係合部9に嵌入させ連結する。この第二の係合部11の第一の係合部9への嵌入手順においても、上記カバー29の取り付けと同様に、シャッタースラット1の長手方向端部よりスライドさせながら嵌入を行う。
【0035】
次に、図11に示すように、嵌入され互いが係合状態となって連結された各シャッタースラット1,1は、その第一の係合部9の両端に形成される切込み19より端縁側の部分である片状部分17を工具などを用いて図12に示すようにかしめ、この第一の係合部9の略半部を内方に突出させるように歪曲形成させる。
【0036】
これにより、この切込み19の端縁23に、隣接して連結された他のシャッタースラット1の第二の係合部11の当接端縁21が対向し、そして、この第二の係合部11の両端が、第一の係合部9の両端に位置する各切込み端縁23の間に配置されることとなり、第一の係合部9に対して第二の係合部11が長手方向のスライド移動を規制される。すなわち連結された各シャッタースラット1,1が、各係合部9,11による連結部分において互いに長手方向に抜け落ちることがない。
【0037】
従ってこのように構成されたシャッタースラットの構造でのシャッターカーテン3では、収納部に収納される際や収納部から繰り出される際に、各シャッタースラット1同士の連結部分にて図5に示すように可動するが、第一,第二の係合部9,11間において、カバー29が介在することから、各スラット1の素材である金属同士が擦れ合うことなく、樹脂素材による緩衝及び摺動が行われ、不快な音を発生させることがなく、すなわち、シャッターカーテン3の開閉時の騒音の低減化が図れる。
【0038】
また、シャッターカーテン3を巻き取り、巻回した状態では、内側面側(裏面8側)に各係合部9,11が図2に示すように突出するが、各シャッタースラット1の第一の係合部9の外側面9cにカバー29が被覆するように設けられることから、先に巻き取られているシャッタースラット1の表面には第一の係合部9が直接接触することなく、その外側を覆うカバー29が接触することとなり、すなわち金属同士が接触しないことから、順次巻き取られるシャッタースラット1は接触による傷や塗装面の剥離などが発生しない。
【0039】
さらに、上記したように、各シャッタースラット1の連結部分及び巻回状態におけるシャッタースラット1の表裏面の間の双方にカバー29が介在され、緩衝等が行われることから、シャッターカーテン3の巻き取りの際などの動作中に発生する巻き締めによる軋み音なども緩和されることとなる。
【0040】
そして、このような騒音の低減化が図れ、傷などを発生させないシャッタースラット1の構造を、シャッターカーテン3の製造工程である各スラット1の連結時にカバー29を挿入し介設させ、シャッタースラット1の一方の係合部である第一の係合部9にカバー29を被覆させるという容易な工程で実現させることができ、作業性の向上を図ることが可能であり、コスト低減にもなる。
【0041】
さらに、各シャッタースラット1の連結部分にカバー29を介在させたことにより、シャッターカーテン3で建物開口を閉鎖状態とした所謂全閉状態とした際における強風などによる揺れや煽りが発生しても、各スラット1の振動音(風振音)等が軽減され、すなわち、シャッターカーテン3の閉鎖状態における騒音も低減できることとなる。
【0042】
なお、上述した実施の形態では、シャッタースラット1の下縁を第一の係合部9とし上縁を第二の係合部11として、第一の係合部9にカバー29を設ける構成とした例について述べたが、シャッタースラット1の上縁を第一の係合部とし、ここにカバーを設ける構成としてもよく、また、シャッタースラット1の連結方向を上下ではなく、左右方向や水平方向など、その他の方向としてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるシャッタースラットの構造では、シャッターカーテンとして巻回され収納する際や、繰り出される際などの動作中に、各シャッタースラット同士の連結部分にて可動するが、第一,第二の係合部間において、カバーが介在することから、各スラットの素材である金属同士が擦れ合うことを防止し、合成樹脂素材による緩衝及び摺動が行われ、不快な音を発生させることを防止し、すなわち、シャッターカーテンの開閉時の騒音の低減化が図れるという効果を得られる。
【0044】
また、シャッターカーテンを巻き取り、巻回した停止中の状態では、巻回状態における内側面側である一方の面側に各係合部が突出するが、各シャッタースラットの第一の係合部の外側面にカバーが被覆するように設けられることから、先に巻き取られているシャッタースラットの表面には第一の係合部が直接接触することなく、その外側を覆うカバーが接触することとなり、すなわち金属同士が接触しないことから、順次巻き取られるシャッタースラットは接触による傷や塗装面の剥離などの発生を防止する。
【0045】
さらに、これらのことから、各シャッタースラットの連結部分及び巻回状態におけるシャッタースラットの表裏面の間の双方にカバーが介在され、緩衝等が行われることから、シャッターカーテンの巻き取りの際や繰り出しの際の動作中などに発生する巻き締めによる軋み音なども緩和されるという効果を得られる。
【0046】
そして、このような騒音の低減化が図れ、傷などの発生を防止したシャッタースラットの構造を、シャッターカーテンの製造工程である各スラットの連結時に、別体構成のカバーを挿入し介設させ、シャッタースラットの一方の係合部である第一の係合部にカバーを被覆させるという容易な工程で実現させることができ、作業性の向上を図ることが可能であり、コスト低減にもなる。
【0047】
また、各シャッタースラットを各係合部にて連結した後に、予め形成される切込みの位置から第一の係合部の端縁までを、切込みの深さの位置でスラット本体の一方の面側に工具などを用いてかしめるように折曲し、略C字状の第一の係合部を中途で折り曲げ歪曲形成し、この切込みにより端縁側を第一の係合部内方に突出させ、この切込み端縁に、隣接して連結された他のシャッタースラットの第二の係合部の当接端縁を対向させることとしたことで、第二の係合部の両端は、第一の係合部の両端に設けられた各切込み端縁の間に配置されることとなり、第一の係合部に対して第二の係合部が長手方向のスライド移動を規制され、すなわち連結された各シャッタースラットが互いに長手方向に抜け落ちることがなくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシャッタースラットの構造の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】同シャッタースラットより構成されるシャッターカーテンの側面図である。
【図3】同シャッタースラットの連結状態を示す側面図である。
【図4】(a)同シャッタースラットの端縁部分における側面図である。
(b)同シャッタースラットの端縁部分における背面図である。
【図5】同シャッタースラットの連結部分を拡大した側面図である。
【図6】同シャッタースラットより構成されるシャッターカーテンの巻回状態を示す側面図である。
【図7】同シャッタースラットより構成されるシャッターカーテンの巻回状態を示す側面図である。
【図8】同シャッタースラットの連結手順を示す斜視図である。
【図9】同シャッタースラットの連結手順を示す斜視図である。
【図10】同シャッタースラットの連結手順を示す斜視図である。
【図11】同シャッタースラットの連結手順を示す斜視図である。
【図12】同シャッタースラットの連結手順を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…シャッタースラット
3…シャッターカーテン
7…スラット本体
7a…一方の長辺部(下長辺部)
7b…他方の長辺部(上長辺部)
8…一方の面(裏面)
9…第一の係合部
9a…一方の開口縁部
9b…他方の開口縁部
9c…外側面
11…第二の係合部
11a…先端縁
12…屈曲部
13…係合縁
15…溝部
19…切込み
21…当接端縁
23…端縁(切込み端縁)
29…カバー
30…被覆部
31…当接被覆部
32…膨出部

Claims (5)

  1. 平板状に形成される短冊板形状のスラット本体が、長辺部同士で可動可能に連結されるシャッタースラットの構造であって、
    巻き取り時に内側面となるスラット本体の一方の面に突出し、該スラット本体の一方の長辺部に沿って形成され、該一方の長辺部を兼ねる一方の開口縁部と、該一方の開口縁部と対向する他方の開口縁部とを有し、該他方の開口縁部に前記一方の開口縁部より内方に向かって屈曲部を介して係合縁が延設され、隣接する他のシャッタースラットに向いて開口する奥拡がりな断面略C字形状の第一の係合部と、
    前記スラット本体の他方の長辺部に沿い、前記スラット本体の一方の面側に該スラット本体の板面に対して斜めに延出して形成され、隣接する他のシャッタースラットの第一の係合部の内側に嵌入するとともに、前記スラット本体の一方の面側に折り返し略V字状に折曲形成され、先端縁が前記第一の係合部内にて屈曲部に当接し前記係合縁と係合しあう第二の係合部と、
    前記第一の係合部の外側面を被覆する合成樹脂製のカバーと、
    を具備することを特徴とするシャッタースラットの構造。
  2. 前記カバーは、前記第一の係合部の外側面の外形状と同等の内側面を有した断面略C字状に形成される樹脂成形部材よりなることを特徴とする請求項1記載のシャッタースラットの構造。
  3. 前記カバーは、前記第一の係合部の外側面を被覆する被覆部と、前記第一の係合部の係合縁及び屈曲部を被覆する当接被覆部とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載のシャッタースラットの構造。
  4. 前記スラット本体の一方の面と前記第一の係合部の外側面との間に奥拡がりな溝部が形成されるとともに、前記カバーの一方の側端縁に膨出部が形成され、該膨出部が前記溝部に嵌入することを特徴とする請求項1又は2又は3記載のシャッタースラットの構造。
  5. 前記シャッタースラットの長手方向端縁部分における第一の係合部の前記シャッタースラット端縁から長手方向所定距離の位置に、シャッタースラットの長手方向に直交して該第一の係合部の前記係合縁側略半部に達する切込みが設けられ、切込み端縁を形成し、
    前記第二の係合部を前記切込みに対応する位置から端縁までを切欠き、当接端縁を形成し、
    前記第一の係合部の係合縁側略半部を前記スラット本体の一方の面側に折曲し、第一の係合部を歪曲形成して、前記切込み端縁を第一の係合部内方に突出させ、
    前記当接端縁と隣接する他のシャッタースラットの第一の係合部の切込み端縁とを当接させることを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載のシャッタースラットの構造。
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