JP3867245B2 - シャッター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右のガイドレールに沿ってシャッターカーテンを昇降自在に設けたシャッターに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に開示されたシャッターが知られている。
このシャッターは、左右のガイドレールに沿ってシャッターカーテン(スラットカーテン)を昇降自在に設け、このシャッターカーテンを巻き取り、繰り出しするようにしたものである。
かかるシャッターにおいては、シャッターカーテンを下降して閉塞状態の際に、風などの外力が加わり撓み、シャッターカーテンがガイドレールから抜け出て外れることがある。
このことを防止するために、前述のシャッターにおいては、シャッターカーテンを構成するスラットの両側端部に抜止片を設け、シャッターカーテンが撓んだ際に、この抜止片のフック部がガイドレールの内縁に設けられた受部(突条部)に係合させることで、抜け止めするようにしている。
【0003】
特許文献2に開示されたシャッターは、シャッターカーテンを構成するスラットの両側端部に可撓性を有した連結体を取付け、この連結体に抜止片(規制爪片)を取付け、この抜止片のフック部をガイドレールの内縁に設けた受部(係合突片)に係合させることで抜け止めするようにしている。
【0004】
【特許文献1】
実開昭62−85688号公報
【特許文献2】
特開平10−184234号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されたシャッターにおいては、その抜止片が取付部とフック部とでスラットの表面に対して略直角に折曲した形状であるから、シャッターカーテンを巻き取り、巻回状態とした際に抜止片相互(一方の抜止片の取付部と他方の抜止片のフック部)が干渉し、スラット同士に大きな隙間が生じるから、シャッターカーテンの巻径が大きい。
前述のように、シャッターカーテンの巻径が大きいとそのシャッターカーテンを収納するシャッターケースが大型となるので好ましくない。
【0006】
前述のことを解消するために、抜止片のフック部の見込み寸法を短かくして一方の抜止片の取付部と他方の抜止片のフック部が干渉しないようにすることが考えられるが、このようにするとフック部と受部の見込み方向の重なり寸法が小さくなり、シャッターカーテンが撓んだ際にフック部がガイドレールの受部に係合せずに抜け止めできないことがある。
また、フック部を短かくした分だけガイドレールの受部を長くして両者の見込み寸法を大きくすればシャッターカーテンが撓んだ際にフック部が受部に係合して抜け止めできるが、このようにすると抜止片の取付部と受部との間の隙間が小さくなるので、シャッターカーテンが室内側に僅かに移動すると直ちに抜止片の取付部が受部に衝突してしまうので好ましくない。
【0007】
特許文献2に開示されたシャッターであれば、シャッターカーテンを巻き取り、巻回状態とした際に抜止片相互が干渉すると連結体が変形するのでスラット相互間に隙間が生じることがないから、巻径が大きくならない。
しかし、可撓性を有する連結体を用いているから部品点数が多くコストが高いし、連結体と抜止片の連結作業と連結体をスラットに連結する作業を必要とするから係止片の取付け作業が面倒である。
また、連結体を変形するための力が必要で、その力だけシャッタースラットの巻き取り力が大きくなり、人力で巻き取る場合には労力が大となるし、モータで巻き取る場合には出力トルクの大きなモータが必要となる。
【0008】
本発明は前述の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、シャッターカーテンの巻径を小さくできること、シャッターカーテンがガイドレールから抜け出すことを確実に防止できること、抜止片のガイドレールに対する室内側への移動量を大きくできること、コスト安であること、抜止片を簡単に取付けできること、シャッターカーテンの巻き取り力が小さいこと、を満足したシャッターを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、左右のガイドレール1に沿ってシャッターカーテン2を昇降自在に設け、そのシャッターカーテン2を巻き取り・繰り出して昇降するシャッターにおいて、
前記シャッターカーテン2を構成するスラット4の両側端部に抜止片20がそれぞれ取付けられ、
前記各ガイドレール1内部に受部30が設けられ、
前記抜止片20は、スラット4に取付けられる取付部21と、前記シャッターカーテン2が撓んだ際に前記受部30に係合するフック部22を備え、
前記取付部21は、スラット4の表面と平行な直線状で、そのスラット4に取付けられた基端部分21bと、この基端部分21bよりも見込み方向室内側寄りの先端部分21aを有し、
前記フック部22は、取付部21の先端部分21aに、当該抜止片20同志が重なり合った際に一方の抜止片20の先端部分21aと他方の抜止片20のフック部22が対向するように設けられ、
前記取付部21の基端部分21bが前記受部30と見込み方向に対向し、かつ先端部分21aは前記受部30よりも見付け方向外側に位置することを特徴とするシャッターである。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において抜止片20の取付部21における先端部分21aは、スラット4の表面と平行な直線状の基端部分21bと連続し見込み方向室内側に向う第1片23と、この第1片23と連続し見付け方向外側に向い、スラット4の表面と平行な直線状の第2片24でほぼ鉤形状で、この第2片24にフック部22が設けられているシャッターである。
【0011】
第3の発明は、第1の発明において抜止片20の取付部21における先端部分21aは、スラット4の表面と平行な直線状の取付部と連続し、かつ見込み方向室内側に向けて斜めで、その先端部分21aにフック部22が設けられ、抜止片同志が重なり合った際に一方の抜止片の斜めである先端部分と他方の抜止片のフック部が対向するようにしてあるシャッターである。
【0012】
【作用】
第1の発明によれば、シャッターカーテン2を巻き取った巻回状態で重なり合った抜止片20は、一方の抜止片20の取付部21におけるスラット4に取付けられる取付部分21bよりも見込み方向室内側寄りの先端部分21aと、他方の抜止片20のフック部22が対向するので、抜止片20相互の干渉代が小さい。
【0013】
また、取付部21の先端部分21aを基端部分21bよりも見込み方向室内側寄りとし、その先端部分21aを受部30よりも見付け方向外側に位置させたので、フック部22と受部30との見込み方向重なり寸法Lが大きく、係止片20の取付部21における基端部分21bが受部30と見込み方向に対向させたので、抜止片20と受部30との間の隙間Sが大きい。
【0014】
また、取付部21とフック部22を備えた抜止片20をスラット4に取付ければ良いので、部品点数が少なくコスト安であると共に、抜止片20を簡単に取付けできる。
しかも、各スラット4が重なり合うようにして巻き取るだけであるから、シャッターカーテン2を小さな巻き取り力で巻き取りできる。
【0015】
第2の発明によれば、一方の抜止片20の第2片24と他方の抜止片20のフック部22が対向する。
【0016】
第3の発明によれば、一方の抜止片20の斜めの先端部分21aに他方の抜止片20のフック部22が対向する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1と図2に示すように、シャッターは、左右(見付け方向一対)のガイドレール1に沿ってシャッターカーテン2が昇降自在に設けられ、そのシャッターカーテン2を巻取り軸3で巻き取ることで上昇して開放状態となり、繰り出しすることで下降して閉塞状態となる。
前記シャッターカーテン2は複数のスラット4を連結したもので、その最上部のスラット4が巻取り軸3に連結され、最下部のスラット4に座板5が連結してある。
【0018】
この実施の形態では、上枠10と下枠11と左右の縦枠12を連結したサッシ枠13の左右の縦枠12の室外側部にガイドレール1が取付けられて窓用のシャッターを構成している。前記ガイドレール1と縦枠12が一体であっても良い。これに限ることはなく、建物出入口の左右縦縁に左右のガイドレール1を取付け、そのガイドレール1に沿ってシャッターカーテン2を昇降自在とした車庫、店舗などの出入口用のシャッターでも良い。
前記巻取り軸3はシャッターケース6内に設けてある。このシャッターケース6は前記サッシ枠13の上部に取付けてある。
【0019】
図2に示すように、前記スラット4の両側端部(長手方向両端部)に抜止片20がそれぞれ取付けてある。
前記ガイドレール1内部に受部30が設けてある。つまり、室内側内面から室外側に向けて設けてある。
前記抜止片20は、取付部21と、この取付部21の先端部に設けたフック部22でスラット4の表面に対して略鉤形状に折曲している。この取付部21の基端部分がスラット4に取付けられてフック部22が受部30よりも見付け方向外側(スラット4と反対側)に位置している。
そして、シャッターカーテン2が撓んだ際に、フック部22が受部30に係合して抜け出しを防止する。
【0020】
前記抜止片20の取付部21は図3に示すように、その先端部分21aが基端部分21bよりも見込み方向室内側寄りで、抜止片20同志が重なり合った際に図4に示すように、一方のスラット4(内側のスラット4)に取付けた一方の抜止片20における取付部21の先端部分21aに他方のスラット4(外側のスラット4)に取付けた他方の抜止片20のフック部22が対向するようにしてある。
このようであるから、抜止片20相互の干渉代(干渉寸法)が取付部21の基端部分21bと先端部分21aの見込み方向の位置ずれ寸法Lだけ小さく、スラット4同士の間に生じる隙間が前述の位置ずれ寸法Lだけ小さい。
よって、シャッターカーテン2を巻き取りした巻回状態の巻径が小さい。
なお、前述の位置ずれ寸法Lを大きくすることで一方のスラット4の抜止片20の取付部21の先端部分21aと他方のスラット4の抜止片20のフック部22が干渉しないようにすることも可能である。
【0021】
また、取付部21の先端部分21aを基端部分21bよりも見込み方向室内側寄りとしただけであるから、フック部22と受部30との見込み方向重なり寸法寸法Lが大きくシャッターカーテン2が撓んだ際にフック部22が受部30に係合して抜け止めできるし、抜止片20と受部30との間の隙間Sが大きく、シャッターカーテン2の室内側への移動量が大きい。
つまり、図3に仮想線で示すように取付部21の先端部分21bと基端部分21aを一直線状として両者が見込み方向同一位置とした抜止片20に比べて、その先端部分21aが基端部分21bよりも見込み方向室内側寄りであることが相違し、他の形状は同一であって、前述の従来技術で述べたようにただ単にフック部22を短かくし、受部30を長くしたものではないから、前述のように隙間Sが大きく、移動量が大きい。
【0022】
図3に示す実施の形態では、抜止片20の取付部21における基端部分21bがスラット4の表面と平行な直線状で、先端部分21aが基端部分21bと連続し見込み方向室内側に向う第1片23と、この第1片23と連続し見付け方向外側に向う第2片24で鉤形状である。この第2片24がフック部22と対向し、抜止片20同士が重なり合った際に一方の抜止片20の第2片24に他方の抜止片20のフック部22(後述する爪片22b)が対向する。
前記第1片23が基端部分21bの端部と連続し、第2片24の先端部にフック部22が設けてあり、フック部22は段落ちしている。
前記フック部22は見込み方向室内側に向う片22aと、その室内側端部に設けられ、見付け方向内側に向う爪片22bで鉤形状である。
前記受部30は見込み方向室外側に向う片30aと、その室外側端部に設けられ見付け方向外側に向う受片30bを備えている。
前記受片30bが取付部21の基端部分21aと対向し、前記爪片22bはこの受片30bよりも見込み方向室内側寄りで、シャッターカーテン2が撓んだ際に爪片22bが受片30bに係合する。
【0023】
次に、ガイドレール1、スラット4、抜止片20の具体形状を説明する。
図5に示すように、ガイドレール1は見込み方向に開口した凹部14を有し、その開口端縁にモヘヤ等の消音材15が対向してそれぞれ装着してあり、シャッターカーテン2が室内側に移動するとスラット4が消音材15に接して消音する。
前記凹部14の室内側内面14aに受部30が設けてある。
前記スラット4は板状の本体40と、その上下端縁に設けた第1連結片41と第2連結片42を備え、この第1連結片41と第2連結片42は回動自在に嵌まり合う形状、例えばほぼ円孤形状である。
そして、図1に示すように第1・第2連結片41,42が巻取り軸3に接すると共に、一方のスラット4の本体40と他方のスラット4の第1・第2連結片41,42が接するようにして巻き取られる。
【0024】
前記抜止片20の取付部21の基端部分21bの端部には押え片25が切り起して形成してあり、この押え片25と基端部分21bで本体40を挟持するように取付ける。
そして、前記本体40と基端部分21bに亘ってリベット43を打ち込んで連結する。なお、前記本体40の孔と基端部分21bの孔にリベット43を挿入してカシメることで連結しても良い。
【0025】
そして、シャッタースラット2を巻き取って巻回状態とした時に抜止片20相互が図1に示すように重なり合うが、図6に示すように一方の抜止片20の取付部21における第2片24に他方の抜止片20のフック部22における爪片22bが干渉することになり、その干渉代は図6で斜線で示す部分となる。
これに対して、取付部21を一直線状とした場合には図7に示すように一方の抜止片20の取付部21に他方の抜止片20のフック部22の爪片22bが干渉することになり、その干渉代は図7で斜線で示す部分となってしまう。
なお、図6と図7は干渉代を説明するために2つの抜止片20をオーバーラップして図示してあるが、実際には斜線部分だけ離隔して接する。
【0026】
次に、第2の実施の形態を説明する。
図8に示すように、抜止片20の取付部21における先端部分21aを見込み方向室内側に向けて斜めとし、取付部21をほぼく字形状とすることで、その先端部分21aを基端部分21bよりも見込み方向室内側寄りとする。
他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0027】
このようにすることで、重なり合う2つの抜止片20は、図9に示すように一方の抜止片20の先端部分21aに他方の抜止片20の爪片22bが対向するから、第1の実施の形態と同様にシャッターカーテン2の巻回状態の巻径を小さくできる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、シャッターカーテンを巻き取った巻回状態で重なり合った抜止片は、一方の抜止片の取付部におけるスラットに取付けられる取付部分よりも見込み方向室内側寄りの先端部分と他方の抜止片のフック部が対向するので、抜止片相互の干渉代が小さい。
よって、シャッターカーテンを巻き取りした巻回状態の巻径が小さい。
【0029】
また、取付部の先端部分を基端部分よりも見込み方向室内側寄りとし、その先端部分を受部よりも見付け方向外側に位置させたので、フック部と受部との見込み方向重なり寸法が大きく、係止片の取付部における基端部分が受部と見込み方向に対向させたので、抜止片と受部との間の隙間が大きい。
よって、シャッターカーテンが撓んだ際にフック部が受部に係合するから、シャッターカーテンのガイドレールからの抜け出しを確実に防止できるし、シャッターカーテンの室内側への移動量を大きくできる。
【0030】
また、取付部とフック部を備えた抜止片をスラットに取付ければ良いので、部品点数が少なくコスト安であると共に、抜止片を簡単に取付けできる。
しかも、各スラットが重なり合うようにして巻き取るだけであるから、シャッターカーテンを小さな巻き取り力で巻き取りできる。
【0031】
請求項2に係る発明によれば、シャッターカーテンを巻き取った巻回状態で、一方の抜止片の第2片と他方の抜止片のフック部が対向する。
【0032】
請求項3に係る発明によれば、シャッターカーテンを巻き取った巻回状態で、一方の抜止片の斜めの先端部分に他方の抜止片のフック部が対向する。
【図面の簡単な説明】
【図1】シャッターの縦断面図である。
【図2】シャッターの横断面図である。
【図3】スラットのガイド部分の拡大図である。
【図4】抜止片が重なり合った状態の説明図である。
【図5】ガイドレール、スラット、抜止片の分解斜視図である。
【図6】巻回状態における重なり合った抜止片の干渉代の説明図である。
【図7】重なり合った抜止片の干渉代の対比説明図である。
【図8】抜止片の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図9】抜止片が重なり合った状態の説明図である。
【符号の説明】
1…ガイドレール、2…シャッターカーテン、3…巻取り軸、4…スラット、20…抜止片、21…取付部分、21a…先端部分、21b…基端部分、22…フック部、23…第1片、24…第2片、30…受部。

Claims (3)

  1. 左右のガイドレールに沿ってシャッターカーテンを昇降自在に設け、そのシャッターカーテンを巻き取り・繰り出して昇降するシャッターにおいて、
    前記シャッターカーテンを構成するスラットの両側端部に抜止片がそれぞれ取付けられ、
    前記各ガイドレール内部に受部が設けられ、
    前記抜止片は、スラットに取付けられる取付部と、前記シャッターカーテンが撓んだ際に前記受部に係合するフック部を備え、
    前記取付部は、スラットの表面と平行な直線状で、そのスラットに取付けられた基端部分と、この基端部分よりも見込み方向室内側寄りの先端部分を有し、
    前記フック部は、取付部の先端部分に、当該抜止片同志が重なり合った際に一方の抜止片の先端部分と他方の抜止片のフック部が対向するように設けられ、
    前記取付部の基端部分が前記受部と見込み方向に対向し、かつ先端部分は前記受部よりも見付け方向外側に位置することを特徴とするシャッター。
  2. 抜止片の取付部における先端部分は、スラットの表面と平行な直線状の基端部分と連続し見込み方向室内側に向う第1片と、この第1片と連続し見付け方向外側に向い、スラットの表面と平行な直線状の第2片でほぼ鉤形状で、この第2片にフック部が設けられている請求項1記載のシャッター。
  3. 抜止片の取付部における先端部分は、スラットの表面と平行な直線状の取付部と連続し、かつ見込み方向室内側に向けて斜めで、その先端部分にフック部が設けられ、抜止片同志が重なり合った際に一方の抜止片の斜めである先端部分と他方の抜止片のフック部が対向するようにしてある請求項1記載のシャッター。
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