JP2004084141A - 印刷用塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原紙上に顔料とラテックスバインダーを主成分とする塗工層を設けた印刷用塗工紙において、原紙に分子量が20000以下であるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を両面あたり1.0〜2.0g/m2付着させてなり、該塗工層を形成する顔料として軽質炭酸カルシウムを30質量%以上含有し、かつブリストー法による吸収時間0.7秒の時のインク転移量が9.0ml/m2以上であり、好ましくは、塗工層中のラテックスバインダーがACNを20質量%以上含有するSBRラテックスであることを特徴とする印刷用塗工紙。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用塗工紙に関するものであり、さらに詳しくは、オフセット印刷用塗工紙としての適性を損なうことなく、高速輪転インクジェットプリンティングシステムにおいて、良好なインクセット性および画像耐水性を有する印刷用塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、記録方式としては水溶性インクによるインクジェット記録が目覚ましい進歩を遂げ、急速に普及しつつある。インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として種々の用途において急速に普及している。さらに、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。また、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
さらに最近では、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムも開発され、宛名書き印刷、顧客情報印刷、ナンバリング印刷、バーコード印刷などのオンデマンドプリンティング用途にも利用されている。このインクジェット記録方式とオフセット印刷を組み合わせ、フルカラーの固定情報はあらかじめオフセット印刷しておき、可変情報をインクジェット印字する用途が増えつつあり、このような用途において使用できるオフセット印刷用塗工紙が要望されている。
【0004】
しかしながら、従来のオフセット印刷用塗工紙をこのような用途に使用した場合、水性インクに対するインクセット性が悪いために印字後にこすれ汚れが発生し、これを回避するためには印刷速度を極端に遅くする必要があり、作業性を著しく低下させていた。
【0005】
即ち、当該印刷用塗工紙としては、従来のオフセット印刷塗工紙としての適性を損なうことなく、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムにおいて、150m/min以上の印刷速度でも十分なインクセット性を有することが要求される。
【0006】
インクジェット記録におけるインクセット性を改良するために、単純に塗工層のバインダーを減量させるなどの手段を用いた場合、インクジェット記録におけるインクセット性は改良されるが、塗工層表面強度の低下を招きオフセット印刷でのブランパイリング発生などのトラブルを引き起こす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、従来のオフセット印刷用塗工紙としての適性を損なうことなく、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムにおいて、インクセット性を満足する印刷用塗工紙は得られていないのが現状である。
【0008】
さらに、インクジェット記録に使用されるインクは水溶性染料インクであり、記録後の画像が何らかの理由により水に曝された場合にインク染料が流れ出すことがあり、用途によってはインク染料が流れ出ないこと(画像耐水性)が要求されることもある。
【0009】
即ち、本発明の目的は、印刷用塗工紙において、次の課題を満足させることである。
1.オフセット印刷適性が良いこと。
2.輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムにおいて、良好なインクセット性を有すること。
3.インクジェット記録された画像が水に曝された場合にも、インク染料が流れ出すことがなく、記録画像が判読可能であること。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記に鑑み鋭意研究した結果、塗工前の原紙をあらかじめ特定のカチオン性樹脂で処理することにより、また、塗工層の含有成分を特定することにより、さらには、ブリストー法によるインクの転移量を特定の範囲に制御することにより、課題を満足する印刷用塗工紙を発明するに至った。
【0011】
即ち、本発明の印刷用塗工紙は、原紙上に顔料とラテックスバインダーを主成分とする塗工層を設けた印刷用塗工紙において、原紙に分子量が20000以下であるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を両面あたり1.0〜2.0g/m2付着させてなり、該塗工層を形成する顔料として軽質炭酸カルシウムを30質量%以上含有し、且つブリストー法)による吸収時間0.7秒の時のインク転移量が9.0ml/m2以上であることを特徴とするものである。
【0012】
また、塗工層中のラテックスバインダーが、アクリロニトリル(以下、ACNと略す。)を20質量%以上含有するSBRラテックスであることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷用塗工紙について、詳細に説明する。
【0014】
本発明で使用されるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物は、カチオン性樹脂の一種である。インクジェット記録方式に用いられる直接染料や酸性染料を含有する水溶性インクの画像耐水性を向上させるためには、染料のアニオン性部分とカチオン性物質の反応による染料の定着が耐水化処理には有効である。
【0015】
一般的に使用されるカチオン性樹脂は、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーであり、好ましくは、オリゴマーまたはポリマーである。特に、本発明においては、アルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物が用いられる。
【0016】
アルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物の分子量は20000以下であり、好ましくは10000以下であることが望ましい。分子量が20000より大きい場合、十分な画像耐水性を得ることが出来ない。この理由については定かではないが、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムに使用されるインクは、比較的分子の大きいアニオン性染料であり、カチオン性樹脂との定着機構は染料分子の周りに定着剤が付着すると推定され、よって染料を効率よく定着するには、より低分子量が好ましいと考えられる。
【0017】
カチオン性樹脂の乾燥付着量は、1.0〜2.0g/m2の範囲が好ましく、この範囲より少ないと十分な画像耐水性は得られず、この範囲より多くても構わないが、それ以上の画像耐水性向上の効果も得られず、コストの点からも好ましくない。
【0018】
カチオン性樹脂を付着させる方法としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーターの他、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することも可能であるが、コストの点からは抄紙機に設置されているサイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーターなどオンマシンで付着させるのが好ましい。
【0019】
アルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物の効果を効率よく発揮させるには、原紙より塗工層に含有させた方が良いと考えられるが、塗工層に含有させる場合、他のアニオン性薬剤との反応により塗液が凝集することがあり、薬品の添加方法などを工夫して凝集が起きない場合でも、塗液の粘度の上昇、コーター操業性の悪化を招くことがあるので実用上は困難である。
【0020】
さらに、原紙に含有しているアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物の性能を効率よく発揮させるには、塗工層はなるべくインクを吸収せずに、インクを透過させ原紙内部でインクを吸収させた方が良いが、塗工層のインク吸収性が悪い場合、下記の如く転写汚れが発生し、また、塗工層のインク吸収性が良すぎる場合、塗工層のみでインクを吸収してしまい、インク染料の耐水化の面からは好ましくない。
【0021】
本発明で言うブリストー法とは、J.TAPPI No.51−87に規定される紙および板紙の液体吸収性試験方法であり、本発明の印刷用塗工紙は、吸収時間が0.7秒の時、インク転移量が9.0ml/m2以上である。ここで、9.0ml/m2より小さい場合、即ちインク吸収性が悪い場合、150m/min以上の印刷速度で行われるインクジェット記録において、印字されたインクが補助乾燥装置で完全に乾燥されずに補助乾燥装置直後に設けられた金属ロールに転写し、その転写したインクが用紙に再転写して汚れを引き起こすこととなる。
【0022】
本発明の塗工層中の軽質炭酸カルシウムは、好ましくは、吸油量が50g/100g以上であり、顔料として30質量%以上含有することにより、また、バインダーはラテックスバインダーであり、澱粉やPVA(ポリビニルアルコール)などの水溶性バインダーを含有しないことにより、本発明の効果を発揮できる。
【0023】
水溶性バインダーを含有した場合、塗工層のドライ強度は得られるものの、インク吸収性と塗工層のウェット強度のバランスを取ることが困難となる。この理由は、インク吸収性が良い場合、オフセット印刷試験時の水の吸収性も良く、塗工層内部に浸透した水により水溶性バインダーがより再膨潤しやすく、塗工層のウェット強度が低下するためと思われる。
【0024】
また、塗工層中のラテックスバインダーをACN含有量20質量%以上のSBRラテックスとすることにより、より効果があることが判明した。理由は明確ではないが、SBRラテックス中のACN比率が高いほど塗工層の強度は高くなる傾向があり、ACN比率が少ない場合に比べ添加量が減らせるため、その効果としてインク吸収性が良くなることが一つの要因であると思われる。
【0025】
本発明のラテックスバインダーとして、ラテックスのベースに用いることのできるものとしては、スチレン・ブタジエンラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル共重合体、酢酸ビニル・アクリル共重合体、ブタジエン・メチルメタクリル共重合体、酢酸ビニル・ブチルアクリレート共重合体などの共重合体ラテックスが挙げられる。
【0026】
また、本発明で用いることができる顔料としては、軽質炭酸カルシウムの他、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。例えば、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料などが挙げられる。
【0027】
本発明に用いられる原紙は、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプや軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤が使用でき、酸性、中性、アルカリ性などで抄造したものが使用できる。
【0028】
本発明による塗工組成物を原紙に塗工する方法は、特に限定するものではなく、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショートドゥェルコーターなどの各種塗工装置を用いることが可能である。
【0029】
本発明において、紙料中には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することもできる。
【0030】
また、本発明の印刷用塗工紙は、オフセット印刷のみならずグラビア印刷や他の印刷方式に用いることも可能であり何ら制限しない。さらには、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムの他、市販のインクジェットプリンターなどのインクジェットシステムに用いることも可能である。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り、質量部および質量%を示す。
【0032】
<原紙1の作製>
濾水度450mlcsfのLBKP90部、濾水度500mlcsfのNBKP10部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)7部、両性澱粉(商品名:Cato3210、日本NSC社製)0.8部、硫酸バンド0.8部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.04部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で酸化澱粉(商品名:MS#3800、日本食品化工社製)を乾燥付着量で3g/m2、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)を乾燥付着量で1.5g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量75g/m2の原紙1を作製した。
【0033】
<原紙2の作製>
原紙1のジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)をジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス31A、分子量4500、里田化工社製)とした以外は、原紙1と同様にして、原紙2を作製した。
【0034】
<原紙3の作製>
原紙1のジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)をジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:AGEFLOC B50LV、分子量15000、JPNケミカル社製)とした以外は、原紙1と同様にして、原紙3を作製した。
【0035】
<原紙4の作製>
原紙1のジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)をジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:パピオゲンP−105、分子量20000、センカ社製)とした以外は、原紙1と同様にして、原紙4を作製した。
【0036】
<原紙5の作製>
原紙1のジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)の乾燥付着量を0.8g/m2とした以外は、原紙1と同様にして、原紙5を作製した。
【0037】
<原紙6の作製>
原紙1のジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)の乾燥付着量を1.0g/m2とした以外は、原紙1と同様にして、原紙6を作製した。
【0038】
<原紙7の作製>
原紙1のジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)の乾燥付着量を2.0g/m2とした以外は、原紙1と同様にして、原紙7を作製した。
【0039】
<原紙8の作製>
原紙1のジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)をジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:AGEFLOC B50、分子量30000、JPNケミカル社製)とした以外は、原紙1と同様にして、原紙8を作製した。
【0040】
<原紙9の作製>
原紙1のジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)をジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:パピオゲンP−104、分子量40000、センカ社製)とした以外は、原紙1と同様にして、原紙9を作製した。
【0041】
<原紙10の作製>
原紙1のジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)を付着させなかった以外は、原紙1と同様にして、原紙10を作製した。
【0042】
実施例1
1級カオリン(商品名:ラストラ、エンゲルハード社製)30部と軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123、吸油量110〜130g/100g、奥多摩工業社製)70部からなる顔料に対し、SBRラテックス(商品名:PA−0139、ACN量25%、日本A&L社製)13部を配合した塗工液を塗工量12〜13g/m2となるよう原紙1上にブレードコーターで両面塗工し、白紙光沢値が20〜40%となるようスーパーカレンダー処理をして実施例1の印刷用塗工紙とした。
【0043】
実施例2
実施例1の原紙1を原紙2に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の印刷用塗工紙を作製した。
【0044】
実施例3
実施例1の原紙1を原紙3に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の印刷用塗工紙を作製した。
【0045】
実施例4
実施例1の原紙1を原紙4に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の印刷用塗工紙を作製した。
【0046】
実施例5
実施例1の原紙1を原紙6に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の印刷用塗工紙を作製した。
【0047】
実施例6
実施例1の原紙1を原紙7に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の印刷用塗工紙を作製した。
【0048】
実施例7
実施例1の顔料配合を1級カオリン(商品名:ラストラ、エンゲルハード社製)50部と軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123、吸油量110〜130g/100g、奥多摩工業社製)50部とし、SBRラテックスの添加量を12部とした以外は、実施例1と同様にして実施例7の印刷用塗工紙を作製した。
【0049】
実施例8
実施例1の顔料配合を1級カオリン(商品名:ラストラ、エンゲルハード社製)50部と重質炭酸カルシウム(商品名:エスカロン#1500、吸油量30〜35g/100g、三共精粉社製)20部と軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123、吸油量110〜130g/100g、奥多摩工業社製)30部とし、SBRラテックスの添加量を11部とした以外は、実施例1と同様にして実施例8の印刷用塗工紙を作製した。
【0050】
実施例9
実施例1のSBRラテックスを(商品名:P−6495、ACN量10%、日本A&L社製)14部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例9の印刷用塗工紙を作製した。
【0051】
実施例10
実施例7のSBRラテックスを(商品名:P−6495、ACN量10%、日本A&L社製)13部とした以外は、実施例7と同様にして、実施例10の印刷用塗工紙を作製した。
【0052】
実施例11
実施例8のSBRラテックスを(商品名:P−6495、ACN量10%、日本A&L社製)12部とした以外は、実施例8と同様にして、実施例11の印刷用塗工紙を作製した。
【0053】
比較例1
実施例1の原紙1を原紙10に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例1の印刷用塗工紙を作製した。
【0054】
比較例2
実施例1の原紙1を原紙8に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例2の印刷用塗工紙を作製した。
【0055】
比較例3
実施例1の原紙1を原紙9に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例3の印刷用塗工紙を作製した。
【0056】
比較例4
実施例1の原紙1を原紙5に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例4の印刷用塗工紙を作製した。
【0057】
比較例5
実施例1の顔料配合を1級カオリン(商品名:ラストラ、エンゲルハード社製)50部、重質炭酸カルシウム(商品名:エスカロン#1500、吸油量30〜35g/100g、三共精粉社製)30部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123、吸油量110〜130g/100g、奥多摩工業社製)20部とし、SBRラテックス(商品名:P−6495、ACN量10%、日本A&L社製)を11部とした以外は、実施例1と同様にして、比較例5の印刷用塗工紙を作製した。
【0058】
比較例6
実施例1の顔料配合を1級カオリン(商品名:ラストラ、エンゲルハード社製)50部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123、吸油量110〜130g/100g、奥多摩工業社製)50部とし、SBRラテックス(商品名:P−6495、ACN量10%、日本A&L社製)を11部、水溶性バインダーとして燐酸エステル化澱粉(商品名:MS#4600、日本食品化工社製)3部を加えた以外は、実施例1と同様にして、比較例6の印刷用塗工紙を作製した。
【0059】
上記により作製した実施例1〜11および比較例1〜6の印刷用塗工紙について、次に記載したブリストー、インクセット性、画像耐水性、ドライピック強度、ウエットピック強度、オフセット印刷適性について評価を行い、その結果を表1に示した。なお、表中のカチオン性樹脂で、A・Eはアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物を現し、A・A・Eはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を表す。
【0060】
<ブリストー>
J.TAPPI No.51−87に準じ、吸収時間0.7秒の時(スリット幅0.5mm、紙の移動速度0.7mm/秒)のインク転移量(ml/m2)を測定した。インクはサイテックス1007黒インクを使用した。
【0061】
<インクセット性>
ミヤコシ製高速インクジェットプリンティングシステムscitex6240で、使用インク:サイテックス1007黒インク、補助乾燥装置:富士電波工機製高周波乾燥機(発信周波数27.12MHz、出力7.5kW)2パスの条件で評価画像を印字した。印刷速度は、50〜200m/minまで、10m/min刻みで印刷を行い、インクの転写汚れが発生しないで印刷できる上限の速度で表記した。実用上150m/min以上が必要である。
【0062】
<画像耐水性>
インクジェット記録後のシートを水道水中に30秒間浸漬した後、余分な水分を濾紙で吸い取り自然乾燥した。その後、記録画像の滲みの程度を目視で評価した。Aは画像の滲みが無く特性が良好、Bは若干滲みがあるが実用上問題ない範囲で特性が良好、Cは滲みがあり実用上問題あり、Dは滲みの程度が酷く特性不良を示す。
【0063】
<ドライピック強度>
RI印刷機(明製作所)を用いて、IPIインキにより印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視判定した。5段階評価で5が最も良く、1が最も悪い水準であり、3が許容限度である。
【0064】
<ウェットピック強度>
RI印刷機(明製作所)を用いて、試験片に水を付着させた後、IPIインキにより印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視判定した。5段階評価で5が最も良く、1が最も悪い水準であり、3が許容限度である。
【0065】
<オフセット印刷適性>
ミヤコシ製オフセットフォーム輪転機で、印刷速度:150m/min、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で6000mの印刷を行い、 印刷後ブランパイリングの状況、印刷サンプルの状態について目視の判定を行った。Aは特性が良好、Bは実用上問題ない範囲で良好、Cは実用上問題あり、Dは特性が不良を示す。
【0066】
【表1】
【0067】
上記表1の実施例1〜11の結果から明らかなように、原紙に分子量が20000以下であるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を両面あたり1.0〜2.0g/m2付着させてなり、塗工層を形成する顔料として軽質炭酸カルシウムを30質量%以上含有し、且つブリストーの吸収時間0.7秒の時のインク転移量が9.0ml/m2以上である本発明の印刷用塗工紙は、インクジェットでのインクセット性、画像耐水性に優れ、オフセット印刷適性も良好である。さらに、塗工層中のバインダーをACN含有量が20質量%以上のSBRラテックスとすることにより、インクジェット記録でのインクセット性やオフセット印刷適性に優れることがわかる。
【0068】
また、比較例1〜6で明らかなように、原紙にアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を含まないもの、また、含んでいても付着量が1.0g/m2未満のもの、分子量が20000を超えるものは、画像耐水性に劣り、軽質炭酸カルシウムの含有量が30質量%未満の場合や水溶性バインダーを含有する場合、塗工層強度とインクセット性のバランスが取れないことがわかる。
【0069】
【発明の効果】
本発明では、原紙に分子量が20000以下であるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を両面あたり1.0〜2.0g/m2付着させてなり、塗工層を形成する顔料として軽質炭酸カルシウムを30質量%以上含有し、且つブリストー法による吸収時間0.7秒の時のインク転移量を9.0ml/m2以上とすることにより、さらに、好ましくは、塗工層中のラテックスバインダーとしてACNを20質量%以上含有するSBRラテックスとすることにより、オフセット印刷適性を損なうことなく、インクジェットでのインクセット性や画像耐水性に優れた印刷用塗工紙を得ることが出来た。
Claims (2)
- 原紙上に顔料とラテックスバインダーを主成分とする塗工層を設けた印刷用塗工紙において、原紙に分子量が20000以下であるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を両面あたり1.0〜2.0g/m2付着させてなり、該塗工層を形成する顔料として軽質炭酸カルシウムを30質量%以上含有し、且つブリストー法(J.TAPPI No.51−87 紙および板紙の液体吸収性試験方法)による吸収時間0.7秒の時のインク転移量が9.0ml/m2以上であることを特徴とする印刷用塗工紙。
- 塗工層中のラテックスバインダーが、アクリロニトリルを20質量%以上含有するSBRラテックスであることを特徴とする請求項1記載の印刷用塗工紙。
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