JP2004083875A - ポリアミック酸混合物、ポリイミドフィルムおよびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】強い接着強度を持つポリイミドを得るためのポリアミック酸、それからなるポリイミド及びそれを用いたフレキシブル回路基板を提供する。
【解決手段】ポリアミック酸と、このポリアミック酸に対し0.1〜10重量% の熱硬化型ポリイミドまたは熱硬化型ポリイミド前駆体であるポリアミック酸とからなるポリアミック酸混合物、上記混合物を原料として得られる19N/cm以上の接着強度を持つ事を特徴とする高接着性ポリイミドフィルムおよびそれを用いたフレキシブル回路基板。
【選択図】なし。
【解決手段】ポリアミック酸と、このポリアミック酸に対し0.1〜10重量% の熱硬化型ポリイミドまたは熱硬化型ポリイミド前駆体であるポリアミック酸とからなるポリアミック酸混合物、上記混合物を原料として得られる19N/cm以上の接着強度を持つ事を特徴とする高接着性ポリイミドフィルムおよびそれを用いたフレキシブル回路基板。
【選択図】なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤を用いて接着した場合、または接着剤を介さずに直接金属箔と接着した場合、極めて大きな接着力を得る事の出来るポリイミドおよびその前駆体となる混合物、ならびにそれらを利用したフレキシブル回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドフィルムはその優れた絶縁性と耐熱性から銅箔などの金属箔と積層して、フレキシブル回路基板用のベースフィルムとして幅広く利用されている。ここで、ポリイミドと金属箔の積層方法としては、(1)ポリイミドフィルムと金属箔を接着剤で接着する、(2)ポリイミドフィルム上に蒸着、メッキなどの方法で金属層を形成する、あるいは(3)銅箔上にポリアミック酸ワニスあるいは溶媒可溶なポリイミドワニスを塗布する、の3種類の方法が広く知られている(非特許文献1参照)が、いずれの方法においても、ポリイミド表面の接着力の低さが問題となっていた。このため、さまざまな電気、物理あるいは化学的処理が試みられたが、これらの処理はその処理工程に多くの試薬、時間、労力などを要すという欠点を有し、さらには処理によって向上される接着力はわずかであるという問題を有していた。
【0003】
【非特許文献1】「躍進するポリイミドの最新動向」住べテクノリサーチ株式会社 1997年5月発行 p.225−231
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0005】
したがって、本発明の第1の目的は、強い接着力を持つポリイミドを得る事にある。
【0006】
また、本発明の第2の目的は、接着力を向上させるための処理に多くの試薬、時間、労力などを必要とせず、大量生産に適し、低コストかつ高品質の高接着性ポリイミドを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明のポリアミック酸混合物は、一般式(IV)で示されるポリアミック酸と、このポリアミック酸に対し0.1〜10重量%の熱硬化型ポリイミドまたは熱硬化型ポリイミド前駆体であるポリアミック酸との混合物であることを特徴とする。
【0008】
【化8】
【0009】
[ただし、式中R1およびR2はそれぞれ1種類以上の炭素数6以上の任意の基。nは50以上の整数。R3は1種類以上の反応性酸一無水物由来物。R4はNH2、または1種類以上の反応性酸一無水物由来物。]
また第2の発明は、上記の混合物を原料として得られる、19N/cm以上の接着強度を持つ事を特徴とするポリイミドフィルムである。
【0010】
さらに他の発明は上記ポリイミドのフィルムであり、そのポリイミドフィルムが接着剤を介して金属箔と接着されて得られたフレキシブル回路基板である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、接着強度とは次のように定義する。
接着剤フィルムであるパイララックスR(デュポン社の登録商標)LF−0100を用いて銅箔(厚み35μm、ジャパンエナジー社製BAC−13−T)に180℃、450kg/cm2で60分、加熱圧着する。得られた積層体をJIS C5016−1994に記載の方法で引き剥がし、この強さを接着強度とする。
【0012】
本発明のポリアミック酸混合物は回転粘度計で測定した25℃における粘度は10Pas以上である事が望ましい。即ち、10Pas以下では溶媒乾燥時に流れてしまい、フィルムに成形することが困難である。また、10Pas未満では分子鎖の伸長が十分でないため、フィルム物性が劣る。また、上限はフィルム成形することが出来る流動性が必要であれば良い。1000Pasを越えると回転粘度計では粘度測定が困難になるが流動性およびフィルム成形性はあるため、粘度の上限は1000Pas以上であろう。
【0013】
本発明において「反応性酸一無水物」とは少なくとも一つの炭素―炭素2重結合、炭素―炭素3重結合、ビシクロ環構造、マレイン酸構造を持つ酸一無水物を言う。また「反応性酸一無水物由来物」とは上記反応性酸一無水物の無水物部分がアミノ基と反応してできたものをいう。
本発明の混合物は一般式(I)で示されるポリアミック酸に、溶媒可溶型の熱硬化型ポリイミド、もしくは熱硬化型ポリイミド前駆体であるポリアミック酸のいずれかを溶液状態で添加する、あるいは熱硬化型ポリイミド粉末を直接添加するなどの方法で得ることが出来る。
【0014】
本発明において、熱硬化型ポリイミドとは、分子中に1つ以上のイミド基を持ち、加熱により分子鎖が伸長、硬化する事を特徴とする化合物を示す。さらに詳しくは、例えばローヌプーラン社製“ケルイミド”、三菱ガス化学社製“BTレジン”などのビスマレイミド型熱硬化型ポリイミド、アメリカ航空宇宙局(NASA)で開発された“PMR−15”、“LARK−160”などのノルボルネン末端反応型熱硬化型ポリイミド、あるいはHugesエアクラフト社製の”THERMID”などを例示することが出来るが、これに限定するものではない。
【0015】
本発明のポリイミドフィルムは3〜250マイクロメートルである事が望ましい。即ち、厚みが3マイクロメートル未満では形状を保持する事が困難となり、また250マイクロメートルを越えると屈曲性に欠けるため、フレキシブル回路基板用途には不向きである。
フィルムは延伸および未延伸のものをいずれも使用することができる。また、加工性改善などを目的として1重量%以下の無機質または有機質の添加物を含有することも可能である。
【0016】
ポリアミック酸の合成方法としては例えば、酸二無水物とジアミンを非プロトン性極性溶媒中で、反応させる方法が挙げられる。
【0017】
酸二無水物の好ましい例は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン2無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパン2無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸2無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸2無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸2無水物、などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、より好ましくは、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0018】
ジアミンの好ましい例は、4,4’−オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、ジアミノジフェニルフルオレン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、を挙げることができる。
【0019】
本発明のポリイミドの製造において、使用する非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
【0020】
上記ポリアミック酸混合物を化学的に脱水閉環(イミド化)する際に使用される脱水剤としては、例えば無水酢酸などの脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などがあげられる。また触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類などがあげられる。
【0021】
本発明において、ポリイミドフィルム上に形成される金属蒸着層の金属の種類には特に制約はなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニツケル、クロム、マグネシウム、亜鉛等或いはこれら金属の2種以上からなる合金等を例示することができる。
金属の蒸着手段としては、真空蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム法およびイオンプレーティング法などを用いることができるが、本発明は特にこれらに限定するものではない。
この金属蒸着層は、公知の蒸着手段を用いて形成可能であり、その厚みは0.1〜1μmの範囲が好適である。
【0022】
本発明のポリイミドフィルム積層体において、上記金属蒸着層上に形成される金属メッキ層を形成する金属の種類には特に制約はなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニツケル、クロム、マグネシウム、亜鉛等或いはこれら金属の2種以上からなる合金等を例示することができる。
【0023】
この金属メッキ層は公知の電解メッキあるいは無電解メッキを用いて形成可能であり、その厚みは1〜20μmの範囲が好適である。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
ただし、実施例中、接着強度は次の方法で評価した。
【0025】
<接着強度>
試料フィルムを、接着剤フィルムであるパイララックスR(デュポン社の登録商標)LF−0100を用いて銅箔(厚み35μm、ジャパンエナジー社製BAC−13−T)に180℃、450kg/cm2で60分、加熱圧着する。得られた積層体をJIS C5016−1994に記載の方法で引き剥がし、この強さを接着強度とする。
【0026】
実施例1
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19.43g(97mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド149.5gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物0.159g(0.97mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物20.53g(94mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.58gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸(ポリアミック酸1)は250Pasであった。
【0027】
別のDCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸2を得た。
【0028】
DCスターラーを備えた100mlセパラブルフラスコ中に得られたポリアミック酸1(95g)およびポリアミック酸2(5g)を入れて均一に撹拌、減圧下で脱泡を行った。得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0029】
実施例2
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19.43g(97mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド149.5gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、次式に示す酸一無水物0.241g(0.97mmol)を加えて攪拌する。
【0030】
【化9】
【0031】
さらに30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物20.53g(94mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.58gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸(ポリアミック酸1)は270Pasであった。
【0032】
別のDCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸2を得た。
【0033】
DCスターラーを備えた100mlセパラブルフラスコ中に得られたポリアミック酸1(95g)およびポリアミック酸2(5g)を入れて均一に撹拌、減圧下で脱泡を行った。得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0034】
実施例3
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19.43g(97mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド149.5gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物0.080g(0.49mmol)および化15に示す酸一無水物0.121g(0.49mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物20.53g(94mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.58gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸(ポリアミック酸1)は270Pasであった。
【0035】
別のDCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸2を得た。
【0036】
DCスターラーを備えた100mlセパラブルフラスコ中に得られたポリアミック酸1(95g)およびポリアミック酸2(5g)を入れて均一に撹拌、減圧下で脱泡を行った。得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0037】
実施例4
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19.43g(97mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド149.5gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、マレイン酸無水物0.095g(0.97mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物20.53g(94mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.58gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸(ポリアミック酸1)は270Pasであった。
【0038】
別のDCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸2を得た。
【0039】
DCスターラーを備えた100mlセパラブルフラスコ中に得られたポリアミック酸1(95g)およびポリアミック酸2(5g)を入れて均一に撹拌、減圧下で脱泡を行った。得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0040】
比較例1
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)15.87gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸は240Pasであった。
【0041】
得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0042】
比較例2
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中にpー フェニレンジアミン1.85g(17.1mmol) N,N−ジメチルアセトアミド149.67gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌した。30分後から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物3.69g(16.9mmmol)を数回に分けて投入する。30分攪拌した後4,4’−ジアミノジフェニルエーテル15.58g(77.8mmol)を加え、さらに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.55g(32.5mmol)を10分かけて投入する。さらに1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物9.31g(42.7mmol)を数回に分けて投入する。
さらに1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物N,N−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.3gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸は300Pasであった。
【0043】
得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0044】
比較例3
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中にpー フェニレンジアミン1.85g(17.1mmol) N,N−ジメチルアセトアミド149.67gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌した。30分後から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物3.69g(16.9mmmol)を数回に分けて投入する。30分攪拌した後4,4’−ジアミノジフェニルエーテル15.58g(77.8mmol)を加え、さらに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.55g(32.5mmol)を10分かけて投入する。さらに1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物9.31g(42.7mmol)を数回に分けて投入する。
さらに1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物N,N−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.3gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸は300Pasであった。
【0045】
得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これをβピコリン/無水酢酸混合溶液(50:50)に5分間浸しイミド化させた。得られたポリイミドゲルフィルムを200℃30分、300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリイミドおよびその前駆体となるポリアミック酸は、19N/cm以上の接着強度を持つことができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤を用いて接着した場合、または接着剤を介さずに直接金属箔と接着した場合、極めて大きな接着力を得る事の出来るポリイミドおよびその前駆体となる混合物、ならびにそれらを利用したフレキシブル回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドフィルムはその優れた絶縁性と耐熱性から銅箔などの金属箔と積層して、フレキシブル回路基板用のベースフィルムとして幅広く利用されている。ここで、ポリイミドと金属箔の積層方法としては、(1)ポリイミドフィルムと金属箔を接着剤で接着する、(2)ポリイミドフィルム上に蒸着、メッキなどの方法で金属層を形成する、あるいは(3)銅箔上にポリアミック酸ワニスあるいは溶媒可溶なポリイミドワニスを塗布する、の3種類の方法が広く知られている(非特許文献1参照)が、いずれの方法においても、ポリイミド表面の接着力の低さが問題となっていた。このため、さまざまな電気、物理あるいは化学的処理が試みられたが、これらの処理はその処理工程に多くの試薬、時間、労力などを要すという欠点を有し、さらには処理によって向上される接着力はわずかであるという問題を有していた。
【0003】
【非特許文献1】「躍進するポリイミドの最新動向」住べテクノリサーチ株式会社 1997年5月発行 p.225−231
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0005】
したがって、本発明の第1の目的は、強い接着力を持つポリイミドを得る事にある。
【0006】
また、本発明の第2の目的は、接着力を向上させるための処理に多くの試薬、時間、労力などを必要とせず、大量生産に適し、低コストかつ高品質の高接着性ポリイミドを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明のポリアミック酸混合物は、一般式(IV)で示されるポリアミック酸と、このポリアミック酸に対し0.1〜10重量%の熱硬化型ポリイミドまたは熱硬化型ポリイミド前駆体であるポリアミック酸との混合物であることを特徴とする。
【0008】
【化8】
【0009】
[ただし、式中R1およびR2はそれぞれ1種類以上の炭素数6以上の任意の基。nは50以上の整数。R3は1種類以上の反応性酸一無水物由来物。R4はNH2、または1種類以上の反応性酸一無水物由来物。]
また第2の発明は、上記の混合物を原料として得られる、19N/cm以上の接着強度を持つ事を特徴とするポリイミドフィルムである。
【0010】
さらに他の発明は上記ポリイミドのフィルムであり、そのポリイミドフィルムが接着剤を介して金属箔と接着されて得られたフレキシブル回路基板である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、接着強度とは次のように定義する。
接着剤フィルムであるパイララックスR(デュポン社の登録商標)LF−0100を用いて銅箔(厚み35μm、ジャパンエナジー社製BAC−13−T)に180℃、450kg/cm2で60分、加熱圧着する。得られた積層体をJIS C5016−1994に記載の方法で引き剥がし、この強さを接着強度とする。
【0012】
本発明のポリアミック酸混合物は回転粘度計で測定した25℃における粘度は10Pas以上である事が望ましい。即ち、10Pas以下では溶媒乾燥時に流れてしまい、フィルムに成形することが困難である。また、10Pas未満では分子鎖の伸長が十分でないため、フィルム物性が劣る。また、上限はフィルム成形することが出来る流動性が必要であれば良い。1000Pasを越えると回転粘度計では粘度測定が困難になるが流動性およびフィルム成形性はあるため、粘度の上限は1000Pas以上であろう。
【0013】
本発明において「反応性酸一無水物」とは少なくとも一つの炭素―炭素2重結合、炭素―炭素3重結合、ビシクロ環構造、マレイン酸構造を持つ酸一無水物を言う。また「反応性酸一無水物由来物」とは上記反応性酸一無水物の無水物部分がアミノ基と反応してできたものをいう。
本発明の混合物は一般式(I)で示されるポリアミック酸に、溶媒可溶型の熱硬化型ポリイミド、もしくは熱硬化型ポリイミド前駆体であるポリアミック酸のいずれかを溶液状態で添加する、あるいは熱硬化型ポリイミド粉末を直接添加するなどの方法で得ることが出来る。
【0014】
本発明において、熱硬化型ポリイミドとは、分子中に1つ以上のイミド基を持ち、加熱により分子鎖が伸長、硬化する事を特徴とする化合物を示す。さらに詳しくは、例えばローヌプーラン社製“ケルイミド”、三菱ガス化学社製“BTレジン”などのビスマレイミド型熱硬化型ポリイミド、アメリカ航空宇宙局(NASA)で開発された“PMR−15”、“LARK−160”などのノルボルネン末端反応型熱硬化型ポリイミド、あるいはHugesエアクラフト社製の”THERMID”などを例示することが出来るが、これに限定するものではない。
【0015】
本発明のポリイミドフィルムは3〜250マイクロメートルである事が望ましい。即ち、厚みが3マイクロメートル未満では形状を保持する事が困難となり、また250マイクロメートルを越えると屈曲性に欠けるため、フレキシブル回路基板用途には不向きである。
フィルムは延伸および未延伸のものをいずれも使用することができる。また、加工性改善などを目的として1重量%以下の無機質または有機質の添加物を含有することも可能である。
【0016】
ポリアミック酸の合成方法としては例えば、酸二無水物とジアミンを非プロトン性極性溶媒中で、反応させる方法が挙げられる。
【0017】
酸二無水物の好ましい例は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン2無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパン2無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸2無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸2無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸2無水物、などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、より好ましくは、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0018】
ジアミンの好ましい例は、4,4’−オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、ジアミノジフェニルフルオレン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、を挙げることができる。
【0019】
本発明のポリイミドの製造において、使用する非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
【0020】
上記ポリアミック酸混合物を化学的に脱水閉環(イミド化)する際に使用される脱水剤としては、例えば無水酢酸などの脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などがあげられる。また触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類などがあげられる。
【0021】
本発明において、ポリイミドフィルム上に形成される金属蒸着層の金属の種類には特に制約はなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニツケル、クロム、マグネシウム、亜鉛等或いはこれら金属の2種以上からなる合金等を例示することができる。
金属の蒸着手段としては、真空蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム法およびイオンプレーティング法などを用いることができるが、本発明は特にこれらに限定するものではない。
この金属蒸着層は、公知の蒸着手段を用いて形成可能であり、その厚みは0.1〜1μmの範囲が好適である。
【0022】
本発明のポリイミドフィルム積層体において、上記金属蒸着層上に形成される金属メッキ層を形成する金属の種類には特に制約はなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニツケル、クロム、マグネシウム、亜鉛等或いはこれら金属の2種以上からなる合金等を例示することができる。
【0023】
この金属メッキ層は公知の電解メッキあるいは無電解メッキを用いて形成可能であり、その厚みは1〜20μmの範囲が好適である。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
ただし、実施例中、接着強度は次の方法で評価した。
【0025】
<接着強度>
試料フィルムを、接着剤フィルムであるパイララックスR(デュポン社の登録商標)LF−0100を用いて銅箔(厚み35μm、ジャパンエナジー社製BAC−13−T)に180℃、450kg/cm2で60分、加熱圧着する。得られた積層体をJIS C5016−1994に記載の方法で引き剥がし、この強さを接着強度とする。
【0026】
実施例1
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19.43g(97mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド149.5gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物0.159g(0.97mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物20.53g(94mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.58gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸(ポリアミック酸1)は250Pasであった。
【0027】
別のDCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸2を得た。
【0028】
DCスターラーを備えた100mlセパラブルフラスコ中に得られたポリアミック酸1(95g)およびポリアミック酸2(5g)を入れて均一に撹拌、減圧下で脱泡を行った。得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0029】
実施例2
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19.43g(97mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド149.5gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、次式に示す酸一無水物0.241g(0.97mmol)を加えて攪拌する。
【0030】
【化9】
【0031】
さらに30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物20.53g(94mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.58gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸(ポリアミック酸1)は270Pasであった。
【0032】
別のDCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸2を得た。
【0033】
DCスターラーを備えた100mlセパラブルフラスコ中に得られたポリアミック酸1(95g)およびポリアミック酸2(5g)を入れて均一に撹拌、減圧下で脱泡を行った。得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0034】
実施例3
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19.43g(97mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド149.5gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物0.080g(0.49mmol)および化15に示す酸一無水物0.121g(0.49mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物20.53g(94mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.58gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸(ポリアミック酸1)は270Pasであった。
【0035】
別のDCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸2を得た。
【0036】
DCスターラーを備えた100mlセパラブルフラスコ中に得られたポリアミック酸1(95g)およびポリアミック酸2(5g)を入れて均一に撹拌、減圧下で脱泡を行った。得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0037】
実施例4
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19.43g(97mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド149.5gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、マレイン酸無水物0.095g(0.97mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物20.53g(94mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.58gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸(ポリアミック酸1)は270Pasであった。
【0038】
別のDCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−メチレンジアニリン14.51g(73mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド119.55gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分攪拌後、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.892g(24mmol)を加えて攪拌する。さらに30分から1時間後にかけてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物15.94g(49mmol)を数回に分けて投入し、ポリアミック酸2を得た。
【0039】
DCスターラーを備えた100mlセパラブルフラスコ中に得られたポリアミック酸1(95g)およびポリアミック酸2(5g)を入れて均一に撹拌、減圧下で脱泡を行った。得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0040】
比較例1
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌する。30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入する。1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物 N,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)15.87gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸は240Pasであった。
【0041】
得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0042】
比較例2
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中にpー フェニレンジアミン1.85g(17.1mmol) N,N−ジメチルアセトアミド149.67gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌した。30分後から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物3.69g(16.9mmmol)を数回に分けて投入する。30分攪拌した後4,4’−ジアミノジフェニルエーテル15.58g(77.8mmol)を加え、さらに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.55g(32.5mmol)を10分かけて投入する。さらに1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物9.31g(42.7mmol)を数回に分けて投入する。
さらに1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物N,N−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.3gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸は300Pasであった。
【0043】
得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これを100℃で1時間加熱し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。得られたフィルムを300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0044】
比較例3
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中にpー フェニレンジアミン1.85g(17.1mmol) N,N−ジメチルアセトアミド149.67gを入れ窒素雰囲気下、室温で攪拌した。30分後から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物3.69g(16.9mmmol)を数回に分けて投入する。30分攪拌した後4,4’−ジアミノジフェニルエーテル15.58g(77.8mmol)を加え、さらに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.55g(32.5mmol)を10分かけて投入する。さらに1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物9.31g(42.7mmol)を数回に分けて投入する。
さらに1時間攪拌した後、ピロメリット酸二無水物N,N−ジメチルアセトアミド溶液(6wt%)10.3gを30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌する。ここで得られたポリアミック酸は300Pasであった。
【0045】
得られたポリアミック酸の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成する。これをβピコリン/無水酢酸混合溶液(50:50)に5分間浸しイミド化させた。得られたポリイミドゲルフィルムを200℃30分、300℃20分、460℃5分で熱処理を行いポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの接着強度を測定し、表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリイミドおよびその前駆体となるポリアミック酸は、19N/cm以上の接着強度を持つことができる。
Claims (10)
- 反応性酸一無水物が無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物のいずれかまたは、いずれかの組み合わせである事を特徴とする請求項1記載のポリアミック酸混合物。
- 請求項1記載のポリアミック酸混合物を原料として得られる、19N/cm以上の接着強度を持つ事を特徴とするポリイミドフィルム。
- 一般式(I)で示されるポリアミック酸の反応性酸一無水物由来物と、熱硬化型ポリイミド中の反応性酸一無水物由来物が同一である事を特徴とする請求項4記載のポリイミドフィルム。
- 厚みが3〜250μmである事を特徴とする請求項4記載のポリイミドフィルム。
- 請求項4記載のポリイミドフィルムが接着剤を介して金属箔と接着されていることを特徴とするフレキシブル回路基板。
- 請求項4記載のポリイミドフィルム上に金属薄膜が形成されていることを特徴とするフレキシブル回路基板。
- 金属箔上に請求項4記載のポリイミドまたは請求項1記載のポリアミック酸を塗布して得られたフレキシブル回路基板。
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