JP2004083802A - 接着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロッキングの発生などがなく、また接着剤層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際にシリコンなどが付着しても、所定の圧力を付与することにより充分な接着力が発現する接着シートの提供。
【解決手段】シート基材の所定部に乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤層が形成され、同シート基材の他の箇所に、可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダからなる接着性付与層が形成されており、前記接着剤層と接着性付与層を対接させ所定の圧力を付与することにより接着できる接着シートであって、前記バインダとして前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダを用いる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着性シートに関し、さらに詳しくは、紙、合成紙、ポリエチレンなどの合成フィルムなどを通常状態では接着せず所定の圧力を付与することにより接着できる接着性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、重ね合わせ面に情報を担持する情報担持用の接着シートにおいては、その重ね合わせ面同士が接着するように、通常、重ね合わせた際に対接するようなパターンで、シート基材の重ね合わせ面の全面や特定部分、あるいは線状に接着剤の接着剤層が設けられており、その接着剤層同士を対接させた状態で強圧をかけることにより、互いの高分子が自己拡散により密着させるものが知られており、接着剤の種類、配合、加圧の程度により、永久接着性あるいは再剥離接着性を具現できる。
接着剤層とシート基材面と対接させて強圧をかけても接着できないが、前記のように接着剤層同士を対接させて接着させる代わりに、粘着剤を用いてシート基材の所定部に粘着剤層を設け、この粘着剤層を同シート基材面と対接させて圧をかけて接着させる方法があるが、この方法は粘着剤層がベト付くので、予め粘着剤を塗布した用紙にプリントを行い封筒加工する際にプリンタなどの搬送時にガイドロールへの粘着剤の付着や、粘着剤層と用紙間のブロッキングの発生などの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、用紙、帳票などの各種プリント用フォームなどを接着するための接着剤として、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などを主成分とするものがあり、目的に応じて種々選択され使用されていた。
しかし、シート基材面にこの接着剤を用いて接着剤層を形成した各種プリント用フォームなどをノンインパクトプリンタなどのプリンタや各種の複写機を用いてプリントしたり、あるいは複写する際に前記接着剤層にシリコンなどが付着すると、その後、所定の圧力を付与しても接着力が発現せず、接着しなかったり、良好な接着が得られず剥離してしまうなどの問題があった。
【0004】
本発明の目的は、従来の問題に鑑み、プリンタなどの搬送時にガイドロールへの接着剤の付着や、粘着剤層とシート基材間のブロッキングの発生などがなく、また各種プリント用フォームなどの被接着体の面に形成した接着剤による接着剤層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に前記接着剤層にシリコンなどが付着しても、所定の圧力を付与することにより充分な接着力が発現して、良好な接着が得られるような接着シートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、シート基材面に例えば天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤を用いて形成された通常乾燥状態では接着しない接着剤層を設け、同シート基材の他の箇所に可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダを用いて形成された通常乾燥状態では接着しない接着性付与層を設け、両層を対接させ所定の圧力を付与することにより、例え接着剤層や接着性付与層にシリコンなどが付着していても、接着できることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
前記課題を解決するための本発明の請求項1の接着シートは、シート基材の所定部に乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤層が形成され、同シート基材の他の箇所に、可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダからなる接着性付与層が形成されており、前記接着剤層と接着性付与層を対接させ所定の圧力を付与することにより接着できる接着シートであって、前記バインダとして前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダを用いることを特徴とする。
【0007】
シート基材の所定部に乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する例えば天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤を用いて接着剤層を形成し、同シート基材の他の箇所に、可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダからなる通常乾燥状態では接着しない接着性付与層を形成し、前記接着剤層と接着性付与層を対接させ所定の圧力を付与することにより、接着性付与層中のマイクロカプセルが破壊されて、芯物質の可塑剤が接着剤層に作用して接着力が発現し、接着できる。この接着は、接着剤の種類、微細粒子などの各種成分の配合および配合割合、加圧などの程度により、永久接着性あるいは再剥離接着性を具現できる。
プリンタなどの搬送時にガイドロールへの接着剤やバインダの付着や、接着剤層や接着性付与層とシート基材間のブロッキングの発生などの問題がなく、そして各種プリント用フォームなどの被接着体の面に形成した接着剤による接着剤層面や接着性付与層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に例えシリコンなどが付着しても、良好な接着が得られる。
【0008】
本発明の請求項2の接着シートは、請求項1記載の接着シートにおいて、前記接着剤層および/または接着性付与層に微細粒子が配合されていることを特徴とする。
【0009】
接着剤層および/または接着性付与層に微細粒子を適宜配合することにより、耐ブロッキング性をより一層付与するとともに、永久接着性を付与したり、あるいは微細粒子を適宜配合することにより、再剥離接着性を付与したりすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の接着シートの一実施の形態を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の接着シート(二つ折り封筒)1は、シート基材1Aの左側のシート基材面の所定部に例えば天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤を用いて塗布、乾燥するなどして接着剤層2が形成されている。そしてシート基材1Aの右側のシート基材面には接着剤層2に対応するように可塑剤含有マイクロカプセル3を配合したバインダからなる接着性付与層2Aが形成されている。4は折り目を示す。接着シート1を折り目4で折り曲げて二つ折りにして乾燥状態にある接着剤層2と接着性付与層2Aとを重ね合わせても両者は接着しない。本発明の接着シート1を多数積み重ねてもブロッキングすることはない。しかし、接着シート1を折り目4で折り曲げて二つ折りにして乾燥状態にある接着剤層2と接着性付与層2Aとを重ね合わせて所定の圧力を付与すると接着性付与層2A中のマイクロカプセル3が破壊され、芯物質の可塑剤が接着剤層に作用して接着力が発現し両者は良好に接着する。
図2は、本発明の接着シートの他の実施の形態を示す説明図である。
図2に示すように、本発明の接着シート(二つ折り封筒)5は、シート基材1Aの左側のシート基材面の全面に例えば天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などの接着剤を用いて塗布、乾燥するなどして接着剤層2が形成されている。そしてシート基材1Aの右側のシート基材面の全面に可塑剤含有マイクロカプセル3を配合したバインダからなる接着性付与層2Aが形成されている。4は折り目を示す。接着シート1を折り目4で折り曲げて二つ折りにして乾燥状態にある接着剤層2と接着性付与層2Aとを重ね合わせても両者は接着しない。本発明の接着シート1を多数積み重ねてもブロッキングすることはない。しかし、接着シート1を折り目4で折り曲げて二つ折りにして乾燥状態にある接着剤層2と接着性付与層2Aとを重ね合わせて所定の圧力を付与すると接着性付与層2A中のマイクロカプセル3が破壊され、芯物質の可塑剤が接着剤層に作用して接着力が発現し両者は良好に接着する。
【0011】
本発明で用いる接着剤は乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などあるいはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
天然ゴム系接着剤としては、例えば、天然ゴム系ラテックスの接着剤として慣用されているメタクリル酸メチルでグラフト共重合した天然ゴム系ラテックスであるメタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴム系ラテックスを挙げることができる。
【0012】
合成ゴム系接着剤や合成樹脂系接着剤としては、接着剤の成分として慣用されている合成ゴムラテックスや合成樹脂ラテックスを挙げることができ、例えば、スチレンリッチSBRを水性溶媒中に分散させたエマルジョンであるスチレンリッチSBRラテックス、含浸、他のラテックスの補強などの成分として慣用されているポリスチレンを水性溶媒中に分散させたエマルジョンであるポリスチレンエマルジョン、含浸、塗料、紙加工などの成分として慣用されているスチレン・アクリル共重合体を水性溶媒中に分散させたエマルジョンであるスチレン・アクリル共重合体エマルジョン、クロロプレンゴムラテックス、NBRラテックスなどを用いることができる。水性溶媒中に分散させたエマルジョン系接着剤は、粒子を分散安定化させるためには乳化剤が必要であるが、この乳化剤としては、一般にロジンセッケン、ナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸セッケン、アルキルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン系界面活性剤が用いられる。
【0013】
他の樹脂系接着剤としては、天然品でも合成品でもあるいはこれらの2種以上の組み合わせでもよく、例えば、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダなどの天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、アクリル系ポリマー接着剤、エチレン−酢酸ビニル系ポリマー接着剤などの他、ポリアミド、ポリフェニルアセトアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリエステルなどの合成樹脂、などを挙げることができる。
【0014】
本発明で用いるバインダは乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダであれば特に限定されるものではなく、例えば、天然品でも合成品でもよくこれらの2種以上の混合物でも差し支えない。バインダの具体例としては、例えば、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、電子線硬化型アクリル樹脂系接着剤や紫外線硬化型樹脂系接着剤、スルホン酸基、カルボキシル基、硫酸エステル基、燐酸エステル基などのアニオン性基を有する例えばロジン変成マレイン酸などのアニオン性樹脂、グリコール系溶剤などを挙げることができる。
【0015】
グリコール系溶剤としては、中沸点および高沸点溶剤(沸点が100℃以上のもの)のものが好ましく、具体的には、例えばグリコール(グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール)やグリコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)など、およびこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
【0016】
グリコール系溶剤をバインダとして使用した場合のバインダ性能を向上させるために例えば1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のオリゴマー、ポリマーである、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物などあるいはこれらの2種以上の混合物などをグリコール系溶剤に適量配合することができる。
【0017】
本発明において用いる微細粒子はプラスチック微細粒子や発泡プラスチック微細粒子、スターチ微細粒子、絹微細粒子などの有機微細粒子でも無機微細粒子でもあるいはこれらの2種以上の混合物でもよい。なお、シートを搬送するガイドロールなどに付着したシリコンオイルなどを吸着させる機能も付与させるためには、多孔質の微細粒子を利用するのが好ましい。
無機微細粒子の具体例としては、例えば、シリカ微粒子では、(日本シリカ工業社 NipsilSS−10F,SS−15,SS−10A,SS−20,SS−30P,SS−30S,SS−40,SS−50,SS−50A,SS−60,SS−70,SS−100,SS−10F,SS−50F,SS−50B,SS−50C,SS−72F,SS−170X,SS−178Bなど)、(トクヤマ社 ファインシールA,B,USF,E50,E70,T32,X12,X30,X37,X37B,X40,X45,X60,X70,X80,RX70,K41,F80,F80B,P8,CMFなど)、さらに、二酸化チタン(日本アエロジル社 T805)、アルミナ微粒子、天然ゼオライト、合成ゼオライト、炭酸カルシウム、活性白土、ガラス、シラスバルーンなどの微細粒子が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0018】
微細粒子の配合量は、接着剤あるいはバインダ100質量部に対して、微細粒子を5〜200質量部、好ましくは10〜150質量部配合することが望ましい。5質量部未満では微細粒子の配合効果がでない恐れがあり、200質量部を超えると接着性や印刷インク適性が低下する恐れがあるので、いずれも好ましくない。
【0019】
本発明で用いるマイクロカプセルの芯物質の可塑剤は、乾燥状態では接着性を有さない接着剤層に作用して、例え接着剤層にシリコンなどが付着しても接着力を発現させるものであればよく、具体的には、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸アリル、フタル酸n−ブチル、フタル酸ベンジル、フタル酸ベンジルn−ブチル、安息香酸グリコールエステル、フマル酸n−ブチルなどのフタル酸エステル、フマル酸エステル、テレフタル酸エステルなどや、トリメリト酸エステル、炭化水素、石油製品、塩素化パラフィン、ヒマシ油、マレイン酸n−ブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリス(2−エチルヘキシル)エステルなどのリン酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸イソプロピル、アゼライン酸エステル、セバチン酸ブチルなどのセバチン酸エステル、サリチル酸メチル、酢酸ベンジル、高分子可塑剤、エポキシ系可塑剤などを挙げることができる。これらの分子量は通常数百から数千のものが用いられるがこれに限定されるものではない。
【0020】
これらの中でも、フマル酸n−ブチル、アジピン酸ジオクチルなどは乾燥状態では接着性を有さない接着剤層に作用して、例え接着剤層にシリコンなどが付着しても優れた接着力を発現させるので特に好ましく使用できる。次いで、フタル酸n−ブチル、サリチル酸メチル、セバチン酸ブチル、アジピン酸イソプロピル、リン酸トリクレジル、酢酸ベンジルなども優れた接着力を発現させるので好ましく使用できる。
【0021】
可塑剤マイクロカプセル中の可塑剤に対するバインダの配合量は特に限定されないが、可塑剤マイクロカプセル中の可塑剤量100質量部に対して、バインダが5〜100質量部となるように配合することが好ましい。
5質量部未満では、可塑剤マイクロカプセルの脱落により可塑剤がプリンタに付着するなどの事故が発生する恐れがあり、また100質量部を超えると、シート基材面に形成した接着剤による接着剤層面や接着性付与層にシリコンなどが付着した場合に良好な接着が得られない恐れがある。
【0022】
本発明で用いる可塑剤マイクロカプセルの壁材は、例えば、ゼラチン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリウレアなどである。また、カプセル生成手段においては、従来から慣用されている方法、例えば、インサイチュ法、界面重合法、コアセルベーション法、あるいは、オリフィス法も用いることができる。例えば、可塑剤を芯物質とし、酸触媒および乳化・分散剤的機能を有するスチレン無水マレイン酸共重合体の部分加水分解物と、ポリマーを形成する反応成分としてメラミンまたは尿素とホルマリン、あるいは、これらの初期重縮合物を用い、インサイチュ法によってメラミンまたは尿素−ホルマリン樹脂をカプセル壁材として形成し、マイクロカプセルを水系に分散生成させたマイクロカプセルの水系分散液を用いることができる。
【0023】
本発明で用いる可塑剤マイクロカプセルを配合したバインダは、前記バインダに可塑剤マイクロカプセルを公知の方法で配合して作成されるが、必要に応じて各種安定剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤などを配合することができる。
【0024】
本発明で用いる接着剤や可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダは、シート基材などの被接着体の面の所定部に手塗り、ハケ塗り、スプレー法などで塗布することもできるが、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗工手段により塗工し、必要に応じて乾燥して接着剤層や接着性付与層を形成することができる。また、シート基材面への塗工量は、特に限定されないが、例えば0.5〜30g/m 、好ましくは3〜20g/m 、さらに好ましくは5〜15g/m とする。
【0025】
本発明で用いるシート基材の素材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙(例えば、上質紙、中質紙、合成紙、各種再生紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデンサー紙、パラフィン紙、その他の紙の他に、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙など)、シート状物あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合物、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂などのプラスチック、あるいはこれらにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
【0026】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳しく述べるが、この発明の主旨と範囲に反することなしに、広範に異なる実施態様を構成することができることは明白なので、この発明は前記の特許請求の範囲において限定した以外は、これらの特定の実施態様に制約されるものではない。
(実施例1)
<可塑剤含有マイクロカプセル分散液Aの調製>
スチレン無水マレイン酸共重合体(商品名:Scripset−520/モンサント社)を少量の水酸化ナトリウムと共に溶解し、これを5質量%、pH4.6に調製した水溶液200質量部中に、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)200質量部を乳化・分散させて平均粒径4.5μmの乳化物を得た。次に、この乳化物にメラミン−ホルマリン初期重縮合物(商品名:SumirezResin513/住友化学)60質量部を加え、系の温度を75℃にて2時間攪拌し、可塑剤含有マイクロカプセル分散液Aを得た。
【0027】
<可塑剤含有マイクロカプセル分散液Bの調製>
部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−224/クラレ社)を3質量%濃度に溶解した水溶液210質量部中に、ジブチルフタレート(DBP)96.3質量部中にテレフタル酸クロライド(TPC)10.7質量部溶解を溶解させた可塑剤液を乳化・分散させて平均粒径5.0μmの乳化物を得た。次に、この乳化物に蒸留水32.1質量部にソーダ灰5.1質量部とジエチレントリアミン(DETA)5.2質量部を溶解した液を加え、25℃にて20時間攪拌し、可塑剤含有マイクロカプセル分散液Bを得た。
【0028】
<アクリル変成感圧接着剤の作成>
天然ゴム(NR)エマルジョン100質量部(固形分)にスチレンモノマ10質量部とメタクリル酸メチル(MMA)25重量部とを混合し、公知の方法によりグラフト共重合を行うことにより、スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤を得た。
【0029】
(スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤塗工紙の調製)
上記スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤100質量部(固形分)に対し、シリカ微粒子<商品名:Mizukasil P−526(水澤化学社製)>を予めイオン交換水中に固形分10質量%に分散してある分散液50質量部(シリカ固形分5質量部)を混合した。次に平均粒子径15μmの市販のスターチを予めイオン交換水中に固形分50質量%に分散してある分散液15質量部(スターチ固形分7.5質量部)を混合攪拌した。更に表面調整剤<商品名:ノプコウエット50(サンノプコ社製)1.0質量部を添加し攪拌する。次にこの接着剤液の粘度が500±100mPa・s(20℃)になるように適量の粘度調整剤<商品名:SNシックナー926(サンノプコ社製)>を加え、発泡しないように攪拌を行い、接着剤塗工液を得た。
そしてこの接着剤塗工液を上質紙<商品名:Npi上質紙90kg(日本製紙社製)>上に、ワイヤバーを使用して7g/m になるように塗工し、スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤塗工紙(テスト用紙)を得た。
次いで、この塗工紙(テスト用紙)を、コピーマシンを想定して、加熱ローラとシリコンオイルが塗られたフューザーローラーを通し、塗工面にシリコンオイルを付着させた。
【0030】
(可塑剤含有マイクロカプセル塗工紙の調製)
上記の可塑剤含有マイクロカプセル分散液A100質量部(固形分)に対し、マイクロカプセル保護剤として平均粒子径15μmの市販のスターチを予めイオン交換水中に固形分50質量%に分散してある分散液15質量部(スターチ固形分7.5質量部)を混合攪拌した。これに完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA)<商品名:PVA−117(クラレ社)>を、予めイオン交換水中に固形分10質量%に溶解してある水溶液85質量部(PVA固形分8.5質量部)とレベリング剤<商品名:ノプコ38−C(サンノプコ社製)1.0質量部を添加し攪拌する。次にこの接着剤液の粘度が500±100mPa・s(20℃)になるように適量の粘度調整剤<商品名:SNシックナー926(サンノプコ社製)>を加え、発泡しないように攪拌を行い、可塑剤含有マイクロカプセル塗工液を得た。
このマイクロカプセル塗工液を上質紙<商品名:Npi上質紙90kg(日本製紙社製)>上に、ワイヤバーを使用して6g/m になるように塗工し、可塑剤含有マイクロカプセル塗工紙(テスト用紙)を得た。
【0031】
得られた両テスト用紙を用いて、次に記載する方法で接着力および耐ブロッキング性の評価を行った。
【0032】
(1)接着力:スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤塗工紙(テスト用紙)と可塑剤含有マイクロカプセル塗工紙(テスト用紙)の塗工面同士を重ね合わせ、二枚のアルミ板に挟み込んだ状態で、0.8MPaの圧力で1秒間加圧する。加圧後、23℃/50%RHの雰囲気中に2時間放置する。2時間放置後、巾25mmの短冊状カットT型剥離にて接着力(剥離強度)を測定する。なお、紙層間剥離の場合には、紙破れと判断する。剥離強度の測定には、島津製作所社製の引張試験機オートグラフAGS50型(商品名)を使用した。
【0033】
(2)耐ブロッキング性:両テスト用紙の塗工面と何もコートされていない上質紙面を重ね合わせ、二枚のアルミ板に挟み込んだ状態で、0.1MPaの圧力で30分間加圧する。加圧後アルミ板に挟まれた状態のまま40℃/の雰囲気中に3時間放置する。3時間放置後、巾25mmの短冊状カットT型剥離にて接着力(剥離強度)を測定する。その剥離強度(N/m)が、1.96以下のものを◎(非常に良好)、1.96〜4.9の範囲のものを○(良好)、4.9〜9.8の範囲のものを△(使用可)、9.8以上のものを×(使用不可)とした。剥離強度の測定には、島津製作所社製の引張試験機オートグラフAGS50型(商品名)を使用した。
【0034】
評価の結果、接着力は大きく、紙層間で破壊が生じた。耐ブロッキング性は、スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤塗工紙(テスト用紙)の場合に○、可塑剤含有マイクロカプセル塗工紙(テスト用紙)の場合には◎であった。
【0035】
(実施例2)
可塑剤含有マイクロカプセル分散液Bを用いた以外は実施例1と同様にして得られた両テスト用紙の接着力および耐ブロッキング性の評価を行った。
評価の結果、接着力は大きく、紙層間で破壊が生じた。耐ブロッキング性は、スチレン・MMAグラフト共重合天然ゴムエマルジョン型感圧接着剤塗工紙(テスト用紙)の場合に○、可塑剤含有マイクロカプセル塗工紙(テスト用紙)の場合には◎であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明の請求項1の接着シートは、シート基材の所定部に乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤層が形成され、同シート基材の他の箇所に、可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダからなる接着性付与層が形成されており、前記接着剤層と接着性付与層を対接させ所定の圧力を付与することにより接着できる接着シートであって、前記バインダとして前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダを用いることを特徴とするので、前記接着剤層と通常乾燥状態では接着しない接着性付与層を対接させ所定の圧力を付与することにより、接着性付与層中のマイクロカプセルが破壊されて、芯物質の可塑剤が接着剤層に作用して接着力が発現し、接着でき、しかもこの接着は、接着剤やバインダの種類や微細粒子などの各種成分の配合および配合割合、加圧などの程度により、永久接着性あるいは再剥離接着性を具現できるとともに、プリンタなどの搬送時にガイドロールへの接着剤やバインダの付着や、接着剤層や接着性付与層とシート基材間のブロッキングの発生などの問題がなく、そして各種プリント用フォームなどの被接着体の面に形成した接着剤による接着剤層面や接着性付与層面に、プリントしたり、あるいは複写したりする際に例えシリコンなどが付着しても、良好な接着が得られるという顕著な効果を奏する。
【0037】
本発明の請求項2の接着シートは、請求項1記載の接着シートにおいて、前記接着剤層および/または接着性付与層に微細粒子が配合されているので、微細粒子を適宜配合することにより、耐ブロッキング性をより一層付与するとともに、永久接着性を付与したり、あるいは微細粒子を適宜配合することにより、再剥離接着性を付与したりすることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着シートの一実施の形態を示す説明図である。
【図2】本発明の接着シートの他の実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1、5 本発明の接着シート
1A シート基材
2 接着剤層
3 可塑剤含有マイクロカプセル
2A 接着性付与層
4 折り目

Claims (2)

  1. シート基材の所定部に乾燥状態では接着性を有さず、可塑剤と接触することにより接着性が発現する接着剤層が形成され、同シート基材の他の箇所に、可塑剤含有マイクロカプセルを配合したバインダからなる接着性付与層が形成されており、前記接着剤層と接着性付与層を対接させ所定の圧力を付与することにより接着できる接着シートであって、前記バインダとして前記可塑剤と接触しても接着性が発現しないバインダを用いることを特徴とする接着シート。
  2. 前記接着剤層および/または接着性付与層に微細粒子が配合されていることを特徴とする請求項1記載の接着シート。
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