JP2004083655A - ポリエチレン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のポリエチレン組成物に較べ成形加工性、物性に優れ、且つゲルや表面平滑性等も改良したポリエチレン組成物であり、とくに大型中空成形用途等に適したポリエチレン組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも2種類のポリエチレン(A)、(B)とからなり、(A)はエチレン単独重合体もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体成分であり、(B)は、エチレンを単独重合もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合し、低分子量重合体成分を製造した後、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合し、低分子量重合体成分に対して0.95〜1.1倍の重量比の高分子量重合体成分を製造することにより得られる、共重合体で、組成物中(B)は20〜80重量%であり、組成物のMMIが0.01〜1g/10分、密度が940〜960kg/mであるポリエチレン組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレン組成物に関する。さらに詳しくは、ゲルや表面平滑性等の実用特性に優れ、且つ強度、低温における耐衝撃性等の機械物性、耐熱性、成形加工性等に優れたポリエチレン組成物に関するものであり、射出成形、中空成形、フィルム・シート成形に適し、各種容器、蓋、瓶、パイプ、フィルム、シート、包装材などに使用され、特に大型中空成形用途に適したポリエチレン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、クロム系触媒を用いて重合されるポリエチレン(以下クロム触媒ポリエチレンという)は、比較的分子量分布が広いことから、中空成形に好適なポリエチレンとして一般的に使用されている。しかしながら、このようなクロム触媒ポリエチレンは、中空成形し易い適当な溶融張力およびスウェルを有するものの、耐ドローダウン性が不充分であるという欠点を有しており、特に内容積が20Lリッター以上の中空成形体を製造する大型中空成形で問題が顕著であった。また、耐衝撃性、特に低温における衝撃強度、耐環境応力亀裂性(以下b−ESCRという)等の物性も充分ではなかった。
一方では、特開平2−123108号公報、同4−18407号公報、同5−230136号公報等では、チタン系触媒を用いて単段または2段以上の多段で重合されるポリエチレンが、中空成形に適した広い分子量分布を有するポリエチレンとして開示されている。しかしながら、かかる方法によって得られるポリエチレンは、優れたESCRを有するものの、溶融張力、スウェル、耐ドローダウン性が低く、中空成形し難いという欠点を有していた。
【0003】
これらの欠点を改良する方法として、クロム触媒ポリエチレンとチタン系触媒を用いて多段重合で重合されるポリエチレンとを混合する方法が有効であることが公知であり、中空、押出し等の成形分野で広く実用化されている。そのようなクロム触媒ポリエチレンとチタン系触媒を用いて多段重合で重合されるポリエチレンとからなるポリエチレン組成物が、例えば特公平1−12777号公報、特公平1−12778号公報、特公平1−12781号公報、特開平11−302465号公報等で、ESCR等の物性と成型加工性とが共に優れているポリエチレン組成物として開示されている。
しかしながらこれらの公報において具体的に開示されているポリエチレン組成物を詳細に検討してみると、クロム触媒ポリエチレンとチタン系触媒を用いて多段重合で重合されるポリエチレンの混ざりが充分でない場合には成形体にゲル、スジ、フィッシュアイ等が発生し易い等、実用特性の点で幾多の欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、かかる従来技術の幾多の欠点を改良するものであり、クロム系触媒を用いて製造させるポリエチレンとチタン系触媒を用いて多段重合で製造されるポリエチレンとからなるポリエチレン組成物において、成形加工性および強度、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性、ESCR等の物性に優れ、且つゲルや表面平滑性等の実用特性をも改良したポリエチレン組成物、とくに大型中空成形用途等に適したポリエチレン組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来技術の欠点を改良するため鋭意研究を重ねた結果、クロム触媒ポリエチレンに、特定の低分子量部分と高分子量部分の重量比を持つチタン系触媒を用いて得られるポリエチレンを、特定の比率含有せしめたポリエチレン組成物は、驚くべきことに、成型加工性及び物性に優れ、且つゲルや表面平滑性等の実用特性をも改良できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
1)少なくとも2種類のポリエチレン(A)、(B)とからなり、ポリエチレン(A)は、クロム系触媒を用いて製造された重合体成分であり、ポリエチレン(B)は、チタン系触媒を用いて2段重合により製造された重合体成分であり、
ポリエチレン(A)は、MMIが0.01〜10g/10分、密度が940kg/m以上であるエチレン単独重合体もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、
ポリエチレン(B)は、エチレンを単独重合もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合して、MIが10〜300g/10分である低分子量重合体成分を製造した後、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合し、低分子量重合体成分の量に対して0.95〜1.1倍の重量比の高分子量重合体成分を製造することにより得られる、MMIが0.03〜1g/10分、密度が958kg/m以下である、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、
組成物中の(B)の量は、20〜80重量%の範囲であり、
組成物のMMIが0.01〜1g/10分、密度が940〜960kg/mであることを特徴とするポリエチレン組成物、
【0007】
2)ポリエチレン(A)が、有機金属化合物で処理されたクロム化合物担持触媒と助触媒からなる組み合わせで重合されたものであることを特徴とする、上記1)に記載のポリエチレン組成物、
3)該低分子量重合体成分が、2.0モル%以下のα−オレフィンを含む溶媒中で製造されることを特徴とする、前記1)〜2)に記載のポリエチレン組成物、
4)該低分子量重合体成分の密度が971kg/m以上、高分子量部分の密度が推定で940kg/m以下であることを特徴とする前記1)〜3)に記載のポリエチレン組成物、
5)該ポリエチレン(A)の密度が960kg/m以上であることを特徴とする、前記1)〜4)に記載のポリエチレン組成物
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエチレン組成物は、2種類のポリエチレン(A)および(B)とから構成される。
ポリエチレン(A)は、クロム系触媒を用いて製造されたポリエチレンである。
ポリエチレン(A)は、JIS K7210に従い、190℃における5kg荷重下で測定したMMIが0.01〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g/10分、さらに好ましくは、0.2〜2g/10分である。
ポリエチレン(A)の密度は、940kg/m以上である。密度が940kg/mよりも低ければ、本発明のポリエチレン組成物の剛性を充分確保することができず好ましくない。ポリエチレン(A)の密度は、好ましくは950kg/m以上さらに好ましくは960kg/m以上である。尚、本発明における密度は、JIS K7112に従って測定される。
【0009】
ポリエチレン(B)は、チタン系触媒を用いて2段重合により製造されたポリエチレンである。
ポリエチレン(B)は、MMIが0.03〜1g/10分、好ましくは、0.05〜0.8g/10分、さらに好ましくは、0.1〜0.5g/10分である。
ポリエチレン(B)の密度は、密度が958kg/m以下であり、好ましくは、955kg/m以下であり、さらに好ましくは、953kg/mである。
【0010】
次にポリエチレン(A)を製造するための触媒と(A)の製造方法について説明する。
ポリエチレン(A)を製造するのに用いるクロム系触媒としては、無機酸化物担体にクロム化合物を担持した固体触媒、または該固体触媒と有機金属化合物とを組み合わせた触媒等、公知の触媒が挙げられる。具体的には、特公昭44−2996号公報、同47−1365号公報、同44−3827号公報、同44−2337号公報、同47−19685号公報、同45−40902号公報、同49−38986号公報、同56−18132号公報、同59−5602号公報、同59−50242号公報、同59−5604号公報、特公平1−1277号公報、同1−12778号公報、同1−12781号公報、特開平11−302465号公報、同9−25312号公報、同9−25313号公報、同9−25314号公報、特表平7−503739号公報、米国特許5,104,841号公報、同5,137,997号公報等に記載された触媒が例示できる。
【0011】
これら公知の触媒のうち、特に有機金属化合物で処理されたクロム化合物担持触媒と助触媒からなる組み合わせで重合されたものが、適度な溶融張力(Melt Tension:MT)、溶融伸度(Melt Elongation:ME)、スウェル、耐ドローダウン性等のバランスを有するため、本発明で用いるクロム系触媒として好適である。
本発明のポリエチレン(A)は、特開2001−294613号公報等に記載の方法によって製造される、耐火性化合物上に担持され非還元雰囲気下で熱処理により活性化された酸化クロム触媒と、アルコキシ基およびヒドロシロキシ基の両方を含有する有機アルミニウム化合物とを混合して得た固体触媒成分と、助触媒成分として、アルコキシ基を含有する有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる重合触媒存在下において製造されることがさらに好適である。
【0012】
本発明のポリエチレン(A)を得るために、もっとも好ましい重合触媒は、耐火性化合物上に支持され非還元雰囲気下で熱処理により活性化された酸化クロム触媒と、下記一般式(1)で表されるアルコキシ基およびヒドロシロキシ基の両方を含有する有機アルミニウム化合物とを混合して得た固体触媒成分に、助触媒成分として、下記一般式(2)で表されるアルコキシ基を含有する有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる重合触媒である。
AlR (OR(OSiHR  (1)
(式中、p≧1、0≦q≦1、x≧0.25、y≧0.15、0.5≦x+y≦1.5かつp+q+x+y=3、R、R、R、Rは同一または異なった炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
AlR 3−n(OR            (2)
(式中、0<n≦1、R、Rは同一または異なった炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
本発明のポリエチレン(A)は、懸濁重合、溶液重合、気相重合等の公知の方法で製造することができる。
【0013】
次にポリエチレン(B)を製造するための触媒と(B)の製造方法について説明する。
本発明でいうチタン系触媒としては、多孔質高分子材料(但し、マトリックスはたとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体の部分あるいは完全鹸化物等のポリオレフィンやその変性物、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂等を含む)、周期表第2〜4、13または14族に属する元素の無機固体酸化物(たとえば、シリカ、アルミナ、マグネシア、塩化マグネシウム、ジルコニア、チタニア、酸化硼素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化バリウム、五酸化バナジウム、酸化クロム、酸化トリウム、またはこれらの混合物もしくはこれらの複合酸化物)等の担体に、チタン化合物を担持した触媒等、公知の触媒が挙げられる。
【0014】
本発明において好ましい触媒としては、例えば、(a)下記一般式(3)で示される有機マグネシウム化合物
αMgβ  X       (3)
(式中、αは0又は0より大きい数、p、q、r、sは0または0より大きい数で、p+q+r+s=mα+2βの関係を有し、Mは周期律表第I族ないし第III族に属する金属元素、mはMの原子価、R、Rは同一または異なった炭素原子数の炭化水素基、X、Yは同一または異なった基で有り、ハロゲン、OR 、OSiR、NR、SRなる基を表し、R、R、R、R、R、Rは水素原子または炭化水素基、Rは炭化水素基を表す)と、(b)少なくとも1個のハロゲン原子を含有するチタン化合物と、(c)Al、B、Si、Ge、Sn、Te、Sbのハライド化合物の(a)〜(c)のうち、(a)と(b)あるいは(a)と(b)と(c)とを反応させてなる固体触媒成分[A] と、有機金属化合物[B] からなるものである。
【0015】
有機金属化合物[B] としては、周期律表第I〜III族の化合物で、特に有機アルミニウム化合物、又は有機アルミニウム化合物をふくむ有機マグネシウム化合物錯体が好ましい。
触媒成分[A] と有機金属化合物成分[B] 成分の反応は重合系内に両成分を添加し、重合条件下に重合の進行と共に行わせることも可能で有り、あらかじめ重合に先立って実施しても良い。
また触媒成分の反応比率は、[A] 成分1gに対し、[B] 成分1〜3000mmolの範囲で行うことが好ましい。
本発明における好ましい触媒として具体的には、特公昭52−36788、52−36790、52−36791、52−35792、52−50070、52−36794、52−36795、52−36796、52−36915、52−36917、53−6019号公報、特開昭50−21876、50−31835、50−72044、50−78619、53−40696号公報、WO99/28353号公報記載のものがある。
【0016】
本発明のポリエチレン(B)は、懸濁重合、溶液重合、気相重合等の公知の方法で製造することができる。
該ポリエチレン(B)は、チタン系触媒を用いて2段重合により製造された重合体成分であり、低分子量重合体成分と高分子量重合体成分とからなる重合体であるが、低分子量重合体成分は、MIが10〜300g/10分であり、好ましくは、20〜150g/10分、さらに好ましくは、40〜100g/10分であり、エチレンを単独重合もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られる。該ポリエチレン(B)を懸濁重合にて製造する際は、低分子量重合体成分は、2.0モル%以下のα−オレフィンを含む溶媒中で製造されることが好ましい。低分子量重合体成分の密度が低いと本発明の優れた物性が得られない。
【0017】
本発明のポリエチレン(B)は、エチレンを単独重合もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合して低分子量重合体成分を製造した後、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合し、低分子量重合体成分の量に対して0.95〜1.1倍の重量比の高分子量重合体成分を製造することにより得られる。低分子量重合体成分と高分子量重合体成分の重量比がこの範囲以外になると、ゲルや表面平滑性等の実用特性と成形加工性とのバランスが悪くなる。
【0018】
本発明において、炭素数3〜20のα−オレフィンとは、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセンよりなる群から選ばれる。
本発明において、ポリエチレン(A)と(B)とは、混合して目的とするポリエチレン組成物になされる。
(A)と(B)の比率は、重量比で(A)/(B)=20/80〜80/20であり、好ましくは30/70〜70/30であり、さらに好ましくは、40/60〜60/40である。
ポリエチレン組成物を製造する場合の混合方法には特に制限はなく、パウダー状態、スラリー状態、ペレット状態等通常の方法が用いられる。混練する場合は150〜300℃の温度で、一軸、二軸の押出機、混練機等で行われる。
【0019】
該ポリエチレン組成物は、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、滑剤、充填剤、他のポリオレフィン、熱可塑性樹脂、ゴム等、通常ポリオレフィンに添加、ブレンドされ得る物質は、必要に応じて使用されることは可能である。また、発泡剤を混入させて発泡成形することも可能である。
あるいは、ラジカル発生剤や酸素を用いて、架橋することも可能である。(A)と(B)とから成る組成物を架橋する方法としては、該ポリエチレン組成物の粉末を均一混合する場合に、酸素または酸素を含む気体たとえば空気等を使用するか、または酸素濃度0.5vol%未満の雰囲気で210℃から300℃で熱架橋する方法が特に好ましい。
このようにして製造されるポリエチレン組成物のMMIは、0.01〜1g/10分、密度は940〜960kg/mである。
【0020】
以下、実施例によって、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明において示す記号、測定方法及び測定条件は以下の通りである。
(1)MI:メルトインデックスを表し、JIS K7210により、温度190℃、荷重2.16kgの条件下で測定した値で、単位はg/10分である。
(2)MMI:中荷重メルトインデックスを表し、JIS K7210により、温度190℃、荷重5kgの条件下で測定した値で、単位はg/10分である。
(3)密度:JIS K7112に従って測定した値で、単位はkg/mである。
(4)曲げ測定:JIS K7171に従って測定した値で、単位はMPaである。
【0021】
(5)シャルピー測定:JIS K7111に従って測定した値で、単位はkJ/mである。測定は試験片ノッチを入れた後、温度を23℃、−25℃で24時間状態調節を行った。
(6)b−ESCR(定ひずみ環境応力亀裂試験):耐環境応力亀裂性の評価として、JIS K6760に準拠し、b−ESCRの測定を行った。試験液としては、ライオン(株)製アンタロックス(C0630)の10重量%水溶液を使用し、定ひずみ環境応力による亀裂が発生する確率が50%(以下F50値)となる時間を計測し、b−ESCRの値とした。単位はhrである。
評価に使用した中空成形体の成形条件及び得られた成形体の評価方法は次に示すとおりである。
【0022】
(7)肌荒れ性:成型加工性はプラコー社製 DA65を用い、ダイス径62mmφ、コア系61mmφのダイバージタイプのダイスを用い、シリンダー部温度190℃、ダイ部温度190℃、金型温度20℃、金型冷却時間60秒の条件下において成型を行った。成型はダイレクトブロー成型で一旦アキュムレータに溶融樹脂を溜めてから射出を行う間歇式ブローにより内容量5Lの丸瓶のボトルを成型した。この時、ダイスのクリアランスを一定に保ち、射出圧力を変える事によりせん断速度を変えることにした。ダイスクリアランスを0.56mm、射出圧力13.7MPaで成型したときの成型品の表面肌を目視で確認した。
○ 表面に平滑感があり、光沢も認められる。
× 表面が全体に凹凸があって肌荒れを呈し、光沢もない。
【0023】
又、本発明における触媒の合成及びポリエチレンの製造条件は以下の通りである。
(i)酸化クロム触媒(I)の合成
三酸化クロム4モルを蒸留水80リットルに溶解し、この溶液中にシリカ(W.Rグレースアンドカンパニ製グレード952)20kgを浸漬し、室温にて1時間攪拌後、このスラリーを加熱して水を留去し、続いて120℃にて10時間減圧乾燥を行った後、600℃にて5時間乾燥空気を流通させて焼成し、クロムを1.0重量%含有した酸化クロム触媒(I)を得た。
【0024】
(ii)有機アルミニウム化合物(II)の合成
トリエチルアルミニウム100モル、メチルヒドロポリシロキサン(30℃における粘度:30センチストークス)50モル(Si基準)、n−ヘキサン150リットルを窒素雰囲気下耐圧容器に秤取し、攪拌下50℃で24h反応させてAl(C2.5(OSi・H・CH・C0.5ヘキサン溶液を調整した。 次にこの溶液100モル(Al基準)を窒素雰囲気下600リットルの反応器に移し、エタノール50リットルとn−ヘキサン50リットルの混合溶液を−10℃にて攪拌下に添加し、添加後50℃まで昇温し、この温度で1時間反応させてAl(C2.0(OC0.5(OSi・H・CH・C0.5ヘキサン溶液を調整した。
【0025】
(iii)チタン触媒(III)の合成
充分に窒素置換された15リットルの反応器に、トリクロルシランを2モル/リットルのn−ヘプタン溶液として3リットル仕込み、攪拌しながら65℃に保ち、組成式AlMg(C(n−C6.4(On−C5.6で示される有機マグネシウム成分のn−ヘプタン溶液7リットル(マグネシウム換算で5モル)を1時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪拌下反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、n−ヘキサン7リットルで4回洗浄を行い、固体物質スラリーを得た。この固体を分離・乾燥して分析した結果、固体1グラム当たり、Mg7.45ミリモルを含有していた。
【0026】
このうち固体500gを含有するスラリーを、n−ブチルアルコール1モル/リットルのn−ヘキサン溶液0.93リットルとともに、攪拌下50℃で1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7リットルのn−ヘキサンで1回洗浄した。このスラリーを50℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロリド1モル/リットルのn−ヘキサン溶液1.3リットルを攪拌下加えて1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7リットルのn−ヘキサンで2回洗浄した。このスラリーを50℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロリド1モル/リットルのn−ヘキサン溶液0.2リットルおよび四塩化チタン1モル/リットルのn−ヘキサン溶液0.2リットルを加えて、2時間反応した。反応終了後上澄みを除去し、固体触媒を単離し、遊離のハロゲンが検出されなくなるまでヘキサンで洗浄した。この固体触媒は2.3重量%のチタンを有していた。
【0027】
(iv)ポリエチレン(A)の製造
単段重合プロセスにおいて、容積230Lの重合器で重合した。重合温度は80℃、重合圧力は0.98MPaである。精製ヘキサンを60L/hrの速度で供給し、助触媒として、メタノールとアルミニウムトリヘキシルとをモル比0.92:1で反応させることにより得られた有機アルミニウム化合物を、重合器中の濃度が0.08ミリモル/リットルになるよう供給した。この重合器に(i)で合成した酸化クロム触媒(I)50gに、(ii)で調整した有機アルミニウム化合物(II)0.03モル(Al基準)を加えて、室温で1時間反応させて得られた固体触媒を2g/hrの速度で供給した。またエチレンを12kg/hrの速度で、分子量調節剤として水素を気相濃度が約1モル%になるように供給し重合を行い、MMIが0.6g/10分、密度が964kg/mのポリエチレン(A)を製造した。
【0028】
(v)ポリエチレン(B)の製造
(B−1)
最初に1段目の重合で低分子量重合体成分を製造するために、反応容積300リットルのステンレス製重合器1を用い、重合温度81℃、重合圧力1MPaの条件で、触媒は上記の固体触媒(III)を1.3ミリモル(Ti原子基準)/hr、トリエチルアルミニウムを20ミリモル(金属原子基準)/hr、またヘキサンは40リットル/hrの速度で導入した。分子量調整剤としては水素を用い、エチレンに対する水素濃度が65モル%になるように供給し重合を行った。
【0029】
重合器1内のポリマースラリー溶液を圧力0.1MPa、温度75℃のフラッシュドラムに導き、未反応のエチレン、水素を分離した後反応容積250リットルの重合器2にスラリーポンプで昇圧して導入した。重合器2では、温度65℃、圧力0.5MPaの条件下で、トリエチルアルミニウムを7.5ミリモル/hr、ヘキサンは40リットル/hrの速度で導入した。これに、エチレン、水素、ブテン−1を水素の気相濃度が約1モル%、ブテンの気相濃度が約10モル%になるように導入して、重合器1で生成した低分子量重合体成分の量に対して、重合器2で生成した高分子量重合体成分の重量比が1.05倍となるように重合し、MMIが0.2g/10分、密度が941kg/mのポリエチレン(B−1)を製造した。尚、重合器1で生成した低分子量重合体成分のMIは、50g/10分、密度は971kg/mであった。
【0030】
(B−2)
上記ポリエチレン(B−1)の製造において、1段目の重合でブテン−1をブテン−1の気相濃度が3.5モル%になるように供給した以外は同様に重合を行い、MMIが0.2g/10分、密度が941kg/mのポリエチレン(B−2)を製造した。
(vi)ポリエチレン組成物の製造
【0031】
【実施例1】
上記の如くして製造したポリエチレン(A)および(B−1)のパウダーを重量比で、40対60の割合で混合し、次いでこの混合物に、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3′5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート1000ppm、トリス(2、4―ジーt−ブチルフェニル)フォスファイト800ppm及び金属不活性剤としてステアリン酸カルシウム300ppmを添加し、ヘンシェルミキサー中十分攪拌混合した。
この混合物を、スクリュー径65mmの単軸押出機で200℃の温度で、押出量25kg/hrで混練押出した。
このポリエチレン組成物の性能は表1に示すとおりである。
【0032】
【比較例1】
実施例1のポリエチレン(B−1)のかわりに(B−2)を用いて製造した以外は、実施例1と同様にしてポリエチレン組成物を製造し、その性能を評価した。
【0033】
【比較例2】
実施例1のポリエチレン(B−1)の製造において、重合器1で生成した低分子量重合体成分の量に対して、重合器2で生成した高分子量重合体成分の重量比が0.94倍となるように重合し、MMIが0.2g/10分、密度が941kg/mのポリエチレン(B)を製造した以外は、実施例1と同様にしてポリエチレン組成物を製造し、その性能を表1に評価した。
【0034】
【表1】
Figure 2004083655
【0035】
【発明の効果】
本発明のポリエチレン組成物は、成形加工性および強度、ESCR、耐衝撃性等の物性に優れ、特に低温における耐衝撃性が大きく改善され、且つゲルや表面平滑性等の実用特性をも改良したポリエチレン組成物であり、特に大型中空成形用途等に適したポリエチレン組成物を提供するものである。

Claims (5)

  1. 少なくとも2種類のポリエチレン(A)、(B)とからなり、ポリエチレン(A)は、クロム系触媒を用いて製造された重合体成分であり、ポリエチレン(B)は、チタン系触媒を用いて2段重合により製造された重合体成分であり、ポリエチレン(A)は、MMIが0.01〜10g/10分、密度が940kg/m以上であるエチレン単独重合体もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、ポリエチレン(B)は、エチレンを単独重合もしくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合して、MIが10〜300g/10分である低分子量重合体成分を製造した後、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合し、低分子量重合体成分の量に対して0.95〜1.1倍の重量比の高分子量重合体成分を製造することにより得られる、MMIが0.03〜1g/10分、密度が958kg/m以下である、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、組成物中の(B)の量は、20〜80重量%の範囲であり、組成物のMMIが0.01〜1g/10分、密度が940〜960kg/mであることを特徴とするポリエチレン組成物。
  2. ポリエチレン(A)が、有機金属化合物で処理されたクロム化合物担持触媒と助触媒からなる組み合わせで重合されたものであることを特徴とする、前記請求項1に記載のポリエチレン組成物。
  3. 該低分子量重合体成分が、2.0モル%以下のα−オレフィンを含む溶媒中で製造されることを特徴とする、前記請求項1〜2に記載のポリエチレン組成物。
  4. 該低分子量重合体成分の密度が971kg/m以上、高分子量重合体成分の密度が推定で940kg/m以下であることを特徴とする、前記請求項1〜3に記載のポリエチレン組成物。
  5. 該ポリエチレン(A)の密度が960kg/m以上であることを特徴とする、前記請求項1〜4に記載のポリエチレン組成物。
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