JP2004083433A - エラスターゼ阻害剤 - Google Patents

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Tatsuya Ichitsubo
市坪 達也
Akiko Takashima
高島 明子
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】新規なエラスターゼ阻害剤を提供する。
【解決手段】アロエ抽出物に、エラスターゼ阻害作用を見出し、新規なエラスターゼ阻害剤として提供できる。本発明のエラスターゼ阻害剤は、皮膚の弾力性や柔軟性の低下を防ぎ、肌のハリを回復又は維持することができ若々しい肌を保つ効果を有する。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アロエ抽出物を含有するエラスターゼ阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
エラスチンは、皮膚、血管壁、腱、軟骨などの伸展性に富む結合組織内に存在する弾性繊維状構造蛋白質であり、ペプチド鎖間に独特の架橋構造をもち皮膚に弾力性と柔軟性を与えている。エラスチンは、エラスターゼにより分解される。エラスターゼは、エラスチンを特異的な基質とするプロテアーゼの一種で、エラスチンの新陳代謝に重要な役割を果たす。通常の生体内ではエラスターゼとエラスターゼ活性調節因子とが協同しあうことによって、エラスターゼ活性が恒常的に保持されている。しかし、エラスターゼ活性が亢進するとエラスチンを過剰に分解してしまうため、組織老化、更には疾患を悪化させる原因となる。
【0003】
これまでの研究により、ある種の疾患においてエラスターゼ活性の亢進が密接に関与していることがわかっている。そこで、亢進したエラスターゼ活性を抑制するエラスターゼ阻害剤の疾患治療剤としての有用性が、慢性関節リュウマチ、変形性関節症などの関節系疾患(日本薬理学会誌、99、93−107、1992)、全身性炎症反応症候群(医学のあゆみ4月別冊、104−107、1998)、動脈硬化等で報告されている。
【0004】
皮膚の自然老化や光老化の機序にもエラスターゼ関与している。紫外線曝露された皮膚では多形核白血球を含む炎症性細胞の湿潤、エラスチン繊維の部分的凝集、過剰に亢進されたエラスターゼによりエラスチン繊維の凝集が生じる(J. Soc. Cosmet.Chem.Japan、31(2)、p190−200、1997)等、老化とエラスターゼの関連が解明されつつある。そして、エラスターゼ阻害剤を用いた皮膚外用剤に、皮膚の弾力性や柔軟性を取り戻し、ハリを回復及び/又は維持し若々しい肌を保つ抗老化効果、抗シワ効果があることが報告されている。
【0005】
植物由来のエラスターゼ阻害作用を有する物質に関する研究としては、ワレモコウ、イタドリ、ハチジョウイタドリ、オオイタドリ、メリッサ、マンネンロウ、ベニバナ、ショウガの各植物抽出物(特開2000−319189号公報)、セージやクワ属植物(特開平11−147834号公報)、セイヨウニワトコ(特開平11−147832号公報)、褐藻類のヒバマタ属、アスコフィラム属、レッソニア属またはダービリア属に属する海藻からの抽出物(特開2000−53578号公報)、アセンヤクの溶媒抽出物(特開平10−182414号公報)、ユキノシタの溶媒抽出物(特開平11−246386号公報)などが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、安全性が高い新規なエラスターゼ阻害剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討の結果、アロエ抽出物にエラスターゼ阻害作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アロエ抽出物を含有するエラスターゼ阻害剤に関する。また、本発明は、アロエ抽出物を有効成分として含有してなるエラスターゼ阻害剤に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるアロエ抽出物は、ユリ科アロエ族に属する植物(Aloe ferox、Aloe spicata、Aloe barbadensis、Aloe arborescens、Aloe africana等)の抽出物であり、古くから医薬品や化粧料に用いられている安全性の高い抽出物である。アロエはその種類や産地により含有する成分が異なるが、本発明に用いる抽出物においては、特に限定することなく用いることができる。
【0009】
アロエ抽出物の抽出方法は、特に限定されるものではないが、主として葉を原料とし、葉を乾燥、細切、圧搾等、適宜処理を施すか、または葉そのままに対して、低温もしくは加温下で溶媒により抽出する方法が例示できる。得られた抽出液は濾過またはイオン交換樹脂精製、吸着等を用いて精製し、ペースト状、ゲル状、粉末状、液状として利用することもできる。また、市販のアロエエキス等のアロエ抽出物を利用することもできる。
【0010】
アロエの抽出に用いることのできる抽出溶媒としては、例えば水、低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール、ブタノール、ブタノール等)、多価アルコール(グリセリン、1,3−ブチレングリコール等)等が挙げられる。
【0011】
本発明のエラスターゼ阻害剤において、アロエ抽出物の含有量は、アロエ抽出物の乾燥固形分として、好ましくは0.00001〜10質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.0001〜5%、特に好ましくは0.0001〜1%である。また、アロエエキスなどの抽出物を使用する場合は、アロエエキス等の抽出物として、好ましくは、0.001〜20質量%であり、より好ましくは0.001〜10重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%である。
【0012】
本発明のエラスターゼ阻害剤は、本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、アロエ抽出物の他に通常使用される溶媒や基剤、各種添加剤(例えば界面活性剤、乳化剤、油分、安定化剤、増粘剤、防腐剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、分散剤、pH調整剤、保湿剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、キレート剤、アミノ酸類、香料等)などを配合することによって、錠剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、硬カプセル剤等の固形製剤の他、シロップ剤、軟カプセル剤等の液剤、軟膏剤、乳剤等の半固形剤などの製剤形態、化粧料であれば、例えばファンデーション、口紅、化粧水、美容液、乳液、クリーム、ローション、オイル、ジェル、パックなどの各種所望の形態に調製することができる。これらは通常用いられる添加物や溶媒等を用いて常法によって製造可能である。
【0013】
本発明のエラスターゼ阻害剤は、医薬品、医薬部外品、食品、化粧品等の各種分野において利用することができる。具体的には、ヒトをはじめとする哺乳動物においてエラスターゼ亢進に起因する疾患の治療剤、予防剤、またはエラスターゼ亢進に起因する生理状態のための研究試薬等として有用である。具体的には、慢性関節リュウマチ・変形性関節症などの関節疾患治療及び/又は予防剤、紫外線曝露や加齢によるシワやタルミの改善及び/又は予防のための抗老化又は抗シワ用皮膚外用剤、皮膚の弾力性や柔軟性を向上しハリを回復し維持する美肌用化粧料等が挙げられる。
【0014】
【発明の効果】
アロエ抽出物は、エラスターゼ活性の阻害作用を有する。そのため、皮膚老化現象である弾力性や柔軟性の低下を防止し、皮膚のハリを回復又は維持することができ肌の状態を若々しく保つことができる。また、シワやタルミの予防又は改善にも有用である。さらに、関節疾患等の各種疾患の治療などにも効果がある。
【0015】
【実施例】
以下に本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、下記の各処方において%とは、特に言及しない限り、重量(W/W)%を意味するものとする。
【0016】
実施例1〜4 アロエ抽出物(1,3−ブチレングリコールで抽出した抽出物、一丸ファルコス株式会社製 商品名「アロエベラリキッドBG」)を滅菌精製水に濃度0.08、0.24、0.8および2.4(w/v)%となるように溶解し、得られた水溶液をそれぞれ実施例1〜4とした。
【0017】
試験例1 ヒト白血球由来エラスターゼ活性阻害試験
実施例1〜4を用いて、ヒト白血球由来エラスターゼ活性阻害率を試験した。反応用緩衝液は、0.2M Tris−HCl(pH=8.0)を用いた。エラスターゼ基質溶液は、合成基質であるN−サクシニル−アラニル−アラニル−アラニル−p−ニトロアニリド(BACHEM AG社製)をDMSOで50mMとなるように調製し、使用時に反応緩衝液で5mMに希釈して調製した。エラスターゼ酵素液は、ヒト白血球由来エラスターゼ(Elastin Products Co.,Inc.)をリン酸緩衝液で10.0μg/mlとなるように調製した。
96ウエルマイクロプレートの1ウエルに対して、エラスターゼ基質溶液50μl(反応溶液中での最終濃度1.25mM)、エラスターゼ酵素液100μl(反応溶液中での最終濃度5.0μg/ml)及び実施例1〜4を50μlを添加して37℃で1時間反応させた。対照としては、エラスターゼ基質溶液50μl(反応溶液中での最終濃度1.25mM)、エラスターゼ酵素液100μl(反応溶液中での最終濃度5.0μg/ml)及び精製水100μl(比較例1)を添加したものも、同様に37℃で1時間反応させた。その後、実施例1〜4及び比較例1を添加した反応溶液の吸光度405nmを測定した。
エラスターゼ阻害率は、分解生成物であるp−ニトロアニリドの吸光度405nmをもちいて、以下のように求めた。即ち、実施例1〜4添加反応溶液の1時間後吸光度と比較例1添加反応溶液の1時間後吸光度の差を、比較例1添加反応溶液の1時間経過後吸光度で除してエラスターゼ阻害率(%)とした。結果は表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 2004083433
【0019】
表1に示す結果より、アロエ抽出液を含有する実施例1〜4は、濃度依存的にエラスターゼ活性を阻害することが確認された。
【0020】
試験例2 ヒト線維芽細胞由来エラスターゼ活性阻害試験
実施例1〜4を用いて、ヒト線維芽細胞由来のエラスターゼ活性阻害率を試験した。ヒト線維芽細胞(クラボウ)を牛胎児血清を10%含有するダルベッコ最小培地(DMEM)中に播種して、37℃・5%COインキュベーター内で培養した。培養用シャーレ(100mmディッシュ、コーニング)で培養後コンフルエントになった細胞を集め、緩衝液リン酸バッファー6mlに再懸濁し、超音波で破砕して粗酵素液を調製した。こうして得た粗酵素液100μlに、DMSOで50mMとなるように調製し、使用時に反応緩衝液(0.2M Tris−HCl(pH=8.0))で5mMに希釈して調製したエラスターゼ合成基質N−サクシニル−アラニル−アラニル−アラニル−p−ニトロアニリド(BACHEM AG社製)を50μl添加し、さらに実施例3又は4を50μl添加して、37℃で1時間反応させた。対照として、粗酵素液100μlに、DMSOで50mMとなるように調製し、使用時に反応緩衝液(0.2M Tris−HCl(pH=8.0))で5mMに希釈して調製したエラスターゼ合成基質N−サクシニル−アラニル−アラニル−アラニル−p−ニトロアニリド(BACHEM AG社製)を50μl及び精製水50μl(比較例1)を添加したものも、同様に37℃で1時間反応させた。その後、実施例3又は4及び比較例1を添加した反応溶液の吸光度405nmを測定した。エラスターゼ阻害率は、分解生成物であるp−ニトロアニリドの吸光度405nmをもちいて、以下のように求めた。即ち、実施例3又は4添加反応溶液の1時間後吸光度と比較例1添加反応溶液の1時間後吸光度の差を、比較例1添加反応溶液の1時間経過後吸光度で除してエラスターゼ阻害率(%)とした。結果は表2に示す。
【0021】
【表2】
Figure 2004083433
【0022】
表2に示す結果より、アロエ抽出物を含有するエラスターゼ阻害剤は、濃度依存的に繊維芽細胞由来のエラスターゼ活性を阻害することが確認された。皮膚の繊維芽細胞由来エラスターゼの阻害活性を有することから、皮膚の老化現象の予防又は改善に有用であることが示唆される。
【0023】
実施例1 美容用組成物
下記の成分を混合し、打錠して錠剤(1錠500mg)を得た。
Figure 2004083433
【0024】
Figure 2004083433
【0025】
Figure 2004083433

Claims (1)

  1. アロエ抽出物を含有するエラスターゼ阻害剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009263279A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Oriza Yuka Kk エラスターゼ阻害剤
JP2021038201A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 広東丸美生物技術股▲フン▼有限公司 曳糸性植物増粘剤及びその調製方法と応用

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