JP2004083064A - 容器詰め飾り鏡餅、およびその包装方法 - Google Patents

容器詰め飾り鏡餅、およびその包装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容器詰め飾り鏡餅の頂部に載置状とした飾り橙を安定に装着、組み合わせて飾り橙の傾き、ずれ、転落等を防止すると共に、包装袋に収容した場合でも装着された姿勢を保持でき、包装したまま供えても違和感のない新規な構造からなる容器詰め飾り鏡餅、およびそのための新規な構成からなる包装方法を提供する。
【解決手段】鏡餅外観であって、底部を適宜手段で封鎖可能にするようにした透明または半透明合成樹脂製の餅詰め容器本体2に、餅素材6を充填、密封した上、その頂部には飾り橙4を適宜手段で載置状とし、それら飾り橙4を含む餅詰め容器本体2側面形を包囲できる最小周長の透明フィルム製の無端帯体7内側に、飾り橙4および餅素材6封入済み餅詰め容器本体2を装着状に組み合わせてなる容器詰め飾り鏡餅である。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の目的】
この発明は、祭事等に供えられる飾り鏡餅に関するものであり、特に容器詰め飾り鏡餅が、その容器本体頂部に飾り橙を載置状とし、必要に応じて適宜鏡餅用装飾体を付設して包装袋に収容したまま、流通段階においてもその姿を崩すことなく安定して取り扱われるようにし、しかも、包装状態のまま飾っても外観的に違和感を生じさせることのない新規な構造からなる容器詰め飾り鏡餅、およびそのための新規な構成からなる包装方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
鏡餅は、扁平、円形状で鏡のように作ったサイズの異なる二個または三個の餅を二段重ねまたは3段重ねとした上、吉例祭事の時等に神仏に捧げる供え物の一つであって、最も一般的には、年始を祝う慣習としてこの鏡餅を神棚や仏壇に飾るという日常生活の中で各家庭でも昔から絶えることなく取り扱ってきているものであり、かっては各家庭で搗いた餅を加工したり、あるいは餅屋に依頼したりして鏡餅を得ていたものの、近年では、餅が次第次第に加工食品として国民離れ現象を起こしてきてしまったことに加え、技術的な進展によってきれいで各種サイズのものが機械的に製造可能になり、手作り品に比較して日持ちがして取扱いも容易な餅が比較的安価に提供されるようになったこと等の理由から、餅を搗かない家庭が益々増加することとなって、最近では、大多数の家庭が容器に詰められた鏡餅、即ち、容器詰め飾り鏡餅を利用する傾向にある。
【0003】
容器詰め飾り鏡餅は、外形を段重ねの鏡餅の外観に形成し、内部を空洞にした透明または半透明の合成樹脂製容器の中に、餅素材を充填、密封してなるもので、外観形状が容器によって規制されることから、当然のことながら形は整っていて見栄えは良い上に、餅素材が完全に容器に被われた密封状態になって空気に触れることがないため、乾燥によるヒビ割れの心配は一切なく、黴の発生も確実に抑制されて長期保存も可能になり、しかも容器入りのまま飾り鏡餅として取り扱うことができるという利便性も有している等の多くの利点があって、その需要は年々増加し、市場は拡大の一途を辿っており、今後ともその傾向が失われる要因はないといえる。
【0004】
しかし、年始を祝うお供えとしての鏡餅の場合には、お供えをする家庭が、一族郎党の代々の繁栄を願う思いから、「代々」に掛けて同じ「ダイダイ」の称呼のある果実である橙を鏡餅の上に飾りとして載置する慣習があり、前記容器詰め飾り鏡餅を供えるときには、包装袋に収容されている容器詰め飾り鏡餅を包装袋から取り出し、その上に橙を載置して供えることとなるが、通常は、この容器詰め飾り鏡餅で球形状頂部の上に、単にこの橙(天然のもの)を載置しただけの状態として飾るため、非常に不安定な状態となって振動、衝撃等の小さな外力によっても簡単に転げ落ちるという不具合が生じ易い上に、容器に被われた鏡餅そのものは心配ないにしても、橙の場合は飾っている間に塵埃を被ったり、変色や腐食を生じてしまう等という不都合があった。
【0005】
こうした問題は、折角餅素材を容器に充填、密封するという格好の手段の開発により、姿を整え、長期間に渡る品質が保証され、取扱いが簡便化される等の利点から需要が急増している容器詰め飾り鏡餅の商品価値に水を差す要因にもなり兼ねないことから、先ず、橙を中空プラスチック製の模造品に置き換え、それを容器詰め飾り鏡餅の頂部に糊や両面テープ等を使って載置状にし、外観上で飾りを完成した飾り鏡餅となし、それを一組の飾り鏡餅として包装袋に収容して提供するようにしたものが出回り始め、従前までの上記したような不都合を解消し得たかのように見えたものの、糊や両面テープ等を使用して橙を仮着状とする作業工程は作業工程上で望ましくない上に、仮着状とした筈の橙が流通段階に飾り鏡餅頂部から剥がれて包装袋中に転げ落ちてしまって意味をなさないものにしてしまう等といった新たな不都合を生じさせることとなった。
【0006】
そこで、最近のものでは、作業性を改善するため、中空プラスチック製の橙底面中央をダボ穴状に窪ませて嵌合凹部にすると共に、容器詰め飾り鏡餅の頂部中央には、該嵌合凹部にきつく嵌合状となるダボ状の凸部を形成したものに改良し、容器詰め飾り鏡餅頂部の凸部に中空プラスチック製橙の嵌合凹部を単に嵌合するだけのワンタッチで橙を飾り付けられ、完成した飾り鏡餅として包装袋中に納めて出荷するようにしたものが登場し、消費者は包装袋中から取り出すか、透明で表面所定箇所に昆布やウラジロ等の飾りを印刷してある包装袋に納められているものではそのままにするかして供えられる飾り鏡餅として歓迎されているものの、中には、嵌合状にして飾り付けていた筈の橙も、流通段階に何等かの原因で飾り鏡餅頂部から剥がれて包装袋中に転げ落ちてしまうといった状態に陥るものも発生していた。
【0007】
この発明は、上記した飾り鏡餅頂部に橙を所定の如くに載置、組み合せて完成した飾り鏡餅として包装袋中に納めて出荷するタイプの容器詰め飾り鏡餅の、包装袋中での脱落事故の発生に鑑み、如何にして橙を飾り鏡餅の上に安定的に装着したままに保持してなるものにできないものかとの判断から、逸早くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造からなる容器詰め飾り鏡餅、およびそのための新規な構成からなる包装方法を完成することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述していくこととする。
【0008】
【発明の構成】
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の容器詰め飾り鏡餅は、基本的に次のような構成から成り立っている。   即ち、二段または三段重ね構造とした鏡餅外観であって、底部を適宜手段で封鎖可能にするようにした透明または半透明合成樹脂製の餅詰め容器本体に、餅素材を充填、密封すると共に、餅素材封入済みの当該餅詰め容器本体頂部には飾り橙を適宜手段で載置状とした上、それら飾り橙を含む餅詰め容器本体側面形を包囲できる最小周長であって、飾り橙横幅よりも小さい幅とした透明フィルム製の無端帯体内側に、飾り橙を頂部に載置状としたまま、飾り橙および餅素材封入済み餅詰め容器本体を装着状に組み合わせてなる構成を要旨とする容器詰め飾り鏡餅である。
【0009】
この基本的な構成からなる容器詰め飾り鏡餅には、餅素材封入済み餅詰め容器本体に、飾り橙の外、必要に応じて段重ね構造括れ部その他餅詰め容器本体外表面適所を取着部として水引きや伊勢海老、昆布、ウラジロ等鏡餅用装飾体の一種または数種を付設してなるようにした容器詰め飾り鏡餅が包含されている。
【0010】
餅詰め容器本体は、鏡餅の外形を決定すると共に、餅素材を充填するための容器としての機能を果たすものであり、伝統的に引き継がれてきている二段重ねまたは三段重ねとする手作りの飾り鏡餅の外形に酷似するようにした形状に予め設定した上、その内部は餅素材を充填するために空洞となし、しかも充填の際に餅素材の圧力や熱で簡単に変形、破損してしまうことなく、容器としての役割を果たし得るに充分な構造強度のものとなるよう、その素材および肉厚等が予め設定されると共に、餅素材充填後には、内部に充填されて次第に固化していく餅素材の質感が外部から透視できるよう、透明または半透明の合成樹脂、例えばポリプロピレン等によって形成したものとする。
【0011】
また、この餅詰め容器本体には、飾り鏡餅としたときの安定性確保の機能を兼ね、餅素材充填口とした下端開口部を密封状に閉鎖してしまう底蓋の取着部として機能する部位として、その下端開口部外側縁から四方に向けて略水平状とした板状台座を形成したものとしなければならず、餅素材を餅詰め容器本体に充填した後、該容器本体下端開口部周りに形成してある板状台座に、容器本体と同様のポリプロピレン、またはポリプロピレンと紙等の積層材等、餅素材充填時の温度によって変形しない剛性と、容器本体の板状台座との溶着性、接着性等とを考慮した適宜素材により、当該板状台座と略同形に形成してなる底蓋を重ね、熱溶着、接着等適宜密封手段によって貼着、密封できるようにしてある。
【0012】
一方、餅詰め容器本体頂部には、容器本体への飾り橙の仮着、組み合わせを容易ならしむる機能を果たすものとして、飾り用の中空合成樹脂製橙の低部中央に設けられた嵌合凹部に装着するための凸部、あるいはそれらと略同様の仮着状態を実現するための適宜仮着構造部、例えば頂部側を凹部とし、中空合成樹脂製橙側が凸部の関係、あるいは共に凹部でダボを雇う関係、その他単に接着、溶着等による手段も含む各種仮着構造部を形成してなるものとしなければならず、また、必要に応じ、水引き、伊勢海老、昆布、ウラジロ等の鏡餅用装飾体を、段重ね構造の餅詰め容器本体括れ部を利用したり、その他適宜箇所に凸部や凹部、または鉤等を形成したものとして、水引き、伊勢海老等の鏡餅用装飾体を付設できるようにしたものとすることも可能である。
【0013】
飾り橙は、鏡餅の頂部に載置される天然の橙に代わって、他の水引き、伊勢海老、昆布、ウラジロ等と一式をなして完成した飾り鏡餅を構成する鏡餅用装飾体の一つとして機能するものであり、鏡餅に対応する適宜大きさ、形状であって橙形に酷似するよう、橙色に着色したポリエチレン等の合成樹脂によって中空体に成型するようにし、その底部には、前記した餅詰め容器本体頂部に形成する各種仮着構造部に組み合わされて飾り鏡餅の頂部に載置状にするための仮着部、例えば、前記のとおり、餅詰め容器本体側が凸部であれば、この飾り橙側は嵌合凹部といった関係になる構造によるものが形成されていなければならず、また、その頂部には、必要に応じ、橙の葉に模して成型した一枚または適宜枚数の飾葉を適宜手段、例えば挿入、接着、溶着等の手段によって付設したものとし、飾り効果が高められるようにしたものとすることができる。
【0014】
なお、この飾り橙と共に、必要に応じてこの発明の容器詰め飾り鏡餅を構成する鏡餅用装飾体とする場合がある水引き、伊勢海老、昆布、ウラジロ等鏡は、鏡餅を供える行事の性格、供える意義等により、付設する装飾体の種類や数を適宜決定し、餅素材封入済み餅詰め容器本体の括れ部や外表面適所に接着したり、ゴムバンドや紐等使って取着するようにしたりする外、場合によっては、飾り鏡餅全体を収容する透明な包装袋の表面で、内部に納められた餅詰め容器本体との位置関係で相応しい箇所に印刷してなるものし、外観したときに、視野上でそれら装飾体が、恰も内部に納められた餅詰め容器本体に直接付設されたように見えるようにしたものとしてもよい。但し、これら鏡餅用装飾体は、お供え後、縁起物として振舞われるようにするには、それらの手段によるものとせず、天然の物を採用するようにすれば足りる。
【0015】
無端帯体は、この発明の容器詰め飾り橙が、餅詰め容器本体頂部に載置状に組み合わされたままの状態を安定的に保持し続けられるようにするための付属部材であって、本来飾り鏡餅の必須構成要素たり得ないものとして機能するものであり、したがって、飾り鏡餅の外観上に支障を来すものとなってはならないことから、載置姿勢保持機能に支障を来すことのない範囲で飾り橙横幅よりも狭い幅とし、可能な限り視認され難くするために透明な合成樹脂フィルムからなる帯体によるものとし、餅素材を充填、密閉し、頂部に飾り橙を所定の状態に載置状としてなる完成した容器詰め飾り鏡餅を、その側面形で飾り橙を含んだまま包囲し得る最小周長(それよりもやや小さめとしたものも含む。)のリング状、即ち無端帯となるようにしたものであり、容器詰め飾り鏡餅側面から嵌め込み、組み合されることにより、飾り橙を前記容器本体頂部に押圧状にして、飾り橙が餅詰め容器本体頂部から脱落したり、傾きやずれを長期に渡って生じさせることがないようにする。
【0016】
なお、無端帯体は、予め所定の帯体をリング状のものに形成してなるものとする外、容器詰め飾り鏡餅の最小周長よりも長く形成した帯体を、その長さ方向略中央が飾り橙頂部に当接するようにしまま両端を容器本体底部にまで回るようにし、それら両端同士を重ね合わせて接着または溶着するか、または無端帯体のそれら両端側を別々に容器本体底蓋に接着または溶着するかしてなるものとすることが可能である。
【0017】
【関連する発明】
上記した容器詰め飾り鏡餅に関して、この発明には、その容器詰め飾り鏡餅を包装する際に用いられる包装方法も包含されており、基本的に次のとおりの構成を要旨とするものである。
即ち、段重ね構造とした鏡餅外観であって、適宜鏡餅用装飾体を付設するか、あるいは付設せず、頂部に飾り橙を載置状としたまま、飾り橙および餅素材封入済み餅詰め容器本体を無端帯体内側に装着してなる上記請求項1または2何れか記載の容器詰め飾り鏡餅を、表面には飾り鏡餅に相応しい表示部が印刷または貼着されてなる透明フィルム製の包装袋内に収容する際に、該包装袋の主要面に対して無端帯体の何れかの肉厚端縁側が対峙するようにした姿勢に規制して収容した上、当該包装袋挿入口を閉鎖してなるものとした構成からなる容器詰め飾り鏡餅の包装方法である。
【0018】
この基本的な構成からなる容器詰め飾り鏡餅の包装方法には、包装袋として、底面が容器詰め飾り鏡餅を収容可能な広さの四角形で、主要面が略矩形、側面が略三角形となるように形成された構造のものを採用するようにしてなる容器詰め飾り鏡餅の包装方法も包含されている。
【0019】
包装袋は、収容したこの発明の上記容器詰め飾り鏡餅の動きを抑制してその主要面と飾り餅正面との位置関係がズレてしまわないようにすると共に、容器詰め飾り鏡餅に傷が付いたり、塵埃の付着や変色を防止する外、所謂通常の包装具に求められる機能を果たすものであり、飾り橙を装着状に組み合わせた容器詰め飾り鏡餅を収容すると共に、包装袋底面の形状および広さを、該底面に載置、収容される飾り鏡餅の板状底蓋と略合致するように形成し、この容器詰め飾り鏡餅を、包装袋の主要面に対して無端帯体の肉厚端縁側が対峙するようにした姿勢に規制して収容したものとすることにより、包装袋主要面が透明フィルム1枚のみから構成されることとなって、頂部に飾り橙を載置状とした飾り鏡餅の正面が無端帯体に邪魔されることなく透けて見え、外観上、無端帯体を採用したことによる弊害を生じさせないものとすることができ、包装袋に収容したままでもお供え可能とすることになる。
【0020】
なお、包装袋は、内部に容飾り鏡餅を収容し終えて挿入口を閉鎖した状態において、例えば松竹梅、鶴亀等飾り鏡餅に相応しい表示部が包装袋の主要面および裏面、および/または上部把手部分や下部の四面適所に表れるよう、必要に応じ、その表面で考慮した位置に、それら適宜表示部を印刷またはシール貼着を施したものとすることができ、それら表示部は、それら装飾模様の種類や配置等に一切制約はなく、地域性や見栄え、経済性等を考慮して最適な効果が得られるようにしたものとすべきである。
【0021】
また、飾り橙を段重ね状の容器詰め飾り鏡餅の上に載置したこの発明の上記容器詰め飾り鏡餅が、二等辺三角形内に安定して納まることから、この包装袋としては、その底面形状を、容器詰め飾り鏡餅の板状底面を収容可能とする広さに形成された四角形とした、全体形状四角筒状の一般的な形状のものを採用し、飾り鏡餅を収容して閉鎖した後、その主要面が略矩形、側面が略三角形となるよう、四角筒状である包装袋で、主要面とならない左右側面の上部中心を内側方向に谷折り状とした後、その谷折り状とした部分上部を中央部に寄せたまま、主要面および裏面の上部と共に溶着または接着その他適宜手段で閉鎖して商品化するようにしたものを採用するのが、製造上、取扱い上、経済性等の観点から望ましいといえるが、必ずしもこの形態のものに限定される訳ではなく、全体形状が四角錐や四角錐台、三角錐や三角錐台となるようにしたもの、あるいは円筒状のものとし、上方を巾着状に縛って最終的に略円錐状あるいは下方が円筒状で上方が円錐状のものとする外、通常の箱型で、側面に透明窓を設けてなるもの等も当然採用可能となる。
【0022】
【実施例1】
図1に示す餅詰め容器本体に餅素材を充填、密封し、頂部に飾り橙を載置状としたものの正面図、図2の餅詰め容器本体と、該本体底面を密閉する底蓋との正断面図、図3の飾り橙の正断面図、図4の餅素材封入済みの餅詰め容器本体の頂部に飾り橙を載置状とし、これらを無端帯体を以て組み合わせてなる状態を示した正断面図によって取り上げた事例は、餅素材封入済み容器本体の頂部に飾り橙を装着してなるものとした、この発明の基本的構成からなる最も代表的な容器詰め飾り餅1の一実施例を示すものである。
【0023】
図1および図2からも明確に把握できるように、餅詰め容器本体2は、二段重ね構造のものを示しており、内部を空洞21とし、底面を餅素材の充填口22として開口した上、この充填口22から外側四方に四角形の板状台座23を形成すると共に、頂部には凸部25を突設したものを、厚さ0.6mmのポリプロピレン製のものとして形成し、該凸部25には、後述する飾り橙4を載置状に仮着するものとなる。
【0024】
この餅詰め容器本体2の底面の充填口22が上向きになるように姿勢を制御し、該充填口212から餅素材6を充填した後、この充填口12を底蓋2で閉鎖状とした上、前記板状台座13と底蓋2とを溶着することによって密閉し、餅詰め容器本体1空洞11内に餅素材6を充填、密閉したものとする。なお、当該底蓋3も、餅詰め容器本体2と同様の0.6mm厚さのポリプロピレンとするか、またはポリプロピレンと紙の積層材等も用いることができる。
【0025】
一方、飾り橙4は、図3に正断面図を示したように、橙色に着色した0.6mm厚のポリエチレン樹脂により、天然の橙の外形に酷似させた外形形状であって、頂部には小孔を穿設してなる中空体のものに成型してあり、頂部小孔には緑色に着色したポリエチレン樹脂製の飾葉5の基部に設けた軸51を嵌入、装着して飾葉5付き飾り橙とした事例によるものとしてあり、該飾り橙4は、底部に設けた取付け孔42を、既に餅素材6を充填、密封してなる餅詰め容器本体2の頂部に形成してある凸部25に押圧状に嵌合することにより、前記餅詰め容器本体2頂部に載置状に組み合されることになる。なお、この飾り橙4の取付け孔42を前記餅詰め容器本体1の凸部25に嵌合させる際、要すれば接着剤等を併用して仮着状態ができるだけしっかりしたものとなるようにしてもよい。
【0026】
このようにして、餅詰め容器本体2の頂部に飾り橙4を載置状に組み合わせた後、該飾り橙4横幅よりも小さい幅で0.1mm厚さ程度の透明なポリプロピレンフィルムからなる無端帯体7を用い、飾り橙4の上から餅詰め容器本体2の側面を最小周長で包囲し、該無端帯体7の両端部分を重ね合わせ状とした上、それら重ね合せ部分を接着してしまうことにより、無端帯体7の内側には、餅詰め容器本体2と飾り橙4とが段重ね状にしっかりと組み合わされた外観のこの発明の容器詰め飾り餅1が完成する。この無端帯体7の固定は、前記のように無端帯体7の両端部分を重ね合わせて接着してもよいが、無端帯体7の両端部を底蓋3に溶着または接着によって固定することもできる。
【0027】
なお、この実施例では、餅詰め容器本体2に装飾体として飾り橙4だけを採用した事例によるものとしているが、段重ね構造の括れ部24に金色のゴムを以て水引きを付設してなるものとしたり、あるいは、特に図示にはしていないものの、餅詰め容器本体2の外表面適所に突起、鉤等の取着部を予め一体的に形成したものとしておいて、伊勢海老、昆布、ウラジロ等その他の鏡餅用装飾体も合わせて飾り付けができるようにしたものとすることも勿論可能である。
【0028】
【実施例2】
この実施例は、上記した実施例によって代表されるこの発明の容器詰め飾り餅1を包装袋8内に収容させた事例によるものであり、図5には、その正面図、図6には、同側面図が示されているように、包装袋8は、その底面82が、前記した実施例1の餅詰め容器本体2板状台座23を底蓋3で閉鎖、密封状としてなる餅素材封入済みの餅詰め容器本体2の底面に見合った広さの四角形としてなる四角筒状のものを、0.05mm厚さ程度の透明なポリプロピレンフィルム製のものとして形成したものであり、その上端部周囲A1および下端部周囲A2には、飾り鏡餅に相応しい松竹梅の模様を印刷によって表示してなるものとしてある。
【0029】
このように形成されてなる包装袋8に、前記した実施例1の容器詰め飾り餅1を収容する際には、包装袋8の主要面81に対して、餅詰め容器本体2を包囲してなる無端帯体7の何れか端縁側(肉厚側)が対峙するようにした姿勢、即ち、餅詰め容器本体2と飾り橙4との側面を包囲した無端帯体7が略三角形を構成して見える側を、包装袋8の主要面81に相対するようにした姿勢に規制して収容し、次いで、包装袋8の左右側面83,83の上部中心部を夫々内部方向に谷折りして主要面81上部の中央部84に寄せ、主要面81および裏面の上部各内面と重なり状にしたまま、所定巾85部分を溶着して包装袋8の挿入口を閉鎖してしまう。
【0030】
その結果、前後に寄せて溶着しただけの主要面81および裏面は夫々略矩形状で、左右側面83,83側は、底面82を主要面81の底辺と同寸とし、上方が縮小されて略三角形に形成されてなる外観を呈するものとなり、餅詰め容器本体2および飾り橙4を収容、閉鎖してなる包装袋8の全体外形形状は、その主要面81が略矩形、側面83,83側が略三角形に形成された上、主要面81からは、略三角形に無端帯体7を巡らせた餅詰め容器本体2と飾り橙4とが、包装袋8の透明な一枚のフィルムを通して見ることができるものとなっている。   なお、該包装袋8の溶着、閉鎖した所定巾部分85は、各種表示も可能とする把手部として使用することができ、また、図示していないが、包装袋8の各面適所には、適宜配置の松竹梅や鶴亀等、吉例に応じた各種装飾模様を施すことができ、それらは印刷による外、シール貼着によるものとすることができることは記述のとおりである。
【0031】
【作用】
以上のとおりの構成からなるこの発明の容器詰め飾り鏡餅、およびその包装方法は、餅詰め容器本体2に形成してなる凸部25に飾り橙4の取付け孔42を嵌合した上、これらを無端帯体7で最小周長に包囲して、餅詰め容器本体2の頂部に飾り橙4を装着状に組み合わせた姿が、商品出荷後においても簡単に崩れたり、脱落してしまうことがないものとする。
【0032】
特に実施例に取り上げたもののように、包装袋8に収容されてなる餅詰め容器本体2は、容器本体2の底部に形成してなる板状台座23および底蓋3の広さが、収容された包装袋8の底面81に略合致するように形成すると共に、包装袋8の挿入口が、左右側面83,83の中心部分を折り込んで主要面81の中央部84側に寄せた上、主要面81および裏面の各内面と共に所定巾部分85をして閉鎖したものとして側面三角形のものとしてあることから、容器詰め飾り餅1は、包装袋8内の動きが確実に抑制され、その結果、包装袋8に収容したまま、その主要面81から餅詰め容器本体2を見た場合、略三角形の無端帯体7を巡らした容器詰め飾り餅1は、姿勢をずらすこともなくなり、常に無端帯体7が殆ど見えない正面側を包装袋材料である透明なフィルム1枚だけを通して見ることができるようにする。
【0033】
【効果】
以上のとおり、この発明の容器詰め飾り鏡餅、およびその包装方法によれば、飾り橙を頂部に段重ね状とした容器詰め飾り鏡餅を無端帯体で最小周長に包囲、固定化してなるものとしたことから、商品出荷段階以降のどのような場面においても、飾り橙を頂く容器詰め飾り鏡餅餅の姿が安定的に保持されるものとなり、しかも、そのために使用する無端帯体も、狭小巾で透明なフィルムによるものとし、容器詰め飾り鏡餅正面側からは略三角形に巡らした側が包装袋の主要面側に常に対峙する姿勢を崩さない方法によって収容されるものとしてあり、商品外観上で何等の支障も来すことなく確実に姿勢保持が果たされることになるという秀れた特徴を発揮するものとなる。
【0034】
特に、各実施例に取り上げた事例によるものでは、上記特徴に加え、飾り橙4を頂部に装着状に組み合わせた餅詰め容器本体2を、無端帯体7で最小周長に包囲、固定して包装袋8に収容する際に、該包装袋8の挿入口を、左右側面83,83の上部中心を内面側に谷折りして主要面81上部の中央部84側に夫々寄せた後、主要面81および裏面の上部と共に所定巾部分85を一緒に溶着、閉鎖してなるものとしたことから、包装袋8の主要面81から見ると、餅詰め容器本体2とその頂部に装着された飾り橙4とが、包装袋8を構成する透明なフィルム1枚を通してだけで、常に無端帯体7に包囲された略三角形内の姿、即ち姿勢保持用とする無端帯体7に邪魔されることなくして見ることができるものとなる上、包装袋8上部A1と下部A2部分には、松竹梅等の飾り鏡餅に相応しい装飾模様を夫々配してなるものとしてあることから、そのまま供えても全く違和感のない外観が得られるだけではなく、鏡餅としての雰囲気をなお一層盛り上げることができるものになるという大きな効果が期待できるものとなっている。
【0035】
叙述の如く、この発明になる容器詰め飾り鏡餅、およびその包装方法は、その新規な構成によって所期の目的を普く達成可能にするものであり、餅を搗いて祭事を祝う習慣が略廃れてしまった現代においても、従前からの慣習だけは、確実且つ簡便に引き継いでいくことを可能にするものとして歓迎されるだけではなく、餅を搗いて手作りした鏡餅と違い、鏡餅の割れ、変色、黴の発生等といった弊害を完全に払拭し、何時までも新鮮な餅として食味できて資源を無駄にしないという利点からも評価が得られるものになり、各方面から高い評価がなされこととなって益々需要を喚起し、広く採用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の容器詰め飾り鏡餅、およびその包装方法に関わる代表的な具体例を示したものである。
【図1】飾り橙を装着状とした容器詰め飾り鏡餅の正面図である。
【図2】餅詰め容器本体と底蓋とを分解状態で示す正断面図である。
【図3】飾り橙の正断面図である。
【図4】飾り橙を装着状とした餅詰め容器本体を無端帯体で包囲して容器詰め飾り鏡餅としたものの正断面図である。
【図5】包装袋に容器詰め飾り鏡餅を納めた状態で示す正面図である。
【図6】同上側面図である。
【符号の説明】
1    容器詰め飾り鏡餅
2    餅詰め容器本体
21   同 空洞
22   同 充填口
23   同 板状台座
24   同 括れ部
25   同 凸部
3    底 蓋
4    飾り橙
41   同 中空部
42   同 取付け孔
5    飾 葉
51   同 軸
6    餅素材
7    無端帯体
8    包装袋
81   同 主要面
82   同 底面
83   同 左右側面
84   同 主要面の中央部
85   同 主要面および裏面上方所定巾部分(把手部分)
A1   同 上方表示部
A2   同 下方表示部

Claims (4)

  1. 二段または三段重ね構造とした鏡餅外観であって、底部を適宜手段で封鎖可能にするようにした透明または半透明合成樹脂製の餅詰め容器本体に、餅素材を充填、密封すると共に、餅素材封入済みの当該餅詰め容器本体頂部には飾り橙を適宜手段で載置状とした上、それら飾り橙を含む餅詰め容器本体側面形を包囲できる最小周長であって、飾り橙横幅よりも小さい幅とした透明フィルム製の無端帯体内側に、飾り橙を頂部に載置状としたまま、飾り橙および餅素材封入済み餅詰め容器本体を装着状に組み合わせてなるものとしたことを特徴とする容器詰め飾り鏡餅。
  2. 餅素材封入済み餅詰め容器本体は、飾り橙の外、必要に応じて段重ね構造括れ部その他餅詰め容器本体外表面適所を取着部として水引きや伊勢海老、昆布、ウラジロ等鏡餅用装飾体の一種または数種を付設してなるものとした、請求項1記載の容器詰め飾り鏡餅。
  3. 段重ね構造とした鏡餅外観であって、適宜鏡餅用装飾体を付設するか、あるいは付設せず、頂部に飾り橙を載置状としたまま、飾り橙および餅素材封入済み餅詰め容器本体を無端帯体内側に装着してなる上記請求項1または2何れか記載の容器詰め飾り鏡餅を、表面には飾り鏡餅に相応しい表示部が印刷または貼着されてなる透明フィルム製の包装袋内に収容する際に、該包装袋の主要面に対して無端帯体の何れかの肉厚端縁側が対峙するようにした姿勢に規制して収容した上、当該包装袋挿入口を閉鎖してなるものとしたことを特徴とする容器詰め飾り鏡餅の包装方法。
  4. 包装袋として、底面が容器詰め飾り鏡餅を収容可能な広さの四角形で、主要面が略矩形、側面が略三角形となるように形成された構造のものを採用するようにしてなる、請求項3記載の容器詰め飾り鏡餅の包装方法。
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