JP2004082800A - 車両用空調装置の内外気切替装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータリドアにより内外気吸入の切り替えを行う内外気切替装置において、内気一部混入の外気モード時に雨水等がドア外周壁面上を通して車室内へ侵入することを抑制する。
【解決手段】回転方向に延びる外周壁面23aと、外周壁面23aの回転中心となる回転軸24a、24bと、外周壁面23aの軸方向の両側部と回転軸24a、24bの間を連結する側板23bとからロータリドア23を構成する。そして、外周壁面23aに、当該外周壁面23aに付着した水滴を側板23bに導くように傾斜した排水溝23cを設ける。これにより、外周壁面23aに付着した水滴は、排水溝23cにより側板23bに導かれ、その後、シール材28の側方部分28aを伝って回転軸24a、24bに流れてケース20a内に落下することとなるため、上記課題を解決できる。
【選択図】 図3
【解決手段】回転方向に延びる外周壁面23aと、外周壁面23aの回転中心となる回転軸24a、24bと、外周壁面23aの軸方向の両側部と回転軸24a、24bの間を連結する側板23bとからロータリドア23を構成する。そして、外周壁面23aに、当該外周壁面23aに付着した水滴を側板23bに導くように傾斜した排水溝23cを設ける。これにより、外周壁面23aに付着した水滴は、排水溝23cにより側板23bに導かれ、その後、シール材28の側方部分28aを伝って回転軸24a、24bに流れてケース20a内に落下することとなるため、上記課題を解決できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の内外気切替装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用空調装置では、低騒音に対する要望がますます強くなっている。このため、送風機の吸込損失(吸入抵抗)の低減により風量アップ、低騒音化を図っている。この送風機の吸込損失低減のためには、送風機の吸込側に配置される内外気切替装置の内外気の吸入口の開口面積を拡大する必要がある。
【0003】
また、内外気の吸入口を切替開閉する内外気切替ドアは車両走行動圧を受ける外気流れに抗して操作する必要があるので、外気流れの動圧に対するドア操作力を低減できるドア構成が好ましい。
【0004】
そこで、上記の内外気吸入口の開口面積拡大およびドア操作力低減のための対策として、内外気切替ドアを通常の平板状の板ドアとせず、ロータリ式のドアにすることが従来、提案されている。
【0005】
図9、図10はこのようなロータリドア23を用いた従来装置を示しており、ロータリドア23は、ドア回転方向(円周方向)に延びる外周壁面23aを有し、この外周壁面23aの軸方向の両側端部と回転軸24a、24bとの間をそれぞれ扇形の側板23bで連結した形状としている。
【0006】
そして、外周壁面23aおよび扇形の側板23bで構成されるドア基板部の大きさを内気吸入口21を閉塞するに必要な大きさに設定してある。また、外周壁面23aにより外気吸入口22を閉塞できるようになっている。
【0007】
内気吸入口21として、外周壁面23aに対向する第1開口部21aの他に、軸方向の両側の扇形の側板23bに対向する第2開口部21bが内外気切替装置20のケース20aに設けて、内気の吸入開口面積の増加を図っている。
【0008】
また、ロータリドア23は外気吸入口22からの略上下方向の外気流れ(図9参照)に対して略直交する方向(車両前後方向)に回転するから、外気流れの動圧がドア回転方向に対する直接的なドア抑止力として作用せず、ドア操作力を低減できる利点もある。
【0009】
上記ロータリドア23のうち、ドア基板部の周縁部表面、すなわち、外周壁面23aおよび側板23bの周縁部表面に鍔状部26、27を一体成形し、この鍔状部26、27にリップ状(薄板状)の弾性シール材28、29を固着している。
【0010】
一方、内外気切替装置20のケース20aにおいて、内気吸入口21および外気吸入口22の開口縁部には、シール面30、31、32、33が設けてあり、このシール面30、31、32、33に内外気切替ドア23の弾性シール材28、29が弾性変形して圧着し、面当たりするようになっている。
【0011】
ケース20aには内気吸入口21および外気吸入口22の中間部に位置する仕切り壁34が設けてあり、この仕切り壁34の端部と内外気切替ドア23の外周壁面23aとの間には隙間35を形成して、仕切り壁34の内側を内外気切替ドア23の外周壁面23aが通過するようになっている。
【0012】
また、ケース20aには外気吸入口22の車両前方側部分を区画する仕切り壁36が設けてあり、この仕切り壁36の根元部にシール面33が形成されている。この仕切り壁34、36の上端部34a、36aは、弾性材からなるシール材38を介して車両カウル部37の下面部に押し付けられる。
【0013】
図9、図10はロータリドア23により内気吸入口21(開口部21a、21b)の一部のみを開口し、外気吸入口22の大部分を開口する内気一部混入の外気モード時を示す。
【0014】
この内気一部混入の外気モードは、冬期暖房時のウォームアップ時のように、暖房用熱交換器の熱源である温水(エンジン冷却水)の温度が十分上昇せず、暖房能力が不足する場合に、低温外気の中に温度の高い内気(車室内空気)を一部混入することにより、車室内吹出空気(温風)の温度を高めて暖房能力を高めるために使用される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内気一部混入の外気モード時には、内気吸入口21と外気吸入口22との中間部位に位置するシール面32からロータリ式内外気切替ドア23のシール材29がともに開離するので、このシール面32の下端部とロータリ式内外気切替ドア23の外周壁面23aとの間に隙間35が生じる。
【0016】
このため、雨天時には、車両カウル部37に流入する雨水が外気取り入れ口37aから矢印R1に示すように隙間35から侵入して、外周壁面23aに付着する。その後、自重および車両振動等により矢印R6に示すように外周壁面23aに沿って流れ、外周壁面23aの周縁部に位置するシール材28のうちシール面31と密着する正面部分(図9、図10の符号28bに示す部分)に溜まることとなる。図9の斜線部W1は溜まった水滴を表している。
【0017】
そして、このように水滴が溜まると、車両振動等の拍子に第1開口部21aからケース20aの外に水滴が飛散して、車室内へ水が侵入するという不具合が発生する。
【0018】
本発明は上記点に鑑みて、車両用空調装置の内外気切替装置において、内気一部混入の外気モード時に雨水等がドア外周壁面上を通して車室内へ侵入することを抑制することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内気吸入口(21)および外気吸入口(22)を有するケース(20a)と、両吸入口(21、22)に沿って移動して両吸入口(21、22)を切替開閉する外周壁面(23a)を有するドア(23)とを備え、ケース(20a)のうち両吸入口(21、22)の周縁部には、ケース側シール面(30〜33)が形成されており、外周壁面(23a)の周縁部には、外周壁面(23a)が内気吸入口(21)を閉塞し外気吸入口(22)を開口する外気モードのときにケース側シール面(30〜33)に密着するドア側シール部(26、27、28、29)が設けられており、外周壁面(23a)が内気吸入口(21)の一部を開口し外気吸入口(22)を開口する内気一部混入の外気モードのときには、ドア側シール部(26、27、28、29)とケース側シール面(30〜33)とが開離するようになっており、外周壁面(23a)に、ドア(23)の移動方向に対して交差する方向に延びる排水溝(23c)を設け、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の少なくとも一方の端部は、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の略中央部よりも下方に位置していることを特徴としている。
【0020】
これにより、内気一部混入の外気モードのときにドア側シール部(26、27、28、29)とケース側シール面(30〜33)との隙間から浸入して外周壁面(23a)に付着した水滴は、排水溝(23c)によりドア(23)の移動方向に対して交差する方向に向かって導かれるので、ケース(20a)内に落下することとなる。よって、ドア側シール材(28)の正面部分28bに水滴が溜まってしまうことを抑制でき、ひいては、車両振動等の拍子に内気吸入口(21)からケース(20a)の外に水滴が飛散して車室内へ水が侵入してしまうことを抑制できる。
【0021】
なお、ドア(23)の具体的形状の一例として、請求項2に記載の発明のように、ドア(23)は、前記外周壁面(23a)の回動中心となる回転軸(24a、24b)と、前記外周壁面(23a)の軸方向の両側部と前記回転軸(24a、24b)の間を連結する側板(23b)とを有するロータリドアであることを特徴とすることが挙げられる。
【0022】
また、請求項3に記載の発明では、側板(23b)の周縁部には、側板(23b)が外気吸入口(22)を閉塞し内気吸入口(21)を開口する内気モードのときにケース側シール面(31)に密着する側板シール部(28a)が設けられており、内気一部混入の外気モードのときには、ロータリドア(23)は、側板側シール面(28)に付着した水滴が自重で回転軸(24a、24b)に向かって流れることとなるような回転位置となっていることを特徴としている。
【0023】
これにより、外周壁面(23a)に付着した水滴は、排水溝(23c)により側板(23b)に導かれ、その後、側板シール部(28a)に到達する。そして、内気一部混入の外気モードのときには、ロータリドア(23)は、側板シール部(28a)に付着した水滴が自重で回転軸(24a、24b)に向かって流れることとなるような回転位置となっているので、側板シール部(28a)に到達した雨水は、側板シール部(28a)を伝って回転軸(24a、24b)に向かって流れて、ケース(20a)内に落下することとなる。よって、ドア側シール部(28)の正面部分28bに水滴が溜まってしまうことを確実に抑制できる。
【0024】
また、請求項4に記載の発明では、側板シール部(28a)をゴム製のシール材で構成したことを特徴としている。これにより、ゴムは撥水性が高いため、水滴を、側板シール部(28a)を伝って回転軸(24a、24b)に導くことを良好にできる。
【0025】
ここで、排水溝(23c)の具体的形状として、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の一方の端部のみを、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の略中央部よりも下方に位置させることが挙げられる。
【0026】
これに対し、請求項5に記載の発明のように、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の両側の端部を、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の略中央部よりも下方に位置させれば、上述の一方の端部のみを略中央部よりも下方に位置させる場合に比べて、排水経路を短くでき、ドア側シール部(28)の正面部分28bに水滴が溜まってしまうことをより一層抑制できる。
【0027】
また、請求項6に記載の発明では、排水溝(23c)を、ドア(23)の移動方向に複数並べて配置したことを特徴としている。
【0028】
これにより、複数の排水溝(23c)のうち外気吸入口(22)に最も近くに位置する排水溝(23c)を水滴が乗り越えて下方に流れてしまっても、他の排水溝(23c)により排水溝(23c)の底面のうち排水溝(23c)が延びる方向の少なくとも一方の端部に水滴を導くことができるので、ドア側シール材(28)の正面部分28bで水滴が溜まってしまうことをより一層抑制できる。
【0029】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
【0031】
図1〜図3は本実施形態による内外気切替装置20を含む送風機ユニット10の概略構成を示し、図1は側面図、図2は図1の断面図、図3は図1を車両後方側から見た正面図である。なお、図1、図3は後述する内気一部混入の外気モードの状態を示し、図2は後述する内気モードの状態を示している。
【0032】
図1〜図3に示す送風機ユニット10は、通常、自動車の車室内前部の計器盤下方で、助手席側の部位に配置される。図1、図2の前後上下の各矢印および図3の左右上下の各矢印は車両搭載状態における方向を示す。送風機ユニット10の上部に内外気切替装置20を配置し、内外気切替装置20の下側に送風機40を配置している。
【0033】
内外気切替装置20は樹脂製のケース20aを有し、このケース20aに内気(車室内空気)を吸入する内気吸入口21と外気(車室外空気)を吸入する外気吸入口22を設けるとともに、この両吸入口21、22を開閉する内外気切替ドア23をケース20a内に回転可能に収納している。この内外気切替ドア23は回転軸24a、24bを中心として回動可能な外周壁面23aを有するロータリドアであって、その詳細は後述する。
【0034】
エアフィルタ25は、内外気切替装置20内において、内外気切替ドア23の回転軸24a、24bより空気下流側(下方側)に配置され、空気中の塵埃等を除去する。送風機40は樹脂製のスクロールケーシング41を有し、このスクロールケーシング41には、エアフィルタ25の直ぐ下流部位に位置するベルマウス状の吸入口42が設けてある。スクロールケーシング41の中心部に遠心式多翼ファン(シロッコファン)からなる送風用ファン43を配置して、このファン43の回転により吸入口42から吸入された空気がファン43の半径方向外方へ流れるようになっている。送風用ファン43は駆動用モータ44の回転軸45に連結されて回転する。
【0035】
スクロールケーシング41の空気出口部46には空調ユニット(図示せず)が連結されており、この空調ユニット内には周知のように冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、温度調整機構、吹出モード切替機構等が内蔵されている。従って、送風機40の送風空気が空調ユニット内にて冷却、除湿、再加熱されて温度調整後に車室内へ吹き出すようになっている。
【0036】
次に、内気吸入口21と外気吸入口22とを切替開閉するロータリ式のドア23を図4、図5により具体的に説明すると、ロータリドア23はドア回転方向(車両前後方向)に延びる外周壁面23aを有し、この外周壁面23aの軸方向の両側端部と回転軸24a、24bとの間をそれぞれ扇形の側板23bで連結した形状としている。そして、ドア23は、ケース20aと同様にポリプロピレンのような機械的強度が高く、しかも、ある程度の弾性を有する樹脂にて、外周壁面23a、回転軸24a、24b、側板23b等の各部を一体成形している。
【0037】
ロータリドア23は、図5に示すように、外周壁面23aの基本形状を回転軸24a、24bを中心とする曲率半径の円弧状にし、そして、外周壁面23aに波状の凹凸面を形成している。これにより、図8の内気モード時に送風ファン41で発生する送風騒音を外周壁面23aの凹凸面によりケース20aの内側へ反射して、送風騒音が内気吸入口21から車室内へ放出されることを抑制できる。
【0038】
また、外周壁面23aの凹凸のうち凹部は、当該外周壁面23aに付着した水滴を側板23bに導くように傾斜した排水溝23cとして機能している。すなわち、ロータリドア23は、略水平方向に延びる軸回りに回転するように配置されており、排水溝23cは、図3および図4に示すように、外周壁面23aの軸方向の略中央部分から、両側の側板23bのそれぞれに傾斜する山形状に形成されている。
【0039】
より具体的には、排水溝23cは、ロータリドア23の回動方向に対して交差する方向に延びるように形成されており、排水溝23cの底面のうち当該排水溝23cが延びる方向の両側の端部を、排水溝23cの底面のうち当該排水溝23cが延びる方向の略中央部よりも下方に位置させている。
【0040】
なお、外周壁面23aの凹凸面により、排水溝23cはロータリドア23の回転方向に複数並べて配置されることとなる。
【0041】
そして、外周壁面23aおよび扇形の側板23bで構成されるドア基板部の大きさを内気吸入口21を閉塞するに必要な大きさに設定してある。また、外周壁面23aにより外気吸入口22を閉塞できるようになっている。
【0042】
内気吸入口21として、外周壁面23aに対向する第1開口部21aの他に、軸方向の両側の扇形の側板23bに対向する第2開口部21bがケース20aに設けてある。この第2開口部21bは、内外気切替装置20のケース20aにおいて図1、図2の紙面垂直方向(車両左右方向)の両側面に開口している。
【0043】
従って、内気吸入口21の形状は、ロータリ式ドア23の外周壁面23aに対向する部位から両側板23bに対向する部位まで開口する門型に屈曲した開口形状になっている。これにより、内気の吸入開口面積を増加させて、内気モードによる最大冷房能力の向上を図っている。これに対し、外気吸入口12は外周壁面23aに対向する通常の矩形状の平面開口形状になっている。
【0044】
以上の説明から理解されるように、ロータリドア23は、ドア回転方向に延びる外周壁面23aと、回転軸24a、24bと、この両者間を連結する側板23bとを有するため、内気吸入口21におけるドア外周側の第1開口部21aだけでなく、軸方向側方の第2開口部21bをも開閉できる。そのため、内気吸入面積の増大により内気吸入量を増加できる利点がある。
【0045】
しかも、ロータリドア23は外気吸入口22からの略上下方向の外気流れに対して略直交する方向(車両前後方向)に回転するから、外気流れの動圧がドア回転方向に対する直接的なドア抑止力として作用せず、ドア操作力を低減できる利点もある。
【0046】
なお、内気吸入口21が上記のように門型に屈曲した開口形状になっているので、ケース20aの必要強度を確保するために、内気吸入口21の第1開口部21aの左右両側部に湾曲状の連結リブ20bをケース20aに一体形成し、この連結リブ20bにて第1開口部21aの前方側端部と後方側端部とを連結している。
【0047】
また、ロータリドア23における回転軸24a、24bは、その左右両側の扇形の側板23bの回動中心位置(扇形状の要の位置)に配置されている。ここで、左右の両回転軸24a、24bのうち、車両右側(空調ユニット側)の回転軸24aは右側の側板23bから軸方向外方へ突出しており、この回転軸24aはケース20aの軸受穴に回転自在に支持される。
【0048】
これに対して、左側(空調ユニットと反対側)の回転軸24bは左側の側板23bから軸方向の内方へ突出し、回転軸24bの中心部に設けられた嵌合穴に図示しないリンクの軸部が嵌入され、一体に連結される。ここで、嵌合穴と軸部の嵌合形状を「だるま」形状、D形状等の非円形状にして回り止めを行うようになっている。
【0049】
ここで、内外気切替ドア23の回転軸24bを回転させるドア操作機構としては、図1および図3に記載のサーボモータMからなる電気的アクチュエータを使用するが、空調制御パネル(図示せず)に設けられた内外気切替操作部材(例えば、手動操作レバー)の手動操作力をケーブル、リンク機構等を介して回転軸24bに伝達する手動操作機構を使用してもよい。
【0050】
また、ロータリドア23において、外周壁面23aと扇形の側板23bとの間の内側空間はそのまま外部へ開口しているので、この内側空間を通って図1の矢印aのように空気が自由に流通可能である。ロータリドア23は、上述した外周壁面23a、側板23bおよび回転軸24a、24bを含む全体形状を例えば、ポリプロピレンのような機械的強度が高く、しかも、ある程度の弾性を有する樹脂にて一体成形できる。
【0051】
次に、上記ロータリドア23におけるシール構造を説明すると、ドアシール構造はドア操作力低減のためにリップシールタイプになっており、ドア23のうち、ドア基板部の周縁部表面、すなわち、外周壁面23aおよび側板23bの周縁部表面に鍔状部26、27(図1参照)を一体成形し、この鍔状部26、27にリップ状(薄板状)のシール材28、29を固着している。なお、上記特許請求の範囲におけるドア側シール部は、鍔状部26、27およびシール材28、29から構成されている。
【0052】
一方のシール材28はドア基板部のうちドア回転方向の一端側に位置し、他方のシール材29は、ドア基板部のドア回転方向の他端側に位置する。この両シール材28、29はエラストマ(高分子ゴム弾性体)からなるものであり、樹脂製のドア基板部と一体に2色成形されている。両シール材28、29は、鍔状部26、27のドア回転方向の両側の面に弾性変形可能となるようにリップ状に突出形成されている。
【0053】
一方、内外気切替装置20のケース20aにおいて、内気吸入口21および外気吸入口22の開口縁部には、ケース側シール面30、31、32、33が設けてあり、このケース側シール面30、31、32、33に内外気切替ドア23のシール材28、29が弾性変形して圧着し、面当たりするようになっている。
【0054】
ケース20aには内気吸入口21および外気吸入口22の中間部に位置する仕切り壁34が設けてあり、この仕切り壁34は外気吸入口22の車両後方側部分を区画する役割を果たしている。この仕切り壁34の前後両側の面にケース側ケース側シール面31、32が形成される。この仕切り壁34の端部とロータリドア23の外周壁面23aとの間には隙間35を形成して、壁34の内側をロータリドア23の外周壁面23aが通過するようになっている。また、ケース20aには外気吸入口22の車両前方側部分を区画する仕切り壁36が設けてあり、この仕切り壁36の根元部にケース側シール面33が形成されている。
【0055】
ところで、ケース20aの外気吸入口22の上方には車両カウル部37の外気取り入れ口37aが位置している。ここで、車両カウル部37は車室内50とエンジンルーム内51とを仕切る隔壁(ダッシュパネル)52の上方側に位置する車両側構成部材であって、ワイパリンクやワイパモータ等の収容空間を構成するとともに、前面窓ガラスからの雨水の排出通路を構成する等の役割を果たす。
【0056】
ケース20aの仕切り壁34、36の上端部34a、36aは、ウレタン系の弾性材からなるシール材38を介して車両カウル部37の下面部に押し付けられ、仕切り壁34、35の上端部34a、35aと車両カウル部37の外気取り入れ口37aの周縁部下面との間をシールするようになっている。
【0057】
なお、図1〜図5はロータリドア23の基本的構成を概略図示しているが、図6〜図8は本実施形態の要部をより具体的に図示する。図6はロータリドア23により内気吸入口21(開口部21a、21b)の一部のみを開口し、外気吸入口22の大部分を開口する内気一部混入の外気モード時を示し、図7はロータリドア23により内気吸入口21(開口部21a、21b)を全閉し、外気吸入口22を全開する外気モード時を示し、更に、図8はロータリドア23により外気吸入口22を全閉し、内気吸入口21(開口部21a、21b)を全開する内気モード時を示す。
【0058】
ところで、図6の内気一部混入の外気モード時には、ロータリドア23のシール材28、29がケース側シール面30、32からそれぞれ若干量開離する位置にロータリドア23が回転操作される。
【0059】
また、内気一部混入の外気モード時には、ロータリドア23は、側板23bの周縁部に位置するシール材28に付着した水滴が自重で回転軸24a、24bに向かって流れることとなるような回転位置となっている。具体的には、側板23bの周縁部に位置するシール材28のうち、内気吸入口21の第2開口部21bの縁部に形成されたケース側シール面31と密着する側方部分(図6の符号28aに示す部分)は、内気一部混入の外気モード時には水平な面に対して所定角度以上傾斜するようになっている。
【0060】
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、図6に示す内気一部混入の外気モード時には、ロータリドア23のシール材28、29がケース側シール面30、32からそれぞれ若干量開離する位置に内外気切替ドア23が回転操作される。従って、ロータリドア23の外周壁面23aとケース側シール面31、32の端部との隙間35を通して、ケース20aの外気吸入口22が内気吸入口21と連通する。
【0061】
その結果、雨天時には、車両カウル部37に流入する雨水が外気取り入れ口37aから矢印R1に示すように侵入して、外周壁面23aに付着する。しかしながら、本実施形態では、外周壁面23aに付着した水滴を側板23bに導くように傾斜した排水溝23cが外周壁面23aに形成されているので、外周壁面23aに付着した水滴は、図3の矢印R2に示すように排水溝23cにより側板23bに導かれ、その後、図1の矢印R3に示すように側板23bを伝ってシール材28の側方部分28aに示す部分に到達する。
【0062】
そして、本実施形態では、内気一部混入の外気モード時には、ロータリドア23は、シール材28の側方部分28aに付着した水滴が自重で回転軸24a、24bに向かって流れることとなるような回転位置となっているので、シール材28の側方部分28aに到達した雨水は、図6の矢印R4に示すようにシール材28の側方部分28aを伝って回転軸24a、24bに流れる。
【0063】
その後、シール材28の側方部分28a、鍔状部26、回転軸24a、24b、および側板23bで囲われた部分に水滴が溜まる。図6の符号W2は前記水滴を示すものである。そして、符号W2に示すようにある程度水滴が溜まると、図6の矢印R5に示すようにシール材28の側方部分28aを乗り越えて、図3の符号Sに示す、側方部分28aとケース20aの内側との隙間から、ケース20a内に落下する。
【0064】
因みに、ケース20a内に落下した水滴は、エアフィルタ25、送風機40のスクロールケーシング41を通過して、送風機40により送風空気とともに図示しない空調ユニット内に吹き飛ばされ、冷却用熱交換器に付着した凝縮水を排水する排水経路から凝縮水とともに車外に排水されることとなる。
【0065】
以上により、外周壁面23aの周縁部に位置するシール材28のうち、内気吸入口21の第1開口部21aの縁部に形成されたケース側シール面31と密着する正面部分(図6の符号28bに示す部分)、鍔状部26、および外周壁面23aで囲われた部分に水滴W1が溜まってしまうことを抑制でき、ひいては、車両振動等の拍子に内気吸入口21の第1開口部21aからケース20aの外に水滴が飛散して車室内へ水が侵入してしまうことを抑制できる。
【0066】
なお、回転軸24a、24bは、ケース20aのうち図1中の符号20cに示す部分で覆われているので、回転軸24a、24b周囲に水滴W2が溜まったとしても、当該水滴W2が第2開口部21aからケース20aの外に飛散してしまう可能性は極めて低い。
【0067】
また、本実施形態では、排水溝23cを、ロータリドア23の回転方向に複数並べて配置しているので、複数の排水溝23cのうち外気吸入口22に最も近くに位置する排水溝23cを水滴が乗り越えて下方に流れてしまっても、他の排水溝23cにより側板23bに水滴を導くことができるので、シール材28の正面部分28bで水滴が溜まってしまうことをより一層抑制できる。
【0068】
また、本実施形態では、シール材28、29の材質をゴムとしており、ゴムは撥水性が高いため、水滴を、シール材28の側方部分28aを伝って回転軸24a、24bに導くことを良好にできる。
【0069】
因みに、上記した内気一部混入の外気モードは、冬期暖房時のウォームアップ時のように、暖房用熱交換器の熱源である温水(エンジン冷却水)の温度が十分上昇せず、暖房能力が不足する場合に、低温外気の中に温度の高い内気(車室内空気)を一部混入することにより、車室内吹出空気(温風)の温度を高めて暖房能力を高めるために使用される。
【0070】
この冬期暖房時では車両窓ガラス温度の低下により車両窓ガラスの曇りが発生しやすい。その結果、窓ガラスの曇り防止のために、内気一部混入の外気モードにおける内気混入比率は10%程度の少量に設定されている。
【0071】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、内外気切替装置20のケース20aにおいて、内外気切替ドア23の軸方向の左右両側の側面部に、内気吸入口21の第2開口部21bを配置する場合について説明したが、ケース20aの左右の側面部の一方のみに内気吸入口21の第2開口部21bを設け、他方の側面部は閉塞壁部としてもよいし、左右両側の側面部を閉塞壁部としてもよい。この閉塞壁部を、ロータリ式内外気切替ドア26の電気的アクチュエータの取付面、あるいはリンク部材の回転中心の支持部等の配置スペースとして利用するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、排水溝23cの底面のうち当該排水溝23cが延びる方向の一方の端部と他方の端部を、排水溝23cの底面のうち当該排水溝23cが延びる方向の略中央部よりも下方に位置させて、排水溝23cを山形形状に形成しているが、本発明の実施にあたり、前記他方の端部を前記略中央部よりも上方に位置させて、他方の端部から一方の端部に向けて水が流れるように傾斜する形状にしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態のシール材28、29の材質としてエラストマを採用しているが、エラストマ以外のゴムを採用してもよいし、発泡性樹脂、ウレタン等のパッキンを採用してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、両吸入口21、22に沿って移動して両吸入口21、22を切替開閉する外周壁面23aを有するドア20として、回転して両吸入口21、22を切替開閉するロータリドアを採用しているが、本発明のドア20はロータリドアに限られるものではなく、例えば、スライド移動して両吸入口21、22を切替開閉するドアでもよく、また、側板23bを有しないドアであってもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、鍔状部26、27およびシール材28、29からドア側シール部を構成しているが、本発明の実施にあたり、シール材28、29を廃止して、鍔状部26、27にてドア側シール部を構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る送風機ユニットの概略構成を示す側面図である。
【図2】図1の内外気切替装置を示す概略断面図である。
【図3】図1の送風機ユニットを車室内側から見た正面図である。
【図4】図3に示すロータリドアの正面図である。
【図5】図3に示すロータリドアの側面図である。
【図6】第1実施形態による内外気切替装置をより具体的に示す要部断面図であり、内気一部混入の外気モード時を示す。
【図7】図4の内外気切替装置における外気モード時を示す要部断面図である。
【図8】図4の内外気切替装置における内気モード時を示す要部断面図である。
【図9】従来の内外気切替装置における内気一部混入の外気モード時を示す要部断面図である。
【図10】図9の斜視図である。
【符号の説明】
20a…ケース、21…内気吸入口、22…外気吸入口、
23…ロータリドア、23a…外周壁面、23b…側板、23c…排水溝、
24a、24b…回転軸、28、29…シール材、30〜33…シール面。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の内外気切替装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用空調装置では、低騒音に対する要望がますます強くなっている。このため、送風機の吸込損失(吸入抵抗)の低減により風量アップ、低騒音化を図っている。この送風機の吸込損失低減のためには、送風機の吸込側に配置される内外気切替装置の内外気の吸入口の開口面積を拡大する必要がある。
【0003】
また、内外気の吸入口を切替開閉する内外気切替ドアは車両走行動圧を受ける外気流れに抗して操作する必要があるので、外気流れの動圧に対するドア操作力を低減できるドア構成が好ましい。
【0004】
そこで、上記の内外気吸入口の開口面積拡大およびドア操作力低減のための対策として、内外気切替ドアを通常の平板状の板ドアとせず、ロータリ式のドアにすることが従来、提案されている。
【0005】
図9、図10はこのようなロータリドア23を用いた従来装置を示しており、ロータリドア23は、ドア回転方向(円周方向)に延びる外周壁面23aを有し、この外周壁面23aの軸方向の両側端部と回転軸24a、24bとの間をそれぞれ扇形の側板23bで連結した形状としている。
【0006】
そして、外周壁面23aおよび扇形の側板23bで構成されるドア基板部の大きさを内気吸入口21を閉塞するに必要な大きさに設定してある。また、外周壁面23aにより外気吸入口22を閉塞できるようになっている。
【0007】
内気吸入口21として、外周壁面23aに対向する第1開口部21aの他に、軸方向の両側の扇形の側板23bに対向する第2開口部21bが内外気切替装置20のケース20aに設けて、内気の吸入開口面積の増加を図っている。
【0008】
また、ロータリドア23は外気吸入口22からの略上下方向の外気流れ(図9参照)に対して略直交する方向(車両前後方向)に回転するから、外気流れの動圧がドア回転方向に対する直接的なドア抑止力として作用せず、ドア操作力を低減できる利点もある。
【0009】
上記ロータリドア23のうち、ドア基板部の周縁部表面、すなわち、外周壁面23aおよび側板23bの周縁部表面に鍔状部26、27を一体成形し、この鍔状部26、27にリップ状(薄板状)の弾性シール材28、29を固着している。
【0010】
一方、内外気切替装置20のケース20aにおいて、内気吸入口21および外気吸入口22の開口縁部には、シール面30、31、32、33が設けてあり、このシール面30、31、32、33に内外気切替ドア23の弾性シール材28、29が弾性変形して圧着し、面当たりするようになっている。
【0011】
ケース20aには内気吸入口21および外気吸入口22の中間部に位置する仕切り壁34が設けてあり、この仕切り壁34の端部と内外気切替ドア23の外周壁面23aとの間には隙間35を形成して、仕切り壁34の内側を内外気切替ドア23の外周壁面23aが通過するようになっている。
【0012】
また、ケース20aには外気吸入口22の車両前方側部分を区画する仕切り壁36が設けてあり、この仕切り壁36の根元部にシール面33が形成されている。この仕切り壁34、36の上端部34a、36aは、弾性材からなるシール材38を介して車両カウル部37の下面部に押し付けられる。
【0013】
図9、図10はロータリドア23により内気吸入口21(開口部21a、21b)の一部のみを開口し、外気吸入口22の大部分を開口する内気一部混入の外気モード時を示す。
【0014】
この内気一部混入の外気モードは、冬期暖房時のウォームアップ時のように、暖房用熱交換器の熱源である温水(エンジン冷却水)の温度が十分上昇せず、暖房能力が不足する場合に、低温外気の中に温度の高い内気(車室内空気)を一部混入することにより、車室内吹出空気(温風)の温度を高めて暖房能力を高めるために使用される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内気一部混入の外気モード時には、内気吸入口21と外気吸入口22との中間部位に位置するシール面32からロータリ式内外気切替ドア23のシール材29がともに開離するので、このシール面32の下端部とロータリ式内外気切替ドア23の外周壁面23aとの間に隙間35が生じる。
【0016】
このため、雨天時には、車両カウル部37に流入する雨水が外気取り入れ口37aから矢印R1に示すように隙間35から侵入して、外周壁面23aに付着する。その後、自重および車両振動等により矢印R6に示すように外周壁面23aに沿って流れ、外周壁面23aの周縁部に位置するシール材28のうちシール面31と密着する正面部分(図9、図10の符号28bに示す部分)に溜まることとなる。図9の斜線部W1は溜まった水滴を表している。
【0017】
そして、このように水滴が溜まると、車両振動等の拍子に第1開口部21aからケース20aの外に水滴が飛散して、車室内へ水が侵入するという不具合が発生する。
【0018】
本発明は上記点に鑑みて、車両用空調装置の内外気切替装置において、内気一部混入の外気モード時に雨水等がドア外周壁面上を通して車室内へ侵入することを抑制することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内気吸入口(21)および外気吸入口(22)を有するケース(20a)と、両吸入口(21、22)に沿って移動して両吸入口(21、22)を切替開閉する外周壁面(23a)を有するドア(23)とを備え、ケース(20a)のうち両吸入口(21、22)の周縁部には、ケース側シール面(30〜33)が形成されており、外周壁面(23a)の周縁部には、外周壁面(23a)が内気吸入口(21)を閉塞し外気吸入口(22)を開口する外気モードのときにケース側シール面(30〜33)に密着するドア側シール部(26、27、28、29)が設けられており、外周壁面(23a)が内気吸入口(21)の一部を開口し外気吸入口(22)を開口する内気一部混入の外気モードのときには、ドア側シール部(26、27、28、29)とケース側シール面(30〜33)とが開離するようになっており、外周壁面(23a)に、ドア(23)の移動方向に対して交差する方向に延びる排水溝(23c)を設け、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の少なくとも一方の端部は、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の略中央部よりも下方に位置していることを特徴としている。
【0020】
これにより、内気一部混入の外気モードのときにドア側シール部(26、27、28、29)とケース側シール面(30〜33)との隙間から浸入して外周壁面(23a)に付着した水滴は、排水溝(23c)によりドア(23)の移動方向に対して交差する方向に向かって導かれるので、ケース(20a)内に落下することとなる。よって、ドア側シール材(28)の正面部分28bに水滴が溜まってしまうことを抑制でき、ひいては、車両振動等の拍子に内気吸入口(21)からケース(20a)の外に水滴が飛散して車室内へ水が侵入してしまうことを抑制できる。
【0021】
なお、ドア(23)の具体的形状の一例として、請求項2に記載の発明のように、ドア(23)は、前記外周壁面(23a)の回動中心となる回転軸(24a、24b)と、前記外周壁面(23a)の軸方向の両側部と前記回転軸(24a、24b)の間を連結する側板(23b)とを有するロータリドアであることを特徴とすることが挙げられる。
【0022】
また、請求項3に記載の発明では、側板(23b)の周縁部には、側板(23b)が外気吸入口(22)を閉塞し内気吸入口(21)を開口する内気モードのときにケース側シール面(31)に密着する側板シール部(28a)が設けられており、内気一部混入の外気モードのときには、ロータリドア(23)は、側板側シール面(28)に付着した水滴が自重で回転軸(24a、24b)に向かって流れることとなるような回転位置となっていることを特徴としている。
【0023】
これにより、外周壁面(23a)に付着した水滴は、排水溝(23c)により側板(23b)に導かれ、その後、側板シール部(28a)に到達する。そして、内気一部混入の外気モードのときには、ロータリドア(23)は、側板シール部(28a)に付着した水滴が自重で回転軸(24a、24b)に向かって流れることとなるような回転位置となっているので、側板シール部(28a)に到達した雨水は、側板シール部(28a)を伝って回転軸(24a、24b)に向かって流れて、ケース(20a)内に落下することとなる。よって、ドア側シール部(28)の正面部分28bに水滴が溜まってしまうことを確実に抑制できる。
【0024】
また、請求項4に記載の発明では、側板シール部(28a)をゴム製のシール材で構成したことを特徴としている。これにより、ゴムは撥水性が高いため、水滴を、側板シール部(28a)を伝って回転軸(24a、24b)に導くことを良好にできる。
【0025】
ここで、排水溝(23c)の具体的形状として、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の一方の端部のみを、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の略中央部よりも下方に位置させることが挙げられる。
【0026】
これに対し、請求項5に記載の発明のように、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の両側の端部を、排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の略中央部よりも下方に位置させれば、上述の一方の端部のみを略中央部よりも下方に位置させる場合に比べて、排水経路を短くでき、ドア側シール部(28)の正面部分28bに水滴が溜まってしまうことをより一層抑制できる。
【0027】
また、請求項6に記載の発明では、排水溝(23c)を、ドア(23)の移動方向に複数並べて配置したことを特徴としている。
【0028】
これにより、複数の排水溝(23c)のうち外気吸入口(22)に最も近くに位置する排水溝(23c)を水滴が乗り越えて下方に流れてしまっても、他の排水溝(23c)により排水溝(23c)の底面のうち排水溝(23c)が延びる方向の少なくとも一方の端部に水滴を導くことができるので、ドア側シール材(28)の正面部分28bで水滴が溜まってしまうことをより一層抑制できる。
【0029】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
【0031】
図1〜図3は本実施形態による内外気切替装置20を含む送風機ユニット10の概略構成を示し、図1は側面図、図2は図1の断面図、図3は図1を車両後方側から見た正面図である。なお、図1、図3は後述する内気一部混入の外気モードの状態を示し、図2は後述する内気モードの状態を示している。
【0032】
図1〜図3に示す送風機ユニット10は、通常、自動車の車室内前部の計器盤下方で、助手席側の部位に配置される。図1、図2の前後上下の各矢印および図3の左右上下の各矢印は車両搭載状態における方向を示す。送風機ユニット10の上部に内外気切替装置20を配置し、内外気切替装置20の下側に送風機40を配置している。
【0033】
内外気切替装置20は樹脂製のケース20aを有し、このケース20aに内気(車室内空気)を吸入する内気吸入口21と外気(車室外空気)を吸入する外気吸入口22を設けるとともに、この両吸入口21、22を開閉する内外気切替ドア23をケース20a内に回転可能に収納している。この内外気切替ドア23は回転軸24a、24bを中心として回動可能な外周壁面23aを有するロータリドアであって、その詳細は後述する。
【0034】
エアフィルタ25は、内外気切替装置20内において、内外気切替ドア23の回転軸24a、24bより空気下流側(下方側)に配置され、空気中の塵埃等を除去する。送風機40は樹脂製のスクロールケーシング41を有し、このスクロールケーシング41には、エアフィルタ25の直ぐ下流部位に位置するベルマウス状の吸入口42が設けてある。スクロールケーシング41の中心部に遠心式多翼ファン(シロッコファン)からなる送風用ファン43を配置して、このファン43の回転により吸入口42から吸入された空気がファン43の半径方向外方へ流れるようになっている。送風用ファン43は駆動用モータ44の回転軸45に連結されて回転する。
【0035】
スクロールケーシング41の空気出口部46には空調ユニット(図示せず)が連結されており、この空調ユニット内には周知のように冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、温度調整機構、吹出モード切替機構等が内蔵されている。従って、送風機40の送風空気が空調ユニット内にて冷却、除湿、再加熱されて温度調整後に車室内へ吹き出すようになっている。
【0036】
次に、内気吸入口21と外気吸入口22とを切替開閉するロータリ式のドア23を図4、図5により具体的に説明すると、ロータリドア23はドア回転方向(車両前後方向)に延びる外周壁面23aを有し、この外周壁面23aの軸方向の両側端部と回転軸24a、24bとの間をそれぞれ扇形の側板23bで連結した形状としている。そして、ドア23は、ケース20aと同様にポリプロピレンのような機械的強度が高く、しかも、ある程度の弾性を有する樹脂にて、外周壁面23a、回転軸24a、24b、側板23b等の各部を一体成形している。
【0037】
ロータリドア23は、図5に示すように、外周壁面23aの基本形状を回転軸24a、24bを中心とする曲率半径の円弧状にし、そして、外周壁面23aに波状の凹凸面を形成している。これにより、図8の内気モード時に送風ファン41で発生する送風騒音を外周壁面23aの凹凸面によりケース20aの内側へ反射して、送風騒音が内気吸入口21から車室内へ放出されることを抑制できる。
【0038】
また、外周壁面23aの凹凸のうち凹部は、当該外周壁面23aに付着した水滴を側板23bに導くように傾斜した排水溝23cとして機能している。すなわち、ロータリドア23は、略水平方向に延びる軸回りに回転するように配置されており、排水溝23cは、図3および図4に示すように、外周壁面23aの軸方向の略中央部分から、両側の側板23bのそれぞれに傾斜する山形状に形成されている。
【0039】
より具体的には、排水溝23cは、ロータリドア23の回動方向に対して交差する方向に延びるように形成されており、排水溝23cの底面のうち当該排水溝23cが延びる方向の両側の端部を、排水溝23cの底面のうち当該排水溝23cが延びる方向の略中央部よりも下方に位置させている。
【0040】
なお、外周壁面23aの凹凸面により、排水溝23cはロータリドア23の回転方向に複数並べて配置されることとなる。
【0041】
そして、外周壁面23aおよび扇形の側板23bで構成されるドア基板部の大きさを内気吸入口21を閉塞するに必要な大きさに設定してある。また、外周壁面23aにより外気吸入口22を閉塞できるようになっている。
【0042】
内気吸入口21として、外周壁面23aに対向する第1開口部21aの他に、軸方向の両側の扇形の側板23bに対向する第2開口部21bがケース20aに設けてある。この第2開口部21bは、内外気切替装置20のケース20aにおいて図1、図2の紙面垂直方向(車両左右方向)の両側面に開口している。
【0043】
従って、内気吸入口21の形状は、ロータリ式ドア23の外周壁面23aに対向する部位から両側板23bに対向する部位まで開口する門型に屈曲した開口形状になっている。これにより、内気の吸入開口面積を増加させて、内気モードによる最大冷房能力の向上を図っている。これに対し、外気吸入口12は外周壁面23aに対向する通常の矩形状の平面開口形状になっている。
【0044】
以上の説明から理解されるように、ロータリドア23は、ドア回転方向に延びる外周壁面23aと、回転軸24a、24bと、この両者間を連結する側板23bとを有するため、内気吸入口21におけるドア外周側の第1開口部21aだけでなく、軸方向側方の第2開口部21bをも開閉できる。そのため、内気吸入面積の増大により内気吸入量を増加できる利点がある。
【0045】
しかも、ロータリドア23は外気吸入口22からの略上下方向の外気流れに対して略直交する方向(車両前後方向)に回転するから、外気流れの動圧がドア回転方向に対する直接的なドア抑止力として作用せず、ドア操作力を低減できる利点もある。
【0046】
なお、内気吸入口21が上記のように門型に屈曲した開口形状になっているので、ケース20aの必要強度を確保するために、内気吸入口21の第1開口部21aの左右両側部に湾曲状の連結リブ20bをケース20aに一体形成し、この連結リブ20bにて第1開口部21aの前方側端部と後方側端部とを連結している。
【0047】
また、ロータリドア23における回転軸24a、24bは、その左右両側の扇形の側板23bの回動中心位置(扇形状の要の位置)に配置されている。ここで、左右の両回転軸24a、24bのうち、車両右側(空調ユニット側)の回転軸24aは右側の側板23bから軸方向外方へ突出しており、この回転軸24aはケース20aの軸受穴に回転自在に支持される。
【0048】
これに対して、左側(空調ユニットと反対側)の回転軸24bは左側の側板23bから軸方向の内方へ突出し、回転軸24bの中心部に設けられた嵌合穴に図示しないリンクの軸部が嵌入され、一体に連結される。ここで、嵌合穴と軸部の嵌合形状を「だるま」形状、D形状等の非円形状にして回り止めを行うようになっている。
【0049】
ここで、内外気切替ドア23の回転軸24bを回転させるドア操作機構としては、図1および図3に記載のサーボモータMからなる電気的アクチュエータを使用するが、空調制御パネル(図示せず)に設けられた内外気切替操作部材(例えば、手動操作レバー)の手動操作力をケーブル、リンク機構等を介して回転軸24bに伝達する手動操作機構を使用してもよい。
【0050】
また、ロータリドア23において、外周壁面23aと扇形の側板23bとの間の内側空間はそのまま外部へ開口しているので、この内側空間を通って図1の矢印aのように空気が自由に流通可能である。ロータリドア23は、上述した外周壁面23a、側板23bおよび回転軸24a、24bを含む全体形状を例えば、ポリプロピレンのような機械的強度が高く、しかも、ある程度の弾性を有する樹脂にて一体成形できる。
【0051】
次に、上記ロータリドア23におけるシール構造を説明すると、ドアシール構造はドア操作力低減のためにリップシールタイプになっており、ドア23のうち、ドア基板部の周縁部表面、すなわち、外周壁面23aおよび側板23bの周縁部表面に鍔状部26、27(図1参照)を一体成形し、この鍔状部26、27にリップ状(薄板状)のシール材28、29を固着している。なお、上記特許請求の範囲におけるドア側シール部は、鍔状部26、27およびシール材28、29から構成されている。
【0052】
一方のシール材28はドア基板部のうちドア回転方向の一端側に位置し、他方のシール材29は、ドア基板部のドア回転方向の他端側に位置する。この両シール材28、29はエラストマ(高分子ゴム弾性体)からなるものであり、樹脂製のドア基板部と一体に2色成形されている。両シール材28、29は、鍔状部26、27のドア回転方向の両側の面に弾性変形可能となるようにリップ状に突出形成されている。
【0053】
一方、内外気切替装置20のケース20aにおいて、内気吸入口21および外気吸入口22の開口縁部には、ケース側シール面30、31、32、33が設けてあり、このケース側シール面30、31、32、33に内外気切替ドア23のシール材28、29が弾性変形して圧着し、面当たりするようになっている。
【0054】
ケース20aには内気吸入口21および外気吸入口22の中間部に位置する仕切り壁34が設けてあり、この仕切り壁34は外気吸入口22の車両後方側部分を区画する役割を果たしている。この仕切り壁34の前後両側の面にケース側ケース側シール面31、32が形成される。この仕切り壁34の端部とロータリドア23の外周壁面23aとの間には隙間35を形成して、壁34の内側をロータリドア23の外周壁面23aが通過するようになっている。また、ケース20aには外気吸入口22の車両前方側部分を区画する仕切り壁36が設けてあり、この仕切り壁36の根元部にケース側シール面33が形成されている。
【0055】
ところで、ケース20aの外気吸入口22の上方には車両カウル部37の外気取り入れ口37aが位置している。ここで、車両カウル部37は車室内50とエンジンルーム内51とを仕切る隔壁(ダッシュパネル)52の上方側に位置する車両側構成部材であって、ワイパリンクやワイパモータ等の収容空間を構成するとともに、前面窓ガラスからの雨水の排出通路を構成する等の役割を果たす。
【0056】
ケース20aの仕切り壁34、36の上端部34a、36aは、ウレタン系の弾性材からなるシール材38を介して車両カウル部37の下面部に押し付けられ、仕切り壁34、35の上端部34a、35aと車両カウル部37の外気取り入れ口37aの周縁部下面との間をシールするようになっている。
【0057】
なお、図1〜図5はロータリドア23の基本的構成を概略図示しているが、図6〜図8は本実施形態の要部をより具体的に図示する。図6はロータリドア23により内気吸入口21(開口部21a、21b)の一部のみを開口し、外気吸入口22の大部分を開口する内気一部混入の外気モード時を示し、図7はロータリドア23により内気吸入口21(開口部21a、21b)を全閉し、外気吸入口22を全開する外気モード時を示し、更に、図8はロータリドア23により外気吸入口22を全閉し、内気吸入口21(開口部21a、21b)を全開する内気モード時を示す。
【0058】
ところで、図6の内気一部混入の外気モード時には、ロータリドア23のシール材28、29がケース側シール面30、32からそれぞれ若干量開離する位置にロータリドア23が回転操作される。
【0059】
また、内気一部混入の外気モード時には、ロータリドア23は、側板23bの周縁部に位置するシール材28に付着した水滴が自重で回転軸24a、24bに向かって流れることとなるような回転位置となっている。具体的には、側板23bの周縁部に位置するシール材28のうち、内気吸入口21の第2開口部21bの縁部に形成されたケース側シール面31と密着する側方部分(図6の符号28aに示す部分)は、内気一部混入の外気モード時には水平な面に対して所定角度以上傾斜するようになっている。
【0060】
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、図6に示す内気一部混入の外気モード時には、ロータリドア23のシール材28、29がケース側シール面30、32からそれぞれ若干量開離する位置に内外気切替ドア23が回転操作される。従って、ロータリドア23の外周壁面23aとケース側シール面31、32の端部との隙間35を通して、ケース20aの外気吸入口22が内気吸入口21と連通する。
【0061】
その結果、雨天時には、車両カウル部37に流入する雨水が外気取り入れ口37aから矢印R1に示すように侵入して、外周壁面23aに付着する。しかしながら、本実施形態では、外周壁面23aに付着した水滴を側板23bに導くように傾斜した排水溝23cが外周壁面23aに形成されているので、外周壁面23aに付着した水滴は、図3の矢印R2に示すように排水溝23cにより側板23bに導かれ、その後、図1の矢印R3に示すように側板23bを伝ってシール材28の側方部分28aに示す部分に到達する。
【0062】
そして、本実施形態では、内気一部混入の外気モード時には、ロータリドア23は、シール材28の側方部分28aに付着した水滴が自重で回転軸24a、24bに向かって流れることとなるような回転位置となっているので、シール材28の側方部分28aに到達した雨水は、図6の矢印R4に示すようにシール材28の側方部分28aを伝って回転軸24a、24bに流れる。
【0063】
その後、シール材28の側方部分28a、鍔状部26、回転軸24a、24b、および側板23bで囲われた部分に水滴が溜まる。図6の符号W2は前記水滴を示すものである。そして、符号W2に示すようにある程度水滴が溜まると、図6の矢印R5に示すようにシール材28の側方部分28aを乗り越えて、図3の符号Sに示す、側方部分28aとケース20aの内側との隙間から、ケース20a内に落下する。
【0064】
因みに、ケース20a内に落下した水滴は、エアフィルタ25、送風機40のスクロールケーシング41を通過して、送風機40により送風空気とともに図示しない空調ユニット内に吹き飛ばされ、冷却用熱交換器に付着した凝縮水を排水する排水経路から凝縮水とともに車外に排水されることとなる。
【0065】
以上により、外周壁面23aの周縁部に位置するシール材28のうち、内気吸入口21の第1開口部21aの縁部に形成されたケース側シール面31と密着する正面部分(図6の符号28bに示す部分)、鍔状部26、および外周壁面23aで囲われた部分に水滴W1が溜まってしまうことを抑制でき、ひいては、車両振動等の拍子に内気吸入口21の第1開口部21aからケース20aの外に水滴が飛散して車室内へ水が侵入してしまうことを抑制できる。
【0066】
なお、回転軸24a、24bは、ケース20aのうち図1中の符号20cに示す部分で覆われているので、回転軸24a、24b周囲に水滴W2が溜まったとしても、当該水滴W2が第2開口部21aからケース20aの外に飛散してしまう可能性は極めて低い。
【0067】
また、本実施形態では、排水溝23cを、ロータリドア23の回転方向に複数並べて配置しているので、複数の排水溝23cのうち外気吸入口22に最も近くに位置する排水溝23cを水滴が乗り越えて下方に流れてしまっても、他の排水溝23cにより側板23bに水滴を導くことができるので、シール材28の正面部分28bで水滴が溜まってしまうことをより一層抑制できる。
【0068】
また、本実施形態では、シール材28、29の材質をゴムとしており、ゴムは撥水性が高いため、水滴を、シール材28の側方部分28aを伝って回転軸24a、24bに導くことを良好にできる。
【0069】
因みに、上記した内気一部混入の外気モードは、冬期暖房時のウォームアップ時のように、暖房用熱交換器の熱源である温水(エンジン冷却水)の温度が十分上昇せず、暖房能力が不足する場合に、低温外気の中に温度の高い内気(車室内空気)を一部混入することにより、車室内吹出空気(温風)の温度を高めて暖房能力を高めるために使用される。
【0070】
この冬期暖房時では車両窓ガラス温度の低下により車両窓ガラスの曇りが発生しやすい。その結果、窓ガラスの曇り防止のために、内気一部混入の外気モードにおける内気混入比率は10%程度の少量に設定されている。
【0071】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、内外気切替装置20のケース20aにおいて、内外気切替ドア23の軸方向の左右両側の側面部に、内気吸入口21の第2開口部21bを配置する場合について説明したが、ケース20aの左右の側面部の一方のみに内気吸入口21の第2開口部21bを設け、他方の側面部は閉塞壁部としてもよいし、左右両側の側面部を閉塞壁部としてもよい。この閉塞壁部を、ロータリ式内外気切替ドア26の電気的アクチュエータの取付面、あるいはリンク部材の回転中心の支持部等の配置スペースとして利用するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、排水溝23cの底面のうち当該排水溝23cが延びる方向の一方の端部と他方の端部を、排水溝23cの底面のうち当該排水溝23cが延びる方向の略中央部よりも下方に位置させて、排水溝23cを山形形状に形成しているが、本発明の実施にあたり、前記他方の端部を前記略中央部よりも上方に位置させて、他方の端部から一方の端部に向けて水が流れるように傾斜する形状にしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態のシール材28、29の材質としてエラストマを採用しているが、エラストマ以外のゴムを採用してもよいし、発泡性樹脂、ウレタン等のパッキンを採用してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、両吸入口21、22に沿って移動して両吸入口21、22を切替開閉する外周壁面23aを有するドア20として、回転して両吸入口21、22を切替開閉するロータリドアを採用しているが、本発明のドア20はロータリドアに限られるものではなく、例えば、スライド移動して両吸入口21、22を切替開閉するドアでもよく、また、側板23bを有しないドアであってもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、鍔状部26、27およびシール材28、29からドア側シール部を構成しているが、本発明の実施にあたり、シール材28、29を廃止して、鍔状部26、27にてドア側シール部を構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る送風機ユニットの概略構成を示す側面図である。
【図2】図1の内外気切替装置を示す概略断面図である。
【図3】図1の送風機ユニットを車室内側から見た正面図である。
【図4】図3に示すロータリドアの正面図である。
【図5】図3に示すロータリドアの側面図である。
【図6】第1実施形態による内外気切替装置をより具体的に示す要部断面図であり、内気一部混入の外気モード時を示す。
【図7】図4の内外気切替装置における外気モード時を示す要部断面図である。
【図8】図4の内外気切替装置における内気モード時を示す要部断面図である。
【図9】従来の内外気切替装置における内気一部混入の外気モード時を示す要部断面図である。
【図10】図9の斜視図である。
【符号の説明】
20a…ケース、21…内気吸入口、22…外気吸入口、
23…ロータリドア、23a…外周壁面、23b…側板、23c…排水溝、
24a、24b…回転軸、28、29…シール材、30〜33…シール面。
Claims (6)
- 内気吸入口(21)および外気吸入口(22)を有するケース(20a)と、
前記両吸入口(21、22)に沿って移動して前記両吸入口(21、22)を切替開閉する外周壁面(23a)を有するドア(23)とを備え、
前記ケース(20a)のうち前記両吸入口(21、22)の周縁部には、ケース側シール面(30〜33)が形成されており、
前記外周壁面(23a)の周縁部には、前記外周壁面(23a)が前記内気吸入口(21)を閉塞し前記外気吸入口(22)を開口する外気モードのときに前記ケース側シール面(30〜33)に密着するドア側シール部(26、27、28、29)が設けられており、
前記外周壁面(23a)が前記内気吸入口(21)の一部を開口し前記外気吸入口(22)を開口する内気一部混入の外気モードのときには、前記ドア側シール部(26、27、28、29)と前記ケース側シール面(30〜33)とが開離するようになっており、
前記外周壁面(23a)に、前記ドア(23)の移動方向に対して交差する方向に延びる排水溝(23c)を設け、
前記排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の少なくとも一方の端部は、前記排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の略中央部よりも下方に位置していることを特徴とする車両用空調装置の内外気切替装置。 - 前記ドア(23)は、前記外周壁面(23a)の回動中心となる回転軸(24a、24b)と、前記外周壁面(23a)の軸方向の両側部と前記回転軸(24a、24b)の間を連結する側板(23b)とを有するロータリドアであることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の内外気切替装置。
- 前記側板(23b)の周縁部には、前記側板(23b)が前記外気吸入口(22)を閉塞し前記内気吸入口(21)を開口する内気モードのときに前記ケース側シール面(31)に密着する側板シール部(28a)が設けられており、
前記内気一部混入の外気モードのときには、前記ロータリドア(23)は、前記側板側シール面(28)に付着した水滴が自重で前記回転軸(24a、24b)に向かって流れることとなるような回転位置となっていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置の内外気切替装置。 - 前記側板シール部(28a)をゴム製のシール材で構成したことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用空調装置の内外気切替装置。
- 前記排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の両側の端部を、前記排水溝(23c)の底面のうち当該排水溝(23c)が延びる方向の略中央部よりも下方に位置させたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置の内外気切替装置。
- 前記排水溝(23c)を、前記ドア(23)の移動方向に複数並べて配置したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置の内外気切替装置。
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