JP2004082222A - 電動ドライバー - Google Patents
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Abstract
【課題】ネジの締付けが良好であるか否かを精度良く判別することができる電動ドライバーの提供。
【解決手段】電動ドライバーAは、ビット3に取り付けたセンサ51からのセンサ信号に基づいて、ビット回転数を検出するビット回転数検出装置5と、ビス9の締め付けの良否を判別する締付け状態判別手段6とを備え、締付け開始指示に基づいて、制御装置4がモータ2へ作動用電力の供給を開始した際に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している場合には、ビス9の締付けが良好であると締付け状態判別手段6が判別する。
【選択図】 図1
【解決手段】電動ドライバーAは、ビット3に取り付けたセンサ51からのセンサ信号に基づいて、ビット回転数を検出するビット回転数検出装置5と、ビス9の締め付けの良否を判別する締付け状態判別手段6とを備え、締付け開始指示に基づいて、制御装置4がモータ2へ作動用電力の供給を開始した際に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している場合には、ビス9の締付けが良好であると締付け状態判別手段6が判別する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネジ(ビスを含む)を締付ける電動ドライバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
モータに駆動されてビット101が回転し、ビス102を締付ける電動ドライバー100において、設定トルクでビス102の締付けが行えるものが従来より知られている(図3参照)。
なお、締付けトルクが設定トルクに達すると、リミットスイッチが働いてモータの回転が停止する様にしたものが主流である。
【0003】
この電動ドライバー100を使用したビス102の締付け作業では、締付けトルクが設定トルクに達してモータの回転が停止すれば、ネジ102の締付けが良好にできたとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電動ドライバー100を使用したビス102の締付け作業では、異物を挟んだ状態でビス102を締付けた場合や、斜めにビス102を締付けた場合には、締付けトルクが設定トルクに達するので、締付け不良状態を見過ごしてしまうという課題がある。
【0005】
このため、作業員や検査員が、目視したり、ビス102がしっかり締付けられているか否かを手で確認していた。
【0006】
本発明の目的は、ネジの締付けが良好であるか否かを精度良く判別することができる電動ドライバーの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1について〕
電動ドライバーは、モータと、このモータに作動用電力を供給するモータ制御手段と、モータにより駆動されて回転するビットとを備え、このビットがネジを締め付ける。
【0008】
そして、締付けトルクを設定するための締付けトルク設定手段と、締付けトルクを把握する締付けトルク把握手段と、センサからのセンサ信号に基づいてビット回転数を検出するビット回転数検出手段と、ネジの締め付けの良否を判別する締付け判別手段とを電動ドライバーに設けている。
【0009】
ネジを部材に捩じ込む際に、ネジが同種類で、且つ部材も同種類であれば、常に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している。
【0010】
これに着目して、締付け開始指示に基づいて、モータ制御手段がモータへ作動用電力の供給を開始した際に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している場合には、ネジの締付けが良好であると締付け判別手段が判別する。
【0011】
これにより、電動ドライバーは、ネジの締付けが良好であるか否かを精度良く判別することができる。
【0012】
〔請求項2について〕
電動ドライバーは、モータと、このモータに作動用電力を供給するモータ制御手段と、モータにより駆動されて回転するビットと、締付けトルクを設定するための締付けトルク設定手段と、締付けトルクを把握する締付けトルク把握手段とを備え、ビットが設定トルクでネジを締め付ける。
【0013】
そして、ビットに取り付けたセンサからのセンサ信号に基づいて、ビット回転数を検出するビット回転数検出手段と、ネジの締め付けの良否を判別する締付け判別手段とを電動ドライバーに付加している。
【0014】
ネジを部材に捩じ込む際に、ネジが同種類で、且つ部材も同種類であれば、常に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している。
【0015】
これに着目して、締付け開始指示に基づいて、モータ制御手段がモータへ作動用電力の供給を開始した際に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している場合には、ネジの締付けが良好であると締付け判別手段が判別する。
【0016】
ビット回転数検出手段と締付け判別手段とを通常の電動ドライバーに付加するだけで、少ない追加費用で、ネジの締付けが良好であるか否かを、精度良く判別することが可能になる。
【0017】
〔請求項3について〕
ネジの締付けが良好である場合には、作動用電力の供給から第1所定時間内にビット回転数が設定回転数以上になり、且つ、ビット回転数が設定回転数以上になった時から第2所定時間内に締付けトルクが設定トルクに達する。
この場合には、ネジの締付けが良好であると締付け判別手段が判別する。
【0018】
ネジばか(空回り状態)の場合には、作動用電力の供給から第1所定時間内にビット回転数が設定回転数以上になるが、ビット回転数が設定回転数以上になった時から第2所定時間が経過しても締付けトルクは設定トルクに達しない。
【0019】
また、異物を挟んだ状態や、斜めにネジを締付けた場合には、作動用電力の供給から第1所定時間が経過してもビット回転数が設定回転数以上にならないが、第1所定時間経過時から第2所定時間内に締付けトルクが設定トルクに達する。
【0020】
また、ドライバ不良(モータ不良等)の場合は、作動用電力の供給から第1所定時間が経過してもビット回転数が設定回転数以上にならず、第1所定時間経過時から第2所定時間が経過しても締付けトルクが設定トルクに達しない。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例(請求項2、3に対応)を、図1および図2に基づいて説明する。
【0022】
電動ドライバーAは、ケーシング1内に配されるモータ2と、モータ2により駆動されて回転するビット3と、モータ2を制御する制御装置4とを有する電動ドライバーに、ビット回転数検出装置5等を付加してなる。
【0023】
そして、制御装置4の操作パネルには、締付けトルクを設定するための締付けトルク設定器7が取り付けられ、制御装置4内の基板(図示せず)には、締付け状態判別手段6とトルク把握手段8とが組み付けられている。
【0024】
モータ2は、減速機構を備えた直流モータである。
ケーシング1の外壁に配設された作動スイッチ(図示せず)を作業員が操作した際には、接続ケーブル11を介して信号が制御装置4に送出され、制御装置4が接続ケーブル11を介してモータ1に作動用電力を供給して、ビット装着部12が回転を開始する。
【0025】
ビット3は、ビット装着部12に基部31が差し込まれ、固定治具で固定されている。また、ビット3の先部32は、締め付けるビス9の十字状の窪みに対応した形状を呈する。
なお、ビット3は、締め付けるビス9に対応して複数本用意されている。
【0026】
ビット回転数検出装置5は、フォトセンサ51と、フォトセンサ51を位置決めするための配設板52と、パルスカウントドグ53と、回転数算出回路(図示せず)とにより構成される。
【0027】
フォトセンサ51は、溝54を隔てて、発光素子と受光素子とを対向配置させている。
発光素子の通電用のリード線と、受光素子の出力を伝えるリード線とは、接続ケーブル13を介して制御装置4の基板に電気接続されている。
【0028】
配設板52は、ケーシング1の外壁に一端側が固定され、他端側にフォトセンサ51を配設している。
【0029】
パルスカウントドグ53は、全周に亘って櫛歯状の凹凸を形成した径大部55と、ビット3の略中央にネジ止めされる径小部56とからなり、ビット1回転で受光素子が20パルスを出力する様に凹凸数が設定されている。
なお、径大部55の凹凸がフォトセンサ51の溝54内に臨む様に、径小部56が位置決めされている。
【0030】
回転数算出回路は、受光素子が出力するパルス数に基づいてビット回転数を算出する。
トルク把握手段8は、モータ2に流れる電流等に基づいて締め付けトルクを算出する。
【0031】
ビス9は、リンクプレート91を固定するものであり、ワッシャ92が嵌め込まれている。
【0032】
締付け状態判別手段6は、図2に示すフローチャートに基づいて締付け状態を判別する。
作動スイッチを作業員が操作すると、接続ケーブル11を介して信号が制御装置4に送出され、制御装置4が接続ケーブル11を介してモータ2に作動用電力を供給し、ビット装着部12が回転を開始する(締付け開始)。
【0033】
ステップs1において、作動用電力の供給開始から※印の所定時間内に、ビット回転数が設定回転数以上になったか否か判別し、ビット回転数が設定回転数以上になった場合(YES)にはステップs2に進む。また、ビット回転数が設定回転数未満である場合(NO)にはステップs5に進む。
なお、本実施例では、※印の所定時間(第1所定時間に相当)を0.5秒に設定している。
【0034】
ステップs2において、ビット回転数が設定回転数以上になった時点から※※印の所定時間内に、締付けトルクが設定トルクに達しているか否かを判別し、※※印の所定時間内に締付けトルクが設定トルクに達している場合(YES)にはステップs3に進む。また、※※印の所定時間が経過しても、締付けトルクが設定トルクに達していない場合(NO)にはステップs4に進む。
なお、本実施例では、※※印の所定時間(第2所定時間に相当)を1秒に設定している。
【0035】
ステップs3において、締付け状態判別手段6が締付け良と判定する。この場合には、締付け良を意味する緑色ランプ(図示せず)を点灯させる。
ステップs4において、締付け状態判別手段6が、ネジばか(空回り状態)の締付け不良と判定する。
【0036】
ステップs5において、※印の所定時間経過時から※※印の所定時間内に、締付けトルクが設定トルクに達しているか否かを判別し、※※印の所定時間内に締付けトルクが設定トルクに達している場合(YES)にはステップs6に進む。また、※※印の所定時間が経過しても、締付けトルクが設定トルクに達していない場合(NO)にはステップs7に進む。
なお、本実施例では、※※印の所定時間(第2所定時間に相当)を1秒に設定している。
【0037】
ステップs6において、異物かみ込みか斜め締め付けに起因する締付け不良と締付け状態判別手段6が判定する。
ステップs7において、締付け状態判別手段6が、モータ不良等に起因するドライバ不良と判定する。
【0038】
本実施例に係る電動ドライバーAは、以下の利点を有する。
電動ドライバーAは、回転数とトルクの両方で、ネジの締付けが良好か否かを判別している。
【0039】
具体的には、作動用電力の供給から0.5秒以内にビット回転数が設定回転数以上になり、且つ、ビット回転数が設定回転数以上になった時から1秒以内に締付けトルクが設定トルクに達したのを確認した場合に、ビス9の締付けが良好であると締付け状態判別手段6が判定している。
【0040】
このため、ビス9の締付けが良好であるか否かを精度良く判別でき、目や手等による締付け状態の確認作業を省くことができる。
なお、ビット回転数検出装置5と締付け状態判別手段6とを付加するだけなので、少ない費用(数万円)で通常の電動ドライバーを電動ドライバーAに改造することができる。
【0041】
本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施態様を含む。
a.締付けトルク設定手段と、締付けトルク把握手段と、ビット回転数検出手段とを最初から電動ドライバーのケーシング内や制御装置内に組み込んでも良い(請求項1、3に対応)。
【0042】
b.電動ドライバーAにおいて、締付け状態判別手段6が、ネジばかの締付け不良と判定した場合(ステップs4)や、異物かみ込みか斜め締め付けに起因する締付け不良と判定した場合(ステップs6)や、モータ不良等に起因するドライバ不良と判定した場合(ステップs7)には、不良の種別に応じた異なる不良報知や、不良を意味する同一の不良報知を行っても良い。
【0043】
c.ネジは、以下のものであっても良い。
皿小ネジ、丸皿小ネジ、ナベ小ネジ、トラス小ネジ、バインド小ネジ、タッピングネジ、六角タッピングネジ、ドリルビス、木ネジ、止めネジ、座金組込ネジ、内装ビス(万能ビス)、コーススレッド。
スリーロック、ソケット、ツーホール、ワンウェイ、トルクス、トライウイング、穴用四角、ラインヘッド、センターピン付ボタンキャップ、ハウリセス。
【0044】
また、頭部の形状は、以下のものであっても良い。
(+)ナベ、ナベセムズ、ナベWセムズ、バイエンド、バインドセムズ、
(±)フリー端子、フリー端子SP付
【0045】
また、材質やメッキは、以下のものであっても良い。
ステンレス、鉄、真鍮、銅、アルミ、チタン、金、銀、ニッケル鋼。
亜鉛メッキ(ユニクロ、クロメイト、クロクロ)、ニッケル、クローム、銅、金、銀、パーカー、アエンクロメート。
【0046】
d.第1所定時間や第2所定時間は、ネジの種類毎に、最適な時間を決めれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電動ドライバーの構造を示す説明図である。
【図2】その電動ドライバーの締付け状態判別手段による締付け状態判別を示すフローチャートである。
【図3】従来技術に係る締付け状態判別の方法を示す説明図である。
【符号の説明】
A 電動ドライバー
2 モータ
3 ビット
4 制御装置(モータ制御手段)
5 ビット回転数検出装置(ビット回転数検出手段)
6 締付け状態判別手段(締付け判別手段)
7 締付けトルク設定器(締付けトルク設定手段)
8 トルク把握手段(締付けトルク把握手段)
9 ビス(ネジ)
51 フォトセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネジ(ビスを含む)を締付ける電動ドライバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
モータに駆動されてビット101が回転し、ビス102を締付ける電動ドライバー100において、設定トルクでビス102の締付けが行えるものが従来より知られている(図3参照)。
なお、締付けトルクが設定トルクに達すると、リミットスイッチが働いてモータの回転が停止する様にしたものが主流である。
【0003】
この電動ドライバー100を使用したビス102の締付け作業では、締付けトルクが設定トルクに達してモータの回転が停止すれば、ネジ102の締付けが良好にできたとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電動ドライバー100を使用したビス102の締付け作業では、異物を挟んだ状態でビス102を締付けた場合や、斜めにビス102を締付けた場合には、締付けトルクが設定トルクに達するので、締付け不良状態を見過ごしてしまうという課題がある。
【0005】
このため、作業員や検査員が、目視したり、ビス102がしっかり締付けられているか否かを手で確認していた。
【0006】
本発明の目的は、ネジの締付けが良好であるか否かを精度良く判別することができる電動ドライバーの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1について〕
電動ドライバーは、モータと、このモータに作動用電力を供給するモータ制御手段と、モータにより駆動されて回転するビットとを備え、このビットがネジを締め付ける。
【0008】
そして、締付けトルクを設定するための締付けトルク設定手段と、締付けトルクを把握する締付けトルク把握手段と、センサからのセンサ信号に基づいてビット回転数を検出するビット回転数検出手段と、ネジの締め付けの良否を判別する締付け判別手段とを電動ドライバーに設けている。
【0009】
ネジを部材に捩じ込む際に、ネジが同種類で、且つ部材も同種類であれば、常に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している。
【0010】
これに着目して、締付け開始指示に基づいて、モータ制御手段がモータへ作動用電力の供給を開始した際に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している場合には、ネジの締付けが良好であると締付け判別手段が判別する。
【0011】
これにより、電動ドライバーは、ネジの締付けが良好であるか否かを精度良く判別することができる。
【0012】
〔請求項2について〕
電動ドライバーは、モータと、このモータに作動用電力を供給するモータ制御手段と、モータにより駆動されて回転するビットと、締付けトルクを設定するための締付けトルク設定手段と、締付けトルクを把握する締付けトルク把握手段とを備え、ビットが設定トルクでネジを締め付ける。
【0013】
そして、ビットに取り付けたセンサからのセンサ信号に基づいて、ビット回転数を検出するビット回転数検出手段と、ネジの締め付けの良否を判別する締付け判別手段とを電動ドライバーに付加している。
【0014】
ネジを部材に捩じ込む際に、ネジが同種類で、且つ部材も同種類であれば、常に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している。
【0015】
これに着目して、締付け開始指示に基づいて、モータ制御手段がモータへ作動用電力の供給を開始した際に、ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している場合には、ネジの締付けが良好であると締付け判別手段が判別する。
【0016】
ビット回転数検出手段と締付け判別手段とを通常の電動ドライバーに付加するだけで、少ない追加費用で、ネジの締付けが良好であるか否かを、精度良く判別することが可能になる。
【0017】
〔請求項3について〕
ネジの締付けが良好である場合には、作動用電力の供給から第1所定時間内にビット回転数が設定回転数以上になり、且つ、ビット回転数が設定回転数以上になった時から第2所定時間内に締付けトルクが設定トルクに達する。
この場合には、ネジの締付けが良好であると締付け判別手段が判別する。
【0018】
ネジばか(空回り状態)の場合には、作動用電力の供給から第1所定時間内にビット回転数が設定回転数以上になるが、ビット回転数が設定回転数以上になった時から第2所定時間が経過しても締付けトルクは設定トルクに達しない。
【0019】
また、異物を挟んだ状態や、斜めにネジを締付けた場合には、作動用電力の供給から第1所定時間が経過してもビット回転数が設定回転数以上にならないが、第1所定時間経過時から第2所定時間内に締付けトルクが設定トルクに達する。
【0020】
また、ドライバ不良(モータ不良等)の場合は、作動用電力の供給から第1所定時間が経過してもビット回転数が設定回転数以上にならず、第1所定時間経過時から第2所定時間が経過しても締付けトルクが設定トルクに達しない。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例(請求項2、3に対応)を、図1および図2に基づいて説明する。
【0022】
電動ドライバーAは、ケーシング1内に配されるモータ2と、モータ2により駆動されて回転するビット3と、モータ2を制御する制御装置4とを有する電動ドライバーに、ビット回転数検出装置5等を付加してなる。
【0023】
そして、制御装置4の操作パネルには、締付けトルクを設定するための締付けトルク設定器7が取り付けられ、制御装置4内の基板(図示せず)には、締付け状態判別手段6とトルク把握手段8とが組み付けられている。
【0024】
モータ2は、減速機構を備えた直流モータである。
ケーシング1の外壁に配設された作動スイッチ(図示せず)を作業員が操作した際には、接続ケーブル11を介して信号が制御装置4に送出され、制御装置4が接続ケーブル11を介してモータ1に作動用電力を供給して、ビット装着部12が回転を開始する。
【0025】
ビット3は、ビット装着部12に基部31が差し込まれ、固定治具で固定されている。また、ビット3の先部32は、締め付けるビス9の十字状の窪みに対応した形状を呈する。
なお、ビット3は、締め付けるビス9に対応して複数本用意されている。
【0026】
ビット回転数検出装置5は、フォトセンサ51と、フォトセンサ51を位置決めするための配設板52と、パルスカウントドグ53と、回転数算出回路(図示せず)とにより構成される。
【0027】
フォトセンサ51は、溝54を隔てて、発光素子と受光素子とを対向配置させている。
発光素子の通電用のリード線と、受光素子の出力を伝えるリード線とは、接続ケーブル13を介して制御装置4の基板に電気接続されている。
【0028】
配設板52は、ケーシング1の外壁に一端側が固定され、他端側にフォトセンサ51を配設している。
【0029】
パルスカウントドグ53は、全周に亘って櫛歯状の凹凸を形成した径大部55と、ビット3の略中央にネジ止めされる径小部56とからなり、ビット1回転で受光素子が20パルスを出力する様に凹凸数が設定されている。
なお、径大部55の凹凸がフォトセンサ51の溝54内に臨む様に、径小部56が位置決めされている。
【0030】
回転数算出回路は、受光素子が出力するパルス数に基づいてビット回転数を算出する。
トルク把握手段8は、モータ2に流れる電流等に基づいて締め付けトルクを算出する。
【0031】
ビス9は、リンクプレート91を固定するものであり、ワッシャ92が嵌め込まれている。
【0032】
締付け状態判別手段6は、図2に示すフローチャートに基づいて締付け状態を判別する。
作動スイッチを作業員が操作すると、接続ケーブル11を介して信号が制御装置4に送出され、制御装置4が接続ケーブル11を介してモータ2に作動用電力を供給し、ビット装着部12が回転を開始する(締付け開始)。
【0033】
ステップs1において、作動用電力の供給開始から※印の所定時間内に、ビット回転数が設定回転数以上になったか否か判別し、ビット回転数が設定回転数以上になった場合(YES)にはステップs2に進む。また、ビット回転数が設定回転数未満である場合(NO)にはステップs5に進む。
なお、本実施例では、※印の所定時間(第1所定時間に相当)を0.5秒に設定している。
【0034】
ステップs2において、ビット回転数が設定回転数以上になった時点から※※印の所定時間内に、締付けトルクが設定トルクに達しているか否かを判別し、※※印の所定時間内に締付けトルクが設定トルクに達している場合(YES)にはステップs3に進む。また、※※印の所定時間が経過しても、締付けトルクが設定トルクに達していない場合(NO)にはステップs4に進む。
なお、本実施例では、※※印の所定時間(第2所定時間に相当)を1秒に設定している。
【0035】
ステップs3において、締付け状態判別手段6が締付け良と判定する。この場合には、締付け良を意味する緑色ランプ(図示せず)を点灯させる。
ステップs4において、締付け状態判別手段6が、ネジばか(空回り状態)の締付け不良と判定する。
【0036】
ステップs5において、※印の所定時間経過時から※※印の所定時間内に、締付けトルクが設定トルクに達しているか否かを判別し、※※印の所定時間内に締付けトルクが設定トルクに達している場合(YES)にはステップs6に進む。また、※※印の所定時間が経過しても、締付けトルクが設定トルクに達していない場合(NO)にはステップs7に進む。
なお、本実施例では、※※印の所定時間(第2所定時間に相当)を1秒に設定している。
【0037】
ステップs6において、異物かみ込みか斜め締め付けに起因する締付け不良と締付け状態判別手段6が判定する。
ステップs7において、締付け状態判別手段6が、モータ不良等に起因するドライバ不良と判定する。
【0038】
本実施例に係る電動ドライバーAは、以下の利点を有する。
電動ドライバーAは、回転数とトルクの両方で、ネジの締付けが良好か否かを判別している。
【0039】
具体的には、作動用電力の供給から0.5秒以内にビット回転数が設定回転数以上になり、且つ、ビット回転数が設定回転数以上になった時から1秒以内に締付けトルクが設定トルクに達したのを確認した場合に、ビス9の締付けが良好であると締付け状態判別手段6が判定している。
【0040】
このため、ビス9の締付けが良好であるか否かを精度良く判別でき、目や手等による締付け状態の確認作業を省くことができる。
なお、ビット回転数検出装置5と締付け状態判別手段6とを付加するだけなので、少ない費用(数万円)で通常の電動ドライバーを電動ドライバーAに改造することができる。
【0041】
本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施態様を含む。
a.締付けトルク設定手段と、締付けトルク把握手段と、ビット回転数検出手段とを最初から電動ドライバーのケーシング内や制御装置内に組み込んでも良い(請求項1、3に対応)。
【0042】
b.電動ドライバーAにおいて、締付け状態判別手段6が、ネジばかの締付け不良と判定した場合(ステップs4)や、異物かみ込みか斜め締め付けに起因する締付け不良と判定した場合(ステップs6)や、モータ不良等に起因するドライバ不良と判定した場合(ステップs7)には、不良の種別に応じた異なる不良報知や、不良を意味する同一の不良報知を行っても良い。
【0043】
c.ネジは、以下のものであっても良い。
皿小ネジ、丸皿小ネジ、ナベ小ネジ、トラス小ネジ、バインド小ネジ、タッピングネジ、六角タッピングネジ、ドリルビス、木ネジ、止めネジ、座金組込ネジ、内装ビス(万能ビス)、コーススレッド。
スリーロック、ソケット、ツーホール、ワンウェイ、トルクス、トライウイング、穴用四角、ラインヘッド、センターピン付ボタンキャップ、ハウリセス。
【0044】
また、頭部の形状は、以下のものであっても良い。
(+)ナベ、ナベセムズ、ナベWセムズ、バイエンド、バインドセムズ、
(±)フリー端子、フリー端子SP付
【0045】
また、材質やメッキは、以下のものであっても良い。
ステンレス、鉄、真鍮、銅、アルミ、チタン、金、銀、ニッケル鋼。
亜鉛メッキ(ユニクロ、クロメイト、クロクロ)、ニッケル、クローム、銅、金、銀、パーカー、アエンクロメート。
【0046】
d.第1所定時間や第2所定時間は、ネジの種類毎に、最適な時間を決めれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電動ドライバーの構造を示す説明図である。
【図2】その電動ドライバーの締付け状態判別手段による締付け状態判別を示すフローチャートである。
【図3】従来技術に係る締付け状態判別の方法を示す説明図である。
【符号の説明】
A 電動ドライバー
2 モータ
3 ビット
4 制御装置(モータ制御手段)
5 ビット回転数検出装置(ビット回転数検出手段)
6 締付け状態判別手段(締付け判別手段)
7 締付けトルク設定器(締付けトルク設定手段)
8 トルク把握手段(締付けトルク把握手段)
9 ビス(ネジ)
51 フォトセンサ
Claims (3)
- モータと、
該モータに作動用電力を供給するモータ制御手段と、
前記モータにより駆動されて回転するビットとを備え、該ビットがネジを締め付ける電動ドライバーであって、
締付けトルクを設定するための締付けトルク設定手段と、
締付けトルクを把握する締付けトルク把握手段と、
センサからのセンサ信号に基づいて、ビット回転数を検出するビット回転数検出手段と、
ネジの締め付けの良否を判別する締付け判別手段とを設け、
締付け開始指示に基づいて、前記モータ制御手段が前記モータへ前記作動用電力の供給を開始した際に、
ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している場合には、ネジの締付けが良好であると前記締付け判別手段が判別することを特徴とする電動ドライバー。 - モータと、
該モータに作動用電力を供給するモータ制御手段と、
前記モータにより駆動されて回転するビットと、
締付けトルクを設定するための締付けトルク設定手段と、
締付けトルクを把握する締付けトルク把握手段とを備え、前記ビットが設定トルクでネジを締め付ける電動ドライバーにおいて、
前記ビットに取り付けたセンサからのセンサ信号に基づいて、ビット回転数を検出するビット回転数検出手段と、
ネジの締め付けの良否を判別する締付け判別手段とを付加し、
締付け開始指示に基づいて、前記モータ制御手段が前記モータへ前記作動用電力の供給を開始した際に、
ビット回転数が設定回転数以上になった時点で、締付けトルクが設定トルクに達している場合には、ネジの締付けが良好であると前記締付け判別手段が判別することを特徴とする電動ドライバー。 - 前記作動用電力の供給から第1所定時間内にビット回転数が設定回転数以上になり、且つ、
ビット回転数が設定回転数以上になった時から第2所定時間内に締付けトルクが設定トルクに達した場合に、ネジの締付けが良好であると前記締付け判別手段が判別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動ドライバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002242441A JP2004082222A (ja) | 2002-08-22 | 2002-08-22 | 電動ドライバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002242441A JP2004082222A (ja) | 2002-08-22 | 2002-08-22 | 電動ドライバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004082222A true JP2004082222A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32051523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002242441A Pending JP2004082222A (ja) | 2002-08-22 | 2002-08-22 | 電動ドライバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004082222A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013166212A (ja) * | 2012-02-15 | 2013-08-29 | Honda Motor Co Ltd | 締付異常検出方法及び装置 |
JP2014517774A (ja) * | 2011-04-27 | 2014-07-24 | メドトロニック・ゾーメド・インコーポレーテッド | 電動スクリュードライバのための電気ラチェット |
JP2019038068A (ja) * | 2017-08-25 | 2019-03-14 | 京都機械工具株式会社 | ドライバユニット |
-
2002
- 2002-08-22 JP JP2002242441A patent/JP2004082222A/ja active Pending
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