JP2004082220A - レンズの研削方法及びレンズ研削装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】眼鏡レンズLEを保持する眼鏡レンズ保持軸16aと、眼鏡レンズLEを粗加工する粗砥石6a及び仕上加工する仕上砥石6cと、眼鏡レンズ保持軸16aを支持するキャリッジ15と、眼鏡レンズ保持軸16aの先端部に取り付けられると共に、眼鏡レンズLEを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に倣った第1型板T1と、眼鏡レンズ保持軸16aを上下動させてキャリッジ15を揺動させるキャリッジ昇降手段とを有し、眼鏡レンズ保持軸16aの先端部には、第1型板T1と、この第1型板T1と異なる形状の第2型板T2とを共に取り付け、眼鏡レンズLEを、第1、第2型板T1、T2に基づいて粗砥石6aにより粗加工した後に、仕上砥石6cにより仕上加工する。
【選択図】 図10
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、眼鏡レンズ保持軸に保持された眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に基づいて、この眼鏡レンズを粗砥石により粗加工した後に、仕上砥石により仕上加工する眼鏡レンズの研削方法及び研削装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に倣った型板、円形の型板、あるいは眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状データ等に基づいて、眼鏡レンズを粗加工した後に、仕上加工するレンズ研削装置が知られている(例えば、特開昭60−71156号公報や特開昭60−161064号公報や特開平4−12215号公報等に記載されている)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の眼鏡レンズ研削装置では、中心部分の厚みが薄く、強度乱視で乱視軸方向が90度方向(縦方向)にあるようなガラス凹レンズ(極薄マイナスレンズ)では、粗加工中に割れてしまうことがあった。特に、最近流行している上下幅(眼鏡装用者の眉側に係るリムと頬側に係るリムとの間の幅)の狭い眼鏡フレームの玉型形状や、リムレスフレーム用のデモレンズの玉型形状等(以下、カニ目フレームの玉型形状という)において、この割れ現象が頻繁に発生していた。
【0004】
この割れ現象は、ガラスレンズの粗加工中にレンズ周縁部にクラックが生じて発生する。そして、中心部分の厚みが1.0mmにおけるガラスレンズに生じたクラックが0.5mmのように、クラックが中心部分の厚みに対して大きい場合には割れが生じやすく、クラックが小さい場合には割れが生じにくい。
【0005】
そのため、粗砥石の目(メッシュ)を例えば400メッシュのように細かくすると、発生するクラックは小さくなり、割れが生じる可能性を低くすることができる。しかし、この場合では加工時間が長くなってしまい、作業効率が落ちてしまう。また、砥石の切れ味持続性、すなわち砥石の「切れ」が悪くなってしまう。
【0006】
この発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、中心部分の厚みが薄く、強度乱視で乱視軸方向が90度方向(縦方向)にあるようなガラス凹レンズ(極薄マイナスレンズ)の周縁部を粗加工中に割れが生じることを防止すると共に、効率良く研削加工が行える眼鏡レンズの研削方法及びその方法を用いた研削装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に基づいて、眼鏡レンズの周縁部を粗砥石により粗加工した後に、仕上砥石により仕上加工する眼鏡レンズの研削方法において、玉型形状の中央部付近の削り代を広くして粗加工し、玉型形状に沿って仕上加工することを特徴とした。
【0008】
請求項2に記載の発明は、眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に倣った第1型板と、この第1型板と異なる形状の第2型板とに基づいて眼鏡レンズの周縁部を粗砥石により粗加工した後に、仕上砥石により仕上加工することを特徴とした。
【0009】
請求項3に記載の発明は、眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に基づいて、眼鏡レンズの周縁部を粗砥石により粗加工した後に、仕上砥石により仕上加工する眼鏡レンズの研削方法において、玉型形状に沿って眼鏡レンズのコバ厚を求め、このコバ厚のうち極薄のコバ厚に係る箇所の削り代を大きくして粗加工し、玉型形状に沿って仕上加工することを特徴とした。
【0010】
請求項4に記載の発明は、眼鏡レンズを保持する眼鏡レンズ保持軸と、眼鏡レンズを粗加工する粗砥石及び仕上加工する仕上砥石と、眼鏡レンズ保持軸を支持するキャリッジと、眼鏡レンズ保持軸の先端部に取り付けられると共に、眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に倣った第1型板と、眼鏡レンズ保持軸を上下動させてキャリッジを揺動させるキャリッジ昇降手段とを有する眼鏡レンズの研削装置において、眼鏡レンズ保持軸の先端部には、第1型板と、この第1型板と異なる形状の第2型板とが共に取り付けられ、眼鏡レンズは、第1、第2型板に基づいて粗砥石により粗加工され、仕上砥石により仕上加工されることを特徴とした。
【0011】
請求項5に記載の発明は、眼鏡レンズを保持する眼鏡レンズ保持軸と、眼鏡レンズが枠入れされる眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に沿って眼鏡レンズのコバ厚を測定するコバ厚測定手段と、このコバ厚測定手段により得られたコバ厚に基づいて眼鏡レンズを粗加工する粗砥石及び仕上加工する仕上砥石とを有する眼鏡レンズの研削装置において、眼鏡レンズは、コバ厚測定手段により得られたコバ厚のうち極薄のコバ厚に係る箇所の削り代を大きくして粗砥石により粗加工され、玉型形状に沿って仕上砥石により仕上加工されることを特徴とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。
【0013】
[概略]
この発明は、以下の▲1▼〜▲3▼に説明したような内容を基本的な考えとして有する。
▲1▼ カニ目フレームの玉型形状に基づいて粗加工を行う場合に、コバ厚測定手段により得られたコバ厚情報のうち、極薄のコバ厚に係る玉型形状箇所に一致する動径角度の範囲、あるいは、この極薄のコバ厚に係る玉型形状箇所を覆うような上記の動径角度の範囲よりも大きい動径角度の範囲では、眼鏡レンズ保持軸を中心として、この保持軸の半径の2倍程度の半径をもつ円形形状に沿って粗加工を行う。これにより、中心厚が薄く、強度乱視で乱視軸方向が90度方向(縦方向)にあるようなガラス凹レンズ(極薄マイナスレンズ)において、粗加工中に割れることのない眼鏡レンズの研削方法及びその方法を用いた研削装置を提供することができる。
▲2▼ 型受台上に支持される型板保持軸に半円形の第2型板(パターン)を眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状の第1型板と並列して配置し、中心厚が薄いようなガラスレンズの中心厚の薄い部分の粗加工を回避する。
▲3▼ カニ目フレームの玉型形状を呈した第1型板と、その第1型板の長手方向と直交するように円形、楕円形、長円形等の形状を呈した第2型板の2枚を用意して、これらの第1、第2型板に基づいて粗加工を行う。
【0014】
<第1実施例>
<研削加工部>図1において、1はレンズ周縁加工装置(玉摺機)の筺体状の装置本体、2は装置本体1の前側上部に設けられた傾斜面、3は傾斜面2の左側半分に設けられた液晶表示部、4は傾斜面2の右側に設けられたキーボード部である。
【0015】
このキーボード部4は、FPD入力モード用のスイッチ4a、PD入力モード用のスイッチ4b、ブリッジ幅入力モード用のスイッチ4c、レンズ材質選択用のスイッチ4d、モード切換用のスイッチ4e、測定開始スイッチ4f、加工スイッチ4g、テンキー5等を有する。
【0016】
また、装置本体1の中央及び左側部近傍の部分には凹部1a、1bが設けられていて、凹部1aには装置本体1に回転自在に保持された研削砥石6(研削砥石車)が配設されている。この研削砥石6は、粗研削砥石6a、V溝研削砥石(ヤゲン砥石)6b及び仕上砥石(細砥粒研削砥石)6cを備え、図2に示したモータ7で回転駆動されるようになっている。
【0017】
装置本体1内には、図3に示した様に、キャリッジ支持用の支持台9が固定されている。この支持台9は、左右の脚部9a、9bと、脚部9b側に偏らせて脚部9a、9b間に配設した中間脚部9cと、脚部9a〜9cの上端部を連設している取付板部9dを有する。
【0018】
しかも、取付板部9dの両側部には軸取付用のブラケット10、11が突設され、取付板部9dの中間部には軸支持突起12が突設されている。このブラケット10、11及び軸支持突起12は図2に示した平面形状がコ字状のカバー13で覆われている。このブラケット10、11には軸支持突起12を貫通する支持軸14の両端部が固定されている。
【0019】
<キャリッジ>装置本体1上にはキャリッジ15が配設されている。このキャリッジ15は、キャリッジ本体15aと、このキャリッジ本体15aの両側に前方に向けて一体に設けられた互いに平行なアーム部15b、15cと、キャリッジ本体15aの両側に後方に向けて突設された突起15d、15eを有する。
【0020】
この突起15d、15eは、図3に示した様に軸支持突起12を挟む位置に配設されていると共に、支持軸14の軸線回りに回動可能に且つ支持軸14の長手方向(左右)に移動自在に支持軸14に保持されている。これによりキャリッジ15の前端部が支持軸14を中心に上下回動できるようになっている。
【0021】
このキャリッジ15のアーム部15bにはレンズ回転軸16が回転自在に保持され、キャリッジ15のアーム部15cにはレンズ回転軸16と同軸上に配設されたレンズ回転軸17が回転自在に且つレンズ回転軸16に対して進退調整可能に保持されていて、このレンズ回転軸16、17の対向端には、それぞれ吸着板Q、Qが設けられている。そして、この対向端間(一端部間)には、吸着板Q、Qを介して、被加工レンズLEが挟持される様になっている。また、レンズ回転軸16の他端部には図示を省略した周知の固定手段により型板Tが着脱可能に取り付けられている。
【0022】
レンズ回転軸16、17は軸回転駆動装置(軸回転駆動手段)で回転駆動されるようになっている。この軸回転駆動装置は、図2に示すように、キャリッジ本体15a内に固定されたパルスモータ18(回転駆動手段)と、パルスモータ18の回転をレンズ回転軸16、17に伝達する動力伝達機構(動力伝達手段)19を有する。
【0023】
この動力伝達機構19は、レンズ回転軸16、17にそれぞれ取り付けられたプーリ20、20と、キャリッジ本体15aに回転自在に保持された回転軸21と、回転軸21の両端部にそれぞれ固定されたプーリ22、22と、プーリ20、22に掛け渡されたタイミングベルト23と、回転軸21に固定されたギヤ24と、パルスモータ18の出力用のピニオン25等から構成されている。
【0024】
また、図3に示すように、支持軸14には、装置本体1の凹部1aに配設した支持アーム26の後部が左右動自在に保持されている。この支持アーム26は、キャリッジ15に対して相対回転自在に且つ左右方向には一体的に移動可能に保持されている。なお、支持アーム26の中間部は装置本体1に図示しない軸で左右動自在に保持されている。
【0025】
この支持アーム26とブラケット10との間には支持軸14に巻回したスプリング27が介装され、装置本体1とブラケット11との間にはスプリング28が介装されている。そして、キャリッジ15はスプリング27、28のバネ力がバランスする位置で停止し、この停止位置ではレンズ回転軸16、17間に保持された被加工レンズLEが粗研削砥石6a上に位置するようになっている。
【0026】
また、第1型板Tは、眼鏡フレーム(眼鏡枠)Fのレンズ枠形状(レンズ枠に枠入れされる眼鏡レンズのレンズ形状)又はリムレスフレームの玉板(又は型板)の形状(リムレスフレームに保持される眼鏡レンズのレンズ形状)に倣って、あらかじめ形成されている。
【0027】
<キャリッジ横移動手段>このキャリッジ15はキャリッジ横移動手段29で左右に移動駆動可能に設けられている(図3、図4参照)。
【0028】
このキャリッジ横移動手段29は、支持アーム26の前面に固定されたコ字状のブラケット30と、ブラケット30内に位置させて支持アーム26の前面に固定されたバリアブルモータ31と、バリアブルモータ31の支持アーム26を貫通する出力軸31aに固定されたプーリ32と、支持台9の脚部9b、9c間に両端が固定され且つプーリ32に捲回されたワイヤ33を有する。
【0029】
また、キャリッジ横移動手段29は、ブラケット30に固定されたロータリーエンコーダ(検出手段)34と、ロータリーエンコーダ34の回転軸34aとバリアブルモータ31の出力軸31bとを連結するカップリング35を有する。なお、バリアブルモータ31は通電を停止させると、出力軸31bが自由回転し得る状態となる。
【0030】
<キャリッジ昇降手段>型板Tに対応する位置の下方には図4に示すように、キャリッジ昇降手段36が軸間調整手段として配設されている。
【0031】
このキャリッジ昇降手段36は、自由端部が上下回動可能に基端部を枢軸37a、37aで支持アーム26に回動自在に取り付けたリンク37、37と、リンク37、37の自由端部に枢軸37b、37bで回動自在に取り付けたリンク38と、リンク38に上方に向けて突設した支持ロッド39と、支持ロッド39の上端に設けられた板状の型受台40を有する。
【0032】
また、キャリッジ昇降手段36は、支持ロッド39とは直角に前側に向けて突設された軸部材41と、キャリッジ15の移動方向に延びて軸部材41を支持する軸受部材42と、軸受部材42と一体に設けられ且つ周方向に回転不能且つ上下動可能に図示しない位置で装置本体1に保持された雌ネジ筒43と、雌ネジ筒43に螺合された雄ネジ44と、装置本体1に固定され且つ雄ネジ44を回転駆動するパルスモータ45を有する。
【0033】
<眼鏡レンズ形状測定部(眼鏡レンズ形状測定手段)>装置本体1の正面にはリッド1cが設けられていて、リッド1cを開くことにより、装置本体1内に配設した眼鏡レンズ形状測定手段としての眼鏡レンズ形状測定部46が出し入れ可能となっている。なお、眼鏡レンズ形状測定手段である眼鏡形状測定部46は装置本体1と別体に設けられていても良い。
【0034】
この眼鏡レンズ形状測定部46は、図2(a)に示したように、パルスモータ47と、パルスモータ47の出力軸47aに取り付けられた回転アーム48と、回転アーム48に保持されたレール49と、レール49に沿って長手方向に移動可能なフィラー支持体50と、フィラー支持体50に装着されたフィラー(接触子)51と、フィラー支持体50の移動量を検出するエンコーダ52と、フィラー支持体50を一方向に付勢しているスプリング53を有する。このエンコーダ52には、マグネスケールやリニアエンコーダ等を用いることができる。
【0035】
なお、この眼鏡レンズ形状測定部46はレンズ周縁加工装置と一体に構成されているが、これをレンズ周縁加工装置と別体に構成して両者を電気的に接続してもよい。また、電気的に接続する代わりに、別体の眼鏡レンズ形状測定装置により測定された眼鏡レンズ形状データをフロッピー(登録商標)ディスクやICカードに一旦入力し、レンズ加工装置にはこれら記憶媒体からデータを読み取る読取装置を設けるように構成してもよい。さらに、眼鏡フレームメーカーからオンラインで眼鏡レンズ形状データをレンズ周縁加工装置に入力できるように構成してもよい。
【0036】
また、図2(a)では、フィラー51として算盤玉状のものが眼鏡フレームFの形状測定用として用いているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図2(b)に示したように、フィラー51の代わりに、蒲鉾状のフィラー51´をリムレスフレームの玉型T´のレンズ形状測定用としてフィラー支持体50に装着してもよいし、この両フィラー51、51´をフィラー支持体50に設けてもよい。更に、眼鏡フレームの形状測定に用いるフィラーとしては平板状のものであってもよい。
【0037】
そして、両フィラー51、51´をフィラー支持体50に設けた構造としては、特開平4−12215号に開示された様な構造を採用できる。また、眼鏡レンズ形状測定装置としては、特開平4−12215号に開示された様な玉摺機とは別体の眼鏡レンズ形状測定装置を用いることもできる。
【0038】
<コバ厚測定装置(コバ厚測定手段)>
測定装置1の内部には、図6に模式的に示すようなコバ厚測定手段であるコバ厚測定装置60が配設されている。
【0039】
このコバ厚測定装置60は、パルスモータ61と、このパルスモータ61の駆動によりレンズLに接近離反する支持台62と、支持台62上に配置されてレンズLの前側屈折面Lf及び後側屈折面Lbに当接させられるフィラー63、64と、フィラー63、64の移動量を検知可能に支持台62上に装着されたエンコーダ65、66とを有している。
【0040】
<制御回路>制御回路は、図2(a)に示すように、演算制御回路100(制御手段)を有する。この演算制御回路100には、液晶表示部3、FDP入力モード用のスイッチ4a、PD入力カード用のスイッチ4b、ブリッジ幅入力モード用のスイッチ4c、レンズ材質選択用のスイッチ4d、その他のモード切換用のスイッチ4e、測定開始スイッチ4f、加工開始スイッチ4g、テンキー5等が接続されている。
【0041】
また、演算制御回路100には、ロータリーエンコーダ34、ドライブコントローラ101、フレームデータメモリ102が接続されている。このドライブコントローラ101には、上述の研削加工部のモータ7、パルスモータ18、バリアブルモータ31、パルスモータ45等が接続されていると共に、パルス発生器103が接続されている。このパルス発生器103にはパルスモータ47が接続され、眼鏡レンズ形状測定部46のエンコーダ52はフレームデータメモリ102に接続されている。
【0042】
更に、演算制御回路100には、レンズ加工データメモリ104、補正テーブルメモリ(補正データ用メモリ)105、形状情報メモリ106、軸間距離用のメモリ107が接続されていると共に、図6に示す眼鏡レンズのコバ厚を測定するためのコバ厚測定装置60が接続されている。
【0043】
次に、この発明にかかるレンズ周縁加工装置(玉摺機)の作用を説明する。
【0044】
(1)眼鏡レンズ形状測定
図示しない電源をオンさせた後、スイッチ4eを操作して、眼鏡フレームFのレンズ枠形状又はリムレスフレームの玉板形状等を測定する眼鏡レンズ形状測定モードにする。
【0045】
一方、リッド1cを開いて、装置本体1内の眼鏡レンズ形状測定部46を引き出して、眼鏡フレームF又は玉板T´を所定位置にセットして、測定開始スイッチ4fを押して測定を開始させる。
【0046】
これにより、演算制御部100はドライブコントローラ101を作動制御して、パルス発生器103から駆動パルスを発生させることにより、このパルスでパルスモータ47を作動させて回転アーム48を回転させる。これにより、フィラー51が眼鏡フレームFのレンズ枠RF又はLFの内周に沿って移動させられる。
【0047】
この際、上述したフィラー51の移動量はエンコーダ52で検出され、動径長ρiとしてフレームデータメモリ102(眼鏡レンズ形状データメモリ)に入力され、パルス発生器103からパルスモータ47に供給されたと同じパルスが回転アーム48の回転角すなわち動径角度θiとしてフレームデータメモリ102に入力される。
【0048】
そして、この動径長ρiと動径角度θiとは、極座標形式の眼鏡レンズ形状データ(ρi,θi)[ここで、i=0,1,2,3…j]として、フレームデータメモリ102に記憶されるようになっている(図7において、破線で示す)。なお、本実施例では、jを1,000として、単位回転角度Δθを一回転の1,000分の1(360°/1,000)の0.36°としている。
【0049】
(2)眼鏡レンズコバ厚測定
図示しない電源をオンさせた後、レンズ回転軸16、17間に被加工レンズLEを挟持させると共に、この被加工レンズLEの前側屈折面Lf及び後側屈折面Lbにフィラー63、64をそれぞれ当接させる。そして、スイッチ4eを操作して眼鏡レンズコバ厚測定モードにし、測定開始スイッチ4fを押して測定を開始させる。
【0050】
これにより、フレームデータメモリ102から出力された動径長ρiに対応するパルスをパルスモータ61へ入力して、このパルスモータ61を所定パルス数駆動させることにより、支持台62を駆動してフィラー63、64を動径長ρiの位置へ移動させる。
【0051】
一方、パルスモータ45にはフレームデータメモリ102から出力される動径角度θiに対応するパルスを入力して、このパルスモータ45を所定パルス数駆動することにより、レンズ回転軸16、17及びレンズLをθi回転させる。
【0052】
このときのフィラー63、64のZ方向への移動量をエンコーダ65、66で検出して、エンコーダ65、66による検出値fZi,bZiを演算制御回路100に入力する。
【0053】
そして、この演算制御回路100は、眼鏡レンズ形状データ(ρi,θi)に対応するコバ厚Wi=fZi−bZiを求める。
【0054】
(3)眼鏡レンズ研削加工
以下、模式的に示す図7に基づいて、眼鏡レンズの研削加工方法を具体的に説明する。
【0055】
上述のように、破線で示す眼鏡レンズ形状を測定した後に、この測定した眼鏡レンズ形状データ(ρi,θi)に対応する眼鏡レンズのコバ厚Wiを求めたら、演算制御回路100によって、この求められたコバ厚Wiのうち、極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)が選ばれる。なお、この極薄のコバ厚Wαとは、例えば1.0mm以下の厚みとする。
【0056】
そして、この極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲(α1<θα<α2及びα3<θα<α4;例えばα1=30°,α2=120°,α3=210°,α4=300°)を、補正テーブルメモリ(補正データ用メモリ)105に入力し、記憶させる。
【0057】
次に、極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲と、極薄のコバ厚Wαに係らない眼鏡レンズ形状データ(ρβ,θβ)の動径角度θβの範囲(0≦θβ≦α1,α2≦θβ≦α3,α4≦θβ≦360°)との境界にあたる動径角度(α1,α2,α3,α4)に対応する動径長(ρa、ρb、ρc、ρd)を、演算制御回路100によって求める。
【0058】
そして、演算制御回路100によって、眼鏡レンズ形状測定部46で測定された眼鏡レンズ形状データ(ρi,θi)から、粗削加工を行う削り位置Liを求める。そして、この削り位置情報(Li,ρi,θi)をメモリ107へ入力し、記憶させる。
【0059】
ここで、削り位置Liは、極薄のコバ厚Wαに係らない眼鏡レンズ形状データ(ρβ,θβ)の動径角度θβの範囲において、削り代長K及び動径長ρiから、ρi+K(=Lβ)として求められる。
【0060】
また、この削り位置Liは、極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲において、動径長ραに関わらずρa+K(=Lα)となり、幾何学中心Oを中心としてこのLαを半径とする円形状になる(ただし、この場合、ρa>ρb、ρa>ρc、ρa>ρdとする。)
【0061】
そして、演算制御回路100は、このメモリ107から出力される削り位置情報(Lβ,ρi,θi)及び(Lα,ρi,θi)(図7において、実線で示される)に沿って研削加工制御を行い、粗研削砥石6aで粗加工を行っていく。
【0062】
このように、極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲において、削り位置Lαをρa+Kを半径とする円形状にすることにより、コバ厚Wαが極薄になる範囲の削り代を動径長ραに関わらず大きく取ることができる。
【0063】
なお、極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲における削り位置Liは、極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲と、極薄のコバ厚Wαに係らない眼鏡レンズ形状データ(ρβ,θβ)の動径角度θβの範囲との境界にあたる動径長(ρa、ρb、ρc、ρd)のうち、最も長いものを基準とする。
【0064】
これにより、に係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲における削り代を容易に求めることができる。
【0065】
また、この削り代は、上述の境界にあたる動径長(ρa、ρb、ρc、ρd)を通過し、且つ、コバ厚Wiが極薄のコバ厚Wαよりも大きくなる動径長ρXとなる円弧状であってもよい。
【0066】
そして、図8(a)に示すように、粗加工終了後に、仕上砥石(細砥粒研削砥石)6cによって測定した破線で示される眼鏡レンズ形状データ(ρi,θi)に沿って、削り代を研削し、仕上加工を行っていく。
【0067】
このとき、仕上砥石6cは目(メッシュ)が細かいので被加工レンズLEが破損しにくい。また、被加工レンズLEに加えられる圧力を低く調整することで、更にこの被加工レンズLEの破損を防止することができる。
【0068】
なお、図8(b)に示すように、破線で示される眼鏡レンズ形状データ(ρi,θi)の全周に沿って実線で示される削り位置Li(=ρi+K)求めると、コバ厚Wαが極薄となる範囲であっても削り代が少なくなり、目の粗い粗砥石6aによって粗加工をする際に、被加工レンズLEの破損が生じるおそれがある。
【0069】
また、図9に示すように、極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲(α1<θα<α2及びα3<θα<α4;例えばα1=30°,α2=120°,α3=210°,α4=300°)を覆うように、この動径角度θαの範囲よりも大きな範囲(拡大動径角度範囲という、β1<θα´<β2及びβ3<θα´<β4;例えばβ1=20°,β2=130°,β3=200°,β4=310°)を、補正テーブルメモリ(補正データ用メモリ)105に入力し、記憶させてもよい。
【0070】
なお、動径角度θαの範囲と拡大動径角度範囲との差Δα1,Δα2,Δα3,Δα4は、適宜決められる。
【0071】
そして、この拡大動径角度範囲とその他の動径角度範囲との境界にあたる動径角度(β1,β2,β3,β4)に対応する動径長(ρa´、ρb´、ρc´、ρd´)を求め、拡大動径角度範囲における削り位置Lα´をρa´+Kにする。(ただし、この場合、ρa´>ρb´,ρa´>ρc´,ρa´>ρd´とする。)
【0072】
これにより、拡大動径角度範囲における削り代を十分に大きくすることができると共に、極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲における削り代を確実に大きくすることができる。そして、粗加工時に眼鏡レンズが破損することを防止することが可能となる。
【0073】
さらに、極薄のコバ厚Wαに係る眼鏡レンズ形状データ(ρα,θα)の動径角度θαの範囲における削り位置Lαを、レンズ保持軸16、17の半径の2倍程度の半径、あるいは吸着盤Qの半径の2倍程度の半径をもつ円形形状としてもよい。
【0074】
つまり、この場合の削り位置情報(Li,ρi,θi)は、眼鏡レンズ形状データ(ρi,θi)に倣った玉型形状と、レンズ保持軸16、17の半径の2倍程度の半径、あるいは吸着盤Q、の半径の2倍程度の半径をもつ円形形状とを重ね合わせたものとなる。
【0075】
なお、実験では、約40mmの直径(約20mmの半径)の円形形状を重ね合わせたもので、粗加工の際に被加工レンズの破損を防止することができた。
【0076】
<第2の実施例>
この発明の第2実施例は、図10に模式的に示す。
【0077】
まず、図10(a)に示すように、キャリッジ15のアーム部15bに、型受台40a上に位置する型板保持軸16aを回動自在に設ける。また、この型板保持軸16aの先端部には、レンズ保持軸16aの半径、あるいは吸着盤Qの半径の2倍程度の半径の半円形の第2型板T2を保持させる。そして、矢印で示すような時計方向に向かって型板保持軸16aを回動させ、眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に倣った第1型板T1と、この第2型板T2とを並列して配置する。なお、第1型板T1と、第2型板T2とは互いに回転可能にされている。また、型板保持軸16aの回動方向は反時計方向であってもよい。
【0078】
そして、図10(b)に示すようなカニ目フレームの玉型形状を呈した第1型板T1の一方の短手方向に第2型板T2の円弧部分が位置するように並列させる。そして、この第1型板T1と第2型板T2とを同期回転させながら、重ね合わせた第1、第2型板T1、T2に基づいて被加工レンズLEの粗加工を行っていく。ここで、第1型板T1の短手方向を粗加工するときには、図10(d)に示すように、型受台40aに第2型板T2の円弧部分が当接する。
【0079】
そして、第1型板T1の一方の長手方向端から、第2型板T2の円弧部分、第1型板T1の他方の長手方向端までに沿って被加工レンズLEを粗加工したら、図10(c)に示すように、第2型板T2のみを矢印で示すような時計回りに回動させ、第1型板T1の他方の短手方向にこの第2型板T2の円弧部分を位置させる。
【0080】
そして、第1型板T1と第2型板T2とを同期回転させながら、この第1型板T1の他方の短手方向に位置した第2型板T2の円弧部分に沿って被加工レンズLEの粗加工を行っていく。
【0081】
また、仕上加工をする際には、図10(e)に示すように、第2型板T2の円弧部分が型受台40aと反対方向に向かうように回動させておく。これにより、仕上加工時に第2型板T2が型受台40aに当接することはなく、眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に沿って仕上加工することができる。
【0082】
このように、眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状の第1型板T1と、この第1型板T1と形状が異なる第2型板T2とに基づいて粗加工することで、中心厚が薄いようなガラスレンズの中心厚の薄い部分の粗加工を容易に回避することができ、被加工レンズが粗加工中に破損することを防止できる。
【0083】
また、第1型板T1と第2型板T2とを、適宜、相対的に回動させることができるので、粗加工時と仕上加工時とで型板を着脱することなく、容易に行うことができる。
【0084】
<第3の実施例>
この発明の第3実施例は、図11に示すように、カニ目フレームの玉型形状を呈した第1型板T3と、この第1型板T3の長手方向Xと直交するように円形、楕円形、長円形等の第2型板T4(ここでは円形)の2枚の型板を用意する。そして、これらの第1、第2型板T3、T4をあらかじめレンズ保持軸16の他方の端部に装着固定し、この第1、第2型板T3、T4に基づいて粗加工を行う。
【0085】
この場合では、第1型板T3の短手方向の両側に第2型板T4の円弧部分が突出し、中心厚が薄いようなガラスレンズの中心厚の薄い部分の粗加工を容易に回避することができる。
【0086】
以上の実施例においては、ガラスレンズ(極薄マイナスレンズ)の場合について説明したが、これに限定されず、例えば特許3165672号公報、特許3136612号公報、特開平9−258003号公報、特開2000−63797号公報等に記載された防汚性プラスチックレンズに吸着カップ装着用の両面テープ等を付着させ、レンズ回転軸により挟持させ、カニ目フレームの玉型形状等に研削加工する場合においても、防汚性による両面テープの剥がれやすさから生じるレンズ回転軸の軸ズレを防止して、防汚性プラスチックレンズの正確な研削加工を行うことができる。
【0087】
【発明の効果】
この発明によれば、中心厚が薄く、強度乱視で乱視軸方向が90度方向(縦方向)にあるようなガラス凹レンズ(極薄マイナスレンズ)において、粗加工中に割れることがなく、最近流行している上下幅の狭い眼鏡フレームやリムレスフレームの玉型の形状に研削加工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる眼鏡レンズの研削装置の概略斜視図である。
【図2】(a)この発明に係る眼鏡レンズの研削装置の制御回路の説明図である。
(b)図2(a)に示した形状測定手段の他の例を示す説明図である。
【図3】図2に示したキャリッジの取付部の説明図である。
【図4】図3のA−A線に沿う部分断面図である。
【図5】図2に示したキャリッジの部分平面図である。
【図6】図1に示した眼鏡レンズの研削装置に設けられたコバ厚測定手段の概略を示す説明図である。
【図7】この発明にかかる眼鏡レンズの研削装置で粗加工する際の加工位置を模式的に示す説明図である。
【図8】(a)この発明にかかるレンズ研削方法で研削した場合を示す説明図である。(b)この発明にかかるレンズ研削方法で研削しない場合を示す説明図である。
【図9】この発明にかかる眼鏡レンズの研削装置で粗加工する際の加工位置の他の例を模式的に示す説明図である。
【図10】(a)〜(e)この発明にかかるレンズ研削方法の第2実施例の装置本体の型板装着部側から見た場合を示す説明図である。
【図11】この発明にかかるレンズ研削方法の第3実施例を示す2枚の型板を装着したときの正面図と斜視図である。
【符号の説明】
6a 粗砥石
6c 仕上砥石
15 キャリッジ
16a 眼鏡レンズ保持軸
T1 第1型板
T2 第2型板
LE 被加工レンズ
Claims (5)
- 眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に基づいて、前記眼鏡レンズの周縁部を粗砥石により粗加工した後に、仕上砥石により仕上加工する眼鏡レンズの研削方法において、
前記玉型形状の中央部付近の削り代を広くして粗加工し、前記玉型形状に沿って仕上加工することを特徴とする眼鏡レンズの研削方法。 - 眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に倣った第1型板と、該第1型板と異なる形状の第2型板とに基づいて前記眼鏡レンズの周縁部を粗砥石により粗加工した後に、仕上砥石により仕上加工することを特徴とする眼鏡レンズの研削方法。
- 眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に基づいて、前記眼鏡レンズの周縁部を粗砥石により粗加工した後に、仕上砥石により仕上加工する眼鏡レンズの研削方法において、
前記玉型形状に沿って前記眼鏡レンズのコバ厚を求め、該コバ厚のうち極薄のコバ厚に係る箇所の削り代を大きくして粗加工し、前記玉型形状に沿って仕上加工することを特徴とする眼鏡レンズの研削方法。 - 眼鏡レンズを保持する眼鏡レンズ保持軸と、前記眼鏡レンズを粗加工する粗砥石及び仕上加工する仕上砥石と、前記眼鏡レンズ保持軸を支持するキャリッジと、前記眼鏡レンズ保持軸の先端部に取り付けられると共に、前記眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に倣った第1型板と、前記眼鏡レンズ保持軸を上下動させて前記キャリッジを揺動させるキャリッジ昇降手段とを有する眼鏡レンズの研削装置において、
前記眼鏡レンズ保持軸の前記先端部には、前記第1型板と、該第1型板と異なる形状の第2型板とが共に取り付けられ、
前記眼鏡レンズは、前記第1、第2型板に基づいて前記粗砥石により粗加工され、前記仕上砥石により仕上加工されることを特徴とする眼鏡レンズの研削装置。 - 眼鏡レンズを保持する眼鏡レンズ保持軸と、前記眼鏡レンズが枠入れされる眼鏡フレーム又はリムレスフレームの玉型形状に沿って前記眼鏡レンズのコバ厚を測定するコバ厚測定手段と、該コバ厚測定手段により得られたコバ厚に基づいて前記眼鏡レンズを粗加工する粗砥石及び仕上加工する仕上砥石とを有する眼鏡レンズの研削装置において、
前記眼鏡レンズは、前記コバ厚測定手段により得られたコバ厚のうち極薄のコバ厚に係る箇所の削り代を大きくして前記粗砥石により粗加工され、前記玉型形状に沿って前記仕上砥石により仕上加工されることを特徴とする眼鏡レンズの研削装置。
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