JP2004082033A - 水蒸気改質触媒、水蒸気改質方法および燃料電池システム - Google Patents

水蒸気改質触媒、水蒸気改質方法および燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】炭化水素化合物類の水蒸気改質触媒、特に硫黄を含有する炭化水素化合物類を水蒸気改質反応によって一酸化炭素および水素を含む混合ガスに変換するのに好適に用いられる硫黄被毒耐性に優れた水蒸気改質触媒を提供する。
【解決手段】ルテニウムと、ルテニウム以外の周期律表第VIII族金属より選ばれる少なくとも1種の金属とを、担体に担持させてなる硫黄を含有する炭化水素化合物類の水蒸気改質触媒。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素化合物類の水蒸気改質触媒、特に硫黄を含有する炭化水素化合物類を水蒸気改質反応によって一酸化炭素および水素を含む混合ガスに変換するのに好適に用いられる硫黄被毒耐性に優れた水蒸気改質触媒及び水蒸気改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素製造プロセスにおいて最も重要な位置を占めているのが炭化水素化合物類と水蒸気を反応させ、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンを得るいわゆる炭化水素化合物類の水蒸気改質技術である。水蒸気改質触媒は硫黄によって活性が著しく低下することはよく知られており、Ni触媒に関してはNielsen等によって詳しく報告されている(J.Catal.,31,173(1973))。また、Ru/Al触媒に関しても、硫黄の被覆率によって触媒寿命が決定されることが報告されている(燃料協会誌、68,124(1989))。
硫黄による触媒劣化を防ぐことを目的として、例えば特開平2−302303号公報には原料中の硫黄濃度を極限にまで低下させる方法が提案されている。しかしこの方法は高度の脱硫工程を必要とするためコストがかかるなどの欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、炭化水素化合物類原料が硫黄を一定濃度以上含有する場合においても水蒸気改質反応の活性が劣化しない触媒を提供するものである。
また本発明の目的は、炭化水素化合物類原料が硫黄を一定濃度以上含有する場合においても長期間の安定性を有する、炭化水素化合物類から一酸化炭素および水素を含む混合ガスを製造する方法を提供するものである。
また本発明の目的は、炭化水素化合物類原料が硫黄を一定濃度以上含有する場合においても長期間の安定性を有する、炭化水素化合物類を原料とした水素製造方法を提供するものである。
さらに本発明の目的は、炭化水素化合物類原料が硫黄を一定濃度以上含有する場合においても長期間の安定性を有する、炭化水素化合物類を原料とした燃料電池システムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、炭化水素化合物類の水蒸気改質反応により一酸化炭素および水素を含む混合ガスを製造する場合において、炭化水素化合物類原料が硫黄を一定濃度以上含有する場合においても長期間の安定性が確保できる方法を鋭意研究した結果、特定の水蒸気改質触媒を用いることにより、長期間の触媒活性の安定性が確保されることを見出し本発明を完成させたものである。
【0005】
すなわち、本発明は、ルテニウムと、ルテニウム以外の周期律表第VIII族金属より選ばれる少なくとも1種の金属とを、担体に担持させてなる硫黄を含有する炭化水素化合物類の水蒸気改質触媒に関する。
また本発明は、前記ルテニウム以外の周期律表第VIII族金属より選ばれる金属がロジウムあるいは鉄であることを特徴とする前記水蒸気改質触媒に関する。
また本発明は、前記担体がアルミナであることを特徴とする前記水蒸気改質触媒に関する。
また本発明は、前記担体がアルミナとセリアを含む担体であることを特徴とする前記水蒸気改質触媒に関する。
また本発明は、前記担体がアルミナとジルコニアを含む担体であることを特徴とする前記水蒸気改質触媒に関する。
また本発明は、前記担体がアルカリ金属およびアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物とアルミナとセリアを含む担体であることを特徴とする前記水蒸気改質触媒に関する。
また本発明は、前記担体がアルカリ金属およびアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物とアルミナとジルコニアを含む担体であることを特徴とする前記水蒸気改質触媒に関する。
また本発明は、前記アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種の金属がバリウムであることを特徴とする前記水蒸気改質触媒に関する。
また本発明は、前記触媒中におけるルテニウムの含有量が、0.05〜20質量%であることを特徴とする前記水蒸気改質触媒に関する。
また本発明は、前記触媒中におけるルテニウム以外の第VIII族金属より選ばれる金属の含有量が、ルテニウムの含有量の0.001〜10重量倍であることを特徴とする前記水蒸気改質触媒に関する。
【0006】
また本発明は、前記いずれかの水蒸気改質触媒を用いて、硫黄を含有する炭化水素化合物類および水蒸気を含む原料混合物から、一酸化炭素および水素を含む混合ガスを製造することを特徴とする水蒸気改質方法に関する。
また本発明は、前記硫黄を含有する炭化水素化合物類の硫黄含有量が、10質量ppb〜50質量ppmであることを特徴とする前記水蒸気改質方法に関する

【0007】
また本発明は、前記水蒸気改質方法より製造された一酸化炭素と水素を含む混合ガスを、後続の一酸化炭素除去工程で処理することを特徴とする水素製造方法に関する。
また本発明は、前記一酸化炭素除去工程が水性ガス反応工程とそれに引き続く一酸化炭素選択酸化工程からなることを特徴とする前記水素製造方法に関する。
【0008】
さらに本発明は、前記の水素製造方法により製造される水素を燃料とすることを特徴とする燃料電池システムに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における水蒸気改質反応とは、炭化水素化合物類を触媒の存在下にスチームと反応させて、一酸化炭素および水素を含むリフォーミングガスに変換する反応のことを言う。
【0010】
原料となる炭化水素化合物類とは、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜30の有機化合物である。具体的には、飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などを挙げることができ、また飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素については、鎖状、環状を問わず使用できる。芳香族炭化水素についても単環、多環を問わず使用できる。このような炭化水素化合物類は置換基を含むことができる。置換基としては、鎖状、環状のどちらをも使用でき、例として、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基およびアラルキル基等を挙げることができる。また、これらの炭化水素化合物類はヒドロキシ基、アルコキシ基、ヒドロキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基などのヘテロ原子を含有する置換基により置換されていても良い。
【0011】
本発明に使用できる炭化水素化合物類の具体例としてはメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサンなどの飽和脂肪族炭化水素、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどの不飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサンなど環状炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素を挙げることができる。また、これらの混合物も好適に使用でき、例えば、天然ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油など工業的に安価に入手できる材料を挙げることができる。またヘテロ原子を含む置換基を有する炭化水素化合物類の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジメチルエーテル、フェノール、アニソール、アセトアルデヒド、酢酸などを挙げることができる。
【0012】
また、上記原料に水素、水、二酸化炭素、一酸化炭素などを含む原料も使用できる。例えば、原料の前処理として水素化脱硫を実施する場合、反応に用いた水素の残留分は特に分離することなくそのまま使用することが出来る。
【0013】
本発明に使用する炭化水素化合物類原料には一定濃度以上の硫黄が含まれる。その濃度は、硫黄量が単独の原子として気化するとして体積を換算した場合、好ましくは1容量ppb以上であり、より好ましくは5容量ppb以上、さらに好ましくは10容量ppb以上である。一方、質量基準では、硫黄原子の質量として、好ましくは10質量ppb以上、より好ましくは50質量ppb以上、さらに好ましくは100質量ppb以上である。
一方、原料中の硫黄濃度が高すぎる場合、本発明の触媒であっても不活性化する場合があり、好ましくは50質量ppm以下、より好ましくは20質量ppm以下である。このため、必要であれば前もって原料を一定濃度以下に脱硫することも好ましく行うことができる。
【0014】
脱硫工程に供する原料中の硫黄濃度には特に制限はなく脱硫工程において上記硫黄濃度に転換できるものであれば使用することができる。
脱硫の方法にも特に制限はないが、適当な触媒と水素の存在下に水素化脱硫を行い、生成した硫化水素を酸化亜鉛などに吸収させる方法を一例として挙げることができる。この場合用いることができる触媒の例としては、ニッケル−モリブデン、コバルト−モリブデンなどを成分とする触媒を挙げることができる。一方、適当な収着剤の存在下、必要であれば水素の共存下に硫黄分を収着させる方法も採用できる。この場合用いることができる収着剤としては特許第2654515号公報、特許第2688749号公報などに示されたような銅−亜鉛を主成分とする収着剤あるいはニッケル−亜鉛を主成分とする収着剤などを例示することができる。
脱硫工程の実施方法にも特に制限はなく、水蒸気改質反応器の直前に設置した脱硫プロセスにより実施しても良いし、独立の脱硫プロセスにおいて処理を行った燃料を使用しても良い。
【0015】
本発明の水蒸気改質反応において、反応系に導入するスチームの量は、原料炭化水素化合物類に含まれる炭素原子モル数に対する水分子モル数の比(スチーム/カーボン比)として定義される値が、好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜3の範囲であることが望ましい。この値が上記範囲より小さい場合には触媒上にコークが析出しやすく、また水素分率を上げることが出来なくなり、一方、大きい場合には改質反応は進むがスチーム発生設備、スチーム回収設備の肥大化を招く恐れがある。添加の方法は特に制限はないが、反応帯域に原料炭化水素化合物類と同時に導入しても良いし、反応器帯域の別々の位置からあるいは何回かに分けるなどして一部ずつ導入しても良い。
【0016】
また、一酸化炭素を主に取得する目的などの場合においては、二酸化炭素を原料ガスに添加することも出来る。この場合の二酸化炭素の添加量は原料に含まれる炭素原子モル数(二酸化炭素分は除く)に対する二酸化炭素分子モル数の比(二酸化炭素/カーボン比)として定義され、その値は好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.1〜3の範囲である。しかし、水素の製造が目的の場合必ずしも二酸化炭素の添加は必要ではない。
【0017】
本発明の水蒸気改質触媒は、ルテニウムと、ルテニウム以外の周期律表第VIII族金属より選ばれる少なくとも1種の金属とを、担体に担持させたものである。
活性金属の担持方法に関して特に制限はなく、通常の含浸法など公知の方法を採用できる。通常、活性金属の塩もしくは錯体として水、エタノール、もしくはアセトンなどの溶媒に溶解させ、担体に含浸させる。担持させる金属塩もしくは金属錯体は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、アセト酢酸塩などが好適に用いられ、具体的には、塩化ルテニウム、ルテニウムアセチルアセトネート、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、塩化パラジウム、塩化オスミウム、塩化イリジウム、塩化白金酸、硝酸コバルト、硝酸鉄、硝酸ニッケル、塩化コバルト、塩化鉄、塩化ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉄、酢酸ニッケル、コバルトアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネートのような化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0018】
本発明の触媒中におけるルテニウムの含有量は、ルテニウム原子として0.05〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.3〜5質量%である。含有量が20質量%より多い場合、活性金属の凝集が多くなり表面に出る金属の割合が極度に減少するため好ましくなく、一方、0.05質量%より少ない場合には十分な活性を示すことが出来ないため多量の担持触媒が必要となり、反応器を必要以上に大きくする必要が出るなどの問題が生じる。
【0019】
本発明の触媒において用いられるルテニウム以外の周期律表第VIII族金属としては、具体的には、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの貴金属、鉄、コバルト、ニッケル等が挙げられ、特にロジウムまたは鉄を好適に用いることができる。
【0020】
本発明の触媒中におけるルテニウム以外の第VIII族金属の含有量は、ルテニウムの含有量の0.001〜10重量倍であることが好ましく、より好ましくは0.005〜5重量倍、さらに好ましくは0.01〜3重量倍の範囲である。
特に、本発明の触媒にロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの貴金属を用いる場合、その触媒中における含有量は、ルテニウムの含有量の0.001〜0.5重量倍であることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.3重量倍、さらに好ましくは0.01〜0.15重量倍の範囲である。本発明は、このようにルテニウム以外の貴金属を微量添加するだけで大きく触媒の耐硫黄性を向上できるところに特徴を持つ。
一方、本発明の触媒に鉄、コバルトまたはニッケルを用いる場合の添加量は、金属原子として、ルテニウムの含有量に対し、0.1〜10重量倍であることが好ましく、より好ましくは0.2〜5重量倍、さらに好ましくは0.5〜3重量倍の範囲である。これらの金属は貴金属を用いる場合に比べて使用量は多いが、安価であるため問題なく使用可能である。
【0021】
本発明において使用できる担体としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムのようなアルカリ金属の酸化物、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムのようなアルカリ土類金属の酸化物、スカンジウム、イットリウムのような周期律表第IIIA族金属の酸化物、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムなどの希土類金属の酸化物、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの周期律表第IVA族金属の酸化物、アルミニウムの酸化物、珪素の酸化物、などの単元系酸化物などを例示することができる。これらの中でもアルミニウムの酸化物(アルミナ)が好ましく使用される。
【0022】
また、これらの酸化物の2種類以上を任意の比率で混合した混合酸化物も使用できるが、その中でもマグネシウム−チタン、カルシウム−チタン、ストロンチウム−チタン、バリウム−チタン、マグネシウム−ジルコニウム、カルシウム−ジルコニウム、ストロンチウム−ジルコニウム、バリウム−ジルコニウム、マグネシウム−アルミニウム、カルシウム−アルミニウム、ストロンチウム−アルミニウム、バリウム−アルミニウム、イットリウム−アルミニウム、チタン−アルミニウム、ジルコニウム−アルミニウム、セリウム−アルミニウム、マグネシウム−珪素、カルシウム−珪素、ストロンチウム−珪素、バリウム−珪素、イットリウム−珪素、チタン−珪素、ジルコニウム−珪素、ハフニウム−珪素、アルミニウム−珪素、マグネシウム−セリウム、カルシウム−セリウム、ストロンチウム−セリウム、バリウム−セリウムなどの2元系金属の酸化物が好適に使用できる。この中ではマグネシウム−アルミニウム、カルシウム−アルミニウム、ストロンチウム−アルミニウム、バリウム−アルミニウムのような金属の組み合わせからなるアルカリ土類金属酸化物とアルミナの混合酸化物、セリウム−アルミニウムのような金属の組み合わせからなるランタノイド金属酸化物とアルミナの混合酸化物、ジルコニアとアルミナの混合酸化物などが特に好適に使用される。
【0023】
さらに、マグネシウム−カルシウム−チタン、マグネシウム−バリウム−チタン、マグネシウム−イットリウム−チタン、マグネシウム−ジルコニウム−チタン、マグネシウム−セリウム−チタン、カルシウム−バリウム−チタン、カルシウム−イットリウム−チタン、カルシウム−ジルコニウム−チタン、カルシウム−セリウム−チタン、バリウム−イットリウム−チタン、マグネシウム−カルシウム−ジルコニウム、マグネシウム−バリウム−ジルコニウム、マグネシウム−イットリウム−ジルコニウム、マグネシウム−セリウム−ジルコニウム、カルシウム−バリウム−ジルコニウム、カルシウム−イットリウム−ジルコニウム、カルシウム−セリウム−ジルコニウム、バリウム−イットリウム−ジルコニウム、バリウム−チタン−ジルコニウム、マグネシウム−カルシウム−アルミニウム、マグネシウム−バリウム−アルミニウム、マグネシウム−イットリウム−アルミニウム、マグネシウム−チタン−アルミニウム、マグネシウム−ジルコニウム−アルミニウム、マグネシウム−セリウム−アルミニウム、カルシウム−バリウム−アルミニウム、カルシウム−イットリウム−アルミニウム、カルシウム−チタン−アルミニウム、カルシウム−ジルコニウム−アルミニウム、カルシウム−セリウム−アルミニウム、バリウム−イットリウム−アルミニウム、バリウム−チタン−アルミニウム、バリウム−ジルコニウム−アルミニウム、バリウム−セリウム−アルミニウム、イットリウム−チタン−アルミニウム、イットリウム−ジルコニウム−アルミニウム、チタン−ジルコニウム−アルミニウム、マグネシウム−カルシウム−珪素、マグネシウム−バリウム−珪素、マグネシウム−イットリウム−珪素、マグネシウム−チタン−珪素、マグネシウム−ジルコニウム−珪素、マグネシウム−セリウム−珪素、マグネシウム−アルミニウム−珪素、カルシウム−バリウム−珪素、カルシウム−イットリウム−珪素、カルシウム−チタン−珪素、カルシウム−ジルコニウム−珪素、カルシウム−セリウム−珪素、カルシウム−アルミニウム−珪素、バリウム−イットリウム−珪素、バリウム−チタン−珪素、バリウム−ジルコニウム−珪素、バリウム−セリウム−珪素、バリウム−アルミニウム−珪素、イットリウム−チタン−珪素、イットリウム−ジルコニウム−珪素、イットリウム−アルミニウム−珪素、イットリウム−セリウム−珪素、チタン−ジルコニウム−珪素、チタン−アルミニウム−珪素、チタン−セリウム−珪素、ジルコニウム−アルミニウム−珪素、ジルコニウム−セリウム−珪素、アルミニウム−セリウム−珪素などの三元系の酸化物が好適に使用できる。この中では、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、セリウムなどのランタノイド金属の酸化物およびアルミナの混合酸化物、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、ジルコニアおよびアルミナの混合酸化物などが特に好適に使用される。
【0024】
また、これらの単元系、二元系、三元系の酸化物にリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属成分を添加して成る酸化物も好適に使用できる。これらの多元系酸化物では各成分が均一に混合している必要はなく、特定の成分が触媒粒子表面あるいは内部に集中して存在していることもできる。
【0025】
各金属酸化物の混合比率は適宜決定できるが、例えば一つの成分としてアルミナを用い、他の成分を添加物として用いる場合であれば、他の成分の混合比率はアルミナ重量に対し、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは1.5〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%の範囲である。これより少ない場合には触媒寿命の長期化など添加物に期待される効果が少なくなり、一方、これより多い場合には触媒表面積が少なくなる、などのため好ましくない。
【0026】
用いる触媒の形態については特に制限はない。例えば、打錠成形し粉砕後適当な範囲に整粒した触媒、押し出し成形した触媒、適当なバインダーを加え押し出し成形した触媒、粉末状触媒などを用いることができる。もしくは、打錠成形し粉砕後適当な範囲に整粒した担体、押し出し成形した担体、粉末あるいは球形、リング状、タブレット状、円筒状、フレーク状など適当な形に成形した担体などに金属を担持した触媒などを用いることができる。 また、触媒自体をモノリス状、ハニカム状などに成形した触媒、あるいは適当な素材を用いたモノリスやハニカムなどに触媒をコーティングしたものなどを用いることができる。反応器の形状についても特に制限はなく、円筒状、平板状、などそれぞれのプロセスの目的に応じた公知のいかなる形状を取ることができる。
【0027】
こうして得られた担持触媒は、必要であれば水素還元を行うことにより活性化される。
【0028】
水蒸気改質反応に用いる反応器の形態としては、流通式固定床反応器が好ましく用いられる。反応器の形状としては、円筒状、平板状などそれぞれのプロセスの目的に応じた公知のいかなる形状を取ることができる。なお、流動床反応器を用いることも可能である。
【0029】
反応器に導入される流通原料(原料+水蒸気)の空間速度は、GHSVが好ましくは100〜100,000h−1、より好ましくは300〜50,000h−1、さらに好ましくは500〜30,000h−1の範囲において、それぞれの目的に鑑み設定される。
反応温度は特に限定されるものではないが、好ましくは200〜1000℃、より好ましくは300〜900℃、さらに好ましくは500〜800℃の範囲である。
反応圧力についても特に限定されるものではなく、好ましくは大気圧〜20MPa、より好ましくは大気圧〜5MPa、さらに好ましくは大気圧〜1MPaの範囲で実施されるが、必要であれば大気圧以下で実施することも可能である。
【0030】
また本発明は、前記水蒸気改質反応で得られる一酸化炭素と水素を含む混合ガスを、後続の一酸化炭素除去工程で処理することを特徴とする水素を含むガスを製造するための水素製造方法を提供する。
本発明の水蒸気改質反応で得られる一酸化炭素と水素を含む混合ガスは固体酸化物形燃料電池のような場合であればそのまま燃料電池用の燃料として用いることができる。また、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池のように一酸化炭素の除去が必要な場合には、一酸化炭素除去工程を併用することにより該燃料電池用水素の原料として好適に用いることができる。
【0031】
一酸化炭素の除去は、例えばシフト工程と一酸化炭素選択酸化工程で処理することにより実施できる。シフト工程とは一酸化炭素と水を反応させて水素と二酸化炭素に転換する工程であり、鉄−クロムの混合酸化物、銅−亜鉛の混合酸化物、白金、ルテニウム、イリジウムなどを含有する触媒を用い、一酸化炭素含有量を好ましくは2容量%以下、より好ましくは1容量%以下、さらに好ましくは0.5容量%以下までに減少させる。通常、リン酸形燃料電池ではこの状態の混合ガスを燃料として用いることができる。
【0032】
一方、固体高分子形燃料電池では、さらに一酸化炭素濃度を低減させることが必要であるので一酸化炭素選択酸化工程などで処理する。この工程では、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金などを含有する触媒を用い、残存する一酸化炭素モル数に対し、好ましくは0.5〜10倍モル、より好ましくは0.7〜5倍モル、さらに好ましくは1〜3倍モルの酸素を添加して一酸化炭素を選択的に二酸化炭素に転換することにより一酸化炭素濃度を低減させる。この場合、一酸化炭素の酸化と同時に共存する水素と反応させメタンを生成させることで一酸化炭素濃度の低減を図ることもできる。
【0033】
また本発明は、前記水素製造方法により製造される水素を燃料とする燃料電池システムを提供する。
以下、本発明の燃料電池システムについて説明する。図1は本発明の燃料電池システムの一例を示す概略図である。
図1において、燃料タンク3内の燃料は燃料ポンプ4を経て脱硫器5に流入する。脱硫器内には例えば銅−亜鉛系あるいはニッケル−亜鉛系の収着剤などを充填することができる。この時,必要であれば一酸化炭素選択酸化反応器11からの水素含有ガスを添加できる。脱硫器5で脱硫された燃料は水タンク1から水ポンプ2を経た水と混合した後、気化器6に導入されて気化され、改質器7に送り込まれる。
【0034】
改質器7の触媒としてルテニウムと、ルテニウム以外の第VIII族金属より選ばれる少なくとも1種の金属とを担持させた水蒸気改質触媒を用い、改質器内に充填される。この時、スチーム/カーボン比は好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜3に設定される。また、流通原料(原料+水蒸気)の空間速度は上記の触媒量基準、標準温度・圧力換算で、GHSVが好ましくは100〜100,000h−1、より好ましくは300〜50,000h−1、さらに好ましくは500〜30,000h−1の範囲に設定される。改質器反応管は燃料タンクからの燃料およびアノードオフガスを燃料とするバーナー18により加温され、好ましくは200〜1000℃、より好ましくは300〜900℃、さらに好ましくは500〜800℃の範囲に調節される。
【0035】
この様にして製造された水素と一酸化炭素を含有する改質ガスは高温シフト反応器9、低温シフト反応器10、一酸化炭素選択酸化反応器11を順次通過させることで一酸化炭素濃度は燃料電池の特性に影響を及ぼさない程度まで低減される。これらの反応器に用いる触媒の例としては、高温シフト反応器9には鉄−クロム系触媒、低温シフト反応器10には銅−亜鉛系触媒、一酸化炭素選択酸化反応器11にはルテニウム系触媒等を挙げることができる。
【0036】
固体高分子型燃料電池17はアノード12、カソード13、固体高分子電解質14からなり、アノード側には上記の方法で得られた高純度の水素を含有する燃料ガスが、カソード側には空気ブロアー8から送られる空気が、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を行った後(加湿装置は図示していない)導入される。
この時、アノードでは水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、カソードでは酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行する。これらの反応を促進するため、それぞれ、アノードには白金黒、活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが、カソードには白金黒、活性炭担持のPt触媒などが用いられる。通常アノード、カソードの両触媒とも、必要に応じてポリテトラフロロエチレン、低分子の高分子電解質膜素材、活性炭などと共に多孔質触媒層に成形される。
【0037】
次いで、Nafion(デュポン社)、Gore(ゴア社)、Flemion(旭硝子社)、Aciplex(旭化成社)等の商品名で知られる高分子電解質膜の両側に該多孔質触媒層を積層し、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極集合体)が形成される。さらにMEAを金属材料、グラファイト、カーボンコンポジットなどからなるガス供給機能、集電機能、特にカソードにおいては重要な排水機能等を持つセパレータで挟み込むことで燃料電池が組み立てられる。電気負荷15はアノード、カソードと電気的に連結される。
アノードオフガスはバーナー18において燃焼され改質管の加温に用いられた後排出される。カソードオフガスは排気口16から排出される。
【0038】
【発明の効果】
本発明の改質触媒を用いて水蒸気改質を行うことにより、硫黄分を含有する炭化水素化合物類を水蒸気改質反応によって水素及び一酸化炭素を含む混合ガスに変換する際に、従来問題視されていた硫黄被毒安定性が改善されるため、安定な反応系を提供する事が出来る。これによって、水素及び一酸化炭素を含む混合ガスの安定した製造を達成することができ、燃料電池用燃料あるいはその原料として使用することができる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0040】
[触媒の調製]
(1)表面積165g/cmのγアルミナを触媒担体1とする。
(2)表面積165g/cmのγアルミナに、担持CeO量が12質量%になるように1Mの硝酸セリウム水溶液と担持BaO量が5質量%になるように1Mの硝酸バリウム水溶液を加え含浸担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、800℃で3時間空気焼成し、これを触媒担体2とする。
(3)表面積165g/cmのγアルミナに、担持ZrO量が10質量%になるように1Mの硝酸ジルコニル水溶液と担持BaO量が4質量%になるように1Mの硝酸バリウム水溶液を加え含浸担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、800℃で3時間空気焼成し、これを触媒担体3とする。
【0041】
(A)上記担体1に、ルテニウム金属として担持量が2質量%になるように0.1Mの塩化ルテニウム水溶液を加え含浸担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、700℃で3時間水素還元し、触媒Aとする。
(B)上記担体2に、ルテニウム金属として担持量が2質量%になるように0.1Mの塩化ルテニウム水溶液を加え含浸担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、700℃で3時間水素還元し、触媒Bとする。
(C)上記担体3に、ルテニウム金属として担持量が2質量%になるように0.1Mの塩化ルテニウム水溶液を加え含浸担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、700℃で3時間水素還元し、触媒Cとする。
【0042】
(D)上記担体1に、ルテニウム金属として担持量が2質量%になるように計量した0.1Mの塩化ルテニウム水溶液に、ロジウム金属として担持量が0.2質量%になるように0.1Mの塩化ロジウム水溶液を加えた溶液を含浸して活性金属を担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、700℃で3時間水素還元し、触媒Dとする。
(E)上記担体1に、ルテニウム金属として担持量が2質量%になるように計量した0.1Mの塩化ルテニウム水溶液に、鉄金属として担持量が2質量%になるように0.1Mの硝酸鉄水溶液を加えた溶液を含浸して活性金属を担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、700℃で3時間水素還元し、触媒Eとする。
【0043】
(F)上記担体2に、ルテニウム金属として担持量が2質量%になるように計量した0.1Mの塩化ルテニウム水溶液に、ロジウム金属として担持量が0.2質量%になるように0.1Mの塩化ロジウム水溶液を加えた溶液を含浸して活性金属を担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、700℃で3時間水素還元し、触媒Fとする。
(G)上記担体2に、ルテニウム金属として担持量が2質量%になるように計量した0.1Mの塩化ルテニウム水溶液に、鉄金属として担持量が2質量%になるように0.1Mの硝酸鉄水溶液を加えた溶液を含浸して活性金属を担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、700℃で3時間水素還元し、触媒Gとする。
【0044】
(H)上記担体3に、ルテニウム金属として担持量が2質量%になるように計量した0.1Mの塩化ルテニウム水溶液に、ロジウム金属として担持量が0.2質量%になるように0.1Mの塩化ロジウム水溶液を加えた溶液を含浸して活性金属を担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、700℃で3時間水素還元し、触媒Hとする。
(I)上記担体3に、ルテニウム金属として担持量が2質量%になるように計量した0.1Mの塩化ルテニウム水溶液に、鉄金属として担持量が2質量%になるように0.1Mの硝酸鉄水溶液を加えた溶液を含浸して活性金属を担持し、乾固、120℃で12時間乾燥後、700℃で3時間水素還元し、触媒Iとする。
【0045】
[比較例1]
触媒Aを打錠成型し、粉砕後、250〜500μmの範囲に整粒したもの2.27gを固定床流通式反応器に充填し、ノルマルドデカン/メシチレン/ベンゾチオフェン(硫黄原子として30質量ppm、メシチレン8質量%)とスチームの混合ガスを、700℃で水蒸気改質反応を行った。反応条件を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004082033
【0047】
[比較例2]
触媒Aの代わりに触媒Bを用いた以外は比較例1と同様に反応を行った。
[比較例3]
触媒Aの代わりに触媒Cを用いた以外は比較例1と同様に反応を行った。
【0048】
[実施例1]
触媒Aの代わりに触媒Dを用いた以外は比較例1と同様に反応を行った。
[実施例2]
触媒Aの代わりに触媒Eを用いた以外は比較例1と同様に反応を行った。
[実施例3]
触媒Aの代わりに触媒Fを用いた以外は比較例1と同様に反応を行った。
[実施例4]
触媒Aの代わりに触媒Gを用いた以外は比較例1と同様に反応を行った。
[実施例5]
触媒Aの代わりに触媒Hを用いた以外は比較例1と同様に反応を行った。
[実施例6]
触媒Aの代わりに触媒Iを用いた以外は比較例1と同様に反応を行った。
【0049】
触媒A、D及びEを用いた反応の経時劣化に関して、活性金属に対する通過した硫黄の量(mol/mol)で整理した結果を図2に示す。ここで、転化率とは、(CO+CO+CHの炭素原子数)/(減量中の炭化水素の炭素原子数)×100で示される値である。
触媒B、F及びGを用いた反応の経時劣化に関して、活性金属に対する通過した硫黄の量(mol/mol)で整理した結果を図3に示す。
触媒C、H及びIを用いた反応の経時劣化に関して、活性金属に対する通過した硫黄の量(mol/mol)で整理した結果を図4に示す。
【0050】
図2〜4から明らかなように、全ての担体に関して、Ruに加えFeもしくはRhを担持することにより、転化率約100%を維持できる時間が延びていることから、硫黄被毒による劣化が緩和されていることが分かる。
【0051】
[実施例5]
図1に示した構成の燃料電池システムにおいて、灯油を燃料として用いて試験を行った。この時、改質器7に導入する原料ガスのスチーム/カーボン比は3.0に設定した。アノード入口のガスを分析した結果、水素を72容量%(水蒸気を除外)含んでいた。
試験期間(10時間)中、改質器は正常に作動し触媒の活性低下は認められなかった。燃料電池も正常に作動し電気負荷15も順調に運転された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池システムの一例を示す概略図である。
【図2】触媒A、D及びEを用いた反応の経時劣化に関して、活性金属に対する通過した硫黄量で整理した結果を示す図である。
【図3】触媒B、F及びGを用いた反応の経時劣化に関して、活性金属に対する通過した硫黄量で整理した結果を示す図である。
【図4】触媒C、H及びIを用いた反応の経時劣化に関して、活性金属に対する通過した硫黄量で整理した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 水タンク
2 水ポンプ
3 燃料タンク
4 燃料ポンプ
5 脱硫器
6 気化器
7 改質器
8 空気ブロアー
9 高温シフト反応器
10 低温シフト反応器
11 一酸化炭素選択酸化反応器
12 アノード
13 カソード
14 固体高分子電解質
15 電気負荷
16 排気口
17 固体高分子形燃料電池
18 加温用バーナー

Claims (15)

  1. ルテニウムと、ルテニウム以外の周期律表第VIII族金属より選ばれる少なくとも1種の金属とを、担体に担持させてなる硫黄を含有する炭化水素化合物類の水蒸気改質触媒。
  2. ルテニウム以外の周期律表第VIII族金属より選ばれる金属がロジウムあるいは鉄であることを特徴とする請求項1記載の水蒸気改質触媒。
  3. 担体がアルミナであることを特徴とする請求項1記載の水蒸気改質触媒。
  4. 担体がアルミナとセリアを含む担体であることを特徴とする請求項1記載の水蒸気改質触媒。
  5. 担体がアルミナとジルコニアを含む担体であることを特徴とする請求項1記載の水蒸気改質触媒。
  6. 担体がアルカリ金属およびアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物とアルミナとセリアを含む担体であることを特徴とする請求項1記載の水蒸気改質触媒。
  7. 担体がアルカリ金属およびアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物とアルミナとジルコニアを含む担体であることを特徴とする請求項1記載の水蒸気改質触媒。
  8. アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種の金属がバリウムであることを特徴とする請求項6又は7記載の水蒸気改質触媒。
  9. 触媒中におけるルテニウムの含有量が、ルテニウム原子として0.05〜20質量%であることを特徴とする請求項1記載の水蒸気改質触媒。
  10. 触媒中おけるルテニウム以外の第VIII族金属より選ばれる金属の含有量が、ルテニウムの含有量の0.001〜10重量倍であることを特徴とする請求項1記載の水蒸気改質触媒。
  11. 請求項1〜10のいずれかの項に記載の水蒸気改質触媒を用いて、硫黄を含有する炭化水素化合物類および水蒸気を含む原料混合物から、一酸化炭素および水素を含む混合ガスを製造することを特徴とする水蒸気改質方法。
  12. 硫黄を含有する炭化水素化合物類の硫黄含有量が、硫黄原子として10質量ppb〜50質量ppmであることを特徴とする請求項11記載の水蒸気改質方法。
  13. 請求項11記載の水蒸気改質方法により製造された一酸化炭素と水素を含む混合ガスを、後続の一酸化炭素除去工程で処理することを特徴とする水素製造方法。
  14. 一酸化炭素除去工程が水性ガス反応工程とそれに引き続く一酸化炭素選択酸化工程からなることを特徴とする請求項13記載の水素製造方法。
  15. 請求項13又は14記載の水素製造方法により製造される水素を燃料とすることを特徴とする燃料電池システム。
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