JP2003104704A - オートサーマルリフォーミング方法及び装置、水素製造装置並びに燃料電池システム - Google Patents

オートサーマルリフォーミング方法及び装置、水素製造装置並びに燃料電池システム

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JP2003104704A
JP2003104704A JP2001301444A JP2001301444A JP2003104704A JP 2003104704 A JP2003104704 A JP 2003104704A JP 2001301444 A JP2001301444 A JP 2001301444A JP 2001301444 A JP2001301444 A JP 2001301444A JP 2003104704 A JP2003104704 A JP 2003104704A
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Japan
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hydrogen
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carbon monoxide
oxygen
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JP2001301444A
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Takanari Matsumoto
隆也 松本
Yoshihiro Kobori
良浩 小堀
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間安定して反応を行えるATR方法及び
水素製造装置、安定性に優れた燃料電池システムを提供
する。 【解決手段】 炭化水素化合物類、酸素及び水蒸気を含
む被処理物を固体超強酸触媒に接触させる工程、およ
び、この工程を経た被処理物をRu、Rh、Pd、O
s、Ir及びPtからなる群から選択される少なくとも
1種のVIII族金属を含有する触媒に接触させる工程
を有するATR方法。触媒が、上流側に配置された固体
超強酸触媒と、下流側に配置された前記VIII族金属
を含有する触媒とからなるATR装置。このATR装置
を有する水素製造装置。この水素製造装置と燃料電池を
備える燃料電池システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素類をオー
トサーマルリフォーミング反応によって一酸化炭素およ
び水素を含む混合ガスに変換する方法および装置に関す
る。またオートサーマルリフォーミングによって水素を
含むガスを製造する水素製造装置、このような水素製造
装置を備える燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素などの有機化合物を改質して合
成ガスや水素に転換する技術としてはスチームリフォー
ミング(SR)、オートサーマルリフォーミング(AT
R)、部分酸化(POX)など多彩な方法が開発されて
いる。
【0003】この内、SRは既に多くの技術が実用化さ
れているが、比較的大きな吸熱を伴う反応であるため、
熱交換器など熱の供給システムの負荷が大きく、起動に
時間がかかる等の点で劣る。
【0004】一方、POXはSRと逆に、起動時間は非
常に短いが、酸化に伴う発熱が大きいためその制御が難
しく、また、すすの発生抑制などの課題を有している。
【0005】これらに対し、ATRは燃料の一部を酸化
しながら、この時発生する熱でSRを進行させることで
反応熱のバランスを取る方法であり、比較的立ち上げ時
間も短く制御も容易であるため、近年燃料電池用の水素
製造方法として注目されている。
【0006】ATRは通常、適当な触媒の存在下実施さ
れる。これまで、ATR用の触媒としては例えば、特開
2000−84410号公報、特開2001−8090
7号公報、「2000 Annual Progres
s Reports(Office of Trans
portation Technologies)」、
米国特許5,929,286号公報などに記載されるよ
うにニッケルおよび白金、ロジウム、ルテニウムなどの
貴金属等が活性を持つことが知られている。この中でも
ニッケルとルテニウムは両元素が比較的安価でかつ高活
性であることから注目されているが、ニッケル触媒につ
いては、SR反応に応用する場合には一般にコーキング
抑制のためにスチーム/カーボン比を高く設定しなけれ
ばならないため、ATRに関しても長期の触媒寿命を得
るためには高スチーム/カーボン比が要求されるという
欠点がある。これに対し、ルテニウム触媒はコーキング
の問題は生じにくいものの、酸素共存下高温では寿命安
定性を確保できないという課題が残されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長期間安定
して改質反応を行い、水素を製造することのできるAT
R方法および装置並びに水素製造装置を提供することを
目的とする。また、このように優れた水素製造装置を有
する優れた燃料電池システムを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ATRに
よって一酸化炭素および水素を含む混合ガスを製造する
方法について鋭意研究した結果、反応器の前段に固体超
強酸触媒を配置し、反応器の後段は、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の中
からから選択される少なくとも1種の第VIII族金属
を含有する触媒を配置することにより、ATRにおいて
安定な反応系を提供できる技術を見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0009】すなわち本発明は、炭化水素化合物類を、
酸素、水蒸気および触媒の存在下に改質し、一酸化炭素
および水素を含むガス組成物を製造するオートサーマル
リフォーミング方法において、炭化水素化合物類、酸素
および水蒸気を含む被処理物を固体超強酸触媒に接触さ
せる固体超強酸触媒接触工程、および該固体超強酸触媒
接触工程を経た被処理物をルテニウム、ロジウム、パラ
ジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金からなる群
から選択される少なくとも1種の第VIII族金属を含
有する触媒に接触させるVIII族金属触媒接触工程を
有することを特徴とするオートサーマルリフォーミング
方法である。
【0010】本発明はまた、炭化水素化合物類を、酸
素、水蒸気および触媒の存在下に改質し、一酸化炭素お
よび水素を含むガス組成物を製造するオートサーマルリ
フォーミング方法において、該炭化水素化合物類の流れ
に対して上流側に固体超強酸触媒が配置され、下流側に
ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリ
ジウムおよび白金からなる群から選択される少なくとも
1種の第VIII族金属を含有する触媒が配置された反
応器を用いることを特徴とするオートサーマルリフォー
ミング方法である。
【0011】前記固体超強酸触媒が、ジルコニウムの酸
化物もしくは水酸化物に、硫黄酸化物もしくはタングス
テン酸化物が担持されてなることが好ましい。
【0012】前記第VIII族金属がルテニウムである
ことも好ましい。
【0013】本発明はさらに、炭化水素化合物類を、酸
素、水蒸気および触媒の存在下に改質し、一酸化炭素お
よび水素を含むガス組成物を製造するオートサーマルリ
フォーミング装置において、該触媒が、該炭化水素化合
物類の流れに対して上流側に配置された固体超強酸触媒
と、下流側に配置されたルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、オスミウム、イリジウムおよび白金からなる群か
ら選択される少なくとも1種の第VIII族金属を含有
する触媒とからなることを特徴とするオートサーマルリ
フォーミング装置である。
【0014】本発明は、上記オートサーマルリフォーミ
ング装置を有することを特徴とする水素製造装置を包含
する。
【0015】この水素製造装置は、さらに、前記オート
サーマルリフォーミング装置で製造された一酸化炭素お
よび水素を含むガス組成物から、一酸化炭素を選択除去
する一酸化炭素選択除去手段を有することができる。
【0016】本発明はまた、上記水素製造装置と、該水
素製造装置により製造される水素を燃料とする燃料電池
とを備える燃料電池システムも包含する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明におけるオートサーマルリ
フォーミング(ATR)とは、炭化水素化合物類を酸
素、スチームおよび触媒の存在下、一酸化炭素および水
素を含むリフォーミングガスに変換する反応のことをい
う。この反応は、炭化水素化合物類の一部を酸化する酸
化反応と、スチームリフォーミング反応を含む。
【0018】原料(ATRによって改質しようとする対
象物)として好ましく使用できる炭化水素化合物類は、
基本骨格の炭素数が1〜25の、より好ましくは基本骨
格の炭素数が1〜15の有機化合物である。具体的に
は、飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素などを挙げることができ、また飽和脂肪族炭
化水素、不飽和脂肪族炭化水素については、鎖状、環状
を問わず使用できる。芳香族炭化水素についても単環、
多環を問わず使用できる。このような炭化水素化合物類
は置換基を含むことができる。置換基としては、鎖状、
環状のどちらをも使用でき、例として、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アルカリール基およびア
ラルキル基等を挙げることができる。炭化水素化合物類
及び炭化水素化合物類の置換基は、酸素、窒素、ハロゲ
ン、イオウ、等のヘテロ原子を1個以上有する非炭化水
素の置換基を更に1個以上含むことができる。非炭化水
素の置換基の例としては、ハロゲン原子(−F、−C
l、−Br、−I)、水酸基(−OH)、アルコキシ基
(−OR)、カルボキシル基(−COOH)、エステル
基(−COOR)、アルデヒド基(−CHO)、アシル
基(−C(=O)R)等が挙げられる。置換基はこれら
に限定されるものではなく、触媒を被毒するもの、もし
くは好ましくない副反応、副生物を誘発する置換基やこ
のような置換基を有する炭化水素化合物類は、適宜除去
あるいは処理して使用できる。
【0019】炭化水素化合物類の具体例としてはメタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
シクロペンタン、シクロヘキサン、ドデカンなどの飽和
脂肪族炭化水素、エチレン、プロピレン、ブテンなどの
不飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素を挙げることがで
きる。また、これらの混合物も好適に使用でき、例とし
て天然ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油な
ど工業的に安価に入手できる材料を挙げることができ
る。またヘテロ原子を含む置換基を有する炭化水素化合
物類の具体例としては、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、ジメチルエーテル、フェノー
ル、アニソール、アセトアルデヒド、酢酸などを挙げる
ことができる。
【0020】また、上記原料に水素、水、二酸化炭素、
一酸化炭素、酸素などを含む原料も使用できる。例え
ば、原料の前処理として水素化脱硫を実施する場合、反
応に用いた水素の残留分は特に分離することなく原料に
混合することが出来る。
【0021】一方、原料中の硫黄濃度は改質触媒を不活
性化させる作用があるためなるべく低濃度であることが
望ましく、好ましくは50質量ppm以下、より好まし
くは20質量ppm以下とする。このため、必要であれ
ば前もって原料を脱硫することができる。
【0022】脱硫工程に供する原料中の硫黄濃度には特
に制限はなく脱硫工程において上記硫黄濃度に転換でき
る程度の硫黄濃度の原料であれば使用することができ
る。
【0023】脱硫の方法にも特に制限はないが、適当な
触媒と水素の存在下水素化脱硫を行い生成した硫化水素
を酸化亜鉛などに吸収させる方法を例としてあげること
ができる。この場合用いることができる触媒の例として
はニッケル−モリブデン、コバルト−モリブデンなどを
成分とする触媒を挙げることができる。一方、適当な収
着剤の存在下必要であれば水素の共存下硫黄分を収着さ
せる方法も採用できる。この場合用いることができる収
着剤としては特許第2654515号公報、特許第26
88749号公報などに示されたような銅−亜鉛を主成
分とする収着剤あるいはニッケル−亜鉛を主成分とする
収着剤などを例示できる。
【0024】脱硫工程の実施方法にも特に制限はなく、
本発明に係るオートサーマルリフォーミング反応器の直
前に設置した脱硫プロセスにより実施しても良いし、独
立の脱硫プロセスにおいて処理を行った原料を使用して
も良い。
【0025】反応原料には通常SRの吸熱反応をバラン
スできる熱量を発生し得る程度の酸素を添加するが、熱
のロスや必要に応じて設置する外部加熱と関係において
適宜添加量は決定される。その量は、固体超強酸触媒接
触工程に供給される炭化水素化合物類に含まれる炭素原
子モル数に対する固体超強酸触媒接触工程に供給される
酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比)として好まし
くは0.05〜1、より好ましくは0.1〜0.75、
さらに好ましくは0.2〜0.6であることが望まし
い。酸素/カーボン比が上記範囲より小さい場合発熱が
少ないため外部から多量の熱供給が必要となり、SRと
実質的に変わらない状況に近づくという点で不利であ
る。一方、酸素/カーボン比が上記範囲より大きい場合
には発熱が大きくなるため熱バランスが取り難く、酸素
により水素や一酸化炭素が燃焼して消費され変性ガス得
率が減少するという点で不利である。
【0026】酸素は純粋な酸素でも良いが、他のガスで
希釈されている状態のものも好適に使用でき、水蒸気、
二酸化炭素、一酸化炭素、アルゴン、窒素などを含んで
いても良く、例えば入手容易性の点から酸素を含むガス
として空気が好適に使用される。
【0027】酸素を原料に添加する方法は特に制限はな
いが、反応領域に原料炭化水素化合物と同時に導入して
も良いし、酸素含有ガスと炭化水素化合物類とを反応領
域の別々の位置から供給しても良く、あるいは酸素含有
ガスを何回かに分けて一部ずつ導入しても良い。
【0028】反応系に導入するスチームの量は、固体超
強酸触媒接触工程に供給される原料炭化水素化合物類に
含まれる炭素原子モル数に対する固体超強酸触媒接触工
程に供給される水分子モル数の比(スチーム/カーボン
比)として規定され、この値は好ましくは0.3〜1
0、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜
3とする。この値が上記範囲より小さい場合には触媒上
にコークが析出しやすくなる傾向があり、また得られる
水素分率が低下する傾向があるという点で不利であり、
一方大きい場合には改質反応は進むがスチーム発生設
備、スチーム回収設備の肥大化を招く恐れがあるという
点で不利である。スチームを炭化水素化合物類に添加す
る方法は特に制限はないが、反応領域に原料炭化水素化
合物と同時に導入しても良いし、反応領域の別々の位置
からあるいは何回かに分けて一部ずつ導入しても良い。
【0029】また、一酸化炭素を主に取得する目的など
の場合においては、二酸化炭素を原料ガスに添加するこ
とも出来る。この場合の二酸化炭素の添加量は、固体超
強酸触媒接触工程に供給される原料炭化水素類に含まれ
る炭素原子モル数(二酸化炭素分は除く)に対する固体
超強酸触媒接触工程に供給される二酸化炭素分子モル数
の比(二酸化炭素/カーボン比)として規定され、その
値は好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.1〜3
の範囲である。しかし、特に水素の製造が目的の場合、
必ずしも二酸化炭素の添加は必要ではない。
【0030】固体超強酸とは、ハメット酸度関数
(H0)<−11.93(「超強酸・超強塩基」田部浩
三、野依良治共著、講談社サイエンティフィック<19
80>)であり、100%硫酸よりも強い酸強度を持つ
ような固体酸をいい、この定義に該当するものは広く用
いることができる。例としてチタン、ジルコニウム、ハ
フニウム、鉄、アルミニウム、スズ等の水酸化物もしく
は酸化物を担体として硫黄酸化物もしくはタングステン
酸化物を担持したものを挙げることができる。
【0031】これらの固体超強酸の調整方法は例えば、
上記のような担体に硫黄酸化物あるいはタングステン酸
化物の前駆体を担持した後焼成することにより行うこと
ができる。硫黄酸化物前駆体の例としては硫酸、硫酸ア
ンモニウム、塩化スルフリル、塩化チオニル、SO2
ス等を挙げることができ、また、タングステン酸化物前
駆体の例としてはメタタングステン酸アンモニウム、パ
ラタングステン酸アンモニウム、12タングストリン酸
等を挙げることができる。
【0032】担持の方法は公知の適当な方法を採用でき
るが、水などの適当な溶媒に溶解した後担体を懸濁させ
溶媒を乾燥するなどの方法を取ることができる。塩化ス
ルフリル、塩化チオニルなどの水と反応しやすい前駆体
を用いる場合にはヘキサン、塩化メチレンなどの溶媒を
用いることが望ましい。
【0033】超強酸性を発現させる方法としては、この
ようにして得られた前駆体が担持された担体を焼成する
ことが一般に採用される。このための焼成温度は、担体
と硫黄酸化物前駆体、あるいはタングステン酸化物前駆
体の組み合わせにより適宜選択される。具体例を挙げる
ならば、硫黄酸化物−ジルコニウムの組み合わせの場
合、好ましくは500℃〜800℃、より好ましくは6
00℃〜700℃の範囲であり、タングステン酸化物−
ジルコニウム酸化物の組み合わせの場合、好ましくは7
00℃〜1000℃、より好ましくは800℃〜900
℃の範囲である。しかし、焼成後上記の超強酸の定義に
相当するものが得られれば良く、これらの条件に限定さ
れるものではない。超強酸であることの確認は、例えば
「J. Chem.Soc. Chem. Commun. 1259(198
9)」、「J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1148(1
979)、J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1851(1
980)」、「J. Am. Chem. Soc. 101,6439
(1979)」などに記載されるパラフィンの骨格異性
化や酸強度測定によって行うことができる。
【0034】超強酸性を発現させるために担体に担持さ
れる硫黄酸化物等の物質のほかに、鉄、コバルト、ニッ
ケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金などの金属を固体超強酸触媒に担
持させることもできるが、本発明においては固体超強酸
触媒とは別に前記VIII族金属を含有する触媒を使用
するため、このような金属を固体超強酸触媒に含有させ
ることは、必須ではなく、経済的観点からは不利とな
る。
【0035】本発明では、少なくとも炭化水素化合物
類、酸素および水蒸気を含む被処理物を、まず固体超強
酸触媒に接触させ(固体超強酸触媒接触工程)、ついで
この接触後の組成物をルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウムおよび白金からなる群から
選択される少なくとも1種の第VIII族金属を含有す
る触媒に接触させる(VIII族金属触媒接触工程)。
【0036】このために、反応器の前段(被処理物の流
れに対して上流側)には固体超強酸触媒を充填し、後段
(被処理物の流れに対して下流側)に前記VIII族金
属を含有する触媒を充填することができる。この反応器
前段の役割は炭化水素類の部分的酸化、あるいは炭化水
素の脱水素により発生する水素ガスの酸化により吸熱反
応である後段のSR反応に熱を供給し、かつ前段で酸素
を消費させ、後段の触媒層に導入される反応組成物(被
処理物)中の酸素濃度を低下させることである。このこ
とで、後段に配置する触媒の寿命が飛躍的に延長される
ことを本発明者らは見出した。
【0037】この目的のためには、反応器後段の入口に
おける反応組成物(VIII族金属触媒接触工程に供給
される被処理物)中の酸素/カーボン比が好ましくは
0.1以下、より好ましくは0.05以下になるまで、
酸化反応を反応器前段において進行させる。前段に配置
する固体超強酸触媒の体積と後段の触媒の体積として、
好ましくは5:95〜50:50、より好ましくは1
0:90〜50:50、さらに好ましくは15:85〜
50:50に設定する。
【0038】触媒層後段には第VIII族金属を含有す
る触媒が配置される。この触媒に用いることのできる金
属は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金、好ましくはルテニウムであり、
該金属を含む触媒はこれら金属の内のいずれか一つ、あ
るいは複数を含有する。
【0039】本発明に用いる第VIII族金属を含有す
る触媒としては、ルテニウムブラック、ロジウムブラッ
ク、パラジウムブラック、オスミウムブラック、イリジ
ウムブラック、白金ブラック、あるいはそれぞれの金属
箔のような金属単体を用いることも出来るが、金属表面
積を広げるとともに反応条件下における安定性を確保す
るため通常適当な担体に担持した形態で用いることも出
来る。なお、上記第VIII族金属については、その価
数は問わず、0価の状態でも、それ以外の価数で、例え
ば酸化物などの化合物の形態でもよい。
【0040】この場合、使用できる担体としてはリチウ
ム、ナトリウム、カリウム、セシウムのようなアルカリ
金属の酸化物、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウムのようなアルカリ土類金属の酸化物、ラ
ンタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウ
ム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウムなどの希土類金属の酸化物、イッ
トリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アルミ
ニウム、珪素、などの単元系酸化物などを例示できる。
また、これらの酸化物の2種類以上を任意の比率で混合
した混合酸化物も使用できるが、その中でもマグネシウ
ム−チタン、カルシウム−チタン、ストロンチウム−チ
タン、バリウム−チタン、マグネシウム−ジルコニウ
ム、カルシウム−ジルコニウム、ストロンチウム−ジル
コニウム、バリウム−ジルコニウム、マグネシウム−ア
ルミニウム、カルシウム−アルミニウム、ストロンチウ
ム−アルミニウム、バリウム−アルミニウム、イットリ
ウム−アルミニウム、チタン−アルミニウム、ジルコニ
ウム−アルミニウム、セリウム−アルミニウム、マグネ
シウム−珪素、カルシウム−珪素、ストロンチウム−珪
素、バリウム−珪素、イットリウム−珪素、チタン−珪
素、ジルコニウム−珪素、ハフニウム−珪素、アルミニ
ウム−珪素、マグネシウム−セリウム、カルシウム−セ
リウム、ストロンチウム−セリウム、バリウム−セリウ
ムなどの2元系酸化物、およびマグネシウム−カルシウ
ム−チタン、マグネシウム−バリウム−チタン、マグネ
シウム−イットリウム−チタン、マグネシウム−ジルコ
ニウム−チタン、マグネシウム−セリウム−チタン、カ
ルシウム−バリウム−チタン、カルシウム−イットリウ
ム−チタン、カルシウム−ジルコニウム−チタン、カル
シウム−セリウム−チタン、バリウム−イットリウム−
チタン、マグネシウム−カルシウム−ジルコニウム、マ
グネシウム−バリウム−ジルコニウム、マグネシウム−
イットリウム−ジルコニウム、マグネシウム−セリウム
−ジルコニウム、カルシウム−バリウム−ジルコニウ
ム、カルシウム−イットリウム−ジルコニウム、カルシ
ウム−セリウム−ジルコニウム、バリウム−イットリウ
ム−ジルコニウム、バリウム−チタン−ジルコニウム、
マグネシウム−カルシウム−アルミニウム、マグネシウ
ム−バリウム−アルミニウム、マグネシウム−イットリ
ウム−アルミニウム、マグネシウム−チタン−アルミニ
ウム、マグネシウム−ジルコニウム−アルミニウム、マ
グネシウム−セリウム−アルミニウム、カルシウム−バ
リウム−アルミニウム、カルシウム−イットリウム−ア
ルミニウム、カルシウム−チタン−アルミニウム、カル
シウム−ジルコニウム−アルミニウム、カルシウム−セ
リウム−アルミニウム、バリウム−イットリウム−アル
ミニウム、バリウム−チタン−アルミニウム、バリウム
−ジルコニウム−アルミニウム、バリウム−セリウム−
アルミニウム、イットリウム−チタン−アルミニウム、
イットリウム−ジルコニウム−アルミニウム、チタン−
ジルコニウム−アルミニウム、マグネシウム−カルシウ
ム−珪素、マグネシウム−バリウム−珪素、マグネシウ
ム−イットリウム−珪素、マグネシウム−チタン−珪
素、マグネシウム−ジルコニウム−珪素、マグネシウム
−セリウム−珪素、マグネシウム−アルミニウム−珪
素、カルシウム−バリウム−珪素、カルシウム−イット
リウム−珪素、カルシウム−チタン−珪素、カルシウム
−ジルコニウム−珪素、カルシウム−セリウム−珪素、
カルシウム−アルミニウム−珪素、バリウム−イットリ
ウム−珪素、バリウム−チタン−珪素、バリウム−ジル
コニウム−珪素、バリウム−セリウム−珪素、バリウム
−アルミニウム−珪素、イットリウム−チタン−珪素、
イットリウム−ジルコニウム−珪素、イットリウム−ア
ルミニウム−珪素、イットリウム−セリウム−珪素、チ
タン−ジルコニウム−珪素、チタン−アルミニウム−珪
素、チタン−セリウム−珪素、ジルコニウム−アルミニ
ウム−珪素、ジルコニウム−セリウム−珪素、アルミニ
ウム−セリウム−珪素、などの三元系酸化物が好適に使
用できる。また、これらの単元系、二元系、三元系酸化
物にリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどの
アルカリ金属成分を添加して成る酸化物も好適に使用で
きる。これらの多元系酸化物では各成分が均一に混合し
ている必要はなく、一つの成分が酸化物表面に集中して
存在していることもできる。
【0041】第VIII族金属を含有する触媒の調製方
法には特に制限はなく通常の含浸法、共沈法など公知の
方法を採用できる。例えば、含浸法を用いた場合には通
常、塩化物、硝酸塩、各種有機酸塩など、具体的には、
塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化パラジウム、塩化
オスミウム、塩化イリジウム、塩化白金酸のような化合
物を水、エタノール、アセトンなどの溶媒に溶解させ、
担体に含浸させた後乾燥、焼成、還元処理などを行うこ
とで実施出来る。
【0042】乾燥の条件としては、特に限定するもので
はないが、例えば50〜200℃で1〜20時間行なう
ことができる。焼成の条件としては、特に限定するもの
ではないが、例えば空気気流中あるいは水素気流中など
で、500〜1000℃で1〜10時間行なうことがで
きる。
【0043】第VIII族金属を含有する触媒中におけ
る上記金属(金属化合物である場合は、化合物中の金属
分)の含有量(これら金属が複数種ある場合はその総量
として)は好ましくは0.05〜10質量%、より好ま
しくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.3〜3
質量%のものが使用できる。金属含有量がこの範囲より
多い場合、金属の凝集が多くなり表面に出る金属の割合
が減少する傾向があるという点で不利であり、該範囲よ
り少ない場合には高い活性を示すことが難しくなるため
多量の担持触媒が必要となり反応器が大型化する傾向が
あるという点で不利である。
【0044】こうして得られた担持触媒は、必要であれ
ば水素などで還元処理を行うことにより活性化される。
【0045】固体超強酸触媒、第VIII族金属を含有
する触媒共、用いる触媒の形状については特に制限はな
い。例えば、打錠成形し粉砕後適当な範囲に整粒した触
媒、押し出し成形した触媒、適当なバインダーを加え押
し出し成形した触媒、粉末状触媒などを用いることがで
きる。もしくは、打錠成形し粉砕後適当な範囲に整粒し
た担体、押し出し成形した担体、粉末あるいは球形、リ
ング状、タブレット状、円筒状、フレーク状など適当な
形に成形した担体などに金属を担持した触媒などを用い
ることができる。 また、触媒自体をモノリス状、ハニ
カム状などに成形した触媒、あるいは適当な素材を用い
たモノリスやハニカムなどに触媒をコーティングしたも
のなどを用いることができる。
【0046】本発明のオートサーマルリフォーミング装
置が備えることのできる反応器の形態について述べる。
本発明においては、流通式固定床反応器において、触媒
が、該炭化水素化合物類の流れに対して上流側すなわち
被処理物の流れに対して上流側に配置された固体超強酸
触媒と、下流側に配置されたルテニウム、ロジウム、パ
ラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金からなる
群から選択される少なくとも1種の第VIII族金属を
含有する触媒とからなる構成とすることができる。
【0047】反応器の形状としては、円筒状、平板状な
どそれぞれのプロセスの目的に応じた公知のいかなる形
状を取ることができる。なおATR装置に流動床反応器
を用いることも可能である。
【0048】反応器に導入される被処理物(固体超強酸
触媒接触工程に供給される、炭化水素化合物類、水蒸気
および酸素を含む被処理物)の空間速度は固体超強酸触
媒と第VIII族金属を含有する触媒触媒の合計量を基
準として、好ましくはGHSVが500〜1,000,
000h-1の範囲、より好ましくは1,000〜80
0,000h-1の範囲、さらに好ましくは1,500〜
500,000h-1の範囲において、それぞれの目的に
鑑み設定される。
【0049】前段(固体超強酸触媒接触工程)の反応温
度、後段(VIII族金属触媒接触工程)の反応温度は
それぞれ独立に制御することも可能であるが、一体とし
て制御することもできる。通常前段、後段とも好ましく
は200〜1000℃、より好ましくは300〜900
℃、さらに好ましくは500〜800℃の範囲である。
【0050】前段と後段の反応圧力は、特に限定されな
いが、好ましくは大気圧〜20MPa、より好ましくは
大気圧〜5MPa、さらに好ましくは大気圧〜1MPa
の範囲で実施される。
【0051】本発明によって得られる一酸化炭素と水素
を含むガス組成物(改質ガス)は固体酸化物形燃料電池
や溶融炭酸塩形燃料電池のような場合であればそのまま
燃料電池用の燃料として用いることができる。また、リ
ン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池のように一酸化
炭素の除去が必要な場合には、該燃料電池用水素を製造
するための原料として好適に用いることができる。
【0052】この一酸化炭素の除去は、公知の一酸化炭
素選択除去方法を採用することができる。一酸化炭素選
択除去方法としては、例えばシフト工程、CO選択酸化
工程、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】シフト工程とは一酸化炭素と水を反応させ
水素と二酸化炭素に転換する工程であり、Fe−Crの
混合酸化物、Zu−Cuの混合酸化物、白金、ルテニウ
ム、イリジウムなどを含有する触媒を用い、一酸化炭素
含有量をドライベースで好ましくは2容量%以下、より
好ましくは1容量%以下、さらに好ましくは0.5容量
%以下までに落とす。通常、リン酸形燃料電池ではこの
状態の混合ガスを燃料として用いることができる。
【0054】一方、固体高分子形燃料電池では、さらに
一酸化炭素濃度を低減させることが必要となることがあ
り、この場合CO選択酸化工程などで処理する。この工
程では、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、
銀、金などを含有する触媒を用い、残存する一酸化炭素
モル数に対し好ましくは0.5〜10倍モル、より好ま
しくは0.7〜5倍モル、さらに好ましくは1〜3倍モ
ルの酸素を添加することで一酸化炭素を選択的に二酸化
炭素に転換することにより一酸化炭素濃度を低減させ
る。この場合、一酸化炭素の酸化と同時に共存する水素
と反応させメタンを生成させることで一酸化炭素濃度の
低減を図ることもできる。
【0055】本発明の水素製造装置は、本発明触媒を備
えるATR装置を有する。本発明の水素製造装置は、さ
らにATR装置で製造された一酸化炭素と水素を含むガ
ス組成物から、一酸化炭素を選択除去する一酸化炭素選
択除去手段を有することもできる。このために、本発明
のATR装置と、シフト反応器やCO選択酸化装置とを
備える水素製造装置とすることができる。
【0056】以下、本発明の燃料電池システムを説明す
る。図1は本発明燃料電池発電システム例を示す概略図
である。
【0057】図1において、燃料タンク3内の燃料は燃
料ポンプ4を経て脱硫器5に流入する。脱硫器内には例
えば銅−亜鉛系あるいはニッケル−亜鉛系の収着剤など
を充填することができる。この時、必要であれば選択酸
化反応器11からの水素含有ガスを添加できる。脱硫器
5で脱硫された燃料は水タンク1から水ポンプ2を経た
水と混合した後気化器6に導入されて気化され、次いで
空気ブロアー8から送り出された空気と混合され改質器
7に送り込まれる。
【0058】改質器7の触媒として固体超強酸触媒と前
記第VIII族金属を含有する触媒を用い、燃料混合物
(炭化水素化合物類、水蒸気および酸素を含む被処理
物)がまず固体超強酸触媒に、次いで前記第VIII族
金属を含有する触媒に接触するように各触媒が改質器内
に充填される。
【0059】この時、酸素/カーボン比は好ましくは
0.05〜1、より好ましくは0.1〜0.75、さら
に好ましくは0.2〜0.6に設定され、スチーム/カ
ーボン比は好ましくは0.3〜10、より好ましくは
0.5〜5、さらに好ましくは1〜3に設定される。ま
た、燃料混合物の空間速度は上記2種類の触媒の合計量
基準、標準温度・圧力換算でGHSVが好ましくは50
0〜1,000,000h -1、より好ましくは1,00
0〜800,000h-1、さらに好ましくは1,500
〜500,000h-1の範囲に設定される。この時、酸
素/カーボン比および空間速度を適宜制御することによ
り改質器内の温度を好ましくは200〜1000℃、よ
り好ましくは300〜900℃、さらに好ましくは50
0〜800℃に制御する。
【0060】この様にして製造された水素と一酸化炭素
を含有するガスは高温シフト反応器9、低温シフト反応
器10、選択酸化反応器11を順次通過させることで一
酸化炭素濃度は燃料電池の特性に影響を及ぼさない程度
まで低減される。これらの反応器に用いる触媒の例とし
ては高温シフト反応器9には鉄−クロム系触媒、低温シ
フト反応器10には銅−亜鉛系触媒、選択酸化反応器1
1にはルテニウム系触媒等を挙げることができる。
【0061】固体高分子型燃料電池17はアノード1
2、カソード13、固体高分子電解質14からなり、ア
ノード側には上記の方法で得られた高純度の水素を含有
する燃料ガスが、カソード側には空気ブロアー8から送
られる空気が、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を
行った後(加湿装置は図示していない)導入される。
【0062】この時、アノードでは水素ガスがプロトン
となり電子を放出する反応が進行し、カソードでは酸素
ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行する。
これらの反応を促進するため、それぞれ、アノードには
白金黒、活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金
触媒などが、カソードには白金黒、活性炭担持のPt触
媒などが用いられる。
【0063】通常アノード、カソードの両触媒とも、必
要に応じてテフロン(登録商標)、低分子の高分子電解
質膜素材、活性炭などと共に多孔質触媒層に成形され
る。
【0064】次いでNafion(デュポン社)、Go
re(ゴア社)、Flemion(旭硝子社)、Aci
plex(旭化成社)等の商品名で知られる高分子電解
質膜の両側に該多孔質触媒層を積層しMEA(Memb
rane Electrode Assembly:膜
電極集合体)が形成される。さらにMEAを金属材料、
グラファイト、カーボンコンポジットなどからなるガス
供給機能、集電機能、特にカソードにおいては重要な排
水機能等を持つセパレータで挟み込むことで燃料電池が
組み立てられる。電気負荷15はアノード、カソードと
電気的に連結される。
【0065】アノードオフガスは燃焼熱交換器18にお
いて燃焼され原料水の加温に用いられた後、排気口19
から排出される。カソードオフガスは排気口16から排
出される。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0067】[触媒の調製例]オキシ塩化ジルコニルに
アンモニア水を加えることで沈殿生成させた水酸化ジル
コニウムに、焼成前の担持W量が15質量%になるよう
に0.1M(mol/L)のメタタングステン酸アンモ
ニウム水溶液を加え含浸担持する。乾固、120℃で1
2時間乾燥後、空気流通下850℃で3時間焼成し、超
強酸触媒WOX−ZrO2(X=3〜4)を得る。これを
触媒Aとする。
【0068】オキシ塩化ジルコニルにアンモニア水を加
えることで沈殿生成させた水酸化ジルコニウムに10重
量倍の1N(規定)硫酸を含浸担持する。風乾、120
℃で12時間乾燥後、空気流通下700℃で3時間焼成
し、超強酸触媒SO4 2-−ZrO2を得る。これを触媒B
とする。
【0069】市販γ−アルミナに担持Ru量が金属量と
して2質量%になるように0.1MのRuCl3水溶液
を加え、含浸担持、乾固、120℃で12時間乾燥後、
水素気流下700℃で3時間処理をし、2%Ru/Al
23を得る。これを触媒Cとする。
【0070】オキシ塩化ジルコニルにアンモニア水を加
えることで沈殿生成させた水酸化ジルコニウムに、担持
Ru量が金属量として2質量%になるように0.1Mの
RuCl3水溶液を加え、含浸担持、乾固、120℃で
12時間乾燥後、水素気流下700℃で3時間処理を
し、2%Ru/ZrO2を得る。これを触媒Dとする。
【0071】触媒A、Bについて「J. Chem. Soc. Che
m. Commun. 1259(1989)、J. Chem. Soc. Che
m. Commun. 1148(1979)」、「J. Chem. Soc.
Chem. Commun. 1851(1980)」、「J. Am. Ch
em. Soc. 101,6439(1979)」の記載に基
づいたヘキサンの骨格異性化試験を行ったところ、異性
化反応活性を持つことが明らかとなり、固体超強酸であ
ることが確認された。
【0072】[実施例1]触媒調製例で得られた触媒A
及び触媒Cをそれぞれ打錠成型し、粉砕後、250〜5
00μmの範囲に整粒した。固定床流通式反応器の触媒
層の前段に触媒Aを0.500g、後段に触媒Cを0.
756g充填し、ノルマルドデカン、スチーム、酸素の
混合ガスを原料として、650℃でATR反応を行っ
た。反応条件を表1に示す。
【0073】[実施例2]触媒Aの代りに触媒Bを用い
た以外は実施例1と同様に反応を行った。
【0074】[比較例1]触媒Cを打錠成型し、粉砕
後、250〜500μmの範囲に整粒する。固定床流通
式反応器に触媒Cを0.756g充填し、ノルマルドデ
カン、スチーム、酸素の混合ガスを原料として、650
℃でATR反応を行った。
【0075】[比較例2]触媒Cの代りに触媒Dを用い
た以外は比較例1と同様に反応を行った。
【0076】[実施例3]灯油の代りにナフサを用いた
以外は実施例1と同様に反応を行った。
【0077】[実施例4]灯油の代りにナフサを用いた
以外は実施例2と同様に反応を行った。
【0078】[比較例3]灯油の代りにナフサを用いた
以外は比較例1と同様に反応を行った。
【0079】[比較例4]灯油の代りにナフサを用いた
以外は比較例2と同様に反応を行った。
【0080】表2には転化率の経時変化を示した。転化
率は次式で与えられる。
【0081】
【数1】
【0082】表2に示すとおり、γ−アルミナやジルコ
ニアのような通常の担体にルテニウムを担持した触媒の
みでは、転化率が低下するのに対し、前段に固体超強酸
触媒を配置した場合、酸素の共存するATR反応を安定
して行うことが出来る。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】[実施例5]図1に示した構成の燃料電池
システムにおいて、灯油を燃料として用いて試験を行っ
た。改質器7の触媒として触媒Aと触媒Cを用い、燃料
混合物がまず触媒Aに、次いで触媒Cに接触するように
各触媒を改質器内に充填した。この時、改質器7に導入
する原料の酸素/カーボン比は0.4、スチーム/カー
ボン比は2.0に設定した。アノード入口のガスを分析
した結果、水素を42容量%(水蒸気を除外)含んでい
た。
【0086】試験期間(10時間)中、改質器は正常に
作動し触媒の活性低下は認められなかった。燃料電池も
正常に作動し電気負荷15も順調に運転された。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、炭化水素類をATRに
よって一酸化炭素及び水素を含む混合ガスに変換する際
に、従来、特にルテニウムによっては困難とされていた
酸化安定性を改善し、安定な触媒系が得られ、一酸化炭
素及び水素を含む混合ガスを安定して製造できるオート
サーマルリフォーミング方法および装置を提供する事が
出来る。このようなガスは燃料電池用燃料あるいはその
原料として好適に使用可能である。また、水素を安定し
て製造できる水素製造装置が提供された。さらにこのよ
うに優れた水素製造装置を有する安定性に優れた燃料電
池システムが提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池システムの一例を示すフロー
図である。
【符号の説明】
1 水タンク 2 水ポンプ 3 燃料タンク 4 燃料ポンプ 5 脱硫器 6 気化器 7 改質器 8 空気ブロアー 9 高温シフト反応器 10 低温シフト反応器 11 選択酸化反応器 12 アノード 13 カソード 14 固体高分子電解質 15 電気負荷 16 排気口 17 固体高分子形燃料電池 18 燃焼熱交換器 19 排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G040 EA02 EA03 EA06 EA07 EB18 EB23 EB31 EB32 EC01 EC02 EC03 5H027 AA02 BA01 BA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素化合物類を、酸素、水蒸気およ
    び触媒の存在下に改質し、一酸化炭素および水素を含む
    ガス組成物を製造するオートサーマルリフォーミング方
    法において、炭化水素化合物類、酸素および水蒸気を含
    む被処理物を固体超強酸触媒に接触させる固体超強酸触
    媒接触工程、および該固体超強酸触媒接触工程を経た被
    処理物をルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
    ム、イリジウムおよび白金からなる群から選択される少
    なくとも1種の第VIII族金属を含有する触媒に接触
    させるVIII族金属触媒接触工程を有することを特徴
    とするオートサーマルリフォーミング方法。
  2. 【請求項2】 炭化水素化合物類を、酸素、水蒸気およ
    び触媒の存在下に改質し、一酸化炭素および水素を含む
    ガス組成物を製造するオートサーマルリフォーミング方
    法において、該炭化水素化合物類の流れに対して上流側
    に固体超強酸触媒が配置され、下流側にルテニウム、ロ
    ジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白
    金からなる群から選択される少なくとも1種の第VII
    I族金属を含有する触媒が配置された反応器を用いるこ
    とを特徴とするオートサーマルリフォーミング方法。
  3. 【請求項3】 前記固体超強酸触媒が、ジルコニウムの
    酸化物もしくは水酸化物に、硫黄酸化物もしくはタング
    ステン酸化物が担持されてなる請求項1または2記載の
    オートサーマルリフォーミング方法。
  4. 【請求項4】 前記第VIII族金属がルテニウムであ
    る請求項1〜3のいずれか一項記載のオートサーマルリ
    フォーミング方法。
  5. 【請求項5】 炭化水素化合物類を、酸素、水蒸気およ
    び触媒の存在下に改質し、一酸化炭素および水素を含む
    ガス組成物を製造するオートサーマルリフォーミング装
    置において、該触媒が、該炭化水素化合物類の流れに対
    して上流側に配置された固体超強酸触媒と、下流側に配
    置されたルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
    ム、イリジウムおよび白金からなる群から選択される少
    なくとも1種の第VIII族金属を含有する触媒とから
    なることを特徴とするオートサーマルリフォーミング装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のオートサーマルリフォ
    ーミング装置を有することを特徴とする水素製造装置。
  7. 【請求項7】 さらに、前記オートサーマルリフォーミ
    ング装置で製造された一酸化炭素および水素を含むガス
    組成物から、一酸化炭素を選択除去する一酸化炭素選択
    除去手段を有する請求項6記載の水素製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の水素製造装置
    と、該水素製造装置により製造される水素を燃料とする
    燃料電池とを備える燃料電池システム。
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