JP2004081747A - 高圧蒸気滅菌器 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸気滅菌器に関し、蓋に装着するパッキンと、チャンバー開口部の気密面との密着により保たれる耐圧性を向上、さらにパッキンの耐久性を向上する。
【解決手段】高圧蒸気滅菌器Aが具備するチャンバー3の開口部3a端面の気密面3bを外周側が突出するように傾斜せしめ、この開口部3aの密着面3bに密着するパッキン5には弾性変形する密着片52を先端部52aが内側へ向けて突出する如く一体に周設し、該密着片52の傾斜角度を上記チャンバー3開口部3aの密着面3bの傾斜角度に略合わせて傾斜せしめたことを特徴とし、密着面3bと密着片52とを傾斜させた状態で密着させることで密着片の変形を防ぎ、耐圧性を向上する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は高圧蒸気滅菌器に関し、さらに詳しくはチャンバーの開口部端面の密着面と蓋体のパッキンとによる気密保持機能を向上せしめた高圧蒸気蒸気滅菌器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療用器具等を滅菌するには、高圧蒸気滅菌器が広く用いられている。従来の滅菌器は、医療用器具等の被滅菌物を収納して密閉するチャンバーを具備し、このチャンバーの中に水を溜め、この水をヒーターで加熱することにより、同チャンバー内に収納した被滅菌物を高圧蒸気にて滅菌するものである。
高圧蒸気滅菌器による滅菌作業は、「給水、蒸気置換、加圧昇温、滅菌、排気」という工程で行なわれる。その際、上記工程中において被滅菌物を収納するチャンバー内を高圧蒸気で満たすため、チャンバーの開口部を開閉可能な蓋により確実に密閉する必要がある。
【0003】
図4,図5−a,図5−b,図6にて示すように、従来の高圧蒸気滅菌器においては、チャンバー101の開口部102を密閉する蓋内面の外周部位に沿って円形の凹部を形成し、この凹部内にリング状のパッキンを密着した状態で嵌装してある。
図5−aにて示すように、従来の高圧蒸気滅菌器は、正面に開口部を有するチャンバーの開口部端面には平面的な気密面103を周設し、この気密面103に蓋体105のパッキン104が密着するように構成してある(図5−b)。
即ち、上記したパッキン104を介して同チャンバー101の開口部と蓋体内面とを適度に密着させて、チャンバー101内の気密を維持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図5−a,図5−bは、従来のパッキン104とチャンバー101開口部端面による密閉構造を示している。このような密閉構造の滅菌器においては、滅菌器の蓋105にリング状のパッキン104を嵌装し、同蓋105を閉じることにより、パッキン104から一体に突出形成した密着片104aの内面側にチャンバー101の内圧が加わって、開口部端面に形成した平面状の気密面103に圧着し、チャンバー101内の気密を維持する。
即ち、上記チャンバー101開口部102の端面と蓋105との間の気密を保持するパッキン104は、蓋105を閉じて把手107をスライドさせ、ロックピン106をロックヒンジ108に穿設した孔109に嵌入することにより蓋105の位置が決まり、パッキン104の密着度合が決定される。
【0005】
高圧蒸気滅菌器は、チャンバー内の飽和蒸気を加圧昇温させ121℃にて20分以上(JIS)、又は、132℃にて5分以上(JIS)の飽和温度にて滅菌を行なう。
その際、チャンバー内の圧力は121℃の場合、約0.12MPa(約1.2kg/cm)、132℃の場合、約0.2MPa(約2kg/cm)の高圧になる。ちなみに、JIS規格では115℃,126℃,135℃の設定温度もある。
チャンバーの耐圧規格は最高使用圧力の2倍(小型圧力容器構造規格)と定められており、この規格をクリアするように高圧蒸気滅菌器は設計,製造されている。
上記した如く製造した従来の高圧蒸気滅菌器は通常の使用を繰り返す限り気密性も耐久性も十分であって支障はない。
しかしながら、従来の滅菌器にあっても、長い期間使用するに連れてパッキンの劣化等により、耐圧性が低下することがある。これに対しては定期的な点検によりパッキンの交換をすればよいことであるが、現実として使用者がメンテナンスを怠ることにより、耐圧性が徐々に低下し、蒸気漏れが生じることになる。
【0006】
蒸気滅菌器を開発する上で耐圧性を高めることは大変重要である。勿論、流通するチャンバーの耐圧性は耐圧規格をクリアする機能を有する。しかし、実際の使用状態を考慮すると(メンテナンスの怠り)、チャンバーパッキン開口部の耐圧性は上記した耐圧規格を上回ることは持ち論、耐圧性にはできるだけ余裕を持っていることが好ましい。また、高い耐圧性と共にパッキンの耐久性をも考慮すべきである。尚、蒸気滅菌器のパッキンの交換は2〜3年の周期で交換することが好ましい。
チャンバーの耐圧規格は最高使用圧力の2倍(小型圧力容器構造規格)と定められている。しかし、これらの規格をクリアするチャンバーの限界を試験してみると、気密を保持するパッキン104はチャンバー内の圧力が増大するに連れて密着片104aの元の部位が内圧により徐々に膨らみ、限界となった時点で外側へめくられた状態となり、これにより同部の気密が破れて蒸気が吹き出す経緯をたどる(図5−b)。
【0007】
一方、上記した如き気密構造を具備する蒸気滅菌器は、蓋105を閉じた状態において、パッキン104に一体成形した密着片104aが密着相手となるチャンバー101開口部102端面のフラットな密着面103との間に20゜程度の傾斜角度をつけてあるため折り曲げられる形で適度に密着する(図5−a)。このように、パッキン104の密着片104aは基端部が曲げられた状態(負荷がかかった状態)で滅菌作業が繰り返される。
【0008】
また、パッキン104の密着片104aは内面側にチャンバー内と同じ圧力が加わることにより、チャンバー101の開口部端面に対して適度に密着して気密を保つが、使用を重ねるに連れてパッキン104自体が弾力を失い、へたった状態となるので、チャンバー101開口部102端面との間に隙間が生じ、圧力上昇時の初期段階で蒸気漏れを生じることがある(図5−a,図5−b)。
【0009】
本発明の課題は、上記した如く構成したように、従来の蒸気滅菌器に関し、蓋に装着するパッキンとチャンバー開口部の気密面との間にて維持する耐圧性を向上せしめると共にパッキンの耐用年数を高めることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために、高圧蒸気滅菌器が具備するチャンバーの開口部端面の気密面は、外周側が突出するように傾斜せしめてある。
一方、上記した開口部密着面に密着するパッキンは、弾性変形する密着片を先端が内側へ向けて突出するように一体に周設してあり、この密着片がチャンバー開口部の密着面に対して全面的に密着する。
また、上記密着片の傾斜角度は、上記チャンバー開口部の密着面の傾斜角度に略合わせて傾斜せしめてあるため、チャンバーの蓋を閉めると開口部の密着面に対して蓋に設けたパッキンの密着片が全面的に密着した状態となる。さらに蓋を完全に閉じることにより上記パッキンが適宜な圧着を受けて密着面に圧着することにより開口部の気密を維持する。また、チャンバーの内圧が上昇すると、この圧力が上記パッキンの密着片に内側から作用し、密着片の圧着による気密保持状態を高めることができる。
【0011】
請求項2記載の高圧蒸気滅菌器は、上記請求項1の高圧蒸気滅菌器に用いた
パッキンの密着片をチャンバー開口部端面の密着面の傾斜角度よりも若干大きく構成する。そして、蓋を閉める際に同密着片の先端側からチャンバー開口部の密着面に当接するように構成した。したがって、密着片先端部に隙間が生じることを防止する。さらに、蓋を閉める際にパッキンを大きく屈曲変形させることがないので、チャンバー開口部の密着面に対して全面的に圧着することができ、さらに密着片の密着度が低下することも回避できる。
【0012】
請求項3記載の高圧蒸気滅菌器は後述する発明の実施形態にて合わせて説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例を説明する。
図1は、高圧蒸気滅菌器Aを示している。この滅菌器の本体1は、正面に開閉可能な扉2を備え、該扉2の一側部を枢支することにより、開閉自在に取り付け支持してある。
扉2の内側には後述するチャンバー3の開口部3aを開閉可能に密閉する円板状の蓋4を取り付け固定してある。この蓋4の内面にはリング状のパッキン5を嵌装し、該パッキン5がチャンバー3の開口部3aの端面に構成される気密面3bに対して密着するように構成してある。
また、蒸気滅菌器本体1の内部には、医療用器具等の被滅菌物を収納する略筒形状のチャンバー3を設けてある。
【0014】
本実施例の高圧蒸気滅菌器Aに用いたチャンバー3はステンレス製であり、背面側の端部を塞いだ形状の容器である。このチャンバー3は正面側端部の開口部3aが蒸気滅菌器本体1の正面に露呈するように設置してある。また、チャンバー3の開口部3aの口縁は外周側へ断面略コ形に折り曲げて端面3bを形成し、上記の如く、この開口部口縁部を蒸気滅菌器本体1の正面に露呈せしめてある(図1)。
【0015】
上記チャンバー3の中の底部には底板10を設け、該底板10の下側にヒーター8を水平に挿入してある。また、同チャンバー3の隣には貯水タンク(図示せず)を設け、必要に応じて同チャンバー3内に所定量の給水を行なえるように構成してある。
【0016】
上記した蓋4の内面側の外周側に沿ってはパッキン5を嵌入するための凹状の嵌入溝40を周設してある(図2)。嵌入溝40は、パッキン5の嵌入部51を嵌入するための凹溝であり、浅い段差42を形成し、且つそれよりも一段深い溝40’を形成して成る。
上記溝40’内の外周側にはリング状パッキン5の嵌入部51の外周縁部54を嵌入して掛止する掛止部41を形成してある。即ち、パッキン5は上記した掛止部41による保持力をもって確実に装着されることになる。
【0017】
一方リング状のパッキン5はシリコーン樹脂等、比較的強く弾力性及び高温下における耐久性のある樹脂を用いて形成する。パッキン5は嵌入溝40の溝40’に嵌入する嵌入部51を形成し、同嵌入部51の外周部に他の部分よりも幾分肉厚の外周縁54を形成して負荷のかかる同部を補強してある。
上記した如く構成したパッキン5嵌入部51の内面側(チャンバー内側)には密着片52を一体に周設してある(図2−a)。チャンバー3の開口部3aの端面、即ち密着面3bに密着して気密を保つ密着片52は、断面略楔形に形成してある。また、密着片52は、外周側の基端部を上記嵌入部51の外周部内面に形成した連結部53を介して嵌入部51と一体化してある。上記した連結部53は密着片52の基端を嵌入部51に連結して弾性的に支持する。
【0018】
上記したように、密着片52は連結部53を介して嵌入部51と一体化し、良好に弾性変形する。これにより同密着片52がチャンバー3の開口部3aの密着面3bに対して密着する方向へ弾性的に折曲変形するように構成してある。
【0019】
リング状に形成したパッキン5の密着片52は、同パッキン5の嵌入部51の平面を基準として22.62゜の角度を介して傾斜している。この傾斜は密着片52の先端部52aが嵌入部51の外周側からチャンバー3の中芯へ向けて延出し、且つ同先端部52aがチャンバー3の奥へ向けて延出する方向へ傾斜せしめてある(図3)。
また、上記したパッキンの密着片52は外周側基端の連結部53により弾力的に支持され、蓋4を閉じた際にチャンバー3開口部3aの密着面3bに対して先端部52a側から密着面3bに接触し、最終的には隙間なく全面的に密着する。
【0020】
上記したように傾斜するパッキン5の密着片52が密着するチャンバー3開口部3aの密着面3bは、チャンバー3の開口部3aの端面となる部位であり、図3−aにて示すように、開口部の縁を外側に向けて屈曲し、断面を略コ形に形成してある。しかし、上記した開口部3aの端面(密着面)は、従来のもののように平面ではなく、外周縁側が突出し、且つ内周側がチャンバー3の内部へ入り込む方向に傾斜せしめてある。即ち上記開口部の密着面3bは傾斜した状態で上記パッキン5の密着片52と共に傾斜する状態にある。
【0021】
上記密着面3bと密着片52との傾斜角度は同一ではないが近似する角度で傾斜せしめてある。この実施例の場合、上記チャンバー3の開口部3a密着面3bの傾斜角度は20゜である。即ち、上記パッキンの密着片52の傾斜角度22.62゜と2.62゜の差がある。
そして、上述したように、上記傾斜角度の差によりパッキン5は閉蓋時において密着片52の先端部52aから開口部3aの密着面に密着し、蓋4を閉じた状態では傾斜するパッキン5密着片52とチャンバー3開口部3aの密着面3bとがピッタリと密着した状態となる(図3−b)。
【0022】
尚、上記したパッキン5密着片52及びチャンバー密着面3bの傾斜角度は、チャンバー3の軸芯、若しくは円形な蓋4の軸芯と直交する仮想基準線eを基準として傾斜角度を設定する(図2−a,図2−b)。
上記パッキンの密着片は先端側がチャンバー開口部端面の密着面の傾斜角度よりも若干大きくなるように構成し、蓋を閉める際に同密着片の先端側からチャンバー開口部の密着面に当接するように構成してある。
【0023】
また、上記したようにパッキン5の密着片52の角度を設定し、密着片52が先端部52aからチャンバー3開口部3aの密着面3bに当接させることにより、傾斜する開口部3a密着面3bに対する密着度が高められチャンバー3の内圧により密着片52の先端部52aに隙間が生じ、ここから蒸気が漏れることを防止して耐圧性を向上し得る。また、経年変化により、密着片52の先端部52が大きく折曲変形して劣化することも低減することもできる。
尚、上記した高圧蒸気滅菌器にあってはチャンバー3開口部3aの密着面3bの傾斜角度に差をつけたが、本発明発明の主旨によれば、開口部の密着面の角度とパッキンの密着片の傾斜角度は任意に変更しても良く、また、両者が同じ角度であってもよい。
【0024】
次に蒸気滅菌を行なう際に上記チャンバー3開口部3aの気密部に加わる圧力の関係について説明する。
チャンバー3内に被滅菌物を入れたならば図4の状態から扉2を閉じて把手9をスライドさせ、ロックピン91をチャンバ−3に取り付け固定したロックヒンジ92の挿通孔93に挿通させて蓋4に周設したパッキン5の密着片52をチャンバー3開口部3aの密着面3bに密着せしめる。
扉2が閉じられた時、蓋4の内面に周設したパッキン5の密着片52が先端部52aからチャンバー3開口部3aの密着面3bに接触し、傾斜した状態を維持したまま同密着面に圧接され、全面的に密着する(図3−b)。
【0025】
チャンバー3内に必要量の水が給水され、ヒーター8にて加熱し始めると蒸気の発生に伴って同チャンバー3内の圧力が上昇する。そして、チャンバー3内の圧力はチャンバー3の内面と蓋4、及びパッキン5の露呈部分にかかってくる。即ち、チャンバー3開口部3aの密着面3bに密着するパッキン5の密着片52及び嵌入部51,連結部53の内面に加わる。特に密着片52は内側からかかる圧力により密着面3bに対して強く且つ全面的(幅b)に加わり、同部位の耐圧性を効果的に向上することができる。
本発明の高圧蒸気滅菌器は、開発段階にて多くの試験を繰り返したが、本実施例と同じ高圧蒸気滅菌器は、0.6MPa(約6kg/cm)以上の水圧試験に耐えた。これに対し、従来の高圧蒸気滅菌器(本発明と略同じスペックのもの)を同条件にて試験した結果、個体差があるものの0.5MPa(約5kg/cm)程度にてパッキン部分から蒸気漏れが生じたことからみても本発明の耐圧効果が抜きん出ていることが分かるであろう。
【0026】
尚、上記したチャンバー3開口部3aの密着面3bの傾斜角は20゜としたが、同傾斜角は15゜〜60゜の範囲内に設定することで耐圧性の向上を実現できる。さらに、厳密に設定するならば上記した傾斜角度は15゜〜30゜の範囲に設定するとよい結果が得られる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明の高圧蒸気滅菌器は、チャンバーの開口部端面の気密面を外周側が突出するように傾斜せしめ、且つ、閉蓋状態において上記気密面に密着するパッキンに、先端が内側に向けて突出する密着片を一体に周設し、該密着片の傾斜角度を上記チャンバー開口部の密着面の傾斜角度に略合わせて傾斜せしめたものである。
したがって、蓋を閉じた状態において、パッキンの密着片がチャンバー開口部端面の密着面に対して、大きく変形することなく全面的に密着するようになる。よって、従来の滅菌器のように、開口部端面が平面的な密着面であるものと比較してみると、本発明は、気密状態において開口部端面に密着する密着片に無理な力がかからなくなるので、密着片は密着面に対して大きく変形することなく全面的に密着するようになる。その結果として、密着片部位の膨張変形を回避することができ、チャンバー開口部の気密部にて生じる蒸気漏れに対する耐圧性を大幅に向上させることができた。
具体的な例を述べると、従来の蒸気滅菌器は前述した耐圧規格をクリアする。さらに従来の蒸気滅菌器は0.4MPa程度まで耐圧性を維持できるが、(※水圧試験にて)内圧を0.5MPaまで上昇させると、パッキンの密着片の基端部が膨らみ外側へめくれて水漏れを生じた。
このように、従来構造のものは終極的に、0.5MPa(約5kg/cm)程度にて水漏れが生じたものを、本発明の高圧蒸気滅菌器の構造にあっては、0.6MPa(約6kg/cm)以上の水圧試験に耐えるまでに至り、本発明の蒸気滅菌器の耐圧機能が抜きん出ていることが実証された。
【0028】
請求項2記載の高圧蒸気滅菌器は、上記請求項1記載の高圧蒸気滅菌器において、パッキンの密着片の先端側がチャンバー開口部端面の密着面の傾斜角度よりも若干大きくなるように構成したものであり、これにより、蓋を絞める際に密着片の先端側からチャンバー開口部の密着面に当接するようになる。
これにより、傾斜する開口部密着面に対する密着度が高められ、閉蓋状態においてパッキンの密着片の基端部を無理に大きく折曲変形することもないので、パッキンの密着片のへたりや変形が生じずらく、結果的にパッキンの耐用年数を延長することができる。さらに、経年変化により、密着片の先端部に多少のへたりや変形が生じても実質的に影響がでることもなく、実質的にパッキンの耐用年数を向上することができる。
【0029】
請求項3記載の蒸気滅菌器は、上記請求項1及び2記載の高圧蒸気滅菌器において、チャンバー開口部の密着面の傾斜角度を15゜〜60゜の範囲内に設定することにより、チャンバー開口部の密着面に対してパッキンの密着片とが無理なく密着し、傾斜による密着性の向上効果をより確実に発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した高圧蒸気滅菌器を示す斜視図である。
【図2】本発明を実施した高圧蒸気滅菌器の蓋とチャンバー開口縁部を一部切欠して示す平面図であり(a)は蓋に装着したパッキン部を示す拡大断面図、(b)チャンバーの開口部部拡大断面図。
【図3】(a)は蓋を閉じた状態のチャンバー開口縁部の横断平面図、(b)は密着片と密着面の接触を示す拡大断面図。
【図4】従来の高圧蒸気滅菌器の蓋とチャンバー開口縁部を一部切欠して示す平面図であり、蓋に装着したパッキン部とチャンバーの開口部口縁を示す拡大断面図。
【図5】(a)は蓋を閉じた状態における密着面と密着片との密着部を示す横断平面図,(b)は密着片の基端部が膨張し、気密が破られる寸前の状態を示す横断平面図。
【図6】従来の高圧蒸気滅菌器を一部切欠して示す。
【符号の説明】
A・・・高圧蒸気滅菌器
e・・・仮想基準線
1・・・蒸気滅菌器本体
2・・・扉
3・・・チャンバー
3a・・・開口部
3b・・・密着面(端面)
4・・・蓋
40・・・嵌入溝
5・・・パッキン
52・・・密着片
51・・・嵌入部
52a・・・先端部

Claims (3)

  1. 被滅菌物を収納するチャンバーと、該チャンバーが有する円形の開口部を開閉可能に密閉する蓋とを具備し、上記蓋に装着したリング状パッキンを上記チャンバーの開口部端面に形成した気密面に密着せしめて同チャンバー内の気密を維持する高圧蒸気滅菌器において、
    前記チャンバーの開口部端面の気密面を外周側が拡開するように傾斜せしめると共に、この開口部の密着面に密着するパッキンに弾性変形する密着片を先端が内側へ向けて突出する如く一体に周設し、該密着片の傾斜角度を上記チャンバー開口部の密着面の傾斜角度に略合わせて傾斜せしめたことを特徴とする高圧蒸気滅菌器。
  2. チャンバ−の軸芯と直交する仮想基準線を基準として傾斜角度を設定する前提条件において、
    上記パッキンの密着片は先端側がチャンバー開口部端面の密着面の傾斜角度よりも若干大きくなるように構成し、蓋を閉める際に同密着片の先端側からチャンバー開口部の密着面に当接するように構成した請求項1記載の高圧蒸気滅菌器。
  3. 上記チャンバー開口部の密着面の傾斜角度を15゜〜60゜の範囲内に設定して成る請求項1又は2記載の高圧蒸気滅菌器。
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