JP2004081442A - 掃除機フィルター用長繊維不織布および掃除機フィルター - Google Patents
掃除機フィルター用長繊維不織布および掃除機フィルター Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004081442A JP2004081442A JP2002245741A JP2002245741A JP2004081442A JP 2004081442 A JP2004081442 A JP 2004081442A JP 2002245741 A JP2002245741 A JP 2002245741A JP 2002245741 A JP2002245741 A JP 2002245741A JP 2004081442 A JP2004081442 A JP 2004081442A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vacuum cleaner
- cleaner filter
- long
- nonwoven fabric
- woven fabric
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Filters For Electric Vacuum Cleaners (AREA)
- Filtering Materials (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Abstract
【課題】縫製等において針穴を生じることなく、また、捕集した塵埃等を容易に取り除くことが可能で、安価な掃除機フィルターを提供する。
【解決手段】芯鞘型複合長繊維が堆積してなる不織布であり、芯成分はポリアルキレンテレフタレート系重合体からなり、鞘成分は芯成分の融点よりも50℃以上低い融点を有する熱可塑性重合体からなり、不織布は部分的に熱接着区域を有することにより形態を保持している掃除機フィルター用長繊維不織布。また、前記長繊維不織布がヒートシールによって袋状に加工された掃除機フィルター。
【選択図】 なし
【解決手段】芯鞘型複合長繊維が堆積してなる不織布であり、芯成分はポリアルキレンテレフタレート系重合体からなり、鞘成分は芯成分の融点よりも50℃以上低い融点を有する熱可塑性重合体からなり、不織布は部分的に熱接着区域を有することにより形態を保持している掃除機フィルター用長繊維不織布。また、前記長繊維不織布がヒートシールによって袋状に加工された掃除機フィルター。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉塵捕集性および熱接着性に優れた掃除機フィルター用の長繊維不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
掃除機は、ゴミや粉塵、水や油等の液体も吸引することができるものであり、袋状のフィルターにて、おおまかな粉塵粒子をろ過捕集して粉塵を除去し、ダストボックスに吸引物中の微塵や液体を溜め、空気のみをモーターファンへ吸気するようになっている。
【0003】
この袋状のフィルターとしては、厚みを有するフェルトが使用されており、具体的には、短繊維や天然繊維等が開繊してなるウエブを、ニードルパンチ法により繊維同士を絡めてフェルトとし、所定の大きさに裁断、縫製することによって袋状のフィルターとしている。そして、袋状フィルターにおいては、掃除機の吸引力によってそれ自体が萎むのを防ぐために、開口部やその側面の一部に、プラスチック枠と簡単な縫い合わせによって一体化したものや、フェルトに補強のための織布を重ね合わせて2層構造とすることで変形しにくくしたものが使用されている。
【0004】
しかし、これらのフィルターは、袋状にするための縫製やプラスチック枠との縫い合わせによって針穴が生じ、この針穴から微細な塵埃が通過して、フィルターより内部のモータやスイッチ等に微細な塵埃が付着して故障の原因となるという問題がある。
【0005】
また、フィルターが捕集した塵埃により目詰まりを防ぐために、定期的に水洗い等により捕集した塵埃、ゴミを取り除く作業を要するが、微細な塵埃がフェルトの内層に詰まったものは容易に取り除くことが困難であり、使用を続けると吸引力に悪影響を及ぼす。また、これを防ぐためには、新しいフィルターと交換することを要するため、フィルター寿命とその単価とが見合わずコスト効率が良好ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を解決することをその課題とし、縫製等において針穴を生じることなく、また、捕集した塵埃等を容易に取り除くことが可能で、安価な掃除機フィルターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、芯鞘型複合長繊維が堆積してなる不織布であり、芯成分はポリアルキレンテレフタレート系重合体からなり、鞘成分は芯成分の融点よりも50℃以上低い融点を有する熱可塑性重合体からなり、不織布は部分的に熱接着区域を有することにより形態を保持していることを特徴とする掃除機フィルター用長繊維不織布を要旨とするものである。
【0008】
また、本発明は、前記掃除機フィルター用長繊維不織布が、ヒートシールによって袋状に加工され、かつ該袋の開口部には、樹脂枠が長繊維不織布のヒートシールにより取り付けられ一体化していることを特徴とする掃除機フィルターを要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における長繊維不織布は、芯鞘型複合長繊維からなり、芯成分はポリアルキレンテレフタレート系重合体からなり、鞘成分は芯成分の融点よりも50℃以上低い融点を有する熱可塑性重合体からなる。
【0010】
芯成分を構成するアルキレンテレフタレートとしては、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリブチレンテレフタレート等を好ましく用いることができる。また、その特性を損なわない範囲で、前記アルキレンテレフタレート単位にイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ジエチレングリコール等の成分が共重合したものであってもよい。
【0011】
鞘成分は、芯成分の融点よりも50℃以上低い熱可塑性重合体からなる。両者の融点差が50℃未満であると、製袋加工の際のヒートシール部や、プラスチック枠との接着の際の熱接着部において、鞘成分のみでなく芯成分までもが熱による影響を受けて、繊維形態を維持できなくなり、所望のヒートシール強力や保型性を維持できなくなるため好ましくない。
【0012】
鞘成分を構成する熱可塑性重合体としては、低融点の共重合ポリエステル、低融点の共重合ポリアミド、ポリオレフィン系重合体が挙げられる。掃除機等の電化製品の部品には安価なポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系重合体が使用されていることが多く、掃除機フィルターの保型のためのプラスチック枠についてもポリオレフィン系重合体が用いられることが一般的である。本発明においては、保型枠との接着性やヒートシール性、高温雰囲気下(50〜70℃)での形態安定性等の観点から、鞘成分としてポリオレフィン系重合体を用いることが好ましい。
【0013】
ポリオレフィン系重合体としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ドデセン−1、オクタデセン−1等の炭素原子数2〜18の脂肪族α−モノオレフィンを単独で重合させたホモポリオレフン重合体、又は2種類以上を混合して重合させたポリオレフィン共重合体を用いることができる。ホモポリオレフィン重合体やポリオレフィン共重合体には、例えばブタジエン、イソプレン、ペンタジエン−1・3、スチレン、α−メチルスチレンの如きエチレン系不飽和モノマーが共重合されていてもよい。ポリオレフィン系重合体としてポリエチレン系重合体を用いる場合、エチレンに対してプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1又はその他の高級α−オレフィンが10質量%以下の範囲で共重合したものを用いるのが好ましい。
【0014】
上記した各種重合体中には必要に応じて、艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、熱安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、防ダニ剤を紡糸性が損なわれない範囲で使用してもよい。
【0015】
複合長繊維において、芯成分と鞘成分との複合比率は、芯成分/鞘成分=40/60〜60/40(質量%)であることが好ましい。芯成分の比率が40質量%未満であると、不織布の機械的強力が低下する傾向となり、使用時における袋状形態の保型性に劣る傾向となる。一方、芯成分の比率が60質量%を超えると、熱接着成分となる鞘成分が相対的に減少するため、ヒートシール強力や不織布の形態保持性に劣る傾向となる。
【0016】
複合長繊維の単糸繊度は、2〜5デシテックスであることが好ましい。2デシテックス未満であると、特に目付が大きい場合や、熱接着区域の面積率が高い場合に、通気度が小さくなり、圧力損失が増加し、掃除機の吸引力低下やモーターに対する負荷が高くなる傾向となる。一方、5デシテックスを超えると、特に目付が小さい場合に繊維間の空隙が大きくなり、粉塵等の捕集性に劣る傾向となる。
【0017】
本発明における掃除機フィルター用長繊維不織布は、前記複合長繊維が堆積してなり、部分的に熱接着区域を有することにより形態保持している。ニードルパンチ等により構成繊維同士が三次元的に交絡してものではない。構成繊維同士が三次元的に交絡すると、不織布内層で捕集した塵埃等を水洗い等により容易に除去することが困難となるため好ましくない。
【0018】
熱接着区域は、繊維が堆積してなる不織ウエブを熱エンボス装置に通して、熱エンボス加工を施すことにより得ることができる。熱エンボス装置は、一対のエンボスロールからなるもの、エンボスロールとフラットロールからなるもののいずれであってもよい。エンボスロールが有する凸部の形状により、不織布に付与される熱接着区域の形状が決定される。エンボスロールの凸部の形状は、例えば丸形、菱形、六角形、井形等を散点状に有しているものや、直線状、格子状等であってもよい。凸部の面積率(熱接着区域の面積率)は4〜40%が好ましく、特に好ましくは10〜20%である。凸部の面積率(熱接着区域の面積率)が4%未満であると、不織布の機械的特性や形態保持性が著しく損なわれる。一方、40%を超えると、熱接着区域の増加により通気性が著しく損なわれ、圧力損失が増加する。また、剛性が高くなりすぎて、製袋加工やプラスチック枠との接着加工の際の取り扱い性に劣るものとなる。
【0019】
凸部の面積率(熱接着区域の面積率)は前記範囲内のものとして、個々の凸部の面積や個数等を適宜選択すればよいが、散点状の場合、個々の凸部の面積は0.5〜2mm2の範囲、その個数は10〜40個/cm2の範囲であることが好ましい。
【0020】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布の目付は、30〜120g/m2であることが好ましい。目付が30g/m2未満であると、塵埃の捕集性に劣る傾向となり好ましくなく、一方、120g/m2を超えると、不織布の内層の繊維間空隙内に捕集した塵埃を容易に取り除くことができにくい。また、剛性が高くなりすぎて、取り扱い性にも劣る傾向となる。
【0021】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布は、ヒートシール強力が24.5N/3cm幅以上であることが好ましい。ヒートシール強力が24.5N/3cm幅未満であると、掃除機の使用の際に、重たいゴミを吸引・捕集した場合や吸引力に耐えることができず、ヒートシール部において破れが生じる恐れがある。
【0022】
本発明においてヒートシール強力は、JIS L 1086に準じ、以下の方法により測定する。すなわち、長さ10cm、幅3cmの試料片を2枚重ね合わせ、端部より2cmの部分を試料片の幅方向に平行にヒートシールしたもの5個を試料として用意する。ヒートシールは、熱圧接した鞘成分の融点(Tm℃)よりも10℃高い温度に設定した上下1対の圧接バー(幅1cm 長さ30cm)を有する熱プレス機にて、面圧98N/cm2、1秒間でヒートシールする。次いで、定速伸長型引張試験機(東洋ボールトウィン社製 テンシロン UTM−4−100)を用い、つかみ間隔10cmで、チャック間に接着部が中央になるようにサンプルをセットし引張速度5cm/分として剥離させ、剥離するときに示す極大値の大きいものより3個、極小値の小さいものより3個をとり、合計6個の平均値を剥離強力とした。なお、接着部が剥離せず、接着部と非接着部との境界部より不織布の切断が始まる(材料破壊)程、ヒートシール強力が高く、このような現象を起こすものが好ましい。
【0023】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布は、適度な風合とコシを有していることが好ましく、圧縮剛軟度で示される値が0.784〜7.84Nであることが好ましく、より好ましくは0.98〜5.88Nである。不織布において、掃除機の吸引モーターの吸引力によって吸引モーター側に吸い付くほど柔らかくては実用性がなく、形態保持性に劣るものとなり、逆に製袋化が困難になるほどの剛性が高く硬いものは好ましくない。ここで圧縮剛軟度は、以下によって測定する。
【0024】
不織布より長さ(MD方向)5cm、幅(CD方向)10cmの試料片を5枚採取し、各試料片について幅方向に曲げて円筒状物とし、各々その端部をテープで接合したものを測定試料とした。次いで、測定試料の軸方向について、定速伸長型引張試験機(東洋ボールドウイン社製 テンシロン UTM−4−1−100)を用い、圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大荷重値(N)の平均値を圧縮剛軟度(N)とした。値が小さい程、柔軟性が高く、値が大きくなるにつれて剛性が高くなる。
【0025】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布の通気度は、50〜200cc/cm2/秒であることが好ましい。通気性が50cc/cm2/秒未満であると、繊維間の空隙が密になるので捕集性能は高くなるものの、圧力損失が増加し、掃除機の吸引力低下やモーターに対する負荷が高くなる。一方、200cc/cm2/秒を超えると、繊維間の空隙が粗であるために目的とする捕集性能を得にくい。
【0026】
通気度(cc/cm2/秒)は、JIS L 1096記載のフラジール法により測定するもので、長さ20cm、幅20cmの試料片5枚を準備し、フラジール型試験機に備えられた円筒の一端に各試料片を取り付け、可変抵抗器により傾斜型気圧計が125Paの圧力を示す圧力と使用した空気通過孔の面積より試料片を通過する通気量を各試料片毎に測定し、その平均値を通気度とするものである。
【0027】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布は、いわゆるスパンボンド法により効率的に生産することができる。すなわち、ポリアルキレンテレフタレートと鞘成分となる熱可塑性重合体とを各々準備し、これを加熱溶融して芯鞘型の紡糸口金を用いて溶融紡糸する。次いで、溶融紡出糸状を吸引装置にて牽引・細化した後に、移動式捕集面上に開繊しながら堆積して長繊維ウエブを形成する。
【0028】
牽引速度は3500〜5000m/分とすることが好ましい。この様に高速で紡糸することで、繊維構成重合体は良好に配向・結晶化し、機械的強度が高く寸法安定性に優れた長繊維不織布を得ることができる。捕集面上に繊維が堆積してなる長繊維ウエブは、熱エンボス装置に通して部分的に熱接着区域を形成し、掃除機フィルター用長繊維不織布を得る。本発明においては、長繊維が堆積してなるウエブに、ニードルパンチ等の積極的な三次元交絡処理を施すことはしない。
【0029】
得られた掃除機フィルター用長繊維不織布は、適宜の大きさに裁断して、裁断した長繊維不織布を2枚を重ねたり、また、1枚の長繊維不織布を二つ折にし、所定の部位をヒートシールすることで容易に袋状にすることができる。得られた袋の開口部に所定の形を有する環状等のプラスチック枠を、長繊維不織布の鞘成分を少なくとも溶融させてヒートシールすることにより取り付け一体化して、掃除機フィルターを得ることができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。また、実施例において使用する各物性値等の測定方法は次に示すとおりである。なお、ヒートシール強力(N/3cm)、圧縮剛軟度(N)、通気性(cc/cm2・秒)の測定方法については、前述したとおりである。
【0031】
(1)重合体の融点(℃):パ−キンエルマ−社製DSC−2型の示差走査型熱量計を用いて、昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱ピ−クの最大値を与える温度を融点とした。
【0032】
(2)ポリエチレン重合体のメルトフロ−レ−ト(MFR):ASTM D1238(L)に記載の方法で測定した。
【0033】
(3)不織布の目付(g/m2):標準状態の試料から縦10cm×横10cmの試料片を計10点作成し、平衡水分に到らしめた後、各試料片の質量(g)を秤量し得られた値の平均値を単位面積(m2)当たりに換算し目付(g/m2)とした。
【0034】
(4)不織布の引張強力(N/5cm幅):定速伸張型試験機(東洋ボ−ルドウイン製テンシロンUTM−4−100型)を用い、試料幅5cm、長さ20cmの試験片をつかみ間隔10cm、引張速度500mm/分の条件で測定し、測定個数10個の平均値から求めた。
【0035】
実施例1
芯成分としてポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、鞘成分としてポリエチレン(融点130℃ MFR24g/10分)を用意し、溶融押出機により押出し、芯鞘型複合紡糸口金により芯鞘型複合繊維を溶融紡糸し、3800m/分でエアサッカーにより牽引し、サクションコンベア上に堆積させて3.3デシテックスの長繊維が堆積してなる長繊維ウエブ(目付約70g/m2、約100g/m2)とした。次いで、エンボスロール(凸部の形状が六角形、熱圧接区域(凸部)の面積率14.9%)とフラットロールとからなる熱エンボス装置(ロール表面温度120℃に設定)に通して、部分的に熱接着区域を形成させて、本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布を得た。
【0036】
比較例1
実施例1において、鞘成分としてポリエチレンに代えて、イソフタル酸を共重合してなる共重合ポリエステル(融点230℃)としたこと、熱エンボス装置に通す際のロール表面温度を210℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。
【0037】
得られた実施例1、比較例1の長繊維不織布についての物性を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
実施例1、比較例1で得られた目付約100g/m2の長繊維不織布を裁断して、図1に示す形状のものをそれぞれ2枚得た。2枚の長繊維不織布を重ね合わせて、端部(2)をヒートシール(実施例1は140℃、比較例1は180℃)し、袋状物を得、次いで、ポリオレフィン系樹脂からなるプラスチック枠にはめ込み、開口部をヒートシールしてプラスチック枠と接着一体化して、掃除機フィルターを得た。得られた掃除機フィルターにおいて、実施例1により得られた長繊維不織布を用いた掃除機フィルターは、プラスチック枠と長繊維不織布とが良好に接着一体化したものであった。また、比較例1により得られた長繊維不織布を用いた掃除機フィルターは、長繊維不織布を手で引っ張るとプラスチック枠より一部外れてしまい、接着一体化性に劣るものであった。
【0040】
【発明の効果】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布は、芯鞘型長繊維が堆積し、部分的に熱接着区域を有することにより形態保持しているものであるので、繊維同士が積極的に交絡しているものでないため、掃除機フィルターとして使用の際に、フィルターが捕集した塵埃を容易に取り除くことが可能である。
【0041】
また、芯成分がポリアルキレンテレフタレートにより構成され、かつ、鞘成分が芯成分の融点より50℃以上低い融点を有する熱可塑性重合体で構成されているため、長繊維織布は、引張強力が高く、保型性に優れたものとなる。また、ヒートシール性に優れ、製袋化する際や保型のためのプラスチック枠との一体化をヒートシールにて効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布を裁断してなる一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:掃除機フィルター用長繊維不織布
2:端部(ヒートシール部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉塵捕集性および熱接着性に優れた掃除機フィルター用の長繊維不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
掃除機は、ゴミや粉塵、水や油等の液体も吸引することができるものであり、袋状のフィルターにて、おおまかな粉塵粒子をろ過捕集して粉塵を除去し、ダストボックスに吸引物中の微塵や液体を溜め、空気のみをモーターファンへ吸気するようになっている。
【0003】
この袋状のフィルターとしては、厚みを有するフェルトが使用されており、具体的には、短繊維や天然繊維等が開繊してなるウエブを、ニードルパンチ法により繊維同士を絡めてフェルトとし、所定の大きさに裁断、縫製することによって袋状のフィルターとしている。そして、袋状フィルターにおいては、掃除機の吸引力によってそれ自体が萎むのを防ぐために、開口部やその側面の一部に、プラスチック枠と簡単な縫い合わせによって一体化したものや、フェルトに補強のための織布を重ね合わせて2層構造とすることで変形しにくくしたものが使用されている。
【0004】
しかし、これらのフィルターは、袋状にするための縫製やプラスチック枠との縫い合わせによって針穴が生じ、この針穴から微細な塵埃が通過して、フィルターより内部のモータやスイッチ等に微細な塵埃が付着して故障の原因となるという問題がある。
【0005】
また、フィルターが捕集した塵埃により目詰まりを防ぐために、定期的に水洗い等により捕集した塵埃、ゴミを取り除く作業を要するが、微細な塵埃がフェルトの内層に詰まったものは容易に取り除くことが困難であり、使用を続けると吸引力に悪影響を及ぼす。また、これを防ぐためには、新しいフィルターと交換することを要するため、フィルター寿命とその単価とが見合わずコスト効率が良好ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を解決することをその課題とし、縫製等において針穴を生じることなく、また、捕集した塵埃等を容易に取り除くことが可能で、安価な掃除機フィルターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、芯鞘型複合長繊維が堆積してなる不織布であり、芯成分はポリアルキレンテレフタレート系重合体からなり、鞘成分は芯成分の融点よりも50℃以上低い融点を有する熱可塑性重合体からなり、不織布は部分的に熱接着区域を有することにより形態を保持していることを特徴とする掃除機フィルター用長繊維不織布を要旨とするものである。
【0008】
また、本発明は、前記掃除機フィルター用長繊維不織布が、ヒートシールによって袋状に加工され、かつ該袋の開口部には、樹脂枠が長繊維不織布のヒートシールにより取り付けられ一体化していることを特徴とする掃除機フィルターを要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における長繊維不織布は、芯鞘型複合長繊維からなり、芯成分はポリアルキレンテレフタレート系重合体からなり、鞘成分は芯成分の融点よりも50℃以上低い融点を有する熱可塑性重合体からなる。
【0010】
芯成分を構成するアルキレンテレフタレートとしては、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリブチレンテレフタレート等を好ましく用いることができる。また、その特性を損なわない範囲で、前記アルキレンテレフタレート単位にイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ジエチレングリコール等の成分が共重合したものであってもよい。
【0011】
鞘成分は、芯成分の融点よりも50℃以上低い熱可塑性重合体からなる。両者の融点差が50℃未満であると、製袋加工の際のヒートシール部や、プラスチック枠との接着の際の熱接着部において、鞘成分のみでなく芯成分までもが熱による影響を受けて、繊維形態を維持できなくなり、所望のヒートシール強力や保型性を維持できなくなるため好ましくない。
【0012】
鞘成分を構成する熱可塑性重合体としては、低融点の共重合ポリエステル、低融点の共重合ポリアミド、ポリオレフィン系重合体が挙げられる。掃除機等の電化製品の部品には安価なポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系重合体が使用されていることが多く、掃除機フィルターの保型のためのプラスチック枠についてもポリオレフィン系重合体が用いられることが一般的である。本発明においては、保型枠との接着性やヒートシール性、高温雰囲気下(50〜70℃)での形態安定性等の観点から、鞘成分としてポリオレフィン系重合体を用いることが好ましい。
【0013】
ポリオレフィン系重合体としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ドデセン−1、オクタデセン−1等の炭素原子数2〜18の脂肪族α−モノオレフィンを単独で重合させたホモポリオレフン重合体、又は2種類以上を混合して重合させたポリオレフィン共重合体を用いることができる。ホモポリオレフィン重合体やポリオレフィン共重合体には、例えばブタジエン、イソプレン、ペンタジエン−1・3、スチレン、α−メチルスチレンの如きエチレン系不飽和モノマーが共重合されていてもよい。ポリオレフィン系重合体としてポリエチレン系重合体を用いる場合、エチレンに対してプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1又はその他の高級α−オレフィンが10質量%以下の範囲で共重合したものを用いるのが好ましい。
【0014】
上記した各種重合体中には必要に応じて、艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、熱安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、防ダニ剤を紡糸性が損なわれない範囲で使用してもよい。
【0015】
複合長繊維において、芯成分と鞘成分との複合比率は、芯成分/鞘成分=40/60〜60/40(質量%)であることが好ましい。芯成分の比率が40質量%未満であると、不織布の機械的強力が低下する傾向となり、使用時における袋状形態の保型性に劣る傾向となる。一方、芯成分の比率が60質量%を超えると、熱接着成分となる鞘成分が相対的に減少するため、ヒートシール強力や不織布の形態保持性に劣る傾向となる。
【0016】
複合長繊維の単糸繊度は、2〜5デシテックスであることが好ましい。2デシテックス未満であると、特に目付が大きい場合や、熱接着区域の面積率が高い場合に、通気度が小さくなり、圧力損失が増加し、掃除機の吸引力低下やモーターに対する負荷が高くなる傾向となる。一方、5デシテックスを超えると、特に目付が小さい場合に繊維間の空隙が大きくなり、粉塵等の捕集性に劣る傾向となる。
【0017】
本発明における掃除機フィルター用長繊維不織布は、前記複合長繊維が堆積してなり、部分的に熱接着区域を有することにより形態保持している。ニードルパンチ等により構成繊維同士が三次元的に交絡してものではない。構成繊維同士が三次元的に交絡すると、不織布内層で捕集した塵埃等を水洗い等により容易に除去することが困難となるため好ましくない。
【0018】
熱接着区域は、繊維が堆積してなる不織ウエブを熱エンボス装置に通して、熱エンボス加工を施すことにより得ることができる。熱エンボス装置は、一対のエンボスロールからなるもの、エンボスロールとフラットロールからなるもののいずれであってもよい。エンボスロールが有する凸部の形状により、不織布に付与される熱接着区域の形状が決定される。エンボスロールの凸部の形状は、例えば丸形、菱形、六角形、井形等を散点状に有しているものや、直線状、格子状等であってもよい。凸部の面積率(熱接着区域の面積率)は4〜40%が好ましく、特に好ましくは10〜20%である。凸部の面積率(熱接着区域の面積率)が4%未満であると、不織布の機械的特性や形態保持性が著しく損なわれる。一方、40%を超えると、熱接着区域の増加により通気性が著しく損なわれ、圧力損失が増加する。また、剛性が高くなりすぎて、製袋加工やプラスチック枠との接着加工の際の取り扱い性に劣るものとなる。
【0019】
凸部の面積率(熱接着区域の面積率)は前記範囲内のものとして、個々の凸部の面積や個数等を適宜選択すればよいが、散点状の場合、個々の凸部の面積は0.5〜2mm2の範囲、その個数は10〜40個/cm2の範囲であることが好ましい。
【0020】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布の目付は、30〜120g/m2であることが好ましい。目付が30g/m2未満であると、塵埃の捕集性に劣る傾向となり好ましくなく、一方、120g/m2を超えると、不織布の内層の繊維間空隙内に捕集した塵埃を容易に取り除くことができにくい。また、剛性が高くなりすぎて、取り扱い性にも劣る傾向となる。
【0021】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布は、ヒートシール強力が24.5N/3cm幅以上であることが好ましい。ヒートシール強力が24.5N/3cm幅未満であると、掃除機の使用の際に、重たいゴミを吸引・捕集した場合や吸引力に耐えることができず、ヒートシール部において破れが生じる恐れがある。
【0022】
本発明においてヒートシール強力は、JIS L 1086に準じ、以下の方法により測定する。すなわち、長さ10cm、幅3cmの試料片を2枚重ね合わせ、端部より2cmの部分を試料片の幅方向に平行にヒートシールしたもの5個を試料として用意する。ヒートシールは、熱圧接した鞘成分の融点(Tm℃)よりも10℃高い温度に設定した上下1対の圧接バー(幅1cm 長さ30cm)を有する熱プレス機にて、面圧98N/cm2、1秒間でヒートシールする。次いで、定速伸長型引張試験機(東洋ボールトウィン社製 テンシロン UTM−4−100)を用い、つかみ間隔10cmで、チャック間に接着部が中央になるようにサンプルをセットし引張速度5cm/分として剥離させ、剥離するときに示す極大値の大きいものより3個、極小値の小さいものより3個をとり、合計6個の平均値を剥離強力とした。なお、接着部が剥離せず、接着部と非接着部との境界部より不織布の切断が始まる(材料破壊)程、ヒートシール強力が高く、このような現象を起こすものが好ましい。
【0023】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布は、適度な風合とコシを有していることが好ましく、圧縮剛軟度で示される値が0.784〜7.84Nであることが好ましく、より好ましくは0.98〜5.88Nである。不織布において、掃除機の吸引モーターの吸引力によって吸引モーター側に吸い付くほど柔らかくては実用性がなく、形態保持性に劣るものとなり、逆に製袋化が困難になるほどの剛性が高く硬いものは好ましくない。ここで圧縮剛軟度は、以下によって測定する。
【0024】
不織布より長さ(MD方向)5cm、幅(CD方向)10cmの試料片を5枚採取し、各試料片について幅方向に曲げて円筒状物とし、各々その端部をテープで接合したものを測定試料とした。次いで、測定試料の軸方向について、定速伸長型引張試験機(東洋ボールドウイン社製 テンシロン UTM−4−1−100)を用い、圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大荷重値(N)の平均値を圧縮剛軟度(N)とした。値が小さい程、柔軟性が高く、値が大きくなるにつれて剛性が高くなる。
【0025】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布の通気度は、50〜200cc/cm2/秒であることが好ましい。通気性が50cc/cm2/秒未満であると、繊維間の空隙が密になるので捕集性能は高くなるものの、圧力損失が増加し、掃除機の吸引力低下やモーターに対する負荷が高くなる。一方、200cc/cm2/秒を超えると、繊維間の空隙が粗であるために目的とする捕集性能を得にくい。
【0026】
通気度(cc/cm2/秒)は、JIS L 1096記載のフラジール法により測定するもので、長さ20cm、幅20cmの試料片5枚を準備し、フラジール型試験機に備えられた円筒の一端に各試料片を取り付け、可変抵抗器により傾斜型気圧計が125Paの圧力を示す圧力と使用した空気通過孔の面積より試料片を通過する通気量を各試料片毎に測定し、その平均値を通気度とするものである。
【0027】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布は、いわゆるスパンボンド法により効率的に生産することができる。すなわち、ポリアルキレンテレフタレートと鞘成分となる熱可塑性重合体とを各々準備し、これを加熱溶融して芯鞘型の紡糸口金を用いて溶融紡糸する。次いで、溶融紡出糸状を吸引装置にて牽引・細化した後に、移動式捕集面上に開繊しながら堆積して長繊維ウエブを形成する。
【0028】
牽引速度は3500〜5000m/分とすることが好ましい。この様に高速で紡糸することで、繊維構成重合体は良好に配向・結晶化し、機械的強度が高く寸法安定性に優れた長繊維不織布を得ることができる。捕集面上に繊維が堆積してなる長繊維ウエブは、熱エンボス装置に通して部分的に熱接着区域を形成し、掃除機フィルター用長繊維不織布を得る。本発明においては、長繊維が堆積してなるウエブに、ニードルパンチ等の積極的な三次元交絡処理を施すことはしない。
【0029】
得られた掃除機フィルター用長繊維不織布は、適宜の大きさに裁断して、裁断した長繊維不織布を2枚を重ねたり、また、1枚の長繊維不織布を二つ折にし、所定の部位をヒートシールすることで容易に袋状にすることができる。得られた袋の開口部に所定の形を有する環状等のプラスチック枠を、長繊維不織布の鞘成分を少なくとも溶融させてヒートシールすることにより取り付け一体化して、掃除機フィルターを得ることができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。また、実施例において使用する各物性値等の測定方法は次に示すとおりである。なお、ヒートシール強力(N/3cm)、圧縮剛軟度(N)、通気性(cc/cm2・秒)の測定方法については、前述したとおりである。
【0031】
(1)重合体の融点(℃):パ−キンエルマ−社製DSC−2型の示差走査型熱量計を用いて、昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱ピ−クの最大値を与える温度を融点とした。
【0032】
(2)ポリエチレン重合体のメルトフロ−レ−ト(MFR):ASTM D1238(L)に記載の方法で測定した。
【0033】
(3)不織布の目付(g/m2):標準状態の試料から縦10cm×横10cmの試料片を計10点作成し、平衡水分に到らしめた後、各試料片の質量(g)を秤量し得られた値の平均値を単位面積(m2)当たりに換算し目付(g/m2)とした。
【0034】
(4)不織布の引張強力(N/5cm幅):定速伸張型試験機(東洋ボ−ルドウイン製テンシロンUTM−4−100型)を用い、試料幅5cm、長さ20cmの試験片をつかみ間隔10cm、引張速度500mm/分の条件で測定し、測定個数10個の平均値から求めた。
【0035】
実施例1
芯成分としてポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、鞘成分としてポリエチレン(融点130℃ MFR24g/10分)を用意し、溶融押出機により押出し、芯鞘型複合紡糸口金により芯鞘型複合繊維を溶融紡糸し、3800m/分でエアサッカーにより牽引し、サクションコンベア上に堆積させて3.3デシテックスの長繊維が堆積してなる長繊維ウエブ(目付約70g/m2、約100g/m2)とした。次いで、エンボスロール(凸部の形状が六角形、熱圧接区域(凸部)の面積率14.9%)とフラットロールとからなる熱エンボス装置(ロール表面温度120℃に設定)に通して、部分的に熱接着区域を形成させて、本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布を得た。
【0036】
比較例1
実施例1において、鞘成分としてポリエチレンに代えて、イソフタル酸を共重合してなる共重合ポリエステル(融点230℃)としたこと、熱エンボス装置に通す際のロール表面温度を210℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。
【0037】
得られた実施例1、比較例1の長繊維不織布についての物性を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
実施例1、比較例1で得られた目付約100g/m2の長繊維不織布を裁断して、図1に示す形状のものをそれぞれ2枚得た。2枚の長繊維不織布を重ね合わせて、端部(2)をヒートシール(実施例1は140℃、比較例1は180℃)し、袋状物を得、次いで、ポリオレフィン系樹脂からなるプラスチック枠にはめ込み、開口部をヒートシールしてプラスチック枠と接着一体化して、掃除機フィルターを得た。得られた掃除機フィルターにおいて、実施例1により得られた長繊維不織布を用いた掃除機フィルターは、プラスチック枠と長繊維不織布とが良好に接着一体化したものであった。また、比較例1により得られた長繊維不織布を用いた掃除機フィルターは、長繊維不織布を手で引っ張るとプラスチック枠より一部外れてしまい、接着一体化性に劣るものであった。
【0040】
【発明の効果】
本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布は、芯鞘型長繊維が堆積し、部分的に熱接着区域を有することにより形態保持しているものであるので、繊維同士が積極的に交絡しているものでないため、掃除機フィルターとして使用の際に、フィルターが捕集した塵埃を容易に取り除くことが可能である。
【0041】
また、芯成分がポリアルキレンテレフタレートにより構成され、かつ、鞘成分が芯成分の融点より50℃以上低い融点を有する熱可塑性重合体で構成されているため、長繊維織布は、引張強力が高く、保型性に優れたものとなる。また、ヒートシール性に優れ、製袋化する際や保型のためのプラスチック枠との一体化をヒートシールにて効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の掃除機フィルター用長繊維不織布を裁断してなる一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:掃除機フィルター用長繊維不織布
2:端部(ヒートシール部)
Claims (4)
- 芯鞘型複合長繊維が堆積してなる不織布であり、芯成分はポリアルキレンテレフタレート系重合体からなり、鞘成分は芯成分の融点よりも50℃以上低い融点を有する熱可塑性重合体からなり、不織布は部分的に熱接着区域を有することにより形態を保持していることを特徴とする掃除機フィルター用長繊維不織布。
- 鞘成分がポリオレフィン系重合体であることを特徴とする請求項1記載の掃除機フィルター用長繊維不織布。
- 不織布のヒートシール強力が24.5N/3cm幅以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の掃除機フィルター用長繊維不織布。
- 請求項1から3のいずれかに記載の長繊維不織布が、ヒートシールによって袋状に加工され、かつ該袋の開口部には、樹脂枠が長繊維不織布のヒートシールにより取り付けられ一体化していることを特徴とする掃除機フィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002245741A JP2004081442A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 掃除機フィルター用長繊維不織布および掃除機フィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002245741A JP2004081442A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 掃除機フィルター用長繊維不織布および掃除機フィルター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004081442A true JP2004081442A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32053844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002245741A Pending JP2004081442A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 掃除機フィルター用長繊維不織布および掃除機フィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004081442A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006132058A (ja) * | 2004-11-09 | 2006-05-25 | Lintec Corp | 吸着フィルター原紙及びその製造方法 |
JP2018068726A (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-10 | 日立工機株式会社 | 集塵装置 |
-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002245741A patent/JP2004081442A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006132058A (ja) * | 2004-11-09 | 2006-05-25 | Lintec Corp | 吸着フィルター原紙及びその製造方法 |
JP4653458B2 (ja) * | 2004-11-09 | 2011-03-16 | リンテック株式会社 | 吸着フィルター原紙及びその製造方法 |
JP2018068726A (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-10 | 日立工機株式会社 | 集塵装置 |
JP7027680B2 (ja) | 2016-10-31 | 2022-03-02 | 工機ホールディングス株式会社 | 集塵装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6183536B1 (en) | Enhanced performance vacuum cleaner bag and method of operation | |
HU224280B1 (hu) | Szűrő, elsősorban porszívózsákhoz | |
JP5075679B2 (ja) | フィルタ不織布 | |
JP5080041B2 (ja) | エアフィルタ用濾材、それを用いた吹流し形フィルタ、並びにエアフィルタ用濾材の製造方法 | |
JP4905661B2 (ja) | フィルター用繊維積層体 | |
WO2009062016A1 (en) | Contamination control garments | |
JP3736014B2 (ja) | 積層不織布 | |
EP1258277B1 (en) | Vacuum cleaner bag | |
JP6133035B2 (ja) | 静電フィルター | |
JP2002302861A (ja) | 起毛様不織布、その製造法及びそれを用いた繊維製品 | |
JP6333436B2 (ja) | 静電フィルター | |
JP4900675B2 (ja) | エアフィルター用複合不織布 | |
JP4705401B2 (ja) | 羽毛回収袋用不織布 | |
JP2001248056A (ja) | 複合長繊維不織布およびそれからなるフィルター | |
JP2004081442A (ja) | 掃除機フィルター用長繊維不織布および掃除機フィルター | |
JP4142903B2 (ja) | 複合繊維不織布及びその複合不織布 | |
JP2000117025A (ja) | フィルター基材およびその製造方法ならびにマスク | |
JPH01107821A (ja) | 電気掃除機用集塵袋用紙 | |
JP2000271417A (ja) | 濾材シ−トおよびこれを用いたプリ−ツフィルタ− | |
JP4856365B2 (ja) | 掃除機用集塵袋体 | |
JP2003027360A (ja) | 不織布積層体 | |
JP2554259Y2 (ja) | 濾過布 | |
JP3404796B2 (ja) | 濾 材 | |
JP2003171862A (ja) | 長繊維不織布およびポリオレフィン系フィルム複合体 | |
JP4920151B2 (ja) | 電気掃除機用集塵袋 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050812 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080603 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20081028 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |