JP2004080565A - デジタル映像信号出力可能な電子内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】専用機器を設置することなく遠距離の周辺機器へ高画質のデジタル映像信号を送信する。
【解決手段】プロセッサ10に、プロセッサ10から分離可能な分離出力部25を設ける。ビデオスコープ40内のCCD41から読み出される画像信号に基づいて、デジタルシリアル映像信号を生成し、分離出力部25へ送る。そして、分離出力部25において、送られてきたデジタルシリアル映像信号に基づき、デジタルシリアル映像信号を含むデジタル映像信号、およびアナログ映像信号を出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】プロセッサ10に、プロセッサ10から分離可能な分離出力部25を設ける。ビデオスコープ40内のCCD41から読み出される画像信号に基づいて、デジタルシリアル映像信号を生成し、分離出力部25へ送る。そして、分離出力部25において、送られてきたデジタルシリアル映像信号に基づき、デジタルシリアル映像信号を含むデジタル映像信号、およびアナログ映像信号を出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子を有するビデオスコープ(電子内視鏡)によって胃などの器官を撮影し、モニタへ動画像を表示する電子内視鏡装置に関し、特に、デジタル映像信号を出力可能な電子内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子内視鏡装置においては、撮像素子から読み出される画像信号に基づいてデジタル映像信号を生成し、外部の周辺機器へデジタル映像信号をプロセッサから出力することが可能である(例えば、特許文献1参照)。デジタル映像信号を伝送することにより、信号劣化が伝送中に生じず、遠距離に設置したモニタに対しても、高画質の画像を表示することができる。周辺機器の側には、コンバータなどが設置され、伝送されたデジタル映像信号が周辺機器に対応する映像信号に変換される。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−157665号公報(第1図、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
周辺機器に対して必ずコンバータを設置しなければならず、映像関連機器の構成が複雑になる。また、それぞれ長い距離間隔で複数の周辺機器が遠距離に設置された場合、各周辺機器に高画質のデジタル映像信号を送ることができない。
【0005】
そこで本発明では、専用機器を設けることなく遠距離に設置された周辺機器へ高画質のデジタル映像信号を送信できる電子内視鏡装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子内視鏡装置は、撮像素子を有するビデオスコープと、ビデオスコープが接続されるプロセッサとを備えた電子内視鏡装置であって、撮像素子から読み出される画像信号に基づいて、輝度信号および色差信号を含むデジタルコンポーネント信号を生成する信号処理手段と、デジタルコンポーネント信号をデジタルシリアル映像信号に変換して出力する第1の出力手段と、デジタルシリアル映像信号を受信し、デジタルシリアル映像信号を出力するともに、アナログ映像信号およびデジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号に変換して出力可能な第2の出力手段とを備える。ただし、デジタルコンポーネント信号は、多重化されておらず、各色成分毎に独立した画像信号を示す。また、デジタルシリアル映像信号は、圧縮処理されていないシリアル信号であって、信号劣化のない高画質の映像を提供することが可能である。したがって、第1の出力手段と第2の出力手段との間は、信号劣化の少ない映像信号で信号伝送が行われる。本発明では、第1の出力手段がプロセッサ内に一体となって設けられ、第2の出力手段がプロセッサから分離可能であることを特徴とする。第2の出力手段は、ケーブル長さがプロセッサから遠く離れた場所(5m以上離れた場所)に設置される周辺機器にも対応可能であり、周辺機器の傍に必要に応じて設置される。
【0007】
プロセッサの出力部がプロセッサ本体から分離可能であるため、遠隔地に設置された周辺機器に対し、コンバータを設けることなく高画質の映像信号を送信することが可能となる。そして、第2の出力手段からNTSC信号などのアナログ映像信号、デジタル規格に応じたデジタル映像信号が出力可能であるため、周辺機器に適した映像信号を選択して送信することが可能である。また、第2の出力手段からデジタルシリアル映像信号が出力されるため、他の遠距離にある周辺機器にも高画質の映像信号を送ることができる。さらに、プロセッサの傍に設置することもできるため、プロセッサのフロント側に出力端子を向けるように第2の出力手段を設置することによって、ケーブル接続が容易になる。
【0008】
IEEE1394規格に応じたデジタル映像信号を出力するため、第2の出力手段は、受信したデジタルシリアル映像信号に基づいて、圧縮処理されたデジタル映像信号を出力可能であることが好ましい。また、IEEE1394以外の規格に従ったデジタル映像信号を出力してもよい。
【0009】
プロセッサの側に配置する周辺機器にも映像信号を送るため、第1の出力手段は、アナログ映像信号およびデジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号を出力可能であることが望ましい。
【0010】
遠隔地に設置された複数の周辺機器に対してそれぞれ高画質のデジタル映像信号を出力するため、プロセッサは、複数の分離可能な出力部を備えるのがよい。そのため、プロセッサは、デジタルシリアル映像信号を受信し、デジタルシリアル映像信号を出力するとともにアナログ映像信号、デジタル映像信号に変換し出力可能であって、プロセッサに対して分離可能であって第2の出力手段に対し直列的に接続される少なくとも1つの出力手段をさらに有することが好ましい。複数の出力部を直列的に接続することにより、デジタルシリアル映像信号を各周辺機器に送ることができる。
【0011】
本発明の電子内視鏡装置のプロセッサは、撮像素子を有するビデオスコープが接続される電子内視鏡装置のプロセッサであって、撮像素子から読み出される画像信号に基づいて、輝度信号および色差信号を含むデジタルコンポーネント信号を生成する信号処理手段と、デジタルコンポーネント信号をデジタルシリアル映像信号に変換して出力する第1の出力手段と、デジタルシリアル映像信号を受信し、デジタルシリアル映像信号を出力するとともにアナログ映像信号、デジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号に変換して出力可能な第2の出力手段とを備え、第1の出力手段がプロセッサ内に一体となって設けられ、第2の出力手段がプロセッサから分離可能であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を参照して実施形態である電子内視鏡装置について説明する。
【0013】
図1は、第1の実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。
【0014】
電子内視鏡装置では、ビデオスコープ40、プロセッサ10が備えられており、プロセッサ10に対し、ビデオスコープ40とともにプロセッサ10の傍にあるテレビモニタ21が接続されている。さらに、プロセッサ10から遠距離(5m以上)に設置されたモニタ50がプロセッサ10の分離出力部25を介して接続されている。分離出力部25はプロセッサ10の一部であり、プロセッサ10と一体となって使用可能であるが、遠距離に設置される周辺機器を使用する場合、プロセッサ10から分離されて使用される。なお、分離出力部25に対しては、プロセッサ10から電源供給してもよく、あるいは独自に電源供給してもよい。
【0015】
本実施形態では、カラーテレビジョン方式としてNTSC方式が適用されており、カラー撮像方式として面順次方式が適用されている。面順次方式に従ってプロセッサ10内に設けられた回転カラーフィルタ17は円盤状に形成されており、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各波長の波長の光をそれぞれ透過する、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ(図示せず)が、それぞれ扇状になって等間隔で配置されている。ただし、各色のフィルタ間には、遮光領域が設けられている。回転フィルタ17は、駆動モータ17Aにより駆動され、1フレームの操作時間に対応するように所定の回転数で回転する。
【0016】
光源ランプ16から放射された光は、回転フィルタ17および集光レンズ(図示せず)を介してLCB(ライトガイドファイババンドル)18の入射面18Aに入射し、出射面18Bから射出する。このとき、回転フィルタ17が回転することにより、R,G,B各色の光が順次被写体Sに照射する。被写体Sに照射した光が反射するとことにより、R,G,B各色に応じた被写体像が対物レンズ(図示せず)を介して撮像素子であるCCD(Charge−Coupled Device)41に結像される。CCD41では、光電変換により、各色に応じた被写体像の画像信号が発生する。
【0017】
各色に応じた1フレーム分の画像信号は、CCDドライバ42によって順次読み出される。CCDドライバ42では、読み出された画像信号が増幅され、増幅された画像信号がプロセッサ10へ送られる。
【0018】
プロセッサ10内のCCDプロセス回路11では、R,G,Bに応じた画像信号に対し、A/D変換、ノイズ除去などの信号処理が施される。信号処理が施されたデジタル画像信号は、タイミング回路12へ出力される。
【0019】
タイミング回路12では、順次送られてくるR,G,Bそれぞれ1フレーム分の画像信号が、1画面として再現するため同期化される。回転フィルタ17の回転、CCDドライバ42における画像信号の読出し、プロセス回路11におけるA/D変換およびタイミング回路12における同期化は、タイミング回路12内にもうけられたタイミングジェネレータ(図示せず)から出力されるクロック信号に従って実行される。
【0020】
ビデオプロセス回路13では、R,G,B各色に応じたデジタル画像信号が、デジタルの輝度信号、色差信号に変換される。後述するように、デジタルの輝度信号、色差信号(デジタルコンポーネント信号)は、デジタル伝送するため様々なフォーマット形式のデジタル映像信号に変換され、外部へ出力される。また、ビデオプロセス回路13では、R,G,Bに応じたデジタル画像信号が、NTSC信号などのビデオ信号に変換される。ビデオ信号がテレビモニタ21へ出力されると、被写体Sの映像がテレビモニタ21に表示される。
【0021】
システムコントロール回路14は、プロセッサ10全体の動作を制御しており、回転フィルタ17を回転させるモータ17Aなど各回路へ制御信号を出力する。ペリフェラルドライバ15には、キーボード20、フロントパネルに設けられたフロントパネルスイッチボタン19の操作によって発生する操作信号が入力される。これらの操作信号はシステムコントロール回路14へ送られ、操作信号に基づいてシステムコントロール回路14から制御信号が出力される。
【0022】
ビデオスコープ40内のEEPROM43には、CCD41の特性などのデータが記憶されており、ビデオスコープ40がプロセッサ10に接続されると、スコープ特性データがシステムコントロール回路14によって読み出される。
【0023】
図2を用いて、ビデオプロセス回路13、および分離出力部25における信号処理について説明する。図2は、ビデオプロセス回路13、分離出力部25の詳細なブロック図である。
【0024】
ビデオプロセス回路13には、同期化されたR,G,B各色のデジタル画像信号が、それぞれデジタルフレームメモリ31R、31G、31Bに格納され、所定のタイミングで同期して読み出される。読み出されたR,G,Bの画像信号は、マトリクス(演算)回路35へ出力されるとともに、D/A変換器32R、32G、32Bに対しても出力される。
【0025】
D/A変換器32R、32G、32Bでは、R,G,Bのデジタル画像信号がアナログ変換され、これによりR,G,Bに応じたアナログ映像信号が生成される。アナログのR,G,Bのアナログ映像信号は、そのまま外部へ出力されるとともに、R,G,Bカラーエンコーダ33へ送られる。R,G,Bカラーエンコーダ33では、アナログのR,G,B映像信号が、輝度信号および色差信号を多重化したコンポジット信号に変換され、映像信号として外部に出力される。また、R,G,Bカラーエンコーダ33では、アナログのR,G,B画像信号がSビデオ信号に変換され、映像信号として外部に出力される。
【0026】
マトリクス回路35では、R,G,Bのデジタル画像信号が、デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb(=B−Y)、Cr(=R−Y)に変換される。輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crの標本化周波数の比は、それぞれ4対2対2となる。具体的には、輝度信号Yの標本化周波数fyは13.5MHzであり、色差信号Cb、Crの標本化周波数fcは、周波数fの半分の6.75MHzである。このとき、デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb,Crの1ライン分の有効サンプル数(画像を構成する画素の数)は、それぞれ720、360、360個であり、合計1440個となる。デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crは、マルチプレクサ36およびデジタル出力回路37へ送られる。なお、標本化周波数の比「4:2:2」は、デジタルTV規格に従って定められている。
【0027】
マルチプレクサ36では、デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crが、「Y1、Cb1、Y2、Cr1、Y3、Cb2、Y4、Cbr2・・・」という順に並べられ、1系統に多重化される。このとき、13.5×2=27MHzの周波数に従って多重化処理が実行される。そして、多重化された輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crに対し、同期ワード発生回路38から出力される同期ワードが付加される。すなわち、1ライン分の輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crのデータ列の前後に、同期ワードが付加される。多重化された輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crは、パラレル/シリアル変換器39へ送られる。
【0028】
多重化されたデジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crは、それぞれ10ビットのビット列からなり、ビデオプロセス回路13内において10本の信号線(バス)で伝送されている。パラレル/シリアル変換器39では、1ビットずつデジタル映像信号を外部へ出力するため、ビット列の最下位ビット(LSB)からのビットデータ読出しと最上位ビット(MSB)へ向けての右シフト演算とが交互に実行される。これにより、デジタル映像信号が、デジタルシリアル映像信号として分離出力部25へ送信される。
【0029】
一方、デジタル出力回路37では、デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crに基づいて、IEEE1394規格に応じた圧縮デジタル映像信号およびデジタルコンポジット映像信号が生成され、外部へ出力される。
【0030】
分離出力部25に入力されたデジタルシリアル映像信号は、そのまま外部へ出力されるとともに、シリアル/パラレル変換器26においてデジタルパラレル映像信号に変換される。そして、デジタルパラレル映像信号は、デジタルエンコーダ28およびデジタル出力回路27へ送られる。デジタルエンコーダ28では、デジタルパラレル映像信号がR,G,B信号、NTSCのコンポジット信号さらにはSビデオ信号といったアナログ映像信号に変換される。アナログ映像信号は、分離出力部25から外部へ出力される。一方、デジタル出力回路27では、デジタル出力回路37と同様に、様々なフォーマットのデジタル映像信号が生成され、外部へ出力される。
【0031】
このように本実施形態によれば、プロセッサ10から分離可能な分離出力部25が設けられており、パラレル/シリアル変換器39から出力されたデジタルシリアル映像信号が分離出力部25へ送信される。分離出力部25では、送られてきたデジタルシリアル映像信号に基づいて、様々なアナログ、デジタル映像信号が出力される。
【0032】
カラー撮像方式としては、面順次方式の代わりに単板同時式を適用してもよく、カラーテレビジョン方式としては、NTSC方式の代わりにPAL方式を適用してもよい。また、デジタル映像信号生成、出力過程における周波数は、上述した値に限定されない。
【0033】
次に、図3を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、2つの分離出力部がプロセッサに設けられている。
【0034】
図3は、第2の実施形態におけるプロセッサのビデオプロセス回路および分離出力部のブロック図である。複数の周辺機器にデジタルシリアル映像信号を送るため、プロセッサ10には内部構造が同一である2つの分離出力部25A、25Bが設けられており、分離出力部25A、25Bは、順に直列的に接続されている。分離出力部25A、25Bには、それぞれモニタ50A、50Bが接続される。なお、2つの分離出力部に限定せず、3つ以上の分離出力部を直列的に接続する構成にしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、専用機器を設置することなく遠距離の周辺機器へ高画質のデジタル映像信号を送信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。
【図2】ビデオプロセス回路、分離出力部の詳細なブロック図である。
【図3】第2の実施形態におけるビデオプロセス回路、分離出力部の詳細なブロック図である。
【符号の説明】
10 プロセッサ
13 ビデオプロセス回路
25 分離出力部(第2の出力手段)
27 デジタル出力回路
35 マトリクス回路
36 マルチプレクサ
37 デジタル出力回路
39 パラレル/シリアル変換器
40 ビデオスコープ
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子を有するビデオスコープ(電子内視鏡)によって胃などの器官を撮影し、モニタへ動画像を表示する電子内視鏡装置に関し、特に、デジタル映像信号を出力可能な電子内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子内視鏡装置においては、撮像素子から読み出される画像信号に基づいてデジタル映像信号を生成し、外部の周辺機器へデジタル映像信号をプロセッサから出力することが可能である(例えば、特許文献1参照)。デジタル映像信号を伝送することにより、信号劣化が伝送中に生じず、遠距離に設置したモニタに対しても、高画質の画像を表示することができる。周辺機器の側には、コンバータなどが設置され、伝送されたデジタル映像信号が周辺機器に対応する映像信号に変換される。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−157665号公報(第1図、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
周辺機器に対して必ずコンバータを設置しなければならず、映像関連機器の構成が複雑になる。また、それぞれ長い距離間隔で複数の周辺機器が遠距離に設置された場合、各周辺機器に高画質のデジタル映像信号を送ることができない。
【0005】
そこで本発明では、専用機器を設けることなく遠距離に設置された周辺機器へ高画質のデジタル映像信号を送信できる電子内視鏡装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子内視鏡装置は、撮像素子を有するビデオスコープと、ビデオスコープが接続されるプロセッサとを備えた電子内視鏡装置であって、撮像素子から読み出される画像信号に基づいて、輝度信号および色差信号を含むデジタルコンポーネント信号を生成する信号処理手段と、デジタルコンポーネント信号をデジタルシリアル映像信号に変換して出力する第1の出力手段と、デジタルシリアル映像信号を受信し、デジタルシリアル映像信号を出力するともに、アナログ映像信号およびデジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号に変換して出力可能な第2の出力手段とを備える。ただし、デジタルコンポーネント信号は、多重化されておらず、各色成分毎に独立した画像信号を示す。また、デジタルシリアル映像信号は、圧縮処理されていないシリアル信号であって、信号劣化のない高画質の映像を提供することが可能である。したがって、第1の出力手段と第2の出力手段との間は、信号劣化の少ない映像信号で信号伝送が行われる。本発明では、第1の出力手段がプロセッサ内に一体となって設けられ、第2の出力手段がプロセッサから分離可能であることを特徴とする。第2の出力手段は、ケーブル長さがプロセッサから遠く離れた場所(5m以上離れた場所)に設置される周辺機器にも対応可能であり、周辺機器の傍に必要に応じて設置される。
【0007】
プロセッサの出力部がプロセッサ本体から分離可能であるため、遠隔地に設置された周辺機器に対し、コンバータを設けることなく高画質の映像信号を送信することが可能となる。そして、第2の出力手段からNTSC信号などのアナログ映像信号、デジタル規格に応じたデジタル映像信号が出力可能であるため、周辺機器に適した映像信号を選択して送信することが可能である。また、第2の出力手段からデジタルシリアル映像信号が出力されるため、他の遠距離にある周辺機器にも高画質の映像信号を送ることができる。さらに、プロセッサの傍に設置することもできるため、プロセッサのフロント側に出力端子を向けるように第2の出力手段を設置することによって、ケーブル接続が容易になる。
【0008】
IEEE1394規格に応じたデジタル映像信号を出力するため、第2の出力手段は、受信したデジタルシリアル映像信号に基づいて、圧縮処理されたデジタル映像信号を出力可能であることが好ましい。また、IEEE1394以外の規格に従ったデジタル映像信号を出力してもよい。
【0009】
プロセッサの側に配置する周辺機器にも映像信号を送るため、第1の出力手段は、アナログ映像信号およびデジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号を出力可能であることが望ましい。
【0010】
遠隔地に設置された複数の周辺機器に対してそれぞれ高画質のデジタル映像信号を出力するため、プロセッサは、複数の分離可能な出力部を備えるのがよい。そのため、プロセッサは、デジタルシリアル映像信号を受信し、デジタルシリアル映像信号を出力するとともにアナログ映像信号、デジタル映像信号に変換し出力可能であって、プロセッサに対して分離可能であって第2の出力手段に対し直列的に接続される少なくとも1つの出力手段をさらに有することが好ましい。複数の出力部を直列的に接続することにより、デジタルシリアル映像信号を各周辺機器に送ることができる。
【0011】
本発明の電子内視鏡装置のプロセッサは、撮像素子を有するビデオスコープが接続される電子内視鏡装置のプロセッサであって、撮像素子から読み出される画像信号に基づいて、輝度信号および色差信号を含むデジタルコンポーネント信号を生成する信号処理手段と、デジタルコンポーネント信号をデジタルシリアル映像信号に変換して出力する第1の出力手段と、デジタルシリアル映像信号を受信し、デジタルシリアル映像信号を出力するとともにアナログ映像信号、デジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号に変換して出力可能な第2の出力手段とを備え、第1の出力手段がプロセッサ内に一体となって設けられ、第2の出力手段がプロセッサから分離可能であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を参照して実施形態である電子内視鏡装置について説明する。
【0013】
図1は、第1の実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。
【0014】
電子内視鏡装置では、ビデオスコープ40、プロセッサ10が備えられており、プロセッサ10に対し、ビデオスコープ40とともにプロセッサ10の傍にあるテレビモニタ21が接続されている。さらに、プロセッサ10から遠距離(5m以上)に設置されたモニタ50がプロセッサ10の分離出力部25を介して接続されている。分離出力部25はプロセッサ10の一部であり、プロセッサ10と一体となって使用可能であるが、遠距離に設置される周辺機器を使用する場合、プロセッサ10から分離されて使用される。なお、分離出力部25に対しては、プロセッサ10から電源供給してもよく、あるいは独自に電源供給してもよい。
【0015】
本実施形態では、カラーテレビジョン方式としてNTSC方式が適用されており、カラー撮像方式として面順次方式が適用されている。面順次方式に従ってプロセッサ10内に設けられた回転カラーフィルタ17は円盤状に形成されており、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各波長の波長の光をそれぞれ透過する、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ(図示せず)が、それぞれ扇状になって等間隔で配置されている。ただし、各色のフィルタ間には、遮光領域が設けられている。回転フィルタ17は、駆動モータ17Aにより駆動され、1フレームの操作時間に対応するように所定の回転数で回転する。
【0016】
光源ランプ16から放射された光は、回転フィルタ17および集光レンズ(図示せず)を介してLCB(ライトガイドファイババンドル)18の入射面18Aに入射し、出射面18Bから射出する。このとき、回転フィルタ17が回転することにより、R,G,B各色の光が順次被写体Sに照射する。被写体Sに照射した光が反射するとことにより、R,G,B各色に応じた被写体像が対物レンズ(図示せず)を介して撮像素子であるCCD(Charge−Coupled Device)41に結像される。CCD41では、光電変換により、各色に応じた被写体像の画像信号が発生する。
【0017】
各色に応じた1フレーム分の画像信号は、CCDドライバ42によって順次読み出される。CCDドライバ42では、読み出された画像信号が増幅され、増幅された画像信号がプロセッサ10へ送られる。
【0018】
プロセッサ10内のCCDプロセス回路11では、R,G,Bに応じた画像信号に対し、A/D変換、ノイズ除去などの信号処理が施される。信号処理が施されたデジタル画像信号は、タイミング回路12へ出力される。
【0019】
タイミング回路12では、順次送られてくるR,G,Bそれぞれ1フレーム分の画像信号が、1画面として再現するため同期化される。回転フィルタ17の回転、CCDドライバ42における画像信号の読出し、プロセス回路11におけるA/D変換およびタイミング回路12における同期化は、タイミング回路12内にもうけられたタイミングジェネレータ(図示せず)から出力されるクロック信号に従って実行される。
【0020】
ビデオプロセス回路13では、R,G,B各色に応じたデジタル画像信号が、デジタルの輝度信号、色差信号に変換される。後述するように、デジタルの輝度信号、色差信号(デジタルコンポーネント信号)は、デジタル伝送するため様々なフォーマット形式のデジタル映像信号に変換され、外部へ出力される。また、ビデオプロセス回路13では、R,G,Bに応じたデジタル画像信号が、NTSC信号などのビデオ信号に変換される。ビデオ信号がテレビモニタ21へ出力されると、被写体Sの映像がテレビモニタ21に表示される。
【0021】
システムコントロール回路14は、プロセッサ10全体の動作を制御しており、回転フィルタ17を回転させるモータ17Aなど各回路へ制御信号を出力する。ペリフェラルドライバ15には、キーボード20、フロントパネルに設けられたフロントパネルスイッチボタン19の操作によって発生する操作信号が入力される。これらの操作信号はシステムコントロール回路14へ送られ、操作信号に基づいてシステムコントロール回路14から制御信号が出力される。
【0022】
ビデオスコープ40内のEEPROM43には、CCD41の特性などのデータが記憶されており、ビデオスコープ40がプロセッサ10に接続されると、スコープ特性データがシステムコントロール回路14によって読み出される。
【0023】
図2を用いて、ビデオプロセス回路13、および分離出力部25における信号処理について説明する。図2は、ビデオプロセス回路13、分離出力部25の詳細なブロック図である。
【0024】
ビデオプロセス回路13には、同期化されたR,G,B各色のデジタル画像信号が、それぞれデジタルフレームメモリ31R、31G、31Bに格納され、所定のタイミングで同期して読み出される。読み出されたR,G,Bの画像信号は、マトリクス(演算)回路35へ出力されるとともに、D/A変換器32R、32G、32Bに対しても出力される。
【0025】
D/A変換器32R、32G、32Bでは、R,G,Bのデジタル画像信号がアナログ変換され、これによりR,G,Bに応じたアナログ映像信号が生成される。アナログのR,G,Bのアナログ映像信号は、そのまま外部へ出力されるとともに、R,G,Bカラーエンコーダ33へ送られる。R,G,Bカラーエンコーダ33では、アナログのR,G,B映像信号が、輝度信号および色差信号を多重化したコンポジット信号に変換され、映像信号として外部に出力される。また、R,G,Bカラーエンコーダ33では、アナログのR,G,B画像信号がSビデオ信号に変換され、映像信号として外部に出力される。
【0026】
マトリクス回路35では、R,G,Bのデジタル画像信号が、デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb(=B−Y)、Cr(=R−Y)に変換される。輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crの標本化周波数の比は、それぞれ4対2対2となる。具体的には、輝度信号Yの標本化周波数fyは13.5MHzであり、色差信号Cb、Crの標本化周波数fcは、周波数fの半分の6.75MHzである。このとき、デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb,Crの1ライン分の有効サンプル数(画像を構成する画素の数)は、それぞれ720、360、360個であり、合計1440個となる。デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crは、マルチプレクサ36およびデジタル出力回路37へ送られる。なお、標本化周波数の比「4:2:2」は、デジタルTV規格に従って定められている。
【0027】
マルチプレクサ36では、デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crが、「Y1、Cb1、Y2、Cr1、Y3、Cb2、Y4、Cbr2・・・」という順に並べられ、1系統に多重化される。このとき、13.5×2=27MHzの周波数に従って多重化処理が実行される。そして、多重化された輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crに対し、同期ワード発生回路38から出力される同期ワードが付加される。すなわち、1ライン分の輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crのデータ列の前後に、同期ワードが付加される。多重化された輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crは、パラレル/シリアル変換器39へ送られる。
【0028】
多重化されたデジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crは、それぞれ10ビットのビット列からなり、ビデオプロセス回路13内において10本の信号線(バス)で伝送されている。パラレル/シリアル変換器39では、1ビットずつデジタル映像信号を外部へ出力するため、ビット列の最下位ビット(LSB)からのビットデータ読出しと最上位ビット(MSB)へ向けての右シフト演算とが交互に実行される。これにより、デジタル映像信号が、デジタルシリアル映像信号として分離出力部25へ送信される。
【0029】
一方、デジタル出力回路37では、デジタルの輝度信号Yおよび色差信号Cb、Crに基づいて、IEEE1394規格に応じた圧縮デジタル映像信号およびデジタルコンポジット映像信号が生成され、外部へ出力される。
【0030】
分離出力部25に入力されたデジタルシリアル映像信号は、そのまま外部へ出力されるとともに、シリアル/パラレル変換器26においてデジタルパラレル映像信号に変換される。そして、デジタルパラレル映像信号は、デジタルエンコーダ28およびデジタル出力回路27へ送られる。デジタルエンコーダ28では、デジタルパラレル映像信号がR,G,B信号、NTSCのコンポジット信号さらにはSビデオ信号といったアナログ映像信号に変換される。アナログ映像信号は、分離出力部25から外部へ出力される。一方、デジタル出力回路27では、デジタル出力回路37と同様に、様々なフォーマットのデジタル映像信号が生成され、外部へ出力される。
【0031】
このように本実施形態によれば、プロセッサ10から分離可能な分離出力部25が設けられており、パラレル/シリアル変換器39から出力されたデジタルシリアル映像信号が分離出力部25へ送信される。分離出力部25では、送られてきたデジタルシリアル映像信号に基づいて、様々なアナログ、デジタル映像信号が出力される。
【0032】
カラー撮像方式としては、面順次方式の代わりに単板同時式を適用してもよく、カラーテレビジョン方式としては、NTSC方式の代わりにPAL方式を適用してもよい。また、デジタル映像信号生成、出力過程における周波数は、上述した値に限定されない。
【0033】
次に、図3を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、2つの分離出力部がプロセッサに設けられている。
【0034】
図3は、第2の実施形態におけるプロセッサのビデオプロセス回路および分離出力部のブロック図である。複数の周辺機器にデジタルシリアル映像信号を送るため、プロセッサ10には内部構造が同一である2つの分離出力部25A、25Bが設けられており、分離出力部25A、25Bは、順に直列的に接続されている。分離出力部25A、25Bには、それぞれモニタ50A、50Bが接続される。なお、2つの分離出力部に限定せず、3つ以上の分離出力部を直列的に接続する構成にしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、専用機器を設置することなく遠距離の周辺機器へ高画質のデジタル映像信号を送信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。
【図2】ビデオプロセス回路、分離出力部の詳細なブロック図である。
【図3】第2の実施形態におけるビデオプロセス回路、分離出力部の詳細なブロック図である。
【符号の説明】
10 プロセッサ
13 ビデオプロセス回路
25 分離出力部(第2の出力手段)
27 デジタル出力回路
35 マトリクス回路
36 マルチプレクサ
37 デジタル出力回路
39 パラレル/シリアル変換器
40 ビデオスコープ
Claims (5)
- 撮像素子を有するビデオスコープと、前記ビデオスコープが接続されるプロセッサとを備えた電子内視鏡装置であって、
前記撮像素子から読み出される画像信号に基づいて、輝度信号および色差信号を含むデジタルコンポーネント信号を生成する信号処理手段と、
前記デジタルコンポーネント信号をデジタルシリアル映像信号に変換して出力する第1の出力手段と、
前記デジタルシリアル映像信号を受信し、前記デジタルシリアル映像信号を出力するとともにアナログ映像信号、デジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号に変換して出力可能な第2の出力手段とを備え、
前記第1の出力手段が前記プロセッサ内に一体となって設けられ、前記第2の出力手段が前記プロセッサから分離可能であることを特徴とする電子内視鏡装置。 - 前記第2の出力手段が、受信した前記デジタルシリアル映像信号に基づいて、圧縮処理されたデジタル映像信号を出力可能であることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
- 前記第1の出力手段が、アナログ映像信号および前記デジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号を出力可能であることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
- 前記プロセッサが、前記デジタルシリアル映像信号を受信し、前記デジタルシリアル映像信号を出力するとともにアナログ映像信号、デジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号に変換し出力可能であって、前記プロセッサに対して分離可能であって前記第2の出力手段に対し直列的に接続される少なくとも1つの出力手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
- 撮像素子を有するビデオスコープが接続される電子内視鏡装置のプロセッサであって、
前記撮像素子から読み出される画像信号に基づいて、輝度信号および色差信号を含むデジタルコンポーネント信号を生成する信号処理手段と、
前記デジタルコンポーネント信号をデジタルシリアル映像信号に変換して出力する第1の出力手段と、
前記デジタルシリアル映像信号を受信し、前記デジタルシリアル映像信号を出力するとともにアナログ映像信号、デジタルシリアル映像信号以外のデジタル映像信号に変換して出力可能な第2の出力手段とを備え、
前記第1の出力手段が前記プロセッサ内に一体となって設けられ、前記第2の出力手段が前記プロセッサから分離可能であることを特徴とする電子内視鏡装置のプロセッサ。
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---|---|---|---|
JP2002240108A JP2004080565A (ja) | 2002-08-21 | 2002-08-21 | デジタル映像信号出力可能な電子内視鏡装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2006255109A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Olympus Corp | 内視鏡装置 |
JP2007275382A (ja) * | 2006-04-10 | 2007-10-25 | Pentax Corp | 電子内視鏡用プロセッサおよび電子内視鏡システム |
JP2008079937A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Fujifilm Corp | 画像処理装置、内視鏡装置、及び画像処理プログラム |
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-
2002
- 2002-08-21 JP JP2002240108A patent/JP2004080565A/ja active Pending
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