JP2004080135A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】DMAコントローラにより入出力機器⇔1次記憶部(バッファメモリ42)の転送動作と、1次記憶部⇔2次記憶部(HDD48)の転送動作(並行動作)とをそれぞれの最適条件で動作させる。その条件を設定するために利用するデータとして、入出力転送動作の実行状態(機器IDや並行動作であるか否か)を特定して、入出力機器⇔1次記憶部⇔2次記憶部における各転送過程における画像転送能力(速度)を計測し、管理する。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル複写機、ファクシミリ、プリンタ、イメージスキャナ、ネットワークファイルサーバ等の画像入出力機器、又はこれらのうちの複数の機能を備えたデジタル複合機等の画像処理装置に関し、入出力デジタル画像を扱う、主に作業用として装備される半導体メモリ等の比較的小容量の画像記憶部とこの記憶部と相互にデータ転送を可能にしたハードディスクドライブ(HDD)等の大容量の記憶装置(圧縮データ保存用)との間で行われるデータ転送を制御する手段を有した前記画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機のデジタル化が進むと共に画像メモリを応用した、加工、編集機能を持つ装置の開発が盛んに行われている。その中には、読取った原稿複数枚分の画像データを画像メモリに記憶することで、指定部数まとめてコピー出力し、仕分けの作業をなくす電子ソートという機能がある。全原稿の画像データを保持するため、そのままの画像データを半導体メモリに蓄積するには読取った原稿枚数分のデータ量に相当するメモリが必要になり、メモリコストが膨大になるという理由から、下記1〜3の方法が一般的に用いられる。
1. 半導体メモリ+蓄積(保存)用メモリの構成とし、蓄積用メモリとして半導体メモリより安価なハードディスク等の2次記憶装置を使用する。
2. 半導体メモリ+蓄積用メモリの構成とし、蓄積用メモリとして半導体メモリを使用し、圧縮処理を用いて画像データを圧縮し、1枚あたりのデータ量を減らすことでトータルのメモリ量を減らす。
3. デジタル複合機では、複数の画像入出力手段(イメージスキャナ、プリンタコントローラ、ファイルサーバ、FAXコントローラ等)が同一の画像メモリを共有する。
【0003】
上記のように構成される画像記憶部の画像メモリに対し、画像データの入出力を実行するためにはDMA(Direct Memory Access)データ転送方式を用いたメモリ制御コントローラ(以下「DMAコントローラ」或いは[DMAC」と記す)が使用されることが多い。DMAコントローラは、ディスクリプタと呼ばれるメモリ領域管理情報を基に画像メモリの特定の領域に対してデータの転送を行う。1画像が格納されるメモリ領域を複数のディスクリプタに分割してデータ転送を行うことも可能であり、例えば、画像メモリをリングバッファの形態で利用することにより、画像データの容量よりも少ないメモリ容量で画像データの入出力を行うことも可能にしている。
DMAコントローラを用いたメモリ制御では、各ディスクリプタにより指定されたデータ転送の進行状況(開始、終了)や、データ転送の実行タイミング制御(画像メモリ領域の途中でデータ転送を中断したり、再開する等)も可能であるため、DMAコントローラに接続された1次記憶部としての半導体メモリや、大容量の2次記憶装置のデータ転送のタイミング制御の自由度が高く、応用範囲が広い。
【0004】
上述のように蓄積(保存用)メモリとして半導体メモリより安価なハードディスク等の2次記憶装置を使用する場合、この種の記憶装置では、通常単一の装置に対して複数のデータ転送(データ書込み、読み出し動作)を行うことはできないため、DMAコントローラのディスクリプタを用いて2次記憶装置へのデータ転送単位を分割し、これを時分割に実行することで、複数のデータ転送動作をあたかも並行して実行しているようにすることが一般的である。
しかしながら、このような時分割処理を用いる場合、データ転送に要する時間が短くなることはないため、複写機やプリンタ等の画像形成装置のように画像データの入出力に要する時間を最短にすることが装置の生産性に影響を及ぼす場合には、時分割処理を行うことが逆に生産性の低下を招くところもある。
このようなことから、画像データを圧縮し、データ転送量を小さくしたり、データ転送速度の速い2次記憶装置を搭載して、2次記憶装置へのデータ転送に要する時間を短くするような構成を採っていた。また、従来では、メモリ制御の簡素化を図る理由からも積極的に時分割転送を行わずに、画像入出力手段を用いて行われる画像データ入出力動作と略同期して2次記憶装置をリソースとして占有してデータ転送を行う手段を用いていた。
ところで、従来用いられていた2次記憶装置は、画像入出力手段から半導体メモリへの画像データ転送速度に比較して、半導体メモリの画像データを2次記憶装置へ転送する速度が遅く、画像データの圧縮を行って2次記憶装置のデータ処理容量を小さくしても、これにより画像入出力手段−半導体メモリ間のデータ処理速度との差が大きく改善されることがなかったために、半導体メモリへの転送(データ圧縮等のデータ変換処理も含む)と、2次記憶装置へのデータ転送処理の転送タイミングの制御を独立にかつ最適に制御することによる画像形成装置の生産性の向上への貢献度はあまり高くなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の技術の進歩に伴い、ハードディスク等の大容量記憶装置のデータ転送速度の向上やデータ圧縮手段のデータ圧縮率および処理速度の向上は著しいものがある。このような大容量の記憶装置を2次記憶装置として接続可能とした記憶部を画像形成装置に組み込むと、接続される画像入出力手段のデータ入力、および出力速度と比較して、2次記憶装置に対するデータ転送速度が速い場合が考えられる。このため、複数の画像信号の入出力を同時に並行して実行可能な構成を有する場合には、2次記憶装置に対する画像信号データの入力(保存)、出力(読出し)の処理をいかに効率良く行うかが画像形成装置の生産性向上の課題となってくる。この課題への対応が必要なところにあって、画像形成装置に接続される画像入出力手段も多様を極めている状況では、従来のような、画像データ入出力動作と略同期して2次記憶装置をリソースとして占有してデータ転送を行うメモリ制御では、記憶装置やデータ圧縮手段の能力を最大限に利用して生産性を確保することが困難である。
本発明は、このような従来技術の状況に鑑みてなされたもので、その目的は、画像入出力に対しバッファとして機能する第1記憶部を介して入力画像を第2記憶部へ保存し、第2記憶部から保存された画像を第1記憶部を介して出力する転送動作を行うために、第1記憶部及び第2記憶部を制御する記憶部制御手段を有する画像処理装置おいて、画像入出力に伴って行われる記憶処理の実行状態(入出力が並行動作であるか、否か、或いは利用する画像入出力手段や記憶部の追加、変更による機器の変動、等)に対応して最適な効率で画像入出力を行うために、記憶部に対するリソースの取得、開放の管理と、データ転送動作の制御に用いる基礎データを取得する手段を備え、高い生産性の確保を図ることが可能な画像処理装置を提供することにある。
【0006】
また、上記目的の下に取得する基礎データを、画像処理装置が有する記憶部の変更といった装置構成の変更に影響されることのない、共通の制御手段を用いることを可能にするデータとすることを必要条件とする。即ち、上記画像処理装置において画像保存用の第2記憶部を装置に接続する場合、画像処理装置の種類(生産性のレベルや機能(接続される画像入出力手段の数や性能)、価格等)に応じて記憶容量や処理速度の異なる記憶装置を選択する場合がある。このとき、選択された記憶装置の構成毎に固有な制御(ソフトウェア)を実施する必要が生じると、基本的な構成が共通の記憶装置を搭載しているにも関わらず、画像処理装置の種類に応じて個々に制御手段の設計が必要となってしまうため、画像処理装置の開発効率の向上を妨げる要因となる。本発明では、共通の構成を有する記憶装置に対して、画像処理装置の構成に関係無く、共通の制御を行うための手段を提供することを目的とする。その手段として画像処理装置に接続される画像入出力手段と第1の記憶部の間の性能、第1、第2の各記憶部の間の性能を表すデータを画像信号の転送能力という共通の特性値によって管理し、特に画像の入出力複数処理を同時に実行(並行処理)可能な場合のデータ転送能力を最大にするために利用可能とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、画像入力手段からの画像入力、画像出力手段への画像出力に対しバッファとして機能する第1記憶部と、入力画像を第1記憶部を介して保存する第2記憶部と、入力画像の第2記憶部への保存、第2記憶部から保存された画像の出力を行うために第1記憶部及び第2記憶部を制御する記憶部制御手段とを有する画像処理装置であって、前記記憶部制御手段を入力画像の第2記憶部への保存、第2記憶部から保存された画像の出力の複数処理を同時に実行可能な手段とし、記憶・保存処理における実行状態を認識する手段と、認識された実行状態における画像転送能力を、画像入力手段から第2記憶部への転送、第2記憶部から画像出力手段への転送のそれぞれについて計測する手段と、計測されたデータを保存する手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、前記計測データを保存する手段に、異なる実行状態においてそれぞれ得られた画像転送能力データを実行状態に対応させて個別に保存するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理装置において、前記計測データを保存する手段に保存された画像転送能力データを無効にする手段を設けるようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載された画像処理装置において、画像入力手段、画像出力手段の少なくとも一つが変更された場合に、前記画像転送能力データを無効にする手段を機能させるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3に記載された画像処理装置において、記憶処理に関係する手段の利用条件の設定が変更された場合に、前記画像転送能力データを無効にする手段を機能させるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の画像処理装置を添付する図面を参照して示す以下の実施例に基づき説明する。
図1は、本発明の画像処理装置をデジタル複写機に実施した例を示す概略構成図である。図1を参照して、読み取り部20の読み取りプロセス、像形成部30の像形成プロセスを説明する。
読み取りプロセスでは、原稿を原稿台21に沿って可動な露光ランプ22によってスキャン露光し、その反射光をCCD(イメージセンサー)23によって光電変換を行い、光の強弱に応じた電気信号とする。IPU(イメージプロセッシングユニット)24により、その電気信号をシェーディング補正等の処理を行い、A/D変換し、8ビットのデジタル信号とし、さらに変倍処理、MTF補正、空間フィルタ処理、γ補正処理、ディザ処理等の画像処理を行い、画像同期信号と共に画像信号を像形成部30に送る。
図2は、原稿台21を上方から見た図である。同図中の走査方向に示すように、CCD23により主走査、スキャナーの移動により副走査が行われ原稿をラスタ形式で読み取る。スキャナー制御部25は、上記読み取りプロセスを実行するために、各種センサーの検知、スキャン駆動モータ等の制御を行い、また、IPU24に各種制御・処理パラメータの設定を行う。
【0013】
像形成プロセスでは、帯電チャージャ32によって一様に帯電された一定回転する感光体33を、書込部31からの画像データによって変調されたレーザー光により露光する。感光体33には静電潜像ができ、それを現像装置34によりトナーで現像することにより顕像化したトナー像となる。あらかじめ給紙コロ15によって給紙トレイ16より給紙搬送されレジストローラ14で待機していた転写紙を、感光体33とタイミングを図って搬送し、転写チャージャ35によって感光体33上のトナーを転写紙に静電転写し、分離チャージャー36によって転写紙を感光体33より分離する。その後、転写紙上のトナー像を定着装置13により加熱定着し、排紙ローラ12により排紙トレイ11に排紙する。一方、静電転写後の感光体33に残留したトナー像は、クリーニング装置37が感光体33に圧接、除去し、感光体33は除電チャージャ38により除電される。プロッタ制御部39は以上のプロセスを実行するために、各種センサーの検知、駆動モータ等の制御を行う。
【0014】
ここで、読み取り部20のIPU24より出力される画像同期信号の様子を示す図3を参照して、各画像同期信号とその関係を説明する。
フレームゲート信号(/FGATE)は副走査方向の画像エリアに対しての画像有効範囲を表す信号でこの信号がローレベル(ローアクティブ)の間の画像データが有効とされる。また、この/FGATEは、ライン同期信号(/LSYNC)の立ち下がりエッジでアサート、あるいはネゲートされる。
/LSYNCは、画素同期信号(PCLK)の立ち上がりエッジで所定クロック数(この例では、8CLK)だけアサートされ、この信号の立ち上がり後、所定クロック数(この例では、8CLK)後に、主走査方向の画像データが有効とされる。送られてくる画像データは、PCLKの1周期に対して1つであり、図2の矢印部分より400DPI相当に分割されたものである。画像データは矢印部分を先頭にラスタ形式のデータとして送出される。また、画像データの副走査有効範囲は、通常、転写紙サイズによって決まる。
【0015】
システム制御部1は、複写機全体を制御するための制御システムを構成し、オペレータによる操作部7への入力状態を検知し、読み取り部20、記憶部4、像形成部30、FAX部9への各種パラメータの設定、プロセス実行指示等を、通信にて行う。設定するパラメータには、各制御部への制御動作条件を設定するパラメータが含まれ、本発明と関係の深い記憶部4のメモリ制御部43(後記で詳述)へもその設定コマンドを送信する。また、システム制御部1は、装置を正常な状態に保つために必要な装置状態や装置と関連する入出力装置に関する情報、等を取得し、管理する。この管理情報は、装置の各部に設定するパラメータを生成したり、プロセス実行指示等を与えるための基礎になるデータとしても用いられる。
また、システム全体の状態を操作部7にて表示する。システム制御部1への指示はオペレータの操作部7へのキー入力にてなされる。
FAX部9は、システム制御部1からの指示により、送られてきた画像データをG3、G4FAXのデータ転送規定に基づき2値圧縮を行い、電話回線へ転送する。また、電話回線よりFAX部9に転送されたデータは復元されて2値の画像データとされ、像形成部30の書込部31へ送られ顕像化される。
セレクタ部5は、システム制御部1からの指示により、セレクタの状態を変化させ、像形成を行う画像データのソースを読み取り部20、記憶部4、FAX部9の何れかより選択する。
記憶部4は、通常はIPU24から入力される原稿の画像データを記憶することで、リピートコピー、回転コピー等の複写アプリケーションに使用される。また、FAX部9からの2値画像データを一時記憶させるバッファメモリとしても使用する。これらデータ記憶の指示は、システム制御部1によってなされる。
【0016】
図4は、記憶部4の構成を示すブロック図である。以下に、図4を参照して各ブロック毎にその機能を説明する。
<メモリ制御部43>
メモリ制御部43はCPU及びロジックで構成され、システム制御部1と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じて動作条件を設定し、また、記憶部4の状態を知らせるためステータス情報をシステム制御部1に送信する。
システム制御部1からの動作コマンドには、画像入力、画像出力、圧縮、伸長等があり、画像入力、画像出力のコマンドは、画像入出力DMAC41(後述)に、圧縮関連のコマンドは画像転送DMAC44(後述)、符号転送DMAC45(後述)、圧縮伸長器46(後述)に送信される。
<画像入出力DMAC41>
画像入出力DMAC41は、CPU及びロジックで構成され、メモリ制御部43(後述)と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じて動作条件を設定し、また、画像入出力DMAC41の状態を知らせるためのステータス情報をメモリ制御部43に送信する。画像入力のコマンドを受けた場合、入力画像データを入力画像同期信号に従って8画素単位のメモリデータとしてパッキングして、メモリ制御部43にメモリアクセス信号と共に随時出力する。画像出力のコマンドを受けた場合、メモリ制御部43からの画像データを出力画像同期信号に同期させて出力する。なお、DMACのディスクリプタアクセス動作については後述する。
<画像メモリ42>
画像メモリ42は、画像データを記憶するところで、DRAM等の半導体記憶素子で構成され、メモリ量の合計は、例えば、600DPI、2値画像データのA3サイズ、2面分の18Mバイトと、データ圧縮用メモリ9Mバイトの合計27Mバイトとしている。メモリ制御部43から読み出し、書き込みの制御を行なう。画像入出力手段に対しバッファとして機能する1次記憶部(第1記憶部)を構成する。
【0017】
<画像転送DMAC44>
画像転送DMAC44は、CPU及びロジックで構成され、メモリ制御部43と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じて動作条件を設定し、また、画像転送DMAC44の状態を知らせるためのステータス情報をメモリ制御部43に送信する。圧縮のコマンドを受けた場合、メモリ制御部43にメモリアクセス要求信号を出力し、メモリアクセス許可信号がアクティブの場合に画像データを受け取って圧縮伸長器46(後述)に転送する。また、メモリアクセス要求信号に応じてカウントアップするアドレスカウンタを内蔵し、変換された画像データが一時格納される格納場所を示す22ビットのメモリアドレスを出力する。なお、DMACのディスクリプタアクセス動作については後述する。
<符号転送DMAC45>
符号転送DMAC45は、CPU及びロジックで構成され、メモリ制御部43と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じて動作条件を設定し、また、符号転送DMAC45の状態を知らせるためステータス情報をメモリ制御部43に送信する。伸長のコマンドを受けた場合、メモリ制御部43にメモリアクセス要求信号を出力し、メモリアクセス許可信号がアクティブの場合に画像データを受け取って圧縮伸長器46(後述)に転送する。また、メモリアクセス要求信号に応じてカウントアップするアドレスカウンタを内蔵し、変換された画像データが一時格納される格納場所を示す22ビットのメモリアドレスを出力する。なお、DMACのディスクリプタアクセス動作については後述する。
<圧縮伸長器46>
CPU及びロジックで構成され、メモリ制御部43と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じて動作条件を設定し、また、圧縮伸長器46の状態を知らせるためステータス情報をメモリ制御部43に送信する。2値データをMH(Modified Huffman)符号化方法にて処理する。
<HDDコントローラ47>
CPU及びロジックで構成され、メモリ制御部43と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じて動作条件を設定し、また、HDDコントローラ47の状態を知らせるためステータス情報をメモリ制御部43に送信する。HDD48のステータス情報のリード、データ転送を行なう。
このHDDコントローラ47は、ディスクリプタ方式を用い、圧縮変換後の符号データをHDD48へ送信することもできる。
<HDD48>
2次記憶部(第2記憶部)でハードディスクである。このHDDは、画像メモリ42を介し、入力された画像を圧縮し符号データとした後、或いは圧縮無しで、保存することができる大容量記憶装置であり、HDDコントローラ47からの指示により、符号(画像)データを内部のハードディスク(HD)に書き込んで保存させる動作と、保存した符号データを読み出してHDDコントローラ47へ送出する動作とを行う。
【0018】
図5は、メモリ制御部43の内部構成を示すブロック図である。以下に、図5を参照して各ブロック毎にその機能を説明する。
<入出力画像アドレスカウンタ435>
画像入出力DMAC41からの入出力メモリアクセス要求信号に応じてカウントアップするアドレスカウンタで、入出力画像データが格納される格納場所を示す22ビットのメモリアドレスを出力する。メモリアクセス開始時にアドレスはいったん初期化される。
<転送画像アドレスカウンタ437>
転送メモリアクセス許可信号に応じてカウントアップするアドレスカウンタで、転送画像データが一時格納される格納場所を示す22ビットのメモリアドレスを出力する。メモリアクセス開始時にいったんアドレスは初期化される。
<ライン設定部431>
画像入力時のバッファとして画像(半導体)メモリ42を使用する場合、差分比較部432(後述)で差分算出部430(後述)から出力された入力処理ラインと転送ラインの差分結果と比較する値を設定する。システム制御部1から任意の値が設定される。
<差分算出部430>
画像入力時には、圧縮伸長器46が出力する転送処理ライン数から画像入出力部が出力する入出力処理ライン数を減算し、結果を差分比較部432に出力する。
<差分比較部432>
画像入力時には、差分算出部430が出力する差分ライン数と、ライン設定部が出力する設定値とを大小比較し、差分ライン数=設定値となったならばエラー信号を出力し、また、差分ライン数が0となったならばアービタ434(後述)に出力する比較結果の転送要求マスク信号をアクティブとする。それ以外、または入出力画像が動作中でない状態では、アクティブを出力しない。
【0019】
<アドレスセレクタ436>
アービタ434により選択されるセレクタで、入出力画像または転送画像のアドレスのどちらが選択される。
<アービタ434>
画像入出力DMAC41、画像転送DMAC44、符号転送DMAC45からのメモリアクセス要求信号を調停し、アクセス許可信号を出力する。リフレッシュ制御回路を内蔵し、優先順位はリフレッシュ、画像入出力DMAC、画像転送DMAC、符号転送DMACの順で、メモリアクセスが非アクティブの条件で許可先にはメモリアクセス許可信号をアクティブ出力する。また、許可信号を出力すると共に画像メモリ42のアドレスをセレクトし、アクセス制御回路438(後述)にメモリアクセスのスタートを示すトリガ信号を出力する。
<要求マスク433>
差分比較部432からの比較結果にて圧縮伸長器46のアクセスのための転送メモリアクセス要求信号をマスク(ディスイネーブル状態とすること)し、転送処理を停止させる。
<アクセス制御回路438>
入力される物理アドレスをアクセス制御回路438からの信号により半導体メモリであるDRAMに対応したロウアドレス、カラムアドレスに分割し11ビットのアドレスバスに出力する。また、アービタ434からのアクセス開始信号に従い、DRAM制御信号(RAS、CAS、WE)を出力する。
【0020】
記憶部4全体の動作としては、画像データ入出力、及び画像データ保存に際しては、システム制御部1からの指示をうけるメモリ制御部43により、画像メモリ42にバッファリングされる入出力画像及び中間画像(入出力画像以外の中間操作段階にある画像)の転送処理を受け持つそれぞれのDMACに命じて、該バッファメモリ42への書き込み、読み出しを行うことにより、画像入出力手段に対する画像の入出力動作、HDD48への画像の保存動作を行う。以下に、画像入力時のDMACの動作を例示する。なお、各DMACにおける制御動作は、下記に例示したと同様に行うことが可能である。
画像入力指示により、メモリ制御部43は初期化され、画像データの待ち状態となり、読み取り部20のスキャナが動作することにより記憶部4に画像データが入力される。入力された画像データは一旦画像メモリ42に書き込まれる。また、書き込まれた画像データの処理ライン数は画像入出力DMAC41で計数され、メモリ制御部43へと入力される。圧縮伸長器46は、画像転送のコマンドを受けて転送メモリアクセス要求信号を出力しているが、メモリ制御部43の要求マスク部433により要求信号がマスクされ、実際のメモリアクセスは行われていない。画像入出力部からの入力データが1ライン終了することで、転送メモリアクセス要求信号のマスクが解除され、半導体メモリ42の読み出しが行われ画像データの圧縮伸長器46への転送動作が開始される。また、動作中も差分算出部430で2つの処理ライン数の差を算出し、0となればアドレスの追い越しがない様に転送メモリアクセス要求信号にマスクをかけている。以上の動作により、画像メモリ42に対する書き込み・読み出しに応じた転送制御が行われる。
【0021】
ここで、ビデオ入力DMAC41(画像入出力DMAC41)の画像メモリ42に対するディスクリプタアクセス動作、及びデータ転送動作を説明する。
図6は、ディスクリプタの形式とディスクリプタによる転送動作を説明するための模式図である。図6を参照すると、図中の画像データは、バンド1〜4の4つのバンドに分割されており、各バンドで設定されているライン数の画像データを各々のディスクリプタ1〜4の指示に従って転送する。
1画像中の総転送ライン数を加算する手順を説明すると、まず、ビデオ入力DMAC41が転送コマンドを受けるとDMAが起動し、あらかじめ内部のディスクリプタ格納レジスタにCPUによって設定されたチェーン先アドレス(a)にディスクリプタ1をリードアクセスし、半導体メモリ42中のディスクリプタ1の内容をディスクリプタ格納レジスタにロードする。そのロードされた内容には、4ワードで構成されており、次のディスクリプタの格納アドレスを示すチェーン先アドレス、転送するデータの先頭アドレスを示すデータ格納先アドレス、転送するデータのデータ量をライン数で示すデータ転送ライン数、及び設定されたライン数転送が終了した場合、CPU割り込みを発生するか否かのフォーマット情報がある。フォーマット情報の最下位ビットには、設定されたライン数転送終了の場合にCPU割り込みを発生させるかさせないかを表わすビットが配置されている。“1”でCPU割り込みを発生、“0”でCPU割り込みをマスクする。
図6の例では、1画像を4つのバンドに分割して、4つのディスクリプタのこのフォーマット情報の最下位ビットには1から4まで順に、“1、1、1、1”となっている。各バンドの画像データ転送が終了するとCPU割り込みが発生し、その割り込み発生により、各ディスクリプタに設定されているライン数を加算することにより転送終了タイミング、及びライン数を検出しながら1次記憶部としての画像メモリ42に画像の転送を行う。
【0022】
上記のようにして、画像入力時には、画像(ビデオ)入力DMAC41により入力画像を一旦1次記憶部としての画像メモリ42に格納し、その後、2次記憶装置(2次記憶部)としてのHDD48に保存するために転送される。本実施例では、入力画像に対して圧縮処理を施し、圧縮後のデータを2次記憶部に保存する。このため、本実施例では、画像メモリ42に保持されている入力画像を画像転送DMAC44により圧縮伸長器46に送り込み、そこで圧縮処理が施された後の符号化された中間画像データは、符号転送DMAC45により画像メモリ42に設けた変換データを格納するバッファ領域に転送する。この後、バッファ領域からさらに2次記憶部へ転送する。
また、画像出力時には、符号化データで2次記憶部としてのHDD48に保存されている画像を、入力画像を保存する上記した保存時の流れとは逆に、圧縮伸長器46で原画像に戻した後、1次記憶部としての画像メモリ42を経由して出力する。
これらの入力時及び出力時の画像データの転送を行う場合に、従来では画像データの入出力動作と略同期して、2次記憶部(HDD)をリソースとして占有して入出力画像データの転送を行うメモリ制御を行っていた。つまり、画像入出力手段の記憶部4(実際には入出力画像をバッファリングする1次記憶部としての画像メモリ42)に対する画像データ転送に必要な時間にわたり1次、2次の各記憶部を占有して転送を行っていた。従って、入出力側の画像データ転送速度が1次記憶部(画像メモリ42)と2次記憶部(HDD48)の間の転送速度よりも速い場合、2次記憶部の能力をいっぱいに利用することができる。ところが、入出力側の画像データ転送が1次記憶部と2次記憶部の間の転送速度よりも遅い場合、2次記憶部の能力をいっぱいに利用することができないということになる。
【0023】
そこで、本発明では、2次記憶部へのデータ転送を並行動作させる手段、即ち、DMAコントローラのディスクリプタを用いて2次記憶部へのデータ転送単位を分割し、これを時分割に行うことにより、複数のデータ転送の並行動作を実行する手段を用いる。DMAによる並行動作では、入出力側の1次記憶部(画像メモリ42)の転送動作と1次記憶部(画像メモリ42)−2次記憶部(HDD48)間の転送動作(並行動作)を独立に最適条件で動作させることが可能で、このようにしてそれぞれの記憶部を最も高い効率で利用するができるようにするものである。
また、記憶部を最も高い効率で利用するためには、画像入出力手段、1次、2次の各記憶部の性能を知り、その性能に基づいて最適な並行動作条件を設定する必要がある。ところで、各記憶部の性能を表すデータは、これまで選択された記憶装置の構成毎に固有な制御(ソフトウェア)を実施する必要が生じるようなデータとして提供されており、開発の効率を阻害することがあった。
こうした問題点を解消するために、本発明では、この性能を画像転送能力という共通の特性値即ち画像入出力手段−1次記憶部(画像メモリ42)間及び1次記憶部(画像メモリ42)−2次記憶部(HDD48)間のそれぞれの画像転送能力によって表すようにする。
【0024】
さらに、本発明では、この画像転送能力が入出力時の転送に関係する画像入出力手段及び各記憶部が異なる場合、さらに転送動作を並行動作で行うか、否かによっても、それぞれ異なる転送能力値を示すことから、画像入出力手段及び各記憶部として特定の手段(デバイス)を用いて特定の動作を実行するときに、実際にそのときの画像転送能力を転送速度という値として計測し、計測したデータを上記した転送制御の最適化を図るためのデータとして利用可能とする。
従って、記憶部4における動作の実行状態を特定して、その状態における画像転送能力を計測し、取得した計測データを管理可能な状態で保存する。
本実施例では、実行状態は、使用する画像入出力手段及び各記憶部を特定し、画像入力時における画像入力手段→1次記憶部(画像メモリ42)→2次記憶部(HDD48)という流れ、及び画像出力時における2次記憶部(HDD48)→1次記憶部(画像メモリ42)→画像出力手段という流れを並行動作で実行したか、否かにより特定する。ここに、画像入出力手段の特定は、適用する処理システムが複数の画像入出力手段によりこの画像処理装置を共用するシステム構成であるとき、或いは単数であっても画像入出力手段が変更されることを考慮して、それぞれの機器(デバイス)をIDで管理する。なお、記憶部についても、変更に対応するために同様に管理することができるが、この実施例では省略している。
【0025】
このようにして特定された実行状態において、記憶部を最も高い効率で利用するための特性値として、
(1) 画像入力手段→1次記憶部(画像メモリ42)
(2) 1次記憶部(画像メモリ42)→2次記憶部(HDD48)
(3) 2次記憶部(HDD48)→1次記憶部(画像メモリ42)
(4) 1次記憶部(画像メモリ42)→画像出力手段
の各転送過程における画像転送能力を計測し、保存する。
図7は、本実施例の処理システムにおける画像転送の実行状態を説明するための画像の流れを示す概略図である。
図7を参照すると、図示の処理システムでは、画像入力手段として入力機器1,2の2台が、又画像出力手段として出力機器1,2の2台が画像処理装置に接続されている。また、画像入出力手段は、各機器に付与された固有の機器IDにより特定できるようにしておく。
上記した転送過程(1)〜(4)を図7の矢印で示す流れで示すと、
転送過程(1): <1>(<2>) → <5>
転送過程(2): <7> → <9>
転送過程(3): <10> → <6>
転送過程(4): <8> → <3>(<4>)
となる。
【0026】
次に、システム制御部により実行する上記した画像転送能力値の取得・管理処理についてその実施例を説明する。
本実施例では、上記した転送過程(1)〜(4)における画像転送能力を計測し、取得した計測データを管理可能な状態で保存する処理(本例では“入出力機器管理処理”という)を行うが、この処理は実行状態を特定して行う。また、本実施例では、この管理処理を必要と考えられる適当なタイミングで出される処理要求が発生したときに実行可能とする。
ここでは、実行状態を機器ID(使用する画像入出力手段に固有の識別情報)を特定することを一条件として認識するので、認識結果に従って、管理の対象とすべき入出力機器(即ち既に管理されている機器)に対してこの“入出力機器管理処理”を行うようにする。管理の対象とすべき入出力機器であるか、否かは、入出力機器を本装置に接続したときにその機器IDを確認し、管理情報として保存しているので、その情報を用いる。
図8は、入出力機器を特定して行うこの管理処理のフロー図を示す。
図8を参照すると、接続している入出力機器全部を入出力機器管理処理の対象にするために、機器IDが存在するだけループするフローとしており、先ず、接続された1入出力機器の機器IDを取得し、このIDが管理の対象とする機器のIDと一致するか、否かを管理情報の各機器ID(なお、図7の例では、入出力機器が各2つづつ存在するケースである)に当たってチェックする(S81)。
このチェックの結果、IDが一致する場合(S81−YES)、入出力機器管理処理を行い(S84)、その後このフローによる処理を終了する。他方、IDが一致しない場合(S81−NO)、次の管理情報のIDを当たり(S82,S83)、一致するまでループするが、対象とする機器のIDと一致しない場合には(S82−YES)、対象外であるから処理を行わずにフローを終了する。
このように入出力機器をID管理することで、複数の入出力機器の実行状態、転送速度を管理することが可能となる。
また、取得した入出力機器のIDが管理の対象とする機器のIDと一致しない場合、既に保存されている画像転送能力値の結果は保証されないので、この管理データを無効にする必要がある。図8のフローにおいて、機器IDの不一致でこの管理処理(S84)を実行しないので、当該管理データの無効化が可能になる。なお、図8のフローに示していないが、この管理処理(S84)を実行する前に、入出力機器のIDが一致しても、その他の記憶処理に関係する手段が変更されたり、利用状況が変更されることにより実行状態が変更されるケースもあるので、そのケースに対するチェックを掛けて、入出力機器のIDによるチェックと同様に当該管理データの無効化を図るようにする。
【0027】
次に、上記した図8においてサブルーチンとして行う入出力機器管理処理(S84)について説明する。
図9は、本実施例に係わる入出力機器管理処理のフロー図を示す。
入出力機器管理処理は、実行状態を特定して、上記した転送過程(1)〜(4)における画像転送能力を計測し、取得した計測データを管理可能な状態で保存する処理を行うが、本実施例では、実行状態の取得処理、取得した実行状態によるデータの更新処理、転送速度の取得処理、取得した転送速度によるデータの更新処理からなる一連の処理ステップによりこれを実行する。
こうした一連の入出力機器管理データの取得・更新処理を必要と考えられる適当なタイミングで出される処理要求に従い実行するが、実行する処理は個別に出される要求に応えて行うことができるようにする。従って、図9に示すように、この管理処理のフローでは、実行状態取得要求(S91)、実行状態更新要求(S93)、転送速度取得要求(S95)、転送速度更新要求(S97)をサポートし、各要求に対する応答処理として、実行状態取得処理(S92)、実行状態更新処理(S94)、転送速度取得処理(S96)、転送速度更新処理(S98)をそれぞれ行う。
例えば、現時点の実行状態を特定して画像転送能力(転送速度)を管理データとして保存するという要求を行うと、実行状態取得処理(S92)、実行状態更新処理(S94)、転送速度取得処理(S96)、転送速度更新処理(S98)を全て実行して、データを更新する。また、入出力機器管理処理に対し、実行状態の取得と更新のみ要求することによって、転送速度は無管理となり、転送能力の計測を無効化することが可能になる。
【0028】
次に、上記した図9においてサブルーチンとして行う転送速度取得処理(S96)について説明する。
図10は、本実施例に係わる転送速度取得処理のフロー図を示す。
この転送速度取得処理は、上記した転送過程(1)〜(4)における画像転送能力(転送速度)を計測する処理であり、ステップS101〜S104の各ステップは、それぞれ、転送過程(1) 画像入力機器→1次記憶部(画像メモリ42)、
転送過程(2) 1次記憶部→2次記憶部(HDD48)、転送過程(3) 2次記憶部→1次記憶部、転送過程(4) 1次記憶部→画像出力手段に対応する処理である。なお、ステップS101〜S104の各ステップの中に、この入出力機器管理処理の要求時点における実行状態に関係がなく、不要な処理ステップがある場合には、要、不要の判断を行うステップを設けるようにするか、或いはステップS101〜S104を全て実行し、必要なデータが取得できるときにこの処理を行うようにするといった方法をとることが適当である。
【0029】
次に、上記した図10においてサブルーチンとして行う転送速度計測処理(S101〜S104)について説明する。
図11は、本実施例に係わる転送速度計測処理のフロー図を示す。
この転送速度計測処理は、上記した転送過程(1)〜(4)のそれぞれにおける転送速度を計測する処理で、いずれの転送過程にも図11に示すフローが適用可能である。この処理を本例ではシステム制御部1からの命令に従って、メモリ制御部43が行う。
図10及び図11を参照して、転送速度取得処理の手順を説明すると、転送過程(1)の画像信号入力機器から1次記憶部への転送速度を求めるときは(S101)、1次記憶部への画像信号入力開始時間と、画像信号のデータ値(転送データ量)を取得し格納する(S111、S112)。前者はシステム内蔵の時計から取得し、後者は画像入出力DMAC41に設定されるディスクリプタから転送データ量を知ることができる。
次いで、画像信号入力動作を実行して(S113)、入力動作が終了したかを判定するループ処理をして(S114)、終了を確認したときに(S114−YES)、画像信号入力終了時間を取得する(S115)。
ここで、取得した時間と転送データ量をもとに転送速度を計算する(S116)。この計算は、画像信号入力終了時間と画像信号入力開始時間の差を求め、この差値で画像信号のデータ値を除算する、即ち、
転送データ量 / (終了時間 − 開始時間) = 転送速度
により、転送速度を求める。
次いで、入出力機器管理処理(図9)へ転送速度更新要求を行って、転送速度を一時的に保存し(S117)、この画像信号入力機器から1次記憶部への転送速度計側処理(S101)を抜ける。
次の転送過程(2)の1次記憶部から2次記憶部への転送速度を求める場合も、転送過程(1)と同様に、図11のフローに従って、画像転送開始時間、転送データ量、画像転送終了時間から転送速度計算にも同じ手法を用いて、転送速度を求める。その後、転送速度更新要求を行って、求めた転送速度を一時的に保存し、この転送速度計側処理(S102)を抜ける。
次の転送過程(3)の2次記憶部から1次記憶部への転送速度を求める場合も、転送過程(1)と同様に、図11のフローに従って、転送速度計算にも同じ手法を用いて、転送速度を求める。その後、転送速度更新要求を行って、求めた転送速度を一時的に保存し、この転送速度計側処理(S103)を抜ける。
次の転送過程(4)の1次記憶部から画像信号出力機器への転送速度を求める場合も、転送過程(1)と同様に、図11のフローに従って、画像信号出力開始時間、転送データ量、画像信号出力終了時間から転送速度計算にも同じ手法を用いて、転送速度を求める。その後、転送速度更新要求を行って、求めた転送速度を一時的に保存し、この転送速度計側処理(S104)を抜け、入出力機器管理処理(図9)に戻る。
【0030】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明に対応する効果
本発明では、バッファとして機能する第1記憶部を介して画像データが入出力される第2記憶部に対する転送を並行動作で行うことができるようにし、画像入力手段→第2記憶部、第2記憶部→画像出力手段の転送を行う際、その実行状態(画像入力手段/画像出力手段や並行動作であるか、否かの動作モード)を特定して画像転送能力を計測し、計測したデータを保存し、管理するようにした。
導入したこの画像転送能力という共通の特性値によれば、画像入出力手段の数や性能に応じて記憶容量や処理速度の異なる記憶装置を選択した場合にも、制御手段(ソフトウェア)の共通化が可能になるので、このような場合の従来の方法である、選択された記憶装置の構成毎に個々に制御手段(ソフトウェア)の設計を必要とし、開発の効率化を低下させていた方法によらずに、開発が可能になり、その効率の向上を図り得る。
また、画像入出力手段の変更や追加等の変化が発生した場合、或いは平行動作になって画像信号データ転送能力が変化する場合でも、変化が生じた時点での計測結果に基づいて画像信号データ転送(入出力)の制御を行うことができるため、汎用性の高い記憶装置の制御を行うことが可能になり、さらに利用者の装置の利用状況によりデータ転送能力が変動した場合でも最適条件で転送動作を行わせる記憶装置の制御が可能になる。
【0031】
(2) 請求項2の発明に対応する効果
上記(1)の効果に加えて、異なる実行状態においてそれぞれ得られた画像転送能力データを実行状態に対応させて個別に保存するようにしたこと、つまり、画像入出力手段と第2記憶部の間のデータ転送の状態、即ち並行動作であるか、否か、並行動作である場合に同時に発生している画像データ転送の種類(入出力手段や記憶部の組み合わせ)ごとに画像信号データ転送能力の計測結果を個別に保存するようにしたことにより、画像処理装置の構成や動作状況に応じて最適な制御(生産性の実現)を行うことが可能になる。
(3) 請求項3,4,5の発明に対応する効果
上記(1)、(2)の効果に加えて、保存された画像転送能力データを無効にする手段を設けたので、画像処理装置において接続された一つの画像入出力手段の構成が変化することによって画像信号データ転送能力が変わり、計測データが保証できない場合に対応して、誤まったデータによる適正な転送動作が妨げられることを回避することが可能になる。また、無効にするときの条件として、画像入力手段、画像出力手段の少なくとも一つが変更された場合、記憶処理に関係する手段の利用状況が変更された場合とすることにより、有効に誤(不適正)動作を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置に係わる一実施例としてのデジタル複写機を示す概略構成図である。
【図2】図1のデジタル複写機における原稿台を上方から見た図である。
【図3】図1のデジタル複写機における読み取り部(IPU)より出力される画像同期信号を示す図である。
【図4】図1のデジタル複写機における記憶部の構成を示すブロック図である。
【図5】記憶部の構成要素であるメモリ制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図6】ディスクリプタの形式とディスクリプタによる転送動作を説明するための模式図である。
【図7】実施例処理システムにおける画像転送の実行状態を説明するための画像の流れを示す。
【図8】入出力機器を特定して行う本発明に係わる入出力機器管理処理のフロー図を示す。
【図9】本発明の実施例に係わる入出力機器管理処理のフロー図を示す。
【図10】図9においてサブルーチンとして行う転送速度取得処理のフロー図を示す。
【図11】図10においてサブルーチンとして行う転送速度計測処理のフロー図を示す。
【符号の説明】
1…システム制御部、 4…記憶部、
5…セレクタ部、 7…操作部、
9…FAX部、 20…読み取り部、
21…原稿台、 23…CCD、
24…画像処理部(IPU:イメージプロセッシングユニット)、
25…スキャナ制御部、 30…像形成部、
39…プロッタ制御部、 41…画像入出力DMAC、
42…画像メモリ、 43…メモリ制御部、
44…画像転送DMAC、 45…符号転送DMAC、
46…圧縮伸長器、 47…HDDコントローラ、
48…HDD(ハードディスクドライブ)。
Claims (5)
- 画像入力手段からの画像入力、画像出力手段への画像出力に対しバッファとして機能する第1記憶部と、入力画像を第1記憶部を介して保存する第2記憶部と、入力画像の第2記憶部への保存、第2記憶部から保存された画像の出力を行うために第1記憶部及び第2記憶部を制御する記憶部制御手段とを有する画像処理装置であって、前記記憶部制御手段を入力画像の第2記憶部への保存、第2記憶部から保存された画像の出力の複数処理を同時に実行可能な手段とし、記憶・保存処理における実行状態を認識する手段と、認識された実行状態における画像転送能力を、画像入力手段から第2記憶部への転送、第2記憶部から画像出力手段への転送のそれぞれについて計測する手段と、計測されたデータを保存する手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1に記載された画像処理装置において、前記計測データを保存する手段に、異なる実行状態においてそれぞれ得られた画像転送能力データを実行状態に対応させて個別に保存するようにしたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1又は2に記載された画像処理装置において、前記計測データを保存する手段に保存された画像転送能力データを無効にする手段を設けるようにしたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項3に記載された画像処理装置において、画像入力手段、画像出力手段の少なくとも一つが変更された場合に、前記画像転送能力データを無効にする手段を機能させるようにしたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項3に記載された画像処理装置において、記憶処理に関係する手段の利用条件の設定が変更された場合に、前記画像転送能力データを無効にする手段を機能させるようにしたことを特徴とする画像処理装置。
Priority Applications (1)
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