JP2004078615A - センサボードユニット及びこれを用いた自動機監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】自動機が所定の固設場所から持ち去られた場合にも確実に追跡することを可能にする。
【解決手段】自動機1が所定の設置場所から取り外されると、センサボードユニット10の異常センサ12がこれを検出して監視センタ4側に送信する。また、センサボードユニット10はGPS信号に基づいて取得された位置情報等を周期的に監視センタ4に送信する。監視センタ4では、回転警報灯43により警報発令すると共に、表示部422上に地図に位置情報を重ねて表示する。これにより、トラックTR等で持ち去られている自動機1の行方を確実に追跡できる。
【選択図】 図2
【解決手段】自動機1が所定の設置場所から取り外されると、センサボードユニット10の異常センサ12がこれを検出して監視センタ4側に送信する。また、センサボードユニット10はGPS信号に基づいて取得された位置情報等を周期的に監視センタ4に送信する。監視センタ4では、回転警報灯43により警報発令すると共に、表示部422上に地図に位置情報を重ねて表示する。これにより、トラックTR等で持ち去られている自動機1の行方を確実に追跡できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機等のように現金収容部を内部に有する自動機に取り付られるセンサボードユニット及びこれを用いた自動機監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動販売機等のような現金収容部を内部に有する自動機に関する盗難事故が発生している。従来、このような自動機の監視システムにおいては、例えば、特開平11−126269号公報等にも示されているように、自動機の背面や底面部等に磁気的リミットスイッチ、機械的リミットスイッチ、光学的リミットスイッチ等を取り付け、これらスイッチにより自動機の異常を検出すると、通信線でつながれた監視センタに、この異常を通報するようになっている。また、これに付随して、監視カメラを用いて、常時、自動機の周辺をビデオ録画したり、監視カメラによる撮像結果を監視センタに、逐次、送信したりするようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、このような自動機を狙った犯罪は、大規模化、組織化される傾向にある。例えば、犯罪実行者は、工事作業者を装って、クレーン車やトラックを準備しておき、監視カメラを無効にしたうえで、自動機ごと、クレーン車やトラックを用いて安全な場所まで搬送し、そこで自動機から現金収容カセットや現金を盗難するというような手口も発生している。
【0004】
このような犯罪手口によると、従来の監視システムでは自動機の設置場所における異常監視は可能であるものの、一旦、この設置場所から自動機が持ち去られた後には、盗まれた自動機の行方は全くわからなくなっていた。したがって、このような犯罪に対する有効な対策が待ち望まれている。
【0005】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、監視センタにおいて、自動機側の異常発生を確実に把握することを可能にすると共に、自動機が所定の固設場所から持ち去られた場合にも確実に追跡することを可能にするセンサボードユニット及びこれを用いた自動機監視システムを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のセンサボードユニットは、所定場所に固設されて商用電源で駆動し、少なくとも、現金が収容される現金収容部1aを有する自動機1の所定部位に取り付けられて、前記自動機1を監視する監視センタ4と無線通信可能であるセンサボードユニットであって、バッテリ13と、駆動電源として、前記商用電源又は前記バッテリ13を選択的に使用するように制御する電源制御手段114と、前記自動機1に関する異常を検出する自動機異常検出手段1Aと、自ユニットを特定する特定情報と共に前記異常を、異常情報として前記監視センタ4に無線送信する異常情報送信手段1Bと、GPS信号を利用して自ユニットの存在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段1Cと、前記異常の検出後に、前記特定情報及び前記位置情報を、追跡情報として前記監視センタ4に周期的に無線送信する追跡情報送信手段1Eと、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、本センサボードユニットは、所定場所に固設されて商用電源で駆動し、少なくとも、現金が収容される現金収容部1aを有する自動機1の所定部位に取り付けられ、バッテリ13、電源制御手段114、自動機異常検出手段1A、異常情報送信手段1B、位置情報取得手段1C及び追跡情報送信手段1Eを有する。電源制御手段114は、駆動電源として、商用電源又はバッテリ13を選択的に使用するように制御する。自動機異常検出手段1Aは、自動機1に関する異常を検出する。異常情報送信手段1Bは、自動機1に関する異常及び自ユニットを特定する特定情報を、異常情報として監視センタ4に無線送信する。位置情報取得手段1Cは、GPS信号を利用して自ユニットの存在位置を示す位置情報を取得する。そして、追跡情報送信手段1Eは、異常の検出後に、特定情報及び位置情報を、追跡情報として監視センタ4に周期的に無線送信する。このように、本センサボードユニットは、監視センタ4における異常発生した自動機1の特定と異常発令とを可能にする。また、本センサボードユニットは、異常の検出後に追跡情報を監視センタ4に周期的に無線送信することにより、監視センタ4における異常発生した自動機1の追跡を可能にする。
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載のセンサボードユニットは、請求項1記載のセンサボードユニットにおいて、前記自動機異常検出手段1Aは、前記商用電源からの電源供給異常を前記自動機異常として検出し、前記電源制御手段114は、前記電源供給異常が検出された際には前記駆動電源として前記バッテリ13を選択する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、自動機異常検出手段1Aは商用電源からの電源供給異常を自動機異常として検出し、電源制御手段114は電源供給異常が検出された際には駆動電源としてバッテリ13を選択するようにしているので、自動機1が持ち去られた後の犯人追跡に非常に有効となる。
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載のセンサボードユニットは、請求項1記載のセンサボードユニットにおいて、前記自動機異常検出手段1Aは、前記自動機1又は前記自動機周囲における物理的変化を前記自動機異常として検出する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、自動機異常検出手段1Aは、自動機1又は自動機周囲における物理的変化を自動機異常として検出するようにしているので、監視センタ4おいて自動機1の異常を即座に把握することを可能にする。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載のセンサボードユニットは、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサボードユニットにおいて、前記GPS信号を利用して前記位置情報に対応する時刻情報を取得する時刻情報取得手段1Dを更に有し、追跡情報送信手段1Eは、前記追跡情報としてこの時刻情報も送信する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、GPS信号を利用して位置情報に対応する時刻情報を取得する時刻情報取得手段1Dを更に有し、追跡情報送信手段1Eは、追跡情報としてこの時刻情報も送信するようにしているので、監視センタ4においてより正確に盗難された自動機1を追跡することを可能にする。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の自動機監視システムは、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサボードユニットを用いた自動機監視システムであって、前記監視センタ4は、無線回線を含む所定の通信網を介して前記異常情報を受信する異常情報受信手段4Aと、前記異常情報の受信に基づき異常警報を発令する異常警報発令手段4Bと、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、監視センタ4では、異常情報を受信すると自動機1の異常警報を発令する異常警報発令手段4Bを有しているので、自動機1の異常が確実に喚起される。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の自動機監視システムは、請求項5記載の自動機監視システムにおいて、前記異常情報が、前記電源供給異常を示すものであれば、前記センサボードユニット側に前記追跡情報の送信を促す追跡指令を送信する追跡指令手段4Cと、前記センサボードユニット側から無線送信される前記追跡情報を受信する追跡情報受信手段4Dと、前記追跡情報に含まれる位置情報に対応する地域の地図情報を取得する地図情報取得手段4Fと、受信された前記追跡情報を地図情報と共に出力する追跡情報出力手段4Eと、を更に有することを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、異常情報が電源供給異常を示すものであれば、センサボードユニット側に追跡情報の送信を促す追跡指令が送信されて、監視センタ4においてセンサボードユニット側からの追跡情報が受信される。そして、監視センタ4においてこの追跡情報に含まれる位置情報に対応する地域の地図情報と共に追跡情報が出力される。したがって、より明確に盗難された自動機1の行方を追跡することが可能になる。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の自動機監視システムは、請求項5又は6記載の自動機監視システムにおいて、前記センサボードユニットは、前記現金収容部1aの一部に取り付けられている、ことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、センサボードユニットは、現金収容部1aの一部に取り付けられているので、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行にも対応可能になる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の自動機監視システムは、請求項7記載の自動機監視システムにおいて、前記センサボードユニットは、前記現金収容部1aの内部に取り付けられている、ことを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行においても、現金収容部1aにセンサボードユニットが取り付けられていることを犯人に気づかれる可能性が低い。したがって、確実に自動機1に収容されていた現金の行方を追跡することが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の自動機監視システムの一実施形態に係るシステム構成を示す図である。図2において、ブース等の所定の場所Gに固設された自動機1の所定部位にはセンサボードユニット10が取り付けられている。この取付部位については、図4を用いて後述する。このセンサボードユニット10は、監視センタ4と通信可能な通信端末11、この通信端末11に接続され自動機1に関する異常を検出する異常センサ12、及び自動機1の電源供給源のひとつとしてのバッテリパック13等を含んで構成される。
【0023】
センサボードユニット10は、自動機1に関する異常情報や、自動機1の存在場所を示す位置情報等を携帯電話パケット通信網2及び専用回線3を介して監視センタ4に送信する。監視センタ4では、これら情報を受信して、異常警報や自動機1の位置追跡指令等を行う。センサボードユニット10は、GPS(GlobalPositioning Systems)を構成する複数のGPS衛星5から提供される測位用電波であるGPS信号を受信し、これを利用して自動機1の位置情報を取得する。なお、実際的には、監視センタ4は、複数の自動機1に対して監視を行うため、複数の自動機1に対してそれぞれセンサボードユニット10が取り付けられる。
【0024】
自動機1に取り付けられたセンサボードユニット10には、上述したように、通信端末11、異常センサ12及びバッテリパック13(請求項のバッテリに相当する)等が収容されている。通信端末11は、異常センサ12にて自動機1に関する異常を検出すると、GPS信号に基づき位置情報及び時刻情報を取得し、これらを監視センタ4側に送信する。なお、これに関しては後で追加説明する。
【0025】
携帯電話パケット通信網2は、例えば、株式会社NTTドコモからサービス提供されているDoPaが利用される。このサービスは、携帯電話網においてパケット交換方式を利用したデータ通信サービスであり、通信したデータ量に応じて通信料が計算されるデータ従量制課金方式である。この方式は低料金で本システムに関するサービスを提供する際の一助となる。この携帯電話パケット通信網2には、無線基地局21を介して、センサボードユニット10に通信接続される。
【0026】
この携帯電話パケット通信網2は、図示しないルータ及びDSU(Digital Service Unit)等からなる通信インターフェース、並びに所定の専用回線3を介して、監視センタ4に接続されている。
【0027】
監視センタ4は、例えば、自動機1を管理する会社の事務所内に設置されている。この監視センタ4には、上記専用回線3の他端に接続されるルータ及びDSU等からなる通信インターフェース41、デスクトップコンピュータ42等の情報処理装置、並びに警報灯43が装備されている。通信インターフェース41は周知であるのでここでは説明を省略する。コンピュータ42は、コンピュータ本体421、表示部422、操作部423及び記憶部424を含み、既成のハードウエアが利用可能であるが、記憶部424に格納される各種情報やデータ及びプログラムは本発明に特有のものである。
【0028】
記憶部424に格納されるアプリケーションプログラム424aは、図6及び図7で示すような本発明に係る制御を行うためのソフトウエアである。これについては、図6及び図7を用いて後述する。地図情報データベース424bは、少なくとも、本システムに関連する地域の地形、道路、地名等を含むデータである。この地図情報データベース424bは、DVD−ROM等で提供されるスタンドアロン型のものであってもよいし、インターネットに接続される地図情報提供サイトから提供されるものであってもよい。通信モジュール424cは、センサボードユニット10の通信端末11との通信を可能にする通信制御ソフトウエアである。端末情報データベース424dは、通信端末11(又はセンサボードユニット10)、或いは、通信端末11が取り付られている自動機1に関する情報、例えば、設置場所等を含む。
【0029】
上記構成における動作を簡単に説明すると、ある自動機1において異常が発生すると、この自動機1に取り付けられているセンサボードユニット10がこれを検出して、端末IDと共に監視センタ4に送信する。監視センタ4はユニット10からのこの異常情報を受信すると、端末IDから異常発生位置を特定して、地図情報データベース424bに基づいて作成した地図に、異常発生位置を重ねて表示する。更に、回転警報灯43を稼働させて警報発令すると共に、このユニット10に追跡指令を返送する。
【0030】
この追跡指令に応答して、センサボードユニット10は、GPS信号に基づき位置情報及びその時刻情報の取得動作を開始し、これらを定期的に端末IDと共に監視センタ4に送信する。監視センタ4では、位置情報及び時刻情報を端末IDと共に受信するごとに、関連地域の地図に、該当ユニット10の位置情報を更新して表示する。これにより、異常が発生した自動機1の位置情報と共に、所定位置から取り外されてトラックTR等で搬送中の自動機1′の位置情報も、逐次取得することができる。すなわち、トラックTR等で持ち去られている自動機1の行方を確実に追跡できる。
【0031】
次に、上記センサボードユニット10の構成及び取り付け場所について、図3〜図5を用いて説明する。図3は、センサボードユニットの外観を示す組立図である。図4は、センサボードユニットの構成を示すブロック図である。図5は、センサボードユニットの取り付け位置の例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、本センサボードユニット10の外形は、略正方形の薄型のプレートパッケージ状になっている。センサボードユニット10は、強化プラスティックにて形成された筐体10aを有する。この筐体10aは、通信端末11、異常センサ12、バッテリパック13、GPSアンテナ111a、パケット通信アンテナ112a等を収容する。このセンサボードユニット10は、正常時には、電源線14を介して供給される商用電源に基づく電源を用いる。なお、商用電源は100v程度の交流電源であるため、直流変換及び降圧された後、このセンサボードユニット10に供給される。バッテリパック13は、自動機1が盗難されて商用電源が供給断となったときのバックアップ用駆動電源として用いられるが、より長時間の追跡に対応できるように大容量のバッテリパック13′も収容するようにしてもよい。
【0033】
センサボードユニット10に含まれる通信端末11は、図4に示すように、制御部110、この制御部110に内部バスを介して接続されるGPS受信部111、携帯電話通信部112、記憶部113及び電源切替部114を含んで構成される。
【0034】
制御部110は、基本的にCPU、ROM、及びRAMを含むマイクロコンピュータから構成され、CPUはROMに記憶されている制御プログラムにしたがって本実施形態に係る制御を含む各種の処理を実行する。RAMには、CPUが各種の処理を実行するうえにおいて必要なデータ、プログラム等が適宜記憶される。制御部110は、上記制御プログラムにしたがって、記憶部113に格納されている端末ID113a等の各種情報を読み出したり、GPS受信部111を利用して位置情報を取得したりする。また、信号入力端子RX3、RX4及びRX5を介して、異常センサとしての音圧センサ12a、衝撃センサ12b、傾きセンサ12c等による検出信号を受け、これを位置情報と共に送信するために、携帯電話通信部112に指令を出したりする。これらに係る処理については、図6以降で再度説明する。
【0035】
GPS受信部111は、GPSアンテナ111aを介してGPSを構成する複数のGPS衛星から供給される測位用電波であるGPS信号を受信し、これに基づいて現在位置情報を取得し、この情報を制御部110に供給する。また、GPS信号に含まれる時間情報も受信し、制御部110に供給する。携帯電話通信部112は、パケット通信アンテナ112aを介して、携帯電話パケット通信網の無線基地局に無線接続される。これらGPS受信部111及び携帯電話通信部112は、公知の装置を利用可能である。
【0036】
記憶部113には、少なくとも、この通信端末11を特定する端末ID113aが格納されている。但し、この端末ID113aは、センサボードユニット10や自動機のIDとしてもよい。この端末ID113aは、請求項の特定情報に相当する。
【0037】
一方、電源切替部114(請求項の電源制御手段に相当する)には、電源入力端子RX1及びRX2を介して、バッテリパック13からの直流電源及び商用電源に基づく電源が供給されている。商用電源に基づく電源は、電源入力端子RX2及び図示しないインターフェース回路を介して、制御部110にも供給されている。制御部110は、商用電源からの電源異常を検出して、異常時には電源切替部114を制御して、バッテリパック13(13′)からの電源供給を受けるようにする。正常時には、商用電源に基づく電源を受けるようにする。すなわち、異常時にはバッテリパックからの電源により上記各部が駆動されるので、自動機1が盗難されて後に搬送されている途中における追跡動作が可能になる。バッテリパック13(13′)は、繰り返し充電可能な2次電池が用いることが好ましい。なお、バッテリパック13′もまた請求項のバッテリに相当する。
【0038】
異常センサとしての音圧センサ12a、衝撃センサ12b及び傾きセンサ12cは、それぞれ音圧異常、衝撃異常及び傾き異常を検出して出力する公知のデバイスである。すなわち、音圧異常、衝撃異常及び傾き異常は、自動機1を固定部位から撤去しようとした場合や、自動機1が設置されているブース設備が破壊されようとした場合等に発生することが想定されるもので、これらを検出するためにセンサ12a、12b及び12cが用いられている。これらセンサ12a、12b及び12cは、全て用いる必要はなく、少なくとも、ひとつあればよい。勿論、全て用いれば、異常検出精度が向上することはいうまでもない。また、自動機又は自動機周囲における物理的変化を検出できるものであれば、他のセンサであってもよい。例えば、他のセンサとして温度センサを設けることにより、外部から自動機筐体をガスバーナー等で焼き切ろうとした際の急激な温度上昇を検出して、これを自動機の盗難防止に利用することもできる。これら音圧センサ12a、衝撃センサ12b及び傾きセンサ12c、或いは、温度センサは、請求項3における自動機異常検出手段に相当する。
【0039】
このような構成のセンサボードユニット10は、図5に示すような自動機1の所定部位に取り付けられる。図5に示すように、自動機1はコンクリート基台等の所定場所Gにボルト止め等により固設されている。自動機1は、通常、その背面を壁Wに対向するようにして、壁Wからわずかに離れるように固設される。自動機1は、商用電源143が供給されるコンセント142にコンセントプラグ141が挿着されて、料金計算、照明、商品保存等の電気的制御ために、ここから電源供給をうけている。自動機1は、金属製の箱形の外部筐体を有しているが、その内部には、現金を収容する現金収容カセット1a(請求項の現金収容部1aに相当)及び商品を収容する商品収容部1bを有している。自動機1の種類によっては、商品収容部1bがないものもある。なお、図5は、自動機を略側面からみた図である。
【0040】
このような自動機1において、センサボードユニット10は、自動機1と同様に商用電源の供給をうけている。そして、センサボードユニット10は、例えば、現金収容カセット1aの一部、好ましくは、その内部に貼設される。このように、センサボードユニットを、現金収容カセット1aの一部に取り付けることにより、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行にも対応可能になる。特に、センサボードユニットを、現金収容カセット1aの内部に取り付けることにより、現金収容カセット1aにセンサボードユニットが取り付けられていることを犯人に気づかれる可能性が低い。したがって、確実に自動機1に収容されていた現金の行方を追跡することが可能になる。また、センサボードユニット10′で示すように、現金収容カセット1aの背面、商品収容部1bの背面、自動機1の外部筐体の背面及び上面等のように目に付きにくい箇所に取り付けるようにしてもよい。
【0041】
次に、図6及び図7を用いて、本自動機監視システムに係る処理手順を説明する。図6は、本自動機監視システムにおけるセンサボードユニット側及び管理センタ側におけるそれぞれの処理、並びにそれらの間で行われる通信シーケンスを示すフローチャートである。図7は、図6における異常検出処理の一例を示すフローチャートである。なお、現実には、センサボード側処理は、複数の自動機1にそれぞれ取り付けられたそれぞれのセンサボードユニットにて行われるものであるが、図6においては、代表してひとつだけ示す。
【0042】
図6に示す自動機監視システムに係るセンサボード側処理では、ステップS101において異常検出処理が行われ、ステップS102においてこの異常検出処理による異常情報の有無が待機されている(ステップS102のY)。ステップS101の異常検出処理においては、上記音圧センサ12a、衝撃センサ12b及び/又は傾きセンサ12cによるそれぞれの異常情報の検出、或いは、制御部110による電源異常の検出が行われる。ステップS101及び関連するハードウエアは、請求項の自動機異常検出手段に相当する。
【0043】
異常検出処理では、図7に示すように、ステップS101aにおいて音圧センサ12aにて音圧異常が検出されると(ステップS101aのY)、ステップS101bにおいて異常情報としてこの音圧異常が設定される。又は、ステップS101cにおいて衝撃センサ12bにて衝撃異常が検出されると(ステップS101cのY)、ステップS101dにおいて異常情報としてこの衝撃異常が設定される。又は、ステップS101eにおいて傾きセンサ12cにて傾き異常が検出されると(ステップS101eのY)、ステップS101fにおいて異常情報としてこの傾き異常が設定される。更に、ステップS101gにおいて、商用電源からの電源異常が検出されると(ステップS101gのY)、ステップS101hにおいて異常情報としてこの電源異常が設定される。上記異常情報は、複数同時に設定されるようにしてもよいし、異常センサがひとつである場合にはひとつのみを設定するようにしてもよい。勿論、いずれの異常も検出されなかった場合には、異常情報なしと設定される。
【0044】
そして、このような異常検出処理の結果、ステップS102において異常情報ありと判定されると(ステップS102のY)、ステップS103に進む。ステップS103においては、記憶部113から端末ID113aが読み出され取得される。次に、ステップS104においては、この端末ID113aと共に上記設定された異常情報が携帯電話通信部112から送信され、携帯電話パケット通信網2及び専用回線3を介して監視センタ4に至る。この際、GPS信号等から取得可能な時刻情報を同時に送信するようにしてもよい。ステップS104及び関連するハードウエアは、請求項の異常情報送信手段に相当する。
【0045】
監視センタ4側処理では、ステップS401において、上記センサボードユニット側からの異常情報及び端末ID113aの受信が待機されており(ステップS401のN)、これらが受信されるとステップS402に進む(ステップS401のY)。なお、センサボードユニット側からの異常情報及び端末ID113aは、インターフェース回路41にて、コンピュータ42で処理できる信号形式に変換される。また、監視センタ4では、地図情報データベース424bに基づき、常時、関連地域の地図が、表示部422上に表示されているものとする。ステップS401及び関連するハードウエアは、請求項の異常情報受信手段に相当する。
【0046】
次に、ステップS402において、端末ID113aに基づいて特定された自動機1の設置位置が地図上に重ねて表示される。これは、点滅表示や目立つ色調での表示が好ましい。次に、ステップS403において、回転警報灯43が稼働されて異常警報発令が行われる。この際、警報音も同時に発するようにしていもよい。ステップS403及び関連するハードウエアは、請求項の異常警報発令手段に相当する。
【0047】
次に、ステップS404においては、追跡の要否が判定される。この追跡とは、自動機1の持ち去りを想定して自動機1の行方を追跡することを意味する。この追跡の要否の判定は、受信された異常信号の内容に基づいて行われる。すなわち、異常信号が音圧異常、衝撃異常又は傾き異常を示す場合には、未だこの段階では自動機1は持ち去られていないので追跡を行う必要はない。ところが、異常信号が電源異常を示す場合には、自動機1は持ち去られていることを意味するので追跡の必要がある。したがって、追跡不要の場合には(ステップS404のN)、ステップS401に戻って異常情報の受信がある限り警報発令を継続し、追跡要の場合には(ステップS404のY)、追跡を開始すべくステップS405に進む。ステップS405においては、追跡指令が、上記と逆方向の送信経路、すなわち、専用回線3及び携帯電話パケット通信網2を介して、異常情報を送信してきたセンサボード側に送信される。ステップS405及び関連するハードウエアは、請求項の追跡指令手段に相当する。
【0048】
センサボード側処理のステップS105においては、追跡指令が待機されており(ステップS105のN)、追跡指令が受信されるとステップS106以降に進む(ステップS105のY)。ステップS106以降では、所定インターバルにしたがって、周期的に位置情報等が取得され監視センタ4側に送信される。すなわち、ステップS106においては、GPS受信部111にてGPS信号を利用して自端末(又は自ユニット)の緯度及び経度で構成される位置情報が取得される。このとき、ステップS107に示すようにGPS信号に含まれる時刻信号も取得されるようにしてもよい。但し、予め定められた所定インターバルにしたがって検出動作が行われているので、監視センタ4側におけるタイマ等を利用しても時刻把握が可能である。したがって、必ずしもGPS信号から時刻情報を取得しなくてもよいが、GPS信号から時刻情報を取得すれば、位置情報が取得された時刻がより正確に把握可能になる。なお、以下の説明では、時刻情報は、GPS信号から取得されるものとする。ステップS106及び関連するハードウエアは、請求項の位置情報取得手段に相当する。
【0049】
次に、ステップS108において、既にステップS103で取得されている端末ID113aと上記位置情報及び時刻情報とが、監視センタ4側に送信される。このステップS108及び関連するハードウエアは、請求項の位置情報取得手段に相当する。端末ID113aと上記位置情報及び時刻情報は、携帯電話通信部112から送信され、上記と同様、携帯電話パケット通信網2及び専用回線3を介して、監視センタ4に至る。ステップS106〜ステップS108の処理は、ステップS109において所定の終了トリガありと判定されるまで(ステップS109のY)周期的に繰り返される(ステップS109のN)。
【0050】
一方、監視センタ4側処理では、ステップS406において、上記センサボードユニット側からの位置情報、時刻情報及び端末ID113aの受信が待機されており(ステップS406のN)、これらが受信されるとステップS407に進む(ステップS406のY)。なお、センサボードユニット側からの異常情報、時刻情報及び端末ID113aは、インターフェース回路41にて、コンピュータ42で処理できる信号形式に変換される。ステップS406及び関連するハードウエアは、請求項の追跡情報受信手段に相当し、ステップS407及び関連するハードウエアは、請求項の追跡情報出力手段に相当する。
【0051】
次に、ステップS407において、既に表示部422上に表示されている関連地域の地図に重ねて、受信された位置情報、時刻情報及び端末ID113aが表示される。時刻情報及び端末ID113aは必ずしも表示する必要はないが、これらも位置情報と共に表示することにより、追跡がより正確に行えるようになる。そして、ステップS108において所定の終了トリガありと判定されるまで(ステップS408のY)周期的に繰り返される(ステップS408のN)。
【0052】
このように、本発明の実施形態によると、監視センタにおいて、自動機側の異常発生を確実に把握することが可能になると共に、自動機が所定の固設場所から持ち去られた場合にも、この自動機を確実に追跡することが可能になる。特に、センサボードユニットを現金収容カセットの一部に取り付けることにより、自動機を持ち去った後に現金収容カセットのみを取り外して逃亡するというような犯行にも対応可能になる。したがって、本実施形態によれば、自動機の盗難防止及び犯人検挙に大きく貢献できる。
【0053】
なお、上記実施形態においては、自動販売機を例示して説明したが、本発明は自動機をこれに限定するものではない。自動機としては、自動販売機の他にATM(現金自動預け払い機)、CD(現金自動支払い機)、公衆電話機、自動両替機、プリペイドカード販売機等であってもよい。要は、現金収容部を内部に有する装置であれば、本発明は同様に適用可能である。本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で変更されたものも含む。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、監視センタ4における異常発生した自動機1の特定と異常発令とを可能にする。また、本発明は、異常の検出後に追跡情報を監視センタ4に周期的に無線送信することにより、監視センタ4における異常発生した自動機1の追跡を可能にする。したがって、本発明によれば、自動機1の盗難防止及び犯人検挙に貢献できる。
【0055】
請求項2記載の発明によれば、自動機異常検出手段1Aは商用電源からの電源供給異常を自動機異常として検出し、電源制御手段114は電源供給異常が検出された際には駆動電源としてバッテリ13を選択するようにしているので、自動機1が持ち去られた後の犯人追跡に非常に有効となる。
【0056】
請求項3記載の発明によれば、自動機異常検出手段1Aは、自動機1又は自動機周囲における物理的変化を自動機異常として検出するようにしているので、監視センタ4おいて自動機1の異常を即座に把握することを可能にする。
【0057】
請求項4記載の発明によれば、GPS信号を利用して位置情報に対応する時刻情報を取得する時刻情報取得手段1Dを更に有し、追跡情報送信手段1Eは、追跡情報としてこの時刻情報も送信するようにしているので、監視センタ4においてより正確に盗難された自動機1を追跡することを可能にする。
【0058】
請求項5記載の発明によれば、監視センタ4では、異常情報を受信すると自動機1の異常を発令する異常警報発令手段4Bを有しているので、自動機1の異常が確実に喚起される。
【0059】
請求項6記載の発明によれば、異常情報が電源供給異常を示すものであれば、センサボードユニット側に追跡情報の送信を促す追跡指令が送信されて、監視センタ4においてセンサボードユニット側からの追跡情報が受信される。そして、監視センタ4においてこの追跡情報に含まれる位置情報に対応する地域の地図情報と共に追跡情報が出力される。したがって、より明確に盗難された自動機1の行方を追跡することが可能になる。
【0060】
請求項7記載の発明によれば、センサボードユニットは、現金収容部1aの一部に取り付けられているので、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行にも対応可能になる。
【0061】
請求項8記載の発明によれば、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行においても、現金収容部1aにセンサボードユニットが取り付けられていることを犯人に気づかれる可能性が低い。したがって、確実に自動機1に収容されていた現金の行方を追跡することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の自動機監視システムの一実施形態に係るシステム構成を示す図である。
【図3】センサボードユニットの外観を示す組立図である。
【図4】センサボードユニットの構成を示すブロック図である。
【図5】センサボードユニットの取り付け位置の例を示す図である。
【図6】センサボード側及び管理センタ側におけるそれぞれの処理、並びにそれらの間で行われる通信シーケンスを示すフローチャートである。
【図7】図6における異常検出処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動機
2 携帯電話パケット通信網
3 専用回線
4 監視センタ
5 GPS衛星
10 センサボードユニット
11 通信端末
12 異常センサ
13、13′ バッテリパック
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機等のように現金収容部を内部に有する自動機に取り付られるセンサボードユニット及びこれを用いた自動機監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動販売機等のような現金収容部を内部に有する自動機に関する盗難事故が発生している。従来、このような自動機の監視システムにおいては、例えば、特開平11−126269号公報等にも示されているように、自動機の背面や底面部等に磁気的リミットスイッチ、機械的リミットスイッチ、光学的リミットスイッチ等を取り付け、これらスイッチにより自動機の異常を検出すると、通信線でつながれた監視センタに、この異常を通報するようになっている。また、これに付随して、監視カメラを用いて、常時、自動機の周辺をビデオ録画したり、監視カメラによる撮像結果を監視センタに、逐次、送信したりするようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、このような自動機を狙った犯罪は、大規模化、組織化される傾向にある。例えば、犯罪実行者は、工事作業者を装って、クレーン車やトラックを準備しておき、監視カメラを無効にしたうえで、自動機ごと、クレーン車やトラックを用いて安全な場所まで搬送し、そこで自動機から現金収容カセットや現金を盗難するというような手口も発生している。
【0004】
このような犯罪手口によると、従来の監視システムでは自動機の設置場所における異常監視は可能であるものの、一旦、この設置場所から自動機が持ち去られた後には、盗まれた自動機の行方は全くわからなくなっていた。したがって、このような犯罪に対する有効な対策が待ち望まれている。
【0005】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、監視センタにおいて、自動機側の異常発生を確実に把握することを可能にすると共に、自動機が所定の固設場所から持ち去られた場合にも確実に追跡することを可能にするセンサボードユニット及びこれを用いた自動機監視システムを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のセンサボードユニットは、所定場所に固設されて商用電源で駆動し、少なくとも、現金が収容される現金収容部1aを有する自動機1の所定部位に取り付けられて、前記自動機1を監視する監視センタ4と無線通信可能であるセンサボードユニットであって、バッテリ13と、駆動電源として、前記商用電源又は前記バッテリ13を選択的に使用するように制御する電源制御手段114と、前記自動機1に関する異常を検出する自動機異常検出手段1Aと、自ユニットを特定する特定情報と共に前記異常を、異常情報として前記監視センタ4に無線送信する異常情報送信手段1Bと、GPS信号を利用して自ユニットの存在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段1Cと、前記異常の検出後に、前記特定情報及び前記位置情報を、追跡情報として前記監視センタ4に周期的に無線送信する追跡情報送信手段1Eと、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、本センサボードユニットは、所定場所に固設されて商用電源で駆動し、少なくとも、現金が収容される現金収容部1aを有する自動機1の所定部位に取り付けられ、バッテリ13、電源制御手段114、自動機異常検出手段1A、異常情報送信手段1B、位置情報取得手段1C及び追跡情報送信手段1Eを有する。電源制御手段114は、駆動電源として、商用電源又はバッテリ13を選択的に使用するように制御する。自動機異常検出手段1Aは、自動機1に関する異常を検出する。異常情報送信手段1Bは、自動機1に関する異常及び自ユニットを特定する特定情報を、異常情報として監視センタ4に無線送信する。位置情報取得手段1Cは、GPS信号を利用して自ユニットの存在位置を示す位置情報を取得する。そして、追跡情報送信手段1Eは、異常の検出後に、特定情報及び位置情報を、追跡情報として監視センタ4に周期的に無線送信する。このように、本センサボードユニットは、監視センタ4における異常発生した自動機1の特定と異常発令とを可能にする。また、本センサボードユニットは、異常の検出後に追跡情報を監視センタ4に周期的に無線送信することにより、監視センタ4における異常発生した自動機1の追跡を可能にする。
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載のセンサボードユニットは、請求項1記載のセンサボードユニットにおいて、前記自動機異常検出手段1Aは、前記商用電源からの電源供給異常を前記自動機異常として検出し、前記電源制御手段114は、前記電源供給異常が検出された際には前記駆動電源として前記バッテリ13を選択する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、自動機異常検出手段1Aは商用電源からの電源供給異常を自動機異常として検出し、電源制御手段114は電源供給異常が検出された際には駆動電源としてバッテリ13を選択するようにしているので、自動機1が持ち去られた後の犯人追跡に非常に有効となる。
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載のセンサボードユニットは、請求項1記載のセンサボードユニットにおいて、前記自動機異常検出手段1Aは、前記自動機1又は前記自動機周囲における物理的変化を前記自動機異常として検出する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、自動機異常検出手段1Aは、自動機1又は自動機周囲における物理的変化を自動機異常として検出するようにしているので、監視センタ4おいて自動機1の異常を即座に把握することを可能にする。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載のセンサボードユニットは、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサボードユニットにおいて、前記GPS信号を利用して前記位置情報に対応する時刻情報を取得する時刻情報取得手段1Dを更に有し、追跡情報送信手段1Eは、前記追跡情報としてこの時刻情報も送信する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、GPS信号を利用して位置情報に対応する時刻情報を取得する時刻情報取得手段1Dを更に有し、追跡情報送信手段1Eは、追跡情報としてこの時刻情報も送信するようにしているので、監視センタ4においてより正確に盗難された自動機1を追跡することを可能にする。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の自動機監視システムは、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサボードユニットを用いた自動機監視システムであって、前記監視センタ4は、無線回線を含む所定の通信網を介して前記異常情報を受信する異常情報受信手段4Aと、前記異常情報の受信に基づき異常警報を発令する異常警報発令手段4Bと、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、監視センタ4では、異常情報を受信すると自動機1の異常警報を発令する異常警報発令手段4Bを有しているので、自動機1の異常が確実に喚起される。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の自動機監視システムは、請求項5記載の自動機監視システムにおいて、前記異常情報が、前記電源供給異常を示すものであれば、前記センサボードユニット側に前記追跡情報の送信を促す追跡指令を送信する追跡指令手段4Cと、前記センサボードユニット側から無線送信される前記追跡情報を受信する追跡情報受信手段4Dと、前記追跡情報に含まれる位置情報に対応する地域の地図情報を取得する地図情報取得手段4Fと、受信された前記追跡情報を地図情報と共に出力する追跡情報出力手段4Eと、を更に有することを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、異常情報が電源供給異常を示すものであれば、センサボードユニット側に追跡情報の送信を促す追跡指令が送信されて、監視センタ4においてセンサボードユニット側からの追跡情報が受信される。そして、監視センタ4においてこの追跡情報に含まれる位置情報に対応する地域の地図情報と共に追跡情報が出力される。したがって、より明確に盗難された自動機1の行方を追跡することが可能になる。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の自動機監視システムは、請求項5又は6記載の自動機監視システムにおいて、前記センサボードユニットは、前記現金収容部1aの一部に取り付けられている、ことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、センサボードユニットは、現金収容部1aの一部に取り付けられているので、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行にも対応可能になる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の自動機監視システムは、請求項7記載の自動機監視システムにおいて、前記センサボードユニットは、前記現金収容部1aの内部に取り付けられている、ことを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行においても、現金収容部1aにセンサボードユニットが取り付けられていることを犯人に気づかれる可能性が低い。したがって、確実に自動機1に収容されていた現金の行方を追跡することが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の自動機監視システムの一実施形態に係るシステム構成を示す図である。図2において、ブース等の所定の場所Gに固設された自動機1の所定部位にはセンサボードユニット10が取り付けられている。この取付部位については、図4を用いて後述する。このセンサボードユニット10は、監視センタ4と通信可能な通信端末11、この通信端末11に接続され自動機1に関する異常を検出する異常センサ12、及び自動機1の電源供給源のひとつとしてのバッテリパック13等を含んで構成される。
【0023】
センサボードユニット10は、自動機1に関する異常情報や、自動機1の存在場所を示す位置情報等を携帯電話パケット通信網2及び専用回線3を介して監視センタ4に送信する。監視センタ4では、これら情報を受信して、異常警報や自動機1の位置追跡指令等を行う。センサボードユニット10は、GPS(GlobalPositioning Systems)を構成する複数のGPS衛星5から提供される測位用電波であるGPS信号を受信し、これを利用して自動機1の位置情報を取得する。なお、実際的には、監視センタ4は、複数の自動機1に対して監視を行うため、複数の自動機1に対してそれぞれセンサボードユニット10が取り付けられる。
【0024】
自動機1に取り付けられたセンサボードユニット10には、上述したように、通信端末11、異常センサ12及びバッテリパック13(請求項のバッテリに相当する)等が収容されている。通信端末11は、異常センサ12にて自動機1に関する異常を検出すると、GPS信号に基づき位置情報及び時刻情報を取得し、これらを監視センタ4側に送信する。なお、これに関しては後で追加説明する。
【0025】
携帯電話パケット通信網2は、例えば、株式会社NTTドコモからサービス提供されているDoPaが利用される。このサービスは、携帯電話網においてパケット交換方式を利用したデータ通信サービスであり、通信したデータ量に応じて通信料が計算されるデータ従量制課金方式である。この方式は低料金で本システムに関するサービスを提供する際の一助となる。この携帯電話パケット通信網2には、無線基地局21を介して、センサボードユニット10に通信接続される。
【0026】
この携帯電話パケット通信網2は、図示しないルータ及びDSU(Digital Service Unit)等からなる通信インターフェース、並びに所定の専用回線3を介して、監視センタ4に接続されている。
【0027】
監視センタ4は、例えば、自動機1を管理する会社の事務所内に設置されている。この監視センタ4には、上記専用回線3の他端に接続されるルータ及びDSU等からなる通信インターフェース41、デスクトップコンピュータ42等の情報処理装置、並びに警報灯43が装備されている。通信インターフェース41は周知であるのでここでは説明を省略する。コンピュータ42は、コンピュータ本体421、表示部422、操作部423及び記憶部424を含み、既成のハードウエアが利用可能であるが、記憶部424に格納される各種情報やデータ及びプログラムは本発明に特有のものである。
【0028】
記憶部424に格納されるアプリケーションプログラム424aは、図6及び図7で示すような本発明に係る制御を行うためのソフトウエアである。これについては、図6及び図7を用いて後述する。地図情報データベース424bは、少なくとも、本システムに関連する地域の地形、道路、地名等を含むデータである。この地図情報データベース424bは、DVD−ROM等で提供されるスタンドアロン型のものであってもよいし、インターネットに接続される地図情報提供サイトから提供されるものであってもよい。通信モジュール424cは、センサボードユニット10の通信端末11との通信を可能にする通信制御ソフトウエアである。端末情報データベース424dは、通信端末11(又はセンサボードユニット10)、或いは、通信端末11が取り付られている自動機1に関する情報、例えば、設置場所等を含む。
【0029】
上記構成における動作を簡単に説明すると、ある自動機1において異常が発生すると、この自動機1に取り付けられているセンサボードユニット10がこれを検出して、端末IDと共に監視センタ4に送信する。監視センタ4はユニット10からのこの異常情報を受信すると、端末IDから異常発生位置を特定して、地図情報データベース424bに基づいて作成した地図に、異常発生位置を重ねて表示する。更に、回転警報灯43を稼働させて警報発令すると共に、このユニット10に追跡指令を返送する。
【0030】
この追跡指令に応答して、センサボードユニット10は、GPS信号に基づき位置情報及びその時刻情報の取得動作を開始し、これらを定期的に端末IDと共に監視センタ4に送信する。監視センタ4では、位置情報及び時刻情報を端末IDと共に受信するごとに、関連地域の地図に、該当ユニット10の位置情報を更新して表示する。これにより、異常が発生した自動機1の位置情報と共に、所定位置から取り外されてトラックTR等で搬送中の自動機1′の位置情報も、逐次取得することができる。すなわち、トラックTR等で持ち去られている自動機1の行方を確実に追跡できる。
【0031】
次に、上記センサボードユニット10の構成及び取り付け場所について、図3〜図5を用いて説明する。図3は、センサボードユニットの外観を示す組立図である。図4は、センサボードユニットの構成を示すブロック図である。図5は、センサボードユニットの取り付け位置の例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、本センサボードユニット10の外形は、略正方形の薄型のプレートパッケージ状になっている。センサボードユニット10は、強化プラスティックにて形成された筐体10aを有する。この筐体10aは、通信端末11、異常センサ12、バッテリパック13、GPSアンテナ111a、パケット通信アンテナ112a等を収容する。このセンサボードユニット10は、正常時には、電源線14を介して供給される商用電源に基づく電源を用いる。なお、商用電源は100v程度の交流電源であるため、直流変換及び降圧された後、このセンサボードユニット10に供給される。バッテリパック13は、自動機1が盗難されて商用電源が供給断となったときのバックアップ用駆動電源として用いられるが、より長時間の追跡に対応できるように大容量のバッテリパック13′も収容するようにしてもよい。
【0033】
センサボードユニット10に含まれる通信端末11は、図4に示すように、制御部110、この制御部110に内部バスを介して接続されるGPS受信部111、携帯電話通信部112、記憶部113及び電源切替部114を含んで構成される。
【0034】
制御部110は、基本的にCPU、ROM、及びRAMを含むマイクロコンピュータから構成され、CPUはROMに記憶されている制御プログラムにしたがって本実施形態に係る制御を含む各種の処理を実行する。RAMには、CPUが各種の処理を実行するうえにおいて必要なデータ、プログラム等が適宜記憶される。制御部110は、上記制御プログラムにしたがって、記憶部113に格納されている端末ID113a等の各種情報を読み出したり、GPS受信部111を利用して位置情報を取得したりする。また、信号入力端子RX3、RX4及びRX5を介して、異常センサとしての音圧センサ12a、衝撃センサ12b、傾きセンサ12c等による検出信号を受け、これを位置情報と共に送信するために、携帯電話通信部112に指令を出したりする。これらに係る処理については、図6以降で再度説明する。
【0035】
GPS受信部111は、GPSアンテナ111aを介してGPSを構成する複数のGPS衛星から供給される測位用電波であるGPS信号を受信し、これに基づいて現在位置情報を取得し、この情報を制御部110に供給する。また、GPS信号に含まれる時間情報も受信し、制御部110に供給する。携帯電話通信部112は、パケット通信アンテナ112aを介して、携帯電話パケット通信網の無線基地局に無線接続される。これらGPS受信部111及び携帯電話通信部112は、公知の装置を利用可能である。
【0036】
記憶部113には、少なくとも、この通信端末11を特定する端末ID113aが格納されている。但し、この端末ID113aは、センサボードユニット10や自動機のIDとしてもよい。この端末ID113aは、請求項の特定情報に相当する。
【0037】
一方、電源切替部114(請求項の電源制御手段に相当する)には、電源入力端子RX1及びRX2を介して、バッテリパック13からの直流電源及び商用電源に基づく電源が供給されている。商用電源に基づく電源は、電源入力端子RX2及び図示しないインターフェース回路を介して、制御部110にも供給されている。制御部110は、商用電源からの電源異常を検出して、異常時には電源切替部114を制御して、バッテリパック13(13′)からの電源供給を受けるようにする。正常時には、商用電源に基づく電源を受けるようにする。すなわち、異常時にはバッテリパックからの電源により上記各部が駆動されるので、自動機1が盗難されて後に搬送されている途中における追跡動作が可能になる。バッテリパック13(13′)は、繰り返し充電可能な2次電池が用いることが好ましい。なお、バッテリパック13′もまた請求項のバッテリに相当する。
【0038】
異常センサとしての音圧センサ12a、衝撃センサ12b及び傾きセンサ12cは、それぞれ音圧異常、衝撃異常及び傾き異常を検出して出力する公知のデバイスである。すなわち、音圧異常、衝撃異常及び傾き異常は、自動機1を固定部位から撤去しようとした場合や、自動機1が設置されているブース設備が破壊されようとした場合等に発生することが想定されるもので、これらを検出するためにセンサ12a、12b及び12cが用いられている。これらセンサ12a、12b及び12cは、全て用いる必要はなく、少なくとも、ひとつあればよい。勿論、全て用いれば、異常検出精度が向上することはいうまでもない。また、自動機又は自動機周囲における物理的変化を検出できるものであれば、他のセンサであってもよい。例えば、他のセンサとして温度センサを設けることにより、外部から自動機筐体をガスバーナー等で焼き切ろうとした際の急激な温度上昇を検出して、これを自動機の盗難防止に利用することもできる。これら音圧センサ12a、衝撃センサ12b及び傾きセンサ12c、或いは、温度センサは、請求項3における自動機異常検出手段に相当する。
【0039】
このような構成のセンサボードユニット10は、図5に示すような自動機1の所定部位に取り付けられる。図5に示すように、自動機1はコンクリート基台等の所定場所Gにボルト止め等により固設されている。自動機1は、通常、その背面を壁Wに対向するようにして、壁Wからわずかに離れるように固設される。自動機1は、商用電源143が供給されるコンセント142にコンセントプラグ141が挿着されて、料金計算、照明、商品保存等の電気的制御ために、ここから電源供給をうけている。自動機1は、金属製の箱形の外部筐体を有しているが、その内部には、現金を収容する現金収容カセット1a(請求項の現金収容部1aに相当)及び商品を収容する商品収容部1bを有している。自動機1の種類によっては、商品収容部1bがないものもある。なお、図5は、自動機を略側面からみた図である。
【0040】
このような自動機1において、センサボードユニット10は、自動機1と同様に商用電源の供給をうけている。そして、センサボードユニット10は、例えば、現金収容カセット1aの一部、好ましくは、その内部に貼設される。このように、センサボードユニットを、現金収容カセット1aの一部に取り付けることにより、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行にも対応可能になる。特に、センサボードユニットを、現金収容カセット1aの内部に取り付けることにより、現金収容カセット1aにセンサボードユニットが取り付けられていることを犯人に気づかれる可能性が低い。したがって、確実に自動機1に収容されていた現金の行方を追跡することが可能になる。また、センサボードユニット10′で示すように、現金収容カセット1aの背面、商品収容部1bの背面、自動機1の外部筐体の背面及び上面等のように目に付きにくい箇所に取り付けるようにしてもよい。
【0041】
次に、図6及び図7を用いて、本自動機監視システムに係る処理手順を説明する。図6は、本自動機監視システムにおけるセンサボードユニット側及び管理センタ側におけるそれぞれの処理、並びにそれらの間で行われる通信シーケンスを示すフローチャートである。図7は、図6における異常検出処理の一例を示すフローチャートである。なお、現実には、センサボード側処理は、複数の自動機1にそれぞれ取り付けられたそれぞれのセンサボードユニットにて行われるものであるが、図6においては、代表してひとつだけ示す。
【0042】
図6に示す自動機監視システムに係るセンサボード側処理では、ステップS101において異常検出処理が行われ、ステップS102においてこの異常検出処理による異常情報の有無が待機されている(ステップS102のY)。ステップS101の異常検出処理においては、上記音圧センサ12a、衝撃センサ12b及び/又は傾きセンサ12cによるそれぞれの異常情報の検出、或いは、制御部110による電源異常の検出が行われる。ステップS101及び関連するハードウエアは、請求項の自動機異常検出手段に相当する。
【0043】
異常検出処理では、図7に示すように、ステップS101aにおいて音圧センサ12aにて音圧異常が検出されると(ステップS101aのY)、ステップS101bにおいて異常情報としてこの音圧異常が設定される。又は、ステップS101cにおいて衝撃センサ12bにて衝撃異常が検出されると(ステップS101cのY)、ステップS101dにおいて異常情報としてこの衝撃異常が設定される。又は、ステップS101eにおいて傾きセンサ12cにて傾き異常が検出されると(ステップS101eのY)、ステップS101fにおいて異常情報としてこの傾き異常が設定される。更に、ステップS101gにおいて、商用電源からの電源異常が検出されると(ステップS101gのY)、ステップS101hにおいて異常情報としてこの電源異常が設定される。上記異常情報は、複数同時に設定されるようにしてもよいし、異常センサがひとつである場合にはひとつのみを設定するようにしてもよい。勿論、いずれの異常も検出されなかった場合には、異常情報なしと設定される。
【0044】
そして、このような異常検出処理の結果、ステップS102において異常情報ありと判定されると(ステップS102のY)、ステップS103に進む。ステップS103においては、記憶部113から端末ID113aが読み出され取得される。次に、ステップS104においては、この端末ID113aと共に上記設定された異常情報が携帯電話通信部112から送信され、携帯電話パケット通信網2及び専用回線3を介して監視センタ4に至る。この際、GPS信号等から取得可能な時刻情報を同時に送信するようにしてもよい。ステップS104及び関連するハードウエアは、請求項の異常情報送信手段に相当する。
【0045】
監視センタ4側処理では、ステップS401において、上記センサボードユニット側からの異常情報及び端末ID113aの受信が待機されており(ステップS401のN)、これらが受信されるとステップS402に進む(ステップS401のY)。なお、センサボードユニット側からの異常情報及び端末ID113aは、インターフェース回路41にて、コンピュータ42で処理できる信号形式に変換される。また、監視センタ4では、地図情報データベース424bに基づき、常時、関連地域の地図が、表示部422上に表示されているものとする。ステップS401及び関連するハードウエアは、請求項の異常情報受信手段に相当する。
【0046】
次に、ステップS402において、端末ID113aに基づいて特定された自動機1の設置位置が地図上に重ねて表示される。これは、点滅表示や目立つ色調での表示が好ましい。次に、ステップS403において、回転警報灯43が稼働されて異常警報発令が行われる。この際、警報音も同時に発するようにしていもよい。ステップS403及び関連するハードウエアは、請求項の異常警報発令手段に相当する。
【0047】
次に、ステップS404においては、追跡の要否が判定される。この追跡とは、自動機1の持ち去りを想定して自動機1の行方を追跡することを意味する。この追跡の要否の判定は、受信された異常信号の内容に基づいて行われる。すなわち、異常信号が音圧異常、衝撃異常又は傾き異常を示す場合には、未だこの段階では自動機1は持ち去られていないので追跡を行う必要はない。ところが、異常信号が電源異常を示す場合には、自動機1は持ち去られていることを意味するので追跡の必要がある。したがって、追跡不要の場合には(ステップS404のN)、ステップS401に戻って異常情報の受信がある限り警報発令を継続し、追跡要の場合には(ステップS404のY)、追跡を開始すべくステップS405に進む。ステップS405においては、追跡指令が、上記と逆方向の送信経路、すなわち、専用回線3及び携帯電話パケット通信網2を介して、異常情報を送信してきたセンサボード側に送信される。ステップS405及び関連するハードウエアは、請求項の追跡指令手段に相当する。
【0048】
センサボード側処理のステップS105においては、追跡指令が待機されており(ステップS105のN)、追跡指令が受信されるとステップS106以降に進む(ステップS105のY)。ステップS106以降では、所定インターバルにしたがって、周期的に位置情報等が取得され監視センタ4側に送信される。すなわち、ステップS106においては、GPS受信部111にてGPS信号を利用して自端末(又は自ユニット)の緯度及び経度で構成される位置情報が取得される。このとき、ステップS107に示すようにGPS信号に含まれる時刻信号も取得されるようにしてもよい。但し、予め定められた所定インターバルにしたがって検出動作が行われているので、監視センタ4側におけるタイマ等を利用しても時刻把握が可能である。したがって、必ずしもGPS信号から時刻情報を取得しなくてもよいが、GPS信号から時刻情報を取得すれば、位置情報が取得された時刻がより正確に把握可能になる。なお、以下の説明では、時刻情報は、GPS信号から取得されるものとする。ステップS106及び関連するハードウエアは、請求項の位置情報取得手段に相当する。
【0049】
次に、ステップS108において、既にステップS103で取得されている端末ID113aと上記位置情報及び時刻情報とが、監視センタ4側に送信される。このステップS108及び関連するハードウエアは、請求項の位置情報取得手段に相当する。端末ID113aと上記位置情報及び時刻情報は、携帯電話通信部112から送信され、上記と同様、携帯電話パケット通信網2及び専用回線3を介して、監視センタ4に至る。ステップS106〜ステップS108の処理は、ステップS109において所定の終了トリガありと判定されるまで(ステップS109のY)周期的に繰り返される(ステップS109のN)。
【0050】
一方、監視センタ4側処理では、ステップS406において、上記センサボードユニット側からの位置情報、時刻情報及び端末ID113aの受信が待機されており(ステップS406のN)、これらが受信されるとステップS407に進む(ステップS406のY)。なお、センサボードユニット側からの異常情報、時刻情報及び端末ID113aは、インターフェース回路41にて、コンピュータ42で処理できる信号形式に変換される。ステップS406及び関連するハードウエアは、請求項の追跡情報受信手段に相当し、ステップS407及び関連するハードウエアは、請求項の追跡情報出力手段に相当する。
【0051】
次に、ステップS407において、既に表示部422上に表示されている関連地域の地図に重ねて、受信された位置情報、時刻情報及び端末ID113aが表示される。時刻情報及び端末ID113aは必ずしも表示する必要はないが、これらも位置情報と共に表示することにより、追跡がより正確に行えるようになる。そして、ステップS108において所定の終了トリガありと判定されるまで(ステップS408のY)周期的に繰り返される(ステップS408のN)。
【0052】
このように、本発明の実施形態によると、監視センタにおいて、自動機側の異常発生を確実に把握することが可能になると共に、自動機が所定の固設場所から持ち去られた場合にも、この自動機を確実に追跡することが可能になる。特に、センサボードユニットを現金収容カセットの一部に取り付けることにより、自動機を持ち去った後に現金収容カセットのみを取り外して逃亡するというような犯行にも対応可能になる。したがって、本実施形態によれば、自動機の盗難防止及び犯人検挙に大きく貢献できる。
【0053】
なお、上記実施形態においては、自動販売機を例示して説明したが、本発明は自動機をこれに限定するものではない。自動機としては、自動販売機の他にATM(現金自動預け払い機)、CD(現金自動支払い機)、公衆電話機、自動両替機、プリペイドカード販売機等であってもよい。要は、現金収容部を内部に有する装置であれば、本発明は同様に適用可能である。本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で変更されたものも含む。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、監視センタ4における異常発生した自動機1の特定と異常発令とを可能にする。また、本発明は、異常の検出後に追跡情報を監視センタ4に周期的に無線送信することにより、監視センタ4における異常発生した自動機1の追跡を可能にする。したがって、本発明によれば、自動機1の盗難防止及び犯人検挙に貢献できる。
【0055】
請求項2記載の発明によれば、自動機異常検出手段1Aは商用電源からの電源供給異常を自動機異常として検出し、電源制御手段114は電源供給異常が検出された際には駆動電源としてバッテリ13を選択するようにしているので、自動機1が持ち去られた後の犯人追跡に非常に有効となる。
【0056】
請求項3記載の発明によれば、自動機異常検出手段1Aは、自動機1又は自動機周囲における物理的変化を自動機異常として検出するようにしているので、監視センタ4おいて自動機1の異常を即座に把握することを可能にする。
【0057】
請求項4記載の発明によれば、GPS信号を利用して位置情報に対応する時刻情報を取得する時刻情報取得手段1Dを更に有し、追跡情報送信手段1Eは、追跡情報としてこの時刻情報も送信するようにしているので、監視センタ4においてより正確に盗難された自動機1を追跡することを可能にする。
【0058】
請求項5記載の発明によれば、監視センタ4では、異常情報を受信すると自動機1の異常を発令する異常警報発令手段4Bを有しているので、自動機1の異常が確実に喚起される。
【0059】
請求項6記載の発明によれば、異常情報が電源供給異常を示すものであれば、センサボードユニット側に追跡情報の送信を促す追跡指令が送信されて、監視センタ4においてセンサボードユニット側からの追跡情報が受信される。そして、監視センタ4においてこの追跡情報に含まれる位置情報に対応する地域の地図情報と共に追跡情報が出力される。したがって、より明確に盗難された自動機1の行方を追跡することが可能になる。
【0060】
請求項7記載の発明によれば、センサボードユニットは、現金収容部1aの一部に取り付けられているので、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行にも対応可能になる。
【0061】
請求項8記載の発明によれば、自動機1を持ち去った後に現金収容部1aのみを取り外して逃亡するというような犯行においても、現金収容部1aにセンサボードユニットが取り付けられていることを犯人に気づかれる可能性が低い。したがって、確実に自動機1に収容されていた現金の行方を追跡することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の自動機監視システムの一実施形態に係るシステム構成を示す図である。
【図3】センサボードユニットの外観を示す組立図である。
【図4】センサボードユニットの構成を示すブロック図である。
【図5】センサボードユニットの取り付け位置の例を示す図である。
【図6】センサボード側及び管理センタ側におけるそれぞれの処理、並びにそれらの間で行われる通信シーケンスを示すフローチャートである。
【図7】図6における異常検出処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動機
2 携帯電話パケット通信網
3 専用回線
4 監視センタ
5 GPS衛星
10 センサボードユニット
11 通信端末
12 異常センサ
13、13′ バッテリパック
Claims (8)
- 所定場所に固設されて商用電源で駆動し、少なくとも、現金が収容される現金収容部を有する自動機の所定部位に取り付けられて、前記自動機を監視する監視センタと無線通信可能であるセンサボードユニットであって、
バッテリと、
駆動電源として、前記商用電源又は前記バッテリを選択的に使用するように制御する電源制御手段と、
前記自動機に関する異常を検出する自動機異常検出手段と、
自ユニットを特定する特定情報と共に前記異常を、異常情報として前記監視センタに無線送信する異常情報送信手段と、
GPS信号を利用して自ユニットの存在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記異常の検出後に、前記特定情報及び前記位置情報を、追跡情報として前記監視センタに周期的に無線送信する追跡情報送信手段と、
を有することを特徴とするセンサボードユニット。 - 請求項1記載のセンサボードユニットにおいて、
前記自動機異常検出手段は、前記商用電源からの電源供給異常を前記自動機異常として検出し、
前記電源制御手段は、前記電源供給異常が検出された際には前記駆動電源として前記バッテリを選択する、
ことを特徴とするセンサボードユニット。 - 請求項1記載のセンサボードユニットにおいて、
前記自動機異常検出手段は、前記自動機又は前記自動機周囲における物理的変化を前記自動機異常として検出する、
ことを特徴とするセンサボードユニット。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサボードユニットにおいて、
前記GPS信号を利用して前記位置情報に対応する時刻情報を取得する時刻情報取得手段を更に有し、
追跡情報送信手段は、前記追跡情報としてこの時刻情報も送信する、
ことを特徴とするセンサボードユニット。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサボードユニットを用いた自動機監視システムであって、
前記監視センタは、
無線回線を含む所定の通信網を介して前記異常情報を受信する異常情報受信手段と、
前記異常情報の受信に基づき異常警報を発令する異常警報発令手段と、
を有することを特徴とする自動機監視システム。 - 請求項5記載の自動機監視システムにおいて、
前記異常情報が、前記電源供給異常を示すものであれば、前記センサボードユニット側に前記追跡情報の送信を促す追跡指令を送信する追跡指令手段と、
前記センサボードユニット側から無線送信される前記追跡情報を受信する追跡情報受信手段と、
前記追跡情報に含まれる位置情報に対応する地域の地図情報を取得する地図情報取得手段と、
受信された前記追跡情報を地図情報と共に出力する追跡情報出力手段と、
を更に有することを特徴とする自動機監視システム。 - 請求項5又は6記載の自動機監視システムにおいて、
前記センサボードユニットは、前記現金収容部の一部に取り付けられている、
ことを特徴とする自動機監視システム。 - 請求項7記載の自動機監視システムにおいて、
前記センサボードユニットは、前記現金収容部の内部に取り付けられている、
ことを特徴とする自動機監視システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002238535A JP2004078615A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | センサボードユニット及びこれを用いた自動機監視システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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ID=32021928
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002238535A Withdrawn JP2004078615A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | センサボードユニット及びこれを用いた自動機監視システム |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004078615A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005339317A (ja) * | 2004-05-28 | 2005-12-08 | Kyocera Corp | 電子錠付き収納庫を制御するための通信装置及び電子錠付き収納庫 |
JP2006053810A (ja) * | 2004-08-13 | 2006-02-23 | Oki Electric Ind Co Ltd | カセット監視システム |
CN103310538A (zh) * | 2013-03-13 | 2013-09-18 | 四川天翼网络服务有限公司 | 金融客户端业务系统gis报警信息同步系统及方法 |
JP2017146930A (ja) * | 2016-02-19 | 2017-08-24 | エスケイジャパン株式会社 | 監視装置 |
-
2002
- 2002-08-19 JP JP2002238535A patent/JP2004078615A/ja not_active Withdrawn
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