JP2004077767A - 光半導体素子 - Google Patents

光半導体素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2004077767A
JP2004077767A JP2002237564A JP2002237564A JP2004077767A JP 2004077767 A JP2004077767 A JP 2004077767A JP 2002237564 A JP2002237564 A JP 2002237564A JP 2002237564 A JP2002237564 A JP 2002237564A JP 2004077767 A JP2004077767 A JP 2004077767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
modulator
waveguide core
optical waveguide
core layer
semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002237564A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3942511B2 (ja
Inventor
Takashi Akiyama
秋山 傑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2002237564A priority Critical patent/JP3942511B2/ja
Publication of JP2004077767A publication Critical patent/JP2004077767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3942511B2 publication Critical patent/JP3942511B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】印加される電界に応じて光を変調する光半導体素子の変調周波数帯域を広げる。
【解決手段】光導波路コア層で連結された複数の微小EA変調器3を離散的に形成するとともに、金属電極7に接続されたシグナルライン電極12およびn型InPクラッド層10に接続されたグランドライン電極11を、微小EA変調器3を挟んで形成する。入力された電気信号は、シグナルライン電極12から金属電極7へと伝わり、その下のMQW光導波路コア層に電界が印加され、各微小EA変調器3で光が変調される。シグナルライン電極12ならびにグランドライン電極11および隣り合う微小EA変調器3をそれぞれ適当に配置することで、素子全体の入力インピーダンスを所望の値に合わせることができる。これにより、入力電気信号をその反射を抑えて効果的に印加して変調周波数帯域を広げるようにする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光半導体素子に関し、特に光通信システムにおける光送信器の光変調器として用いられ、入力電気信号の波形を基に連続光を変調する機能を有する光半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおける光送信器には、入力電気信号の波形を基に連続光を変調光に変換する光変調器として機能する光半導体素子が内蔵されている。近年では、10〜80Gbits/sec.あるいはそれ以上の超高速通信に対応する光変調器の開発が進められている。
【0003】
このような光変調器として用いられる光半導体素子には、例えば、入力された電圧信号に応じて光を変調する電界吸収型(ElectroAbsorption,EA)変調器がある。
【0004】
図21は従来のEA変調器の模式図である。
EA変調器100は、導電性半導体であるn型InP基板101上に、多重量子井戸層(MQW)からなるMQW光導波路コア層102、このMQW光導波路コア層102上に形成されたp型クラッド層103、および素子の上面ならびに下面にそれぞれ形成された金属電極104,105を有している。このEA変調器100において、n型InP基板101は、MQW光導波路コア層102をp型クラッド層103と挟むn型クラッド層としての役割も果たしている。
【0005】
MQW光導波路コア層102の光の吸収端波長は、光通信で用いられる光の波長よりも若干短波長側に設定されており、そのため、EA変調器100は、光通信で用いられる光に対しては透明である。このMQW光導波路コア層102に対して電界を印加した場合、光の吸収端波長は長波長側へとシフトし、光通信で用いられる光の波長に対して大きな吸収係数をもつようになる。これにより、光はこのEA変調器100を透過せず、内部に吸収されるようになる。
【0006】
EA変調器100は、このような電界によるMQWの吸収係数の変化(量子閉じ込めシュタルク効果)を利用して光の変調を行う。すなわち、EA変調器100は、金属電極104,105間に高周波の電圧信号が印加されると、それにより生じるMQW光導波路コア層102の吸収係数の変化に応じて透過する光の強度を変調する。
【0007】
ところで、この図21に示したようなEA変調器100においては、n型クラッド層としてのn型InP基板101とp型クラッド層103とによって挟まれたMQW光導波路コア層102が、電気的にキャパシタンスとみなされる。この場合、キャパシタンスの電気容量で決まるCR時定数より大きな周波数においては、MQW光導波路コア層102に対して効果的な高周波電圧の印加が行えなくなる。その結果、EA変調器100の光の変調帯域は、効果的な高周波電圧の印加が行えるような電気信号の周波数帯域に制限されてしまうことになる。
【0008】
そのため、従来は主に、EA変調器がこのような変調周波数帯域の制限を受けないよう、40Gbits/sec.システム用のEA変調器に対し、その素子長を80〜100μmと小さく抑えることでその電気容量を低減し、変調周波数帯域を広くとれるようにしていた。
【0009】
また、図22は従来の別の形態のEA変調器の模式図である。
このEA変調器200は、基板として高抵抗InP基板201が用いられ、MQW光導波路コア層202に電圧を印加するための金属電極203,204が、n型クラッド層206上およびp型クラッド層205上にそれぞれ形成されている。これらの金属電極203,204は進行波型電極になっており、図21に示したEA変調器100の集中定数型電極とは異なる。そのため、このEA変調器200は、その進行波型電極の特性インピーダンスを駆動電気回路の特性インピーダンス、例えば50Ωに合わせることで、原理的には電気容量による変調周波数帯域の制限を受けない構造となっている。
【0010】
また、特開2000−258739号公報には、上記のEA変調器100,200とは異なる形態のEA変調器が提案されている。この提案におけるEA変調器は、MQW光導波路コア層の上部に形成されている金属電極が、MQW光導波路コア層の軸線方向に不連続に形成されている。すなわち、MQW光導波路コア層上に形成されたp型半導体と金属電極とが接して形成されている2つのEA変調器領域と、その間の、金属電極がp型半導体から部分的に分離して形成されて2つのEA変調器領域を電気的に接続する接続領域とに分けられた構造を有している。このEA変調器は、実質的には2つのEA変調器を直列に接続した構造になっており、全体として1つのEA変調器として機能するようになっている。
【0011】
このような構造のEA変調器では、接続領域における金属電極の断面積は比較的小さく、その長さはある程度長くなるため、この金属電極を電気的なインダクタンスとみなすことができる。一方、2つのEA変調器領域は、電気容量を持ったキャパシタンスとみなすことができる。そのため、このEA変調器では、接続領域における金属電極のインダクタンスの値およびEA変調器領域のキャパシタンスの値をそれぞれ適切に設定することで、素子全体の入力インピーダンスを、例えば50Ωに、マッチングさせるようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のそれぞれの形態のEA変調器においては、次に示すような問題点があった。
【0013】
まず、図21に示したEA変調器100においては、電気容量を低減して高周波電気信号を効果的にMQW光導波路コア層102に印加することができるよう、素子長を短くする。しかし、その場合には、一定の駆動電圧において消光比が小さくなってしまうという問題がある。これは、MQW光導波路コア層102に電圧を印加することによって消光する際、素子長が短いために充分に光がMQW光導波路コア層102に吸収されなくなるためである。
【0014】
また、図22に示したEA変調器200のように、進行波型電極にすることによって変調周波数帯域が制限されるのを抑えようとした場合には、素子断面の単位長さあたりの電気容量は比較的大きくなるという問題がある。そのため、実際には、素子上の進行波型電極の断面が有している特性インピーダンスは35Ω程度かあるいはそれ以下であり、素子全体の入力インピーダンスを50Ωなどの所定の値にマッチングさせることは困難である。この場合、素子からの高周波電気信号の反射は大きくなり、効果的にMQW光導波路コア層202に高周波電気信号を印加することができず、変調周波数帯域は狭まることになる。さらに、素子から反射した高周波電気信号が駆動回路系に悪影響を及ぼすという問題もある。
【0015】
また、EA変調器領域と接続領域とを有するEA変調器において、素子全体の入力インピーダンスを所定の値にマッチングする場合には、EA変調器領域の比較的大きな電気容量に対し、接続領域ではそれに見合うだけのインダクタンスにする必要がある。そのためには、接続領域を長くしてこの領域の金属電極の長さを長くしたり、この領域の金属電極の断面積を小さくしたりすることで、そのインダクタンスを大きくすることができる。
【0016】
ここで、接続領域は、EA変調器領域と同様、MQW光導波路コア層とこれを上下に挟むp型,n型InPクラッド層を有している。一般に、導電性半導体は、高周波電気信号に対して損失媒体として働く。したがって、前述のように、接続領域を長くすると、この接続領域に存在する導電性半導体であるp型,n型InPにより、印加した高周波電気信号の損失が増大することになる。さらに、前述のように、接続領域における金属電極の断面積が小さい場合には、高周波電気信号が伝播する際の抵抗が大きくなり、印加した高周波電気信号の損失が増大する。このような高周波電気信号の損失増大により、変調周波数帯域は制限される可能性がある。
【0017】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、入力された電気信号を効果的に光導波路コア層に印加することができ、広い変調周波数帯域で光を変調することのできる光半導体素子を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、図1に例示するような構成で実現可能な光半導体素子が提供される。本発明の光半導体素子は、入力電気信号に応じて光導波路コア層を伝播する光を吸収して変調するEA変調器としての機能を有する光半導体素子において、高抵抗半導体基板上に形成されて、第1の導電性半導体上に形成されたひとつの連続した光導波路コア層の上部に第2の導電性半導体を介して離散的に形成された複数の金属電極を有し前記金属電極が形成された領域において印加される電界に応じて前記光導波路コア層を伝播する光を吸収して変調する微小EA変調器と、前記高抵抗半導体基板上に形成されて前記金属電極に電気的に接続されたシグナルライン電極と、前記シグナルライン電極と前記光導波路コア層を挟んで反対側の前記高抵抗半導体基板上に、前記第1の導電性半導体に接して形成されたグランドライン電極と、を有することを特徴とする。
【0019】
このような光半導体素子によれば、シグナルライン電極12およびグランドライン電極11間に電気信号が与えられると、その電気信号はシグナルライン電極12から金属電極7へと伝わり、その下のMQW光導波路コア層4に電界が印加される。これにより、MQW光導波路コア層4を伝播する光が変調される。EA変調器1においては、複数の微小EA変調器3がひとつの光導波路コア層によって連結されて離散的に形成されており、各微小EA変調器3が光の変調に寄与し、素子全体でひとつのEA変調器1として動作する。
【0020】
また、このような光半導体素子では、シグナルライン電極12およびグランドライン電極11のそれぞれの幅と互いの間隔、および隣り合う微小EA変調器3の間隔をそれぞれ適当な値に設計することができる。そのため、スロットライン型電極の特性インピーダンスと微小EA変調器3の電気容量とを適当に設定し、素子全体の入力インピーダンスを所望の値に合わせることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は第1の実施の形態のEA変調器の平面模式図、図2は図1のA−A断面模式図、図3は図1のB−B断面模式図、図4は図1のC−C断面における微小EA変調器領域の模式図である。
【0023】
光導波路コア層に印加される電界に応じてその吸収係数を変化させ、光導波路コア層を伝播する光を変調する光半導体素子であるEA変調器1は、その基板に高抵抗InP基板2を用いて形成されている。このEA変調器1には、印加される電界に応じてそれぞれが光の変調に寄与する領域となる複数の微小EA変調器3が離散的に形成されている。これらの微小EA変調器3は、ひとつの連続したMQW層からなるMQW光導波路コア層4によって光学的に連結されている。
【0024】
微小EA変調器3として機能する領域において、MQW光導波路コア層4上には、導電性半導体として、順にp型InPクラッド層5およびp型InGaAsコンタクト層6が積層形成されている。このうち、p型InGaAsコンタクト層6上には、Auを用いた金属電極7が形成されている。一方、微小EA変調器3として機能する領域以外の領域、すなわち金属電極7が形成されている領域以外の領域にあるMQW光導波路コア層4上には、高抵抗半導体である高抵抗InP層8が形成されている。
【0025】
さらに、このEA変調器1の素子全体にわたり、MQW光導波路コア層4、p型InPクラッド層5およびp型InGaAsコンタクト層6の側壁およびその近傍には、高抵抗InP層9が形成されている。
【0026】
そして、MQW光導波路コア層4および高抵抗InP層9の下部で高抵抗InP基板2上には、導電性半導体であるn型InPクラッド層10が形成されている。このn型InPクラッド層10は、MQW光導波路コア層4下部から軸線方向の側方の一方の側の高抵抗InP基板2上に引き出されるようにして、微小EA変調器3の側方に形成されている。
【0027】
さらに、高抵抗InP基板2上には、MQW光導波路コア層4を挟むそれぞれの表面領域であってMQW光導波路コア層4から互いに一定距離だけ離れた表面領域に、Auを用いて形成された金属電極であるグランドライン電極11およびシグナルライン電極12が形成されている。グランドライン電極11は、高抵抗InP基板2上と共にn型InPクラッド層10上にも部分的に形成され、微小EA変調器3と電気的に接続されている。
【0028】
微小EA変調器3の金属電極7は、MQW光導波路コア層4の軸線方向の側方へ、高抵抗InP基板2との間に空間を残した状態で引き出されたAuのエアブリッジ配線13により、シグナルライン電極12と接続されている。これにより、微小EA変調器3はシグナルライン電極12と電気的に接続される。
【0029】
これらのグランドライン電極11およびシグナルライン電極12は、EA変調器1において、高周波伝送路となるスロットライン型電極を構成している。
さらに、このシグナルライン電極12は、軸線方向の両端部において、エアブリッジ配線14によりMQW光導波路コア層4を挟んだ反対側の領域、すなわちグランドライン電極11が形成されている領域の側に向かって配線され、高周波電気信号の入出力用の電極パッド15に接続されている。
【0030】
ここで、この第1の実施の形態のEA変調器1における各微小EA変調器3の軸線方向の長さはそれぞれ50μmであり、隣り合う微小EA変調器3の軸線方向の間隔は100μmである。
【0031】
また、MQW光導波路コア層4は、膜厚0.3μm、幅1.5μmである。このMQW光導波路コア層4を構成する井戸層およびバリヤ層はいずれもInGaAsPで形成され、MQW光導波路コア層4の発光波長は1.50μmに設定されている。井戸層の層数は15層、また、MQW光導波路コア層4はアンドーピング層である。
【0032】
微小EA変調器3において、p型InPクラッド層5,p型InGaAsコンタクト層6の膜厚はそれぞれ2μm,0.2μmであり、幅は共にMQW光導波路コア層4と同じ1.5μmである。これらのドーピング濃度は、それぞれ1.5×1018/cm,2.0×1019/cmとしている。n型InPクラッド層10は、膜厚約2μm、幅50μmであり、そのドーピング濃度は1.0×1018/cmとしている。
【0033】
n型InPクラッド層10上のMQW光導波路コア層4、p型InPクラッド層5,p型InGaAsコンタクト層6および高抵抗InP層8,9によって構成されているメサ構造の幅は8μmとなるように形成されている。
【0034】
グランドライン電極11,シグナルライン電極12の幅はそれぞれ150μm,100μmであり、その膜厚は共に5μmである。グランドライン電極11とシグナルライン電極12との間隔はここでは60μmとなるよう形成されており、シグナルライン電極12とn型InPクラッド層10との間隔は40μmで形成されている。シグナルライン電極12と金属電極7とを接続するエアブリッジ配線13の膜厚は5μmであり、その幅は20μmで形成している。
【0035】
このような構成のEA変調器1においては、グランドライン電極11および一方の側の電極パッド15に対し、高周波電気信号源20によって高周波電気信号が与えられる。もう一方の側に形成されている電極パッド15とグランドライン電極11との間には終端抵抗30が接続されている。シグナルライン電極12に接続された一方の側の電極パッド15とグランドライン電極11との間に高周波電気信号源20によって高周波電気信号が与えられると、高周波電気信号は、もう一方の側の電極パッド15に向かって伝播する。その際、高周波電気信号は、シグナルライン電極12からエアブリッジ配線13を介して、離散的に形成された各微小EA変調器3の金属電極7へと伝播され、その下部のMQW光導波路コア層4に電界が印加される。この印加される電界に応じてMQW光導波路コア層4の吸収係数が変化し、これを伝播する光が吸収による変調を受けるようになる。
【0036】
以上のように、このEA変調器1では、離散的に形成された微小EA変調器3を光学的に連結して素子全体でひとつのEA変調器として動作する構造としているので、各微小EA変調器3の長さの合計が、必要とされる消光比を実現する長さとなるような設計が可能である。したがって、与えられた駆動電圧の下でMQW光導波路コア層4を伝播する光を充分に吸収させることが可能になる。
【0037】
また、このEA変調器1では、グランドライン電極11,シグナルライン電極12の2枚の電極からなるスロットライン型電極に、各微小EA変調器3が電気的に接続される構造としている。このような構造では、素子全体の入力インピーダンスが、グランドライン電極11,シグナルライン電極12のそれぞれの幅と互いの間隔で定まるスロットライン型電極のみの特性インピーダンスと、微小EA変調器3の電気容量とによって決まる。
【0038】
そのため、微小EA変調器3がスロットライン型電極に電気的に接続されていない場合には、素子の入力インピーダンスはスロットライン型電極のみの特性インピーダンスに等しい。これに対し、スロットライン型電極に微小EA変調器3が接続された場合、素子の入力インピーダンスは、スロットライン型電極のみの特性インピーダンスが微小EA変調器3の実効的な電気容量に対応した量だけ下げられた値となる。この実効的な電気容量とは、微小EA変調器3の電気容量を、その微小EA変調器3の長さとこれに隣り合う微小EA変調器3との間隔との和で割った単位長さあたりの電気容量をいう。
【0039】
したがって、スロットライン型電極に接続された微小EA変調器3の実効的な電気容量を考慮し、スロットライン型電極をその特性インピーダンスを50Ωより大きくなるように形成することで、素子全体の入力インピーダンスを50Ωにマッチングさせることが可能になる。このマッチングに当たっては、前述のように、微小EA変調器3の実効的な電気容量は、その微小EA変調器3の軸線方向の長さとこれに隣り合う微小EA変調器3との間隔を変化させることで調整可能である。また、スロットライン型電極のみの特性インピーダンスは、グランドライン電極11,シグナルライン電極12のそれぞれの幅および互いの間隔を変化させることで調整可能である。
【0040】
このように、EA変調器1においては、素子全体の入力インピーダンスを所望の値にマッチングさせる設計が可能である。そのため、MQW光導波路コア層4に高周波電気信号をその反射を抑えて効果的に印加することができ、EA変調器1の変調周波数帯域を広くとることができる。
【0041】
また、このEA変調器1は、スロットライン型電極を素子表面に充分な幅で形成することで、高周波電気信号がスロットライン型電極を伝播する際の抵抗を小さくし、高周波電気信号の伝播損失を低減することができる。
【0042】
さらに、このEA変調器1では、高抵抗InP基板2を用い、さらに、グランドライン電極11とMQW光導波路コア層4とを接続するn型InPクラッド層10の体積が小さくなるように配慮されている。このように、導電性半導体の使用量を低減することで、導電性半導体による高周波電気信号の損失を小さく抑えることが可能になる。
【0043】
さらに、このEA変調器1では、MQW光導波路コア層4上部において、p型InPクラッド層5およびp型InGaAsコンタクト層6が微小EA変調器3の領域にのみ形成され、この領域以外の領域には高抵抗InP層8が形成されている。このように、各微小EA変調器3の領域間に、高周波電気信号の伝播損失の小さい高抵抗InP層8を用いることで、導電性半導体を用いる場合よりも高周波電気信号の損失を低減することができる。
【0044】
また、このEA変調器1においては、MQW光導波路コア層4の両側が高抵抗InP層9により埋め込まれ、微小EA変調器3の断面がSI−BH構造に形成されていることで、次のような製造上の利点がある。すなわち、一般に光導波路コア層の上部に露出したp型コンタクト層のように幅2μm以下程度の狭い領域にのみ金属電極を形成することは製造プロセス上困難である。これに対し、このEA変調器1では、p型InGaAsコンタクト層6を含め合計8μmの幅で露出している高抵抗InP層8,9の表面に跨った領域にも金属電極7を形成することができ、EA変調器1の製造が容易になる。
【0045】
次に、上記構成のEA変調器1の製造方法について図5から図10を参照して説明する。ここで、図5は各層の結晶成長工程、図6は高抵抗InP層の再成長工程、図7はMQW光導波路コア層の形成工程、図8は高抵抗InP層の埋め込み成長工程、図9はメサ構造の形成工程、図10はn型InPクラッド層のエッチング工程の説明図である。
【0046】
まず、高抵抗InP基板2上に、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて、n型InPクラッド層10、アンドーピングのMQW層40、p型InPクラッド層5およびp型InGaAsコンタクト層6を、この順でそれぞれ一様に結晶成長させ、図5に示すような積層構造のウェハを形成する。ただし、図5および以下の図6ならびに図7においては、p型InPクラッド層5およびp型InGaAsコンタクト層6をひとつの層で図示している。
【0047】
次いで、図6に示すように、MQW層40上に成長させたp型InPクラッド層5およびp型InGaAsコンタクト層6を、最終的に上記の微小EA変調器3が形成される領域が残るようにして、帯状に除去する。これは、通常の半導体製造プロセスにおいて用いられるリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて行われる。そして、p型InPクラッド層5およびp型InGaAsコンタクト層6が部分的に除去されているMQW層40上に、再度MOVPE法により、高抵抗InP層8を成長させる。
【0048】
次いで、n型InPクラッド層10、MQW層40、p型InPクラッド層5、p型InGaAsコンタクト層6、および高抵抗InP層8を、ドライエッチング技術により加工し、図7に示すように、ひとつの連続したMQW光導波路コア層4を含む導波路構造を形成する。
【0049】
次いで、図8に示すように、先の導波路構造の形成時に行ったドライエッチングにより取り除いて露出したn型InPクラッド層10上に、MOVPE法による埋め込み成長技術を用いて、高抵抗InP層9を成長させる。これにより、表面に露出するp型InGaAsコンタクト層6の部分を除き、ウェハ表面に高抵抗InPが一様に形成される。
【0050】
次いで、図9に示すように、ドライエッチング技術により、MQW光導波路コア層4の側方の領域に形成されている大部分の高抵抗InP層9を除去し、その下部のn型InPクラッド層10を露出させ、メサ構造を形成する。このメサ構造の形成の際には、MQW光導波路コア層4の側壁およびその近傍に高抵抗InP層9が残るようにする。これにより、MQW光導波路コア層4上には高抵抗InP層8が、MQW光導波路コア層4の側壁およびその近傍には高抵抗InP層9が、それぞれ残ることになり、MQW光導波路コア層4を含む導波路構造が高抵抗InPによって囲まれた状態になる。
【0051】
次いで、図10に示すように、ドライエッチング技術により、MQW光導波路コア層4を含む導波路構造の側方にある片側一部の領域を除いて、表面に露出したn型InPクラッド層10を除去し、高抵抗InP基板2を露出させる。その際、n型InPクラッド層10は、軸線方向に対して最終的に微小EA変調器3が形成される領域の側方に残るようにエッチングする。このエッチングにより除去しないで表面に露出する部分のn型InPクラッド層10は、メサのエッジ部からの幅がここでは42μmとなるように形成する。
【0052】
最後に、Auメッキを施し、電極形成を行う。このAuメッキは、2回に分けて行う。まず1回目のAuメッキにより、図1から図3に示した所定の領域に、スロットライン型電極となるグランドライン電極11およびシグナルライン電極12をそれぞれ形成する。そして、続く2回目のAuメッキにより、MQW光導波路コア層4上にp型InGaAsコンタクト層6が露出している部分において、その上部に金属電極7を形成する。この金属電極7が形成されている領域が微小EA変調器3として機能するようになる。その際、金属電極7とシグナルライン電極12との間、およびシグナルライン電極12と電極パッド15との間を、それぞれAuメッキのエアブリッジ配線13,14により接続する。
【0053】
これにより、図1から図4に示したような、離散的に形成された複数の微小EA変調器3が光学的および電気的に連結されたEA変調器1が形成される。
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0054】
図11は第2の実施の形態のEA変調器の平面模式図、図12は図11のD−D断面における微小EA変調器領域の模式図である。ただし、図11および図12においては、図1から図4に示した構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
【0055】
第2の実施の形態のEA変調器1aは、MQW光導波路コア層4上に、p型InPクラッド層5aが軸線方向に一様に形成されており、この点で、微小EA変調器3の領域以外の領域では高抵抗InP層8が形成されている第1の実施の形態のEA変調器1と相違する。このp型InPクラッド層5a上に形成されるp型InGaAsコンタクト層6は、第1の実施の形態と同じく、微小EA変調器3の領域にのみ形成されている。その他の点についても、第1の実施の形態と同じである。
【0056】
この第2の実施の形態のEA変調器1aの製造は、第1の実施の形態のEA変調器1の製造と同様に行うことができる。ただし、このEA変調器1aの製造においては、第1の実施の形態において図6に示した高抵抗InP層8の再成長工程を省略する。さらに、図8に示した高抵抗InP層9の埋め込み成長工程の後に、微小EA変調器3が形成される領域以外の領域のp型InGaAsコンタクト層6をウェットエッチングにより除去する工程を追加する。これにより、上記構成のEA変調器1aを形成することができる。
【0057】
このEA変調器1aでは、微小EA変調器3の領域以外の領域においてもp型InPクラッド層5aが形成されるため、この領域のp型InPクラッド層5aによる高周波電気信号の損失が生じることになる。しかし、スロットライン型電極によって高周波電気信号を効率的に伝送することができ、その他の構成も第1の実施の形態と同じであるため、高周波電気信号の損失を、第1の実施の形態の場合ほどではないものの、充分低く抑えることができる。
【0058】
また、図6に示したようなエッチング後に再び結晶成長を行うといった工程を省略することができ、さらに、EA変調器1aの構造を簡素化できるので、生産性を向上させることが可能になる。
【0059】
次に、第3の実施の形態について説明する。
図13は第3の実施の形態のEA変調器の平面模式図、図14は図13のE−E断面模式図である。ただし、図13および図14においては、図1から図4に示した構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
【0060】
第3の実施の形態のEA変調器1bは、EA変調器領域50と分布帰還(DFB)レーザ領域60とが同一基板上に集積された構造を有している。EA変調器1bのEA変調器領域50は、第1の実施の形態のEA変調器1と同様の構造で形成されている。
【0061】
DFBレーザ領域60のMQW光導波路コア層61の発光波長は、1.55μm付近に調整されており、EA変調器領域50のMQW光導波路コア層4とは異なる組成、構造になっている。MQW光導波路コア層4,61は、その結合損失を低く抑えられるバットジョイントにて光結合される。
【0062】
ここで、図13および図14においては図示を省略しているが、DFBレーザ領域60には、通常のDFBレーザと同様に、MQW光導波路コア層61の近くに回折格子を形成しておく。MQW光導波路コア層61の組成および回折格子の形状は、このDFBレーザ領域60での発振波長が1.55μmとなるようにそれぞれ調整される。
【0063】
DFBレーザ領域60のMQW光導波路コア層61は、EA変調器領域50のMQW光導波路コア層4と同じ膜厚で形成される。このMQW光導波路コア層61上には、p型InPクラッド層62およびp型InGaAsコンタクト層63が、EA変調器領域50のp型InPクラッド層5およびp型InGaAsコンタクト層6と同じ膜厚で形成されている。
【0064】
MQW光導波路コア層61の下部には、n型InPクラッド層64が、膜厚約2μm、幅190μmで形成され、EA変調器領域50のn型InPクラッド層10と同様、MQW光導波路コア層61の軸線方向の側方に表面露出した状態で引き出されている。さらに、n型InPクラッド層64上であってMQW光導波路コア層61の側壁部には、高抵抗InP層65が、MQW光導波路コア層61などの幅を含めて合計150μmの幅で、かつ膜厚3μmで形成されている。
【0065】
p型InGaAsコンタクト層63上ならびに高抵抗InP層65上、およびn型InPクラッド層64の一部を含む高抵抗InP基板2上には、Auメッキによる金属電極66,67が、それぞれ幅150μm,130μm、膜厚が共に5μmで形成されている。金属電極66,67は、共に高抵抗InPによってEA変調器領域50とは電気的にアイソレーションされており、DFBレーザ領域60およびEA変調器領域50が共に適正な動作を行えるようになっている。
【0066】
このEA変調器1bでは、光源となる半導体レーザとレーザ光をデータ変調するための光変調器とが集積されているため、これらにより構成される光送信モジュールを小型化することができる。
【0067】
また、このような構成のEA変調器1bの製造においては、MQW光導波路コア層4,61の構成が異なるが、n型InPクラッド層10,64などその他の構成要素の材質としては、同じものを用いることができる。したがって、MQW光導波路コア層4,61は別工程で形成してバットジョイントで光結合し、その他の構成要素は同じ工程内で所定の形状で形成することができる。
【0068】
次に、第4の実施の形態について説明する。
図15は第4の実施の形態のEA変調器の平面模式図である。ただし、図15においては、図1から図4に示した構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
【0069】
第4の実施の形態のEA変調器1cは、スロットライン型電極を構成しているグランドライン電極11とシグナルライン電極12cとの間隔が、第1の実施の形態のEA変調器1の場合よりも大きい120μmで形成されている。これは、スロットライン型電極のみの特性インピーダンスを、EA変調器1の場合よりも大きくするためである。
【0070】
この場合、EA変調器1cにおいて、素子の入力インピーダンスを50Ωにマッチングさせるために必要な隣り合う微小EA変調器3の間隔は80μmとなり、EA変調器1に比べて小さくなる。したがって、全体の素子長を小さくすることが可能になる。
【0071】
なお、この第4の実施の形態のEA変調器1cにおいては、シグナルライン電極12cを、微小EA変調器3と相対する領域において、MQW光導波路コア層4の側に60μm程度引き出す構造としている。これは、シグナルライン電極12cと金属電極7とを接続するエアブリッジ配線13が長くなると作製が困難になるためである。このEA変調器1cでは、スロットライン型電極の間隔が120μmと大きくても、シグナルライン電極12cと金属電極7との間のエアブリッジ配線13を長くすることなく電気的に接続することができ、素子の作製を容易に行うことができる。
【0072】
次に、第5の実施の形態について説明する。
図16は第5の実施の形態のEA変調器の平面模式図、図17は図16のF−F断面模式図である。ただし、図16および図17においては、図1から図4に示した構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
【0073】
第5の実施の形態のEA変調器1dは、第1の実施の形態のEA変調器1に比較して導電性半導体を低減した構造となっている。
すなわち、MQW光導波路コア層4下部のn型InPクラッド層10dは、MQW光導波路コア層4下部から各微小EA変調器3の側方にそれぞれ引き出されて形成されている。この場合、各微小EA変調器3の間の領域においてn型InPクラッド層10dは側方へ引き出されておらず、メサ側方において高抵抗InP基板2が最表面の半導体層となっている。これらすべてのn型InPクラッド層10d上および高抵抗InP基板2上に、スロットライン型電極の1枚のグランドライン電極11が形成される。その他の構造および作用については、第1の実施の形態の場合と同様である。
【0074】
このようなEA変調器1dによれば、高周波電気信号が素子を伝播する際の損失がより小さくなり、その結果、変調周波数帯域を大きくとることができるようになる。
【0075】
次に、第6の実施の形態について説明する。
図18は第6の実施の形態のEA変調器の平面模式図、図19は図18のG−G断面模式図、図20は図18のH−H断面模式図である。ただし、図18から図20においては、図1から図4に示した構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明の詳細は省略する。
【0076】
第6の実施の形態のEA変調器1eは、第5の実施の形態の場合と同様、第1の実施の形態のEA変調器1に比較して導電性半導体を低減した構造となっている。
【0077】
すなわち、MQW光導波路コア層4下部のn型InPクラッド層10eは、MQW光導波路コア層4下部から各微小EA変調器3の側方にそれぞれ引き出されて形成されている。この場合、各微小EA変調器3の間の領域においてn型InPクラッド層10eは側方へ引き出されておらず、メサ側方において高抵抗InP基板2が最表面の半導体層となっている。そのため、高周波電気信号が素子を伝播する際の損失を小さくし、変調周波数帯域を大きくとることができる。
【0078】
さらに、このEA変調器1eでは、n型InPクラッド層10e上に金属電極11eが形成されており、この金属電極11eと、ここから離れて高抵抗InP基板2上に形成されているグランドライン電極11とが、電気的に接続されている。このような電極構造とすることで、スロットライン型電極の間隔を110μmと、第1の実施の形態のEA変調器1に比べて大きくすることができる。これにより、スロットライン型電極のみの特性インピーダンスは、第1の実施の形態の場合に比較して大きくなる。その結果、このEA変調器1eでは、素子の入力インピーダンスを50Ωにマッチングさせるために必要な隣り合う微小EA変調器3の間隔を85μmとすることができ、素子長を短くすることができる。
【0079】
なお、以上の説明では、3つの微小EA変調器3を有するEA変調器1,1a,1b,1c,1d,1eについて述べたが、例えば6つの微小EA変調器3を形成してその変調器として機能する領域の長さを長くするなど、形成する微小EA変調器3の数はこれに限定されるものではない。また、光導波路コア層は、上記のMQW構造のほか、バルク構造とすることもできる。さらに、上記のエアブリッジ配線13は、高抵抗InP基板2との間に空間をもたせずに配線を形成することもできる。
【0080】
以上の説明における構造上の設計値は例であって、素子の使用条件に応じて最適化することができる。
さらに、上記説明においては、隣り合う微小EA変調器3の間には、高抵抗InP層8またはp型InPクラッド層5aが形成されるようにしたが、これらのほか、ここに絶縁性誘電体が形成されるようにしてもよい。この場合、クラッド層としての役割を果たすことのできる物性、例えば屈折率を有しているものを用いるようにする。このように隣り合う微小EA変調器3の間に形成される高抵抗半導体、導電性半導体および絶縁性誘電体は、それ単独でまたは他の材料と組み合わせて用いることも可能である。また、隣り合う微小EA変調器3の間には何も形成しないようにすることも可能である。
【0081】
また、以上の説明では、入力インピーダンスを主に50Ωにマッチングさせる場合について述べたが、この値は他の所望の値であってよく、その値に合わせて構造上の設計値を決定するようにする。また、所望の入力インピーダンスに完全にマッチングさせることが困難な場合は、所望の入力インピーダンスに近づける構造設計値にするだけでも効果が得られる。消光比についても同様に、所望の値に従って、微小EA変調器の合計長さを設定することができる。
【0082】
また、入力インピーダンスのマッチングや消光比の増大以外にも、素子上に形成した電極を高周波電気信号が伝播する速度とMQW光導波路コア層を光が伝播する速度を整合させることを素子構造の設計の指針として、スロットライン電極の間隔や素子全体の長さに占める微小EA変調器の長さの割合などの設計値を定めてもよい。入力インピーダンスを所望の値にある程度マッチングさせた上でこのような伝播速度の整合を行えば、更にEA変調器の変調周波数帯域を広くすることができる。
【0083】
(付記1) 入力電気信号に応じて光導波路コア層を伝播する光を吸収して変調する電界吸収型変調器としての機能を有する光半導体素子において、
高抵抗半導体基板上に形成されて、第1の導電性半導体上に形成されたひとつの連続した光導波路コア層の上部に第2の導電性半導体を介して離散的に形成された複数の金属電極を有し前記金属電極が形成された領域において印加される電界に応じて前記光導波路コア層を伝播する光を吸収して変調する微小電界吸収型変調器と、
前記高抵抗半導体基板上に形成されて前記金属電極に電気的に接続されたシグナルライン電極と、
前記シグナルライン電極と前記光導波路コア層を挟んで反対側の前記高抵抗半導体基板上に、前記第1の導電性半導体に接して形成されたグランドライン電極と、
を有することを特徴とする光半導体素子。
【0084】
(付記2) 隣り合う前記微小電界吸収型変調器の間隔および前記シグナルライン電極と前記グランドライン電極との間隔を調整することによって素子全体の入力インピーダンスを設定することができるようにしたことを特徴とする付記1記載の光半導体素子。
【0085】
(付記3) 離散的に形成された複数の前記金属電極のうち、隣り合う一方の金属電極の下に形成されている一方の導電性半導体と、他方の金属電極の下に形成されている他方の導電性半導体との間の少なくとも一部に、高抵抗半導体、絶縁性誘電体のいずれかを有していることを特徴とする付記1記載の光半導体素子。
【0086】
(付記4) 前記微小電界吸収型変調器における前記光導波路コア層および前記第2の導電性半導体の側部には高抵抗半導体が形成され、前記金属電極は、前記第2の導電性半導体および前記高抵抗半導体の表面に跨って形成されることを特徴とする付記1記載の光半導体素子。
【0087】
(付記5) 前記高抵抗半導体基板上に半導体レーザと共に集積形成されており、前記光導波路コア層上部の前記第2の導電性半導体が前記半導体レーザの光導波路コア層上部の導電性半導体と高抵抗の半導体を介して電気的にアイソレーションされていることを特徴とする付記1記載の光半導体素子。
【0088】
(付記6) 前記シグナルライン電極は、前記微小電界吸収型変調器と相対する部分が前記微小電界吸収型変調器の側に引き出されて形成されていることを特徴とする付記1記載の光半導体素子。
【0089】
(付記7) 前記第1の導電性半導体は、前記光導波路コア層の下部から前記グランドライン電極の側に向かって、前記微小電界吸収型変調器および前記微小電界吸収型変調器間の領域の全体または少なくとも一部分において、引き出されて形成されていることを特徴とする付記1記載の光半導体素子。
【0090】
(付記8) 前記第1の導電性半導体上に形成された電極を有し、前記電極は、前記グランドライン電極と電気的に接続されていることを特徴とする付記7記載の光半導体素子。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、光導波路コア層で連結された複数の微小EA変調器を離散的に形成するとともに、微小EA変調器の金属電極に接続されたシグナルライン電極および光導波路コア層下部の第1の導電性半導体に接したグランドライン電極の2枚の電極を、光導波路コア層を挟んで形成する。これにより、光の変調に寄与する各微小EA変調器の長さの合計を適当に設定することができ、消光比を大きくすることが可能になる。さらに、シグナルライン電極およびグランドライン電極のそれぞれの幅と互いの間隔、および隣り合う微小EA変調器の間隔をそれぞれ設定することができるため、素子全体の入力インピーダンスを所望の値に合わせることができる。したがって、入力電気信号を効果的に印加することができ、広い変調周波数帯域で光を変調することのできる光半導体素子が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のEA変調器の平面模式図である。
【図2】図1のA−A断面模式図である。
【図3】図1のB−B断面模式図である。
【図4】図1のC−C断面における微小EA変調器領域の模式図である。
【図5】各層の結晶成長工程の説明図である。
【図6】高抵抗InP層の再成長工程の説明図である。
【図7】MQW光導波路コア層の形成工程の説明図である。
【図8】高抵抗InP層の埋め込み成長工程の説明図である。
【図9】メサ構造の形成工程の説明図である。
【図10】n型InPクラッド層のエッチング工程の説明図である。
【図11】第2の実施の形態のEA変調器の平面模式図である。
【図12】図11のD−D断面における微小EA変調器領域の模式図である。
【図13】第3の実施の形態のEA変調器の平面模式図である。
【図14】図13のE−E断面模式図である。
【図15】第4の実施の形態のEA変調器の平面模式図である。
【図16】第5の実施の形態のEA変調器の平面模式図である。
【図17】図16のF−F断面模式図である。
【図18】第6の実施の形態のEA変調器の平面模式図である。
【図19】図18のG−G断面模式図である。
【図20】図18のH−H断面模式図である。
【図21】従来のEA変調器の模式図である。
【図22】従来の別の形態のEA変調器の模式図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e EA変調器
2 高抵抗InP基板
3 微小EA変調器
4,61 MQW光導波路コア層
5,5a,62 p型InPクラッド層
6,63 p型InGaAsコンタクト層
7,11e,66,67 金属電極
8,9,65 高抵抗InP層
10,10d,10e,64 n型InPクラッド層
11 グランドライン電極
12,12c シグナルライン電極
13,14 エアブリッジ配線
15 電極パッド
20 高周波電気信号源
30 終端抵抗
40 MQW層
50 EA変調器領域
60 DFBレーザ領域

Claims (5)

  1. 入力電気信号に応じて光導波路コア層を伝播する光を吸収して変調する電界吸収型変調器としての機能を有する光半導体素子において、
    高抵抗半導体基板上に形成されて、第1の導電性半導体上に形成されたひとつの連続した光導波路コア層の上部に第2の導電性半導体を介して離散的に形成された複数の金属電極を有し前記金属電極が形成された領域において印加される電界に応じて前記光導波路コア層を伝播する光を吸収して変調する微小電界吸収型変調器と、
    前記高抵抗半導体基板上に形成されて前記金属電極に電気的に接続されたシグナルライン電極と、
    前記シグナルライン電極と前記光導波路コア層を挟んで反対側の前記高抵抗半導体基板上に、前記第1の導電性半導体に接して形成されたグランドライン電極と、
    を有することを特徴とする光半導体素子。
  2. 隣り合う前記微小電界吸収型変調器の間隔および前記シグナルライン電極と前記グランドライン電極との間隔を調整することによって素子全体の入力インピーダンスを設定することができるようにしたことを特徴とする請求項1記載の光半導体素子。
  3. 離散的に形成された複数の前記金属電極のうち、隣り合う一方の金属電極の下に形成されている一方の導電性半導体と、他方の金属電極の下に形成されている他方の導電性半導体との間の少なくとも一部に、高抵抗半導体、絶縁性誘電体のいずれかを有していることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子。
  4. 前記微小電界吸収型変調器における前記光導波路コア層および前記第2の導電性半導体の側部には高抵抗半導体が形成され、前記金属電極は、前記第2の導電性半導体および前記高抵抗半導体の表面に跨って形成されることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子。
  5. 前記高抵抗半導体基板上に半導体レーザと共に集積形成されており、前記光導波路コア層上部の前記第2の導電性半導体が前記半導体レーザの光導波路コア層上部の導電性半導体と高抵抗の半導体を介して電気的にアイソレーションされていることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子。
JP2002237564A 2002-08-16 2002-08-16 光半導体素子 Expired - Lifetime JP3942511B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002237564A JP3942511B2 (ja) 2002-08-16 2002-08-16 光半導体素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002237564A JP3942511B2 (ja) 2002-08-16 2002-08-16 光半導体素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004077767A true JP2004077767A (ja) 2004-03-11
JP3942511B2 JP3942511B2 (ja) 2007-07-11

Family

ID=32021264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002237564A Expired - Lifetime JP3942511B2 (ja) 2002-08-16 2002-08-16 光半導体素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3942511B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007091465A1 (ja) * 2006-02-09 2007-08-16 Nec Corporation 光導波路
JP2017021210A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 日本電信電話株式会社 半導体光変調器及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007091465A1 (ja) * 2006-02-09 2007-08-16 Nec Corporation 光導波路
CN101384931B (zh) * 2006-02-09 2011-03-30 日本电气株式会社 光波导
US8374469B2 (en) 2006-02-09 2013-02-12 Nec Corporation Optical waveguide
JP2017021210A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 日本電信電話株式会社 半導体光変調器及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3942511B2 (ja) 2007-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3936256B2 (ja) 光半導体装置
JP2955986B2 (ja) 半導体光変調器及びその製造方法
JP3905367B2 (ja) 半導体光変調器、それを用いたマッハツェンダ型光変調器、及び半導体光変調器の製造方法
US9229251B2 (en) Optical modulator and optical transmitter
JP2004157500A (ja) 光変調器
JP3885528B2 (ja) 光変調器
US7024057B2 (en) Optical device having dual microstrip transmission lines with a low-k material and a method of manufacture thereof
JP4917253B2 (ja) 分布型低域フィルタ伝送線回路装置
JP3839710B2 (ja) 半導体光変調器、マッハツェンダ型光変調器、及び光変調器一体型半導体レーザ
US8600198B2 (en) Semiconductor optical modulator, semiconductor optical integrated device, and method of manufacturing the same
JP2006065085A (ja) 半導体マッハツェンダ型光変調器及びその製造方法
US10027088B2 (en) Integrated semiconductor optical element and manufacturing method for same
JPH07230066A (ja) 半導体光変調器
CN111937259B (zh) 半导体光元件、半导体光集成元件、及半导体光元件的制造方法
WO2019211991A1 (ja) 半導体マッハ・ツェンダ型光変調器およびそれを用いたiq光変調器
JP3942511B2 (ja) 光半導体素子
JP2004151590A (ja) 光半導体装置
JP4656459B2 (ja) 半導体光機能装置および半導体光機能素子
JPH05251812A (ja) 量子井戸構造光変調器付き分布帰還型半導体レーザおよびその製造方法
WO2023188426A1 (ja) 半導体装置
WO2023248329A1 (ja) 半導体装置
JP3797735B2 (ja) 光集積回路およびその製造方法
JP3961316B2 (ja) 光機能素子
JPH07202316A (ja) 選択成長導波型光制御素子
JP3799628B2 (ja) 半導体光集積素子及び半導体光集積素子の駆動方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070403

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3942511

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120413

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140413

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term