JP2004076500A - ヒンジのストッパ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストッパの取付けと扉の開放角度の変更が容易で、大きな取付けスペースを必要としないヒンジのストッパ構造を提供する。
【解決手段】第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24の筒状部22a,24aに、筒状のストッパ30が共通的に遊嵌される。前記ストッパ30の周壁に、両ヒンジ部材22,24の取付板22b,24bが挿通される切欠32が形成される。前記ストッパ30は、本体に対して扉を回動した際に、前記切欠32の周方向の端縁部に取付板22b,24bが当接することで、該扉の開放角度を規制する。
【選択図】 図4
【解決手段】第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24の筒状部22a,24aに、筒状のストッパ30が共通的に遊嵌される。前記ストッパ30の周壁に、両ヒンジ部材22,24の取付板22b,24bが挿通される切欠32が形成される。前記ストッパ30は、本体に対して扉を回動した際に、前記切欠32の周方向の端縁部に取付板22b,24bが当接することで、該扉の開放角度を規制する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば消毒保管庫等を構成する筺体等の本体に対して扉を開閉可能に枢支するヒンジにおいて、該扉の開放角度を規制するストッパ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種食器や包丁等を消毒し、保管するための消毒保管庫では、図9に示すように、その本体10の収容空間と連通する開口部(図示せず)が前面側に開設されると共に、該開口部の全体を閉成し得る扉12が開閉可能に配設されている。前記扉12の回動支点側の端部と本体10との間には、ヒンジ20が上下方向に所要間隔離間して配設され、該ヒンジ20,20を支点に扉12を回動することにより開口部が開閉されるようになっている。各ヒンジ20は、図10に示すように、本体10に開設された開口部の所定位置に配設される固定側の第1ヒンジ部材22と、該第1ヒンジ部材22と対応する位置の扉12に配設される扉側の第2ヒンジ部材24とから構成される。
【0003】
前記第1ヒンジ部材22は、円筒状の筒状部22aと該筒状部22aから径方向に延出する板状の取付板22bとで構成され、該取付板22bには所定間隔で複数のネジ孔22cが開設されている。また、前記筒状部22aには、軸方向に貫通する通孔22dが形成され、該通孔22dは後述する軸部24dを収容できる寸法に設定される。また前記第2ヒンジ部材24は、円筒状の筒状部24aと、該筒状部24aから径方向に延出して複数のネジ孔24cが開設された取付板24bと、前記筒状部24aの軸方向一端から所定の長さで軸方向に突出した軸部24dとで構成されている。そして前記ヒンジ20を使用する場合には、第1ヒンジ部材22を本体10の開口部の所定位置に、取付板22bをネジ孔22cに挿通したビス等の止着部材で固定する。また第2ヒンジ部材24は、前記第1ヒンジ部材22に対して鉛直方向に整列する上方に位置するよう前記扉12の所定位置に、取付板24bをネジ孔24cに挿通したビス等の止着部材で固定する。このように、前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24とを、各取付板22b,24bを介して本体10または扉12に配設した状態で、筒状部22aと筒状部24aの軸心を合わせて整列させ、第2ヒンジ部材24の軸部24dを第1ヒンジ部材22の通孔22dに遊挿することにより、前記本体10に扉12が開閉可能に枢支される。
【0004】
前記扉12を開放するに際し、必要以上に大きく開放してしまうと周辺の厨房機器等にぶつかって、該扉12が壊れる可能性があると共に、収容空間内の熱等を外部に逃がしてしまい、消毒等の効率が悪くなってしまう問題がある。また、前記扉12を勢いよく開けると、この扉12と本体10が衝突し、扉12または本体10が破損してしまうおそれもある。更に、前記のような乱暴な扱い方を繰返すと、扉12の回動の勢いに負け、ヒンジ20を本体10または扉12に固定している取付板22b,24bの止着部分がはじけ飛んでしまったり、または、ヒンジ20の本体自体が破損してしまうおそれも指摘される。これらの問題を回避するために、扉12には開放角度を規制する様々なストッパ構造が設けられている。
【0005】
従来のストッパ構造としては、図11に示すように、本体10に配設された衝止部材14と扉12に配設された被衝止部材16が、扉12を開放した際に互いに突き当たることにより、扉12の回動を阻止する構造が知られている。扉側の被衝止部材16は、ブロック状に形成された弾性体を衝突面に貼り付けたものであって、本体10の開口部に設けた扉12の上面または下面の一方または両方において回動支点側に隣接して配設されている。また、本体側の衝止部材14は、扉12が回動する際の前記被衝止部材16の回動軌跡に対応する位置の本体10に配設されたブロック状の弾性体である。すなわち、前記扉12を開放した際に、前記扉側の被衝止部材16が本体側の衝止部材14に衝突することで、扉12の開放角度が規制される。なお、扉12の開放角度は、衝止部材14や被衝止部材16の大きさ、または取付け位置を変更することで決定される。
【0006】
また、図12に示すように、矩形状に形成した板材の中央部に長穴18aを開設したアーム18を、扉12の上部や下部の一方または両方に配設したストッパ構造がある。前記アーム18は、一端を本体10に回動可能に枢支し、他端側の長穴18aを扉12に設けられた掛止片19に遊挿してある。すなわちこの従来例では、前記扉12の回動に連動して、アーム18の長穴18aが掛止片19に沿って動き、該掛止片19が長穴18aの端部に引っ掛かることにより、前記長穴18aの距離だけ扉12が開放するよう構成されている。そして、長穴18aの距離とアーム18の取付け位置を変更することにより、扉12の開放角度が決定される。
【0007】
更に、図13に示すように、第1ヒンジ部材22において、第2ヒンジ部材24との接触端面に凹部22eを設けると共に、第2ヒンジ部材24において、第1ヒンジ部材22との接触端面に凸部24eを設ける。前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24を、各取付板22b,24bを介して本体10または扉12に配設した状態で、前記扉12を回動すると、第2ヒンジ部材24が回動し、前記凹部22eと凸部24eが嵌合することで、該扉12の開放角度を規制するよう構成したストッパ構造もある。この構成において扉12の開放角度は、凹部22eの大きさまたは凹部22eと凸部24eの位置関係で決定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記衝止部材14と被衝止部材16によるストッパ構造では、扉12に設けた被衝止部材16の回動軌跡上に本体側の衝止部材14を設けなければならないので、図11に示すように、本体10に衝止部材14を取り付けるための出っ張り部10aを設ける必要がある。また、前記アーム18によるストッパ構造は、該アーム18を取り付けるための大きなスペースが必要となる。すなわち、前記の2つのストッパ構造は、扉の開放角度を規制する部材を取付けるための大きなスペースが必要なため、本体10が大きくなってしまう問題を招く。更に、衝止部材14,16によるストッパ構造やアーム18によるストッパ構造は、ヒンジ20とは別に扉12の開放角度を規制する部材を設けなければならないので、部品点数が増えると共に組付け工数も増え、製造コストが増大する問題も指摘される。また、前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24の接触面に凹部22eと凸部24eを設けたストッパ構造は、ヒンジ20にかかる荷重が重い場合に、凹部22eと凸部24eの嵌合状態を容易に解除できないという欠点があり、大きな扉や重い扉には使用できず、また開放角度の変更をするためには、ヒンジ20の取替えが必要となる欠点も内在している。
【0009】
【発明の目的】
この発明は、従来の技術に係るストッパ構造に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、ストッパの取付けと扉の開放角度の変更が容易にでき、かつストッパの取付けのための大きなスペースを必要としないヒンジのストッパ構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所定の目的を達成するため、本発明に係るヒンジのストッパ構造は、
円筒状の筒状部から径方向に延出する取付板を介して筺体等の本体または扉に取付けられる第1ヒンジ部材の前記筒状部に形成された通孔に、円筒状の筒状部から径方向に延出する取付板を介して扉または本体に取付けられる第2ヒンジ部材の前記筒状部から軸方向一方に突出する軸部を回動可能に遊挿することで、本体に対して扉を開閉可能に枢支するヒンジにおいて、
前記両ヒンジ部材の筒状部に共通的に遊嵌した筒状のストッパの周壁に、両ヒンジ部材の取付板が挿通される切欠が形成され、前記本体に対して扉を回動開放した際に、該切欠の周方向の端縁部に取付板が当接することで、該扉の開放角度を規制するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
また、前記課題を克服し、所定の目的を達成するため、本願の別の発明に係るストッパ構造は、
円筒状の筒状部から径方向に延出する取付板を介して筺体等の本体または扉に取付けられる第1ヒンジ部材の前記筒状部に形成された通孔に、円筒状の筒状部から径方向に延出する取付板を介して扉または本体に取付けられる第2ヒンジ部材の前記筒状部から軸方向一方に突出する軸部を回動可能に遊挿することで、本体に対して扉を開閉可能に枢支するヒンジにおいて、
前記一方のヒンジ部材の筒状部に固定されたストッパを、他方のヒンジ部材の筒状部外周まで延在させ、前記本体に対して扉を回動開放した際に、前記ストッパに他方のヒンジ部材の取付板が当接することで、該扉の開放角度を規制するよう構成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施例に係るヒンジのストッパ構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、図10に示したヒンジの構成要素と同一の要素については、同一の符号を使用して説明する。また、実施例において、消毒保管庫にヒンジを介して扉を回動可能に取付ける場合で説明するが、このストッパ構造を用いる対象物としては、消毒保管庫に限らず冷蔵庫、温蔵庫、配膳車、オーブン等、扉を回動可能に取付ける必要があるものであればよい。
【第1実施例】
【0013】
図1または図4に示すように、第1実施例に係るヒンジのストッパ構造は、一端が開放された円筒状のストッパ30をヒンジ20に着脱可能に遊嵌することで構成されている。このヒンジ20は、図10を参照したものと同じであって、本体10に配設された第1ヒンジ部材22における筒状部22aの通孔22dに、扉12に配設された第2ヒンジ部材24における筒状部24aに突設した軸部24dを上方から遊挿することで、本体10に対して扉12を回転可能に枢支するよう構成される。前記ストッパ30の内径は、前記両ヒンジ部材22,24の筒状部22a,24aの外径より僅かに大きく設定され、また軸方向の寸法は、両ヒンジ部材22,24を遊挿した際に上下に整列する両筒状部22a,24aの長さと略同一寸法に設定され、当該ストッパ30は両筒状部22a,24aに上方から共通的に遊嵌されている。図2に示すように、前記ストッパ30の周壁には、両ヒンジ部材22,24の取付板22b,24bが挿通される切欠32が、該ストッパ30の軸方向略全長に亘って形成してある。この切欠32は、その一端が該ストッパ30の開放端側に開放するよう形成されたものであって、該切欠32は、一方の取付板22bがストッパ30に対して所要範囲で回動可能に挿通される第1切欠部32aと、該第1切欠部32aに連通して他方の取付板24bがストッパ30に対して回動不能に挿通される第2切欠部32bとから構成されている。実施例では、ストッパ30の開放端側に第1切欠部32aが形成され、開放端から離間する位置に第2切欠部32bが形成される。そして、前記切欠32の周方向の切欠き幅は、該ストッパ30をヒンジ20に遊嵌した際に、第1ヒンジ部材22の取付板22bが挿通する位置に対応する第1切欠部32aでは、扉の開放角度に対応する所定幅に設定されると共に、第2ヒンジ部材24の取付板24bが挿通する位置に対応する第2切欠部32bでは、該取付板24bの厚さと略同一の幅に設定される。そして、前記本体10に対して扉12を回動開放した際に、第1ヒンジ部材22の取付板22bに第1切欠部32aの周方向の一端縁部が当接することで、扉12の回動が規制されるようになっている。
【0014】
【第1実施例の作用】
次に、第1実施例に係るヒンジのストッパ構造の作用について説明する。先ず、前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24とを、夫々の取付板22b,24bを介して本体10または扉12に配設した状態で、図3に示すように、前記ストッパ30の開放端側を第2ヒンジ部材24に上面に対向させ、該ストッパ30を両ヒンジ部材22,24の筒状部22a,24aに上方より共通的に遊嵌する。このとき、図4に示すように、下側の第1切欠部32aに第1ヒンジ部材22の取付板22bが挿通すると共に、上側の第2切欠部32bに第2ヒンジ部材24の取付板24bが挿通している。また本体10に対して扉12を閉成した状態で、第1ヒンジ部材22の取付板22bは、扉12の開放方向への回動を許容する位置関係で前記第1切欠部32a内に臨んでいる。この状態で扉12を開放すると、扉側に固定された第2ヒンジ部材24の取付板24bも回動する。前記ストッパ30の第2切欠部32bは取付板24bと周方向の幅寸法が略同一に設定されているので、前記取付板24bの回動に連動して、ストッパ30自身も回動する。第1ヒンジ部材22の取付板22bは本体10に固定されているので、前記ストッパ30は第1切欠部32aの周方向の幅だけ回動すると、前記取付板22bに第1切欠部32aの端縁部が当接し、該ストッパ30が回動を規制される。これにより、第2ヒンジ部材24の取付板24bの回動も規制され、従って、前記扉12の回動は所定の開放角度で規制される。
【0015】
前記ストッパ30は、前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24とを、各取付板22b,24bを介して本体10または扉12に配設した状態で遊嵌し得るよう構成されているので、本体10の組み立て時に取付ける必要はなく、設置後であっても容易にストッパ構造を構成することができる。また、ヒンジ20にストッパ30を遊嵌するだけなので、本体10の外観はほとんど変わることはなく、大型化は防止される。更に、第1切欠部32aの周方向の切欠き幅を変えることで、扉12の開放角度を容易に変えることができる。
【0016】
【第1実施例の変更例】
第1実施例の変更例として、前記ストッパ30の周壁に形成された切欠32において、第1ヒンジ部材22の取付板22bがストッパ30に対して回動不能となる第2切欠部32bに挿通されると共に、該第2切欠部32bに連通して第2ヒンジ部材24の取付板24bがストッパ30に対して所要範囲で回動可能となる第1切欠部32aに挿通される構成を採用し得る。すなわち、実施例のストッパ30の切欠き幅が上下逆に構成されたストッパ構造である。また前記切欠32を、両取付板22b,24bがストッパ30に対して所要範囲で回動可能に挿通される同一切欠き幅で上下に連通する第1切欠部32aおよび第2切欠部32bで構成し、各取付板22b,24bが切欠32の対向する各端縁部に当接することで回動規制するものでもよい。更に別の変更例として、ストッパ30の周壁に形成された切欠32の第1切欠部32aと第2切欠部32bが、独立して形成されるものであってもよい。この場合において、第1切欠部32aまたは第2切欠部32bに挿通される取付板22b,24bは、第1ヒンジ部材22の取付板22bまたは第2ヒンジ部材24の取付板24bのどちらかであってもよい。また、独立する第1切欠部32aと第2切欠部32bとの夫々の切欠き幅が、両取付板22b,24bの双方ともがストッパ30に対して所要範囲で回動可能となる構成を採用し得る。
【0017】
【第2実施例】
図5または図6に示すように、第2実施例に係るヒンジのストッパ構造は、第1ヒンジ部材22の筒状部22aにストッパ40を取付けることで構成される。該ストッパ40は、第2ヒンジ部材24の筒状部24a外周まで延出する長尺な略角柱状の部材であって、前記第1ヒンジ部材22の筒状部22aに予め螺設されたネジ孔(図示せず)にネジ42を螺着することで固定されている。すなわち、前記ストッパ40は、第2ヒンジ部材24の筒状部24aとは独立して設けられ、扉12を開放した際に、前記筒状部24aはその周壁がストッパ40に摺って回動し、取付板24bが該ストッパ40に当接することで回動が規制されるよう構成されている。なお、第2ヒンジ部材24に対する前記ストッパ40の固定手段としてはネジ42による螺着に限定されず、該ストッパ40が固定できるものであれば、例えば、ピンや溶接であってもよい。
【0018】
【第2実施例の作用】
次に、第2実施例に係るヒンジのストッパ構造の作用について説明する。前記扉12を開放すると、扉側に固定された第2ヒンジ部材24の取付板24bも回動する。ストッパ40が固定されている第1ヒンジ部材22は本体10に取付板22bを介して固定され、前記扉12の回動と独立しているので、回動した取付板24bが該ストッパ40に当接し、該取付板24bの回動が阻止されることで、前記扉12の回動は、所定の開放角度で規制される。すなわち、第1ヒンジ部材22の筒状部22aへのストッパ40の固定位置と第2ヒンジ部材24の取付板24bの周方向の距離により、扉12の開放角度は決められる。また、第2実施例においては、第1ヒンジ部材22の筒状部22aにストッパ40を固定したが、第2ヒンジ部材24の筒状部24aに固定した構成にしてもよい。この場合、扉12を開放すると、扉側に固定された第2ヒンジ部材24の取付板24bとストッパ40が一体に回動する。そして、ストッパ40が第1ヒンジ部材22の取付板22bに当接することで、第2ヒンジ部材24の回動が規制され、扉12の開放角度を規制することができる。
【0019】
前記ストッパ40は、予めネジ孔を筒状部22a,24aに螺設しておけば、ヒンジ20を本体10または扉12に配設した状態であっても容易にストッパ構造を構成することができ、本体10の組み立て時に組付ける必要はない。また、前記ストッパ40は取付板22b,24bに当接できる大きさがあればよいので、取付けのための大きなスペースを必要としない。また、ヒンジ20にストッパ40をネジ42で固定するだけなので、本体10の外観はほとんど変わることはなく、大型化は防止される。更に、筒状部22a,24aにネジ孔を周方向に所定間隔で複数設けておけば、ストッパ40の取付け位置または周方向の大きさを変えることで、扉12の開放角度を容易に変更することができる。
【0020】
【第2実施例の変更例】
次に第2実施例に係る変更例について説明する。図7に示す変更例は、第1ヒンジ部材22の筒状部22aにストッパ40を配設したヒンジのストッパ構造において、第2ヒンジ部材24の筒状部24aに、前記ストッパ40と周方向に離間して掛止片44を配設したストッパ構造である。このストッパ構造では、扉12の開放に伴って前記掛止片44が回動し、該掛止片44が前記ストッパ40に当接することで扉12の開放角度を規制するものである。この変更例に係るストッパ構造は、扉12の開放角度が180°未満の場合に用いることができ、扉12の開放角度を規制する際に、掛止片44で回動の規制に伴う力を受けることで、取付板24bに力がかかることがない。また、図8に示す別の変更例は、第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24の筒状部22a,24aに、ストッパ40を周方向に離間した位置に夫々配設して構成されたストッパ構造である。この場合、各取付板22b,24bが扉12の開放により、夫々の筒状部22a,24aに配設されたストッパ40,40が他方の取付板22b,24bに夫々当接することで、扉12の開放角度が規制される。この別の変更例に係るストッパ構造は、扉12の開放角度が180°未満の場合に用いることができ、扉12の開放角度を規制する際に、各取付板22b,24bにかかる力を、夫々のストッパ40,40に分散することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係るヒンジのストッパ構造によれば、既設のヒンジに後付けでストッパを容易に取付けることができる。またストッパは、ヒンジ部材に追加するだけなので、大きな取付けスペースを必要とせず、外観に大きな変更を与えない。ストッパに形成した切欠の幅やストッパの取付け位置を変更することで、扉の開放角度を容易に変えることができる。更に、部品点数とストッパの組み立て工数を減らせるので、製造コストを低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るヒンジのストッパ構造を示す正面図である。
【図2】第1実施例に係るストッパを示す正面図である。
【図3】第1実施例に係るヒンジのストッパ構造を分解した状態を示す概略斜視図である。
【図4】第1実施例に係るヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【図5】第2実施例に係るヒンジのストッパ構造を示す正面図である。
【図6】第2実施例に係るヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【図7】第2実施例の変更例に係るヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【図8】第2実施例の別の変更例に係るヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【図9】消毒保管庫を構成する本体を示す概略斜視図である。
【図10】ヒンジを示す概略斜視図である。
【図11】従来の技術に係るヒンジのストッパ構造を示す平面図である。
【図12】従来の技術に係る別のヒンジのストッパ構造を示す平面図である。
【図13】従来の技術に係る更に別のヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10 本体,12 扉,20 ヒンジ,22 第1ヒンジ部材,22a 筒状部
22b 取付板,22d 通孔,24 第2ヒンジ部材,24a 筒状部
24b 取付板,24d 軸部,30 ストッパ,32 切欠,32a 第1切欠部32b 第2切欠部,40 ストッパ
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば消毒保管庫等を構成する筺体等の本体に対して扉を開閉可能に枢支するヒンジにおいて、該扉の開放角度を規制するストッパ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種食器や包丁等を消毒し、保管するための消毒保管庫では、図9に示すように、その本体10の収容空間と連通する開口部(図示せず)が前面側に開設されると共に、該開口部の全体を閉成し得る扉12が開閉可能に配設されている。前記扉12の回動支点側の端部と本体10との間には、ヒンジ20が上下方向に所要間隔離間して配設され、該ヒンジ20,20を支点に扉12を回動することにより開口部が開閉されるようになっている。各ヒンジ20は、図10に示すように、本体10に開設された開口部の所定位置に配設される固定側の第1ヒンジ部材22と、該第1ヒンジ部材22と対応する位置の扉12に配設される扉側の第2ヒンジ部材24とから構成される。
【0003】
前記第1ヒンジ部材22は、円筒状の筒状部22aと該筒状部22aから径方向に延出する板状の取付板22bとで構成され、該取付板22bには所定間隔で複数のネジ孔22cが開設されている。また、前記筒状部22aには、軸方向に貫通する通孔22dが形成され、該通孔22dは後述する軸部24dを収容できる寸法に設定される。また前記第2ヒンジ部材24は、円筒状の筒状部24aと、該筒状部24aから径方向に延出して複数のネジ孔24cが開設された取付板24bと、前記筒状部24aの軸方向一端から所定の長さで軸方向に突出した軸部24dとで構成されている。そして前記ヒンジ20を使用する場合には、第1ヒンジ部材22を本体10の開口部の所定位置に、取付板22bをネジ孔22cに挿通したビス等の止着部材で固定する。また第2ヒンジ部材24は、前記第1ヒンジ部材22に対して鉛直方向に整列する上方に位置するよう前記扉12の所定位置に、取付板24bをネジ孔24cに挿通したビス等の止着部材で固定する。このように、前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24とを、各取付板22b,24bを介して本体10または扉12に配設した状態で、筒状部22aと筒状部24aの軸心を合わせて整列させ、第2ヒンジ部材24の軸部24dを第1ヒンジ部材22の通孔22dに遊挿することにより、前記本体10に扉12が開閉可能に枢支される。
【0004】
前記扉12を開放するに際し、必要以上に大きく開放してしまうと周辺の厨房機器等にぶつかって、該扉12が壊れる可能性があると共に、収容空間内の熱等を外部に逃がしてしまい、消毒等の効率が悪くなってしまう問題がある。また、前記扉12を勢いよく開けると、この扉12と本体10が衝突し、扉12または本体10が破損してしまうおそれもある。更に、前記のような乱暴な扱い方を繰返すと、扉12の回動の勢いに負け、ヒンジ20を本体10または扉12に固定している取付板22b,24bの止着部分がはじけ飛んでしまったり、または、ヒンジ20の本体自体が破損してしまうおそれも指摘される。これらの問題を回避するために、扉12には開放角度を規制する様々なストッパ構造が設けられている。
【0005】
従来のストッパ構造としては、図11に示すように、本体10に配設された衝止部材14と扉12に配設された被衝止部材16が、扉12を開放した際に互いに突き当たることにより、扉12の回動を阻止する構造が知られている。扉側の被衝止部材16は、ブロック状に形成された弾性体を衝突面に貼り付けたものであって、本体10の開口部に設けた扉12の上面または下面の一方または両方において回動支点側に隣接して配設されている。また、本体側の衝止部材14は、扉12が回動する際の前記被衝止部材16の回動軌跡に対応する位置の本体10に配設されたブロック状の弾性体である。すなわち、前記扉12を開放した際に、前記扉側の被衝止部材16が本体側の衝止部材14に衝突することで、扉12の開放角度が規制される。なお、扉12の開放角度は、衝止部材14や被衝止部材16の大きさ、または取付け位置を変更することで決定される。
【0006】
また、図12に示すように、矩形状に形成した板材の中央部に長穴18aを開設したアーム18を、扉12の上部や下部の一方または両方に配設したストッパ構造がある。前記アーム18は、一端を本体10に回動可能に枢支し、他端側の長穴18aを扉12に設けられた掛止片19に遊挿してある。すなわちこの従来例では、前記扉12の回動に連動して、アーム18の長穴18aが掛止片19に沿って動き、該掛止片19が長穴18aの端部に引っ掛かることにより、前記長穴18aの距離だけ扉12が開放するよう構成されている。そして、長穴18aの距離とアーム18の取付け位置を変更することにより、扉12の開放角度が決定される。
【0007】
更に、図13に示すように、第1ヒンジ部材22において、第2ヒンジ部材24との接触端面に凹部22eを設けると共に、第2ヒンジ部材24において、第1ヒンジ部材22との接触端面に凸部24eを設ける。前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24を、各取付板22b,24bを介して本体10または扉12に配設した状態で、前記扉12を回動すると、第2ヒンジ部材24が回動し、前記凹部22eと凸部24eが嵌合することで、該扉12の開放角度を規制するよう構成したストッパ構造もある。この構成において扉12の開放角度は、凹部22eの大きさまたは凹部22eと凸部24eの位置関係で決定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記衝止部材14と被衝止部材16によるストッパ構造では、扉12に設けた被衝止部材16の回動軌跡上に本体側の衝止部材14を設けなければならないので、図11に示すように、本体10に衝止部材14を取り付けるための出っ張り部10aを設ける必要がある。また、前記アーム18によるストッパ構造は、該アーム18を取り付けるための大きなスペースが必要となる。すなわち、前記の2つのストッパ構造は、扉の開放角度を規制する部材を取付けるための大きなスペースが必要なため、本体10が大きくなってしまう問題を招く。更に、衝止部材14,16によるストッパ構造やアーム18によるストッパ構造は、ヒンジ20とは別に扉12の開放角度を規制する部材を設けなければならないので、部品点数が増えると共に組付け工数も増え、製造コストが増大する問題も指摘される。また、前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24の接触面に凹部22eと凸部24eを設けたストッパ構造は、ヒンジ20にかかる荷重が重い場合に、凹部22eと凸部24eの嵌合状態を容易に解除できないという欠点があり、大きな扉や重い扉には使用できず、また開放角度の変更をするためには、ヒンジ20の取替えが必要となる欠点も内在している。
【0009】
【発明の目的】
この発明は、従来の技術に係るストッパ構造に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、ストッパの取付けと扉の開放角度の変更が容易にでき、かつストッパの取付けのための大きなスペースを必要としないヒンジのストッパ構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所定の目的を達成するため、本発明に係るヒンジのストッパ構造は、
円筒状の筒状部から径方向に延出する取付板を介して筺体等の本体または扉に取付けられる第1ヒンジ部材の前記筒状部に形成された通孔に、円筒状の筒状部から径方向に延出する取付板を介して扉または本体に取付けられる第2ヒンジ部材の前記筒状部から軸方向一方に突出する軸部を回動可能に遊挿することで、本体に対して扉を開閉可能に枢支するヒンジにおいて、
前記両ヒンジ部材の筒状部に共通的に遊嵌した筒状のストッパの周壁に、両ヒンジ部材の取付板が挿通される切欠が形成され、前記本体に対して扉を回動開放した際に、該切欠の周方向の端縁部に取付板が当接することで、該扉の開放角度を規制するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
また、前記課題を克服し、所定の目的を達成するため、本願の別の発明に係るストッパ構造は、
円筒状の筒状部から径方向に延出する取付板を介して筺体等の本体または扉に取付けられる第1ヒンジ部材の前記筒状部に形成された通孔に、円筒状の筒状部から径方向に延出する取付板を介して扉または本体に取付けられる第2ヒンジ部材の前記筒状部から軸方向一方に突出する軸部を回動可能に遊挿することで、本体に対して扉を開閉可能に枢支するヒンジにおいて、
前記一方のヒンジ部材の筒状部に固定されたストッパを、他方のヒンジ部材の筒状部外周まで延在させ、前記本体に対して扉を回動開放した際に、前記ストッパに他方のヒンジ部材の取付板が当接することで、該扉の開放角度を規制するよう構成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施例に係るヒンジのストッパ構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、図10に示したヒンジの構成要素と同一の要素については、同一の符号を使用して説明する。また、実施例において、消毒保管庫にヒンジを介して扉を回動可能に取付ける場合で説明するが、このストッパ構造を用いる対象物としては、消毒保管庫に限らず冷蔵庫、温蔵庫、配膳車、オーブン等、扉を回動可能に取付ける必要があるものであればよい。
【第1実施例】
【0013】
図1または図4に示すように、第1実施例に係るヒンジのストッパ構造は、一端が開放された円筒状のストッパ30をヒンジ20に着脱可能に遊嵌することで構成されている。このヒンジ20は、図10を参照したものと同じであって、本体10に配設された第1ヒンジ部材22における筒状部22aの通孔22dに、扉12に配設された第2ヒンジ部材24における筒状部24aに突設した軸部24dを上方から遊挿することで、本体10に対して扉12を回転可能に枢支するよう構成される。前記ストッパ30の内径は、前記両ヒンジ部材22,24の筒状部22a,24aの外径より僅かに大きく設定され、また軸方向の寸法は、両ヒンジ部材22,24を遊挿した際に上下に整列する両筒状部22a,24aの長さと略同一寸法に設定され、当該ストッパ30は両筒状部22a,24aに上方から共通的に遊嵌されている。図2に示すように、前記ストッパ30の周壁には、両ヒンジ部材22,24の取付板22b,24bが挿通される切欠32が、該ストッパ30の軸方向略全長に亘って形成してある。この切欠32は、その一端が該ストッパ30の開放端側に開放するよう形成されたものであって、該切欠32は、一方の取付板22bがストッパ30に対して所要範囲で回動可能に挿通される第1切欠部32aと、該第1切欠部32aに連通して他方の取付板24bがストッパ30に対して回動不能に挿通される第2切欠部32bとから構成されている。実施例では、ストッパ30の開放端側に第1切欠部32aが形成され、開放端から離間する位置に第2切欠部32bが形成される。そして、前記切欠32の周方向の切欠き幅は、該ストッパ30をヒンジ20に遊嵌した際に、第1ヒンジ部材22の取付板22bが挿通する位置に対応する第1切欠部32aでは、扉の開放角度に対応する所定幅に設定されると共に、第2ヒンジ部材24の取付板24bが挿通する位置に対応する第2切欠部32bでは、該取付板24bの厚さと略同一の幅に設定される。そして、前記本体10に対して扉12を回動開放した際に、第1ヒンジ部材22の取付板22bに第1切欠部32aの周方向の一端縁部が当接することで、扉12の回動が規制されるようになっている。
【0014】
【第1実施例の作用】
次に、第1実施例に係るヒンジのストッパ構造の作用について説明する。先ず、前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24とを、夫々の取付板22b,24bを介して本体10または扉12に配設した状態で、図3に示すように、前記ストッパ30の開放端側を第2ヒンジ部材24に上面に対向させ、該ストッパ30を両ヒンジ部材22,24の筒状部22a,24aに上方より共通的に遊嵌する。このとき、図4に示すように、下側の第1切欠部32aに第1ヒンジ部材22の取付板22bが挿通すると共に、上側の第2切欠部32bに第2ヒンジ部材24の取付板24bが挿通している。また本体10に対して扉12を閉成した状態で、第1ヒンジ部材22の取付板22bは、扉12の開放方向への回動を許容する位置関係で前記第1切欠部32a内に臨んでいる。この状態で扉12を開放すると、扉側に固定された第2ヒンジ部材24の取付板24bも回動する。前記ストッパ30の第2切欠部32bは取付板24bと周方向の幅寸法が略同一に設定されているので、前記取付板24bの回動に連動して、ストッパ30自身も回動する。第1ヒンジ部材22の取付板22bは本体10に固定されているので、前記ストッパ30は第1切欠部32aの周方向の幅だけ回動すると、前記取付板22bに第1切欠部32aの端縁部が当接し、該ストッパ30が回動を規制される。これにより、第2ヒンジ部材24の取付板24bの回動も規制され、従って、前記扉12の回動は所定の開放角度で規制される。
【0015】
前記ストッパ30は、前記第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24とを、各取付板22b,24bを介して本体10または扉12に配設した状態で遊嵌し得るよう構成されているので、本体10の組み立て時に取付ける必要はなく、設置後であっても容易にストッパ構造を構成することができる。また、ヒンジ20にストッパ30を遊嵌するだけなので、本体10の外観はほとんど変わることはなく、大型化は防止される。更に、第1切欠部32aの周方向の切欠き幅を変えることで、扉12の開放角度を容易に変えることができる。
【0016】
【第1実施例の変更例】
第1実施例の変更例として、前記ストッパ30の周壁に形成された切欠32において、第1ヒンジ部材22の取付板22bがストッパ30に対して回動不能となる第2切欠部32bに挿通されると共に、該第2切欠部32bに連通して第2ヒンジ部材24の取付板24bがストッパ30に対して所要範囲で回動可能となる第1切欠部32aに挿通される構成を採用し得る。すなわち、実施例のストッパ30の切欠き幅が上下逆に構成されたストッパ構造である。また前記切欠32を、両取付板22b,24bがストッパ30に対して所要範囲で回動可能に挿通される同一切欠き幅で上下に連通する第1切欠部32aおよび第2切欠部32bで構成し、各取付板22b,24bが切欠32の対向する各端縁部に当接することで回動規制するものでもよい。更に別の変更例として、ストッパ30の周壁に形成された切欠32の第1切欠部32aと第2切欠部32bが、独立して形成されるものであってもよい。この場合において、第1切欠部32aまたは第2切欠部32bに挿通される取付板22b,24bは、第1ヒンジ部材22の取付板22bまたは第2ヒンジ部材24の取付板24bのどちらかであってもよい。また、独立する第1切欠部32aと第2切欠部32bとの夫々の切欠き幅が、両取付板22b,24bの双方ともがストッパ30に対して所要範囲で回動可能となる構成を採用し得る。
【0017】
【第2実施例】
図5または図6に示すように、第2実施例に係るヒンジのストッパ構造は、第1ヒンジ部材22の筒状部22aにストッパ40を取付けることで構成される。該ストッパ40は、第2ヒンジ部材24の筒状部24a外周まで延出する長尺な略角柱状の部材であって、前記第1ヒンジ部材22の筒状部22aに予め螺設されたネジ孔(図示せず)にネジ42を螺着することで固定されている。すなわち、前記ストッパ40は、第2ヒンジ部材24の筒状部24aとは独立して設けられ、扉12を開放した際に、前記筒状部24aはその周壁がストッパ40に摺って回動し、取付板24bが該ストッパ40に当接することで回動が規制されるよう構成されている。なお、第2ヒンジ部材24に対する前記ストッパ40の固定手段としてはネジ42による螺着に限定されず、該ストッパ40が固定できるものであれば、例えば、ピンや溶接であってもよい。
【0018】
【第2実施例の作用】
次に、第2実施例に係るヒンジのストッパ構造の作用について説明する。前記扉12を開放すると、扉側に固定された第2ヒンジ部材24の取付板24bも回動する。ストッパ40が固定されている第1ヒンジ部材22は本体10に取付板22bを介して固定され、前記扉12の回動と独立しているので、回動した取付板24bが該ストッパ40に当接し、該取付板24bの回動が阻止されることで、前記扉12の回動は、所定の開放角度で規制される。すなわち、第1ヒンジ部材22の筒状部22aへのストッパ40の固定位置と第2ヒンジ部材24の取付板24bの周方向の距離により、扉12の開放角度は決められる。また、第2実施例においては、第1ヒンジ部材22の筒状部22aにストッパ40を固定したが、第2ヒンジ部材24の筒状部24aに固定した構成にしてもよい。この場合、扉12を開放すると、扉側に固定された第2ヒンジ部材24の取付板24bとストッパ40が一体に回動する。そして、ストッパ40が第1ヒンジ部材22の取付板22bに当接することで、第2ヒンジ部材24の回動が規制され、扉12の開放角度を規制することができる。
【0019】
前記ストッパ40は、予めネジ孔を筒状部22a,24aに螺設しておけば、ヒンジ20を本体10または扉12に配設した状態であっても容易にストッパ構造を構成することができ、本体10の組み立て時に組付ける必要はない。また、前記ストッパ40は取付板22b,24bに当接できる大きさがあればよいので、取付けのための大きなスペースを必要としない。また、ヒンジ20にストッパ40をネジ42で固定するだけなので、本体10の外観はほとんど変わることはなく、大型化は防止される。更に、筒状部22a,24aにネジ孔を周方向に所定間隔で複数設けておけば、ストッパ40の取付け位置または周方向の大きさを変えることで、扉12の開放角度を容易に変更することができる。
【0020】
【第2実施例の変更例】
次に第2実施例に係る変更例について説明する。図7に示す変更例は、第1ヒンジ部材22の筒状部22aにストッパ40を配設したヒンジのストッパ構造において、第2ヒンジ部材24の筒状部24aに、前記ストッパ40と周方向に離間して掛止片44を配設したストッパ構造である。このストッパ構造では、扉12の開放に伴って前記掛止片44が回動し、該掛止片44が前記ストッパ40に当接することで扉12の開放角度を規制するものである。この変更例に係るストッパ構造は、扉12の開放角度が180°未満の場合に用いることができ、扉12の開放角度を規制する際に、掛止片44で回動の規制に伴う力を受けることで、取付板24bに力がかかることがない。また、図8に示す別の変更例は、第1ヒンジ部材22と第2ヒンジ部材24の筒状部22a,24aに、ストッパ40を周方向に離間した位置に夫々配設して構成されたストッパ構造である。この場合、各取付板22b,24bが扉12の開放により、夫々の筒状部22a,24aに配設されたストッパ40,40が他方の取付板22b,24bに夫々当接することで、扉12の開放角度が規制される。この別の変更例に係るストッパ構造は、扉12の開放角度が180°未満の場合に用いることができ、扉12の開放角度を規制する際に、各取付板22b,24bにかかる力を、夫々のストッパ40,40に分散することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係るヒンジのストッパ構造によれば、既設のヒンジに後付けでストッパを容易に取付けることができる。またストッパは、ヒンジ部材に追加するだけなので、大きな取付けスペースを必要とせず、外観に大きな変更を与えない。ストッパに形成した切欠の幅やストッパの取付け位置を変更することで、扉の開放角度を容易に変えることができる。更に、部品点数とストッパの組み立て工数を減らせるので、製造コストを低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るヒンジのストッパ構造を示す正面図である。
【図2】第1実施例に係るストッパを示す正面図である。
【図3】第1実施例に係るヒンジのストッパ構造を分解した状態を示す概略斜視図である。
【図4】第1実施例に係るヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【図5】第2実施例に係るヒンジのストッパ構造を示す正面図である。
【図6】第2実施例に係るヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【図7】第2実施例の変更例に係るヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【図8】第2実施例の別の変更例に係るヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【図9】消毒保管庫を構成する本体を示す概略斜視図である。
【図10】ヒンジを示す概略斜視図である。
【図11】従来の技術に係るヒンジのストッパ構造を示す平面図である。
【図12】従来の技術に係る別のヒンジのストッパ構造を示す平面図である。
【図13】従来の技術に係る更に別のヒンジのストッパ構造を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10 本体,12 扉,20 ヒンジ,22 第1ヒンジ部材,22a 筒状部
22b 取付板,22d 通孔,24 第2ヒンジ部材,24a 筒状部
24b 取付板,24d 軸部,30 ストッパ,32 切欠,32a 第1切欠部32b 第2切欠部,40 ストッパ
Claims (4)
- 円筒状の筒状部(22a)から径方向に延出する取付板(22b)を介して筺体等の本体(10)または扉(12)に取付けられる第1ヒンジ部材(22)の前記筒状部(22a)に形成された通孔(22d)に、円筒状の筒状部(24a)から径方向に延出する取付板(24b)を介して扉(12)または本体(10)に取付けられる第2ヒンジ部材(24)の前記筒状部(24a)から軸方向一方に突出する軸部(24d)を回動可能に遊挿することで、本体(10)に対して扉(12)を開閉可能に枢支するヒンジ(20)において、
前記両ヒンジ部材(22,24)の筒状部(22a,24a)に共通的に遊嵌した筒状のストッパ(30)の周壁に、両ヒンジ部材(22,24)の取付板(22b,24b)が挿通される切欠(32)が形成され、前記本体(10)に対して扉(12)を回動開放した際に、該切欠(32)の周方向の端縁部に取付板(22b,24b)が当接することで、該扉(12)の開放角度を規制するよう構成した
ことを特徴とするヒンジのストッパ構造。 - 前記ストッパ(30)の切欠(32)は、一方の取付板(22a)が該ストッパ(30)に対して所要範囲で回動可能に挿通される第1切欠部(32a)と、他方の取付板(24b)が該ストッパ(30)に対して回動不能に挿通される第2切欠部(32b)とから構成される請求項1記載のヒンジのストッパ構造。
- 円筒状の筒状部(22a)から径方向に延出する取付板(22b)を介して筺体等の本体(10)または扉(12)に取付けられる第1ヒンジ部材(22)の前記筒状部(22a)に形成された通孔(22d)に、円筒状の筒状部(24a)から径方向に延出する取付板(24b)を介して扉(12)または本体(10)に取付けられる第2ヒンジ部材(24)の前記筒状部(24a)から軸方向一方に突出する軸部(24d)を回動可能に遊挿することで、本体(10)に対して扉(12)を開閉可能に枢支するヒンジ(20)において、
前記一方のヒンジ部材(22)の筒状部(22a)に固定されたストッパ(40)を、他方のヒンジ部材(24)の筒状部(24a)外周まで延在させ、前記本体(10)に対して扉(12)を回動開放した際に、前記ストッパ(40)に他方のヒンジ部材(24)の取付板(24b)が当接することで、該扉(12)の開放角度を規制するよう構成した
ことを特徴とするヒンジのストッパ構造。 - 前記第1ヒンジ部材(22)と第2ヒンジ部材(24)の筒状部(22a,24a)に、周方向に離間して前記ストッパ(40)が夫々固定されている請求項3記載のヒンジのストッパ構造。
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2002
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