JP2004075682A - 保存に安定な液体フィブリノゲン製剤 - Google Patents

保存に安定な液体フィブリノゲン製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】液体または粘稠液体形の新規で保存に安定なフィブリノゲン製剤に関する。本フィブリノゲン製剤の提供。
【解決手段】本フィブリン製剤は、フィブリノゲンの他に100mMまでの濃度の二価金属イオンを含む。本フィブリン製剤は、他の通常の製剤成分を含むことができ、特に好ましくは錯化剤を含み得る。
本発明はさらに、本発明のフィブリノゲン製剤の製造および使用に関する。
【選択図】  なし

Description

【0001】
本発明は、二価金属イオンを含む液体または粘稠液体形を有する、フィブリノゲンのための新規な保存安定性製剤に関する。本フィブリノゲン製剤は他の通常の製剤成分を含むことができ、特に好ましくは錯化剤を含む。本発明はさらに、本発明のフィブリノゲン製剤の製造および使用に関する。
【0002】
フィブリノゲンは主として肝臓で生成されるタンパク質であり、血漿タンパク質含量の2〜3%を占める。フィブリノゲンは凝固に重要な役割を果たす。血管は損傷時または手術時にほぼ常に傷められ、出血を生じる。血液は微小な創傷領域の凝固によって固化され出血は停止する。凝固系はしたがって身体を大量の失血から保護する。凝固時に、血漿中に存在する可溶性フィブリノゲンは線維性の不溶性フィブリンに変換され、かくして血栓はその最終的な安定性を獲得する。フィブリノゲンのフィブリンへの変換はトロンビンの存在によってもたらされる。トロンビンは、多くの様々な凝固因子を含む複雑な連鎖反応系を介して損傷時に血中に放出される。
止血および創傷治癒に対するその重要性のゆえに、フィブリノゲンは臨床的用途で非常に重要である。
【0003】
フィブリノゲンが欠乏している場合、凝固は正しく機能しない。前記欠乏は、例えばヒト血漿から単離されたフィブリノゲンを投与することによって代償することができる。フィブリノゲン欠乏は、例えば広範囲の創傷(例えば重篤な火傷)、播種性血管内凝固または重篤な出血によって惹起され得る。フィブリノゲンはまたフィブリンシーラントの成分としても非常に重要であり、前記の事例では、フィブリノゲンは、通常カルシウム含有トロンビン溶液を添加することによってフィブリンに変換される。このタイプのシーラントは、例えば縫合の確保または閉鎖を目的として好ましくは外科的介入で用いられる。前記はまた、特に軟組織器官(例えば肝臓および脾臓)での止血または密閉を達成するために有利に用いられる。
タンパク質の安定性は製薬工業の普遍的問題であり、各タンパク質について詳細な新しい解決法が要求される。タンパク質によっては、個々の製剤の成分がその安定性に大きく影響し、さらに製剤成分もまた予定されている保存形態および保存温度に左右される。
【0004】
タンパク質はしばしばある種の添加剤を添加されて凍結乾燥され、乾燥状態で保存される。このような場合には、乾燥させている間に生じる安定性の低下は可能なかぎり回避されねばならず、さらに再構成時にも活性の低下を生じてはいけない。再構成に付随して生じる可能性がある問題は、例えば凝集もしくは白濁、または特に高タンパク質濃度ではタンパク質が完全に溶解するまでに長時間を要することである。したがってこの段階が回避できれば有利である。しばしば用いられる代替手段であるタンパク質サンプルの凍結は、解凍と加温に時間を要し、0℃より低い温度を確保する必要があり、さらに何度も凍結解凍することは通常活性の低下を伴なうという短所がある。
【0005】
したがって、一般的に、そして特にフィブリノゲン製剤については、液体形で保存する場合の大きな利点は、活性成分を患者に直ちに使用できることである。なぜならば、凍結乾燥製剤の再構成、または凍結製剤の解凍および加温に要する時間が不要になるからである。他方、凍結乾燥物としてまたは凍結状態で中間保存する場合に関しても、後に液体形にして用いられる再構成フィブリノゲン製剤または解凍フィブリノゲン製剤においてより長時間にわたって安定であることは有益である。このことは、例えば外科手術のために予防措置として再構成しておいたが医療的に検討した結果不要になったような状況で明白である。もし安定性が短期間である場合は、この製剤は廃棄されねばならず、後日使用することはできない。しかしながら、安定性による物質のロスは、特に人間のドナーに由来する治療物質の場合は避けなければならない。なぜならば、そのような物質は入手可能な量に限りがあるからである。フィブリノゲンは、主としてヒト血漿から得られるのでこのような物質の1つである。
【0006】
フィブリンシーレントを使用するとき、特にフィブリノゲンが液体形で存在することは有利である。市販されているシーラントは通常2つの成分を含む。1つの成分はフィブリノゲンを(しばしば第XIII因子およびアプロチニンとともに)含み、他の成分はトロンビンを(しばしばカルシウムイオンとともに)含む。シーラントを再構成して使用できる状態にするには、特にフィブリノゲンが高濃度に存在するので比較的長時間を要する。しかしながら、シーラントを予防措置として用意することの欠点は、たとえトロンビン含有溶液が安定であったとしても、シーラントの効能が低下するか、または完全に無益になる場合すらあるということである。
【0007】
フィブリノゲン製剤が液体形または粘稠液体形である本発明のさらに大きな利点はエージングに対する耐性で、それにより一定の期間中はたとえ室温でも保存することができ、したがって救急時の使用特性が改善される。さらにまた、輸送中、低温が確保できない長期にわたる輸送ルートにおいて、長期間、室温でも安定性が確保される点でも有利である。慢性フィブリノゲン欠乏の稀な事例では(例えば遺伝性フィブリノゲン合成障害)、患者に持続的にフィブリノゲンを供給できればまた有益であろう。そのための必須条件は、フィブリノゲン溶液が身体の近くで保持されることで、これは約30℃の保存温度に一致する。したがって、フィブリノゲンの安定な液体製剤は多くの点で製造、使用、輸送および患者への投与を容易にする。
【0008】
血漿タンパク質/凝固因子に関するもので、他の成分に加えてカルシウムもまた液体製剤に用いることができることを示した文献が存在する。これに関する参考文献は、例えばWO 96/30041およびUS 5,925,738である。前記文献では、第VIIIおよび/またはIX因子の液体製剤に関して安定性の検討が実施されている。第VIIIおよびIX因子の活性の低下はそれぞれ血友病AおよびBをひき起こす。第VIII因子については、例えば重鎖および軽鎖の結合は二価イオン(例えばカルシウム)に依存する。しかしながら、これらの因子について得られたデータはフィブリノゲンにも明らかに適用できるというわけではない(フィブリノゲンは構造的にも機能的にも完全に異なっている)。フィブリノゲンは複雑な構造を有する非常に大きなタンパク質である。前記は、2つの対称的な部分から成る約340kDaの糖タンパク質である。細長い(約47nm)形状にα、βおよびγ鎖ペアが存在し、3つのドメインを形成する(中心のEドメインおよび2つの同一なDドメイン)。この複雑な構造はフィブリンの形成に必須である。フィブリノゲンは基質としてフィブリンの前駆体であり、フィブリンは構造マトリックスを形成する。それとは対照的に、凝固因子、例えば第VIII因子およびIX因子はその活性形では酵素または補助因子で、トロンビン(第X因子)の形成のための連鎖反応に含まれる他の因子を順次活性化させるか、またはその活性化を加速させる。フィブリノゲンを保存するときは、その複雑な構造が保持されるということだけでなく、フィブリノゲンが結合して共有結合による架橋を形成したフィブリン様構造物を生成しないことを確実にすることが必要である。さらに、従来技術では、液体状態でのフィブリノゲン濃縮物の長期保存の場合、フィブリノゲンとカルシウムの組合せは可能なかぎり回避される。これは、例えば市販のフィブリンシーラントに関して明白である。前記シーラントでは、架橋された安定なフィブリンの生成に必要なカルシウムは保存のためにトロンビン成分に添加されるか、または両成分とは別個に維持されるがフィブリノゲン成分とは一緒にされない。フィブリノゲン、第XIII因子、プロトロンビン因子、トロンビンインヒビターおよび血漿インヒビターを含む単一成分シーラント(前記は実際的な取り扱いの観点からEP 0253198で開発された)の場合には、最適カルシウムイオン濃度はトロンビン活性化の関係からのみ設定され、使用溶液中でわずか0.5〜1mMである。カルシウムイオンがフィブリノゲンの非タンパク質分解性不活化に対して安定化作用を示すということはどこにも記載されていない。さらに、シーラントの活性成分の混合物は好ましくは固形状態、例えば好ましくは凍結乾燥形である。本明細書に記載され請求の範囲に示されるフィブリノゲン製剤は、しかしながら、顕著な量のプロトロンビン因子またはトロンビンを含んでいない。
【0009】
液体状態でのフィブリノゲンとカルシウムイオンとを一緒に、長期間保存することを回避するのは、フィブリノゲンを得るために用いられるヒト血漿またはその分画を、熱処理(滅菌)のために、とりわけカルシウムイオンと混合する場合に明白である。その後に続く加工工程(例えば透析ろ過または沈澱)は再びカルシウム濃度を減少させ、それによって最終的なフィブリノゲン製剤に存在するカルシウムイオンの量は実質的に無視できる(約1mmol/Lまたはそれ未満)。これに関する参考文献はEP 0103196で、この場合は5mMのCaClが滅菌工程で用いられるが、後の工程でカルシウム濃度は、静脈内輸液用製剤およびフィブリンシーラント生成用製剤の両方で再び減少される。当然、短期間の高温処理(滅菌)に用いられる溶液成分もまた、低温または室温で数ヶ月または数年にわたって保存できる溶液として自動的に用いることができるものではない。
【0010】
最後に、特許出願WO 01/48016はフィブリノゲンを精製する方法を開示した。前記方法では、フィブリノゲンは、分画I沈殿物中に含まれ、カルシウムイオンを含むことができる抽出緩衝液に溶解される。記載されている前記方法の工程では、フィブリノゲンのタンパク質分解性不活化をもたらす可能性があるプラスミノゲン不純物は除去される。今日まで、保存時の非タンパク質分解性不活化に関して、二価金属イオンによるフィブリノゲンの安定化についての報告はない。
【0011】
驚くべきことに、0〜30℃の温度範囲で液体形で長期保存するとき、二価金属イオンの添加によって、フィブリノゲンの非タンパク質分解性不活化を防止または減少させることができることを本発明によって示すことができた。驚くべきことに、錯化剤を同時に使用することによって安定性をさらに増加させることができた。本発明のフィブリノゲン製品は液体状態で安定であり、さらにまた5分子を超えるフィブリノゲンを含むフィブリノゲン共有結合凝集物を実質的に含まない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、したがって保存に安定なフィブリノゲン製剤を提供することである。本フィブリノゲン製剤は、温度範囲0〜30℃、好ましくは2〜8℃で液体または粘稠液体状態で保存したとき少なくとも1ヶ月安定である。前記目的は、フィブリノゲンの他に二価金属イオンを100mMまでの濃度で含み、さらに適当な場合には1つまたはそれ以上のさらに別の製剤成分を含む製剤によって達成される。また別の実施態様は、請求項1から29の主題に関連し、更なる本発明の特徴および利点は好ましい実施態様および実施例の記載から明白であろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はフィブリノゲンのための製剤(フィブリノゲン製剤)を包含する。本製剤は、二価金属イオンおよび適当な場合には1つまたはそれ以上のさらに別の製剤成分の添加によって、0〜30℃、好ましくは2〜8℃の温度範囲で液体または粘稠液体状態で少なくとも1ヶ月間安定である。本発明の目的において“安定”という用語は、非タンパク質分解性不活化による活性の実質的な低下は前記フィブリノゲン製剤の保存中に起こらず、最初の活性の少なくとも70%が保持されることを意味する。これに関して、活性の低下は好ましくは、欧州薬局方(第三版(1997)p944−946)のフィブリンシーラントモノグラフに記載されたように凝固性タンパク質を測定する方法で決定することができる。保存温度は、0〜30℃、好ましくは2〜10℃、および、特に好ましくは2〜8℃の範囲である。本フィブリノゲン製剤の明瞭な安定化作用は体温(37℃)の領域の保存温度でもまた期待することができる。特に好ましいフィブリノゲン製剤は3ヶ月を超える期間、特に6ヶ月を超える期間安定である。特に好ましい実施態様では、本発明のフィブリノゲン製剤は24ヶ月またはそれ以上安定である。したがって、本発明のフィブリノゲン製剤は、液体または粘稠液体状態で1ヶ月またはそれ以上の長期保存が所望される場合に好ましく用いることができる。
【0014】
フィブリノゲンという用語は、好ましくはヒトのフィブリノゲンを意味し、前記は例えばヒトの血漿から得られたものである。前記はさらにまた献血血漿をプールしたものおよび個々の献血から単離することができる。しかしながら、動物、例えば好ましくは哺乳類(例えばブタ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジおよびイヌ)の血漿または乳から単離されたフィブリノゲンもまた包含される。フィブリノゲンが血漿から単離および/または精製される場合は、通常はさらに別の血漿タンパク質、例えば特に第XIII因子(FXIII)が同時に精製される。さらに別の同時に単離される血漿タンパク質は、例えばその精製態様に応じて、フィブロネクチン、凝固因子、フォン・ビルブラント因子、血清アルブミンおよび/または成長因子であろう。したがって主要な成分としてフィブリノゲンの他に、本発明のフィブリノゲン製剤はさらに別の血漿タンパク質もまた含むことができる。その例は第XIII因子である。FXIIIはトロンビンによって活性化型に変換され、フィブリン分子を共有結合により重合させることができる。これは特に、フィブリノゲン製剤がフィブリンシーラントとして用いられるとき有利である。
【0015】
しかしながら本発明のフィブリノゲン製剤に用いられるフィブリノゲンという用語はまた、リコンビナント方法によって製造されたフィブリノゲンまたは活性を有するフィブリノゲン誘導体も包含する。ヒトフィブリノゲンの製造に好ましい可能なリコンビナントは、遺伝子導入動物の体液、特に乳に由来する。この関係の公知の技術についての参考文献は、例えばUS 5639940およびWO 95/23868である。遺伝子組換えによって製造されるフィブリノゲンはまた本発明のフィブリノゲン製剤と混合し、例えばフィブリンシーラントに適用することができる。前記シーラントは、シーラントの構成を変更するためにさらに別のタンパク質、特にFXIIIを含むか(例えばWO 99/56797を参照されたい)、または徐放を目的とする添加物を含むことができる。
【0016】
フィブリノゲン製剤に用いられるフィブリノゲンが、遺伝子導入動物の生成物、リコンビナント生成物、および血漿(特にヒト由来血漿)から単離される場合は、使用されるフィブリノゲンは、好ましくは1つまたはそれ以上のウイルス不活化またはウイルス減少方法に付される。前記方法は、通常の方法、例えば低温殺菌、酸素を除去した乾燥状態での加熱、ナノフィルトレーション、化学物質添加(例えば界面活性剤)、UV照射またはそれらの組合せを含む。
【0017】
フィブリノゲンは、好ましくはモノマーユニットとしてフィブリノゲン製剤に存在する。マルチマーユニットも可能であるが、好ましくは製品の特性に悪影響を与えないものである。製剤成分および二価金属イオンに対する錯化剤の割合を選択する目的は、保存中に5分子を越えるフィブリノゲンの共有結合凝集物の形成を避けるためである。
【0018】
本発明の目的では、“液体”という用語は、好ましくは水溶液、すなわち必然的に水も含む溶液を包含する。しかしながら、“非水性”溶液、例えばジメチルスルホキシド、グリセロール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールまたはそれらの混合物もまた包含される。さらに、“非水性”溶液と混合された水溶液もまた包含される。“粘稠な液体”という用語は、物理的または生化学的変化のために、または製剤成分(例えばヒアルロン酸)のために粘稠である液状溶液を包含する。非水性懸濁液、例えばアルコール性懸濁液もまた包含される。
【0019】
フィブリノゲンは、本発明の液体フィブリノゲン製剤の状態で、製造後直ちに保存するか、またはそうでなければ、凍結乾燥物としてもしくは凍結状態で中間保存することができる。液体状態の本発明のフィブリノゲン製剤は患者に直接用いることができる。
【0020】
本発明のフィブリノゲン製剤中の二価金属イオンは、例えばアルカリ性土類金属(例えばマグネシウムおよびカルシウムイオン)または非主族の元素(例えば亜鉛またはマンガンイオン)であってよい。カルシウムおよび亜鉛イオンが特に好ましく、例えばCaClおよびZnClの形態で添加することができる。原則として適切な二価イオンは、フィブリノゲンの安定性を高めるが、使用濃度で患者に投与したとき副作用をほとんど生じないイオンである。前記二価金属イオンの濃度は100mMまでの範囲、好ましくは40mMまでの範囲、特に好ましくは0.02から10mMの間である。好ましい濃度は使用する二価イオンに応じて選択されるべきである。したがって、例えばカルシウムイオンの特に好ましい濃度は約1.5から10mMの範囲であり、一方、亜鉛イオンについては特に好ましい濃度は0.02から1.5mMの範囲である。
【0021】
本発明のフィブリノゲン製剤の好ましい実施態様では、さらに有利な製剤成分は錯化剤である。前記錯化剤は二価イオン、例えばカルシウムイオンと結合することができる。驚くべきことに、液体フィブリノゲン製剤の安定性はそのような錯化剤を添加することによってさらに増強できることを本発明で示すことができた。しかし相当な割合の安定化二価イオンが錯化剤の存在下では錯体中に存在することが予想される。可能な錯化剤の例はクエン酸塩、シュウ酸塩およびEDTA(エチレンジアミン四酢酸)である。これに関してはクエン酸塩が特に好ましく、前記は例えばクエン酸ナトリウムとして添加することができる。錯化剤は、好ましくは、本発明の製剤中で二価金属イオンよりも高い濃度で存在する。錯化剤は150mMまでの濃度で存在することができるが、好ましくは50mMまで、特に好ましくは25mMまでの濃度で存在することができる。
【0022】
本発明のフィブリノゲン製剤はさらに別の通常の製剤成分を含むことができる。これらは例えば、一価金属イオン、アミノ酸、凍結乾燥補助剤、炭水化物、界面活性剤、カオトロピック剤、抑制物質(例えばフィブリン溶解抑制物質またはフィブリノゲン溶解抑制物質、プロテアーゼインヒビター)、血漿タンパク質、抗酸化剤、緩衝物質またはそれらの混合物である。前記添加物は実質的に当業者に公知で、種々の要件を基準に選択されるべきである。添加物は、例えば予定の中間保存(凍結乾燥物、凍結状態)に応じて選択することができる。公知のタンパク質用凍結乾燥補助剤は、例えば糖類(例えばスクロースおよびデキストラン)、糖アルコール(例えばマンニトールおよびソルビトール)またはアミノ酸である。当然、製剤の予定される使用もまた個々の製剤にとって極めて重要である。フィブリノゲンの静脈内投与のために推奨できる当業者に公知の添加物は、フィブリンシーラントとして使用される場合のものとは異なり得る。
【0023】
適当な一価金属塩は、当業者に公知のいくつかのアルカリ金属塩で、ナトリウム塩およびカリウム塩またはその混合物が好ましい。ナトリウムイオンが特に好ましく、例えば塩化ナトリウムの形態で存在することができる。一価の金属塩の濃度は好ましくは≦300mMである。特に好ましい実施態様では、前記濃度は≦200mMである。
【0024】
アミノ酸という用語は、天然に存在するアミノ酸およびその誘導体の両方を包含する。特に好ましい例は、中性アミノ酸(例えばグリシン)、および酸性または塩基性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸およびヒスチジン、リジン、アルギニン)またはそれらの混合物を含む。アルギニンまたはアルギニンを含む混合物が特に好ましく用いられる。しかしながら、アミノ酸誘導体(例えばシトルリン)もまた用いることができる。
【0025】
可能なインヒビターには、プロテイナーゼインヒビター(通常の物質から選択できる)が含まれ、さらにアプロチニンまたは類似の特異性を有するインヒビターが好ましくは用いられる。
【0026】
フィブリン溶解抑制物質には、例えばアンチプラスミン(α−2−アンチプラスミン、α−2−マクログロブリン、α−1−アンチプラスミンを含む)、プラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)(PAI−1およびPAI−2を含む)、トロンビン活性化能をもつフィブリン溶解抑制物質(TAFI)、アプロチニンおよび/または合成物質(例えばε−アミノカプロン酸またはp−アミノメチル安息香酸が含まれる。フィブリン溶解抑制物質は特に、生成フィブリンポリマーが可能なかぎり長期間安定であるべき用途で重要である。
【0027】
用いることができるフィブリノゲン溶解抑制物質は、例えばアンチプラスミン、C1インヒビターおよびアンチトロンビンで、好ましくはアンチトロンビンがヘパリンの存在下で用いられる。
【0028】
血漿タンパク質は、既に記載したように、凝固因子(例えばFXIII)または例えばフィブロネクチン、フォン・ビルブラント因子、血清アルブミンもしくは成長因子のようなタンパク質である。前記は既に夾雑タンパク質として単離フィブリノゲンに存在するか、または後から前記フィブリノゲン製剤に添加することができる。血漿タンパク質は、しかしながらトロンビンは含むべきではない。なぜならば、フィブリノゲンとトロンビンとの同時保存はフィブリンを形成する可能性があり、フィブリノゲン製剤の安定性を確実にすることができないからである。
【0029】
炭水化物には、例えばグルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、マンノース、トレハロース、ラクトース、セルロースおよび澱粉またはそれらの誘導体、さらにまたそれらの混合物形が挙げられる。さらに包含されるものは、糖アルコール、例えばソルビトールおよびマンニトールである。本発明の目的においては、炭水化物はまたへテロ多糖類を意味する。前記には、例えばグリコサミノグリカン、例えば特にヒアルロン酸が含まれる。
界面活性剤には同様に通常の物質が含まれるが、好ましくは非イオン性界面活性剤、例えばポロキサマーまたはポリソルベートである。
カオトロピック剤は水素結合を破壊することができる薬剤を意味する。特に好ましいものは、尿素およびグアニジンまたはグアニジノ基含有添加物、および関連化合物もしくはその混合物またはカオトロピック塩(例えばKI)である。
使用できる抗酸化剤は通常の物質であり、好ましくはアスコルビン酸である。
【0030】
緩衝物質は、フィブリノゲン製剤のpHを調節し実質的に一定に保持する物質である。好ましい実施態様では、前記製剤のpHは5.0から8.0の間、より好ましくは6.0から8.0の値に調節され、前記pHは特に好ましくは6.5から7.5の間である。このタイプの緩衝物質の可能な例はアミノ酸および/またはクエン酸塩であり、特に好ましい実施態様ではクエン酸塩である。他の通常の緩衝系、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、グリシルグリシン、炭酸塩、重炭酸塩も同様に包含される。pHの調節または修正は酸または塩基(例えばHClおよびNaOH)によって実施される。
【0031】
使用することができる全ての製剤成分に適用されることは、それらはいずれも使用される量で患者に実質的な副作用を惹起してはならないということである。特に好ましい実施態様では、本発明のフィブリノゲン製剤は、塩化カルシウムおよびクエン酸ナトリウムの他に、例えばまた塩化ナトリウムおよびアルギニンを含む。さらに好ましい製剤では、アプロチニンまたはC1インヒビターがまた、塩化カルシウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびアルギニンの他に存在する。
さらに好ましいフィブリノゲン製剤は実施例から明らかである。
【0032】
本発明はさらに本発明のフィブリノゲン製剤の製造方法に関する。本方法は、先ず初めに当業者に公知の方法によってフィブリノゲンを入手(単離および/または精製)することを必要とする。フィブリノゲンは好ましくはヒトの血漿から得られるが、動物の血漿から入手することもまた可能である。リコンビナントフィブリノゲンは、例えば動物細胞培養の培養上清または遺伝子導入動物の乳から得ることができる。得られたフィブリノゲンが、本発明のフィブリノゲン製剤と一致しない溶液中に最初存在する場合は、これは、実施態様に記載する本発明の製剤成分(特に二価金属イオン)を含む溶液と置換することができる。異なる溶液との交換または同化は、例えば限外ろ過、透析、希釈または存在しない製剤成分の添加によって可能である。フィブリノゲンを公知の沈澱方法(例えばエタノール、ポリエチレングリコール、硫安、グリシンを使用)によって沈殿させることができる場合、前記フィブリノゲンは本発明の二価イオンおよびさらに別の製剤成分を含む溶液に再懸濁または溶解させることができる。フィブリノゲンが凍結乾燥状態である場合、フィブリノゲンを溶液中で再構成して本発明のフィブリノゲン製剤と一致する製剤を得る。
【0033】
このようにして得られた本発明のフィブリノゲン製剤は、液体状態で直接保存することができる。また別に、前記液体製剤は中間凍結または凍結乾燥を施し、解凍または再構成してから本発明のフィブリノゲン製剤と一致する液体状態でさらに保存することもできる。
【0034】
本発明のフィブリノゲン製剤の特に好ましい製造は、ヒトの血漿から得られるフィブリノゲンを用いて実施され、以下の主要な工程を含む:
‐粗血漿分画を生産し;
‐水酸化アルミニウムに吸着させ;
‐ウイルスを不活化し;
‐沈澱させ;
‐さらに精製および/またはウイルス不活化工程を実施し;
‐限外ろ過、透析および/または希釈によって、少なくとも1つの二価金属塩およびさらに別の製剤成分を含む溶液を用いて溶液成分の置換、pH調節および濃度調節を実施し;
‐ろ過により滅菌し;
‐前記フィブリノゲン製剤を直接液体状態で保存するか、または中間凍結もしくは中間凍結乾燥を施し、その後、解凍または再構成により液体状態にして保存する。
【0035】
本発明はさらに、本発明のフィブリノゲン製剤の使用に関する。可能な用途は当業者に公知であり、本発明のフィブリノゲン製剤は既に知られている全てのフィブリノゲンの用途で用いることができる。本発明のフィブリノゲン製剤は一般に、フィブリノゲン欠乏状態の治療に適している。これらの欠乏状態は、例えば大怪我および重篤な出血の後、広範な火傷、止血の病的な活性化(消費性凝固障害、DIC(播種性血管内凝固)とも称される)、医療処置により、または重篤な肝臓疾患(例えば肝実質障害のために合成が阻害されたとき)の事例で生じるであろう。上記の後天的低フィブリノゲン血症(血中フィブリノゲンの減少)および無フィブリノゲン血症(血中フィブリノゲンの欠如または顕著な減少)の他に、遺伝性無フィブリノゲン血症または低フィブリノゲン血症の稀な事例が存在し、これらは肝におけるフィブリノゲン合成の欠如または減少によって惹起されるであろう。
【0036】
低フィブリノゲン血症および無フィブリノゲン血症の場合には、本発明のフィブリノゲン製剤は、対応するフィブリノゲン欠乏状態を代償するために好ましくは患者に静脈内注射によって投与される。投与量は生じている欠乏レベルを基準にする。
フィブリノゲンはいわゆるフィブリンシーラントの重要な成分としてフィブリン療法では非常に重要である。フィブリンシーラントでは、カルシウムおよびFXIIIの存在下でフィブリノゲンとトロンビンとの組合せにより架橋フィブリンが形成されることによって凝固の最後の工程が摸倣される。
【0037】
医療ではフィブリンシーラントの種々の可能な用途が存在する。重要なものは、止血、創傷閉鎖、癒着の予防および創傷治癒である。実質性臓器および心脈管領域における手術中の局所の止血は特に重要である。重篤な肝臓損傷後の大出血でさえこの方法で制御することができる。フィブリンシーラントはまた、皮膚の創傷(皮膚移植を含む)の閉鎖および固定、および密封縫合(例えば十二指腸断端部の縫合)に用いられる。さらに記載されるべき例は、硬膜形成術および腔の閉塞、並びに胸水の待機療法のための胸膜の接着での使用である。フィブリンシーラントはまた、結合組織(例えば骨、軟骨および腱)の接着にも有利に用いることができる。
【0038】
フィブリノゲンはまた、フィブリンマトリックスを製造する成分としても用いることができる。このタイプの担体物質は、活性成分[例えば成長因子(例えば骨再生のためのマトリックスとして骨誘発性タンパク質とともに)、抗生物質、抗炎症剤、細胞増殖抑制性または創傷治癒促進性添加物質]の徐放のために用いることができる。前記担体はまた、フィブリンと他の物質との混合物から成るものであってもよい。
フィブリンマトリックスは、バイオテクノロジーにおいて、例えば組織工学における細胞および組織の支持材料および培養媒体として、または移植物(例えばバイオセンサー)の封入の場合にさらに別の広範囲の可能な用途を有する。
本発明を以下の実施例によってさらに詳述するが、しかしながらこれら実施例は本発明を制限しようとするものではない。
【0039】
【実施例】
実施例1:ヒト血漿からフィブリノゲンの製造
フィブリノゲンの出発材料を得るために、凍結沈殿物をNaCl/グリシン溶液中で溶解し、10%(v/v)の水酸化アルミニウム懸濁液(Al(OH))を用いて吸着を実施した。Al(OH)を遠心分離で除去した後、残りの上清をグリシン(最終濃度2.45M)で沈澱させた。更なる処理のために、前記フィブリノゲンに富む沈殿物をNaCl溶液に溶解し、溶液のpHを7.3に調整した。前記フィブリノゲン溶液の1リットルにつき水酸化アルミニウム懸濁液80mLでフィブリノゲン溶液を吸着させた。続いてAl(OH)をろ過または遠心分離で除去し廃棄した。その後の低温滅菌のために、前記フィブリノゲン溶液を生理的食塩水でOD280−320mm=48に希釈した。前記溶液を攪拌しながら、0.37gの塩化カルシウム二水和物、1000gのスクロースおよび75gのグリシンを1リットルの溶液につき添加した。pHを7.5に維持した。
【0040】
続いて溶液を+60℃に加熱し、前記温度を10時間一定に維持した。続いてこの溶液を冷却した。
低温滅菌されたこのフィブリノゲン溶液を、3倍容積の希釈溶液(水に3.5g/LのNaCl;6g/Lのクエン酸三ナトリウム二水和物)と混合した。希釈溶液1リットルにつき90gのグリシンを攪拌しながら添加した。得られた沈殿物を遠心分離またはろ過によって除去し廃棄した。
上清1リットルにつき75gのグリシンをさらに添加した。フィブリノゲンに富む沈殿物を遠心分離によって得て、更なる処理まで−25℃で保存した。
【0041】
更なる精製およびプラスミノゲンの除去のために、前記フィブリノゲンに富む沈殿物を先ず初めに適当な水溶液(50mM NaCl;20mMクエン酸三ナトリウム二水和物)に溶解し(好ましくは前記溶媒に対して透析後に)、L−リシルラジカルをリガンドとして有するマトリックスを含むクロマトグラフィーカラムにポンプで注入した。
フィブリノゲン製剤は、先ず初めにフィブリノゲン含有溶液を適当な限外ろ過方法の手段によって、使用に応じて約OD280−320mm=2〜200、好ましくは20〜160のタンパク質濃度に調整し、さらにその後実施例2に具体的に示される製剤成分を含む溶液に対して透析して製造した。
ろ過滅菌してフィブリノゲン製剤を得て、これを以下の実施例にしたがって安定性についてテストした。
【0042】
実施例2:フィブリノゲン製剤に対する安定性の検討
種々の製剤におけるフィブリノゲンの安定性を、実施例1の記載のように製造したヒトフィブリノゲンを用いて調べた。この目的のために、種々の製剤としてのフィブリノゲン溶液(OD280−320mm=約100)を入れた容器を、30℃または2〜8℃で種々の保存期間の間保存した(0、1、2、3ヶ月および/またはそれ以上)。適当な保存期間の後で、フィブリノゲンの残留含有量を測定した。この目的のために、欧州薬局方(第三版(1997)p944−946)のフィブリンシーラントモノグラフに記載されたように凝固性タンパク質含有量を測定した。
【0043】
下記に詳述する3種の製剤では、200mMのNaClおよび10%L−Arg×HClの他に、クエン酸ナトリウムもしくは塩化カルシウムのどちらか、またはクエン酸ナトリウムを塩化カルシウムと組み合わせてpH7.2で添加した。
製剤1:20mMクエン酸三ナトリウム/200mM NaCl/10%L−Arg×HCl/pH7.2
製剤2:2.5mM CaCl/200mM NaCl/10%L−Arg×HCl/pH7.2
製剤3:20mMクエン酸三ナトリウム/2.5mM CaCl/200mM NaCl/10%L−Arg×HCl/pH7.2
【0044】
【表1】
Figure 2004075682
【0045】
【表2】
Figure 2004075682
【0046】
前記の試験は、CaClに関するコントロール製剤(製剤1)と比較して、CaClの添加(製剤2)は30℃で保存したとき顕著なフィブリノゲンの安定性を達成できることを明瞭に示している。3ヶ月保存した後でさえ、検出可能な凝固性フィブリノゲンの量はなおコントロール製剤のそれの2倍を超えている(表1)。安定性の増強は、錯化剤、クエン酸ナトリウムと一緒にCaClを含む製剤(製剤3)でさらに顕著である。実際のところ後者は、30℃で3ヶ月保存した後、コントロールの製剤1のほぼ3倍の凝固性タンパク質をなお含んでいる。2〜8℃で3または6ヶ月間の保存の場合、CaClおよびクエン酸ナトリウムの安定化作用(製剤3)の顕著さは劣るが、それでもなお、コントロール製剤と比較して検出可能である。一般に良好な安定性が2〜8℃での保存で期待されるので、差異が小さいことは単に予想できることである。
【0047】
他の製剤成分の濃度を減少させた種々の製剤についてさらに別の試験を実施した。使用したフィブリノゲン製剤(OD280−320mm=約134から146)は実施例1に記載した態様と類似の態様で製造し、30℃で種々の保存期間(0、1、2および/または3ヶ月)保存した。適当な保存期間の後で、凝固性タンパク質含有量を測定するか(欧州薬局方のフィブリンシーラントモノグラフ、第三版(1997)p944−946)、またはクラウスの方法(Clauss (1957), Acta−Haematol. 17:237−246)によってフィブリノゲンを測定した(表3および4)。
製剤4:4mMクエン酸三ナトリウム/100mM NaCl/5%L−Arg×HCl/pH7.2
製剤5:4mMクエン酸三ナトリウム/0.5mM CaCl/100mM NaCl/5%L−Arg×HCl/pH7.2
製剤6:20mMクエン酸三ナトリウム/2.5mM CaCl/100mM NaCl/5%L−Arg×HCl/pH7.2
製剤7:12mMクエン酸三ナトリウム/1.5mM CaCl/100mM NaCl/5%L−Arg×HCl/pH7.2
【0048】
【表3】
Figure 2004075682
【0049】
【表4】
Figure 2004075682
【0050】
この試験は、製剤5〜7において、コントロール製剤(製剤4)と比較して顕著な安定性の増加が、塩化カルシウムまたは塩化カルシウムとクエン酸塩が存在するかぎり達成できることを示している。さらにまた、クラウスのフィブリノゲン検査にしたがえば、塩化カルシウムおよびクエン酸塩の濃度が高い方が作用が良好になる傾向がある。

Claims (32)

  1. 保存に安定な液体または粘稠液体フィブリノゲン製剤であって、フィブリノゲンの他に100mMまでの濃度の二価金属イオン、および適当な場合には1種またはそれ以上のさらに別の製剤成分を含み、そして0から30℃の保存温度で少なくとも1ヶ月安定である上記フィブリノゲン製剤。
  2. 二価金属イオンがカルシウムイオン、亜鉛イオンまたはこの2つの混合物である請求項1に記載のフィブリノゲン製剤。
  3. 二価金属イオンが40mMまでの濃度で、特に好ましくは0.02から10mMの間の濃度で存在する請求項1または2に記載のフィブリノゲン製剤。
  4. さらに別の製剤成分の1種が錯化剤である請求項1〜3のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤。
  5. 錯化剤がクエン酸塩である請求項4に記載のフィブリノゲン製剤。
  6. 錯化剤が二価金属イオンよりも高い濃度で存在する請求項4または5に記載のフィブリノゲン製剤。
  7. 錯化剤が150mMまでの濃度で、好ましくは50mMまでの濃度で、特に好ましくは20mMまでの濃度で存在する請求項4〜6のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤。
  8. さらに別の製剤成分が、一価金属塩、アミノ酸、凍結乾燥補助剤、界面活性剤、フィブリン溶解抑制物質、フィブリノゲン溶解抑制物質、プロテアーゼインヒビター、血漿タンパク質、炭水化物、抗酸化剤、緩衝物質および/またはカオトロピック剤またはそれらの混合物である請求項1〜7のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤。
  9. 血漿タンパク質が第XIII因子、フィブロネクチン、血清アルブミン、フォン・ビルブラント因子および/または成長因子を含む請求項8に記載のフィブリノゲン製剤。
  10. 塩化カルシウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよびアルギニンを含む請求項8または9に記載のフィブリノゲン製剤。
  11. 塩化カルシウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、アルギニンおよびアプロチニンまたはC1インヒビターを含む請求項8または9に記載のフィブリノゲン製剤。
  12. 塩化カルシウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、アルギニンおよびアルブミンを含む請求項8または9に記載のフィブリノゲン製剤。
  13. 5.0〜8.0のpHを有する請求項1〜12のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤。
  14. 6.5〜7.5のpHを有する請求項13に記載のフィブリノゲン製剤。
  15. フィブリノゲン製剤が0から30℃、好ましくは2から8℃で少なくとも3ヶ月の期間にわたって安定である請求項1〜14のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤。
  16. フィブリノゲン製剤が0から30℃、好ましくは2から8℃で少なくとも6ヶ月の期間にわたって安定である請求項15に記載のフィブリノゲン製剤。
  17. フィブリノゲン製剤が0から30℃、好ましくは2から8℃で少なくとも24ヶ月の期間にわたって安定である請求項15に記載のフィブリノゲン製剤。
  18. 使用されるフィブリノゲンが1つまたはそれ以上のウイルス不活化方法またはウイルス減少方法に付されている請求項1〜17のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤を製造する方法。
  20. リコンビナントフィブリノゲンが用いられる請求項19に記載のフィブリノゲン製剤の製造方法。
  21. フィブリノゲンが血漿から単離されている請求項19に記載のフィブリノゲン製剤の製造方法。
  22. フィブリノゲンがヒト血漿から得られ、以下の工程:
    ‐粗血漿分画を生産し;
    ‐水酸化アルミニウムに吸着させ;
    ‐ウイルスを不活化し;
    ‐沈澱させ;
    ‐さらに精製および/またはウイルス不活化工程を実施し;
    ‐限外ろ過、透析および/または希釈によって、少なくとも1つの二価金属塩およびさらに別の製剤成分を含む溶液を用いて溶液成分の置換、pH調節および濃度調節を実施し;
    ‐ろ過により滅菌し;
    ‐上記フィブリノゲン製剤を直接液体状態で保存するか、または中間凍結もしくは中間凍結乾燥を実施し、その後、解凍または再構成により液体状態にして保存する
    を含む請求項21に記載のフィブリノゲン製剤の製造方法。
  23. 再構成後に請求項1〜18のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤に相当する凍結乾燥物を先ず初めに製造する、請求項19に記載のフィブリノゲン製剤の製造方法。
  24. フィブリノゲン製剤が中間凍結に付され、そして解凍後に請求項1〜18のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤に相当する、請求項19に記載のフィブリノゲン製剤の製造方法。
  25. 単離および/または精製後にフィブリノゲンが溶解されている溶液成分を、限外ろ過、透析、希釈および/または製剤成分の添加によって置換または改変し、それによって請求項1〜18のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤を得ることを含む、請求項1〜18のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤の製造方法。
  26. 沈澱または凍結乾燥させたフィブリノゲンを溶液に再懸濁、溶解、または再構成し、それによって請求項1〜18のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤を得る、請求項1〜18のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤の製造方法。
  27. 請求項1〜18のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤の使用。
  28. フィブリノゲン欠乏状態の治療用製品としての請求項27に記載のフィブリノゲン製剤の使用。
  29. フィブリンシーラントの成分としての請求項27に記載のフィブリノゲン製剤の使用。
  30. フィブリンマトリックス製造用成分としての請求項27に記載のフィブリノゲン製剤の使用。
  31. 診断薬としての請求項27に記載のフィブリノゲン製剤の使用。
  32. 6.0〜8.0のpHを有する請求項1〜12のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤。
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