JP2004075613A - 保湿剤及び皮膚外用剤並びにシコン抽出物の使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚に潤いを与える新規な保湿剤を提供する。
【解決手段】本発明の保湿剤は、ムラサキ(Lithospermum Radix、その他の近縁植物も含む)の根を乾燥させたシコンの熱水抽出物を有効成分とする。また、例えばシコンの熱水抽出物にエタノールやメタノールを加えて沈澱させて得られたシコン抽出物の多糖画分を本発明の保湿剤として用いることもできる。得られた保湿剤は、ビタミン類や抗炎症剤などの主薬と共に種々の皮膚外用剤に用いられる。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の保湿剤は、ムラサキ(Lithospermum Radix、その他の近縁植物も含む)の根を乾燥させたシコンの熱水抽出物を有効成分とする。また、例えばシコンの熱水抽出物にエタノールやメタノールを加えて沈澱させて得られたシコン抽出物の多糖画分を本発明の保湿剤として用いることもできる。得られた保湿剤は、ビタミン類や抗炎症剤などの主薬と共に種々の皮膚外用剤に用いられる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、新規な保湿剤に関する。具体的には、シコンの抽出物を保湿剤として使用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、肌荒れの防止には、保湿効果のある成分を配合した外用剤を肌に塗布することにより水分の蒸散を防止して肌の保湿力を高めるのが有効であるとされている。例えば多価アルコールやムコ多糖、アミノ酸及びその誘導体などがこうした高い保湿効果を有することは周知の事実である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの保湿剤の多くはその効果が短く持続性に乏しく、期待できる効果は必ずしも十分ではなかった。
【0004】
本発明者らは、これらの事情に鑑み、優れた保湿効果を有する成分を見出すべく鋭意検討を行った結果、古くから漢方薬等において創傷治療薬、抗炎症薬に用いられてきたシコンの熱水抽出物に高い保湿効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の保湿剤は、シコンの水抽出物を有効成分とすることを特徴としている。
【0006】
また、本発明の保湿剤は、シコン抽出物の多糖画分を有効成分とすることを特徴としている。
【0007】
本発明の皮膚外用剤は、上記本発明の保湿剤が配合されたことを特徴としている。
【0008】
本発明のシコン抽出物の使用方法は、シコンの水抽出物を保湿剤として使用することを特徴としている。
【0009】
また、本発明のシコン抽出物の使用方法は、シコン抽出物の多糖画分を保湿剤として使用することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の保湿剤は、シコンの水抽出物、特にシコン抽出物の多糖画分を有効成分とすることを特徴とするものである。すなわち、本発明は、シコンの水抽出物、特にシコン抽出物の多糖画分を保湿剤として使用するものである。
【0011】
本発明に用いられるシコンは、ムラサキ科に属するムラサキ(Lithospermum Radix、その他の近縁植物も含む)の根を乾燥させたものである。
【0012】
本発明の保湿剤は、シコンを水又は熱水で抽出することにより得ることができる。その抽出方法は、植物の抽出に用いられる公知の方法であれば特に制限されることなく用いられる。例えば、粗切、細切あるいは粉末にしたシコンに水を加え、冷浸又は温浸する。本発明の保湿剤は、シコン抽出物中の多糖画分がその本質であると考えられるため、本発明では水を加え加熱下において、つまり熱水を用いて抽出するのが望ましい。
【0013】
本発明においては、水(熱水)が主たる抽出溶媒として用いられるが、水以外にも多糖画分(多糖成分)を抽出できるエタノール、メタノールなどの高極性溶媒も抽出溶媒として用いることができる。多糖画分を得るには、抽出溶媒として水を単独で用いるのが好都合であるが、高極性溶媒単独で、あるいは水と1種若しくは2種以上の高極性溶媒との混液、2種以上の高極性溶媒の混液を抽出溶媒として用いることもできる。本発明において、高極性溶媒とは、エタノールやメタノール、アセトンなど、水と任意の割合で混合しうる極性の高い有機溶媒を意味する。
【0014】
これらの抽出溶媒で得られた抽出液は、そのまま用いることもできるし、例えば減圧下に濃縮してエキス状とし、あるいは凍結乾燥して粉末状とし、本発明の保湿剤として用いることができる。また、得られた抽出物(又は抽出液)を適当な希釈溶媒で希釈したり、防腐剤その他の任意の補助成分を加えておいてもよい。一方、得られた抽出物(又は抽出液)そのままでは十分な保湿効果が得られない場合には、例えば下記方法にて分画して多糖画分とした上で本発明の保湿剤として用いるのが好ましい。
【0015】
すなわち、熱水抽出物にエタノールやメタノールなどの溶媒を加えて沈澱させた不溶分が多糖画分として利用される。当該多糖画分も残留溶媒等を蒸散させてエキス状とし、あるいは凍結乾燥して粉末状として用いることができる。なお、高極性溶媒を用いて抽出した抽出成分にも本発明にいう多糖画分が含まれており、高極性溶媒を用いた抽出成分を多糖画分として用いてもよいが、前記の如く予め熱水にて抽出した上で多糖画分を得た方が収率がはるかによく、しかも夾雑物を少なくできる。
【0016】
また、多糖画分を得る方法として、上記方法以外に、熱水や高極性溶媒による抽出液に塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムなどの塩類を加えて目的物を沈澱させる塩類沈澱法、4級アンモニウム塩などを用いる選択的沈澱法、各種クロマトグラフィーやゲルろ過による分画法、電気泳動法や超遠心分離法などが挙げられる。シコン抽出物から多糖画分を分離精製するにはこれらの方法を適宜組み合わせるのが一般的であるが、多糖組成が単純な場合であれば、上記の如く熱水抽出物にエタノールやメタノールなどの溶媒を加えて沈澱させる方法だけで、比較的夾雑物の少ない多糖画分を得ることができる。
【0017】
このようにして得られたシコン抽出物(あるいは多糖画分)は、例えば水などの適当な溶媒にて希釈した後皮膚に適用されうるが、通例、慣用の製剤化手段により製剤化された種々の皮膚外用剤として供される。本発明における皮膚外用剤は、直接間接を問わず皮膚に適用される剤型を意味し、化粧品、医薬部外品はもちろんのこと、医薬用途にも用いられるものである。このような皮膚外用剤として、例えば、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、パップ剤、硬膏剤、リニメント剤、皮膚洗浄剤(石けん類)、育毛増毛用剤、シャンプー剤、リンス剤、口紅、浴用剤などが例示される。なお、これらの製剤はそれぞれの常法により得ることが可能である。さらに、本発明の皮膚外用剤は皮膚に塗布した場合の保湿効果を高めることを主たる目的とするものであって、当該皮膚外用剤には、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グアイアズレン、アラントイン、イブプロフェン及びこれらの誘導体並びにその塩などの各種抗炎症剤、ビタミンCやビタミンE並びにこれらの誘導体などの各種ビタミン類、各種抗菌剤や抗生物質、細胞賦活薬などをはじめ皮膚外用剤に配合されうる種々の主薬、助薬を配合できるのは言うまでもない。
【0018】
また、使用量は適用される部位や剤型、得られた保湿剤によっても異なるが、概ね0.001〜10w/w%程度、好ましくは0.01〜5w/w%程度である。もちろん、その使用量はこの範囲に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
次に本発明の実施例に基づいて、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0020】
(実施例1)
局方シコンを細切したもの100gに水2lを加え、約半量になるまで煎じた後、ろ過した。得られたろ液を凍結乾燥して、シコン熱水抽出物43.0gを得た。
【0021】
(実施例2)
上記で得たシコン熱水抽出物にメタノールを加えて還流抽出を行い、メタノール不溶画分を得た。さらにこのメタノール不溶画分にエタノールを加え、エタノール沈澱物(16.4g)を得て、多糖画分とした。
【0022】
(実施例3)
こうして得られたシコン熱水抽出物及び多糖画分について、本発明の効果を確認すべく、次の通り皮膚コンダクタンスを測定し、その結果を表1にまとめた。
【0023】
皮膚コンダクタンスの測定は、各試料を水に溶解して1w/w%濃度に調整した溶液を、健常人男女10人の上腕屈曲部に塗布して行った。なお、測定にはIBS社製の皮膚コンダクタンスメータを用いた。また、比較例には水及びグリセリン並びにプロピレングリコールを用いた。
【0024】
【表1】
【0025】
(実施例4)
次に示す処方に基づき、常法に基づき化粧水を作製した。
【0026】
(実施例5)
次に示す処方に基づき、下記方法に従い乳液を作製した。
【0027】
ステアリン酸から自己乳化型モノステアリン酸グリセリンまでを混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に1,3−ブチレングリコールから精製水までを混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、撹拌しながら冷却し、シコン熱水抽出物又は多糖画分を加えて撹拌後、35℃まで冷却して乳液を得た。
【0028】
(実施例6)
次に示す処方に基づき、下記方法に従いクリームを作製した。
【0029】
ミリスチン酸オクチルドデシルからトリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンまでを混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に1,3−ブチレングリコールから精製水までを混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、撹拌しながら冷却し、シコン熱水抽出物又は多糖画分を加えて撹拌後、35℃まで冷却してクリームを得た。
【0030】
(実施例7)
上記実施例のうち、実施例6のクリームを用いて使用試験を行った。22才〜40才の健常人女性10人に、各人左右いずれかの頬に実施例のクリームを就寝前適量塗布してもらい、翌朝にその使用感を評価してもらった。なお、対照としてシコン熱水抽出物及び多糖画分のみを除き、不足分を精製水で調整したクリームを他方の頬に塗布してもらった。評価は、しっとり感(うるおい)及びべたつき感について行った。対照例より好ましいと感じた場合を5点、変わらないと感じた場合を3点、好ましくないと感じた場合を1点として評価し、表2には10人の平均値を算出した上で、その平均値が4点以上の場合を◎で、4点未満3点以上を○で、3点未満を△で示した。
【0031】
【表2】
【0032】
表1から理解されるように、本発明の保湿剤はグリセリンと同程度の保湿性を示した。また、表2から理解されるように、本発明の保湿剤、特に多糖画分を用いたクリームは、対照に比べてしっとり感に優れていたという評価が得られ、翌朝まで皮膚に十分なうるおい感を与えられることが確認できた。また、実施例4の化粧水や実施例5の乳液についてもほぼ同様の評価が得られた。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な保湿剤を提供できる。特にシコン抽出物は抗炎症薬や創傷治療薬として古くから使用されており安全性も十分に証明されており、本発明の保湿剤は安全性に優れたものであるといえる。
【発明が属する技術分野】
本発明は、新規な保湿剤に関する。具体的には、シコンの抽出物を保湿剤として使用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、肌荒れの防止には、保湿効果のある成分を配合した外用剤を肌に塗布することにより水分の蒸散を防止して肌の保湿力を高めるのが有効であるとされている。例えば多価アルコールやムコ多糖、アミノ酸及びその誘導体などがこうした高い保湿効果を有することは周知の事実である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの保湿剤の多くはその効果が短く持続性に乏しく、期待できる効果は必ずしも十分ではなかった。
【0004】
本発明者らは、これらの事情に鑑み、優れた保湿効果を有する成分を見出すべく鋭意検討を行った結果、古くから漢方薬等において創傷治療薬、抗炎症薬に用いられてきたシコンの熱水抽出物に高い保湿効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の保湿剤は、シコンの水抽出物を有効成分とすることを特徴としている。
【0006】
また、本発明の保湿剤は、シコン抽出物の多糖画分を有効成分とすることを特徴としている。
【0007】
本発明の皮膚外用剤は、上記本発明の保湿剤が配合されたことを特徴としている。
【0008】
本発明のシコン抽出物の使用方法は、シコンの水抽出物を保湿剤として使用することを特徴としている。
【0009】
また、本発明のシコン抽出物の使用方法は、シコン抽出物の多糖画分を保湿剤として使用することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の保湿剤は、シコンの水抽出物、特にシコン抽出物の多糖画分を有効成分とすることを特徴とするものである。すなわち、本発明は、シコンの水抽出物、特にシコン抽出物の多糖画分を保湿剤として使用するものである。
【0011】
本発明に用いられるシコンは、ムラサキ科に属するムラサキ(Lithospermum Radix、その他の近縁植物も含む)の根を乾燥させたものである。
【0012】
本発明の保湿剤は、シコンを水又は熱水で抽出することにより得ることができる。その抽出方法は、植物の抽出に用いられる公知の方法であれば特に制限されることなく用いられる。例えば、粗切、細切あるいは粉末にしたシコンに水を加え、冷浸又は温浸する。本発明の保湿剤は、シコン抽出物中の多糖画分がその本質であると考えられるため、本発明では水を加え加熱下において、つまり熱水を用いて抽出するのが望ましい。
【0013】
本発明においては、水(熱水)が主たる抽出溶媒として用いられるが、水以外にも多糖画分(多糖成分)を抽出できるエタノール、メタノールなどの高極性溶媒も抽出溶媒として用いることができる。多糖画分を得るには、抽出溶媒として水を単独で用いるのが好都合であるが、高極性溶媒単独で、あるいは水と1種若しくは2種以上の高極性溶媒との混液、2種以上の高極性溶媒の混液を抽出溶媒として用いることもできる。本発明において、高極性溶媒とは、エタノールやメタノール、アセトンなど、水と任意の割合で混合しうる極性の高い有機溶媒を意味する。
【0014】
これらの抽出溶媒で得られた抽出液は、そのまま用いることもできるし、例えば減圧下に濃縮してエキス状とし、あるいは凍結乾燥して粉末状とし、本発明の保湿剤として用いることができる。また、得られた抽出物(又は抽出液)を適当な希釈溶媒で希釈したり、防腐剤その他の任意の補助成分を加えておいてもよい。一方、得られた抽出物(又は抽出液)そのままでは十分な保湿効果が得られない場合には、例えば下記方法にて分画して多糖画分とした上で本発明の保湿剤として用いるのが好ましい。
【0015】
すなわち、熱水抽出物にエタノールやメタノールなどの溶媒を加えて沈澱させた不溶分が多糖画分として利用される。当該多糖画分も残留溶媒等を蒸散させてエキス状とし、あるいは凍結乾燥して粉末状として用いることができる。なお、高極性溶媒を用いて抽出した抽出成分にも本発明にいう多糖画分が含まれており、高極性溶媒を用いた抽出成分を多糖画分として用いてもよいが、前記の如く予め熱水にて抽出した上で多糖画分を得た方が収率がはるかによく、しかも夾雑物を少なくできる。
【0016】
また、多糖画分を得る方法として、上記方法以外に、熱水や高極性溶媒による抽出液に塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムなどの塩類を加えて目的物を沈澱させる塩類沈澱法、4級アンモニウム塩などを用いる選択的沈澱法、各種クロマトグラフィーやゲルろ過による分画法、電気泳動法や超遠心分離法などが挙げられる。シコン抽出物から多糖画分を分離精製するにはこれらの方法を適宜組み合わせるのが一般的であるが、多糖組成が単純な場合であれば、上記の如く熱水抽出物にエタノールやメタノールなどの溶媒を加えて沈澱させる方法だけで、比較的夾雑物の少ない多糖画分を得ることができる。
【0017】
このようにして得られたシコン抽出物(あるいは多糖画分)は、例えば水などの適当な溶媒にて希釈した後皮膚に適用されうるが、通例、慣用の製剤化手段により製剤化された種々の皮膚外用剤として供される。本発明における皮膚外用剤は、直接間接を問わず皮膚に適用される剤型を意味し、化粧品、医薬部外品はもちろんのこと、医薬用途にも用いられるものである。このような皮膚外用剤として、例えば、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、パップ剤、硬膏剤、リニメント剤、皮膚洗浄剤(石けん類)、育毛増毛用剤、シャンプー剤、リンス剤、口紅、浴用剤などが例示される。なお、これらの製剤はそれぞれの常法により得ることが可能である。さらに、本発明の皮膚外用剤は皮膚に塗布した場合の保湿効果を高めることを主たる目的とするものであって、当該皮膚外用剤には、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グアイアズレン、アラントイン、イブプロフェン及びこれらの誘導体並びにその塩などの各種抗炎症剤、ビタミンCやビタミンE並びにこれらの誘導体などの各種ビタミン類、各種抗菌剤や抗生物質、細胞賦活薬などをはじめ皮膚外用剤に配合されうる種々の主薬、助薬を配合できるのは言うまでもない。
【0018】
また、使用量は適用される部位や剤型、得られた保湿剤によっても異なるが、概ね0.001〜10w/w%程度、好ましくは0.01〜5w/w%程度である。もちろん、その使用量はこの範囲に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
次に本発明の実施例に基づいて、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0020】
(実施例1)
局方シコンを細切したもの100gに水2lを加え、約半量になるまで煎じた後、ろ過した。得られたろ液を凍結乾燥して、シコン熱水抽出物43.0gを得た。
【0021】
(実施例2)
上記で得たシコン熱水抽出物にメタノールを加えて還流抽出を行い、メタノール不溶画分を得た。さらにこのメタノール不溶画分にエタノールを加え、エタノール沈澱物(16.4g)を得て、多糖画分とした。
【0022】
(実施例3)
こうして得られたシコン熱水抽出物及び多糖画分について、本発明の効果を確認すべく、次の通り皮膚コンダクタンスを測定し、その結果を表1にまとめた。
【0023】
皮膚コンダクタンスの測定は、各試料を水に溶解して1w/w%濃度に調整した溶液を、健常人男女10人の上腕屈曲部に塗布して行った。なお、測定にはIBS社製の皮膚コンダクタンスメータを用いた。また、比較例には水及びグリセリン並びにプロピレングリコールを用いた。
【0024】
【表1】
【0025】
(実施例4)
次に示す処方に基づき、常法に基づき化粧水を作製した。
【0026】
(実施例5)
次に示す処方に基づき、下記方法に従い乳液を作製した。
【0027】
ステアリン酸から自己乳化型モノステアリン酸グリセリンまでを混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に1,3−ブチレングリコールから精製水までを混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、撹拌しながら冷却し、シコン熱水抽出物又は多糖画分を加えて撹拌後、35℃まで冷却して乳液を得た。
【0028】
(実施例6)
次に示す処方に基づき、下記方法に従いクリームを作製した。
【0029】
ミリスチン酸オクチルドデシルからトリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンまでを混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に1,3−ブチレングリコールから精製水までを混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、撹拌しながら冷却し、シコン熱水抽出物又は多糖画分を加えて撹拌後、35℃まで冷却してクリームを得た。
【0030】
(実施例7)
上記実施例のうち、実施例6のクリームを用いて使用試験を行った。22才〜40才の健常人女性10人に、各人左右いずれかの頬に実施例のクリームを就寝前適量塗布してもらい、翌朝にその使用感を評価してもらった。なお、対照としてシコン熱水抽出物及び多糖画分のみを除き、不足分を精製水で調整したクリームを他方の頬に塗布してもらった。評価は、しっとり感(うるおい)及びべたつき感について行った。対照例より好ましいと感じた場合を5点、変わらないと感じた場合を3点、好ましくないと感じた場合を1点として評価し、表2には10人の平均値を算出した上で、その平均値が4点以上の場合を◎で、4点未満3点以上を○で、3点未満を△で示した。
【0031】
【表2】
【0032】
表1から理解されるように、本発明の保湿剤はグリセリンと同程度の保湿性を示した。また、表2から理解されるように、本発明の保湿剤、特に多糖画分を用いたクリームは、対照に比べてしっとり感に優れていたという評価が得られ、翌朝まで皮膚に十分なうるおい感を与えられることが確認できた。また、実施例4の化粧水や実施例5の乳液についてもほぼ同様の評価が得られた。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な保湿剤を提供できる。特にシコン抽出物は抗炎症薬や創傷治療薬として古くから使用されており安全性も十分に証明されており、本発明の保湿剤は安全性に優れたものであるといえる。
Claims (5)
- シコンの水抽出物を有効成分とすることを特徴とする保湿剤。
- シコン抽出物の多糖画分を有効成分とすることを特徴とする保湿剤。
- 請求項1又は2の何れかに記載の保湿剤が配合されたことを特徴とする皮膚外用剤。
- シコンの水抽出物を保湿剤として使用することを特徴とするシコン抽出物の使用方法。
- シコン抽出物の多糖画分を保湿剤として使用することを特徴とするシコン抽出物の使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002238675A JP2004075613A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 保湿剤及び皮膚外用剤並びにシコン抽出物の使用方法 |
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JP2002238675A JP2004075613A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 保湿剤及び皮膚外用剤並びにシコン抽出物の使用方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004075613A true JP2004075613A (ja) | 2004-03-11 |
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ID=32021984
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JP2002238675A Pending JP2004075613A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 保湿剤及び皮膚外用剤並びにシコン抽出物の使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004075613A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008570A (ja) * | 2004-06-24 | 2006-01-12 | Club Cosmetics Co Ltd | 表皮剥離毒素阻害剤及びこれを用いた皮膚外用剤 |
WO2006011394A1 (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-02 | Japan Health Sciences Foundation | 抗原虫剤 |
KR102081066B1 (ko) * | 2018-10-31 | 2020-02-25 | (주) 제이엠피바이오 | 한방 초고압 추출물을 유효성분으로 함유하는 피부 장벽 강화용 조성물 |
-
2002
- 2002-08-19 JP JP2002238675A patent/JP2004075613A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008570A (ja) * | 2004-06-24 | 2006-01-12 | Club Cosmetics Co Ltd | 表皮剥離毒素阻害剤及びこれを用いた皮膚外用剤 |
WO2006011394A1 (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-02 | Japan Health Sciences Foundation | 抗原虫剤 |
JPWO2006011394A1 (ja) * | 2004-07-30 | 2008-05-01 | 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 | 抗原虫剤 |
KR102081066B1 (ko) * | 2018-10-31 | 2020-02-25 | (주) 제이엠피바이오 | 한방 초고압 추출물을 유효성분으로 함유하는 피부 장벽 강화용 조성물 |
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