JP2004075552A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)乳酸およびその塩からなる群より選択される1種以上と、(B)水溶性の皮膜形成性高分子からなる群より選択される1種以上と、(C)ポリオキシエチレンメチルグルコシド、分子量600以上のポリエチレングリコールからなる群より選択される1種以上とを含有することを特徴とする化粧料。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料に関し、さらに詳しくは、刺激感の少ない優れた保湿化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、保湿化粧料には、保湿効果を付与するために様々な保湿性基剤が配合されてきた。特に、乳酸等のような皮膚の水分保持において重要な役割を果たしている天然保湿因子(NMF)を化粧料に配合して化粧料の保湿効果を高めようとする試みが行なわれてきた(特開平5−221823号公報等参照)。
【0003】
しかしながら、NMFの一つとして知られる乳酸またはその塩は、保湿効果は高いものの皮膚に対して刺激感を与えてしまうという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は上記の事情に鑑み、鋭意研究した結果、本発明を完成したものであってその目的とするところは、乳酸またはその塩本来の保湿性を維持しつつも刺激感の少ない化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、(A)乳酸およびその塩からなる群より選択される1種以上と、(B)水溶性の皮膜形成性高分子からなる群より選択される1種以上と、(C)ポリオキシエチレンメチルグルコシド、分子量600以上のポリエチレングリコールからなる群より選択される1種以上とを含有することを特徴とする化粧料によって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
【0007】
本発明で(A)成分として用いられる乳酸およびその塩は、化粧品原料として公知の物質である。乳酸塩としては、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウム等が挙げられる。保湿性に優れている点から、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムが好ましく、刺激感が特に少ない点から、さらに好ましくは、乳酸カリウムである。
【0008】
本発明で用いられる(A)成分全体の含有量は、化粧料の総量を基準として、0.01〜10.0質量%(以下、%と略記する)が好ましく、特に好ましくは0.1〜8.0%である。0.01%以上で保湿効果が特に優れており、また10.0%以下であれば、皮膚への刺激がより少なく、コスト的にも有利だからである。
【0009】
本発明で(B)成分として用いられる水溶性の皮膜形成性高分子も、化粧品原料として公知の物質である。
【0010】
特に好ましいものとして、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、アラビアガム、アルギン酸またはその塩、カラギーナン、寒天、グアーガム、クインスシード、タマリンドガム、デキストリン、デキストラン、デンプン、ローカストビーンガム、カラヤガム、トラガカントガム、ペクチン、マルメロ、キトサン、キサンタンガム、ジェランガム、ヒアルロン酸またはその塩、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンを挙げることができ、1種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
さらに好ましいものとして、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、キサンタンガム、ヒアルロン酸またはその塩、メチルセルロース、ポリアクリル酸アミドからなる群より選択される1種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
本発明で用いられる(B)成分全体の含有量は、化粧料の総量を基準として、0.001〜10.0%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5.0%、特に好ましくは0.1〜1.0%である。0.001%以上で、皮膚刺激低減効果が特に優れており、また10.0%以下が、コスト的にも有利だからである。
【0013】
本発明で(C)成分として用いられるポリオキシエチレンメチルグルコシド、分子量600以上のポリエチレングリコールもまた、化粧品原料として公知の物質である。
【0014】
ポリオキシエチレンメチルグルコシドとしては、POE(20)メチルグルコシドが好ましく、分子量600以上のポリエチレングリコールとしては、平均分子量1000〜6000のものが好ましく、さらに好ましくは4000〜6000である。
【0015】
本発明で用いられる(C)成分全体の含有量は、化粧料の総量を基準として、0.001〜10.0%が好ましく、特に好ましくは0.1〜5.0%である。0.001%以上で、皮膚刺激低減効果が特に優れており、また10.0%以下が、コスト的にも有利だからである。
【0016】
(B)成分と(C)成分の含有比率は、複合皮膜を形成し易く、乳酸またはその塩の皮膚刺激を低減する効果が高いという点で、(B):(C)=1:2〜1:20程度が好ましい。
【0017】
また、(B)成分と(C)成分を合わせた含有量は、化粧料の総量を基準として、1.0〜5.0%が好ましい。
【0018】
本発明の化粧料は、上述した成分を必須の構成成分とするが、当該組成物には本発明の目的を損なわない範囲で、他の成分、例えば、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、粘剤、油剤、粉体(色素、樹脂、顔料)、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、パール化剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
以下に他の配合成分の具体例を示すが、これらに限られるものではない。
【0019】
陰イオン性界面活性剤としては、直鎖あるいは分岐鎖脂肪酸塩、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
【0020】
両性界面活性剤としては、グリシン型、アミノプロピオン酸型、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、スルホン酸型、硫酸型、リン酸型等が挙げられる。
【0021】
非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
【0022】
油剤としては、通常化粧料に用いられる揮発性および不揮発性の油剤、溶剤および樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体のいずれの形態であっても構わない。油剤の例としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、分岐脂肪酸コレステリル等のコレステロールエステル、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
【0023】
粉体の例としては、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の樹脂、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料等の顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)に特に制限はない。
【0024】
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。
【0025】
本発明の化粧料は、常法に従って製造することができる。また、本発明の化粧料としては、基礎化粧料、メイクアップ化粧料、ボデイ化粧料等が挙げられる。剤形も目的に応じて任意に選択することができる。すなわち、液状、クリーム状、ジェル状、乳液状、シート状、エアゾール状等のものが挙げられる。本発明の化粧料は、一般の化粧料に限定されるものではなく、医薬部外品、指定医薬部外品、外用医薬品等を包含するものである。
【0026】
【実施例】
実施例1〜11,比較例1〜7
以下、実施例および比較例によって、本発明を具体的に説明する。また、実施例および比較例で得られた化粧料についての刺激性評価方法を以下に示す。尚、含有量は全て質量%である。また、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0027】
[刺激性評価]
表1に示す組成の化粧水を常法により調製した。これをパネラー10名の頬に少量塗布して、表2に示す評価基準に従って刺激感の評価を行い、全パネラーの合計点数を以って評価結果とした。したがって、点数が低いほど刺激感が低いことを示す。結果を表3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
表3より、本発明の化粧料である実施例1〜11は、本発明の構成要件を満たさない比較例1〜7の化粧料と比較して、刺激性が少ないことがわかる。
【0032】
実施例12
下記に示す組成のクリームを常法により調製した。上記刺激性評価により評価したところ、刺激性が少ないことが確認された。またこのクリームは保湿性にも優れたものであった。
【0033】
【0034】
尚、上記実施例中で用いられた香料は、下記香料処方のものである。
【表4】
【0035】
【作用】
本発明で得られた効果は、(B)成分(水溶性の皮膜形成性高分子)および(C)成分(ポリオキシエチレンメチルグルコシド、分子量600以上のポリエチレングリコール)との組み合わせで得られる複合性皮膜により、(A)成分(乳酸およびその塩)の皮膚に対する浸透性が阻害され、それによって刺激感が緩和されることによって達成されたものと推察される。
【0036】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明の化粧料は、保湿性に優れ、しかも刺激感が少ない化粧料である。
Claims (4)
- (A)乳酸およびその塩からなる群より選択される1種以上と、(B)水溶性の皮膜形成性高分子からなる群より選択される1種以上と、(C)ポリオキシエチレンメチルグルコシド、分子量600以上のポリエチレングリコールからなる群より選択される1種以上とを含有することを特徴とする化粧料。
- (A)の塩が、カリウム塩またはナトリウム塩からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
- (B)の水溶性の皮膜形成性高分子が、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、アラビアガム、アルギン酸またはその塩、カラギーナン、寒天、グアーガム、クインスシード、タマリンドガム、デキストリン、デキストラン、デンプン、ローカストビーンガム、カラヤガム、トラガカントガム、ペクチン、マルメロ、キトサン、キサンタンガム、ジェランガム、ヒアルロン酸またはその塩、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンからなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の化粧料。
- (C)がポリオキシエチレン(20E.O.)メチルグルコシド、平均分子量1000〜6000のポリエチレングリコールからなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧料。
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