JP2004075249A - 乗客コンベアの安全装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な一連の作業のみで容易に能率よくスイッチを所定の位置に調整して位置決めすることができる乗客コンベアの安全装置を提供する。
【解決手段】乗客コンベアのステップの側面と対向して配置されたスカート41と、このスカート41の内側に設けられた支え部材43と、この支え部材43に蝶番47を介して回動可能に取り付けられたスイッチ取付具54と、このスイッチ取付具54に前記スカート41と対向して取り付けられ、そのスカート41の撓み変形に応じて動作するスイッチ56と、前記支え部材43と前記スイッチ取付具54との間に渡って設けられ、その支え部材43と前記スイッチ取付具54との間の間隔幅を変えることにより、スイッチ取付具54を前記蝶番47を介して回動させて前記スイッチ56の位置を調整することが可能な調整ねじ機構61とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】乗客コンベアのステップの側面と対向して配置されたスカート41と、このスカート41の内側に設けられた支え部材43と、この支え部材43に蝶番47を介して回動可能に取り付けられたスイッチ取付具54と、このスイッチ取付具54に前記スカート41と対向して取り付けられ、そのスカート41の撓み変形に応じて動作するスイッチ56と、前記支え部材43と前記スイッチ取付具54との間に渡って設けられ、その支え部材43と前記スイッチ取付具54との間の間隔幅を変えることにより、スイッチ取付具54を前記蝶番47を介して回動させて前記スイッチ56の位置を調整することが可能な調整ねじ機構61とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアに設けられる安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗客コンベアの一例であるエスカレータの概略的な構成を図4に示してあり、このエスカレータ1は建屋の上階側の階床と下階側の階床との間に傾斜して設けられた据付用のトラス2を備え、このトラス2内で無端状に連結された多数のステップ3が上り方向または下り方向に循環走行するようになっている。
トラス2は上階側および下階側の各端部に機械室2a,2bを有し、上階側の機械室2a内に駆動ギア4が、下階側の機械室2b内に従動ギア5がそれぞれ設けられている。
これら駆動ギア4と従動ギア5との間には、無端状のステップチェーン6が巻き掛けられ、このステップチェーン6に各ステップ3が脱着可能に係止されている。
【0003】
上階側の機械室2a内には電動機等の駆動源7が設置され、この駆動源7と駆動ギア4との間に駆動チェーン8が巻き掛けられ、この駆動チェーン8を介して駆動源7の回転動力が駆動ギア4に伝達され、この動力でステップチェーン6および各ステップ3が案内レール9に沿って循環走行する。
【0004】
各ステップ3の両側には欄干10が立設され、この欄干10に前記ステップ3と同一方向に同一の速度で循環走行する無端状の移動手すり11が設けられている。
【0005】
欄干10の下部には、ステップ3の側面と僅かな隙間をあけて対向するスカート12が設けられ、このスカート12の内側のX部およびY部、すなわち循環走行するステップ3が下階側で水平状態から段差状態に移行する部分および上階側で水平状態から段差状態に移行する部分にそれぞれ安全装置13が設けられている。
【0006】
これら安全装置13はエスカレータ1の非常停止回路に接続されていて、ステップ3に乗り込んだ乗客の足や荷物等がステップ3とスカート12との間の隙間に挟まれてスカート12が撓み変形するようなときに、そのスカート12の変形を検出してエスカレータ1を非常停止させるように機能する。
【0007】
従来のこの種の安全装置13の構造を図5に示してあり、エスカレータ据付用のトラス2には支え部材17が取り付けられている。支え部材17には図7に示すように、一対の長溝18および上方に起立する折曲部19が形成されている。
【0008】
図5および図6に示す20はスイッチ取付具で、このスイッチ取付具20にねじ21を介してマイクロスイッチ22が取り付けられている。スイッチ取付具20は水平に延びて前記支え部材17の下面に接する固定部23、および垂直に延びて前記折曲部19に対向する調整部24を有し、前記支え部材17の上面からは前記長溝18を通して前記固定部23に固定ボルト25が螺挿され、この固定ボルト25によりスイッチ取付具20が支え部材17に締め付け固定されている。
【0009】
前記折曲部19から前記調整部24には調整ねじ26が貫挿され、この調整ねじ26はロックナット27により折曲部19に固定されている。そしてこの調整ねじ26に一対の調整ナット28a,28bが調整部24を挟んで対向するように螺着され、これら調整ナット28a,28bにより調整部24が締め付けられている。
【0010】
スカート12はスカート受けアングル30に取り付けられている。そして前記マイクロスイッチ22は所定のストロークで動作する作動子22aを有し、この作動子22aがスカート12と対向するように配置されている。
【0011】
エスカレータ1が建屋に設置されたときには、スカート12にその外側から規定の力を加えて撓み変形させ、その変形でマイクロスイッチ22の作動子22aが所定のストロークで適正に動作するか否かの動作試験が行なわれる。なお、この動作試験はエスカレータ1の定期点検の際にも行なわれる。
【0012】
この動作試験の際に、もしマイクロスイッチ22の作動子22aが適正に動作しないときには、マイクロスイッチ22の位置つまり作動子22aとスカート12との間隔の調整を行なう。
【0013】
この調整に当っては、まず固定ボルト25を緩める。ついで、一対の調整ナット28a,28bを回してスイッチ取付具20を矢印Zで示す水平方向に移動し、マイクロスイッチ22の位置を調整する。スイッチ取付具20が水平に移動するときには、固定ボルト25が長溝18に沿って移動する。
【0014】
この後、固定ボルト25を僅かに締め付けてスイッチ取付具20を仮止めする。そしてこの状態でスカート12を規定の力で押圧し、マイクロスイッチ22の作動子22aの動作状態を信号灯で確認する。動作状態が適正であると確認できたときには、固定ボルト25を本締めしてスイッチ取付具20を支え部材17に固定する。これにより安全装置13の動作試験が完了する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の安全装置13においては、動作試験の際に、まず固定ボルト25を緩め、この状態で調整ナット28a,28bを回してマイクロスイッチ22の位置を調整し、この調整後に再び調整ナット28a,28bとは別系統の固定ボルト25を締め付けなければならないため、手数が煩雑で能率が低下し、また調整後に固定ボルト25を締め付ける際に、その締め付け力で一旦位置決めしたマイクロスイッチ22の位置が僅かであるがずれてしまい、信頼性が低下するという問題がある。
【0016】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、簡単な一連の作業のみで容易に能率よくスイッチを所定の位置に調整して位置決めすることができる乗客コンベアの安全装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、乗客コンベアのステップの側面と対向して配置されたスカートと、このスカートの内側に設けられた支え部材と、この支え部材に蝶番を介して回動可能に取り付けられたスイッチ取付具と、このスイッチ取付具に前記スカートと対向して取り付けられ、そのスカートの撓み変形に応じて動作するスイッチと、前記支え部材と前記スイッチ取付具との間に渡って設けられ、その支え部材と前記スイッチ取付具との間の間隔幅を変えることにより、スイッチ取付具を前記蝶番を介して回動させて前記スイッチの位置を調整することが可能な調整ねじ機構とを具備することを特徴としている。
【0018】
請求項2の発明は、前記支え部材が、前記スカートを支持するスカート受けアングルに取り付けられていることを特徴としている。
【0019】
請求項3の発明は、前記支え部材が、乗客コンベアの据付用のトラスに取り付けられていることを特徴としている。
【0020】
請求項4の発明は、前記支え部材と前記スイッチ取付具との間に、その支え部材と前記スイッチ取付具とを互いに離間する方向に弾性的に付勢する弾性部材が設けられていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1ないし図3を参照して説明する。
【0022】
図1には第1の実施形態を示してあり、エスカレータのステップ40の側面と対向するように配置されたスカート41はその内側に設けられたスカート受けアングル42を介してほぼ垂直に支持されている。
【0023】
そしてスカート受けアングル42の上面には、支え部材43がボルト44を介して水平に取り付けられている。また、スカート受けアングル42の下面には蝶番47が設けられている。
【0024】
蝶番47は一対のフラッパ48,49と、これらのフラッパ48,49を互いに回動自在に連結したピン50とからなり、その一方のフラッパ48がスカート受けアングル42の下面に前記ボルト44を介して取り付けられている。
【0025】
蝶番47の他方のフラッパ49には、スイッチ取付具54がボルト55を介して取り付けられている。このスイッチ取付具54は支え部材43の下方にほぼ垂直に延びるように設けられている。そしてこのスイッチ取付具54の下部にマイクロスイッチ等のスイッチ56がねじ57を介して取り付けられている。
【0026】
スイッチ56は、所定のストロークで突没する作動子56aを有し、この作動子56aが前記スカート41と対向するようにスイッチ取付具54に取り付けられている。そしてこのスイッチ56は、スイッチ取付具54が蝶番47のピン50を支点にして水平軸回り方向に回動することによりスカート41に対して接離する方向に変位するようになっている。
【0027】
スイッチ取付具54の上部には水平に延びて前記支え部材43に対向する作動片60が設けられ、この作動片60と支え部材43との間に調整ねじ機構61が設けられている。
【0028】
この調整ねじ機構61は、作動片60と支え部材43との間に渡って貫挿された調整ねじ62を備え、この調整ねじ62はロックナット63により作動片60に固定されている。そしてこの調整ねじ62には支え部材43を挟むようにその一方側と他方側とに分かれる一対の調整ナット64a,64bが螺着され、これら調整ナット64a,64bの締め付けにより支え部材43が調整ねじ62に固定され、これにより作動片60と支え部材43との間の距離が所定の幅に保たれ、スイッチ56が所定の位置に支持されている。
【0029】
このように構成された安全装置において、動作試験の際にスイッチ56の位置を調整するときには、調整ねじ機構61を操作する。スイッチ56をスカート41に接近する方向に変位させるときには、支え部材43の上側の調整ナット64aを緩み方向、すなわち調整ナット64aが相対的に調整ねじ62の先端側に移動する方向に回す。
【0030】
調整ナット64aを回す操作に応じて調整ねじ62が重力で下方に移動し、支え部材43と作動片60との間の間隔幅が拡がり、スイッチ取付具54が蝶番47のピン50を支点にして反時計方向に回動し、この回動動作でスイッチ56がスカート41に接近する方向に変位する。この際の変位量は調整ナット64aを緩み方向に回す量により調整することができる。
【0031】
このような調整操作でスイッチ56を所定の位置に定めた後には、支え部材43の下側の調整ナット64bを締め方向に回して上昇させ、この調整ナット64bと支え部材43の上側の調整ナット64aとで支え部材43を締め付け、調整ねじ62を固定する。これにより、スイッチ56が所定の位置に的確に位置決めされる。
【0032】
また逆に、スイッチ56をスカート41から離間する方向に変位させるときには、まず支え部材43の下側の調整ナット64bを緩み方向に回して支え部材43から離間させ、次に支え部材43の上側の調整ナット64aを締め方向に回す。
【0033】
この操作に応じて、調整ねじ62が上方に移動し、支え部材43と作動片60との間の間隔幅が狭まり、スイッチ取付具54が蝶番47のピン50を支点にして時計方向に回動し、この回動動作でスイッチ56がスカート41から離間する方向に変位する。この際の変位量は調整ナット64aを締め方向に回す量により調整することができる。
【0034】
このような調整操作でスイッチ56を所定の位置に定めた後には、支え部材43の下側の調整ナット64bを締め方向に回して上昇させ、この調整ナット64bと支え部材43の上側の調整ナット64aとで支え部材43を締め付け、調整ねじ62を固定する。これにより、スイッチ56が所定の位置に的確に位置決めされる。
【0035】
このように、一対の調整ナット64a,64bを回す一連の操作のみで、スイッチ56の位置調整を行なえ、したがってその作業を容易に能率よく行なうことができる。そして調整ナット64a,64bとは別系統の締め付けが不要であるから、一旦位置決めしたスイッチ56がずれ動くような不都合がない。
図2には第2の実施形態を示してあり、この実施形態においては、スイッチ56の位置を調整する調整ねじ機構61が作動片60と支え部材43との間に渡って貫挿された調整ねじ62と、この調整ねじ62に支え部材43の上側において螺着された一つの調整ナット64と、作動片60と支え部材43との間に設けられたばね係数の大きい強力な弾性部材としてのスプリング65とで構成されている。
【0036】
作動片60と支え部材43は、調整ねじ62の頭部62aと調整ナット64とで互いに離間する方向への動きが規制されているととともに、前記スプリング65によりその離間する方向に弾性的に付勢され、この付勢力でスイッチ56が所定の位置に位置決めされている。他の部分に関しては、前記第1の実施形態と同様の構成となっている。
【0037】
スイッチ56の位置を調整する場合には、調整ナット64または調整ねじ62を回して支え部材43と作動片60との間隔幅を変え、スイッチ取付具54を蝶番47のピン50を支点にして回動させる。これによりスイッチ56がスカート41に対して接離する方向に変位して所定の位置に定まる。
【0038】
スイッチ56の変位量は調整ナット64または調整ねじ62を回す量により調整することができる。そして、調整ナット64または調整ねじ62を回す操作で所定の位置に調整されたスイッチ56は、そのまま強力なスプリング65の付勢力でその位置に的確に位置決めされる。
【0039】
このように、この実施形態の場合には、調整ナット64または調整ねじ62を操作するだけで、より一層容易に能率よくスイッチ56を所定の位置に調整して位置決めすることができる。
図3には第3の実施形態を示してあり、この実施形態においては、スイッチ56の位置を調整する調整ねじ機構61が前記第1の実施形態の場合と同様の構成となっている。
【0040】
前記第1の実施形態の場合には、支え部材43がスカート受けアングル42に取り付けられているが、この第3の実施形態においては、支え部材43がエスカレータ据付用のトラス70に取り付けられており、この点が第1の実施形態の場合と異なるだけで、この第3の実施形態の場合においても、前記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
なお、この発明は、前記各実施形態のように標準のエスカレータに適用する場合のほかに、車いすでの乗り込みが可能なエスカレータや、床面にほぼ水平に設置されて動作する動く歩道等の乗客コンベアにおいても同様に適用することが可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、簡単な一連の作業のみで容易に能率よくスイッチを所定の位置に調整して位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る安全装置を示す側面図。
【図2】この発明の第2の実施形態に係る安全装置を示す側面図。
【図3】この発明の第3の実施形態に係る安全装置を示す側面図。
【図4】乗客コンベアとしてのエスカレータの一般的な構造を概略的に示す構成図。
【図5】そのエスカレータに設けられた従来の安全装置の側面図。
【図6】図5における矢視A方向から見た正面図。
【図7】その従来の安全装置の支え部材の部分平面図。
【符号の説明】
40…ステップ
41…スカート
42…スカート受けアングル
43…支え部材
47…蝶番
50…ピン
54…スイッチ取付具
56…スイッチ
61…調整ねじ機構
62…調整ねじ
64,64a,64b…調整ナット
65…スプリング
70…トラス
【発明の属する技術分野】
この発明は、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアに設けられる安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗客コンベアの一例であるエスカレータの概略的な構成を図4に示してあり、このエスカレータ1は建屋の上階側の階床と下階側の階床との間に傾斜して設けられた据付用のトラス2を備え、このトラス2内で無端状に連結された多数のステップ3が上り方向または下り方向に循環走行するようになっている。
トラス2は上階側および下階側の各端部に機械室2a,2bを有し、上階側の機械室2a内に駆動ギア4が、下階側の機械室2b内に従動ギア5がそれぞれ設けられている。
これら駆動ギア4と従動ギア5との間には、無端状のステップチェーン6が巻き掛けられ、このステップチェーン6に各ステップ3が脱着可能に係止されている。
【0003】
上階側の機械室2a内には電動機等の駆動源7が設置され、この駆動源7と駆動ギア4との間に駆動チェーン8が巻き掛けられ、この駆動チェーン8を介して駆動源7の回転動力が駆動ギア4に伝達され、この動力でステップチェーン6および各ステップ3が案内レール9に沿って循環走行する。
【0004】
各ステップ3の両側には欄干10が立設され、この欄干10に前記ステップ3と同一方向に同一の速度で循環走行する無端状の移動手すり11が設けられている。
【0005】
欄干10の下部には、ステップ3の側面と僅かな隙間をあけて対向するスカート12が設けられ、このスカート12の内側のX部およびY部、すなわち循環走行するステップ3が下階側で水平状態から段差状態に移行する部分および上階側で水平状態から段差状態に移行する部分にそれぞれ安全装置13が設けられている。
【0006】
これら安全装置13はエスカレータ1の非常停止回路に接続されていて、ステップ3に乗り込んだ乗客の足や荷物等がステップ3とスカート12との間の隙間に挟まれてスカート12が撓み変形するようなときに、そのスカート12の変形を検出してエスカレータ1を非常停止させるように機能する。
【0007】
従来のこの種の安全装置13の構造を図5に示してあり、エスカレータ据付用のトラス2には支え部材17が取り付けられている。支え部材17には図7に示すように、一対の長溝18および上方に起立する折曲部19が形成されている。
【0008】
図5および図6に示す20はスイッチ取付具で、このスイッチ取付具20にねじ21を介してマイクロスイッチ22が取り付けられている。スイッチ取付具20は水平に延びて前記支え部材17の下面に接する固定部23、および垂直に延びて前記折曲部19に対向する調整部24を有し、前記支え部材17の上面からは前記長溝18を通して前記固定部23に固定ボルト25が螺挿され、この固定ボルト25によりスイッチ取付具20が支え部材17に締め付け固定されている。
【0009】
前記折曲部19から前記調整部24には調整ねじ26が貫挿され、この調整ねじ26はロックナット27により折曲部19に固定されている。そしてこの調整ねじ26に一対の調整ナット28a,28bが調整部24を挟んで対向するように螺着され、これら調整ナット28a,28bにより調整部24が締め付けられている。
【0010】
スカート12はスカート受けアングル30に取り付けられている。そして前記マイクロスイッチ22は所定のストロークで動作する作動子22aを有し、この作動子22aがスカート12と対向するように配置されている。
【0011】
エスカレータ1が建屋に設置されたときには、スカート12にその外側から規定の力を加えて撓み変形させ、その変形でマイクロスイッチ22の作動子22aが所定のストロークで適正に動作するか否かの動作試験が行なわれる。なお、この動作試験はエスカレータ1の定期点検の際にも行なわれる。
【0012】
この動作試験の際に、もしマイクロスイッチ22の作動子22aが適正に動作しないときには、マイクロスイッチ22の位置つまり作動子22aとスカート12との間隔の調整を行なう。
【0013】
この調整に当っては、まず固定ボルト25を緩める。ついで、一対の調整ナット28a,28bを回してスイッチ取付具20を矢印Zで示す水平方向に移動し、マイクロスイッチ22の位置を調整する。スイッチ取付具20が水平に移動するときには、固定ボルト25が長溝18に沿って移動する。
【0014】
この後、固定ボルト25を僅かに締め付けてスイッチ取付具20を仮止めする。そしてこの状態でスカート12を規定の力で押圧し、マイクロスイッチ22の作動子22aの動作状態を信号灯で確認する。動作状態が適正であると確認できたときには、固定ボルト25を本締めしてスイッチ取付具20を支え部材17に固定する。これにより安全装置13の動作試験が完了する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の安全装置13においては、動作試験の際に、まず固定ボルト25を緩め、この状態で調整ナット28a,28bを回してマイクロスイッチ22の位置を調整し、この調整後に再び調整ナット28a,28bとは別系統の固定ボルト25を締め付けなければならないため、手数が煩雑で能率が低下し、また調整後に固定ボルト25を締め付ける際に、その締め付け力で一旦位置決めしたマイクロスイッチ22の位置が僅かであるがずれてしまい、信頼性が低下するという問題がある。
【0016】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、簡単な一連の作業のみで容易に能率よくスイッチを所定の位置に調整して位置決めすることができる乗客コンベアの安全装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、乗客コンベアのステップの側面と対向して配置されたスカートと、このスカートの内側に設けられた支え部材と、この支え部材に蝶番を介して回動可能に取り付けられたスイッチ取付具と、このスイッチ取付具に前記スカートと対向して取り付けられ、そのスカートの撓み変形に応じて動作するスイッチと、前記支え部材と前記スイッチ取付具との間に渡って設けられ、その支え部材と前記スイッチ取付具との間の間隔幅を変えることにより、スイッチ取付具を前記蝶番を介して回動させて前記スイッチの位置を調整することが可能な調整ねじ機構とを具備することを特徴としている。
【0018】
請求項2の発明は、前記支え部材が、前記スカートを支持するスカート受けアングルに取り付けられていることを特徴としている。
【0019】
請求項3の発明は、前記支え部材が、乗客コンベアの据付用のトラスに取り付けられていることを特徴としている。
【0020】
請求項4の発明は、前記支え部材と前記スイッチ取付具との間に、その支え部材と前記スイッチ取付具とを互いに離間する方向に弾性的に付勢する弾性部材が設けられていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1ないし図3を参照して説明する。
【0022】
図1には第1の実施形態を示してあり、エスカレータのステップ40の側面と対向するように配置されたスカート41はその内側に設けられたスカート受けアングル42を介してほぼ垂直に支持されている。
【0023】
そしてスカート受けアングル42の上面には、支え部材43がボルト44を介して水平に取り付けられている。また、スカート受けアングル42の下面には蝶番47が設けられている。
【0024】
蝶番47は一対のフラッパ48,49と、これらのフラッパ48,49を互いに回動自在に連結したピン50とからなり、その一方のフラッパ48がスカート受けアングル42の下面に前記ボルト44を介して取り付けられている。
【0025】
蝶番47の他方のフラッパ49には、スイッチ取付具54がボルト55を介して取り付けられている。このスイッチ取付具54は支え部材43の下方にほぼ垂直に延びるように設けられている。そしてこのスイッチ取付具54の下部にマイクロスイッチ等のスイッチ56がねじ57を介して取り付けられている。
【0026】
スイッチ56は、所定のストロークで突没する作動子56aを有し、この作動子56aが前記スカート41と対向するようにスイッチ取付具54に取り付けられている。そしてこのスイッチ56は、スイッチ取付具54が蝶番47のピン50を支点にして水平軸回り方向に回動することによりスカート41に対して接離する方向に変位するようになっている。
【0027】
スイッチ取付具54の上部には水平に延びて前記支え部材43に対向する作動片60が設けられ、この作動片60と支え部材43との間に調整ねじ機構61が設けられている。
【0028】
この調整ねじ機構61は、作動片60と支え部材43との間に渡って貫挿された調整ねじ62を備え、この調整ねじ62はロックナット63により作動片60に固定されている。そしてこの調整ねじ62には支え部材43を挟むようにその一方側と他方側とに分かれる一対の調整ナット64a,64bが螺着され、これら調整ナット64a,64bの締め付けにより支え部材43が調整ねじ62に固定され、これにより作動片60と支え部材43との間の距離が所定の幅に保たれ、スイッチ56が所定の位置に支持されている。
【0029】
このように構成された安全装置において、動作試験の際にスイッチ56の位置を調整するときには、調整ねじ機構61を操作する。スイッチ56をスカート41に接近する方向に変位させるときには、支え部材43の上側の調整ナット64aを緩み方向、すなわち調整ナット64aが相対的に調整ねじ62の先端側に移動する方向に回す。
【0030】
調整ナット64aを回す操作に応じて調整ねじ62が重力で下方に移動し、支え部材43と作動片60との間の間隔幅が拡がり、スイッチ取付具54が蝶番47のピン50を支点にして反時計方向に回動し、この回動動作でスイッチ56がスカート41に接近する方向に変位する。この際の変位量は調整ナット64aを緩み方向に回す量により調整することができる。
【0031】
このような調整操作でスイッチ56を所定の位置に定めた後には、支え部材43の下側の調整ナット64bを締め方向に回して上昇させ、この調整ナット64bと支え部材43の上側の調整ナット64aとで支え部材43を締め付け、調整ねじ62を固定する。これにより、スイッチ56が所定の位置に的確に位置決めされる。
【0032】
また逆に、スイッチ56をスカート41から離間する方向に変位させるときには、まず支え部材43の下側の調整ナット64bを緩み方向に回して支え部材43から離間させ、次に支え部材43の上側の調整ナット64aを締め方向に回す。
【0033】
この操作に応じて、調整ねじ62が上方に移動し、支え部材43と作動片60との間の間隔幅が狭まり、スイッチ取付具54が蝶番47のピン50を支点にして時計方向に回動し、この回動動作でスイッチ56がスカート41から離間する方向に変位する。この際の変位量は調整ナット64aを締め方向に回す量により調整することができる。
【0034】
このような調整操作でスイッチ56を所定の位置に定めた後には、支え部材43の下側の調整ナット64bを締め方向に回して上昇させ、この調整ナット64bと支え部材43の上側の調整ナット64aとで支え部材43を締め付け、調整ねじ62を固定する。これにより、スイッチ56が所定の位置に的確に位置決めされる。
【0035】
このように、一対の調整ナット64a,64bを回す一連の操作のみで、スイッチ56の位置調整を行なえ、したがってその作業を容易に能率よく行なうことができる。そして調整ナット64a,64bとは別系統の締め付けが不要であるから、一旦位置決めしたスイッチ56がずれ動くような不都合がない。
図2には第2の実施形態を示してあり、この実施形態においては、スイッチ56の位置を調整する調整ねじ機構61が作動片60と支え部材43との間に渡って貫挿された調整ねじ62と、この調整ねじ62に支え部材43の上側において螺着された一つの調整ナット64と、作動片60と支え部材43との間に設けられたばね係数の大きい強力な弾性部材としてのスプリング65とで構成されている。
【0036】
作動片60と支え部材43は、調整ねじ62の頭部62aと調整ナット64とで互いに離間する方向への動きが規制されているととともに、前記スプリング65によりその離間する方向に弾性的に付勢され、この付勢力でスイッチ56が所定の位置に位置決めされている。他の部分に関しては、前記第1の実施形態と同様の構成となっている。
【0037】
スイッチ56の位置を調整する場合には、調整ナット64または調整ねじ62を回して支え部材43と作動片60との間隔幅を変え、スイッチ取付具54を蝶番47のピン50を支点にして回動させる。これによりスイッチ56がスカート41に対して接離する方向に変位して所定の位置に定まる。
【0038】
スイッチ56の変位量は調整ナット64または調整ねじ62を回す量により調整することができる。そして、調整ナット64または調整ねじ62を回す操作で所定の位置に調整されたスイッチ56は、そのまま強力なスプリング65の付勢力でその位置に的確に位置決めされる。
【0039】
このように、この実施形態の場合には、調整ナット64または調整ねじ62を操作するだけで、より一層容易に能率よくスイッチ56を所定の位置に調整して位置決めすることができる。
図3には第3の実施形態を示してあり、この実施形態においては、スイッチ56の位置を調整する調整ねじ機構61が前記第1の実施形態の場合と同様の構成となっている。
【0040】
前記第1の実施形態の場合には、支え部材43がスカート受けアングル42に取り付けられているが、この第3の実施形態においては、支え部材43がエスカレータ据付用のトラス70に取り付けられており、この点が第1の実施形態の場合と異なるだけで、この第3の実施形態の場合においても、前記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
なお、この発明は、前記各実施形態のように標準のエスカレータに適用する場合のほかに、車いすでの乗り込みが可能なエスカレータや、床面にほぼ水平に設置されて動作する動く歩道等の乗客コンベアにおいても同様に適用することが可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、簡単な一連の作業のみで容易に能率よくスイッチを所定の位置に調整して位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る安全装置を示す側面図。
【図2】この発明の第2の実施形態に係る安全装置を示す側面図。
【図3】この発明の第3の実施形態に係る安全装置を示す側面図。
【図4】乗客コンベアとしてのエスカレータの一般的な構造を概略的に示す構成図。
【図5】そのエスカレータに設けられた従来の安全装置の側面図。
【図6】図5における矢視A方向から見た正面図。
【図7】その従来の安全装置の支え部材の部分平面図。
【符号の説明】
40…ステップ
41…スカート
42…スカート受けアングル
43…支え部材
47…蝶番
50…ピン
54…スイッチ取付具
56…スイッチ
61…調整ねじ機構
62…調整ねじ
64,64a,64b…調整ナット
65…スプリング
70…トラス
Claims (4)
- 乗客コンベアのステップの側面と対向して配置されたスカートと、このスカートの内側に設けられた支え部材と、この支え部材に蝶番を介して回動可能に取り付けられたスイッチ取付具と、このスイッチ取付具に前記スカートと対向して取り付けられ、そのスカートの撓み変形に応じて動作するスイッチと、前記支え部材と前記スイッチ取付具との間に渡って設けられ、その支え部材と前記スイッチ取付具との間の間隔幅を変えることにより、スイッチ取付具を前記蝶番を介して回動させて前記スイッチの位置を調整することが可能な調整ねじ機構とを具備することを特徴とする乗客コンベアの安全装置。
- 前記支え部材は、前記スカートを支持するスカート受けアングルに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアの安全装置。
- 前記支え部材は、乗客コンベアの据付用のトラスに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアの安全装置。
- 前記支え部材と前記スイッチ取付具との間には、その支え部材と前記スイッチ取付具とを互いに離間する方向に弾性的に付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の乗客コンベアの安全装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002235879A JP2004075249A (ja) | 2002-08-13 | 2002-08-13 | 乗客コンベアの安全装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002235879A JP2004075249A (ja) | 2002-08-13 | 2002-08-13 | 乗客コンベアの安全装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004075249A true JP2004075249A (ja) | 2004-03-11 |
Family
ID=32020247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002235879A Pending JP2004075249A (ja) | 2002-08-13 | 2002-08-13 | 乗客コンベアの安全装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004075249A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104671055A (zh) * | 2015-02-12 | 2015-06-03 | 江南嘉捷电梯股份有限公司 | 一种自动扶梯或自动人行道上的围裙保护装置 |
CN107117519A (zh) * | 2017-05-12 | 2017-09-01 | 长沙慧联智能科技有限公司 | 一种电梯及其运行状态监测方法 |
-
2002
- 2002-08-13 JP JP2002235879A patent/JP2004075249A/ja active Pending
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