JPH07315747A - マンコンベアの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】スカートの変形を検出するスイッチの取付位置
の調整を容易に行えるマンコンベアの安全装置を得るこ
と。 【構成】トラス６の主弦材の上部の下面に支え５の片側
を溶接する。この支え５の他側の下面には、取付板３の
片側をボルト７で固定する。支え５のボルト７の挿入部
は、ボルト７の位置を調整する溝を形成する。支え５の
中央部には、折曲部５ａを突設し、取付板の中央部にも
上方に調整部３ｃを突設する。これらの調整部３ｃと折
曲部５ａに対して調整ボルト８を貫設する。取付板３の
他側には、取付部３ａをスカート受けアングル12の下方
に突設させる。この取付部３ａにマイクロスイッチ２を
取り付ける。調整ボルト８に螺合させた調整ナット９
Ａ，９Ｂによって、取付板３の位置を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マンコンベアに係り、
特に、スカートガードスイッチの調整を容易にしたマン
コンベアの安全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のマンコンベアの安全装置が取り付
けられたエスカレータの右側面図を図３に示し、この図
３のＢ−Ｂ断面の部分拡大図を図４に示す。

【０００３】図３において、エスカレータの骨組となる
トラス６の上階側には、駆動源となる電動機27が収納さ
れ、この電動機27には、減速機22が連結され、この減速
機22の出力軸には、小径のスプロケットが取り付けられ
ている。

【０００４】減速機22の下階側には、軸23ａが紙面直交
方向に貫設され、この軸23ａには大径のスプロケット23
ｂが取り付けられている。このスプロケット23ｂには、
駆動チェーン23の片側が巻装され、この駆動チェーン23
の他側は、減速機22の出力軸に取り付けられた小径のス
プロケットに巻装されている。

【０００５】スプロケット23ｂには、無端状の踏段チェ
ーン21の片側が巻装されている。この踏段チェーン21の
他側は、トラス６の下階側に設けられたスプロケットに
巻装され、踏段チェーン21には、踏段13が連続して連結
されている。トラス６の上方には、ガラスパネル19が立
設され、このガラスパネル19の外周には、移動手すり20
が巻装されている。

【０００６】トラス６の下階側の上面と上階側の上面に
は、乗降板21Ａ，21Ｂが図示しないくしとともに載置さ
れている。本発明の対象となるスカートガードスイッチ
は、下階側の踏段13が水平状態から段差状態になるＸ部
と、上階側の踏段13が同じく水平状態から段差状態にな
るＹ部に対して、後述する図５で示すように取り付けら
れている。

【０００７】図３のＢ−Ｂ断面の部分拡大図を示す
（注；踏段の片側方向だけを示す）図４において、中間
材６ａで補強されたトラス６の上面には、詳細省略した
ベース24が取り付けられ、このベース24を含む複数の構
造部品を介してトラスの内側に山形鋼25の片側が取り付
けられている。この山形鋼25の縦の部分の右側には、ゴ
ム27を介してガラスパネル19の下端が挾持され、山形鋼
25の右端には、スカート受け用山形鋼12Ａがボルト26で
固定されている。

【０００８】スカート受け用山形鋼12Ａの下方にも、ス
カート受け用山形鋼12Ｂが対称的に設けられている。こ
れらのスカート受け用山形鋼12Ａ，12Ｂの右側にスカー
ト11が添設され、このスカート11の上端の折り曲げ部で
上側のスカート受け用山形鋼12Ａに支えられ、なべ小ね
じで固定されている。スカート11の上端右側面とガラス
パネル19の下部右側面との間には、内レッジ18が斜めに
取り付けられ、スカート11の右側には、踏段13が示され
ている。

【０００９】図５は、図３で示したＸ部をＢ−Ｂ矢視側
から見た安全装置１の取付状態を示す拡大詳細図であ
る。図５において、トラス６の中間材６ａと前述したス
カート受け用山形鋼12Ａとの間には、踏段13の浮き上が
りを防ぐための押えガイドレール15が図示しないレール
の上方に設けられている。

【００１０】押えガイドレール15の上面には、断面Ｌ字
形の支え16が固定され、この支え16の上部には、支え14
の左端がボルト14ａと複数枚のスペーサ17を介して取り
付けられている。この支え14の右端には、円形穴14ｂが
形成され、支え14の下面中央には、マイクロスイッチ２
が接触部を右側にして添設され、なべ小ねじ４で固定さ
れている。

【００１１】このマイクロスイッチ２の右端に突き出た
接触部は、前述した円形穴14ｂから右側に突き出て、そ
の右側に立設されたスカート11と僅かな間隙を介して対
置している。マイクロスイッチ２の接点は、エスカレー
タの非常停止回路に接続されている。

【００１２】このように構成されたエスカレータにおい
ては、図３及び図４に示した踏段13に乗り込んだ乗客の
足や荷物の一部などが、もし、踏段13とスカート11の間
に入ると、スカート11の曲がりによってマイクロスイッ
チ２が動作して、このマイクロスイッチ２の接点が接続
された非常停止回路によって電動機が非常停止されて、
事故の拡大を防ぐように配慮されている。

【００１３】また、このエスカレータがビルや駅などに
設置されるときには、スカート11に対して、図５におい
て右側から規定の力を加えたときに、マイクロスイッチ
が動作することが確認される。このマイクロスイッチ２
の動作試験は、エレベータの定期点検の際にも行われ、
そのときに、もし、マイクロスイッチ２が動作しなかっ
た場合には、スペーサ17を挿入したり、又は、引き抜い
て、マイクロスイッチ２の位置が調整される。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
構成されたマイコンベアの安全装置においては、マイク
ロスイッチ２の動作試験を行うときにマイクロスイッチ
の位置を調整する作業性が、以下、述べるように悪いの
で、時間がかかる。

【００１５】すなわち、マイクロスイッチ２の位置を調
整するときには、ボルト14ａの頭部にスパナなどの工具
を挿着するが、ボルト14ａの頭部が支え14の上面に遮ら
れて見えにくいので、作業者は上方から下向きとなって
行わなければならない。しかも、この作業は、定期点検
の限られた時間内に他の作業とともに行わなければなら
ない。

【００１６】また、このマイクロスイッチ２の位置の調
整は、スカート11を所定の力で押しながら行われるの
で、一回の調整で終ることはまれであり、試行錯誤で何
回も行わなければならない。そのときには、その都度ボ
ルト14ａの取り外しと取り付け及び締め付けのために、
上記作業性の悪い作業を繰り返さなければならない。さ
らに、この調整作業中に、上半身を折り曲げた作業者
が、体重を支えるために、左手を支え16にかけると、こ
の支え16が撓んで、マイクロスイッチ２の先端の位置が
変動するおそれもある。

【００１７】また、トラス６から支え14に至る間には、
複数の部品と支え16からトラス６に至る前述した複数の
構成部材が介在するので、スカート11と支え14との位置
関係は、各エスカレータによって大きく変動し、そのた
め、スペーサ17には板厚の異なる複数のスペーサを準備
しなければならない。

【００１８】したがって、上述したマイクロスイッチ２
の位置を調整する場合には、板厚の異なる多くのスペー
サ17からの選択が必要となるので、これも調整時間が長
くなる要因となるだけでなく、スペーサが無駄となる。
さらに、定期点検の結果、スペーサ17の取り換えが必要
となる場合もあるので、予備のスペーサを保管し管理し
なければならない。

【００１９】そこで、本発明の目的は、マイクロスイッ
チの位置の調整を容易に行うことのできるマイコンベア
の安全装置を得ることである。

【００２０】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、トラスに片側が支持された支えと、この支えに片側
が移動自在に支持された他側がスカートを支持するスカ
ート受けの下方に突設された取付具と、この取付具の他
側に設けられ可動部がスカートの側面と対置し前記スカ
ートの撓みで動作するスイッチを備えたマンコンベアの
安全装置である。

【００２１】また、請求項２に記載の発明は、トラスに
片側が支持された支えと、この支えに片側が移動自在に
支持された他側がスカートを支持するスカート受けの下
方に突設された取付具と、この取付具と支えに貫設され
取付具の位置を調整する締付具と、取付具の他側に設け
られ可動部がスカートの側面と対置し前記スカートの撓
みで動作するスイッチを備えたマンコンベアの安全装置
である。

【００２２】

【作用】請求項１に記載の発明においては、取付具を支
えに支持する支持部を緩めることによって、支えに支持
された状態で取付具の位置は調整され、スイッチの位置
も調整される。

【００２３】また、請求項２に記載の発明においては、
締付具を調整することによって、取付具に取り付けられ
たスイッチの位置は調整される。

【００２４】

【実施例】以下、本発明のマンコンベアの安全装置の一
実施例を図面を参照して説明する。図１は、本発明のマ
ンコンベアの安全装置を示す図で、従来の技術で示した
図５に対応する図である。また、図２（ｂ）は、図１の
Ａ−Ａ断面図、図２（ａ）は、図２（ｂ）の部分平面図
である。

【００２５】図１及び図２において、トラス６の上部下
面には、支え５の片側の上面が当接し、トラス６に点付
で溶接されている。この支え５には、中央部に、上方に
折り曲げた折曲部５ａが形成され、この折曲部５ａには
ボルト穴が設けられている。このボルト穴には、調整ボ
ルト８が貫設され、この調整ボルト８は、ロックナット
10で固定されている。支え５の他側には、一対の溝５ｂ
が図２に示すように形成されている。

【００２６】支え５の他側の下面には、図１において略
Ｚ字状に折曲形成された取付板３の片側の固定部３ｂの
上面が当接し、この取付板３の固定部３ｂには、支え５
の溝５ｂの中央部に対応する位置にめねじ穴３ｂ１がそ
れぞれ設けられている。取付板３は、取付板３の固定部
３ｂに設けられためねじ穴３ｂ１に支え５の溝５ｂから
挿入された一対のボルト７で支え５に固定されている。

【００２７】取付板３の中央部には、調整部３ｃが折曲
部５ａと対称的に突設されている。この調整部３ｃの上
部には、ボルト穴が設けられ、このボルト穴には、上述
した調整ボルト８の先端が貫通し、一対の調整ナット９
Ａ，９Ｂによって調整部３ｃの両側から締め付けられえ
ている。

【００２８】取付板３の他側には、取付部３ａが折曲形
成され、この取付部３ａの端部は、スカート受けアング
ル12の下方に位置している。この折曲部３ａの先端に
は、マイクロスイッチ２が一対のなべ小ねじ４で縦に取
り付けられ、このマイクロスイッチ２の可動部の先端
は、スカート11と所定の間隙で対置している。さらに、
マイクロスイッチ２の可動部の先端は、取付板３の取付
部３ａの先端から、マイクロスイッチ２の接点のストロ
ーク分だけ突出している。

【００２９】このように構成されたマンコンベアの安全
装置において、マイクロスイッチ２の動作試験をスカー
ト11を押圧しながら行うときには、まず、一対のボルト
７を僅かに緩める。

【００３０】この状態で、調整ナット９Ａ，９Ｂを回転
させて、取付板３を図１の矢印Ｚで示すように移動させ
た後、ボルト７を僅かに締付けて取付板３を仮止めす
る。この仮止め状態で、スカート11を所定の力で押圧し
て、マイクロスイッチ２の接点の動作状態を信号灯で確
認する。

【００３１】もし、信号灯が点灯しないときには、再び
ボルト７を緩めて、上記作業を繰り返す。なお、ボルト
７と調整ボルト８の呼び径が大きくて、ボルト７を僅か
に緩めた状態でスカート11を押圧しても、取付板３が移
動するおそれがない場合には、ボルト７による上記仮止
めを省いてもよい。

【００３２】このように構成されたマンコンベアの安全
装置においては、取付板３の上方に位置する調整ナット
９Ａ，９Ｂを回転させることにより、マイクロスイッチ
２の位置を調整することができ、工程の挿着が容易で、
且つ、従来のように部品の挿脱の必要もないので、作業
が容易となる。

【００３３】また、調整ナット９Ａ，９Ｂによって、マ
イクロスイッチ２の位置を連続的に微調整することがで
きるので、マイクロスイッチ２の取付位置の精度を上げ
ることができ、動作（接点の遮断と投入）の信頼性を上
げることができ、開閉寿命を延ばすこともできる。

【００３４】さらに、支え５は、トラス６に直接固定さ
れているので、マイクロスイッチ２の調整中に作業者が
触れても、変形せずマイクロスイッチ２の位置が変動す
るおそれもない。

【００３５】なお、上記実施例において、調整ボルト８
の頭部側は、支え５から上方に突設された折曲部５ａに
貫挿した例で説明したが、トラス６の右側上面にナット
を縦に溶接して、このナットに貫設し、別のロックナッ
トで固定してもよい。

【００３６】さらに、調整ボルト８は省いて、ボルト７
の締付力を緩めて、取付板３の位置を調整し、調整後は
締め付けるようにしてもよい。この場合には、取付板３
の幅を支え５の幅よりも広くして、支え５の片側の折曲
部は省略し、取付板３の上面の両側に目盛りを設けて、
取付板３の調整位置を視認できるようにして、請求項１
に記載の発明としてもよい。この場合には、構成部品を
更に減らすことができるので、構造の簡素化と組立時間
の短縮化を更に図ることができる。

【００３７】

【発明の効果】以上、請求項１に記載の発明によれば、
トラスに片側が支持された支えと、この支えに片側が移
動自在に支持され他側がスカートを支持するスカート受
けの下方に突設された取付具と、この取付具の他側に設
けられ可動部がスカートの側面と対置しスカートの撓み
で動作するスイッチをマンコンベアの安全装置に備えこ
とで、取付具を支えに支持する支持部を緩めることによ
って、支えに支持された状態で取付具を移動し、スイッ
チの位置を調整可能としたので、マイクロスイッチの位
置の調整を容易に行うことのできるマイコンベアの安全
装置を得ることができる。

【００３８】また、請求項２に記載の発明によれば、ト
ラスに片側が支持された支えと、この支えに片側が移動
自在に支持され他側がスカートを支持するスカート受け
の下方に突設された取付具と、この取付具と支えに貫設
され取付具の位置を調整する締付具と、取付具の他側に
設けられ可動部がスカートの側面と対置しスカートの撓
みで動作するスイッチをマンコンベアの安全装置に備え
ることで、締付具を調整することによって、取付具に取
り付けられたスイッチの位置を調整可能としたので、簡
単な構成でマイクロスイッチの位置の調整を容易に行う
ことのできるマイコンベアの安全装置を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のマンコンベアの安全装置の一実施例を
示す図。

【図２】（ａ）は、図１の部分平面図、（ｂ）は（ａ）
のＡ−Ａ断面図。

【図３】従来のマンコンベアの安全装置が取り付けられ
たエスカレータの一例を示す側面図。

【図４】図３のＢ−Ｂ断面拡大図。

【図５】図３のＸ部をＢ−Ｂ断面方向からみた拡大図。

【符号の説明】

１…安全装置、２…マイクロスイッチ、３…取付板、３
ａ…取付部、３ｂ…固定部、３ｃ…調整部、４…なべ小
ねじ、５…支え、５ａ…折曲部、５ｂ…溝、６…トラ
ス、７…ボルト、８…調整ボルト、９Ａ，９Ｂ…調整ナ
ット、10…ロックナット、11…スカート、12…スカート
受けアングル。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラスに片側が支持された支えと、この
   支えに片側が移動自在に支持され他側がスカートを支持
   するスカート受けの下方に突設された取付具と、この取
   付具の他側に設けられ可動部が前記スカートの側面と対
   置し前記スカートの撓みで動作するスイッチを備えたマ
   ンコンベアの安全装置。
2. 【請求項２】 トラスに片側が支持された支えと、この
   支えに片側が移動自在に支持され他側がスカートを支持
   するスカート受けの下方に突設された取付具と、この取
   付具と前記支えに貫設され前記取付具の位置を調整する
   締付具と、前記取付具の他側に設けられ可動部が前記ス
   カートの側面と対置し前記スカートの撓みで動作するス
   イッチを備えたマンコンベアの安全装置。