JP2004075233A - 天井クレーンの吊具振れ止め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】荷を吊具の巻上げ上限に近い位置で把持する場合に、ある程度の自由度を持たせることができ、吊具により荷を確実に把持し得且つ位置ずれに伴う負荷が吊具とトロリーとの間に加わることを防止し得る一方、充分な拘束力が得られ、トロリーの横行或いはガーダの走行におけるスタート時や停止時の吊具の振れを確実に抑制し得る天井クレーンの吊具振れ止め装置を提供する。
【解決手段】トロリー5の下面側に、外レール17と内レール18とを有するガイドフレーム19を取り付けると共に、吊具4の上面側に、吊具4の巻上げ上限位置で前記外レール17に係合する外ローラ20と、該外ローラ20に対し上下方向へ所要間隔をあけて配設され且つ吊具4の巻上げ上限位置で前記内レール18に係合する内ローラ21とを有するガイドマスト22を取り付ける。
【選択図】 図2
【解決手段】トロリー5の下面側に、外レール17と内レール18とを有するガイドフレーム19を取り付けると共に、吊具4の上面側に、吊具4の巻上げ上限位置で前記外レール17に係合する外ローラ20と、該外ローラ20に対し上下方向へ所要間隔をあけて配設され且つ吊具4の巻上げ上限位置で前記内レール18に係合する内ローラ21とを有するガイドマスト22を取り付ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場や各種建屋等の構造物の天井に据え付けられて屋内の荷役を行うための天井クレーンの吊具振れ止め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、工場や各種建屋等の構造物においては、屋内での荷役を行うための天井クレーンを装備する場合が多く、こうした天井クレーンは、例えば、図3に示されるような構造のものが多用されている。
【0003】
図3に示される天井クレーンは、屋内の天井付近に敷設された一対の走行レール1,1間に、断面矩形で内部中空のガーダ2を走行車輪3を介して走行可能に掛け渡し、該ガーダ2に、用途に応じてスラブリフターやコイルリフター等の吊具4が巻上げ下げ可能に吊り下げられたトロリー5を、ガーダ2の長手方向へ延びるよう敷設された横行レール6に沿って横行可能に搭載してなる構成を有している。
【0004】
前記トロリー5は、図4(A),(B)及び図5(A),(B)に示される如く、横行レール6上を転動する横行車輪7を備え、該横行車輪7を図示していない駆動装置によって回転させることにより、ガーダ2に沿って横行するようになっている。
【0005】
又、前記トロリー5には、両端部が巻上ドラム8に接続されて繰り出されるワイヤロープ9の中間部を、吊具4上の二つの巻上シーブ10と、トロリー5上のイコライザシーブ11とに掛け回してなる巻上装置12を二系統配設し、該巻上装置12の巻上ドラム8を図示していない駆動装置によって回転させることにより、吊具4を巻上げ下げするようになっている。
【0006】
更に又、前記トロリー5の下面側には、筒状で且つ下方へ向かう開放端を拡張させたガイドブラケット13を取り付けると共に、吊具4上に立設したフレーム14の上面側には、前記ガイドブラケット13に嵌入されるガイドピン15を突設し、スラブ等の荷16を吊具4によって把持した後、該吊具4を一旦巻上げ上限位置まで巻上げ、ガイドブラケット13に対してガイドピン15を嵌入させてから、トロリー5の横行或いはガーダ2の走行を行わせることにより、吊具4の振れを抑えるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記トロリー5の横行或いはガーダ2の走行におけるスタート時や停止時に、荷16を把持した吊具4の振れを充分に抑えるためには、前記ガイドブラケット13とガイドピン15の長さを長くして両者の嵌合時における拘束力を高めるようにすることが望ましいのであるが、前記ガイドブラケット13とガイドピン15は、筒状体に棒状体を嵌入させる形式であり、ガイドブラケット13に対してガイドピン15が少しでも嵌入されると、自由度がほとんどなくなる形となる。
【0008】
ここで、前述の如き天井クレーンにおいては、特に自動運転を行うものの場合、天井の高さをフロアレベルからあまり高くせず必要最小限としてコストを抑えることが多く、このようにした場合、段積みされたスラブ等の荷16を吊具4の巻上げ上限に近い位置で把持しなければならないことがある(図4(A)及び図5(A)参照)。
【0009】
しかしながら、段積みされたスラブ等の荷16の位置は必ずしも正確に揃っているとは限らず、多少ずれていることもあり、又、トロリー5の停止位置精度にもある程度の誤差があるため、このとき仮にガイドブラケット13とガイドピン15の長さを長くしてあると、ガイドブラケット13に対してガイドピン15が嵌入され自由度がほとんどない状態で吊具4により荷16を把持しなければならず、吊具4により荷16を把持することが困難となったり、或いは位置ずれに伴う負荷が吊具4とトロリー5との間に加わってしまう虞があった。
【0010】
このような不具合を避けるために、前記ガイドブラケット13とガイドピン15の長さはあまり長くすることはできず、短くせざるを得ないが、前記ガイドブラケット13とガイドピン15の長さが短いと、両者の嵌合時における拘束力が弱くなり、トロリー5の横行或いはガーダ2の走行におけるスタート時や停止時に、荷16を把持した吊具4の振れを充分に抑えることができなくなるという欠点を有していた。
【0011】
本発明は、斯かる実情に鑑み、荷を吊具の巻上げ上限に近い位置で把持する場合に、ある程度の自由度を持たせることができ、吊具により荷を確実に把持し得且つ位置ずれに伴う負荷が吊具とトロリーとの間に加わることを防止し得る一方、充分な拘束力が得られ、トロリーの横行或いはガーダの走行におけるスタート時や停止時の吊具の振れを確実に抑制し得る天井クレーンの吊具振れ止め装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、敷設された走行レール間に掛け渡され且つ該走行レールに沿って走行可能なガーダと、該ガーダにその長手方向へ延びるよう敷設された横行レールに沿って横行可能なトロリーと、該トロリーから巻上げ下げ可能に吊り下げられる吊具とを備えた天井クレーンの吊具振れ止め装置であって、
トロリーの下面側及び吊具の上面側のうちいずれか一方に、基端側が上下方向へ略平行に延びるよう所要間隔をあけて配設され且つ先端側が互いに離反する方向へ延びるよう開放される外レールと、該外レール間に上下方向ヘ延びるよう配置され且つ先端部を先細りとした内レールとを有するガイドフレームを取り付けると共に、
前記トロリーの下面側及び吊具の上面側のうちいずれか他方に、吊具の巻上げ上限位置で前記外レールに係合する外ローラと、該外ローラに対し上下方向へ所要間隔をあけて配設され且つ吊具の巻上げ上限位置で前記内レールに係合する内ローラとを有するガイドマストを取り付けたことを特徴とする天井クレーンの吊具振れ止め装置にかかるものである。
【0013】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0014】
段積みされたスラブ等の荷を吊具の巻上げ上限に近い位置で把持する場合、ガイドフレームの外レール及び内レールに対し、ガイドマストの外ローラ及び内ローラは、完全に係合しておらず、ある程度の自由度があるため、たとえ、前記荷の位置が多少ずれていたり、或いはトロリーの停止位置精度にある程度の誤差があったとしても、吊具により荷を確実に把持することが可能となり、位置ずれに伴う負荷が吊具とトロリーとの間に加わってしまう心配もない。
【0015】
又、前記吊具により荷を把持した後、該吊具を一旦巻上げ上限位置まで巻上げると、ガイドフレームの外レールにガイドマストの外ローラが係合しつつ、該外ローラに対し上下方向へ所要間隔をあけてガイドマストに配設されている内ローラがガイドフレームの内レールに完全に係合する形となり、ガイドフレームとガイドマストとの係合時における拘束力を強くすることが可能となり、トロリーの横行或いはガーダの走行におけるスタート時や停止時に、荷を把持した吊具の振れが充分に抑えられることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0017】
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図3〜図5と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図3〜図5に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1及び図2に示す如く、トロリー5の下面側に、基端側(上端側)が上下方向へ略平行に延びるよう所要間隔をあけて配設され且つ先端側(下端側)が互いに離反する方向へ延びるよう開放される外レール17と、該外レール17間に上下方向ヘ延びるよう配置され且つ先端部(下端部)を先細りとした内レール18とを有するガイドフレーム19を取り付けると共に、吊具4の上面側に、吊具4の巻上げ上限位置で前記外レール17に係合する外ローラ20と、該外ローラ20に対し上下方向へ所要間隔をあけて配設され且つ吊具4の巻上げ上限位置で前記内レール18に係合する内ローラ21とを有するガイドマスト22を取り付けた点にある。
【0018】
本図示例の場合、前記外ローラ20及び内ローラ21はそれぞれ、その軸線がガーダ2の長手方向へ延びるようガイドマスト22の上下部に配設してあり、該ガイドマスト22の上端側中心部には、外ローラ20及び内ローラ21の軸線と直交する水平方向へ延びる軸線を有し且つ前記内レール18の表面に係合可能な中央ローラ23を設けてあり、又、前記ガイドフレーム19とガイドマスト22は、ガーダ2の長手方向へ所要間隔をあけて二組並設するようにしてある。
【0019】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0020】
段積みされたスラブ等の荷16を吊具4の巻上げ上限に近い位置で把持する場合、図1(A)及び図2(A)に示す如く、ガイドフレーム19の外レール17及び内レール18に対し、ガイドマスト22の外ローラ20及び内ローラ21は、完全に係合しておらず、中央ローラ23が内レール18の下端部表面に僅かに係合するのみで、ある程度の自由度があるため、たとえ、前記荷16の位置が多少ずれていたり、或いはトロリー5の停止位置精度にある程度の誤差があったとしても、吊具4により荷16を確実に把持することが可能となり、位置ずれに伴う負荷が吊具4とトロリー5との間に加わってしまう心配もない。
【0021】
又、前記吊具4により荷16を把持した後、該吊具4を一旦巻上げ上限位置まで巻上げると、図1(B)及び図2(B)に示す如く、ガイドフレーム19の外レール17にガイドマスト22の外ローラ20が係合しつつ、該外ローラ20に対し上下方向へ所要間隔をあけてガイドマスト22に配設されている内ローラ21がガイドフレーム19の内レール18に完全に係合する形となり、しかも、中央ローラ23が内レール18の上部表面に係合し、ガイドフレーム19とガイドマスト22との係合時における拘束力を強くすることが可能となり、トロリー5の横行或いはガーダ2の走行におけるスタート時や停止時に、荷16を把持した吊具4の振れが充分に抑えられることとなる。
【0022】
こうして、荷16を吊具4の巻上げ上限に近い位置で把持する場合に、ある程度の自由度を持たせることができ、吊具4により荷16を確実に把持し得且つ位置ずれに伴う負荷が吊具4とトロリー5との間に加わることを防止し得る一方、充分な拘束力が得られ、トロリー5の横行或いはガーダ2の走行におけるスタート時や停止時の吊具4の振れを確実に抑制し得る。
【0023】
尚、本発明の天井クレーンの吊具振れ止め装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、トロリー5の下面側にガイドマスト22を上下向きを代えて取り付けると共に、吊具4の上面側にガイドフレーム19を上下向きを代えて取り付けるようにしても良いこと、吊具4としてはスラブリフターに限らず、コイルリフター等の各種吊具を選定可能なこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の天井クレーンの吊具振れ止め装置によれば、荷を吊具の巻上げ上限に近い位置で把持する場合に、ある程度の自由度を持たせることができ、吊具により荷を確実に把持し得且つ位置ずれに伴う負荷が吊具とトロリーとの間に加わることを防止し得る一方、充分な拘束力が得られ、トロリーの横行或いはガーダの走行におけるスタート時や停止時の吊具の振れを確実に抑制し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例におけるトロリーの詳細図であって、(A)は吊具を巻上げ上限位置より若干低い位置まで巻上げた状態を表わす図、(B)吊具を巻上げ上限位置まで巻上げた状態を表わす図である。
【図2】図1(A),(B)のII−II矢視相当図である。
【図3】従来の天井クレーンの一例を示す正面図である。
【図4】従来の天井クレーンの一例におけるトロリーの詳細図であって、(A)は吊具を巻上げ上限位置より若干低い位置まで巻上げた状態を表わす図、(B)吊具を巻上げ上限位置まで巻上げた状態を表わす図である。
【図5】図4(A),(B)のV−V矢視相当図である。
【符号の説明】
1 走行レール
2 ガーダ
4 吊具
5 トロリー
6 横行レール
16 荷
17 外レール
18 内レール
19 ガイドフレーム
20 外ローラ
21 内ローラ
22 ガイドマスト
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場や各種建屋等の構造物の天井に据え付けられて屋内の荷役を行うための天井クレーンの吊具振れ止め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、工場や各種建屋等の構造物においては、屋内での荷役を行うための天井クレーンを装備する場合が多く、こうした天井クレーンは、例えば、図3に示されるような構造のものが多用されている。
【0003】
図3に示される天井クレーンは、屋内の天井付近に敷設された一対の走行レール1,1間に、断面矩形で内部中空のガーダ2を走行車輪3を介して走行可能に掛け渡し、該ガーダ2に、用途に応じてスラブリフターやコイルリフター等の吊具4が巻上げ下げ可能に吊り下げられたトロリー5を、ガーダ2の長手方向へ延びるよう敷設された横行レール6に沿って横行可能に搭載してなる構成を有している。
【0004】
前記トロリー5は、図4(A),(B)及び図5(A),(B)に示される如く、横行レール6上を転動する横行車輪7を備え、該横行車輪7を図示していない駆動装置によって回転させることにより、ガーダ2に沿って横行するようになっている。
【0005】
又、前記トロリー5には、両端部が巻上ドラム8に接続されて繰り出されるワイヤロープ9の中間部を、吊具4上の二つの巻上シーブ10と、トロリー5上のイコライザシーブ11とに掛け回してなる巻上装置12を二系統配設し、該巻上装置12の巻上ドラム8を図示していない駆動装置によって回転させることにより、吊具4を巻上げ下げするようになっている。
【0006】
更に又、前記トロリー5の下面側には、筒状で且つ下方へ向かう開放端を拡張させたガイドブラケット13を取り付けると共に、吊具4上に立設したフレーム14の上面側には、前記ガイドブラケット13に嵌入されるガイドピン15を突設し、スラブ等の荷16を吊具4によって把持した後、該吊具4を一旦巻上げ上限位置まで巻上げ、ガイドブラケット13に対してガイドピン15を嵌入させてから、トロリー5の横行或いはガーダ2の走行を行わせることにより、吊具4の振れを抑えるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記トロリー5の横行或いはガーダ2の走行におけるスタート時や停止時に、荷16を把持した吊具4の振れを充分に抑えるためには、前記ガイドブラケット13とガイドピン15の長さを長くして両者の嵌合時における拘束力を高めるようにすることが望ましいのであるが、前記ガイドブラケット13とガイドピン15は、筒状体に棒状体を嵌入させる形式であり、ガイドブラケット13に対してガイドピン15が少しでも嵌入されると、自由度がほとんどなくなる形となる。
【0008】
ここで、前述の如き天井クレーンにおいては、特に自動運転を行うものの場合、天井の高さをフロアレベルからあまり高くせず必要最小限としてコストを抑えることが多く、このようにした場合、段積みされたスラブ等の荷16を吊具4の巻上げ上限に近い位置で把持しなければならないことがある(図4(A)及び図5(A)参照)。
【0009】
しかしながら、段積みされたスラブ等の荷16の位置は必ずしも正確に揃っているとは限らず、多少ずれていることもあり、又、トロリー5の停止位置精度にもある程度の誤差があるため、このとき仮にガイドブラケット13とガイドピン15の長さを長くしてあると、ガイドブラケット13に対してガイドピン15が嵌入され自由度がほとんどない状態で吊具4により荷16を把持しなければならず、吊具4により荷16を把持することが困難となったり、或いは位置ずれに伴う負荷が吊具4とトロリー5との間に加わってしまう虞があった。
【0010】
このような不具合を避けるために、前記ガイドブラケット13とガイドピン15の長さはあまり長くすることはできず、短くせざるを得ないが、前記ガイドブラケット13とガイドピン15の長さが短いと、両者の嵌合時における拘束力が弱くなり、トロリー5の横行或いはガーダ2の走行におけるスタート時や停止時に、荷16を把持した吊具4の振れを充分に抑えることができなくなるという欠点を有していた。
【0011】
本発明は、斯かる実情に鑑み、荷を吊具の巻上げ上限に近い位置で把持する場合に、ある程度の自由度を持たせることができ、吊具により荷を確実に把持し得且つ位置ずれに伴う負荷が吊具とトロリーとの間に加わることを防止し得る一方、充分な拘束力が得られ、トロリーの横行或いはガーダの走行におけるスタート時や停止時の吊具の振れを確実に抑制し得る天井クレーンの吊具振れ止め装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、敷設された走行レール間に掛け渡され且つ該走行レールに沿って走行可能なガーダと、該ガーダにその長手方向へ延びるよう敷設された横行レールに沿って横行可能なトロリーと、該トロリーから巻上げ下げ可能に吊り下げられる吊具とを備えた天井クレーンの吊具振れ止め装置であって、
トロリーの下面側及び吊具の上面側のうちいずれか一方に、基端側が上下方向へ略平行に延びるよう所要間隔をあけて配設され且つ先端側が互いに離反する方向へ延びるよう開放される外レールと、該外レール間に上下方向ヘ延びるよう配置され且つ先端部を先細りとした内レールとを有するガイドフレームを取り付けると共に、
前記トロリーの下面側及び吊具の上面側のうちいずれか他方に、吊具の巻上げ上限位置で前記外レールに係合する外ローラと、該外ローラに対し上下方向へ所要間隔をあけて配設され且つ吊具の巻上げ上限位置で前記内レールに係合する内ローラとを有するガイドマストを取り付けたことを特徴とする天井クレーンの吊具振れ止め装置にかかるものである。
【0013】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0014】
段積みされたスラブ等の荷を吊具の巻上げ上限に近い位置で把持する場合、ガイドフレームの外レール及び内レールに対し、ガイドマストの外ローラ及び内ローラは、完全に係合しておらず、ある程度の自由度があるため、たとえ、前記荷の位置が多少ずれていたり、或いはトロリーの停止位置精度にある程度の誤差があったとしても、吊具により荷を確実に把持することが可能となり、位置ずれに伴う負荷が吊具とトロリーとの間に加わってしまう心配もない。
【0015】
又、前記吊具により荷を把持した後、該吊具を一旦巻上げ上限位置まで巻上げると、ガイドフレームの外レールにガイドマストの外ローラが係合しつつ、該外ローラに対し上下方向へ所要間隔をあけてガイドマストに配設されている内ローラがガイドフレームの内レールに完全に係合する形となり、ガイドフレームとガイドマストとの係合時における拘束力を強くすることが可能となり、トロリーの横行或いはガーダの走行におけるスタート時や停止時に、荷を把持した吊具の振れが充分に抑えられることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0017】
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図3〜図5と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図3〜図5に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1及び図2に示す如く、トロリー5の下面側に、基端側(上端側)が上下方向へ略平行に延びるよう所要間隔をあけて配設され且つ先端側(下端側)が互いに離反する方向へ延びるよう開放される外レール17と、該外レール17間に上下方向ヘ延びるよう配置され且つ先端部(下端部)を先細りとした内レール18とを有するガイドフレーム19を取り付けると共に、吊具4の上面側に、吊具4の巻上げ上限位置で前記外レール17に係合する外ローラ20と、該外ローラ20に対し上下方向へ所要間隔をあけて配設され且つ吊具4の巻上げ上限位置で前記内レール18に係合する内ローラ21とを有するガイドマスト22を取り付けた点にある。
【0018】
本図示例の場合、前記外ローラ20及び内ローラ21はそれぞれ、その軸線がガーダ2の長手方向へ延びるようガイドマスト22の上下部に配設してあり、該ガイドマスト22の上端側中心部には、外ローラ20及び内ローラ21の軸線と直交する水平方向へ延びる軸線を有し且つ前記内レール18の表面に係合可能な中央ローラ23を設けてあり、又、前記ガイドフレーム19とガイドマスト22は、ガーダ2の長手方向へ所要間隔をあけて二組並設するようにしてある。
【0019】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0020】
段積みされたスラブ等の荷16を吊具4の巻上げ上限に近い位置で把持する場合、図1(A)及び図2(A)に示す如く、ガイドフレーム19の外レール17及び内レール18に対し、ガイドマスト22の外ローラ20及び内ローラ21は、完全に係合しておらず、中央ローラ23が内レール18の下端部表面に僅かに係合するのみで、ある程度の自由度があるため、たとえ、前記荷16の位置が多少ずれていたり、或いはトロリー5の停止位置精度にある程度の誤差があったとしても、吊具4により荷16を確実に把持することが可能となり、位置ずれに伴う負荷が吊具4とトロリー5との間に加わってしまう心配もない。
【0021】
又、前記吊具4により荷16を把持した後、該吊具4を一旦巻上げ上限位置まで巻上げると、図1(B)及び図2(B)に示す如く、ガイドフレーム19の外レール17にガイドマスト22の外ローラ20が係合しつつ、該外ローラ20に対し上下方向へ所要間隔をあけてガイドマスト22に配設されている内ローラ21がガイドフレーム19の内レール18に完全に係合する形となり、しかも、中央ローラ23が内レール18の上部表面に係合し、ガイドフレーム19とガイドマスト22との係合時における拘束力を強くすることが可能となり、トロリー5の横行或いはガーダ2の走行におけるスタート時や停止時に、荷16を把持した吊具4の振れが充分に抑えられることとなる。
【0022】
こうして、荷16を吊具4の巻上げ上限に近い位置で把持する場合に、ある程度の自由度を持たせることができ、吊具4により荷16を確実に把持し得且つ位置ずれに伴う負荷が吊具4とトロリー5との間に加わることを防止し得る一方、充分な拘束力が得られ、トロリー5の横行或いはガーダ2の走行におけるスタート時や停止時の吊具4の振れを確実に抑制し得る。
【0023】
尚、本発明の天井クレーンの吊具振れ止め装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、トロリー5の下面側にガイドマスト22を上下向きを代えて取り付けると共に、吊具4の上面側にガイドフレーム19を上下向きを代えて取り付けるようにしても良いこと、吊具4としてはスラブリフターに限らず、コイルリフター等の各種吊具を選定可能なこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の天井クレーンの吊具振れ止め装置によれば、荷を吊具の巻上げ上限に近い位置で把持する場合に、ある程度の自由度を持たせることができ、吊具により荷を確実に把持し得且つ位置ずれに伴う負荷が吊具とトロリーとの間に加わることを防止し得る一方、充分な拘束力が得られ、トロリーの横行或いはガーダの走行におけるスタート時や停止時の吊具の振れを確実に抑制し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例におけるトロリーの詳細図であって、(A)は吊具を巻上げ上限位置より若干低い位置まで巻上げた状態を表わす図、(B)吊具を巻上げ上限位置まで巻上げた状態を表わす図である。
【図2】図1(A),(B)のII−II矢視相当図である。
【図3】従来の天井クレーンの一例を示す正面図である。
【図4】従来の天井クレーンの一例におけるトロリーの詳細図であって、(A)は吊具を巻上げ上限位置より若干低い位置まで巻上げた状態を表わす図、(B)吊具を巻上げ上限位置まで巻上げた状態を表わす図である。
【図5】図4(A),(B)のV−V矢視相当図である。
【符号の説明】
1 走行レール
2 ガーダ
4 吊具
5 トロリー
6 横行レール
16 荷
17 外レール
18 内レール
19 ガイドフレーム
20 外ローラ
21 内ローラ
22 ガイドマスト
Claims (1)
- 敷設された走行レール間に掛け渡され且つ該走行レールに沿って走行可能なガーダと、該ガーダにその長手方向へ延びるよう敷設された横行レールに沿って横行可能なトロリーと、該トロリーから巻上げ下げ可能に吊り下げられる吊具とを備えた天井クレーンの吊具振れ止め装置であって、
トロリーの下面側及び吊具の上面側のうちいずれか一方に、基端側が上下方向へ略平行に延びるよう所要間隔をあけて配設され且つ先端側が互いに離反する方向へ延びるよう開放される外レールと、該外レール間に上下方向ヘ延びるよう配置され且つ先端部を先細りとした内レールとを有するガイドフレームを取り付けると共に、
前記トロリーの下面側及び吊具の上面側のうちいずれか他方に、吊具の巻上げ上限位置で前記外レールに係合する外ローラと、該外ローラに対し上下方向へ所要間隔をあけて配設され且つ吊具の巻上げ上限位置で前記内レールに係合する内ローラとを有するガイドマストを取り付けたことを特徴とする天井クレーンの吊具振れ止め装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002234993A JP2004075233A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | 天井クレーンの吊具振れ止め装置 |
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