JP2004073616A - 手術台 - Google Patents

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Yoshihachi Kiuchi
木内 義八
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Abstract

【課題】手術台の構造を小型簡素化する。
【解決手段】コラムに縦転軸(5)と横転軸(6)とを介して患者支持手段(3)が連結され、縦転軸(5)を支点にして患者支持手段(3)を縦転させる縦転用駆動装置と、横転軸(6)を支点にして患者支持手段(3)を横転させる横転用駆動装置とが設けられた手術台において、縦転軸(5)と横転軸(6)が単一のハウジング(7)に保持され、この単一のハウジング(7)内に縦転用駆動装置(10a,10b)と横転用駆動装置(11a,11b)とが収納される。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手術台に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平8−182711号公報が開示する手術台は、患者支持手段であるテーブルをコラムに三つの線形駆動装置によって連結している。各線形駆動装置はテレスコープ式コラムを備え、各テレスコープ式コラムがテーブルに自在継手を介して連結される。三つの線形駆動装置が駆動することにより、テーブルがコラム上で所望の向きに傾斜することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−182711号公報の手術台は、複数本のテレスコープ式コラムを用意し、これらのテレスコープ式コラムをテーブルに自在継手を介して連結することによりテーブルを傾斜させる構造であるから、手術台の構造が大型化、複雑化し、また組み立て工数も増加し、コストアップを招くという問題がある。
【0004】
従って、本発明はそのような問題点を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、コラム(2)に縦転軸(5)と横転軸(6)とを介して患者支持手段(3)が連結され、縦転軸(5)を支点にして患者支持手段(3)を縦転させる縦転用駆動装置と、横転軸(6)を支点にして患者支持手段(3)を横転させる横転用駆動装置とが設けられた手術台において、縦転軸(5)と横転軸(6)が単一のハウジング(7)に保持され、この単一のハウジング(7)内に縦転用駆動装置と横転用駆動装置とが収納された手術台を採用する。
【0006】
この請求項1に係る発明によれば、縦転用駆動装置の作動により縦転軸(5)を支点にして患者支持手段(3)がコラム(2)上で縦転し、横転用駆動装置の作動により横転軸(6)を支点にして患者支持手段(3)がコラム(2)上で横転し、縦転用駆動装置と横転用駆動装置の協働により縦転軸(5)と横転軸(6)を支点にして患者支持手段(3)がコラム(2)上で所望の向き及び角度で傾斜する。この患者支持手段(3)を傾斜させるための縦転軸(5)と横転軸(6)が単一のハウジング(7)に保持され、この単一のハウジング(7)内に縦転用駆動装置と横転用駆動装置が収納されることから、手術台の構造が小型簡素化され、また、組立作業が簡易化され、組み立て工数が低減する。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の手術台において、駆動装置が液圧シリンダ装置(10a,10b,11a,11b)であり、液圧シリンダ装置(10a,10b,11a,11b)が縦転軸(5)と横転軸(6)をそれぞれ対称軸として対称的に配置され、各液圧シリンダ装置(10a,10b,11a,11b)のピストンロッド(12a,12b,14a,14b)の両端がピストン(15a,15b,16a,16b)と患者支持手段(3)又はコラム(2)とにそれぞれ曲面(17,18)を介して連接された手術台を採用する。
【0008】
この請求項2に係る発明によれば、駆動装置である液圧シリンダ装置(10a,10b,11a,11b)が縦転軸(5)と横転軸(6)をそれぞれ対称軸として対称的に配置されることから、患者支持手段(3)の動きが円滑化される。また、各液圧シリンダ装置(10a,10b,11a,11b)のピストンロッド(12a,12b,14a,14b)の両端がピストン(15a,15b,16a,16b)と患者支持手段(3)又はコラム(2)とにそれぞれ曲面(17,18)を介して連接され連結ピンが省略されるので、ピストンロッド(12a,12b,14a,14b)の連結構造が簡素化される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、この手術台は、床上に置かれる基台1と、基台1から起立するコラム2と、コラム2上に配置される患者支持手段としてのテーブル3とを具備する。
【0011】
基台1下には手術台の移動時に使用されるキャスタ4が取り付けられる。また、基台1内には液圧発生装置である油圧発生装置(図示せず)が収納される。
【0012】
コラム2は基台1上で垂直方向に伸縮可能に組み合わされる複数本のロッド(図示せず)と、ロッドを伸縮させる液圧シリンダ装置である油圧シリンダ装置(図示せず)と、ロッドや油圧シリンダ装置等を囲むテレスコープ式に伸縮可能なカバー2aとを具備する。油圧シリンダ装置の駆動でロッドが伸縮することにより、コラム2は垂直方向に高さを変え、テーブル3は所望の高さの位置へと昇降する。
【0013】
患者支持手段であるテーブル3は、人体の腰、脚、背等に対応して複数箇所に分割され、互いに関節を介して連結される。各箇所が関節で折り曲げられることにより、テーブル3は種々の形状に折り曲げられセットされる。
【0014】
図3乃至図5に示すように、テーブル3はコラム2に縦転軸5と横転軸6とを介して連結される。また、テーブル3とコラム2との間には、縦転軸5を支点にしてテーブル3を縦転させる縦転用駆動装置と、横転軸を支点にしてテーブル3を横転させる横転用駆動装置とが設けられる。縦転用駆動装置の作動により、テーブル3は図2(A)に示すように縦転軸5を支点にして矢印方向に縦転可能であり、また、横転用駆動装置の作動により、テーブル3は同図(B)に示すように横転軸6を支点にして矢印方向に横転可能である。
【0015】
図3乃至図5に示すように、上記縦転軸5と横転軸6はテーブル3とコラム2との間に配置される単一のハウジング7に保持される。具体的には、コラム2の上端から上向きブラケット8が起立し、この上向きブラケット8にハウジング7が縦転軸5を介して連結される。また、テーブル3の下面から下向きブラケット9が突出し、この下向きブラケット9にハウジング7が横転軸6を介して連結される。
【0016】
上記駆動装置は、電動モータ、送りネジ等で構成するものであってもよいが、望ましくは基台1内の油圧発生装置により駆動される液圧シリンダ装置である油圧シリンダ装置が採用される。
【0017】
縦転用の油圧シリンダ装置10a,10bと横転用の油圧シリンダ装置11a,11bは、上記単一のハウジング7内に一体的に収納される。このように縦転用の油圧シリンダ装置10a,10bと横転用の油圧シリンダ装置11a,11bが縦転軸5及び横転軸6と共に単一のハウジング7に装着されることから、手術台の構造が小型簡素化され、また、組立作業が簡易化され、組み立て工数が低減する。
【0018】
また、縦転用の油圧シリンダ装置10a,10bと横転用の油圧シリンダ装置11a,11bは、一基ずつ設けることもできるが、望ましくは縦転軸5と横転軸6をそれぞれ対称軸として対称的に配置される。具体的には、対称関係にある縦転用油圧シリンダ装置10a,10bのピストンロッド12a,12bは、上向きブラケット8における縦転軸5よりも上方に縦転軸5に平行に取り付けられた水平ピン13に連結され、対称関係にある横転用油圧シリンダ装置11a,11bのピストンロッド14a,14bは、テーブル3の下面に固定される支持板3aに連結される。これにより、対称関係にある縦転用の油圧シリンダ装置の10a,10bピストンロッド12a,12bは、各シリンダ内を互いに逆向きに往復運動し、同じく対称関係にある横転用の油圧シリンダ装置の11a,11bピストンロッド14a,14bは、各シリンダ内を互いに逆向きに往復運動し、このため、テーブル3は滑らかに傾斜することとなる。
【0019】
また、このように対称関係にある油圧シリンダ装置10a,10b,11a,11bのピストンロッド12a,12b,14a,14bが各シリンダ内を互いに逆向きに往復運動することから、ピストンロッド12a,12b,14a,14bはピストン15a,15b,16a,16bとテーブル3側又はコラム2側と常時離れることなく接触する。そこで、従来のピストンロッドの連結に用いられるピンが省略され、縦転用油圧シリンダ装置10a,10bのピストンロッド12a,12bの一端はピストン15a,15bに曲面である球面17を介して接触し、他端は水平ピン13の側面に曲面である円筒面18を介して接触し、横転用油圧シリンダ装置のピストンロッド14a,14bの両端はピストン16a,16b及びテーブル3の支持板3aに球面17を介して接触している。これにより、ピストンロッド12a,12b,14a,14bはピストン15a,15b,16a,16bの往復直線運動をテーブル3に往復角運動に変換して伝達する。
【0020】
次に、上記構成の手術台の作用について説明する。
【0021】
操作者が図示しない制御装置の縦転用のカーソルボタンを押すと、対称関係にある縦転用油圧シリンダ装置10a,10bの作動が制御され、一方のシリンダに油が供給され、他方のシリンダから油が排出される。これにより、患者支持手段であるテーブル3が縦転軸5を支点にしてコラム2上で所望の向きに縦転する。油の流れを停止させると、テーブル3は当該傾斜位置に停止する。
【0022】
また、操作者が図示しない制御装置の横転用のカーソルボタンを押すと、対称関係にある横転用油圧シリンダ装置11a,11bの作動が制御され、一方のシリンダに油が供給され、他方のシリンダから油が排出される。これにより、患者支持手段であるテーブル3が横転軸6を支点にしてコラム2上で所望の向きに横転する。油の流れを停止させると、テーブル3は当該傾斜位置に停止する。
【0023】
さらに、操作者が図示しない制御装置の縦転用と横転用のカーソルボタンを同時に押すと、対称関係にある縦転用油圧シリンダ装置10a,10bと同じく対称関係にある横転用油圧シリンダ装置11a,11bの作動が制御され、対称関係にある一方のシリンダに油が供給され、他方のシリンダから油が排出される。これにより、患者支持手段であるテーブル3が縦転軸5と横転軸6を支点にしてコラム2上で所望の向き及び角度に傾斜する。油の流れを停止させると、テーブル3は当該傾斜位置に停止する。
【0024】
なお、上記実施の形態では縦転軸5をコラム2側に配置し横転軸6をテーブル3側に配置したが、縦転軸5をテーブル3側に配置し横転軸6をコラム2側に配置するようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、コラムに縦転軸と横転軸とを介して患者支持手段が連結され、縦転軸を支点にして患者支持手段を縦転させる縦転用駆動装置と、横転軸を支点にして患者支持手段を横転させる横転用駆動装置とが設けられた手術台において、縦転軸と横転軸が単一のハウジングに保持され、この単一のハウジング内に縦転用駆動装置と横転用駆動装置とが収納された手術台であるから、手術台の構造が小型簡素化され、また、組立作業が簡易化され、組み立て工数が低減する。
【0026】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の手術台において、駆動装置が液圧シリンダ装置であり、液圧シリンダ装置が縦転軸と横転軸をそれぞれ対称軸として対称的に配置され、各液圧シリンダ装置のピストンロッドの両端がピストンと患者支持手段又はコラムとにそれぞれ曲面を介して連接された手術台であるから、患者支持手段の動きが円滑化され、また、従来の連結ピンが省略されるので、ピストンロッドの連結構造が簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手術台を示し、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図2】(A)は図1に示す手術台のテーブルを縦転させて示す正面図、(B)は側面図である。
【図3】手術台のコラム近傍を示す平面図である。
【図4】図3中、IV−IV線矢視断面図である。
【図5】図3中、V−V線矢視断面図である。
【符号の説明】
2…コラム
3…テーブル
5…縦転軸
6…横転軸
7…ハウジング
10a,10b,11a,11b…油圧シリンダ装置
12a,12b,14a,14b…ピストンロッド
15a,15b,16a,16b…ピストン
17…球面
18…円筒面

Claims (2)

  1. コラムに縦転軸と横転軸とを介して患者支持手段が連結され、縦転軸を支点にして患者支持手段を縦転させる縦転用駆動装置と、横転軸を支点にして患者支持手段を横転させる横転用駆動装置とが設けられた手術台において、縦転軸と横転軸が単一のハウジングに保持され、この単一のハウジング内に縦転用駆動装置と横転用駆動装置とが収納されたことを特徴とする手術台。
  2. 請求項1に記載の手術台において、駆動装置が液圧シリンダ装置であり、液圧シリンダ装置が縦転軸と横転軸をそれぞれ対称軸として対称的に配置され、各液圧シリンダ装置のピストンロッドの両端がピストンと患者支持手段又はコラムとにそれぞれ曲面を介して連接されたことを特徴とする手術台。
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