JP2004072804A - 車両用インバータ装置 - Google Patents

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漆原 圭輔
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Abstract

【課題】インバータ回路の効率低下を最小限に抑えてサージ電圧の発生を抑制することができる制御回路を備えた車両用インバータ装置を提供する。
【解決手段】駆動指令回路2は、車両に搭載された各種センサ類3から得られた情報から、車両の運転状態を検出すると共に、検出された車両の運転状態に基づいて、必要と思われるインバータ部1の出力電流が大きくなる程、インバータ部1のスイッチング駆動回路の時定数を大きくするようなモード信号S2を生成する。モード信号S2は、インバータ部1を構成する各スイッチング素子IGBT11a〜11fのゲート端子をドライブするゲート制御回路13a〜13fに入力される。ゲート制御回路13a〜13fでは、例えばゲート抵抗の抵抗値を変更して、インバータ部1でのスイッチング損失とサージ電圧の抑制のバランスを取りながら、IGBT11a〜11fをスイッチング制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されたモータを駆動するためのインバータ回路を備えた車両用インバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータ等の負荷を駆動するためのインバータ回路では、高電流をスイッチングした場合、スイッチング時の電流変化や回路のインダクタンス成分等の要因により、スイッチング素子をON・OFFする際に、スイッチング素子を破壊する要因に成り得るサージ電圧が発生する。このサージ電圧の発生を抑制するには、例えばインバータ回路を駆動するための駆動指令回路(例えば車両に搭載されたECU:Electronic Control Unit )とインバータ回路のスイッチング素子のスイッチング制御端子との間に挿入されたスイッチング制御端子をドライブするための抵抗の抵抗値の制御を行い、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせることが有効である。しかし、この方法ではサージ電圧は低下するものの、スイッチング素子のスイッチング損失が大幅に増大してしまうという問題が発生する。一方、サージ電圧に耐えるように素子耐圧のランクを上げると、スイッチング素子の導通損失が増大してしまうという問題がある。
【0003】
特に、ハイブリット自動車等のように、通常の走行中の出力電流に対し、始動時や減速時の高トルクアシスト時や高トルク回生時に非常に大きな電流をスイッチングする必要があるシステムにおいては、高電流時にサージ電圧がスイッチング素子の耐圧を超えないように設定した抵抗値のまま使用領域の全域をスイッチングした場合、通常の電流域で無駄にインバータ回路のスイッチング速度を遅らせることになり、通常の電流域での効率をひどく損なってしまう。
【0004】
そのため、改善策として従来は、スイッチング時の出力電流や出力電圧を監視し、スイッチング時の出力電流や出力電圧が規定値を超えた場合にのみ、スイッチング制御端子をドライブする抵抗の抵抗値を制御することにより、インバータ回路のスイッチング速度を変更することが行われる。従って、インバータ回路には、その出力に出力電流や出力電圧を監視する監視手段が設けられ、またこれらの監視手段による出力電流や出力電圧の監視結果に基づいて、上述の抵抗の抵抗値を制御するためのスイッチ手段も設けられる。
【0005】
また、このような装置としては、例えば、特開2001−268926号公報に記載のものがある。この装置は、ゲート駆動制御回路により、インバータ回路の出力が過電流となりやすいインバータ回路の起動時には、インバータ回路を構成するスイッチング素子であるIGBT( Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)のゲート抵抗の抵抗値を大きくするか、もしくはゲート電圧を小さくすることにより、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせるように制御し、サージ電圧によるスイッチング素子の破壊を防止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ハイブリット自動車等に用いられるインバータ装置は、車両をより安定して走行させるために、従来の装置のようにインバータ回路の起動時だけサージ電圧の発生を抑制するのではなく、車両のあらゆる運転状態に伴うインバータ回路の各状態に応じてサージ電圧の発生を抑制し、モータを安定して駆動させなければならないという問題があった。
また、インバータ回路に設けられた出力電流や出力電圧を監視する監視手段は、スイッチング時の電流や電圧を測定するので、スイッチング時のノイズに対する耐性を備えたものでなければならないため、容易に構成することができるものではない。特に、監視手段がスイッチング時の出力電流や出力電圧が規定値を超えたことを検出してから、スイッチ手段がゲート抵抗の抵抗値を制御するまでの遅延時間があり、かつ、スイッチング時のノイズに対する耐性は大きくせざるを得ず、インバータ回路に監視手段を設けることは、基板の大型化やコストアップを招くと共に、その回路は容易に構成することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、インバータ回路の効率低下を最小限に抑えてサージ電圧の発生を抑制することができる制御回路を備えた車両用インバータ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る車両用インバータ装置は、車両に搭載されたモータ(例えば実施の形態のモータ5)を駆動するためのインバータ回路(例えば実施の形態のインバータ部1)を備えた車両用インバータ装置において、前記車両の状態を検出するセンサ(例えば実施の形態の各種センサ類3)からの信号に基づいて、前記車両の運転状態を検出すると共に、検出された前記運転状態に応じて前記インバータ回路に備えられたスイッチング素子(例えば実施の形態のIGBT11a〜11f)を駆動するためのスイッチング駆動回路(例えば第1の実施の形態のゲート制御回路13a〜13f、または第2の実施の形態において第1の実施の形態のゲート制御回路13a〜13fと置き換えるゲート制御回路14a〜14f)の時定数を変更する制御回路(例えば実施の形態の駆動指令回路2)を備えたことを特徴とする。
【0009】
以上の構成を備えた車両用インバータ装置は、制御回路において、車両の各部に配置されると共に車両の状態を検出するセンサからの信号によって、車両の運転状態を検出し、検出された前記運転状態に応じて、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を大きくすることにより、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせるように制御し、サージ電圧の発生を抑制することができる。
【0010】
請求項2の発明に係る車両用インバータ装置は、請求項1に記載の車両用インバータ装置において、前記制御回路は、検出された前記運転状態が少なくとも前記車両のエンジン始動時、前記車両の発進時、前記モータの駆動トルクが所定値以上の高トルク駆動時、前記モータの回生制動量が所定値以上の高トルク回生時のいずれかである場合、前記車両の定常運転での前記モータの駆動時より、前記スイッチング駆動回路の時定数を大きくすることを特徴とする。
【0011】
以上の構成を備えた車両用インバータ装置は、車両のエンジン始動時、車両の発進時、モータの駆動トルクが所定値以上の高トルク駆動時、モータの回生制動量が所定値以上の高トルク回生時等、車両の定常運転でのモータの駆動時よりインバータ回路の出力電流が大きく、サージ電圧が発生し易い状態の時に、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を大きくすることにより、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせるように制御し、サージ電圧の発生を抑制することができる。
【0012】
請求項3の発明に係る車両用インバータ装置は、請求項1に記載の車両用インバータ装置において、前記制御回路が、前記センサから前記車両の車速を示す信号を取得すると共に、該車速が規定範囲内の場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を大きくし、該車速が規定範囲を超えた場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を小さくすることを特徴とする。
【0013】
以上の構成を備えた車両用インバータ装置は、制御回路が車速に基づいて車両の運転状態を検出し、車速が規定範囲内で、車両の定常運転でのモータの駆動時よりインバータ回路の出力電流が大きく、サージ電圧が発生し易い状態の時には、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を大きくし、車速が規定範囲を超えた車両の定常運転でのモータの駆動状態の時には、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を小さくすることにより、インバータ回路の効率とサージ電圧の抑制とのバランスを取りながらモータを駆動することができる。
【0014】
請求項4の発明に係る車両用インバータ装置は、請求項1に記載の車両用インバータ装置において、前記制御回路が、前記センサから前記車両のエンジンの吸気管負圧を示す信号を取得すると共に、該吸気管負圧が規定範囲内の場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を大きくし、該吸気管負圧が規定範囲を超えた場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を小さくすることを特徴とする。
【0015】
以上の構成を備えた車両用インバータ装置は、制御回路が車両に搭載されたエンジンの吸気管負圧に基づいて車両の運転状態を検出し、吸気管負圧が規定範囲内で、車両の定常運転でのモータの駆動時よりインバータ回路の出力電流が大きく、サージ電圧が発生し易い状態の時には、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を大きくし、吸気管負圧が規定範囲を超えた車両の定常運転でのモータの駆動状態の時には、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を小さくすることにより、インバータ回路の効率とサージ電圧の抑制とのバランスを取りながらモータを駆動することができる。
【0016】
請求項5の発明に係る車両用インバータ装置は、請求項1に記載の車両用インバータ装置において、前記制御回路が、前記センサから前記車両のエンジンまたはモータの回転数を示す信号を取得すると共に、該回転数が規定範囲内の場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を大きくし、該回転数が規定範囲を超えた場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を小さくすることを特徴とする。
【0017】
以上の構成を備えた車両用インバータ装置は、制御回路が車両に搭載されたエンジンまたはモータの回転数に基づいて車両の運転状態を検出し、回転数が規定範囲内で、車両の定常運転でのモータの駆動時よりインバータ回路の出力電流が大きく、サージ電圧が発生し易い状態の時には、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を大きくし、回転数が規定範囲を超えた車両の定常運転でのモータの駆動状態の時には、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を小さくすることにより、インバータ回路の効率とサージ電圧の抑制とのバランスを取りながらモータを駆動することができる。
【0018】
請求項6の発明に係る車両用インバータ装置は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用インバータ装置において、前記制御回路が、前記スイッチング素子のスイッチング制御端子をドライブするためのドライブ用抵抗(例えば実施の形態のゲート抵抗54a〜54g)と、前記ドライブ用抵抗の抵抗値を変更するための切り替え回路(例えば実施の形態の絶縁型PWM/電圧変換回路55、及びコンパレータ56a〜56f、抵抗57a〜57g、更にはANDゲート58a〜58f)とを備え、前記センサからの信号により検出された前記車両の運転状態に応じて前記切り替え回路を切り替えて、前記ドライブ用抵抗の抵抗値を変更することにより、前記スイッチング駆動回路の時定数を変更することを特徴とする。
【0019】
以上の構成を備えた車両用インバータ装置は、スイッチング素子のスイッチング制御端子をドライブするためのドライブ用抵抗の抵抗値を変更することで、ドライブ用抵抗の抵抗値とスイッチング制御端子の容量成分とによる時定数により、サージ電圧が発生し易い状態の時に、スイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を制御し、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせてサージ電圧の発生を抑制することができる。
【0020】
請求項7の発明に係る車両用インバータ装置は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用インバータ装置において、前記制御回路が、前記スイッチング素子のスイッチング制御端子と接地点との間に接続されたコンデンサ(例えば実施の形態のコンデンサ68a〜68d)と、前記コンデンサの容量値を変更するための切り替え回路(例えば実施の形態の絶縁型PWM/電圧変換回路65、及びコンパレータ66a〜66d、抵抗67a〜67e、更にはFET69a〜69d)とを備え、前記センサからの信号により検出された前記車両の運転状態に応じて前記切り替え回路を切り替えて、前記コンデンサの容量値を変更することにより、前記スイッチング駆動回路の時定数を変更することを特徴とする。
【0021】
以上の構成を備えた車両用インバータ装置は、スイッチング素子のスイッチング制御端子と接地点との間に接続されたコンデンサの容量値を変更することで、スイッチング制御端子のドライブ用の抵抗成分とコンデンサの容量値とによる時定数により、サージ電圧が発生し易い状態の時に、スイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を制御し、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせてサージ電圧の発生を抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態の車両用インバータ装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の車両用インバータ装置を示す回路図である。第1の実施の形態では、サージ電圧の発生を抑制するために、車両の状態を検出するセンサからの信号に基づいて検出された車両の運転状態に応じて、インバータ回路のドライブ用の抵抗を用いて、インバータ回路のスイッチング速度をフィードフォワード制御する場合の車両用インバータ装置について説明する。
【0023】
図1において、本実施の形態の車両用インバータ装置は、例えばスイッチング素子としてIGBTを3相ブリッジ接続したインバータ回路を備えたインバータ部1と、インバータ部1の各IGBTのゲート端子を制御する駆動指令回路2とを備えており、車両に備えられた各種センサ類3(例えばイグニッションやアクセル、ブレーキ、車速、更にはギヤ等の状態を検出するセンサ類)から得られた車両の状態を示す信号が駆動指令回路2へ入力されると、駆動指令回路2は、制御するインバータ部1により、モータ駆動用電源4から供給された直流電力を3相交流電力に変換してモータ5を駆動する。
【0024】
なお、コンデンサ6は、電源電圧を安定させるための平滑コンデンサである。
また、スイッチング素子として用いる素子は、IGBTに限らず、逆阻止サイリスタ、GTO(Gate Turn Off thyristor )、バイポーラトランジスタ、MOSFET等を用いても良い。
また、駆動指令回路2は、車両に搭載されたECUの一部として実現されても良い。
【0025】
また、図1において設けられた電流センサ7は、インバータ部1を用いてモータ5をPWM制御方式によりベクトル制御するために利用するものであって、本実施の形態ではフィードフォワード制御を行うことでサージ電圧の発生を抑制するので制御遅延がなく、かつ、電流センサ7のノイズに対する耐性は、従来のフィードバック制御用の電流センサよりも低くて良い。また、PWM制御方式においてベクトル制御を行うのでなければ、電流センサ7は必ずしも設ける必要はない。
【0026】
また、インバータ部1は、3相ブリッジ接続したIGBT11a〜11fと、IGBT11a〜11fのそれぞれのコレクタ端子とエミッタ端子間に、カソード端子がコレクタ端子へ、アノード端子がエミッタ端子へそれぞれ接続されたFWD(Free Wheeling Diode:転流ダイオード)12a〜12fとを備えている。
更に、インバータ部1は、IGBT11a〜11fのそれぞれのゲート端子に接続され、駆動指令回路2からの駆動信号及び制御信号により、IGBT11a〜11fをON・OFF制御すると共に、IGBT11a〜11fのスイッチング速度を制御するゲート制御回路13a〜13fを備えている。
【0027】
なお、駆動指令回路2からインバータ部1へ供給される駆動信号は、例えばPWM制御方式の駆動信号であるスイッチング指令信号S1であって、駆動指令回路2は、駆動指令回路2からインバータ部1の各IGBT11a〜11fのゲート端子へ接続されたスイッチング指令信号S1により、IGBT11a〜11fのON時間とOFF時間の割合を変えて出力電圧を制御する。
また、駆動指令回路2からインバータ部1へ供給される制御信号は、車両に備えられたイグニッションやアクセル、ブレーキ、車速、更にはギヤ等の状態を検出する各種センサ類3から得られた車両の状態に基づいて、駆動指令回路2が検出した車両の運転状態をインバータ部1へ指示するための信号であって、駆動指令回路2は、指示する車両の運転状態を、制御信号であるモード信号S2に変換してインバータ部1へ指示する。なお、モード信号S2については、詳細を後述する。
【0028】
次に、ゲート制御回路13a〜13fについて図面を参照して説明する。ゲート制御回路13a〜13fは、全て同一の回路であるので、ここでは代表してゲート制御回路13aについて説明する。
図2は、ゲート制御回路13aを示す回路図であって、通常駆動を含めて全7モードの制御に対応する回路を一例として示す。
図2において、ゲート制御回路13aは、駆動指令回路2からIGBT11aのON時間とOFF時間の割合を変えて出力電圧を制御するためのスイッチング指令信号S1を受けて、IGBT11aを駆動する系統と、駆動指令回路2から検出した車両の運転状態に基づいてIGBT11aのスイッチング速度を制御するためのモード信号S2を受けて、IGBT11aのスイッチング速度を制御する系統に分類される。
【0029】
まず、スイッチング指令信号S1を受けてIGBT11aを駆動する系統について説明すると、IGBT11aのON・OFF制御を信号のDuty(デューティ)比で表したスイッチング指令信号S1は、駆動指令回路2から出力されて、バッファ51を介してフォトカプラ52へ入力される。フォトカプラ52では、光を媒体に信号を中継することにより、フォトカプラ52の入力端子と出力端子とを絶縁し、入力端子側と出力端子側との電位の差を許容して信号を中継することができる。そして、フォトカプラ52の出力は、更にバッファ53aへ供給され、ゲート抵抗54aを介してゲート制御回路13aの出力として、該ゲート制御回路13aの出力に接続されたIGBT11aのゲート端子に供給され、IGBT11aを駆動する。
【0030】
一方、駆動指令回路2からモード信号S2を受けてIGBT11aのスイッチング速度を制御する系統について説明すると、駆動指令回路2から出力されたモード信号S2は、絶縁型PWM/電圧変換回路55へ入力される。絶縁型PWM/電圧変換回路55では、IGBT11aのスイッチング速度を信号のデューティ(Duty)比で表したモード信号S2を、該デューティ比に対応する電圧レベルに変換する。そして、絶縁型PWM/電圧変換回路55の出力は、コンパレータ56a〜56fへ供給され、ゲート制御回路13aの電源電圧を抵抗57a〜57gにより分圧して生成した各電圧レベルとそれぞれ比較される。
なお、絶縁型PWM/電圧変換回路55は、例えば入出力信号をトランス結合することで容易に実現することができる。
【0031】
また、コンパレータ56a〜56fの出力は、それぞれANDゲート58a〜58fへ供給され、ANDゲート58a〜58fにおいて、フォトカプラ52の出力するスイッチング指令信号から生成された信号と掛け合わせることにより、スイッチング指令信号と同一のデューティ比を持つ信号に変換されてバッファ53b〜53gへそれぞれ入力される。
ここで、バッファ53a及びバッファ53b〜53gの出力は、それぞれ、IGBT11aのゲート端子をドライブするためのゲート抵抗54a〜54gを介して、並列にIGBT11aへ供給されている。
すなわち、コンパレータ56a〜56fの出力によって、ANDゲート58a〜58fの内の複数のANDゲートが、入力されたフォトカプラ52の出力信号をその出力へ伝達すると、IGBT11aのゲート端子は、複数のゲート抵抗によりドライブされることになる。
【0032】
この時、ゲート制御回路13aの電源電圧を抵抗57a〜57gにより分圧して生成した各電圧レベルは、抵抗57aと抵抗57bとの接続点をV1、抵抗57bと抵抗57cとの接続点をV2、抵抗57cと抵抗57dとの接続点をV3、抵抗57dと抵抗57eとの接続点をV4、抵抗57eと抵抗57fとの接続点をV5、抵抗57fと抵抗57gとの接続点をV6とすると、V1<V2<V3<V4<V5<V6であるため、モード信号S2によって絶縁型PWM/電圧変換回路55の出力の電圧値が上昇すると、コンパレータ56aから順に出力がHIGH(アクティブ)になる。従って、絶縁型PWM/電圧変換回路55の出力の電圧値が高ければ高い程、IGBT11aのゲート端子をドライブするゲート抵抗の数は多くなる。
【0033】
次に、図1と図2を参照して、本実施の形態の車両用インバータ装置の動作を説明する。図1と図2において、まず、例えばイグニッションやアクセル、ブレーキ、車速、更にはギヤ等の状態を検出する各種センサ類3から車両の状態が駆動指令回路2へ入力されると、駆動指令回路2は、各種センサ類3から取得した車両の状態を判断し、以下の表1のモード判別テーブルに示すような車両の運転状態を検出する。
【表1】
Figure 2004072804
そして、検出された車両の運転状態を、インバータ部1へ指示するために、IGBT11a〜11fのスイッチング速度を信号のデューティ(Duty)比で表したモード信号S2に変換する。
【0034】
また、モード信号S2は、絶縁型PWM/電圧変換回路55へ入力される。ここで、モード信号S2と絶縁型PWM/電圧変換回路55との対応関係は、必要と思われるインバータ部1の出力電流が大きい程、絶縁型PWM/電圧変換回路55の出力電圧が低くなる対応関係を持つ。
すなわち、駆動指令回路2により検出された車両の運転状態に基づいて、必要と思われるインバータ部1の出力電流が大きくなる程、絶縁型PWM/電圧変換回路55の出力する制御信号の電圧を低くする。この制御信号は、コンパレータ56a〜56fにおいてゲート制御回路13aの電源電圧を抵抗57a〜57gにより分圧して生成した各電圧レベルとそれぞれ比較され、コンパレータ56a〜56fの出力は、ANDゲート58a〜58fにおけるフォトカプラ52の出力するスイッチング指令信号の伝達を制御する。
【0035】
従って、絶縁型PWM/電圧変換回路55の出力する制御信号の電圧が低い程、出力がアクティブになるコンパレータの出力が少なくなり、IGBT11aのゲート端子をドライブするゲート抵抗の数が少なくなるので、ゲート抵抗の合成抵抗とIGBT11aのゲート端子の容量成分とによる時定数が大きくなり、IGBT11aのスイッチング速度は遅くなる。
【0036】
なお、モード信号S2の場合分けに対してゲート抵抗の数を少なくし、モード信号S2が異なっても、場合によっては同じ抵抗値になるようにIGBT11a〜11fのゲート抵抗を制御しても良い。
【0037】
以上、第1の実施の形態として、車両の状態を検出するセンサからの信号に基づいて検出された車両の運転状態に応じて、インバータ回路のドライブ用の抵抗を用いて、インバータ回路のスイッチング速度をフィードフォワード制御する場合の車両用インバータ装置について説明した。
以上説明したように、本実施の形態の車両用インバータ装置は、駆動指令回路2が検出した車両の運転状態から必要と思われるインバータ部1の出力電流の大きさに基づいて、IGBT11a〜11fのゲート端子をドライブするゲート抵抗の数を制御する。
【0038】
これにより、ゲート抵抗の合成抵抗値とIGBT11a〜11fのゲート端子の容量成分とによる時定数で決定されるIGBT11a〜11fのスイッチング速度をフィードフォワード制御することで、インバータ部1の出力電流を検出してサージ電圧の発生を検出するための電流センサが必要なくなる。また、PWM制御のために必要な電流センサ3も、サージ電圧の抑制のための制御がフィードフォワード制御であるため制御遅延が発生せず、従ってノイズに対する耐性も、サージ電圧の発生を検出するための電流センサよりも低いものが利用できるようになる。
【0039】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の車両用インバータ装置について説明する。
第2の実施の形態では、サージ電圧の発生を抑制するために、車両の状態を検出するセンサからの信号に基づいて検出された車両の運転状態に応じて、コンデンサを用いて、インバータ回路のスイッチング速度をフィードフォワード制御する場合の車両用インバータ装置について説明する。
なお、本実施の形態の車両用インバータ装置を示す回路図は、図1に示した第1の実施の形態の車両用インバータ装置を示す回路図において、ゲート制御回路13a〜13fがゲート制御回路14a〜14fに変更されるだけであるので、図示は省略する。
【0040】
更に、ゲート制御回路14a〜14fも、第1の実施の形態で説明したゲート制御回路13a〜13fと同様に全て同一の回路であるので、本実施の形態では、ゲート制御回路14a〜14fに関し、代表してゲート制御回路14aについて説明する。
図3は、ゲート制御回路14aを示す回路図であって、通常駆動を含めて全5モードの制御に対応する回路を一例として示す。
図3において、ゲート制御回路14aは、駆動指令回路2からIGBT11aのON時間とOFF時間の割合を変えて出力電圧を制御するためのスイッチング指令信号S1を受けて、IGBT11aを駆動する系統と、駆動指令回路2から検出したインバータ回路の出力電流に基づいてIGBT11aのスイッチング速度を制御するためのモード信号S2を受けて、IGBT11aのスイッチング速度を制御する系統に分類される。
【0041】
まず、スイッチング指令信号S1を受けてIGBT11aを駆動する系統について説明すると、IGBT11aのON・OFF制御を信号のDuty(デューティ)比で表したスイッチング指令信号S1は、駆動指令回路2から出力されて、バッファ61を介してフォトカプラ62へ入力される。フォトカプラ62では、光を媒体に信号を中継することにより、フォトカプラ62の入力端子と出力端子とを絶縁し、入力端子側と出力端子側との電位の差を許容して信号を中継することができる。そして、フォトカプラ62の出力は、更にバッファ63へ供給され、ゲート抵抗64を介してゲート制御回路14aの出力として、該ゲート制御回路14aの出力に接続されたIGBT11aのゲート端子に供給され、IGBT11aを駆動する。
【0042】
一方、駆動指令回路2からモード信号S2を受けてIGBT11aのスイッチング速度を制御する系統について説明すると、駆動指令回路2から出力されたモード信号S2は、絶縁型PWM/電圧変換回路65へ入力される。絶縁型PWM/電圧変換回路65では、IGBT11aのスイッチング速度を信号のデューティ(Duty)比で表したモード信号S2を、該デューティ比に対応する電圧レベルに変換する。そして、絶縁型PWM/電圧変換回路65の出力は、コンパレータ66a〜66dへ供給され、ゲート制御回路14aの電源電圧を抵抗67a〜67eにより分圧して生成した各電圧レベルとそれぞれ比較される。
なお、絶縁型PWM/電圧変換回路65も、例えば入出力信号をトランス結合することで容易に実現することができる。
【0043】
また、コンパレータ66a〜66dの出力は、それぞれ、例えばFET(Field−Effect Transistor :電界効果トランジスタ)69a〜69dのゲート端子へ供給される。FET69a〜69dは、IGBT11aのゲート端子をドライブするためのゲート抵抗64とゲート制御回路14aに接続されるIGBT11aのゲート端子との間に一端を接続された4個のコンデンサ68a〜68dの接続を制御するスイッチ手段である。
ここで、FET69a〜69dのドレイン端子には、ゲート抵抗64とIGBT11aのゲート端子とに接続されたコンデンサ68a〜68dの反対側の端子が接続されており、FET69a〜69dのソース端子はグランド(接地点)に接続されている。すなわち、FET69a〜69dのゲート端子を制御してFET69a〜69dをONすると、コンデンサ68a〜68dが接地されることになる。
【0044】
この時、ゲート制御回路14aの電源電圧を抵抗67a〜67eにより分圧して生成した各電圧レベルは、抵抗67aと抵抗67bとの接続点をV1、抵抗67bと抵抗67cとの接続点をV2、抵抗67cと抵抗67dとの接続点をV3、抵抗67dと抵抗67eとの接続点をV4とすると、V1<V2<V3<V4であるため、モード信号S2によって絶縁型PWM/電圧変換回路65の出力の電圧値が上昇すると、コンパレータ66aから順に出力がHIGH(アクティブ)になる。従って、絶縁型PWM/電圧変換回路65の出力の電圧値が高ければ高い程、接地されるコンデンサの数は多くなる。
なお、スイッチ手段は、FET69a〜69dの代わりに、IGBTの他、逆阻止サイリスタ、GTO、バイポーラトランジスタ等を用いることができる。
【0045】
次に、図1と図3を参照して、本実施の形態の車両用インバータ装置の動作を説明する。なお、ここでは図1に記載されたゲート制御回路13a〜13fをゲート制御回路14a〜14fに読み替えて図1を参照するものとする。、
図1及び図3において、例えばイグニッションやアクセル、ブレーキ、車速、更にはギヤ等の状態を検出する各種センサ類3から車両の状態が駆動指令回路2へ入力されると、駆動指令回路2は、各種センサ類3から取得した車両の状態を判断し、第1の実施の形態で説明した表1のモード判別テーブルに示すような車両の運転状態を検出する。
そして、検出された車両の運転状態を、インバータ部1へ指示するために、IGBT11a〜11fのスイッチング速度を信号のデューティ(Duty)比で表したモード信号S2に変換する。
【0046】
また、モード信号S2は、絶縁型PWM/電圧変換回路65へ入力される。ここで、モード信号S2と絶縁型PWM/電圧変換回路65との対応関係は、必要と思われるインバータ部1の出力電流が大きい程、絶縁型PWM/電圧変換回路65の出力電圧が高くなる対応関係を持つ。
すなわち、駆動指令回路2により検出された車両の運転状態に基づいて、必要と思われるインバータ部1の出力電流が大きくなる程、絶縁型PWM/電圧変換回路65の出力する制御信号の電圧を高くする。この制御信号は、コンパレータ66a〜66dにおいてゲート制御回路14aの電源電圧を抵抗67a〜67eにより分圧して生成した各電圧レベルとそれぞれ比較され、コンパレータ66a〜66dの出力はFET69a〜69dのスイッチングを制御する。
【0047】
従って、絶縁型PWM/電圧変換回路65の出力する制御信号の電圧が高い程、出力がアクティブになるコンパレータが多くなり、FET69a〜69dにより接地されるコンデンサの数が多くなるので、ゲート抵抗64と接地されたコンデンサの合成容量とによる時定数が大きくなり、IGBT11aのスイッチング速度は遅くなる。
なお、モード信号S2の場合分けに対してコンデンサの数を少なくし、モード信号S2が異なっても、場合によっては同じ容量値になるように接地するコンデンサの数を制御しても良い。
【0048】
以上、第2の実施の形態として、車両の状態を検出するセンサからの信号に基づいて検出された車両の運転状態に応じて、コンデンサを用いて、インバータ回路のスイッチング速度をフィードフォワード制御する場合の車両用インバータ装置について説明した。
以上説明したように、本実施の形態の車両用インバータ装置は、駆動指令回路2が検出した車両の運転状態から必要と思われるインバータ部1の出力電流の大きさに基づいて、コンデンサ68a〜68dが接地される数を制御することにより、ゲート抵抗64と接地されたコンデンサの合成容量とによる時定数で決定されるIGBT11a〜11fのスイッチング速度を制御し、ゲート抵抗での電力損失を発生させずに、ゲート抵抗の抵抗値を制御する場合よりもインバータ回路の効率低下を抑えつつサージ電圧の発生を抑制することができる。
【0049】
更に、第1の実施の形態と同様に、インバータ部1の出力電流を検出してサージ電圧の発生を検出するための電流センサが必要なくなると共に、PWM制御のために必要な電流センサ3のノイズに対する耐性も、サージ電圧の発生を検出するための電流センサよりも低いものが利用できるようになる。
【0050】
また、図4は、前述の表1に示す6個の車両の運転状態に対して、以下の表2に示す3個の制御モードを用いてサージ電圧の抑制及びインバータ部1の出力電流とスイッチング損失との関係を示す図である。
【表2】
Figure 2004072804
図4に示すように、制御モードを切り替えることにより、サージ電圧が減少すると共に、例えばインバータ部1の出力電流が小さいモードBやモードAの制御領域において、インバータ部1の出力電流が大きく、ゲート制御回路13a〜13fまたはゲート制御回路14a〜14fの時定数が大きいモードCの制御領域における時定数のままインバータ部1を制御するより、それぞれの制御領域に適合したゲート制御回路の時定数を選択することにより、インバータ部1のスイッチング損失を低減することができる。
【0051】
なお、上述の第1、第2の実施の形態においては、車両に備えられた例えばイグニッションやアクセル、ブレーキ、車速、更にはギヤ等の状態を検出する各種センサ類3から得られた車両の状態を示す信号を取得して車両の運転状態を検出すると共に、検出された運転状態に基づいてゲート抵抗の抵抗値やゲートに接続されたコンデンサの容量値を制御して、インバータ部1のIGBT11a〜11fを駆動するためのゲート制御回路13a〜13fまたはゲート制御回路14a〜14fの時定数を変更し、サージ電圧の発生を抑制する場合について説明したが、車両の運転状態を検出するための情報は、車両の複数の項目に関する状態を検出する各種センサ類3から得られた複数の情報に限らず、例えば車速、または車両に搭載されたエンジンの吸気管負圧、または車両に搭載されたエンジンもしくはモータの回転数のいずれか等、車両の単独の項目に関する状態を検出するセンサから得られた単独の情報を利用しても良い。
【0052】
この場合、例えば車速が規定範囲内または所定値以下の場合には、インバータ部1のIGBT11a〜11fを駆動するためのゲート制御回路13a〜13fまたはゲート制御回路14a〜14fの時定数を大きくし、該車速が規定範囲または所定値を超えた場合には、IGBT11a〜11fを駆動するためのゲート制御回路13a〜13fまたはゲート制御回路14a〜14fの時定数を小さくする。
また、例えば車両のエンジンの吸気管負圧が規定範囲内または所定値以下の場合には、インバータ部1のIGBT11a〜11fを駆動するためのゲート制御回路13a〜13fまたはゲート制御回路14a〜14fの時定数を大きくし、該吸気管負圧が規定範囲または所定値を超えた場合には、IGBT11a〜11fを駆動するためのゲート制御回路13a〜13fまたはゲート制御回路14a〜14fの時定数を小さくする。
また、例えば車両のエンジンまたはモータの回転数が規定範囲内または所定値以下の場合には、インバータ部1のIGBT11a〜11fを駆動するためのゲート制御回路13a〜13fまたはゲート制御回路14a〜14fの時定数を大きくし、該回転数が規定範囲または所定値を超えた場合には、IGBT11a〜11fを駆動するためのゲート制御回路13a〜13fまたはゲート制御回路14a〜14fの時定数を小さくする。
【0053】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載の車両用インバータ装置によれば、現在の車両の運転状態を検出し、検出された運転状態に応じて、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を大きくすることにより、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせるように制御し、サージ電圧の発生を抑制することができる。
従って、実際にインバータ回路の出力電圧や出力電流を検出するセンサ等の、ノイズに耐えてインバータ回路の出力を監視する監視手段を用いることなく、車両の運転状態に基づいてスイッチング速度を制御し、インバータ回路の効率低下を最小限に抑えつつサージ電圧の発生を抑制するインバータ装置を実現することができるという効果が得られる。
【0054】
請求項2に記載の車両用インバータ装置によれば、車両の定常運転でのモータの駆動時よりインバータ回路の出力電流が大きく、サージ電圧が発生し易い状態の時に、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を大きくすることにより、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせるように制御し、サージ電圧の発生を抑制することができる。
従って、車両の定常運転でのモータの駆動時は、インバータ回路の効率を低下させずにモータを駆動し、インバータ回路の出力電流が大きく、サージ電圧が発生し易い状態の時には、サージ電圧の発生を抑制しながらモータを駆動し、トータルでのインバータ回路の効率低下を最小限に抑えつつサージ電圧の発生を抑制することができるという効果が得られる。
【0055】
請求項3、4、5に記載の車両用インバータ装置によれば、車速、車両に搭載されたエンジンの吸気管負圧、車両に搭載されたエンジンまたはモータの回転数のいずれかに基づいて、サージ電圧が発生し易い状態の時には、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を大きくし、車両の定常運転でのモータの駆動状態の時には、インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を小さくすることにより、インバータ回路の効率とサージ電圧の抑制とのバランスを取りながらモータを駆動することができる。
従って、複数の車両の状態を示す情報から車両の運転状態を検出する場合に比較して、簡単かつ短時間に車両の運転状態を検出し、素早くスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を切り替えて、インバータ回路の効率低下を最小限に抑えつつサージ電圧の発生を抑制することができるという効果が得られる。
【0056】
請求項6に記載の車両用インバータ装置によれば、スイッチング制御端子をドライブするためのドライブ用抵抗の抵抗値を変更することにより、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせるように制御し、サージ電圧の発生を抑制することができる。
従って、インバータ回路の出力を監視する監視手段を用いることなく、簡単なドライブ用抵抗の抵抗値変更だけで、インバータ回路の効率低下を最小限に抑えつつサージ電圧の発生を抑制するインバータ装置を実現することができるという効果が得られる。
【0057】
請求項7に記載の車両用インバータ装置によれば、スイッチング制御端子に接続されたコンデンサの容量値を変更することにより、インバータ回路のスイッチング速度を遅らせるように制御し、サージ電圧の発生を抑制することができる。
従って、コンデンサを制御してスイッチング駆動回路の時定数を決定するので、ゲート抵抗における損失が増加することがなく、ゲート抵抗の抵抗値を制御してインバータ回路のスイッチング速度を遅らせるように制御する場合に比較して、インバータ回路の効率低下を抑えつつサージ電圧の発生を抑制するインバータ装置を実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の車両用インバータ装置を示す回路図である。
【図2】同実施の形態のゲート制御回路を示す回路図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態のゲート制御回路を示す回路図である。
【図4】サージ電圧の抑制及びインバータ部の出力電流とスイッチング損失との関係を示す図である。
【符号の説明】
1  インバータ部
2  駆動指令回路
3  各種センサ類
5  モータ
11a〜11f  IGBT
12a〜12f  FWD
13a〜13f  ゲート制御回路
54a〜54g  ゲート抵抗
55  絶縁型PWM/電圧変換回路
56a〜56f  コンパレータ
57a〜57g  抵抗
58a〜58f  ANDゲート
14a  ゲート制御回路
64  ゲート抵抗
65  絶縁型PWM/電圧変換回路
66a〜66d  コンパレータ
67a〜67e  抵抗
68a〜68d  コンデンサ
69a〜69d  FET

Claims (7)

  1. 車両に搭載されたモータを駆動するためのインバータ回路を備えた車両用インバータ装置において、前記車両の状態を検出するセンサからの信号に基づいて、前記車両の運転状態を検出すると共に、検出された前記運転状態に応じて前記インバータ回路に備えられたスイッチング素子を駆動するためのスイッチング駆動回路の時定数を変更する制御回路を備えたことを特徴とする車両用インバータ装置。
  2. 前記制御回路は、検出された前記運転状態が少なくとも前記車両のエンジン始動時、前記車両の発進時、前記モータの駆動トルクが所定値以上の高トルク駆動時、前記モータの回生制動量が所定値以上の高トルク回生時のいずれかである場合、前記車両の定常運転での前記モータの駆動時より、前記スイッチング駆動回路の時定数を大きくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用インバータ装置。
  3. 前記制御回路が、前記センサから前記車両の車速を示す信号を取得すると共に、該車速が規定範囲内の場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を大きくし、該車速が規定範囲を超えた場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を小さくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用インバータ装置。
  4. 前記制御回路が、前記センサから前記車両のエンジンの吸気管負圧を示す信号を取得すると共に、該吸気管負圧が規定範囲内の場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を大きくし、該吸気管負圧が規定範囲を超えた場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を小さくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用インバータ装置。
  5. 前記制御回路が、前記センサから前記車両のエンジンまたはモータの回転数を示す信号を取得すると共に、該回転数が規定範囲内の場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を大きくし、該回転数が規定範囲を超えた場合に前記スイッチング駆動回路の時定数を小さくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用インバータ装置。
  6. 前記制御回路が、
    前記スイッチング素子のスイッチング制御端子をドライブするためのドライブ用抵抗と、
    前記ドライブ用抵抗の抵抗値を変更するための切り替え回路と
    を備え、
    前記センサからの信号により検出された前記車両の運転状態に応じて前記切り替え回路を切り替えて、前記ドライブ用抵抗の抵抗値を変更することにより、前記スイッチング駆動回路の時定数を変更する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用インバータ装置。
  7. 前記制御回路が、
    前記スイッチング素子のスイッチング制御端子と接地点との間に接続されたコンデンサと、
    前記コンデンサの容量値を変更するための切り替え回路と
    を備え、
    前記センサからの信号により検出された前記車両の運転状態に応じて前記切り替え回路を切り替えて、前記コンデンサの容量値を変更することにより、前記スイッチング駆動回路の時定数を変更する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用インバータ装置。
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