JP2004071429A - 位置決め手段付きキーユニットとその製造方法 - Google Patents

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Hidenori Masuyama
増山 秀徳
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Abstract

【課題】キーパッドへのキートップ取付位置の正確性及び安定性を実現する。
【課題解決手段】キーユニット10において、キーベース2が、透孔21を有する硬質樹脂板からなるハードベース2と透孔21を塞ぐように形成されるゴム状弾性体膜からなるキーパッド3とにより複合的に構成され、キーパッド3が、透孔21の周縁部に形成されるスカート部31に連なる平らな中央台部32と、中央台部32の裏面に一体に形成されるスイッチ押圧突起33とを備え、キートップ1とハードベース2とが少なくとも透孔21を挟む2箇所で重なり合うようにキートップ1とハードベース2の形状が相互に関係付けられており、キートップ1のハードベース2と重なり合う前記箇所の裏面に突起11を設け、キートップ1をキーベース4上の前記所定位置に載置したとき突起11が遊隙なく嵌入しうる穴22を設け、突起11を穴22に嵌入させる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機、携帯情報端末装置(PDA)等モバイル機器に用いるキーユニットに関し、特にキーユニットの製造時にキーベース上に取り付けるキートップの位置を正確に位置決めできる手段を有するキーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
キーユニットは、携帯電話機や携帯情報端末装置(PDA)等モバイル機器を構成する部品の一種であって、多数のスイッチ操作用キー(押釦)を一枚のシート面に集合・配列したものである。1個のキーは、柔軟なゴム製キーパッドの表面に取り付けられた硬質樹脂製のキートップと、キーパッド裏面に形成されるスイッチ押圧突起(いわゆる「押し子」)からなる。キーとキーの間はキーパッドにより連結される。このように構成されるキーユニットの下面にスイッチ要素を備えた回路基板を密着させれば、各キーに対応する位置にキースイッチが形成される。
【0003】
このような構造のキーシートでは、ゴム製キーパッドの柔軟性によりキートップの位置や姿勢が変化し易い。そのため従来の携帯電話機等では、キートップの周囲に鍔を付けて、筐体面に設けたキー窓からキートップを覗かせる構造にしている。
【0004】
一方、携帯電話機や携帯情報端末装置では急速にコンパクト化が進行しており、それに伴ってキーユニットにも小型化・薄型化が求められている。その一つの方向がキー窓の省略である。キー窓が省略された構造ではキーパッド上でキートップ同士が直接隣り合うことになる。このような構造中でキー同士の接触による干渉を防止するためには、キーパッド上での各キートップの位置精度を向上させなければならない。本出願人は、キーパッドの一部に硬質樹脂製の部分(ハードベース)を導入することにより、ゴム製キーパッドの柔軟性を活用しつつ、キーユニットに全体として剛性を付与する構造を発明し、これを特許出願した(特願2001−378152、「ハードベース・キーユニット」)。
【0005】
しかしながら、この発明により、キー窓を用いない構造のキーユニットに関する問題点が全て解決されたとはいえない。例えば、隣り合うキートップ間の隙間として要求される値は0.1ミリメートルに満たないという厳しいものである。この要求に応えるには、製造時の、キーパッドへのキートップ取付位置の正確さを従来よりもさらに一段と向上させる必要があり、そのためにはキートップを正確に位置決めする何らかのジグが必要と思われるが、このように狭い隙間に対しては有効なジグを作ること自体が困難又は不可能という問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明が解決しようとする課題は、キートップ同士が直接隣り合う構造のキーユニットにおいて、キートップ間の隙間が極めて小さい値である場合にもキートップ間に干渉を生じないように、キーベースの所定位置へキートップを正確に取り付けることができるキーユニットの構造、及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決する手段】
上記の課題は、以下に記載する位置決め手段付きキーユニットにより解決することができる。
【0008】
キーベース上の所定位置にキートップを取り付けることにより組み立てられるキーユニットにおいて、キーベースが、透孔を有する硬質樹脂板からなるハードベースと該透孔を塞ぐように形成されるゴム状弾性体膜からなるキーパッドとにより複合的に構成され、キーパッドが、前記透孔の周縁部に形成されるスカート部に連なる平らな中央台部と、該中央台部の裏面に一体に形成されるスイッチ押圧突起とを備え、キートップをキーベース上の前記所定位置に載置したとき、キートップとハードベースとが少なくとも前記透孔を挟む2箇所で重なり合うようにキートップとハードベースの形状が相互に関係付けられており、キートップのハードベースと重なり合う前記箇所の裏面に突起が設けられ、ハードベースのキートップと重なり合う前記箇所の表面に、キートップをキーベース上の前記所定位置に載置したとき前記突起が遊隙なく嵌入しうる穴が設けられ、前記突起を前記穴に嵌入させることによりキートップを前記所定位置に位置決めした状態で、キーパッドの前記中央台部上にキートップが接合される。
【0009】
上記キーユニット中のキートップとハードベースを形成する硬質樹脂材料は、例えばポリカーボネート樹脂又はABS樹脂等が好適である。また、キーパッドは、予め所定の形状に形成したハードベースを射出成型用金型中に配置して、そこへゴム材料を注入する挿入成型法と呼ばれる手法で、例えばシリコーンゴム又は他の注型加硫型のゴム材料を用いて形成される。
【0010】
上記キーユニットにおける位置決め手段は、キートップの裏面に設けた突起とハードベースの表面に設けた穴、あるいは、キートップの裏面に設けた穴とハードベースの表面に設けた突起から構成される。いずれの場合も、突起を穴に遊隙なく嵌入させることにより、キートップをキーベース上の所定位置に正確に位置決めすることができる。この状態でキーパッドの中央台部にキートップを接合すれば、特別なジグを用いなくてもキーベースの所定位置へキートップを正確に取り付けることができる。しかも、ハードベースによりキーパッドの変形の自由度が制限されているので、キーパッド上に取り付けたキートップの空間的位置が安定している。
【0011】
上記において、突起を穴に嵌入させた状態では、キーパッドの中央台部は最も低い位置へ押し下げられ、スカート部はたるんでいる。しかし、キーベース上にキートップを取り付けた後に突起を穴から離脱させると、キーパッド全体が本来の形状に復帰し、これに伴って中央台部も本来の高さに戻るから、キートップが所定の高さと姿勢で支持される。
【0012】
【発明の実施の形態】
添付した図面を参照して本願発明の実施形態について説明する。各図において共通に、参照符号1はキートップ、11はキートップの裏面に設けた突起、2はハードベース、21はハードベースの表面に設けた穴、3はキーパッド、31はキーパッド中のスカート部、32はキーパッド中の中央台部、33はキーパッド中のスイッチ押圧突起である。
【0013】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、位置決め手段としての突起及び穴の形状を、互いに遊隙なく嵌り合う大きさの短円筒形とする構成である。本実施形態によれば、キートップの取付け時に、キートップをハードベースに向かって押しつけて一旦突起が穴に嵌入して捉えられると、押しつけ力を取り除いても嵌入した状態が維持される。従って、接着剤が乾くまでキートップを押さえ続けている必要がない。
【0014】
しかしながら、本実施形態の構成では、通常の使用状態においてキーを押し下げたとき突起が再び穴に嵌入して捉えられ、キーが復帰しなくなるおそれがある。これでは使用上不便であるから、通常の押下操作では突起が穴に嵌入しないようにしなければならない。そのためには、突起をやや短めに、スイッチ押圧突起をやや長めにして、通常の押下操作では突起の先端が穴に届かないようすれば良い。
【0015】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は位置決め手段としての突起及び穴の形状を、雄雌同形の円錐形とする構成である(図2(A)を参照)。円錐の頂角は60°〜90°程度が好適である。本実施形態では、キートップの取付け時に、キートップをハードベースに向かって押しつけて円錐形の突起がすり鉢状の皿穴に嵌り合うと、キートップとハードベースの立体的位置関係が確定される。しかし、押しつけ力を取り除くと突起が穴から離れてしまうので、接着剤が乾くまでキートップを押さえ続ける必要がある。この場合は、キートップを押さえるために簡単なジグを用いることが考えられるが、そのようなジグの製作には特に困難な点はない。
【0016】
上記の第1実施形態では、通常の押下操作時に突起の先端が穴に届かないようするため、突起をやや短めに、スイッチ押圧突起をやや長めにする必要があった。しかしながら、キーユニットに対する薄型化の要求は日に日に厳しくなっているので、スイッチ押圧突起の長さをやや長めにとる余裕がない場合がある。その点、本実施形態では、通常の押下操作で突起の先端が穴に届いても構わない(突起が穴に捉えられることがない)ので、スイッチ押圧突起の長さを長めにする必要がなく、薄型化の要求に対応し易いという利点がある。なお、第2実施形態と同様の効果は、突起及び穴の形状を円錐形の代わりに半球形又は半球未満の部分球面にしても得られる(図2(B)を参照)。
【0017】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、上記課題解決手段及び第1、第2実施形態に係るキーユニットの製造方法に関する。すなわち、裏面所定の場所に位置決め手段としての突起又は穴を備えたキートップを硬質樹脂材料から形成する工程と、前記キートップ裏面の突起又は穴と嵌り合う穴又は突起と、透孔とを備えるハードベースを硬質樹脂材料から形成する工程と、前記ハードベースを射出成型用金型中に配置し、そこへゴム状弾性体材料を注入してハードベース中の透孔内にスカート部と、これに連なる中央台部と、該中央台部の裏面に一体に形成されたスイッチ押圧突起とを有するキーパッドを形成することにより、ハードベースとキーパッドからキーベースを複合的に形成する工程と、前記突起を前記穴に嵌入させることによりキートップをキーベースの所定の位置に載置した状態で、キートップをキーパッドの中央台部に接合する工程と、を有する位置決め手段付きキーユニットの製造方法、である。
【0018】
【発明の効果】
請求項1又は2の発明では、突起を穴に遊隙なく嵌入させることにより、キートップをキーベース上の所定位置に位置決めすることができる。この状態でキーパッドの中央台部にキートップを接合すれば、特別なジグを用いなくても、キーベースの所定位置へキートップを正確に取り付けることができる。しかも、ハードベースによりキーパッドの変形が規制されているので、キーパッド上に取り付けたキートップの空間的位置が安定している。
【0019】
請求項3の発明では、突起及び穴の形状を、互いに遊隙なく嵌り合う大きさの短円筒形としたことにより、キートップの取付け時に、キートップをハードベースに向かって押しつけて一旦突起が穴に嵌入して捉えられると、押しつけ力を取り除いても嵌入した状態が維持される。従って、接着剤が乾くまでキートップを押さえ続けている必要がない。
【0020】
請求項4(又は5)の発明では、突起及び穴の形状を、雄雌同形の円錐形(又は半球形あるいは部分球面形状)としたことにより、キートップの取付け時には、キートップをハードベースに押しつけて突起が穴に嵌り合うと、キートップとハードベースの立体的位置関係が確定される。ただし、押しつけ力を取り去ると突起が穴から離れてしまうので、接着剤が乾くまでキートップを押さえ続ける必要がある。しかし、通常の押下操作では突起が穴に捉えられて戻らなくなることがないので、突起が穴に届かないようにスイッチ押圧突起の長さを長めにする必要がなく、キーユニット薄型化の要求に対応し易い。
【0021】
請求項6の発明により、請求項1〜5に記載した位置決め手段付きキーユニットの製造方法が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する概念図であり、(A)はキートップ接着前の状態、(B)は接着中の状態、(C)は完成した状態を表す。
【図2】本発明の第2実施形態を説明する概念図であり、(A)は突起及び穴を円錐形とする場合、(B)は突起及び穴を半求形とする場合を示す。
【符号の説明】
1…キートップ
11…位置決め手段としての突起
2…ハードベース
21…透孔
22…位置決め手段としての穴
3…キーパッド
31…スカート部
32…中央台部
33…スイッチ押圧突起
4…キーベース
10…キーユニット

Claims (6)

  1. キーベース上の所定位置にキートップを取り付けることにより組み立てられるキーユニットにおいて、
    キーベースが、透孔を有する硬質樹脂板からなるハードベースと、該透孔を塞ぐように形成されるゴム状弾性体膜からなるキーパッドとにより複合的に構成され、
    キーパッドが、前記透孔の周縁部に形成されるスカート部に連なる平らな中央台部と、該中央台部の裏面に一体に形成されるスイッチ押圧突起とを備え、
    キートップをキーベース上の前記所定位置に載置したとき、キートップとハードベースとが前記透穴を挟む少なくとも2箇所で重なり合ように、キートップとハードベースの形状が相互に関係付けられており、
    キートップの、ハードベースと重なり合う前記箇所の裏面に突起が設けられ、ハードベースの、キートップと重なり合う前記箇所の表面に、キートップをキーベース上の前記所定位置に載置したとき前記突起が遊隙なく嵌入しうる穴が設けられ、
    前記突起を前記穴に嵌入させることによりキートップを前記所定位置に位置決めした状態で、キーパッドの前記中央台部上にキートップを接合することを特徴とする位置決め手段付きキーユニット。
  2. 前記突起が、ハードベースのキートップと重なり合う前記箇所の表面に設けられ、前記穴が、キートップのハードベースと重なり合う前記箇所の裏面に設けられることを特徴とする、請求項1記載のキーユニット。
  3. 前記突起及び穴の形状が、互いに遊隙なく嵌り合う大きさの短円筒形であることを特徴とする、請求項1又は2記載のキーユニット。
  4. 前記突起及び穴の形状が、雄雌同形の円錐形であることを特徴とする、請求項1又は2記載のキーユニット。
  5. 前記突起及び穴の形状が、雄雌同形の半球形又は半球に満たない部分球面形状であることを特徴とする、請求項1又は2記載のキーユニット。
  6. 裏面所定の場所に位置決め手段としての突起又は穴を備えたキートップを硬質樹脂により形成する工程と、
    前記キートップ裏面の突起又は穴と嵌り合う穴又は突起と、透孔とを備えるハードベースを硬質樹脂により形成する工程と、
    前記ハードベースを射出成型用金型内に配置し、そこへゴム状弾性体材料を注入してハードベース中の透孔内にスカート部と、これに連なる中央台部と、該中央台部の裏面に一体に形成されたスイッチ押圧突起とを有するキーパッドを形成することにより、ハードベースとキーパッドからキーベースを複合的に形成する工程と、
    前記突起を前記穴に嵌入させることによりキートップをキーベース上の所定位置に載置した状態で、キートップをキーパッドの中央台部に接合する工程と、を有する請求項1乃至5のいずれかに記載のキーユニットを製造する方法。
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DE102016108406A1 (de) 2015-05-13 2016-11-17 Fanuc Corporation Tastenschalterstruktur

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