JP2004071394A - バッテリ式電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリ集合体の冷却風導入側において,複数の相隣る両棒状バッテリモジュール間に,冷却風をほぼ均等に導入する。
【解決手段】バッテリ式電源装置1はボックス2と,そのボックス2内に設置されたバッテリ集合体3とを備えている。第1バッテリモジュール群221 の複数の棒状バッテリモジュール22外周面と対向してそれらの軸線方向に延びる複数の導風板37が冷却風用導入路15内にそれぞれ配置される。各導風板37は,平板37aおよびその平板37aの冷却風用導入口14側の縁部から棒状バッテリモジュール22側に向かう折曲り板37bを有する。各導風板37の折曲り板37bは,それよりも冷却風の流れの上流側に在る導風板37の平板37aに添った冷却風の流れを相隣る両棒状バッテリモジュール22間に向かうように変更する機能を有する。
【選択図】 図3
【解決手段】バッテリ式電源装置1はボックス2と,そのボックス2内に設置されたバッテリ集合体3とを備えている。第1バッテリモジュール群221 の複数の棒状バッテリモジュール22外周面と対向してそれらの軸線方向に延びる複数の導風板37が冷却風用導入路15内にそれぞれ配置される。各導風板37は,平板37aおよびその平板37aの冷却風用導入口14側の縁部から棒状バッテリモジュール22側に向かう折曲り板37bを有する。各導風板37の折曲り板37bは,それよりも冷却風の流れの上流側に在る導風板37の平板37aに添った冷却風の流れを相隣る両棒状バッテリモジュール22間に向かうように変更する機能を有する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はバッテリ式電源装置,特に,バッテリ集合体を備え,バッテリカー,ハイブリッドカー,燃料電池車等に搭載されて動力源として用いられるものに関する。ここで,バッテリという概念には,プライマリ・バッテリ,セコンダリ・バッテリの外に大容量の電気二重層キャパシタといったように各種蓄電機能を持つものが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
従来,この種のバッテリ式電源装置としては,例えば,特開平10−255859号公報に開示されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来装置の場合,バッテリ集合体の冷却風導入側において,複数の棒状バッテリモジュールについて冷却風を均等に導入するための工夫が十分になされていないことからバッテリ集合体をその全体に亘って均一に冷却することが難しい,という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は,バッテリ集合体の冷却風導入側において,複数の棒状バッテリモジュールについて冷却風をほぼ均等に導入してバッテリ集合体をその全体に亘ってほぼ均一に冷却することができるようにした前記バッテリ式電源装置を提供することを目的とする。
【0005】
前記目的を達成するため本発明によれば,内部において,一端の冷却風導入側から他端の冷却風導出側に向って冷却風を流通させるようにしたボックスと,そのボックス内に設置されたバッテリ集合体とを備え,そのバッテリ集合体は,冷却風流通方向に沿って互に平行に,且つ間隔をとって並ぶ複数のバッテリモジュール群を有し,それらバッテリモジュール群は,軸線を冷却風流通方向と交差する仮想交差平面内でその冷却風流通方向と交差させて等間隔で並ぶ複数の棒状バッテリモジュールより構成され,また冷却風流通方向にて相隣る一方の棒状バッテリモジュールと他方の棒状バッテリモジュールの両軸線が冷却風流通方向と平行な仮想平行平面内に位置し,前記冷却風導入側に最も近い位置に在る最外側バッテリモジュール群の前記仮想交差平面およびその仮想交差平面と対向し,且つ前記ボックスの一部を構成する第1構成板内面は非平行であって,その第1構成板内面および前記最外側バッテリモジュール群間の空間は楔形をなす冷却風導入路であり,その楔形をなす冷却風用導入路の最も広い部位に,前記ボックスに設けられた冷却風用導入口が連通し,前記最外側バッテリモジュール群の複数の棒状バッテリモジュール外周面と対向してそれらの軸線方向に延びる複数の導風板が前記冷却風用導入路内にそれぞれ配置され,各導風板は,前記第1構成板内面と平行な平板およびその平板の冷却風用導入口側の縁部から前記棒状バッテリモジュール側に向かう折曲り板を有すると共に前記冷却風用導入口から最も遠い位置に在る前記導風板の平板および前記第1構成板内面間の間隔d2 が,相隣る両導風板の各平板平面を含む両仮想平面間の間隔d2 に等しくなるように位置決めされ,前記冷却風用導入口に最も近い前記導風板の前記折曲り板は,その導入口からの冷却風の流れを前記ボックスの一部を構成する第2構成板内面および前記棒状バッテリモジュール間に向かうように変更する機能を有し,前記冷却風用導入口から2番目以後の前記導風板の前記折曲り板は,それよりも冷却風の流れの上流側に在る前記導風板の前記平板に添った冷却風の流れを相隣る両棒状バッテリモジュール間に向かうように変更する機能を有し,前記冷却風用導入口から最も遠い前記導風板の平板は,それに添う冷却風の流れを前記ボックスの一部を構成する第3構成板内面に衝突させて,その第3構成体内面および前記棒状バッテリモジュール間に向かうように変更する機能を有する,バッテリ式電源装置が提供される。
【0006】
前記のように構成すると,ボックスおよび複数の導風板の協働により複数の棒状バッテリモジュールについて冷却風をほぼ均等に導入することができ,これによりバッテリ集合体をその全体に亘ってほぼ均一に冷却することが可能となる。この冷却風均等導入機能は,冷却能の調整のために導入路内の冷却風の流量や流速が変動した場合にも当然に維持される。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1,2において,バッテリ式電源装置1は,ほぼ直方体状をなすボックス2と,そのボックス2内に設置されたバッテリ集合体3とを備えている。ボックス2は鋼板製基台4と金属製(または合成樹脂製)カバー5とよりなる。基台4は,ほぼ直方体形ブロック状にまとめられたバッテリ集合体3を載せる支持板6と,その支持板6の一側縁から立上がると共にバッテリ集合体3の一側面側と対向する遮蔽板7とよりなる。支持板6は,間隔をとって配置された2つの凸条8を有し,各凸条8は遮蔽板7に対して直角をなすと共にその頂面9を平坦に形成されている。各凸条8の高さは,遮蔽板7側が最も低く,その遮蔽板7から離れるに従って漸増するようになっている。
【0008】
図3に示すように,基台4は各凸条8の頂面9が水平になるように設置される。またバッテリ集合体3の,遮蔽板7との対向側面側を除く,残りの三側面側は,カバー5の,遮蔽板7と対向する側板10および相対向する両側板11により覆われ,また上面側はカバー5の天井板12によって覆われている。カバー5の一側面側は開放されているが,その開口は上部を除いて遮蔽板7により閉鎖される。
【0009】
後述するように,ボックス2内においては,その一端側,つまり上部の冷却風導入側からその他端側,つまり下部の冷却風導出側に向って冷却風を流通させるようになっており,したがってバッテリ集合体3内における冷却風流通方向Aは上から下となる。
【0010】
図4にも示すように,バッテリ集合体3は,冷却風流通方向Aに沿って互に平行に,且つ間隔をとって並ぶ複数,実施例では第1〜第3バッテリモジュール群211 〜213 を有する。各バッテリモジュール群211 〜213 は,軸線を,冷却風流通方向Aと交差する仮想交差平面P1 内でその冷却風流通方向Aと交差させて等間隔で並ぶ複数の棒状バッテリモジュール22より構成される。棒状バッテリモジュール22の数は,実施例では第1,第2バッテリモジュール群211 ,212 が7つ,第3バッテリモジュール群213 が6つである。また冷却風流通方向Aにて相隣る一方の棒状バッテリモジュール22と他方の棒状バッテリ22の両軸線は冷却風流通方向Aと平行な仮想平行平面P2 内に位置する。第3バッテリモジュール群213 の棒状バッテリモジュール22の数を他のものよりも1つ減らした理由は,棒状バッテリモジュール22は接続上2つ1組となるので,その棒状バッテリモジュール22の数を偶数にするためである。
【0011】
図5に明示するように,各棒状バッテリモジュール22は,複数,実施例では6つのバッテリ(セコンダリ・バッテリ)23を,相隣る両バッテリ23が接続リング24を介して直列接続されるように連結したものである。各棒状バッテリモジュール22において,その一端面には六角形をなす正極25が突設され,また他端面には四角形をなす負極26が突設される。
【0012】
図3,6に示すように,第1バッテリモジュール群211 の7つの棒状バッテリモジュール22は,その軸線方向2箇所において所定の間隔で配置された2つの合成樹脂製角棒状グロメット27に支持されている。各グロメット27は上側の第1半体28と下側の第2半体29とよりなる。両半体28,29の合せ面30,31には各棒状バッテリモジュール22の接続リング24外周面に嵌まる7つの半円弧状凹部32,33が形成されている。第2バッテリモジュール群212 と両グロメット27との関係は第1バッテリモジュール群211 の場合と同じである。第3バッテリモジュール群213 の6つの棒状バッテリモジュール22は両グロメット27に前記同様に保持されており,遮蔽板7に隣接した両凹部32,33による円形保持孔には棒状バッテリモジュール22は存在しない。
【0013】
図3,7に明示するように冷却風導入側に最も近い位置に在る最外側バッテリモジュール群,つまり,第1バッテリモジュール群211 の仮想交差平面P1 と,その仮想交差平面P1 と対向し,且つボックス2の一部を構成する第1構成板,つまりカバー5の天井板12内面とは非平行,実施例では仮想交差平面P1 が水平であるのに対し,天井板12は傾斜していて,その天井板12内面および第1バッテリモジュール群211 間の空間は楔形をなす冷却風導入路15である。その楔形をなす冷却風用導入路15の最も広い部位に,ボックス2に設けられた冷却風用導入口14が連通する。実施例では,導入口14は,天井板12の延長部分12a,遮閉板7の上縁から外方へ折曲がる上縁板13および延長部分12aから垂下する両側板11の突出部分11aにより角筒形に形成されている。
【0014】
支持板6,遮蔽板7および上縁板13の両側縁に,それぞれ支持板6において上方へ折曲がるように一連の折曲げ縁部17が形成されており,両折曲げ縁部17の外面にはカバー5の相対向する両側板11の内面がそれぞれ密着し,また遮蔽板7と対向する側板10の下縁が両凸条8の頂面9にそれぞれ当接する。これにより,支持板6の両凸条8間および各凸条8の外側に存する3つの開口は冷却風用導出口18として機能し,これらの導出口18に連なるカバー5内の3つの楔形空間は冷却風用導出路19として機能する。各導出口18は共通のダクト16を介して吸引ファン20に接続される。
【0015】
図8にも示すように,基台4における両凸条8の頂面9間に,平面形状が支持板6よりも小さな合成樹脂製第3導風部材34の簀の子状本体34aが,その一側を遮蔽板7に当接させて渡されており,その簀の子状本体34aの上に,第3バッテリモジュール群213 を保持する両グロメット27が,それらの一側面を遮蔽板7に当接させて両凸条8の直上に位置するようにそれぞれ載置される。両グロメット27間には,第3導風部材34を裏返した形態を有する合成樹脂製第2導風部材35の簀の子状本体35aが,その一側縁を遮蔽板7に当接させて渡されると共に両簀の子状本体34a,35aに突設された複数のスペーサ34b,35bが相互に衝合されている。第2導風部材35の簀の子状本体35aの上に,第2バッテリモジュール群212 を保持する両グロメット27が,それらの一側面を遮蔽板7に当接させて第3バッテリモジュール群213 の両グロメット27の直上に位置するようにそれぞれ載置される。両グロメット27上には,第1バッテリモジュール群211 を保持する両グロメット27が,その一側面を遮蔽板7に当接させてそれぞれ載置される。両グロメット27間には第2,第3導風部材35,34とは形態を異にする合成樹脂製簀の子状第1導風部材36が,その一側縁を遮蔽板7に当接させて渡されている。各グロメット27と第1〜第3導風部材36〜34の冷却風流通方向Aと交差する方向の長さは等しい。
【0016】
このように,第1導風部材36は,冷却風用導入路15に最も近い第1バッテリモジュール群211 のその冷却風用導入路15側に配置され,また第2導風部材35は,第2および第3バッテリモジュール群212 ,213 間に配置され,さらに第3導風部材34は,第3バッテリモジュール群213 の冷却風用導出路19側に配置される。
【0017】
第1導風部材36は,第1バッテリモジュール群211 の複数,実施例では7つの棒状バッテリモジュール22の軸線方向に延びてそれら棒状バッテリモジュール22外周面と間隔をとって対向すると共に冷却風用導入路15内に配置された複数,実施例では7つの短冊状導風板37と,相隣る両導風板37間に在って相隣る両棒状バッテリモジュール22間の空間に臨む複数,実施例では6つの第1スリット381 とを有する。導入口14に最も近い位置に在る導風板37およびボックス2の一部を構成する第2構成板としての遮蔽板7間ならびに導入口14より最も遠い位置に在る導風板37およびボックス2の一部を構成する第3構成板としての側板10間にもそれぞれ第2スリット382 が形成されている。これら第2スリット382 の導風板37および遮蔽板7間ならびに導風板37および側板10間の間隔d1 に対し,各第1スリット381 の相隣る両導風板37間の間隔はd1 ×2=2d1 である。これは,第1スリット381 からバッテリ集合体3内に導入された冷却風は冷却風流通方向Aに沿って並ぶ2列の棒状バッテリモジュール22の冷却に用いられ,一方,第2スリット382 からバッテリ集合体3内に導入された冷却風は冷却風流通方向Aに沿って並ぶ一列の棒状バッテリモジュール22の冷却に用いられることに因る。
【0018】
各導風板37は,天井板12内面と平行な平板37aおよびその平板37aの冷却風用導入口14側の縁部から棒状バッテリモジュール22側に向かう折曲り板37bを有する。また各導風板37は,冷却風用導入口14から最も遠い位置に在る導風板37の平板37aおよび天井板12内面間の間隔d2 が相隣る両導風板37の各平板37a平面を含む両仮想平面P3 間の間隔d2 に等しくなるように位置決めされている。また導入口14に最も近い導風板37の前記平板37a平面を含む仮想平面P3 および遮蔽板7の上縁板13平面間の間隔d2 は前記間隔d2 と等しい。
【0019】
冷却風用導入口14に最も近い導風板37の折曲り板37bは,その導入口14からの,上縁板13に沿った冷却風の流れを遮蔽板7内面および棒状バッテリモジュール22間に向かうように変更する機能を有する。また冷却風用導入口14から2番目以後の各導風板37の折曲り板37bは,それよりも冷却風流れ上流側に在る導風板37の平板37aに添った冷却風の流れを相隣る両棒状バッテリモジュール22間に向かうように変更する機能を有する。さらに冷却風導入口14から最も遠い導風板37の平板37aは,それに添う冷却風の流れを,ボックス2の一部を構成する第3構成板としての側板10内面に衝突させて,その側板10内面および棒状バッテリモジュール22間に向かうように変更する機能を有する。
【0020】
第1バッテリモジュール群211 において,棒状バッテリモジュール22の外径をDとし,その外径Dに対応する導風板37の幅をW1 としたときW1 ≧Dに設定される。ここで,棒状バッテリモジュール22の外径Dとは,図5,9にも示すように,バッテリ23における負極側の有底筒体39の外径とする。これは以後同じである。
【0021】
第1導風部材36において,両グロメット27に対向する部分は,下向きに開口する浅いチャンネル材40よりなり,各チャンネル材40は各グロメット27に嵌まっている。導風板37は棒状バッテリモジュール22の軸線方向に4分割されていて,1番目の分割片は,その一端部を一方のチャンネル材40の一側面側に接合され,2番目の分割片は,その両端部を一方のチャンネル材40の他側面側およびそれに隣接するチャンネル材41の一側面側にそれぞれ接合され,3番目の分割片は短いチャンネル材41の他側面側および他方のチャンネル材40の一側面側にそれぞれ接合され,4番目の分割片は,その一端部を他方のチャンネル材40の他側面側に接合されている。
【0022】
第2導風部材35の簀の子状本体35aは,相隣る両短冊状平板35c間に在って,第2,第3バッテリモジュール群212 ,213 の各棒状バッテリモジュール22の外周面に対向する複数,実施例では各棒状バッテリモジュール22の軸線方向に延び,且つ途中で分断された7つのスリット42を有し,また棒状バッテリモジュール22の外径Dとその外径Dに対応するスリット42の幅W2 とがD>W2 の関係にある。
【0023】
第3導風部材34の簀の子状本体34aは,相隣る両短冊状平板34c間に在って,第3バッテリモジュール群213 の各棒状バッテリモジュール22外周面に対向する複数,実施例では各棒状バッテリモジュール22の軸線方向に延び,且つ途中で分断された7つのスリット43を有する。ただし,入口14に最も近い1つのスリット43は使用されない。また棒状バッテリモジュール22の外径Dとその外径Dに対応するスリット43の幅W3 とはD>W3 の関係にある。
【0024】
図2,3に示すように,2つの鋼製フレーム部材44の一端に存する取付部45が,2つの凸条8の,遮蔽板7と反対側の端部頂面9において,それら凸条8にボルト46aおよびナット46bによりそれぞれ固着される。図9にも示すように,各取付部45から立上がる鉛直部47はチャンネル形をなし,そのチャンネル48に各グロメット27の側部が嵌められている。図10にも示すように,各鉛直部47から折曲がる水平部49もチャンネル形をなし,そのチャンネル50は第1導風部材36のチャンネル材40に被せられており,水平部49とチャンネル材40との間には複数の板ばね51が配置される。それら板ばね51の弾発力で,第1〜第3導風部材36〜34および3つのグロメット27が支持板6に押圧される。各水平部49の端部に連設された取付部52は遮蔽板7に連なる上縁板13上に載置されて,それにボルト54およびナット55によって固着される。
【0025】
各フレーム部材44の水平部49において,その導入口14側の端部上面に,上面にナット56を有する支持部材57が設けられており,それらナット56上にカバー5の天井板12が載せられ,その天井板12を貫通するボルト58がナット56にねじ込まれている。これによりカバー5が各フレーム部材44に取付けられる。また図には省略したがカバー5の取付手段は外にも設けられている。
【0026】
図2,5,6に示すように,第1バッテリモジュール群211 の各棒状バッテリモジュール22と,それに隣接する第2バッテリモジュール群212 の各棒状バッテリモジュール22とは,それらの軸線方向中央部に存する接続リング24の位置で合成樹脂製クリップ59により接続されている。また図2,8に示すように第3バッテリモジュール群213 の各棒状バッテリモジュール22は,その軸線方向中央部に存する接続リング24の位置で,第2,第3導風部材35,34のスペーサ35b,34bに設けられた相対向する半円弧状凹部60,61間に挟持される。これにより,第1〜第3バッテリモジュール群211 〜213 における各棒状バッテリモジュール22の振動が抑制される。
【0027】
図7において,バッテリ集合体3の冷却に当り,吸引ファン20を作動させると,冷却風aが導入口14,導入路15,バッテリ集合体3内,導出路19,導出口18の順に流通する。この場合,各第1スリット381 からバッテリ集合体3内にほぼ等量の冷却風が導入され,一方,各第2スリット382 からバッテリ集合体3内にはほぼ等量であるが,第1スリット381 の冷却風量のほぼ2分の1量が導入される。そして冷却風aが第1導風部材36の各第1,第2スリット381 ,382 から,第1,第2バッテリモジュール群211 ,212 の各棒状バッテリモジュール22の両側を流通すると,導風板37およびそれと対向する棒状バッテリモジュール22外周面のほぼ4分の1の部分間に冷却能の低い冷却風の淀みsが形成され,また第1バッテリモジュール群21の棒状バッテリモジュール22外周面下側のほぼ4分の1の部分およびその下方においてそれと隣接する棒状バッテリモジュール22外周面上側のほぼ4分の1の部分間に冷却能の低い冷却風の淀みsが形成される。これにより,第1バッテリモジュール群21においては,各棒状バッテリモジュール22が,その両側を流れる冷却風aに,その外周面のぼぼ4分の2を曝すことによって冷却される。
【0028】
第2バッテリモジュール212 においては,各棒状バッテリモジュール22が,その両側を流れて第2導風部材35のスリット42に流込む冷却風aに,その外周面のほぼ4分の3を曝すことによって冷却される。
【0029】
第3バッテリモジュール群213 においては,各棒状バッテリモジュール22が,第2導風部材35のスリット42を通過してその棒状バッテリモジュール22外周面に沿って流れ,最終的に第3導風部材34のスリット43に流込む冷却風aに,その外周面全体を曝すことによって冷却される。
【0030】
冷却風aの冷却能は第1バッテリモジュール群211 から第2バッテリモジュール群212 を経て第3バッテリモジュール群213 に至る間に低下するが,それに応じて棒状バッテリモジュール22の冷却風aに曝される面積が増加するので,全部の棒状バッテリモジュール22をほぼ均一に冷却することができる。
【0031】
図11は導風板37の変形例を示す。この導風板37は,平板37aの,折曲り板37bが存する縁部とは反対側の縁部に第2の折曲り板37cを設けて,その第2の折曲り板37cと,それよりも冷却風流れ下流側にある導風板37の折曲り板37bとの協働で冷却風を相隣る両棒状バッテリモジュール22間に導入し易くしたものである。
【0032】
なお,天井板12を水平にする一方,バッテリ集合体3の各仮想交差平面P1 を天井板12に対して傾斜させることも可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば,前記のように構成することによって複数の棒状バッテリモジュールについて冷却風をほぼ均等に導入することができ,これによりバッテリ集合体をその全体に亘ってほぼ均一に冷却することが可能なバッテリ式電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バッテリ式電源装置の斜視図である。
【図2】バッテリ集合体と基台等との関係を示す斜視図である。
【図3】図1,2の3−3線断面図である。
【図4】棒状バッテリモジュールの配列を説明する斜視図である。
【図5】棒状バッテリモジュールの斜視図である。
【図6】棒状バッテリモジュールとグロメットとの関係を示す要部斜視図である。
【図7】バッテリ式電源装置における冷却風の流れを示す説明図である。
【図8】第1〜第3導風部材とグロメットとの関係を示す斜視図である。
【図9】図3の要部拡大図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】導風板の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1………………バッテリ式電源装置
2………………ボックス
3………………バッテリ集合体
7………………遮蔽板(第2構成板)
10……………側板(第3構成板)
12……………天井板(第1構成板)
14……………冷却風用導入口
15……………冷却風用導入路
211 〜213 ……第1〜第3バッテリモジュール群
22……………棒状バッテリモジュール
37……………導風板
37a…………平板
37b…………折曲り板
A………………冷却風流通方向
P1 ……………仮想交差平面
P2 ……………仮想平行平面
P3 ……………仮想平面
d2 ……………間隔
【発明の属する技術分野】
本発明はバッテリ式電源装置,特に,バッテリ集合体を備え,バッテリカー,ハイブリッドカー,燃料電池車等に搭載されて動力源として用いられるものに関する。ここで,バッテリという概念には,プライマリ・バッテリ,セコンダリ・バッテリの外に大容量の電気二重層キャパシタといったように各種蓄電機能を持つものが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
従来,この種のバッテリ式電源装置としては,例えば,特開平10−255859号公報に開示されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来装置の場合,バッテリ集合体の冷却風導入側において,複数の棒状バッテリモジュールについて冷却風を均等に導入するための工夫が十分になされていないことからバッテリ集合体をその全体に亘って均一に冷却することが難しい,という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は,バッテリ集合体の冷却風導入側において,複数の棒状バッテリモジュールについて冷却風をほぼ均等に導入してバッテリ集合体をその全体に亘ってほぼ均一に冷却することができるようにした前記バッテリ式電源装置を提供することを目的とする。
【0005】
前記目的を達成するため本発明によれば,内部において,一端の冷却風導入側から他端の冷却風導出側に向って冷却風を流通させるようにしたボックスと,そのボックス内に設置されたバッテリ集合体とを備え,そのバッテリ集合体は,冷却風流通方向に沿って互に平行に,且つ間隔をとって並ぶ複数のバッテリモジュール群を有し,それらバッテリモジュール群は,軸線を冷却風流通方向と交差する仮想交差平面内でその冷却風流通方向と交差させて等間隔で並ぶ複数の棒状バッテリモジュールより構成され,また冷却風流通方向にて相隣る一方の棒状バッテリモジュールと他方の棒状バッテリモジュールの両軸線が冷却風流通方向と平行な仮想平行平面内に位置し,前記冷却風導入側に最も近い位置に在る最外側バッテリモジュール群の前記仮想交差平面およびその仮想交差平面と対向し,且つ前記ボックスの一部を構成する第1構成板内面は非平行であって,その第1構成板内面および前記最外側バッテリモジュール群間の空間は楔形をなす冷却風導入路であり,その楔形をなす冷却風用導入路の最も広い部位に,前記ボックスに設けられた冷却風用導入口が連通し,前記最外側バッテリモジュール群の複数の棒状バッテリモジュール外周面と対向してそれらの軸線方向に延びる複数の導風板が前記冷却風用導入路内にそれぞれ配置され,各導風板は,前記第1構成板内面と平行な平板およびその平板の冷却風用導入口側の縁部から前記棒状バッテリモジュール側に向かう折曲り板を有すると共に前記冷却風用導入口から最も遠い位置に在る前記導風板の平板および前記第1構成板内面間の間隔d2 が,相隣る両導風板の各平板平面を含む両仮想平面間の間隔d2 に等しくなるように位置決めされ,前記冷却風用導入口に最も近い前記導風板の前記折曲り板は,その導入口からの冷却風の流れを前記ボックスの一部を構成する第2構成板内面および前記棒状バッテリモジュール間に向かうように変更する機能を有し,前記冷却風用導入口から2番目以後の前記導風板の前記折曲り板は,それよりも冷却風の流れの上流側に在る前記導風板の前記平板に添った冷却風の流れを相隣る両棒状バッテリモジュール間に向かうように変更する機能を有し,前記冷却風用導入口から最も遠い前記導風板の平板は,それに添う冷却風の流れを前記ボックスの一部を構成する第3構成板内面に衝突させて,その第3構成体内面および前記棒状バッテリモジュール間に向かうように変更する機能を有する,バッテリ式電源装置が提供される。
【0006】
前記のように構成すると,ボックスおよび複数の導風板の協働により複数の棒状バッテリモジュールについて冷却風をほぼ均等に導入することができ,これによりバッテリ集合体をその全体に亘ってほぼ均一に冷却することが可能となる。この冷却風均等導入機能は,冷却能の調整のために導入路内の冷却風の流量や流速が変動した場合にも当然に維持される。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1,2において,バッテリ式電源装置1は,ほぼ直方体状をなすボックス2と,そのボックス2内に設置されたバッテリ集合体3とを備えている。ボックス2は鋼板製基台4と金属製(または合成樹脂製)カバー5とよりなる。基台4は,ほぼ直方体形ブロック状にまとめられたバッテリ集合体3を載せる支持板6と,その支持板6の一側縁から立上がると共にバッテリ集合体3の一側面側と対向する遮蔽板7とよりなる。支持板6は,間隔をとって配置された2つの凸条8を有し,各凸条8は遮蔽板7に対して直角をなすと共にその頂面9を平坦に形成されている。各凸条8の高さは,遮蔽板7側が最も低く,その遮蔽板7から離れるに従って漸増するようになっている。
【0008】
図3に示すように,基台4は各凸条8の頂面9が水平になるように設置される。またバッテリ集合体3の,遮蔽板7との対向側面側を除く,残りの三側面側は,カバー5の,遮蔽板7と対向する側板10および相対向する両側板11により覆われ,また上面側はカバー5の天井板12によって覆われている。カバー5の一側面側は開放されているが,その開口は上部を除いて遮蔽板7により閉鎖される。
【0009】
後述するように,ボックス2内においては,その一端側,つまり上部の冷却風導入側からその他端側,つまり下部の冷却風導出側に向って冷却風を流通させるようになっており,したがってバッテリ集合体3内における冷却風流通方向Aは上から下となる。
【0010】
図4にも示すように,バッテリ集合体3は,冷却風流通方向Aに沿って互に平行に,且つ間隔をとって並ぶ複数,実施例では第1〜第3バッテリモジュール群211 〜213 を有する。各バッテリモジュール群211 〜213 は,軸線を,冷却風流通方向Aと交差する仮想交差平面P1 内でその冷却風流通方向Aと交差させて等間隔で並ぶ複数の棒状バッテリモジュール22より構成される。棒状バッテリモジュール22の数は,実施例では第1,第2バッテリモジュール群211 ,212 が7つ,第3バッテリモジュール群213 が6つである。また冷却風流通方向Aにて相隣る一方の棒状バッテリモジュール22と他方の棒状バッテリ22の両軸線は冷却風流通方向Aと平行な仮想平行平面P2 内に位置する。第3バッテリモジュール群213 の棒状バッテリモジュール22の数を他のものよりも1つ減らした理由は,棒状バッテリモジュール22は接続上2つ1組となるので,その棒状バッテリモジュール22の数を偶数にするためである。
【0011】
図5に明示するように,各棒状バッテリモジュール22は,複数,実施例では6つのバッテリ(セコンダリ・バッテリ)23を,相隣る両バッテリ23が接続リング24を介して直列接続されるように連結したものである。各棒状バッテリモジュール22において,その一端面には六角形をなす正極25が突設され,また他端面には四角形をなす負極26が突設される。
【0012】
図3,6に示すように,第1バッテリモジュール群211 の7つの棒状バッテリモジュール22は,その軸線方向2箇所において所定の間隔で配置された2つの合成樹脂製角棒状グロメット27に支持されている。各グロメット27は上側の第1半体28と下側の第2半体29とよりなる。両半体28,29の合せ面30,31には各棒状バッテリモジュール22の接続リング24外周面に嵌まる7つの半円弧状凹部32,33が形成されている。第2バッテリモジュール群212 と両グロメット27との関係は第1バッテリモジュール群211 の場合と同じである。第3バッテリモジュール群213 の6つの棒状バッテリモジュール22は両グロメット27に前記同様に保持されており,遮蔽板7に隣接した両凹部32,33による円形保持孔には棒状バッテリモジュール22は存在しない。
【0013】
図3,7に明示するように冷却風導入側に最も近い位置に在る最外側バッテリモジュール群,つまり,第1バッテリモジュール群211 の仮想交差平面P1 と,その仮想交差平面P1 と対向し,且つボックス2の一部を構成する第1構成板,つまりカバー5の天井板12内面とは非平行,実施例では仮想交差平面P1 が水平であるのに対し,天井板12は傾斜していて,その天井板12内面および第1バッテリモジュール群211 間の空間は楔形をなす冷却風導入路15である。その楔形をなす冷却風用導入路15の最も広い部位に,ボックス2に設けられた冷却風用導入口14が連通する。実施例では,導入口14は,天井板12の延長部分12a,遮閉板7の上縁から外方へ折曲がる上縁板13および延長部分12aから垂下する両側板11の突出部分11aにより角筒形に形成されている。
【0014】
支持板6,遮蔽板7および上縁板13の両側縁に,それぞれ支持板6において上方へ折曲がるように一連の折曲げ縁部17が形成されており,両折曲げ縁部17の外面にはカバー5の相対向する両側板11の内面がそれぞれ密着し,また遮蔽板7と対向する側板10の下縁が両凸条8の頂面9にそれぞれ当接する。これにより,支持板6の両凸条8間および各凸条8の外側に存する3つの開口は冷却風用導出口18として機能し,これらの導出口18に連なるカバー5内の3つの楔形空間は冷却風用導出路19として機能する。各導出口18は共通のダクト16を介して吸引ファン20に接続される。
【0015】
図8にも示すように,基台4における両凸条8の頂面9間に,平面形状が支持板6よりも小さな合成樹脂製第3導風部材34の簀の子状本体34aが,その一側を遮蔽板7に当接させて渡されており,その簀の子状本体34aの上に,第3バッテリモジュール群213 を保持する両グロメット27が,それらの一側面を遮蔽板7に当接させて両凸条8の直上に位置するようにそれぞれ載置される。両グロメット27間には,第3導風部材34を裏返した形態を有する合成樹脂製第2導風部材35の簀の子状本体35aが,その一側縁を遮蔽板7に当接させて渡されると共に両簀の子状本体34a,35aに突設された複数のスペーサ34b,35bが相互に衝合されている。第2導風部材35の簀の子状本体35aの上に,第2バッテリモジュール群212 を保持する両グロメット27が,それらの一側面を遮蔽板7に当接させて第3バッテリモジュール群213 の両グロメット27の直上に位置するようにそれぞれ載置される。両グロメット27上には,第1バッテリモジュール群211 を保持する両グロメット27が,その一側面を遮蔽板7に当接させてそれぞれ載置される。両グロメット27間には第2,第3導風部材35,34とは形態を異にする合成樹脂製簀の子状第1導風部材36が,その一側縁を遮蔽板7に当接させて渡されている。各グロメット27と第1〜第3導風部材36〜34の冷却風流通方向Aと交差する方向の長さは等しい。
【0016】
このように,第1導風部材36は,冷却風用導入路15に最も近い第1バッテリモジュール群211 のその冷却風用導入路15側に配置され,また第2導風部材35は,第2および第3バッテリモジュール群212 ,213 間に配置され,さらに第3導風部材34は,第3バッテリモジュール群213 の冷却風用導出路19側に配置される。
【0017】
第1導風部材36は,第1バッテリモジュール群211 の複数,実施例では7つの棒状バッテリモジュール22の軸線方向に延びてそれら棒状バッテリモジュール22外周面と間隔をとって対向すると共に冷却風用導入路15内に配置された複数,実施例では7つの短冊状導風板37と,相隣る両導風板37間に在って相隣る両棒状バッテリモジュール22間の空間に臨む複数,実施例では6つの第1スリット381 とを有する。導入口14に最も近い位置に在る導風板37およびボックス2の一部を構成する第2構成板としての遮蔽板7間ならびに導入口14より最も遠い位置に在る導風板37およびボックス2の一部を構成する第3構成板としての側板10間にもそれぞれ第2スリット382 が形成されている。これら第2スリット382 の導風板37および遮蔽板7間ならびに導風板37および側板10間の間隔d1 に対し,各第1スリット381 の相隣る両導風板37間の間隔はd1 ×2=2d1 である。これは,第1スリット381 からバッテリ集合体3内に導入された冷却風は冷却風流通方向Aに沿って並ぶ2列の棒状バッテリモジュール22の冷却に用いられ,一方,第2スリット382 からバッテリ集合体3内に導入された冷却風は冷却風流通方向Aに沿って並ぶ一列の棒状バッテリモジュール22の冷却に用いられることに因る。
【0018】
各導風板37は,天井板12内面と平行な平板37aおよびその平板37aの冷却風用導入口14側の縁部から棒状バッテリモジュール22側に向かう折曲り板37bを有する。また各導風板37は,冷却風用導入口14から最も遠い位置に在る導風板37の平板37aおよび天井板12内面間の間隔d2 が相隣る両導風板37の各平板37a平面を含む両仮想平面P3 間の間隔d2 に等しくなるように位置決めされている。また導入口14に最も近い導風板37の前記平板37a平面を含む仮想平面P3 および遮蔽板7の上縁板13平面間の間隔d2 は前記間隔d2 と等しい。
【0019】
冷却風用導入口14に最も近い導風板37の折曲り板37bは,その導入口14からの,上縁板13に沿った冷却風の流れを遮蔽板7内面および棒状バッテリモジュール22間に向かうように変更する機能を有する。また冷却風用導入口14から2番目以後の各導風板37の折曲り板37bは,それよりも冷却風流れ上流側に在る導風板37の平板37aに添った冷却風の流れを相隣る両棒状バッテリモジュール22間に向かうように変更する機能を有する。さらに冷却風導入口14から最も遠い導風板37の平板37aは,それに添う冷却風の流れを,ボックス2の一部を構成する第3構成板としての側板10内面に衝突させて,その側板10内面および棒状バッテリモジュール22間に向かうように変更する機能を有する。
【0020】
第1バッテリモジュール群211 において,棒状バッテリモジュール22の外径をDとし,その外径Dに対応する導風板37の幅をW1 としたときW1 ≧Dに設定される。ここで,棒状バッテリモジュール22の外径Dとは,図5,9にも示すように,バッテリ23における負極側の有底筒体39の外径とする。これは以後同じである。
【0021】
第1導風部材36において,両グロメット27に対向する部分は,下向きに開口する浅いチャンネル材40よりなり,各チャンネル材40は各グロメット27に嵌まっている。導風板37は棒状バッテリモジュール22の軸線方向に4分割されていて,1番目の分割片は,その一端部を一方のチャンネル材40の一側面側に接合され,2番目の分割片は,その両端部を一方のチャンネル材40の他側面側およびそれに隣接するチャンネル材41の一側面側にそれぞれ接合され,3番目の分割片は短いチャンネル材41の他側面側および他方のチャンネル材40の一側面側にそれぞれ接合され,4番目の分割片は,その一端部を他方のチャンネル材40の他側面側に接合されている。
【0022】
第2導風部材35の簀の子状本体35aは,相隣る両短冊状平板35c間に在って,第2,第3バッテリモジュール群212 ,213 の各棒状バッテリモジュール22の外周面に対向する複数,実施例では各棒状バッテリモジュール22の軸線方向に延び,且つ途中で分断された7つのスリット42を有し,また棒状バッテリモジュール22の外径Dとその外径Dに対応するスリット42の幅W2 とがD>W2 の関係にある。
【0023】
第3導風部材34の簀の子状本体34aは,相隣る両短冊状平板34c間に在って,第3バッテリモジュール群213 の各棒状バッテリモジュール22外周面に対向する複数,実施例では各棒状バッテリモジュール22の軸線方向に延び,且つ途中で分断された7つのスリット43を有する。ただし,入口14に最も近い1つのスリット43は使用されない。また棒状バッテリモジュール22の外径Dとその外径Dに対応するスリット43の幅W3 とはD>W3 の関係にある。
【0024】
図2,3に示すように,2つの鋼製フレーム部材44の一端に存する取付部45が,2つの凸条8の,遮蔽板7と反対側の端部頂面9において,それら凸条8にボルト46aおよびナット46bによりそれぞれ固着される。図9にも示すように,各取付部45から立上がる鉛直部47はチャンネル形をなし,そのチャンネル48に各グロメット27の側部が嵌められている。図10にも示すように,各鉛直部47から折曲がる水平部49もチャンネル形をなし,そのチャンネル50は第1導風部材36のチャンネル材40に被せられており,水平部49とチャンネル材40との間には複数の板ばね51が配置される。それら板ばね51の弾発力で,第1〜第3導風部材36〜34および3つのグロメット27が支持板6に押圧される。各水平部49の端部に連設された取付部52は遮蔽板7に連なる上縁板13上に載置されて,それにボルト54およびナット55によって固着される。
【0025】
各フレーム部材44の水平部49において,その導入口14側の端部上面に,上面にナット56を有する支持部材57が設けられており,それらナット56上にカバー5の天井板12が載せられ,その天井板12を貫通するボルト58がナット56にねじ込まれている。これによりカバー5が各フレーム部材44に取付けられる。また図には省略したがカバー5の取付手段は外にも設けられている。
【0026】
図2,5,6に示すように,第1バッテリモジュール群211 の各棒状バッテリモジュール22と,それに隣接する第2バッテリモジュール群212 の各棒状バッテリモジュール22とは,それらの軸線方向中央部に存する接続リング24の位置で合成樹脂製クリップ59により接続されている。また図2,8に示すように第3バッテリモジュール群213 の各棒状バッテリモジュール22は,その軸線方向中央部に存する接続リング24の位置で,第2,第3導風部材35,34のスペーサ35b,34bに設けられた相対向する半円弧状凹部60,61間に挟持される。これにより,第1〜第3バッテリモジュール群211 〜213 における各棒状バッテリモジュール22の振動が抑制される。
【0027】
図7において,バッテリ集合体3の冷却に当り,吸引ファン20を作動させると,冷却風aが導入口14,導入路15,バッテリ集合体3内,導出路19,導出口18の順に流通する。この場合,各第1スリット381 からバッテリ集合体3内にほぼ等量の冷却風が導入され,一方,各第2スリット382 からバッテリ集合体3内にはほぼ等量であるが,第1スリット381 の冷却風量のほぼ2分の1量が導入される。そして冷却風aが第1導風部材36の各第1,第2スリット381 ,382 から,第1,第2バッテリモジュール群211 ,212 の各棒状バッテリモジュール22の両側を流通すると,導風板37およびそれと対向する棒状バッテリモジュール22外周面のほぼ4分の1の部分間に冷却能の低い冷却風の淀みsが形成され,また第1バッテリモジュール群21の棒状バッテリモジュール22外周面下側のほぼ4分の1の部分およびその下方においてそれと隣接する棒状バッテリモジュール22外周面上側のほぼ4分の1の部分間に冷却能の低い冷却風の淀みsが形成される。これにより,第1バッテリモジュール群21においては,各棒状バッテリモジュール22が,その両側を流れる冷却風aに,その外周面のぼぼ4分の2を曝すことによって冷却される。
【0028】
第2バッテリモジュール212 においては,各棒状バッテリモジュール22が,その両側を流れて第2導風部材35のスリット42に流込む冷却風aに,その外周面のほぼ4分の3を曝すことによって冷却される。
【0029】
第3バッテリモジュール群213 においては,各棒状バッテリモジュール22が,第2導風部材35のスリット42を通過してその棒状バッテリモジュール22外周面に沿って流れ,最終的に第3導風部材34のスリット43に流込む冷却風aに,その外周面全体を曝すことによって冷却される。
【0030】
冷却風aの冷却能は第1バッテリモジュール群211 から第2バッテリモジュール群212 を経て第3バッテリモジュール群213 に至る間に低下するが,それに応じて棒状バッテリモジュール22の冷却風aに曝される面積が増加するので,全部の棒状バッテリモジュール22をほぼ均一に冷却することができる。
【0031】
図11は導風板37の変形例を示す。この導風板37は,平板37aの,折曲り板37bが存する縁部とは反対側の縁部に第2の折曲り板37cを設けて,その第2の折曲り板37cと,それよりも冷却風流れ下流側にある導風板37の折曲り板37bとの協働で冷却風を相隣る両棒状バッテリモジュール22間に導入し易くしたものである。
【0032】
なお,天井板12を水平にする一方,バッテリ集合体3の各仮想交差平面P1 を天井板12に対して傾斜させることも可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば,前記のように構成することによって複数の棒状バッテリモジュールについて冷却風をほぼ均等に導入することができ,これによりバッテリ集合体をその全体に亘ってほぼ均一に冷却することが可能なバッテリ式電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バッテリ式電源装置の斜視図である。
【図2】バッテリ集合体と基台等との関係を示す斜視図である。
【図3】図1,2の3−3線断面図である。
【図4】棒状バッテリモジュールの配列を説明する斜視図である。
【図5】棒状バッテリモジュールの斜視図である。
【図6】棒状バッテリモジュールとグロメットとの関係を示す要部斜視図である。
【図7】バッテリ式電源装置における冷却風の流れを示す説明図である。
【図8】第1〜第3導風部材とグロメットとの関係を示す斜視図である。
【図9】図3の要部拡大図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】導風板の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1………………バッテリ式電源装置
2………………ボックス
3………………バッテリ集合体
7………………遮蔽板(第2構成板)
10……………側板(第3構成板)
12……………天井板(第1構成板)
14……………冷却風用導入口
15……………冷却風用導入路
211 〜213 ……第1〜第3バッテリモジュール群
22……………棒状バッテリモジュール
37……………導風板
37a…………平板
37b…………折曲り板
A………………冷却風流通方向
P1 ……………仮想交差平面
P2 ……………仮想平行平面
P3 ……………仮想平面
d2 ……………間隔
Claims (1)
- 内部において,一端の冷却風導入側から他端の冷却風導出側に向って冷却風を流通させるようにしたボックス(2)と,そのボックス(2)内に設置されたバッテリ集合体(3)とを備え,そのバッテリ集合体(3)は,冷却風流通方向(A)に沿って互に平行に,且つ間隔をとって並ぶ複数のバッテリモジュール群(211 〜213 )を有し,それらバッテリモジュール群(211 〜213 )は,軸線を冷却風流通方向(A)と交差する仮想交差平面(P1 )内でその冷却風流通方向(A)と交差させて等間隔で並ぶ複数の棒状バッテリモジュール(22)より構成され,また冷却風流通方向(A)にて相隣る一方の棒状バッテリモジュール(22)と他方の棒状バッテリモジュール(22)の両軸線が冷却風流通方向(A)と平行な仮想平行平面(P2 )内に位置し,前記冷却風導入側に最も近い位置に在る最外側バッテリモジュール群(211 )の前記仮想交差平面(P1 )およびその仮想交差平面(P1 )と対向し,且つ前記ボックス(2)の一部を構成する第1構成板(12)内面は非平行であって,その第1構成板(12)内面および前記最外側バッテリモジュール群(211 )間の空間は楔形をなす冷却風導入路(15)であり,その楔形をなす冷却風用導入路(15)の最も広い部位に,前記ボックス(2)に設けられた冷却風用導入口(14)が連通し,前記最外側バッテリモジュール群(221 )の複数の棒状バッテリモジュール(22)外周面と対向してそれらの軸線方向に延びる複数の導風板(37)が前記冷却風用導入路(15)内にそれぞれ配置され,各導風板(37)は,前記第1構成板(12)内面と平行な平板(37a)およびその平板(37a)の冷却風用導入口(14)側の縁部から前記棒状バッテリモジュール(22)側に向かう折曲り板(37b)を有すると共に前記冷却風用導入口(14)から最も遠い位置に在る前記導風板(37)の平板(37a)および前記第1構成板(12)内面間の間隔d2 が,相隣る両導風板(37)の各平板(37a)平面を含む両仮想平面(P3 )間の間隔d2 に等しくなるように位置決めされ,前記冷却風用導入口(14)に最も近い前記導風板(37)の前記折曲り板(37b)は,その導入口(14)からの冷却風の流れを前記ボックス(2)の一部を構成する第2構成板(7)内面および前記棒状バッテリモジュール(22)間に向かうように変更する機能を有し,前記冷却風用導入口(14)から2番目以後の前記導風板(37)の前記折曲り板(37b)は,それよりも冷却風の流れの上流側に在る前記導風板(37)の前記平板(37a)に添った冷却風の流れを相隣る両棒状バッテリモジュール(22)間に向かうように変更する機能を有し,前記冷却風用導入口(14)から最も遠い前記導風板(37)の平板(37a)は,それに添う冷却風の流れを前記ボックス(2)の一部を構成する第3構成板(10)内面に衝突させて,その第3構成体(10)内面および前記棒状バッテリモジュール(22)間に向かうように変更する機能を有することを特徴とするバッテリ式電源装置。
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