JP2004070673A - カードリーダライタ - Google Patents
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Abstract
【課題】薄手のカードを適正に処理するとともに、厚手のカードをカード搬送路内で詰まらせずに搬送することのできるカードリーダライタを提供する。
【解決手段】カード投入口3と読み書き部7との間に設けられた湾曲したカード搬送路6のカード投入口3側に、第1搬送用駆動ローラ8および入口ローラ10を対向配置する。さらに、カード搬送路6の読み書き部7側に、第2搬送用駆動ローラ9および厚手カード搬送ローラ11を、薄手のカードは挟持せず厚手のカードは挟持するように非接触状態で対向配置する。これにより、薄手のカードには、読み書き部7への搬送前に過剰な搬送力が作用せず、その読み取り/書き込み処理を適正に行うことができる。一方、厚手のカードに対しては、強い搬送力を作用させることができ、カード搬送路内での詰まりの発生を防止することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】カード投入口3と読み書き部7との間に設けられた湾曲したカード搬送路6のカード投入口3側に、第1搬送用駆動ローラ8および入口ローラ10を対向配置する。さらに、カード搬送路6の読み書き部7側に、第2搬送用駆動ローラ9および厚手カード搬送ローラ11を、薄手のカードは挟持せず厚手のカードは挟持するように非接触状態で対向配置する。これにより、薄手のカードには、読み書き部7への搬送前に過剰な搬送力が作用せず、その読み取り/書き込み処理を適正に行うことができる。一方、厚手のカードに対しては、強い搬送力を作用させることができ、カード搬送路内での詰まりの発生を防止することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカードリーダライタに関し、特にポリエチレンテレフタレート(PET)を用いて作製されたPETカードなど、厚みが薄く柔軟性のあるカード型の情報記録媒体に対して情報の読み取り/書き込みを行うためのカードリーダライタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリペイドカードやポイントカードあるいは各種交通機関が発行する定期券などには、いわゆるPETカードなど、その厚みが薄く柔軟性のあるカード型の情報記録媒体が広く利用されている。
【0003】
このようなカードを利用する店舗や交通機関の券売機などには、そのカードに対して情報の読み取りまたは書き込みを行うためのカードリーダライタが設置あるいは機器に搭載されている。カードリーダライタは、これにカードが投入されると、そのカードを内部へ搬送し、読み書き部においてそのカードに対し、記録されている情報を読み取ったり新たな情報を書き込んだりすることができるようになっている。
【0004】
従来、薄くて柔軟性のあるカードを取り扱うカードリーダライタは、そのスペース効率を考慮し、カード投入時にはカードが水平方向に投入されるようにし、その後、そのカードの搬送方向を鉛直方向に転換してから読み書き部で処理するように構成されている場合が多い。その場合、投入後のカードは、まず水平方向に搬送された後、湾曲形状にした搬送路に沿って変形しながら搬送され、その搬送方向を徐々に鉛直方向に転換される。読み書き部では、カードはその柔軟性により形状を回復したストレートの状態で読み取り/書き込み処理が行われる。読み取り/書き込み処理の終了したカードは、搬送路を逆方向に搬送されてカードの投入口へと返却されるか、あるいはカードリーダライタ内部に回収される。
【0005】
ところで、このように薄くて柔軟性のあるカード(以下「薄手のカード」という)を取り扱うカードリーダライタにおいて、例えば免許証のような厚くて剛性のあるカード(以下「厚手のカード」という)が投入されてしまった場合には、その搬送あるいは返却時に、搬送路の湾曲形状にした部分(以下「湾曲部」という)で詰まりが発生してしまう場合がある。
【0006】
湾曲形状の搬送路内で厚手のカードを詰まらせないようにするための改善策としては、湾曲部付近に、このような厚手のカードの搬送時に発生する抵抗(摩擦)力に打ち勝つ搬送力向上のための搬送ローラを追加して設けることなどが考えられる。
【0007】
しかし、湾曲部では、問題となる厚手のカードのほか、本来適正に処理すべき薄手のカードをも通過させなければならない。厚手のカードを搬送することができるような強い搬送力を実現する搬送ローラで、従来の薄手のカードを搬送させようとすると、変形しながら搬送される薄手のカードに過剰な搬送力が作用し、その後の読み書き部における読み取り/書き込み処理に支障をきたす場合がある。
【0008】
実開平5−64959号公報では、本来厚手のカードを取り扱うカードリーダライタに薄手のカードが投入されてしまった場合に生じる不都合を回避するためのカード搬送機構が提案されている。
【0009】
この提案においては、水平方向に投入された厚手のカードを、搬送路を挟んで対向配置された複数のローラによってそのまま水平方向へと搬送するカード搬送機構であって、搬送するカードの厚みを検知し、その厚みに応じてローラをカード厚み方向に一括して移動し、対向するローラ間のギャップを変化させることで、厚みの異なるカードをそれぞれ挟持して搬送するようにしている。
【0010】
さらに、同提案においては、厚手のカードおよび薄手のカードのそれぞれの搬送に適したギャップと材質で設けられている主ローラおよび補助ローラを同軸上に配置したカード搬送機構を設け、厚みの異なるそれぞれのカードを挟持して搬送するようにしている。補助ローラの材質としてここでは柔軟な発泡性ゴムが例示されており、薄手のカードを搬送できるギャップ(例えばゼロ)で補助ローラを配置していても、厚手のカードはこれを通過することができるようにされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来提案されているカード搬送機構を、本来薄手のカードを水平方向から鉛直方向にその搬送方向を転換させて搬送するような湾曲部を有するカードリーダライタにそのまま適用する場合には、次のような問題点が生じる。
【0012】
従来のカード搬送機構を適用しようとした場合、まず、湾曲部到達前に投入されたカードの厚みを判定するためのカード厚検知手段や、厚手のカードが投入されたときにその厚みに応じて対向するローラ間のギャップを変化させる可変手段などを追加する必要があり、カードリーダライタが大型化してしまうという問題点がある。
【0013】
さらに、同軸上に主ローラおよび補助ローラを配置したようなローラを湾曲部に設けた場合には、厚手のカードは主ローラで搬送するとともに補助ローラを通過させ、一方、本来適正に搬送すべき薄手のカードは補助ローラによって搬送することになる。しかし、この場合でも、厚手のカードが湾曲部を通過する際には、搬送方向が変化し続けているために、水平方向のまま対向する補助ローラ間に進入する従来の場合とは異なり、ギャップがほとんど設けられていない補助ローラで詰まりが発生する可能性がある。さらに、変形しながら搬送される薄手のカードに強い搬送力が加わり、その後の読み取り/書き込み処理に支障をきたす可能性もある。
【0014】
このように、薄手のカードを取り扱うカードリーダライタにおいて、厚手のカードが投入されてしまった場合における搬送路湾曲部での詰まりの発生を防止するための有効な改善策は未だ得られていないのが現状である。このような厚手のカードの搬送路内での詰まりは、以降のカードの受け入れ拒否あるいはカードリーダライタの作動停止などを引き起こし、薄手のカードの適正な処理を阻害することとなる。
【0015】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、薄手のカードを正常に搬送してその情報の読み取り/書き込み処理を適正に行い、かつ、厚手のカードを湾曲形状の搬送路内で詰まらせることなく搬送することのできるカードリーダライタを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、薄手のカードまたは厚手のカードが投入されるカード投入口と、前記薄手のカードに対して情報の読み取りまたは書き込みが行われる読み書き部と、前記カード投入口と前記読み書き部との間に配置されて、前記カード投入口に投入された前記薄手のカードまたは前記厚手のカードの搬送方向を転換して前記読み書き部の側に搬送するための湾曲したカード搬送路と、を有するカードリーダライタにおいて、前記カード搬送路の前記カード投入口の側に配置されて、前記カード投入口に投入された前記薄手のカードまたは前記厚手のカードをそれぞれ挟持して前記読み書き部の側に搬送する一対のローラを有するカード投入口側ローラ部と、前記カード搬送路の前記読み書き部の側に、前記薄手のカードは挟持せず前記厚手のカードは挟持するように間隔を設けて配置された一対のローラを有する読み書き部側ローラ部と、を有することを特徴とするカードリーダライタが提供される。
【0017】
このようなカードリーダライタでは、カード投入口側ローラ部の一対のローラが、薄手のカードまたは厚手のカードのそれぞれを挟持するように配置されており、読み書き部側ローラ部の一対のローラが、薄手のカードを挟持せずに厚手のカードを挟持することができるような間隔を保って配置されている。カードリーダライタに投入される薄手のカードおよび厚手のカードのうち、薄手のカードは読み書き部側ローラ部において挟持されないため、読み書き部への搬送前に薄手のカードに対しては読み書き部側ローラ部の搬送力が作用しない。一方、厚手のカードは読み書き部側ローラ部において挟持されることで、厚手のカードに対しては読み書き部側ローラ部の搬送力が作用するようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、カードおよび紙幣を取り扱うカードリーダライタに適用した場合を例に、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1はカードリーダライタを正面から見た外観図である。
カードリーダライタ1は、その正面側に、利用者側からの紙幣の投入を受け入れてその紙幣あるいは釣銭紙幣を利用者側に返却するための紙幣投入口2を有している。さらに、カードリーダライタ1は、利用者側からのカード(薄手のカードまたは厚手のカード)の投入を受け入れて所定の処理を行った後にこれを利用者側に返却するためのカード投入口3を有している。紙幣投入口2およびカード投入口3の奥には、紙幣およびカードを搬送するそれぞれの搬送機構を備えた搬送部が設けられている。
【0020】
紙幣投入口2の奥には紙幣搬送路が設けられており、投入された紙幣はこの紙幣搬送路を搬送されてカードリーダライタ1内部へと導かれるようになっている。同様に、カード投入口3の奥にはカード搬送路が設けられ、投入されたカードがカードリーダライタ1内へ導かれるようになっている。
【0021】
このようなカードリーダライタ1は、例えばプリペイドカードなどのカード発行装置や定期券などの券売機に搭載され、投入された紙幣の額に応じた金額情報などを記録した所定のカードを発行するのに用いられる。
【0022】
図2はカードリーダライタの搬送部の側断面図である。
カードリーダライタ1の搬送部4には、紙幣投入口2から続く紙幣搬送路5、およびカード投入口3から続くカード搬送路6が設けられている。
【0023】
紙幣搬送路5は、紙幣投入口2に投入された紙幣を水平方向に搬送した後、その搬送方向を鉛直方向へと転換してカードリーダライタ1内部へと取り込む。この搬送の間、紙幣はその真贋および金種を判定され、偽と判定された紙幣は紙幣搬送路5を通って紙幣投入口2に返却され、真と判定された紙幣のみカードリーダライタ1内部へ更に搬送されるようになっている。
【0024】
カード搬送路6は、カードが水平方向に投入されるカード投入口3の直後から湾曲した形状を有していて、そのカードの搬送方向を水平方向から鉛直方向へと徐々に転換していくようになっている。このカード搬送路6の終端側、すなわちカード投入口3側と反対側の端部には、投入された薄手のカードに対して情報の読み取り/書き込み処理を行う読み書き部7が配置されている。
【0025】
図3は待機時における搬送部の一部断面図、図4は図3のA部拡大図である。カード搬送路6には、カード投入口3側に、投入されたカードを水平方向に搬送するためのローラとして第1搬送用駆動ローラ8が配置されている。カード搬送路6の終端側には、カード搬送路6の湾曲形状に沿って搬送方向が水平方向から鉛直方向へと徐々に転換されてきているカードを更に搬送するためのローラとして第2搬送用駆動ローラ9が配置されている。この第1搬送用駆動ローラ8および第2搬送用駆動ローラ9は、カードをカードリーダライタ1内へと搬送するときには図中時計回り方向に回転し、カードをカード投入口3に返却するときには図中反時計回り方向に回転するようになっている。
【0026】
さらに、カード搬送路6には、第1搬送用駆動ローラ8および第2搬送用駆動ローラ9に対向するローラとして入口ローラ10および厚手カード搬送ローラ11がそれぞれ配置されている。
【0027】
入口ローラ10、厚手カード搬送ローラ11がそれぞれ軸支されている軸12,13は、スプリング14によって第1搬送用駆動ローラ8側、第2搬送用駆動ローラ9側にそれぞれ付勢されている。この軸12,13は、カードリーダライタ1の待機時においては、カード搬送路6の外壁に当接している。このうち、軸13については、カード搬送路6の外壁に設けられた窪みに当接するようになっている。
【0028】
軸12がカード搬送路6の外壁に当接している状態では、入口ローラ10は、対向する第1搬送用駆動ローラ8にカード搬送路6内で接触するようになっており、カード投入口3に投入されたカードを、そのカードの厚みに関係なく、挟持して搬送することができるようになっている。すなわち、投入されたカードの厚みに応じて、入口ローラ10は、スプリング14の付勢力に抗して第1搬送用駆動ローラ8側と反対の側へと移動するとともに、そのカードを第1搬送用駆動ローラ8に押圧する。これにより、そのカードは、入口ローラ10と第1搬送用駆動ローラ8とに挟持され、搬送される。
【0029】
一方、厚手カード搬送ローラ11は、カードリーダライタ1の待機時に軸13がカード搬送路6の外壁の窪みに当接している状態でも、対向する第2搬送用駆動ローラ9と接触しないよう、あらかじめその径を調整して形成されている。
【0030】
ここでは、この厚手カード搬送ローラ11の径は、第2搬送用駆動ローラ9との間に厚手のカードが進入したときに、その厚手のカードが厚手カード搬送ローラ11および第2搬送用駆動ローラ9によって挟持されることとなるように調整されている。すなわち、厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間に薄手のカードが進入しても挟持はされない。しかし、厚手のカードが進入した場合には、厚手カード搬送ローラ11がスプリング14の付勢力に抗して第2搬送用駆動ローラ9側と反対の側へと移動するとともに、その厚手のカードを第2搬送用駆動ローラ9に押圧し、挟持する。
【0031】
この径の調整は、例えば、厚手カード搬送ローラ11を、第2搬送用駆動ローラ9との間に進入した厚手のカードを挟持するという要件を満たす範囲で、入口ローラ10よりも小さな径で形成することによって行うことができる。
【0032】
なお、軸12に軸支された入口ローラ10および第1搬送用駆動ローラ8は、カード搬送路6のカード投入口3側に設けられ、カード投入口側ローラ部を構成している。また、軸13に軸支された厚手カード搬送ローラ11および第2搬送用駆動ローラ9は、カード搬送路6の読み書き部7側に設けられ、読み書き部側ローラ部を構成している。
【0033】
このような構成の搬送部4を有するカードリーダライタ1に対して本来適正に処理すべき薄手のカードが投入された場合について、図5および図6を参照して説明する。
【0034】
図5は薄手のカードの搬送時における搬送部の一部断面図、図6は図5のB部拡大図である。
薄手のカード20がカード投入口3から投入されると、この薄手のカード20は、スプリング14で付勢された入口ローラ10と、図5中時計回り方向に回転駆動する第1搬送用駆動ローラ8とによって挟持され、カード搬送路6を水平方向に搬送されていく。
【0035】
その後、搬送される薄手のカード20の先端は、カード搬送路6の内壁に当接するようになる。このとき、薄手のカード20の後端側は、入口ローラ10と第1搬送用駆動ローラ8とに挟持されたままであり、この薄手のカード20には、その先端当接後も、第1搬送用駆動ローラ8によって水平方向に搬送する力が作用する。その際、薄手のカード20は、その形状を柔軟に変形させ、カード搬送路6内をその湾曲形状に沿って搬送され、その搬送方向を徐々に鉛直方向へと転換していく。
【0036】
そして、薄手のカード20は、その先端がカード搬送路6の内壁に沿う状態で搬送され、非接触状態にある厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間に挟持されることなく進入する。そして、薄手のカード20は、第2搬送用駆動ローラ9に接触しながら第1搬送用駆動ローラ8によってその後端側を繰り出され、読み書き部7へと更に搬送される。
【0037】
その後、薄手のカード20は、読み書き部7の所定の位置まで搬送され、そこで情報の読み取り/書き込み処理が行われる。
また、薄手のカード20の返却時には、読み書き部7から搬送されてくる薄手のカード20は、厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9とに挟持されることなく、カード搬送路6内を柔軟に変形しながら搬送される。そして、この薄手のカード20は、入口ローラ10と第1搬送用駆動ローラ8とに挟持されて水平方向に繰り出され、カード投入口3に返却される。
【0038】
薄手のカード20に対するこのような一連の搬送動作においては、厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9とが非接触状態にあるため、厚手のカードをカード搬送路6の湾曲形状に沿って搬送するのに必要となるような強い搬送力が薄手のカード20に作用することがない。したがって、読み書き部7での読み取り/書き込み処理に支障をきたすことなく、薄手のカード20を適正に処理することができる。
【0039】
次に、カードリーダライタ1に対して厚手のカードが投入された場合について、図7および図8を参照して説明する。
図7は厚手のカードの搬送時における搬送部の一部断面図、図8は図7のC部拡大図である。
【0040】
厚手のカード30がカード投入口3から投入された場合には、この厚手のカード30の厚みのために、入口ローラ10がスプリング14の付勢力に抗して第1搬送用駆動ローラ8側と反対の側へ移動する。これにより、厚手のカード30は、入口ローラ10と第1搬送用駆動ローラ8とに挟持され、カード搬送路6を水平方向に搬送されていく。
【0041】
その後は図5および図6に示した薄手のカード20の場合と同様に、厚手のカード30は、カード搬送路6の湾曲形状に沿って搬送され、その搬送方向を徐々に鉛直方向へと転換していく。
【0042】
そして、厚手のカード30は、非接触状態にある厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間に進入する。その際、この厚手のカード30の厚みにより、厚手カード搬送ローラ11がスプリング14の付勢力に抗して第2搬送用駆動ローラ9側と反対の側へと移動する。そのため、厚手のカード30は、厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間にスムーズに進入し、挟持される。このように挟持されることで、厚手のカード30には、入口ローラ10および第1搬送用駆動ローラ8による搬送力に、厚手カード搬送ローラ11および第2搬送用駆動ローラ9による搬送力が加わることになる。これにより、厚手のカード30に対し、湾曲したカード搬送路6内を搬送させるのに必要となる搬送力を作用させることができる。
【0043】
その後は、この厚手のカード30を読み書き部7まで搬送する前に、第1搬送用駆動ローラ8および第2搬送用駆動ローラ9を図中反時計回り方向に回転させ、厚手のカード30をカード投入口3へと搬送する。
【0044】
厚手のカード30に対するこのような一連の搬送動作においては、前述した薄手のカード20の場合とは異なり、非接触状態にある厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間に進入した厚手のカード30が挟持されるようになる。これにより、厚手のカード30には強い搬送力が作用することになり、厚手のカード30がカード搬送路6内で詰まるのを防止することができる。
【0045】
以上説明したように、厚手カード搬送ローラ11の径を調整し、対向する第2搬送用駆動ローラ9とは非接触状態を保つようにすることで、薄手のカード20であれば、これを厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9とに挟持させることなく通過させることができる。これにより、薄手のカード20には必要以上に強い搬送力が作用せず、読み書き部7での読み取り/書き込み処理が適正に行われる。
【0046】
一方、厚手のカード30であれば、これを厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間にスムーズに進入させて挟持することができ、厚手のカード30に充分な搬送力を作用させることができる。これにより、カード搬送路6内での厚手のカード30の詰まりを防止することができる。
【0047】
さらに、カードリーダライタ1は、厚手カード搬送ローラ11の径を調整するとともに、入口ローラ10および厚手カード搬送ローラ11にスプリング14を用いた加圧手段によって付勢力を与えるようにしている。そのため、カードリーダライタ1が大型化することがなく、省スペース化に対応することが可能となる。なお、このような加圧手段としては、上記スプリング14のほか、その他の弾性体なども用いることができる。
【0048】
また、投入された厚手のカード30がカード搬送路6内で詰まってしまうことによってカードリーダライタ1が停止してしまうといった状況を回避することができる。そのため、本来処理すべき薄手のカード20の読み取り/書き込み処理を円滑かつ適正に行うことができる。
【0049】
なお、以上の説明においては、カードおよび紙幣を取り扱うことのできるカードリーダライタを例にして述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般に薄手のカードを取り扱うカードリーダライタであって湾曲したカード搬送路を有するものに適用することが可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、カード投入口と読み書き部との間の湾曲したカード搬送路に、カード投入口側ローラ部および読み書き部側ローラ部を設け、読み書き部側ローラ部のローラを、薄手のカードは挟持せず厚手のカードは挟持するように非接触状態で配置する構成にした。これにより、薄手のカードに対しては読み取り/書き込み処理を適正に行うことができ、厚手のカードについてはカード搬送路内での詰まりの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カードリーダライタを正面から見た外観図である。
【図2】カードリーダライタの搬送部の側断面図である。
【図3】待機時における搬送部の一部断面図である。
【図4】図3のA部拡大図である。
【図5】薄手のカードの搬送時における搬送部の一部断面図である。
【図6】図5のB部拡大図である。
【図7】厚手のカードの搬送時における搬送部の一部断面図である。
【図8】図7のC部拡大図である。
【符号の説明】
1 カードリーダライタ
2 紙幣投入口
3 カード投入口
4 搬送部
5 紙幣搬送路
6 カード搬送路
7 読み書き部
8 第1搬送用駆動ローラ
9 第2搬送用駆動ローラ
10 入口ローラ
11 厚手カード搬送ローラ
12,13 軸
14 スプリング
20 薄手のカード
30 厚手のカード
【発明の属する技術分野】
本発明はカードリーダライタに関し、特にポリエチレンテレフタレート(PET)を用いて作製されたPETカードなど、厚みが薄く柔軟性のあるカード型の情報記録媒体に対して情報の読み取り/書き込みを行うためのカードリーダライタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリペイドカードやポイントカードあるいは各種交通機関が発行する定期券などには、いわゆるPETカードなど、その厚みが薄く柔軟性のあるカード型の情報記録媒体が広く利用されている。
【0003】
このようなカードを利用する店舗や交通機関の券売機などには、そのカードに対して情報の読み取りまたは書き込みを行うためのカードリーダライタが設置あるいは機器に搭載されている。カードリーダライタは、これにカードが投入されると、そのカードを内部へ搬送し、読み書き部においてそのカードに対し、記録されている情報を読み取ったり新たな情報を書き込んだりすることができるようになっている。
【0004】
従来、薄くて柔軟性のあるカードを取り扱うカードリーダライタは、そのスペース効率を考慮し、カード投入時にはカードが水平方向に投入されるようにし、その後、そのカードの搬送方向を鉛直方向に転換してから読み書き部で処理するように構成されている場合が多い。その場合、投入後のカードは、まず水平方向に搬送された後、湾曲形状にした搬送路に沿って変形しながら搬送され、その搬送方向を徐々に鉛直方向に転換される。読み書き部では、カードはその柔軟性により形状を回復したストレートの状態で読み取り/書き込み処理が行われる。読み取り/書き込み処理の終了したカードは、搬送路を逆方向に搬送されてカードの投入口へと返却されるか、あるいはカードリーダライタ内部に回収される。
【0005】
ところで、このように薄くて柔軟性のあるカード(以下「薄手のカード」という)を取り扱うカードリーダライタにおいて、例えば免許証のような厚くて剛性のあるカード(以下「厚手のカード」という)が投入されてしまった場合には、その搬送あるいは返却時に、搬送路の湾曲形状にした部分(以下「湾曲部」という)で詰まりが発生してしまう場合がある。
【0006】
湾曲形状の搬送路内で厚手のカードを詰まらせないようにするための改善策としては、湾曲部付近に、このような厚手のカードの搬送時に発生する抵抗(摩擦)力に打ち勝つ搬送力向上のための搬送ローラを追加して設けることなどが考えられる。
【0007】
しかし、湾曲部では、問題となる厚手のカードのほか、本来適正に処理すべき薄手のカードをも通過させなければならない。厚手のカードを搬送することができるような強い搬送力を実現する搬送ローラで、従来の薄手のカードを搬送させようとすると、変形しながら搬送される薄手のカードに過剰な搬送力が作用し、その後の読み書き部における読み取り/書き込み処理に支障をきたす場合がある。
【0008】
実開平5−64959号公報では、本来厚手のカードを取り扱うカードリーダライタに薄手のカードが投入されてしまった場合に生じる不都合を回避するためのカード搬送機構が提案されている。
【0009】
この提案においては、水平方向に投入された厚手のカードを、搬送路を挟んで対向配置された複数のローラによってそのまま水平方向へと搬送するカード搬送機構であって、搬送するカードの厚みを検知し、その厚みに応じてローラをカード厚み方向に一括して移動し、対向するローラ間のギャップを変化させることで、厚みの異なるカードをそれぞれ挟持して搬送するようにしている。
【0010】
さらに、同提案においては、厚手のカードおよび薄手のカードのそれぞれの搬送に適したギャップと材質で設けられている主ローラおよび補助ローラを同軸上に配置したカード搬送機構を設け、厚みの異なるそれぞれのカードを挟持して搬送するようにしている。補助ローラの材質としてここでは柔軟な発泡性ゴムが例示されており、薄手のカードを搬送できるギャップ(例えばゼロ)で補助ローラを配置していても、厚手のカードはこれを通過することができるようにされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来提案されているカード搬送機構を、本来薄手のカードを水平方向から鉛直方向にその搬送方向を転換させて搬送するような湾曲部を有するカードリーダライタにそのまま適用する場合には、次のような問題点が生じる。
【0012】
従来のカード搬送機構を適用しようとした場合、まず、湾曲部到達前に投入されたカードの厚みを判定するためのカード厚検知手段や、厚手のカードが投入されたときにその厚みに応じて対向するローラ間のギャップを変化させる可変手段などを追加する必要があり、カードリーダライタが大型化してしまうという問題点がある。
【0013】
さらに、同軸上に主ローラおよび補助ローラを配置したようなローラを湾曲部に設けた場合には、厚手のカードは主ローラで搬送するとともに補助ローラを通過させ、一方、本来適正に搬送すべき薄手のカードは補助ローラによって搬送することになる。しかし、この場合でも、厚手のカードが湾曲部を通過する際には、搬送方向が変化し続けているために、水平方向のまま対向する補助ローラ間に進入する従来の場合とは異なり、ギャップがほとんど設けられていない補助ローラで詰まりが発生する可能性がある。さらに、変形しながら搬送される薄手のカードに強い搬送力が加わり、その後の読み取り/書き込み処理に支障をきたす可能性もある。
【0014】
このように、薄手のカードを取り扱うカードリーダライタにおいて、厚手のカードが投入されてしまった場合における搬送路湾曲部での詰まりの発生を防止するための有効な改善策は未だ得られていないのが現状である。このような厚手のカードの搬送路内での詰まりは、以降のカードの受け入れ拒否あるいはカードリーダライタの作動停止などを引き起こし、薄手のカードの適正な処理を阻害することとなる。
【0015】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、薄手のカードを正常に搬送してその情報の読み取り/書き込み処理を適正に行い、かつ、厚手のカードを湾曲形状の搬送路内で詰まらせることなく搬送することのできるカードリーダライタを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、薄手のカードまたは厚手のカードが投入されるカード投入口と、前記薄手のカードに対して情報の読み取りまたは書き込みが行われる読み書き部と、前記カード投入口と前記読み書き部との間に配置されて、前記カード投入口に投入された前記薄手のカードまたは前記厚手のカードの搬送方向を転換して前記読み書き部の側に搬送するための湾曲したカード搬送路と、を有するカードリーダライタにおいて、前記カード搬送路の前記カード投入口の側に配置されて、前記カード投入口に投入された前記薄手のカードまたは前記厚手のカードをそれぞれ挟持して前記読み書き部の側に搬送する一対のローラを有するカード投入口側ローラ部と、前記カード搬送路の前記読み書き部の側に、前記薄手のカードは挟持せず前記厚手のカードは挟持するように間隔を設けて配置された一対のローラを有する読み書き部側ローラ部と、を有することを特徴とするカードリーダライタが提供される。
【0017】
このようなカードリーダライタでは、カード投入口側ローラ部の一対のローラが、薄手のカードまたは厚手のカードのそれぞれを挟持するように配置されており、読み書き部側ローラ部の一対のローラが、薄手のカードを挟持せずに厚手のカードを挟持することができるような間隔を保って配置されている。カードリーダライタに投入される薄手のカードおよび厚手のカードのうち、薄手のカードは読み書き部側ローラ部において挟持されないため、読み書き部への搬送前に薄手のカードに対しては読み書き部側ローラ部の搬送力が作用しない。一方、厚手のカードは読み書き部側ローラ部において挟持されることで、厚手のカードに対しては読み書き部側ローラ部の搬送力が作用するようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、カードおよび紙幣を取り扱うカードリーダライタに適用した場合を例に、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1はカードリーダライタを正面から見た外観図である。
カードリーダライタ1は、その正面側に、利用者側からの紙幣の投入を受け入れてその紙幣あるいは釣銭紙幣を利用者側に返却するための紙幣投入口2を有している。さらに、カードリーダライタ1は、利用者側からのカード(薄手のカードまたは厚手のカード)の投入を受け入れて所定の処理を行った後にこれを利用者側に返却するためのカード投入口3を有している。紙幣投入口2およびカード投入口3の奥には、紙幣およびカードを搬送するそれぞれの搬送機構を備えた搬送部が設けられている。
【0020】
紙幣投入口2の奥には紙幣搬送路が設けられており、投入された紙幣はこの紙幣搬送路を搬送されてカードリーダライタ1内部へと導かれるようになっている。同様に、カード投入口3の奥にはカード搬送路が設けられ、投入されたカードがカードリーダライタ1内へ導かれるようになっている。
【0021】
このようなカードリーダライタ1は、例えばプリペイドカードなどのカード発行装置や定期券などの券売機に搭載され、投入された紙幣の額に応じた金額情報などを記録した所定のカードを発行するのに用いられる。
【0022】
図2はカードリーダライタの搬送部の側断面図である。
カードリーダライタ1の搬送部4には、紙幣投入口2から続く紙幣搬送路5、およびカード投入口3から続くカード搬送路6が設けられている。
【0023】
紙幣搬送路5は、紙幣投入口2に投入された紙幣を水平方向に搬送した後、その搬送方向を鉛直方向へと転換してカードリーダライタ1内部へと取り込む。この搬送の間、紙幣はその真贋および金種を判定され、偽と判定された紙幣は紙幣搬送路5を通って紙幣投入口2に返却され、真と判定された紙幣のみカードリーダライタ1内部へ更に搬送されるようになっている。
【0024】
カード搬送路6は、カードが水平方向に投入されるカード投入口3の直後から湾曲した形状を有していて、そのカードの搬送方向を水平方向から鉛直方向へと徐々に転換していくようになっている。このカード搬送路6の終端側、すなわちカード投入口3側と反対側の端部には、投入された薄手のカードに対して情報の読み取り/書き込み処理を行う読み書き部7が配置されている。
【0025】
図3は待機時における搬送部の一部断面図、図4は図3のA部拡大図である。カード搬送路6には、カード投入口3側に、投入されたカードを水平方向に搬送するためのローラとして第1搬送用駆動ローラ8が配置されている。カード搬送路6の終端側には、カード搬送路6の湾曲形状に沿って搬送方向が水平方向から鉛直方向へと徐々に転換されてきているカードを更に搬送するためのローラとして第2搬送用駆動ローラ9が配置されている。この第1搬送用駆動ローラ8および第2搬送用駆動ローラ9は、カードをカードリーダライタ1内へと搬送するときには図中時計回り方向に回転し、カードをカード投入口3に返却するときには図中反時計回り方向に回転するようになっている。
【0026】
さらに、カード搬送路6には、第1搬送用駆動ローラ8および第2搬送用駆動ローラ9に対向するローラとして入口ローラ10および厚手カード搬送ローラ11がそれぞれ配置されている。
【0027】
入口ローラ10、厚手カード搬送ローラ11がそれぞれ軸支されている軸12,13は、スプリング14によって第1搬送用駆動ローラ8側、第2搬送用駆動ローラ9側にそれぞれ付勢されている。この軸12,13は、カードリーダライタ1の待機時においては、カード搬送路6の外壁に当接している。このうち、軸13については、カード搬送路6の外壁に設けられた窪みに当接するようになっている。
【0028】
軸12がカード搬送路6の外壁に当接している状態では、入口ローラ10は、対向する第1搬送用駆動ローラ8にカード搬送路6内で接触するようになっており、カード投入口3に投入されたカードを、そのカードの厚みに関係なく、挟持して搬送することができるようになっている。すなわち、投入されたカードの厚みに応じて、入口ローラ10は、スプリング14の付勢力に抗して第1搬送用駆動ローラ8側と反対の側へと移動するとともに、そのカードを第1搬送用駆動ローラ8に押圧する。これにより、そのカードは、入口ローラ10と第1搬送用駆動ローラ8とに挟持され、搬送される。
【0029】
一方、厚手カード搬送ローラ11は、カードリーダライタ1の待機時に軸13がカード搬送路6の外壁の窪みに当接している状態でも、対向する第2搬送用駆動ローラ9と接触しないよう、あらかじめその径を調整して形成されている。
【0030】
ここでは、この厚手カード搬送ローラ11の径は、第2搬送用駆動ローラ9との間に厚手のカードが進入したときに、その厚手のカードが厚手カード搬送ローラ11および第2搬送用駆動ローラ9によって挟持されることとなるように調整されている。すなわち、厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間に薄手のカードが進入しても挟持はされない。しかし、厚手のカードが進入した場合には、厚手カード搬送ローラ11がスプリング14の付勢力に抗して第2搬送用駆動ローラ9側と反対の側へと移動するとともに、その厚手のカードを第2搬送用駆動ローラ9に押圧し、挟持する。
【0031】
この径の調整は、例えば、厚手カード搬送ローラ11を、第2搬送用駆動ローラ9との間に進入した厚手のカードを挟持するという要件を満たす範囲で、入口ローラ10よりも小さな径で形成することによって行うことができる。
【0032】
なお、軸12に軸支された入口ローラ10および第1搬送用駆動ローラ8は、カード搬送路6のカード投入口3側に設けられ、カード投入口側ローラ部を構成している。また、軸13に軸支された厚手カード搬送ローラ11および第2搬送用駆動ローラ9は、カード搬送路6の読み書き部7側に設けられ、読み書き部側ローラ部を構成している。
【0033】
このような構成の搬送部4を有するカードリーダライタ1に対して本来適正に処理すべき薄手のカードが投入された場合について、図5および図6を参照して説明する。
【0034】
図5は薄手のカードの搬送時における搬送部の一部断面図、図6は図5のB部拡大図である。
薄手のカード20がカード投入口3から投入されると、この薄手のカード20は、スプリング14で付勢された入口ローラ10と、図5中時計回り方向に回転駆動する第1搬送用駆動ローラ8とによって挟持され、カード搬送路6を水平方向に搬送されていく。
【0035】
その後、搬送される薄手のカード20の先端は、カード搬送路6の内壁に当接するようになる。このとき、薄手のカード20の後端側は、入口ローラ10と第1搬送用駆動ローラ8とに挟持されたままであり、この薄手のカード20には、その先端当接後も、第1搬送用駆動ローラ8によって水平方向に搬送する力が作用する。その際、薄手のカード20は、その形状を柔軟に変形させ、カード搬送路6内をその湾曲形状に沿って搬送され、その搬送方向を徐々に鉛直方向へと転換していく。
【0036】
そして、薄手のカード20は、その先端がカード搬送路6の内壁に沿う状態で搬送され、非接触状態にある厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間に挟持されることなく進入する。そして、薄手のカード20は、第2搬送用駆動ローラ9に接触しながら第1搬送用駆動ローラ8によってその後端側を繰り出され、読み書き部7へと更に搬送される。
【0037】
その後、薄手のカード20は、読み書き部7の所定の位置まで搬送され、そこで情報の読み取り/書き込み処理が行われる。
また、薄手のカード20の返却時には、読み書き部7から搬送されてくる薄手のカード20は、厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9とに挟持されることなく、カード搬送路6内を柔軟に変形しながら搬送される。そして、この薄手のカード20は、入口ローラ10と第1搬送用駆動ローラ8とに挟持されて水平方向に繰り出され、カード投入口3に返却される。
【0038】
薄手のカード20に対するこのような一連の搬送動作においては、厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9とが非接触状態にあるため、厚手のカードをカード搬送路6の湾曲形状に沿って搬送するのに必要となるような強い搬送力が薄手のカード20に作用することがない。したがって、読み書き部7での読み取り/書き込み処理に支障をきたすことなく、薄手のカード20を適正に処理することができる。
【0039】
次に、カードリーダライタ1に対して厚手のカードが投入された場合について、図7および図8を参照して説明する。
図7は厚手のカードの搬送時における搬送部の一部断面図、図8は図7のC部拡大図である。
【0040】
厚手のカード30がカード投入口3から投入された場合には、この厚手のカード30の厚みのために、入口ローラ10がスプリング14の付勢力に抗して第1搬送用駆動ローラ8側と反対の側へ移動する。これにより、厚手のカード30は、入口ローラ10と第1搬送用駆動ローラ8とに挟持され、カード搬送路6を水平方向に搬送されていく。
【0041】
その後は図5および図6に示した薄手のカード20の場合と同様に、厚手のカード30は、カード搬送路6の湾曲形状に沿って搬送され、その搬送方向を徐々に鉛直方向へと転換していく。
【0042】
そして、厚手のカード30は、非接触状態にある厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間に進入する。その際、この厚手のカード30の厚みにより、厚手カード搬送ローラ11がスプリング14の付勢力に抗して第2搬送用駆動ローラ9側と反対の側へと移動する。そのため、厚手のカード30は、厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間にスムーズに進入し、挟持される。このように挟持されることで、厚手のカード30には、入口ローラ10および第1搬送用駆動ローラ8による搬送力に、厚手カード搬送ローラ11および第2搬送用駆動ローラ9による搬送力が加わることになる。これにより、厚手のカード30に対し、湾曲したカード搬送路6内を搬送させるのに必要となる搬送力を作用させることができる。
【0043】
その後は、この厚手のカード30を読み書き部7まで搬送する前に、第1搬送用駆動ローラ8および第2搬送用駆動ローラ9を図中反時計回り方向に回転させ、厚手のカード30をカード投入口3へと搬送する。
【0044】
厚手のカード30に対するこのような一連の搬送動作においては、前述した薄手のカード20の場合とは異なり、非接触状態にある厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間に進入した厚手のカード30が挟持されるようになる。これにより、厚手のカード30には強い搬送力が作用することになり、厚手のカード30がカード搬送路6内で詰まるのを防止することができる。
【0045】
以上説明したように、厚手カード搬送ローラ11の径を調整し、対向する第2搬送用駆動ローラ9とは非接触状態を保つようにすることで、薄手のカード20であれば、これを厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9とに挟持させることなく通過させることができる。これにより、薄手のカード20には必要以上に強い搬送力が作用せず、読み書き部7での読み取り/書き込み処理が適正に行われる。
【0046】
一方、厚手のカード30であれば、これを厚手カード搬送ローラ11と第2搬送用駆動ローラ9との間にスムーズに進入させて挟持することができ、厚手のカード30に充分な搬送力を作用させることができる。これにより、カード搬送路6内での厚手のカード30の詰まりを防止することができる。
【0047】
さらに、カードリーダライタ1は、厚手カード搬送ローラ11の径を調整するとともに、入口ローラ10および厚手カード搬送ローラ11にスプリング14を用いた加圧手段によって付勢力を与えるようにしている。そのため、カードリーダライタ1が大型化することがなく、省スペース化に対応することが可能となる。なお、このような加圧手段としては、上記スプリング14のほか、その他の弾性体なども用いることができる。
【0048】
また、投入された厚手のカード30がカード搬送路6内で詰まってしまうことによってカードリーダライタ1が停止してしまうといった状況を回避することができる。そのため、本来処理すべき薄手のカード20の読み取り/書き込み処理を円滑かつ適正に行うことができる。
【0049】
なお、以上の説明においては、カードおよび紙幣を取り扱うことのできるカードリーダライタを例にして述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般に薄手のカードを取り扱うカードリーダライタであって湾曲したカード搬送路を有するものに適用することが可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、カード投入口と読み書き部との間の湾曲したカード搬送路に、カード投入口側ローラ部および読み書き部側ローラ部を設け、読み書き部側ローラ部のローラを、薄手のカードは挟持せず厚手のカードは挟持するように非接触状態で配置する構成にした。これにより、薄手のカードに対しては読み取り/書き込み処理を適正に行うことができ、厚手のカードについてはカード搬送路内での詰まりの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カードリーダライタを正面から見た外観図である。
【図2】カードリーダライタの搬送部の側断面図である。
【図3】待機時における搬送部の一部断面図である。
【図4】図3のA部拡大図である。
【図5】薄手のカードの搬送時における搬送部の一部断面図である。
【図6】図5のB部拡大図である。
【図7】厚手のカードの搬送時における搬送部の一部断面図である。
【図8】図7のC部拡大図である。
【符号の説明】
1 カードリーダライタ
2 紙幣投入口
3 カード投入口
4 搬送部
5 紙幣搬送路
6 カード搬送路
7 読み書き部
8 第1搬送用駆動ローラ
9 第2搬送用駆動ローラ
10 入口ローラ
11 厚手カード搬送ローラ
12,13 軸
14 スプリング
20 薄手のカード
30 厚手のカード
Claims (3)
- 薄手のカードまたは厚手のカードが投入されるカード投入口と、前記薄手のカードに対して情報の読み取りまたは書き込みが行われる読み書き部と、前記カード投入口と前記読み書き部との間に配置されて、前記カード投入口に投入された前記薄手のカードまたは前記厚手のカードの搬送方向を転換して前記読み書き部の側に搬送するための湾曲したカード搬送路と、を有するカードリーダライタにおいて、
前記カード搬送路の前記カード投入口の側に配置されて、前記カード投入口に投入された前記薄手のカードまたは前記厚手のカードをそれぞれ挟持して前記読み書き部の側に搬送する一対のローラを有するカード投入口側ローラ部と、
前記カード搬送路の前記読み書き部の側に、前記薄手のカードは挟持せず前記厚手のカードは挟持するように間隔を設けて配置された一対のローラを有する読み書き部側ローラ部と、
を有することを特徴とするカードリーダライタ。 - 前記読み書き部側ローラ部の一方のローラを他方のローラの側に付勢する加圧手段を有し、
前記一方のローラと前記他方のローラとの間に前記厚手のカードが進入することによって、前記加圧手段が、前記一方のローラによって前記厚手のカードを前記他方のローラに押圧し、前記厚手のカードを前記一方のローラと前記他方のローラとによって挟持するようにしたことを特徴とする請求項1記載のカードリーダライタ。 - 前記加圧手段は、前記一方のローラを前記他方のローラの側に付勢するスプリングであることを特徴とする請求項2記載のカードリーダライタ。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
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JP2005275672A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Nippon Signal Co Ltd:The | 改札処理システムで用いられる非接触式自動改札機 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002229340A patent/JP2004070673A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2005275672A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Nippon Signal Co Ltd:The | 改札処理システムで用いられる非接触式自動改札機 |
JP4530202B2 (ja) * | 2004-03-24 | 2010-08-25 | 日本信号株式会社 | 改札処理システムで用いられる非接触式自動改札機 |
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