JP2004070299A - 偏光変換素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光が入射される入射面102と、入射面102に平行な出射面103とを有する板状の偏光変換素子101であって、入射光をS偏光およびP偏光に分離して、S偏光およびP偏光の内どちらか一方を透過し、他方を反射する偏光分離膜106と、光の偏光面を回転させる旋光子109とを備え、偏光分離膜106および旋光子109は、入射面102および出射面103の間に位置し、入射面102および出射面103に対して所定の角度だけ傾き、入射面102と平行な方向に周期的に配置されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光変換素子およびその製造方法に関するものである。特に、液晶表示素子用の照明装置に用いるランプ光源からの、非偏光光を1方向の偏光に変換する偏光変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非偏光光を1方向の偏光に変換する従来の偏光変換素子は、例えば、特許文献1に開示されている。図15は、従来の偏光変換素子の断面図である。また、図16は、従来の偏光変換素子の斜視図である。従来の偏光変換素子601は、光の入射面602および出射面603に対して斜め方向に層を形成するように、第1の基板604と第2の基板605とが交互に配置されて構成されている。第1の基板604において、第2の基板605と接する面の一方には偏光分離膜606が、他方には反射膜607が形成され、それらと第2の基板605とは、接着剤層608を介して接着されている。また、出射面603には第2の基板605を覆うように、旋光子609が配置されている。
【0003】
図示しない光源から発せられた入射光610は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光であり、偏光変換素子601の入射面602対して直角方向に入射される。入射光610は、第1の基板604を透過して、偏光分離膜606によってP偏光とS偏光とに分離される。P偏光は、偏光分離膜606を透過して、直進し、接着剤層608および第2の基板605を透過して、旋光子609に入射する。
【0004】
旋光子609は、入射した直線偏光を直線偏光に維持したまま、偏光軸を回転する機能を有する。したがって、旋光子609に入射したP偏光は、S偏光に変換されて出射される。
【0005】
一方、偏光分離膜606によって分離されたS偏光は、偏光分離膜606において直角に反射されて、第1の基板604中を入射面602および出射面603と略平行に進んで、反射膜607において、さらに直角に反射され、出射面603から出射される。
【0006】
したがって、出射面603側から出射されるのは、S偏光のみとなる。つまり、偏光変換素子601は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光をS偏光に偏光することができる。
【0007】
上述のように、旋光子609は、入射した直線偏光を直線偏光に維持したまま、偏光軸(偏光面)を回転する機能を有する。旋光子609としては、例えば、入射光の波長の1/2の複屈折を有する複屈折板を用いればよい。なお、一般的に旋光子としては、このような複屈折板を用いるため、旋光子のことを1/2波長板あるいはλ/2板と呼ぶこともある。複屈折板には、水晶などの透明結晶を特定の角度で切り出したものもあるが、ポリカーボネート、アートンなどのプラスチックフィルムを延伸した複屈折フィルムを用いるのが一般的である。
【0008】
波長の1/2の複屈折を有する複屈折板に、入射された直線偏光は、直線偏光性を維持したまま、直線偏光の偏光軸が回転して出射される。具体的には、複屈折板の異方軸を対称軸として入射光の偏光軸を折り返した位置に、偏光軸が回転して出射される。
【0009】
したがって、入射した直線偏光の偏光軸と、複屈折板の異方軸の方向が一致した場合には、偏光軸が回転することはない。例えば、偏光軸と異方軸が45度の角度をなすときは、偏光軸の回転角度は最大となる90°である。なお、異方軸とは、複屈折板において、屈折率が最大および最小となる偏光軸のことである。これらの軸は互いに直交していて、屈折率が最大となる異方軸は遅相軸、屈折率が最小となる異方軸は進相軸である。また、遅相軸方向の偏光軸を持つ光と進相軸方向の偏光軸を持つ光との、旋光子透過後の位相差を、入射光の波長によって規格化した値を複屈折値という。
【0010】
例えば、特定の波長λ3の光についてのみ旋光子として機能するためには、その波長λ3での複屈折値R3が、波長λ3の1/2(R3=λ3/2)である複屈折板を用いればよい。しかし、カラーディスプレイなどの照明光学系に用いる旋光子は、可視域における広い波長範囲の光に対応する複屈折板でなければならない。このような場合には、一般的な複屈折板を一枚用いただけでは充分な特性が得られない。広い波長域の光に対応して旋光子として機能するということは、その波長域全ての光に対して、複屈折値が波長の1/2になるということである。つまり、入射する光の波長に対して複屈折値が比例するような特性を有するということである。このような特性を有する複屈折板が、広い波長域の光に対応して旋光子として機能する理想的な複屈折板である。しかし、そのような特性の材料は現時点では存在していないため、単純に複屈折板を一枚用いただけでは、広い波長域に渡る旋光子を実現することができない。
【0011】
図17は、複屈折板に入射する光の波長と、その波長に対する相対複屈折値との関係図を示している。なお、複屈折板の材料としては、ポリカーボネート(線E)とアートン(線F)とを用いて、延伸フィルム構造の複屈折板を用いた。これらポリカーボネートおよびアートンによる複屈折フィルムは、複屈折板としては一般的に用いられるものである。また、比較のため、波長に対して、複屈折値が比例する理想的な複屈折板(線G)についても示している。縦軸は、複屈折値を、波長550nmにおける複屈折値を基準として示した相対複屈折値である。
【0012】
図17に示しているように、ポリカーボネートによる複屈折フィルムにおいてもアートンによる複屈折フィルムにおいても、波長の増加に対して複屈折値が減少している。このような複屈折板に直線偏光が入射すると、複屈折値が波長の1/2であるような、特定の波長に対してのみ完全な旋光子として機能する。しかし、それ以外の波長の光が入射された場合には、複屈折値が波長の1/2とはならず、不足または過剰となっていわゆる楕円偏光となって出射される。つまり、このような複屈折板を旋光子として用いると、入射された直線偏光の偏光軸を90°回転させようとしても、90°回転されない光が生じてしまい、入射された光の偏光軸と平行な偏光成分が残る。
【0013】
したがって、このような旋光子を用いて、例えば、図15に示した偏光変換素子を構成すると、変換特性が低下する。図18は図17に特性を示した複屈折板を旋光子609として用いた偏光変換素子601の、入射光の波長に対する変換効率を計算した結果を示したものである。旋光子609として、ポリカーボネートによる複屈折フィルムを用いた場合を線Iとして、旋光子609として、アートンによる複屈折フィルムを用いた場合を線Hとして示している。なお、変換効率とは、直線偏光が入射した場合に、入射光の偏光と直交する偏光成分に変換された出射光の割合である。
【0014】
入射光の波長が500nmの場合に、複屈折値が入射光の波長の1/2になるように、複屈折板を設定している。なお、遅相軸は入射偏光軸に対し45°の角度になるように設定している。複屈折値は、入射光の波長が500nmより小さい場合はその波長の1/2より大きく、入射光の波長が500nmより大きい場合はその波長の1/2より小さい。また、入射光の波長が500nmから離れる程、複屈折値も、波長の1/2から離れる。図18より明らかなように、線Hおよび線Iのどちらにおいても、入射光の波長が500nmの場合は変換効率が100%となり、理想的な偏光変換が実現している。しかし、入射光が、可視光域の両端部に当たる波長(400nmおよび700nm)の場合は、線Hおよび線Iのどちらにおいても20%程度の損失が発生している。
【0015】
上記問題を緩和してより広い波長帯域の光に対して、理想的な特性を得る旋光子として、複数の複屈折フィルムの異方軸をずらして積層したものがある。図19は、入射光の波長が500nmの場合に、複屈折値が入射光の波長の1/2になるポリカーボネート製複屈折フィルム1枚により構成された旋光子(以下、単層旋光子という)と、同じ複屈折フィルムを異方軸がずれるように2枚積層した旋光子(以下、2層旋光子という)とを用いた場合における、それぞれの変換効率の波長依存性を示している。線Jは単層旋光子の入射光の波長に対する変換効率を示しており、線Kは2層旋光子の入射光の波長に対する変換効率を示している。なお、2層旋光子は、一方の複屈折フィルムの遅相軸と入射光の偏光軸との角度が22.5度で、他方の複屈折フィルムの遅相軸と入射光の偏光軸との角度が67.5度となるようにしている。図19から明らかなように、単層旋光子に比べて2層旋光子は、広い波長範囲において、高い変換効率を得ることができた。このような、2層旋光子を用いることで、可視光域全体に渡って高い変換効率を有する偏光変換素子を実現することができる。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−298212号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図16に示している偏光変換素子601を製造するためには、旋光子609を第2の基板605上に細かい間隔で精密に多数個貼り合わせていく必要がある。しかし、図16に示すように、従来の偏光変換素子601の旋光子609は非常に細長くて薄いシート状の物であるため、第2の基板605上に細かい間隔で精密に多数個貼り合わせていくことは非常に難しく、工数の増加、不良品の発生、コストアップの要因となる。
【0018】
また、貼り合わせの位置が所定の位置からずれた領域では、本来変換されるべき偏光成分の変換が行われない、もしくは、変換されるべきでない成分が変換されてしまい、変換効率の低下が生じていた。
【0019】
さらに、偏光変換素子601は、入射面602側に集光レンズアレイを貼り合わせ、出射面603側に平凸レンズを貼り合わせる形態で偏光照明装置の中において用いることが多いが、旋光子609が短冊状に間隔をおいて出射面603上に貼り付けられている従来の構造では出射面603上にレンズを貼り合わせると、出射面603は、レンズが旋光子609に接する箇所と空隙になる箇所とが生じるため貼り合わせにくい。
【0020】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、容易に製造でき、工数の増加、不良品の発生およびコストアップを防ぎ、旋光子の張り合わせ位置の誤差によって変換損失が発生することの無い、偏光変換素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
また、入射面および出射面に容易にレンズを貼り付けることができる偏光変換素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の偏光変換素子は、光が入射される入射面と、前記入射面に平行な出射面とを有する板状の偏光変換素子であって、入射光をS偏光およびP偏光に分離して、前記S偏光および前記P偏光の内どちらか一方を透過し、他方を反射する偏光分離膜と、光の偏光面を回転させる旋光子とを備え、前記偏光分離膜および前記旋光子は、前記入射面および前記出射面の間に位置し、前記入射面および前記出射面に対して所定の角度だけ傾き、前記入射面と平行な方向に周期的に配置されたことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の偏光変換素子の製造方法は、基板と旋光子とを所定の配列周期で積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、前記積層工程後に、前記積層体を前記基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に切断して、板状体を切り出す切断工程とを備えることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の他の偏光変換素子の製造方法は、基板の片面に偏光分離膜を形成する成膜工程と、前記偏光分離膜が形成された前記基板を、前記基板同士の間に一列おきに旋光子が配置されるように積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、前記積層工程後に、前記積層体を前記基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に切断して、板状体を切り出す切断工程と、切り出した前記板状体の表面を研磨する研磨工程とを備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の他の偏光変換素子の製造方法は、第1の基板の両面に偏光分離膜を形成する成膜工程と、前記成膜工程後に、前記第1の基板と前記第2の基板の間に一列おきに旋光子が配置されるように前記第1の基板と第2の基板とを交互に積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、前記積層工程後に、前記第1の基板、前記第2の基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に前記積層体を切断して、板状体を切り出す切断工程と、切り出した前記板状体の表面を研磨する研磨工程とを備えることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の他の偏光変換素子の製造方法は、第1の基板の片面に偏光分離膜を形成し、他方の面に反射膜を形成する成膜工程と、前記成膜工程後に、前記第1の基板の前記偏光分離膜側と前記第2の基板との間に旋光子が配置されるように、前記第1の基板と前記第2の基板とを交互に積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、前記積層工程後に、前記第1の基板、前記第2の基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に前記積層体を切断して、板状体を切り出す切断工程と、切り出した前記板状体の表面を研磨する研磨工程とを備えることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の他の偏光変換素子の製造方法は、第1の基板の片面に偏光分離膜を形成し、第2の基板の片面に反射膜を形成する成膜工程と、前記成膜工程後に、前記第1の基板の前記偏光分離膜側と前記第2の基板との間に旋光子が配置され、前記偏光分離膜と前記反射膜とが対向しないように、前記第1の基板と前記第2の基板とを交互に積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、前記積層工程後に、前記第1の基板、前記第2の基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に前記積層体を切断して、板状体を切り出す切断工程と、切り出した前記板状体の表面を研磨する研磨工程とを備えることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
本実施の形態の偏光変換素子によれば、偏光分離膜および旋光子を、入射面および出射面の間に所定の角度だけ斜めに傾けて配置しているので、旋光子を細かい間隔で精密に多数個貼り合わせることなく容易に製造可能な偏光変換素子を得ることができる。また、偏光分離膜と隣接して旋光子を配置しているので、変換したい成分のみを有効に変換することが可能で、位置合わせの誤差による損失が発生することがない。また、偏光変換素子の表面に旋光子が設置されていないので、偏光素子の表面に容易にレンズを貼り付けることができる。
【0029】
また、片面に前記偏光分離膜が形成された基板が、前記入射面および前記出射面に対して前記旋光子と同様の傾き角を有し、前記入射面と平行な方向に積層され、前記旋光子は、前記基板同士の間に一列おきに配置された構造としてもよい。
【0030】
また、両面に前記偏光分離膜が形成された第1の基板と、第2の基板とを備え、前記第1の基板と前記第2の基板とが、前記入射面および前記出射面に対して前記旋光子と同様の傾き角を有し、前記入射面と平行な方向に交互に積層され、前記旋光子は、前記第1の基板と前記第2の基板との間に一列おきに配置された構造としてもよい。
【0031】
また、好ましくは、片面に前記偏光分離膜が形成され、他面に反射膜が形成された第1の基板と、第2の基板とを備え、前記第1の基板と前記第2の基板とが、前記入射面および前記出射面に対して前記旋光子と同様の傾き角を有し、前記入射面と平行な方向に交互に積層され、前記旋光子は、前記第1の基板の前記偏光分離膜が形成されている側と前記第2の基板との間に配置されている。それにより、前記反射膜を用いることで、偏光分離膜を用いた場合に比べて、損失がなく反射させることができる。そのため、損失の少ない偏光変換素子が実現できる。
【0032】
また、片面に前記偏光分離膜が形成された第1の基板と、片面に反射膜が形成された第2の基板とを備え、前記偏光分離膜と前記反射膜とが対向しないように、前記第1の基板と前記第2の基板とが、前記入射面および前記出射面に対して前記旋光子と同様の傾き角を有し、前記入射面と平行な方向に交互に積層され、前記旋光子は、前記第1の基板の前記偏光分離膜が形成されている側と前記第2の基板との間に配置された構造としてもよい。
【0033】
また、好ましくは、前記入射面または前記出射面のどちらか一方または両方に反射防止膜を形成する。それにより、前記偏光変換素子と空気との境界で生じる反射損失を低減することができる。
【0034】
また、好ましくは、前記旋光子は、基準波長をλ0とした場合の基準波長複屈折値がそれぞれR1およびR2の2枚の複屈折フィルムを、それぞれの異方軸角度がθ1およびθ2となるように積層されて構成されている。ただし、λ0、R1、R2、θ1およびθ2は、それぞれ、以下の式を満たす数値である。
【0035】
450nm<λ0<550nm
R1≒1.23×λ0/2
R2≒0.76×λ0/2
θ1≒73°
θ2≒31°
それにより、旋光子の面に対して斜めに光が入射しても、旋光子の特性が低下することが無い。そのため、十分な変換効率を有する偏光変換素子を提供できる。
【0036】
なお、基準波長とは旋光子の最大変換効率が期待される入射光の波長である。また、前記基準波長複屈折値とは、複屈折フィルムに、その法線方向から前記基準波長の光が入射した場合の複屈折値のことである。さらに、異方軸角度とは、前記複屈折フィルムの主面と偏光変換素子の入射面とが交わる線と、前記複屈折フィルムの遅相軸とがなす角度である。
【0037】
また、本実施の形態の偏光変換素子の製造方法によれば、基板と旋光子とを所定の配列周期で積層して接着し、所定の角度を有する方向に切断して偏光変換素子を製造するので、旋光子を細かい間隔で精密に多数個貼り合わせるといった手間のかかる工程が無くなり、工数短縮、不良品の減少、コストダウンが可能となる。
【0038】
また、好ましくは、前記積層工程において、前記基板および前記旋光子を前記切断方向にずらして積層する。それにより、切断工程において、端材が少なくなるので、無駄なく前記板状体を切り出すことができる。
【0039】
また、本実施の形態の他の偏光変換素子の製造方法によれば、第1の基板、第2の基板と旋光子とを所定の配列周期で積層して接着し、所定の角度を有する方向に切断して偏光変換素子を製造するので、旋光子を細かい間隔で精密に多数個貼り合わせるといった手間のかかる工程が無くなり、工数短縮、不良品の減少、コストダウンが可能となる。
【0040】
また、本実施の形態の他の偏光変換素子の製造方法によれば、反射膜が形成された基板を用いて、偏光変換素子を製造する。それにより、損失の少ない偏光変換素子を製造できる。
【0041】
また、好ましくは、前記積層工程において、前記第1の基板、前記第2の基板および前記旋光子を前記切断方向にずらして積層する。それにより、切断工程において、端材が少なくなるので、無駄なく前記板状体を切り出すことができる。
【0042】
また、好ましくは、前記研磨工程後に、前記板状体の両面またはどちらか一方の面に反射防止膜を形成する工程を備える。それにより、前記偏光変換素子と空気との境界で生じる反射損失を低減した偏光変換素子を製造することができる。
【0043】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る偏光変換素子101およびその製造方法について図を用いて説明する。図1は実施の形態1の偏光変換素子101の断面図である。
【0044】
実施の形態1の偏光変換素子101は、光の入射面102および出射面103に対して略45度の斜め方向に層を形成するように、一方の面に偏光分離膜106が形成された透明な基板104が複数配置されていて、さらに、基板104同士の間には、一層おきに、旋光子109が配置されている。
【0045】
基板104同士および基板104と旋光子109とは、接着剤からなる接着剤層108を介して接着されている。また、出射面103には、反射防止膜111が形成されている。
【0046】
なお、基板104同士を接着する接着剤層108および基板104と旋光子109とを接着する接着剤層108は、同一の材料でなくてもよく、異なる接着剤を用いてもよい。
【0047】
光源から発せられた入射光110は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光であり、偏光変換素子101の入射面102に対して直角方向に入射される。入射光110は、基板104を透過して、偏光分離膜106によってP偏光とS偏光とに分離される。偏光分離膜106は誘電体多層膜であり、S偏光かP偏光のいずれか一方を透過して他方を反射する特性を有するが、実施の形態1では、P偏光を透過しS偏光を反射する特性を有する。
【0048】
P偏光は、偏光分離膜106を透過して、直進し、接着剤層108を透過して、旋光子109に入射する。旋光子109は、偏光面を回転させるので、P偏光はS偏光に変換され、接着剤層108、隣の基板104、反射防止膜111を透過して、出射面103より出射される。
【0049】
偏光分離膜106によって分離されたS偏光は、偏光分離膜106において直角に反射されて、基板104と接着剤層108中を入射面102および出射面103に対して略平行に進んで、隣接した基板104に形成された偏光分離膜106においてさらに直角に反射され、接着剤層108、基板104および反射防止膜111を透過して、出射面103から出射される。
【0050】
したがって、出射面103から出射されるのは、S偏光のみとなる。つまり、偏光変換素子101は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光をS偏光に偏光することができる。
【0051】
実施の形態1における旋光子109としては、入射された直線偏光を直線偏光に維持したまま、偏光軸(偏光面)を回転する機能を有していればよい。例えば、従来の偏光変換素子に用いていた、同一の複屈折フィルムの異方軸をずらして2枚積層して構成された上述の2層旋光子を用いてもよい。しかし、この旋光子を用いて偏光変換素子101を構成すると、変換効率が低くなる。図4には、従来の2層旋光子を用いた従来の偏光変換素子601(図15を参照)と従来の2層旋光子を用いた実施の形態1の偏光変換素子101との、入射光の波長に対する変換効率を示している。なお、これらは、実測により求めている。図4において、線Aは実施の形態1の偏光変換素子101を示し、線Bは従来の偏光変換素子601を示している。図4よりわかるように、実施の形態1の偏光変換素子の変換効率は、従来の偏光変換素子に比べて低い。
【0052】
このように変換効率が低下するのは、図15に示す従来の偏光変換素子601では、旋光子609の面の法線方向から光が入射するのに対して、図1に示す実施の形態1の偏光変換素子101では旋光子109の法線方向から傾いた斜めの方向から光が入射することによるものと考えられる。
【0053】
そこで、発明者らは、屈折率異方性の分布状態を示す屈折率楕円体が、光軸から傾いた面内で回転するモデルを詳細に検討した。その結果、実施の形態1に係る偏光変換素子101の変換効率を低下させることのない旋光子109を構成するための条件を見出した。
【0054】
具体的には、旋光子109は、基準波長複屈折値がR1である複屈折フィルムと、基準波長複屈折値がR2である複屈折フィルムとがそれぞれ異方軸角度θ1、異方軸角度θ2で積層された構成とすることが望ましい。
【0055】
ここで、基準波長複屈折値とは、複屈折フィルム面の法線方向から基準波長λ0の光が複屈折フィルムに入射した場合の複屈折値である。異方軸角度とは、複屈折フィルムの主面と入射面102とが交わる線と、複屈折フィルムの遅相軸とがなす角度である。
【0056】
ただし、これらは、以下の条件を満たしている。
【0057】
450(nm)<λ0<600(nm)
R1≒1.23×λ0/2
R2≒0.76×λ0/2
θ1≒73°
θ2≒31°
基準波長λ0とは旋光子109の最大変換効率が期待される入射光の波長である。450nmを超えていて、600nm未満の範囲で、短波長側の特性を特に良好にする場合には基準波長λ0を小さめに設定する。逆に、上記範囲内で、長波長側の特性を特に良好にする場合は基準波長λ0を大きめに設定する。基準波長λ0を450nm以下に設定すると、短波長領域では十分な変換効率が得られるが700nm近傍の長波長領域で変換効率が低下するため好ましくない。また、基準波長λ0を600nm以上に設定すると逆に400nm近傍の短波長領域での変換効率が低下するため好ましくない。
【0058】
基準波長複屈折率値R1およびR2は、λ0/2に補正係数(1.23および0.76)を乗じて求めている。これら補正係数は、複屈折フィルムの面に対して、斜めに入射する光における所定の実効複屈折を実現するための係数である。なお、各補正係数1.23および0.76は、10%以内、より好ましくは5%以内の誤差が含まれている。また、異方軸角度θ1およびθ2は、それぞれ73°および31°のプラスマイナス3°、好ましくはプラスマイナス1°以内であればよい。
【0059】
基準波長複屈折率値R1およびR2と異方軸角度θ1およびθ2とが上述の値から大きくずれると、最大変換効率を示す波長がシフトしたり、波長域全体に渡って変換効率が低下したりなど所望の特性を得ることができなくなる。
【0060】
例えば、基準波長λ0を510nmと設定し、波長510nmの光に対しての複屈折値が約310nmであるポリカーボネート製複屈折フィルムと、波長510nmの光に対しての複屈折値が約190nmのポリカーボネート製複屈折フィルムとを用いて、旋光子109を構成した。
【0061】
さらに、それぞれの複屈折フィルムの遅相軸が、複屈折フィルム面内で偏光変換素子101の入射面102および出射面103となす角度がそれぞれ73°および31°になるように積層した。
【0062】
この場合、
R1≒1.23×λ0/2=1.23×510/2=313.65
であり、R1が約310nmなので上記条件を満たす。また、
R2≒0.76×λ0/2=193.8
であり、R2が約190nmなので、上記条件を満たす。また、θ1が73°でθ2が31°なので、上記条件を満たす。
【0063】
上記条件で構成されたこの旋光子109を用いて、偏光変換素子101を構成し、入射光の波長と変換効率との関係を実測により求めた結果を図5に示す。なお、図5において、線Cは上記条件を満たした旋光子109を用いた偏光変換素子を示している。また、比較のために、従来の旋光子を用いた偏光変換素子101を示す線Dも図示している。図5から明らかなように、上記条件の旋光子109を用いることで、従来の旋光子を用いた場合に比べて、変換効率が向上している。
【0064】
このように、実施の形態1に係る偏光変換素子101には、入射光が入射面の法線に対して、斜めに入射する場合に高特性を示す旋光子とすることが望ましく、上記条件を満たした旋光子109を用いることが望ましい。
【0065】
また、出射面103に反射防止膜111が形成されていない場合には、基板104と空気との界面において4〜5%程度の光の反射が生じて損失となるが、反射防止膜111を形成することで光の損失を最小限に抑えることができる。
【0066】
また、図示はしていないが、偏光変換素子101の入射面102側には、光源からの光を基板104に集光するためのレンズアレイを貼り合わせる。そのため、入射面102での光の反射はほぼ生じない。したがって、出射面103にのみ反射防止膜111を形成すればよい。しかし、偏光変換素子101を他の部材と貼り合わせることなく両面とも空気に接する状態で用いる場合には、入射面102と出射面103の両面に反射防止膜111を形成することで光の反射損失を抑えることができる。また、入射面102および出射面103に旋光子が貼り付けられていない構成なので、レンズアレイを容易に貼り合わせることができる。
【0067】
以上の様に構成すれば、偏光分離膜106と旋光子109とが隣接して接合しているので、旋光子109は作用すべき偏光成分が透過する理想的な位置に自動的に配置される。その結果、微細な旋光子を多数精密に整列して貼り合わせる工程が不要となり、後述の様なプロセスにより効率よく製造可能となる。また従来の偏光変換素子の様に、位置合わせ誤差によって、変換すべき偏光成分を変換してしまうことや、変換してはならない偏光成分を変換してしまうことなどの損失を発生することが原理的に無い。さらに、旋光子109には、その面に対して斜めに光が入射しても、旋光子109の特性が低下しないような旋光子109を用いているので、偏光変換素子101の変換効率が低くなることはない。
【0068】
次に、偏光変換素子101の製造方法を図2および図3を用いて説明する。まず、透明な平行基板である基板104の一方の表面に誘電体多層膜からなる偏光分離膜106を、蒸着法やスパッタ法を用いて形成する。基板104一つに対して一種類の偏光分離膜106を成膜すればよいので大量に安定して成膜することができる。
【0069】
次に、図2で示すように、偏光分離膜106が形成された基板104を複数個配列し、基板104の間の1列おきに旋光子109を配置し、接着剤を用いてそれぞれを接着する。なお、図2および図3においては、見やすさを考慮して、接着剤層108の図示を省略している。
【0070】
具体的には、旋光子109の一方の面に予め接着剤を塗布し、基板104に形成された偏光分離膜106と旋光子109とを先に接着する。次に、旋光子109が接着された基板104と、旋光子109が接着されていない基板104とを交互に配列して接着剤を塗布して接着する。従来は、旋光子の接着作業は、旋光子が細長く取り扱いにくい上、精密なピッチの位置決め精度が必要とされていた。しかし、このようにすることにより、旋光子109自体が大きく取り扱い易く、かつ接着位置も基板104全面を覆えば良いだけなので精密な位置決め装置や位置決め作業が不要である。それにより、工数短縮、不良品の減少、コストダウンを実現できる。
【0071】
また、例えば、上記接着後に、基板104と旋光子109とが接着された部材の両面には、偏光分離膜106が形成されていない基板104を接着しておくとよい。それにより、偏光変換素子101完成後に、光学機器に取り付ける時の固定部としてこの部分を用いることができる。また、基板104の切断や研磨工程において欠けやすい端の箇所には、光学機能に影響のない基板が配置されていることになり、不良品が減少する。
【0072】
次に、図3に示すように、上記の接着された部材112を、基板104の表面に対して斜めの方向に切断線113に沿って切断する。図3において、切断線113は一点鎖線で示している。切断後に、研磨等を行うので、その分を考慮して、偏光変換素子101完成後の厚みよりも余分の厚さになるように、適宜切断間隔を決定する。なお、切断線113が、入射面102もしくは出射面103側となる。切断には、例えば、ワイヤーソー、外周刃切断機および内周刃切断機などを用いることができる。
【0073】
また、基板104と旋光子109とを配列して接着する場合に、図2、図3に示しているように、切断方向とほぼ同一方向に各部材をずらして配列して接着すれば、端材を最小に抑えることができ、偏光変換素子101を多く製造することができる。
【0074】
次に、切り出した板材は切断面が粗いので上下両面を研磨して透明な表面に仕上げ、入射面102および出射面103を形成し、出射面103に反射防止膜111を蒸着法により形成する。以上の工程で偏光変換素子が製造される。実施の形態1の偏光変換素子とその製造方法によれば、1種類の基板だけを配列するので、基板の仕分けに手間を取られることや、配列順序を間違うことも無い。
【0075】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る偏光変換素子201およびその製造方法について図を用いて説明する。図6は実施の形態2の偏光変換素子201の断面図である。
【0076】
実施の形態2の偏光変換素子201は、光の入射面202および出射面203に対して略45度の斜め方向に層を形成するように、両側の面に偏光分離膜206が形成された透明な第1の基板204、透明な第2の基板205、旋光子209、が右方向に順に配置され、さらにそれらの層が繰り返して配置されて構成されている。
【0077】
これらの各部材は、接着剤層208を介して接着されている。つまり、第1の基板204および第2の基板205の間には接着剤層208が形成されている。また、第2の基板205および旋光子209の間には接着剤層208が形成されている。また、旋光子209および第1の基板204の間には接着剤層208が形成されている。なお、これらの接着剤層208は、それぞれ、接着する各部材毎に異なる接着剤を用いてもよい。また、実施の形態1と同様に、出射面203には、反射防止膜211が形成され、空気との界面での反射による損失を低減させる。
【0078】
なお、旋光子209は、実施の形態1で説明した旋光子109と同様の構成とすることが望ましい。入射光が旋光子209の面の法線に対して、斜めに入射する場合に高特性を示すことが望ましい。これにより、偏光変換素子201の変換効率は十分高い。
【0079】
光源から発せられた入射光210は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光であり、偏光変換素子201の入射面202に対して直角方向に入射される。入射光210は、第1の基板204を透過して、偏光分離膜206によってP偏光とS偏光とに分離される。実施の形態2では、偏光分離膜206は、P偏光を透過しS偏光を反射する特性を有する。
【0080】
P偏光は、偏光分離膜206を透過して、直進し、接着剤層208を透過して、旋光子209に入射し、S偏光に変換され、接着剤層208、第2の基板205、反射防止膜211を透過して、出射面203より出射される。
【0081】
偏光分離膜206によって分離されたS偏光は、偏光分離膜206において直角に反射されて、第1の基板204中を入射面202および出射面203に対して略平行に進んで、第1の基板204に形成された反対側の偏光分離膜206においてさらに直角に反射され、第1の基板204および反射防止膜211を透過して、出射面203から出射される。
【0082】
したがって、出射面203から出射されるのは、S偏光のみとなる。つまり、偏光変換素子201は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光をS偏光に偏光することができる。
【0083】
また、偏光分離膜206によって分離されたS偏光が、出射面203から出射されるまでに、接着剤層208を透過することがないので、光の強度は低下しない。
【0084】
次に、偏光変換素子201の製造方法を図7および図8を用いて説明する。まず、透明な平行基板である第1の基板204の両方の表面に誘電体多層膜からなる偏光分離膜206を、蒸着法やスパッタ法を用いて形成する。第1の基板204の両面に成膜する必要があるが、偏光分離膜206は同一種類であるので、手間がかからない。また、第2の基板205には、成膜する必要がないので、その分成膜工程に、時間およびコストがかからない。
【0085】
次に、図7に示すように、第1の基板204と第2の基板205を交互に複数個配列し、それらの間の1列おきに旋光子209を配置し、接着剤を用いてそれぞれを接着する。なお、図7および図8においては、見やすさを考慮して、接着剤層208の図示を省略している。
【0086】
具体的には、第1の基板204の上に接着剤を塗布して旋光子209を載せ置き、旋光子209の上に接着剤を塗布して第2の基板205を載せ置き、第2の基板205上に接着剤を塗布して第1の基板204を載せ置くという工程を繰り返して所定の枚数の各部材を配列してから接着剤を硬化して接着を行う。この方法によれば全ての部材を一度に接着硬化することができるので手間がかからず、合理的である。また、実施の形態1と同様に、旋光子209の接着作業が容易になり、工数短縮、不良品の減少、コストダウンを実現できる。
【0087】
なお、実施の形態1で説明したように、上記接着によって接着された部材の両面には、偏光分離膜206が形成されていない基板204が接着されていてもよい。
【0088】
次に、図8に示すように、上記の接着された部材212を、第1の基板204および第2の基板205の表面に対して斜めの方向に切断線213に沿って切断する。図8において、切断線213は一点鎖線で示している。切断後に、研磨等を行うので、その分を考慮して、偏光変換素子201完成後の厚みよりも余分の厚さになるように、適宜切断間隔を決定する。切断には、例えば、外周刃を利用するスライサーを用いる。図7、図8に示しているように、切断方向とほぼ同一方向に各部材をずらして配列することで、端材を最小に抑えることができる。
【0089】
次に、切り出した板材は切断面が粗いので上下両面を研磨して透明な表面に仕上げ、入射面202および出射面203を形成し、出射面203に反射防止膜211を蒸着法により形成する。以上の工程で偏光変換素子201が製造される。
【0090】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る偏光変換素子301およびその製造方法について図を用いて説明する。図9は実施の形態3の偏光変換素子301の断面図である。
【0091】
実施の形態3の偏光変換素子301は、光の入射面302および出射面303に対して略45度の斜め方向に層を形成するように、一方の面に偏光分離膜306が形成され、他方の面に反射膜307が形成された透明な第1の基板304、透明な第2の基板305、旋光子309が右方向に順に配置され、さらにそれらの層が繰り返して配置されて構成されている。ただし、第1の基板304の偏光分離膜306は旋光子309と隣接し、反射膜307は第2の基板305と隣接している。
【0092】
これらの各部材は、接着剤層308を介して接着されている。つまり、第1の基板304および第2の基板305の間には、接着剤層308が形成されている。また、第2の基板305および旋光子309の間には、接着剤層308が形成されている。旋光子309および第1の基板304の間には、接着剤層308が形成されている。なお、これらの接着剤層308は、それぞれ、接着する各部材毎に異なる接着剤を用いてもよい。また、実施の形態1と同様に、出射面303には、反射防止膜311が形成され、空気との界面での反射による損失を低減させる。
【0093】
なお、旋光子309は、実施の形態1で説明した旋光子109と同様の構成とすることが望ましい。入射光が旋光子309の面の法線に対して、斜めに入射する場合に高特性を示すことが望ましい。これにより、偏光変換素子301の変換効率は十分高い。
【0094】
光源から発せられた入射光310は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光であり、偏光変換素子301の入射面302に対して直角方向に入射される。入射光310は、第1の基板304を透過して、偏光分離膜306によってP偏光とS偏光とに分離される。実施の形態3では、偏光分離膜306は、P偏光を透過しS偏光を反射する特性を有する。
【0095】
P偏光は、偏光分離膜306を透過して、直進し、接着剤層308を透過して、旋光子309に入射し、S偏光に変換され、接着剤層308、第2の基板305、反射防止膜311を透過して、出射面303より出射される。
【0096】
偏光分離膜306によって分離されたS偏光は、偏光分離膜306において直角に反射されて、第1の基板304中を入射面302および出射面303に対して略平行に進んで、第1の基板304に形成された反射膜307においてさらに直角に反射され、第1の基板304および反射防止膜311を透過して、出射面303から出射される。
【0097】
反射膜307は、偏光分離膜306にくらべて効率よく、全ての光を反射することができる。反射膜307としては、例えば、金属膜、金属膜に誘電体膜を付加した増反射膜、誘電体多層膜を用いる。
【0098】
以上より、出射面303から出射されるのは、S偏光のみとなる。つまり、偏光変換素子301は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光をS偏光に偏光することができる。
【0099】
また、偏光分離膜306によって分離されたS偏光が、出射面303から出射されるまでに、接着剤層308を透過することがないので、光の強度は低下しない。
【0100】
次に、偏光変換素子301の製造方法を図10および図11を用いて説明する。まず、透明な平行基板である第1の基板304に偏光分離膜306および反射膜307を、蒸着法やスパッタ法を用いて形成する。第3の基板305には、成膜する必要がないので、その分成膜工程に、時間およびコストがかからない。
【0101】
次に、図10で示すように、第1の基板304と第2の基板305を交互に複数個配列し、第1の基板304に形成された偏光分離膜306と第2の基板305の間に、旋光子309を配置し、接着剤を用いてそれぞれを接着する。なお、図10および図11においては、見やすさを考慮して、接着剤層308の図示を省略している。
【0102】
具体的には、第1の基板304の偏光分離膜306が形成された側に接着剤を塗布して旋光子309を載せ置き、旋光子309の上に接着剤を塗布して第2の基板305を載せ置き、第2の基板305上に接着剤を塗布して、反射膜307側が下になるように第1の基板304を載せ置くという工程を繰り返して所定の枚数の各部材を配列してから接着剤を硬化して接着を行う。この方法によれば全ての部材を一度に接着硬化することができるので手間がかからず、合理的である。また、実施の形態1と同様に、旋光子309の接着作業が容易になり、工数短縮、不良品の減少、コストダウンを実現できる。
【0103】
なお、実施の形態1で説明したように、上記接着によって接着された部材の両面には、偏光分離膜306が形成されていない基板304が接着されていてもよい。
【0104】
次に、図11に示すように、上記の接着された部材312を、第1の基板304および第2の基板305の表面に対して斜めの方向に切断線313に沿って切断する。図11において、切断線313は一点鎖線で示している。切断後に、研磨等を行うので、その分を考慮して、偏光変換素子301完成後の厚みよりも余分の厚さになるように、適宜切断間隔を決定する。切断には、例えば、外周刃を利用するスライサーを用いる。図10、図11に示しているように、切断方向とほぼ同一方向に各部材をずらして配列することで、端材を最小に抑えることができる。
【0105】
次に、切り出した板材は切断面が粗いので上下両面を研磨して透明な表面に仕上げ、入射面302および出射面303を形成し、出射面303に反射防止膜311を蒸着法により形成する。以上の工程で偏光変換素子301が製造される。
【0106】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る偏光変換素子401およびその製造方法について図を用いて説明する。図12は実施の形態4の偏光変換素子401の断面図である。
【0107】
実施の形態4の偏光変換素子401は、光の入射面402および出射面403に対して略45度の斜め方向に層を形成するように、一方の面に偏光分離膜406が形成された透明な第1の基板404、一方の面に反射膜407が形成された透明な第2の基板405、旋光子409が右方向に順に配置され、さらにそれらの層が繰り返して配置されて構成されている。ただし、第1の基板404の偏光分離膜406は旋光子409と隣接し、第2の基板405の反射膜407は第1の基板404の何も形成されていない側と隣接し、旋光子409は、第2の基板405の何も形成されていない側と隣接している。
【0108】
これらの各部材は、接着剤層408を介して接着されている。つまり、第1の基板404および第2の基板405の間には、接着剤層408が形成されている。また、第2の基板405および旋光子409の間には、接着剤層408が形成されている。また、旋光子409および第1の基板404の間には、接着剤層408が形成されている。なお、これらの接着剤層408は、それぞれ、接着する各部材毎に異なる接着剤を用いてもよい。また、実施の形態1と同様に、出射面403には、反射防止膜411が形成され、空気との界面での反射による損失を低減させる。
【0109】
なお、旋光子409は、実施の形態1で説明した旋光子109と同様の構成とすることが望ましい。入射光が旋光子409の面の法線に対して、斜めに入射する場合に高特性を示すことが望ましい。これにより、偏光変換素子401の変換効率は十分高い。
【0110】
光源から発せられた入射光410は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光であり、偏光変換素子401の入射面402に対して直角方向に入射される。入射光410は、第1の基板404を透過して、偏光分離膜406によってP偏光とS偏光とに分離される。実施の形態4では、偏光分離膜406は、P偏光を透過しS偏光を反射する特性を有する。
【0111】
P偏光は、偏光分離膜406を透過して、直進し、接着剤層408を透過して、旋光子409に入射し、S偏光に変換され、接着剤層408、第2の基板405、反射防止膜411を透過して、出射面403より出射される。
【0112】
偏光分離膜406によって分離されたS偏光は、偏光分離膜406において直角に反射されて、第1の基板404および接着剤層408中を入射面402および出射面403に対して略平行に進んで、第2の基板405に形成された反射膜407においてさらに直角に反射され、接着剤層408、第1の基板404および反射防止膜411を透過して、出射面403から出射される。
【0113】
反射膜407は、偏光分離膜にくらべて効率よく、全ての光を反射することができる。反射膜407としては、例えば、金属膜、金属膜に誘電体膜を付加した増反射膜、誘電体多層膜を用いる。
【0114】
以上より、出射面403から出射されるのは、S偏光のみとなる。つまり、偏光変換素子401は、P偏光およびS偏光を含むランダム偏光をS偏光に偏光することができる。
【0115】
次に、偏光変換素子401の製造方法を図13および図15を用いて説明する。まず、透明な平行基板である第1の基板404に偏光分離膜406を形成し、透明な平行基板である第2の基板405に反射膜407を形成する。偏光分離膜406および反射膜407は、蒸着法やスパッタ法を用いて形成する。
【0116】
次に、図13で示すように、第1の基板404と第2の基板405を交互に複数個配列し、第1の基板404に形成された偏光分離膜406と第2の基板405の反射膜407が形成されていない側との間に、旋光子409を配置し、接着剤層408を用いてそれぞれを接着する。なお、図13および図14においては、見やすさを考慮して、接着剤層408の図示を省略している。
【0117】
具体的には、第1の基板404の偏光分離膜406が形成された側に接着剤を塗布して旋光子409を載せ置き、旋光子409の上に接着剤を塗布して、反射膜407が上側になるように第2の基板405を載せ置き接着硬化させる。同様にして製造した、第1の基板404、旋光子409、第2の基板405からなる部材をさらに積み重ねて、それぞれを接着剤層408で接着する。また、実施の形態1と同様に、旋光子409の接着作業が容易になり、工数短縮、不良品の減少、コストダウンを実現できる。
【0118】
なお、実施の形態1で説明したように、上記接着によって接着された部材の両面には、偏光分離膜406が形成されていない基板404が接着されていてもよい。
【0119】
次に、図14に示すように、上記の接着された部材412を、第1の基板404および第2の基板405の表面に対して斜めの方向に切断線413に沿って切断する。図14において、切断線は一点鎖線で示している。切断後に、研磨等を行うので、その分を考慮して、偏光変換素子401完成後の厚みよりも余分の厚さになるように、適宜切断間隔を決定する。切断には、例えば、ワイヤーソーを用いる。図13、図14に示しているように、切断方向とほぼ同一方向に各部材をずらして配列することで、端材を最小に抑えることができる。
【0120】
次に、切り出した板材は切断面が粗いので上下両面を研磨して透明な表面に仕上げ、入射面402および出射面403を形成し、出射面403に反射防止膜411を蒸着法により形成する。以上の工程で偏光変換素子401が製造される。
【0121】
本実施の形態によれば、偏光分離膜および旋光子を、隣接するように接合しているので、旋光子は作用すべき偏光成分が透過する理想的な位置に自動的に配置される。その結果、微細な旋光子を多数精密に整列して張り合わせる工程が不要となり、効率よく製造可能となる。また従来の偏光変換素子のように、位置合わせ誤差によって、変換すべき偏光成分を変換しない、または、変換してはならない偏光成分を変換してしまうなどがないので、損失を発生することが原理的に無い。
【0122】
また、入射面、出射面ともに平坦に出来るので、レンズアレイ、フィールドレンズなどのほかの部材との張り合わせて界面反射を防止して効率を高めることが容易になる。
【0123】
【発明の効果】
本発明によれば、容易に製造でき、工数の増加、不良品の発生およびコストアップを防ぎ、旋光子の張り合わせ位置の誤差によって変換損失が発生することの無い、偏光変換素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0124】
また、本発明によれば、入射面および出射面に容易にレンズを貼り付けることができる偏光変換素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る偏光変換素子の構成を示す断面図
【図2】実施の形態1に係る偏光変換素子の製造工程における接着時の配列を示す図
【図3】実施の形態1に係る偏光変換素子の製造工程における切断位置を示す図
【図4】従来の2層旋光子を用いた従来の偏光変換素子と従来の2層旋光子を用いた実施の形態1の偏光変換素子との、入射光の波長に対する変換効率を示す図
【図5】実施の形態1の偏光変換素子における、入射光の波長と変換効率を示す図
【図6】実施の形態2に係る偏光変換素子の構成を示す断面図
【図7】実施の形態2に係る偏光変換素子の製造工程における接着時の配列を示す図
【図8】実施の形態2に係る偏光変換素子の製造工程における切断位置を示す図
【図9】実施の形態3に係る偏光変換素子の構成を示す断面図
【図10】実施の形態3に係る偏光変換素子の製造工程における接着時の配列を示す図
【図11】実施の形態3に係る偏光変換素子の製造工程における切断位置を示す図
【図12】実施の形態4に係る偏光変換素子の構成を示す断面図
【図13】実施の形態4に係る偏光変換素子の製造工程における接着時の配列を示す図
【図14】実施の形態4に係る偏光変換素子の製造工程における切断位置を示す図
【図15】従来の偏光変換素子の構成を示す断面図
【図16】従来の偏光変換素子の構成を示す斜視図
【図17】透過光の波長と、その波長に対する相対複屈折値との関係図
【図18】従来の偏光変換素子の、入射光の波長に対する変換効率を示す図
【図19】単層旋光子と2層旋光子とを用いた従来の偏光変換素子の、入射光の波長に対する変換効率を示す図
【符号の説明】
101、201、301、401、601 偏光変換素子
102、202、302、402、602 入射面
103、203、303、403、603 出射面
104 基板
204、304、404、604 第1の基板
205、305、405、605 第2の基板
106、206、306、406、606 偏光分離膜
307、407、507、607 反射膜
108、208、308、408、608 接着剤層
109、209、309、409、609 旋光子
110、210、310、410、610 入射光
111、211、311、411 反射防止膜
112、212、312、412 接着された部材
113、213、313、413 切断線
Claims (15)
- 光が入射される入射面と、前記入射面に平行な出射面とを有する板状の偏光変換素子であって、
入射光をS偏光およびP偏光に分離して、前記S偏光および前記P偏光の内どちらか一方を透過し、他方を反射する偏光分離膜と、
光の偏光面を回転させる旋光子とを備え、
前記偏光分離膜および前記旋光子は、前記入射面および前記出射面の間に位置し、前記入射面および前記出射面に対して所定の角度だけ傾き、前記入射面と平行な方向に周期的に配置されたことを特徴とする偏光変換素子。 - 片面に前記偏光分離膜が形成された基板が、前記入射面および前記出射面に対して前記旋光子と同様の傾き角を有し、前記入射面と平行な方向に積層され、
前記旋光子は、前記基板同士の間に一列おきに配置された請求項1に記載の偏光変換素子。 - 両面に前記偏光分離膜が形成された第1の基板と、第2の基板とを備え、
前記第1の基板と前記第2の基板が、前記入射面および前記出射面に対して前記旋光子と同様の傾き角を有し、前記入射面と平行な方向に交互に積層され、
前記旋光子は、前記第1の基板と前記第2の基板との間に一列おきに配置された請求項1に記載の偏光変換素子。 - 片面に前記偏光分離膜が形成され、他面に反射膜が形成された第1の基板と、第2の基板とを備え、
前記第1の基板と前記第2の基板が、前記入射面および前記出射面に対して前記旋光子と同様の傾き角を有し、前記入射面と平行な方向に交互に積層され、
前記旋光子は、前記第1の基板の前記偏光分離膜が形成されている側と前記第2の基板との間に配置された請求項1に記載の偏光変換素子。 - 片面に前記偏光分離膜が形成された第1の基板と、
片面に反射膜が形成された第2の基板とを備え、
前記偏光分離膜と前記反射膜とが対向しないように、前記第1の基板と前記第2の基板が、前記入射面および前記出射面に対して前記旋光子と同様の傾き角を有し、前記入射面と平行な方向に交互に積層され、
前記旋光子は、前記第1の基板の前記偏光分離膜が形成されている側と前記第2の基板との間に配置された請求項1に記載の偏光変換素子。 - 前記入射面または前記出射面のどちらか一方または両方に反射防止膜が形成された請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の偏光変換素子。
- 前記旋光子は、基準波長をλ0とした場合の基準波長複屈折値がそれぞれR1およびR2の2枚の複屈折フィルムを、それぞれの異方軸角度がθ1およびθ2となるように積層されて構成されている、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の偏光変換素子。
ただし、λ0、R1、R2、θ1およびθ2は、それぞれ、以下の式を満たす数値である。
450nm<λ0<550nm
R1≒1.23×λ0/2
R2≒0.76×λ0/2
θ1≒73°
θ2≒31° - 基板と旋光子とを所定の配列周期で積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、
前記積層工程後に、前記積層体を前記基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に切断して、板状体を切り出す切断工程とを備える偏光変換素子の製造方法。 - 基板の片面に偏光分離膜を形成する成膜工程と、
前記偏光分離膜が形成された前記基板を、前記基板同士の間に一列おきに旋光子が配置されるように積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、
前記積層工程後に、前記積層体を前記基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に切断して、板状体を切り出す切断工程と、
切り出した前記板状体の表面を研磨する研磨工程とを備える偏光変換素子の製造方法。 - 前記積層工程において、前記基板および前記旋光子を前記切断方向にずらして積層した請求項8または請求項9に記載の偏光変換素子の製造方法。
- 第1の基板の両面に偏光分離膜を形成する成膜工程と、
前記成膜工程後に、前記第1の基板と前記第2の基板の間に一列おきに旋光子が配置されるように前記第1の基板と第2の基板とを交互に積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、
前記積層工程後に、前記第1の基板、前記第2の基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に前記積層体を切断して、板状体を切り出す切断工程と、
切り出した前記板状体の表面を研磨する研磨工程とを備える偏光変換素子の製造方法。 - 第1の基板の片面に偏光分離膜を形成し、他方の面に反射膜を形成する成膜工程と、
前記成膜工程後に、前記第1の基板の前記偏光分離膜側と前記第2の基板との間に旋光子が配置されるように、前記第1の基板と前記第2の基板とを交互に積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、
前記積層工程後に、前記第1の基板、前記第2の基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に前記積層体を切断して、板状体を切り出す切断工程と、
切り出した前記板状体の表面を研磨する研磨工程とを備える偏光変換素子の製造方法。 - 第1の基板の片面に偏光分離膜を形成し、第2の基板の片面に反射膜を形成する成膜工程と、
前記成膜工程後に、前記第1の基板の前記偏光分離膜側と前記第2の基板との間に旋光子が配置され、前記偏光分離膜と前記反射膜とが対向しないように、前記第1の基板と前記第2の基板とを交互に積層して接着し、積層体を形成する積層工程と、
前記積層工程後に、前記第1の基板、前記第2の基板および前記旋光子に対して所定の角度を有する方向に前記積層体を切断して、板状体を切り出す切断工程と、
切り出した前記板状体の表面を研磨する研磨工程とを備える偏光変換素子の製造方法。 - 前記積層工程において、前記第1の基板、前記第2の基板および前記旋光子を前記切断方向にずらして積層する請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の偏光変換素子の製造方法。
- 前記研磨工程後に、前記板状体の両面またはどちらか一方の面に反射防止膜を形成する工程を備えた請求項9ないし請求項14のいずれかに記載の偏光変換素子の製造方法。
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