JP2004069461A - X線結晶解析用冷却方法および冷却装置 - Google Patents
X線結晶解析用冷却方法および冷却装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004069461A JP2004069461A JP2002228449A JP2002228449A JP2004069461A JP 2004069461 A JP2004069461 A JP 2004069461A JP 2002228449 A JP2002228449 A JP 2002228449A JP 2002228449 A JP2002228449 A JP 2002228449A JP 2004069461 A JP2004069461 A JP 2004069461A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nitrogen
- sample
- liquefied
- gas
- helium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
Abstract
【解決手段】循環して冷却に使用する液化窒素Aを液化窒素容器1から熱交換器3に供給する液化窒素供給手段と、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBを窒素ガス発生器2から発生させて熱交換器3に供給する窒素ガス供給手段と、供給された液化窒素Aと窒素ガスBを熱交換する熱交換器3と、熱交換された前記窒素ガスBは冷却されて低温窒素ガスBとなり試料9に吹き付けて試料を冷却する試料冷却手段と、熱交換された前記液化窒素Aは吸熱し気化して窒素ガスAとなり、極低温冷凍機5で冷却されて液化窒素Aにして液化窒素容器1に収容し循環して冷却に使用する液化窒素再使用手段を具備するX線結晶解析用冷却装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線結晶解析用冷却方法および冷却装置に関し、特に冷却用の低温ガスとして窒素ガスまたはヘリウムガスを用いて、X線結晶解析装置のゴニオメーターにセットされた試料に任意の温度に制御された低温窒素ガスまたはヘリウムガスを吹付けるX線結晶解析用冷却方法および冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、X線結晶構造解析は、超伝導材料などの新材料の開発、ポストゲノム構造科学等の分野において基本的な構造解析手法として知られている。そのX線結晶解析装置には、試料を低温で測定するために、低温冷却装置が設けられている。
従来型の低温冷却装置には、冷却した窒素ガスを試料に吹付ける窒素ガス吹付け方式と、真空断熱した容器中に試料を封入し、容器全体を冷凍機で冷却する試料封入方式がある。
【0003】
試料封入方式は、数Kの温度までの冷却が可能であるが、構造が複雑なため試料の取り扱いが難しく、熱収縮による位置変動が大きく、また装置の一部がX線を散乱し測定を妨害することがあるために、一般には普及していない。
【0004】
窒素ガス吹付け方式は構造が簡易かつ使用方法が簡便なため広く普及しているが、原理的に窒素の液化温度(80K)以下には冷却できないために、窒素の液化温度80K迄の範囲での測定が行なわれている。
【0005】
従来の窒素ガス吹付け方式は、窒素ガス発生器(PSA)により空気中の窒素ガスを分離して回収し、極低温冷凍機で冷却して液化窒素にして液化窒素容器に収容し、該液化窒素をX線結晶解析装置の近くに設置されてる中間容器に供給し、該中間容器に供給された液化窒素を圧力を調整しながら気化させて、低温窒素ガスを発生させ、該低温窒素ガスを試料に吹き付けて試料を冷却する方法が行なわれている。
【0006】
X線結晶解析は測定に数日から数週間の長時間を要することがあり、その間一定温度を保ちつつ、試料を均一に冷却することが極めて重要である。
しかしながら、この従来の窒素ガス吹付け方式では、液化窒素を直接気化して低温窒素ガスを発生させて、吹付けて用いるために液化窒素の消費量が多くなり、また長時間における温度制御が十分でなく、また空気中の窒素ガスを分離して回収してから低温窒素ガスにして試料に吹き付けて冷却するまでの液化窒素量を一定にたもつための管理に手間がかかる問題があった。
【0007】
また、現在まで行われているX線結晶解析用冷却装置は、液化窒素を使用したものが大部分であり、そのために窒素の液化温度80K迄の範囲での測定が限界であった。そのために、さらに低温における試料冷却装置が望まれている。
また、液化ヘリウムを用いて、15K迄の低温に冷却して試料の測定も行なわれているが、その冷却方法は上記の液化窒素を使用した冷却方法と同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記のX線結晶構造解析用の液化窒素を使用した、液化窒素ガス吹付方法による試料冷却装置における改良と、到達温度の追求と、温度制御時の安定性の確立、液化窒素の消費量の低減を目標として研究をかさねてきた。
【0009】
そして、極低温冷凍機を使用して発生した液化窒素を冷却媒体として窒素ガスの冷却に循環して使用する循環冷却系手段と、試料に吹き付ける低温窒素ガスを供給する吹き付け系手段を分離して、両手段を組み合わせることにより、窒素ガス発生器(PSA)により発生した窒素ガスを、液化窒素と熱交換して低温窒素ガスを生成し、また一度冷却に使用した液化窒素を再液化し液化窒素容器に戻して循環して用いることを可能にした。
【0010】
また、本発明は、このX線結晶構造解析用試料冷却装置に液化窒素の代わりに液化ヘリウムを使用できることを見出したものであり、液化ヘリウムを用いることにより15Kの低温での測定を可能にしたものである。
【0011】
本発明の第一の目的は、液化窒素を使用し、冷却温度が80Kまでの範囲で、液化窒素を追加供給することなく消費量を減少し、温度の安定性を保って、長時間連続で試料を冷却することができるX線結晶解析用冷却方法および冷却装置を提供することを目的とするものである。
本発明の第二の目的は、液化ヘリウムを使用し、冷却温度が15Kまでの範囲で、温度の安定性を保って、長時間連続で試料を冷却することができるX線結晶解析用冷却方法および冷却装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第一の発明は、循環して冷却に使用する液化窒素Aと、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBを熱交換して生成した低温窒素ガスBをX線結晶解析装置に設置された試料に吹き付けて冷却する方法であって、循環して冷却に使用する液化窒素Aを液化窒素容器から熱交換器に供給し、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBを窒素ガス発生器から発生させて熱交換器に供給し、前記熱交換器で液化窒素Aと窒素ガスBを熱交換することにより、前記窒素ガスBは冷却されて低温窒素ガスBとなり試料に吹き付けて試料を冷却し、前記液化窒素Aは吸熱し気化して窒素ガスAとなり、極低温冷凍機で冷却して液化窒素Aにして液化窒素容器に収容し循環して冷却に使用することを特徴とするX線結晶解析用冷却方法である。
【0013】
本発明の第二の発明は、冷却に使用する液化ヘリウムと、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスを熱交換して生成した低温ヘリウムガスをX線結晶解析装置に設置された試料に吹き付けて冷却する方法であって、冷却に使用する液化ヘリウムを液化ヘリウム容器から熱交換器に供給し、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスを熱交換器に供給し、前記熱交換器で液化ヘリウムとヘリウムガスを熱交換することにより、前記ヘリウムガスは冷却されて低温ヘリウムガスとなり試料に吹き付けて試料を冷却し、前記液化ヘリウムは吸熱し気化してヘリウムガスとなり、前記試料の吹き付けに使用するヘリウムガスとして使用することを特徴とするX線結晶解析用冷却方法である。
【0014】
本発明の第三の発明は、循環して冷却に使用する液化窒素Aと、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBを熱交換して生成した低温窒素ガスBをX線結晶解析装置に設置された試料に吹き付けて冷却する装置であって、循環して冷却に使用する液化窒素Aを液化窒素容器から熱交換器に供給する液化窒素供給手段と、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBを窒素ガス発生器から発生させて熱交換器に供給する窒素ガス供給手段と、供給された前記液化窒素Aと窒素ガスBを熱交換する熱交換器と、熱交換された前記窒素ガスBは冷却されて低温窒素ガスBとなり試料に吹き付けて試料を冷却する試料冷却手段と、熱交換された前記液化窒素Aは吸熱し気化して窒素ガスAとなり、極低温冷凍機で冷却して液化窒素Aにして液化窒素容器に収容し循環して冷却に使用する液化窒素再使用手段を具備することを特徴とするX線結晶解析用冷却装置である。
【0015】
本発明の第四の発明は、冷却に使用する液化ヘリウムと、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスを熱交換して生成した低温ヘリウムガスをX線結晶解析装置に設置された試料に吹き付けて冷却する装置であって、冷却に使用する液化ヘリウムを液化ヘリウム容器から熱交換器に供給する液化ヘリウム供給手段と、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスを熱交換器に供給するヘリウムガス供給手段と、供給された前記液化ヘリウムとヘリウムガスを熱交換する熱交換器と、熱交換された前記ヘリウムガスは冷却されて低温ヘリウムガスとなり試料に吹き付けて試料を冷却する試料冷却手段と、熱交換された前記液化ヘリウムは吸熱し気化してヘリウムガスとなり、前記試料の吹き付けに使用するヘリウムガスとして使用するヘリウムガス再使用手段を具備することを特徴とするX線結晶解析用冷却装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のX線結晶解析用冷却装置の一例を示す概略図である。図1は液化窒素を使用したX線結晶解析用冷却装置である。
【0017】
図中、1は液化窒素容器、2は窒素ガス発生器(PSA)、3は熱交換器、4はクライオスタット、5は極低温冷凍機、8は空気、9は試料、10はX線結晶解析装置を示す。
【0018】
同図1において、本発明のX線結晶解析用冷却装置は、図の左側の系統に示される、極低温冷凍機を使用して発生した液化窒素Aを冷却媒体として窒素ガスの冷却に循環して使用する循環冷却系手段と、図の右側の系統に示される、試料に吹き付ける低温窒素ガスBを供給する吹き付け系手段からなり、両手段が組み合わされて構成され、循環して冷却に使用する液化窒素Aと、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBは熱交換器3で熱交換し、窒素ガスBが冷却されて生成した低温窒素ガスBをX線結晶解析装置10に設置された試料9に吹き付けて冷却する装置である。
【0019】
液化窒素容器1には冷却に使用する液化窒素Aが収容されており、該液化窒素Aは液化窒素容器1から液化窒素供給手段Aを通して熱交換器3に供給される。一方、窒素ガス発生器(PSA)2により空気8から窒素ガスBを分離して得た後、該窒素ガスBは窒素ガス供給手段Bを通して熱交換器3に供給される。
【0020】
前記供給手段Aおよび供給手段Bから供給された、液化窒素Aおよび窒素ガスBは、クライオスタット4の熱交換器3で接触する。クライオスタット4の熱交換器3に導入された冷却に使用する液化窒素A(約80K)と窒素ガスB(約20℃)は熱交換して、窒素ガスBの熱は液化窒素Aに取られ、冷却されて低温窒素ガスBとなる。一方、熱交換により液化窒素Aは吸熱し気化して窒素ガスAとなる。
【0021】
冷却された低温窒素ガスBは、試料冷却手段により、クライオスタット4の先端から吹き出し、試料9に吹き付けて、試料9を冷却しながら測定が行なわれる。
【0022】
熱交換により液化窒素Aが吸熱して生成した窒素ガスAは、液化窒素再使用手段12において、供給手段A1を通過して極低温冷凍機5に供給される。供給手段A1には、ダイアフラムポンプ11が配置され、窒素ガスAの排出量を制御・調整し、窒素ガスAは極低温冷凍機5に一定量となる様に供給される。
窒素ガスAは極低温冷凍機5により冷却されて液化窒素Aとなり、液化窒素容器1に収容され、循環して冷却に使用される。
【0023】
上記の様に、本発明の液化窒素を使用したX線結晶解析用冷却装置は、極低温冷凍機を使用して発生した液化窒素を冷却媒体として使用する循環冷却系手段と、試料に吹き付ける低温窒素ガスを供給する吹き付け系手段を分離して両手段を組み合わせたことに特徴を有する。
【0024】
循環冷却系手段は、液化窒素容器1、供給手段A、クライオスタット4、供給手段A1、極低温冷凍機5、液化窒素再使用手段12からなる。吹き付け系手段Bは、窒素ガス発生器(PSA)2、供給手段B、クライオスタット4からなる。
【0025】
循環冷却系手段と吹き付け系手段は、クライオスタット4の熱交換器3で合流し、窒素ガス発生器2により発生した窒素ガスBを冷却に使用する液化窒素Aと熱交換して低温窒素ガスBを生成し、一方の液化窒素Aが吸熱し気化して生成した窒素ガスAを再液化し液化窒素として液化窒素容器に戻して循環して用いることを特徴とする。
【0026】
図2は、本発明のX線結晶解析用冷却装置の他の例を示す概略図である。図2は液化ヘリウムを使用したX線結晶解析用冷却装置である。
図中、21は液化ヘリウム容器、3は熱交換器、4はクライオスタットを示す。
【0027】
同図2において、本発明のX線結晶解析用冷却装置は、図の左側の系統に示される、極低温冷凍機を使用して発生した液化ヘリウムを冷却媒体としてヘリウムガスの冷却に使用する冷却系手段と、図の右側の系統に示される、試料に吹き付ける低温ヘリウムガスを供給する吹き付け系手段からなり、両手段が組み合わされて構成され、冷却に使用する液化ヘリウムと、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスを熱交換器3で熱交換して生成した低温ヘリウムガスをX線結晶解析装置10に設置された試料9に吹き付けて冷却する装置である。また、液化ヘリウムは、冷却に使用した後には試料の吹き付け用のヘリウムガスとして再使用することを特徴とする装置である。
【0028】
液化ヘリウム容器21には冷却に使用する液化ヘリウムが収容されており、該液化ヘリウム容器21から液化ヘリウムは液化ヘリウム供給手段Cを通して熱交換器3に供給される。一方、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスには、冷却に使用した後の液化ヘリウムが気化したヘリウムガスが用いられ、該ヘリウムガスはヘリウムガス供給手段Dを通して熱交換器3に供給される。
【0029】
前記供給手段Cおよび供給手段Dから供給された、液化ヘリウムおよびヘリウムガスは、クライオスタット4の熱交換器3で接触する。クライオスタット4の熱交換器3に導入された冷却に使用する液化ヘリウム(約15K)とヘリウムガス(約20℃)は熱交換して、ヘリウムガスの熱は液化ヘリウムに取られ、冷却されて低温ヘリウムガスとなる。一方、熱交換により液化ヘリウムは吸熱し気化してヘリウムガスとなる。
【0030】
冷却された低温ヘリウムガスは、試料冷却手段により、クライオスタット4の先端から吹き出し、試料9に吹き付けて、試料9を冷却しながら測定が行なわれる。
【0031】
熱交換により液化ヘリウムが吸熱して生成したヘリウムガスは、ヘリウムガス再使用手段22において、試料の吹き付け用のヘリウムガスとして再使用し、供給手段Dを通して熱交換器3に供給される。供給手段Dには、ダイアフラムポンプ11が配置され、ヘリウムガスの排出量を制御・調整し、ヘリウムガスは一定量となる様に供給される。
【0032】
上記の様に、本発明の液化ヘリウムを使用したX線結晶解析用冷却装置は、液化ヘリウムを冷却媒体として使用する冷却系手段と、試料に吹き付ける低温ヘリウムガスを供給する吹き付け系手段を組み合わせたことに特徴を有する。
【0033】
冷却系手段と吹き付け系手段は、クライオスタット4の熱交換器3で合流し、ヘリウムガスを冷却に使用する液化ヘリウムと熱交換して低温ヘリウムガスを生成し、一方の液化ヘリウムが吸熱し気化して生成したヘリウムガスを試料の吹き付け用のヘリウムガスとして再使用することを特徴とする。
図1および2の本発明のX線結晶解析用冷却装置において、31はトランスファーチユーブ、32はマスフローコントローラーを示す。
【0034】
次に、図3は、本発明における熱交換器を有するクライオスタットの拡大説明図である。
同図3において、熱交換器は、一次熱交換器3aと二次熱交換器3bから構成される。
【0035】
一次熱交換器3aでは、導入された試料に吹き付け用の窒素ガスB又はヘリウムガス(コールドガス41)を、冷却に使用する液化窒素A又は冷却に使用する液化ヘリウムが気化した窒素ガスA又はヘリウムガス(リターンガス42)の予冷によって熱交換し、リターンガスは常温に戻されて排出され、次の手段に供給される。
【0036】
二次熱交換器3bでは、液化窒素A又は液化ヘリウムは、トランスファーチユーブ31を通り、二次熱交換器3bの冷却槽36に供給され、冷却槽36で試料に吹き付け用の窒素ガスB又はヘリウムガス(コールドガス)と熱交換され、リターンガス(窒素ガスA又はヘリウムガス)となる。コールドガスは、二次熱交換器3bで熱交換され、ヒータ34を通り試料に吹き付けられる。
【0037】
本装置は、ヒーター34の温度制御装置で温度調整した低温窒素ガス又は低温ヘリウムガスを、デジタルX線結晶解析装置のゴニオメーターに装着された試料に吹付ける。
【0038】
運転方法は、本装置のクライオスタット4内で、窒素ガス発生器(PSA)2から供給された窒素ガスBを冷却に使用する液化窒素Aにより熱交換させることにより、低温窒素ガスBを発生させ試料に吹付ける。また、クライオスタット4のガス噴出し付近に設けられたヒーター34により、低温窒素ガスBの温度を−183℃〜+150℃までの温度制御が可能である。
【0039】
窒素ガスBは窒素ガス発生器(PSA)2により供給される。低温窒素ガスBの吹付モードでダイアフラムポンプ11を起動させ、液化窒素容器1内から冷却に使用する液化窒素Aを引き出しクライオスタット4の熱交換器3内に導入し、リターンガスの窒素ガスAを、極低温冷凍機5により再液化し液化窒素容器1内に戻す。吹き付けコールドガス源としては、窒素ガス発生器(PSA)2のラインより、クライオスタット4内に導入し、熱交換させることにより低温窒素ガスBを発生させ、ヒーター34により温度制御を行い試料に吹付ける。
【0040】
シースガス33は、窒素ガス発生器(PSA)2のラインより導入し、シースノズル35から放出する。シースガス33はヒーター34と低温窒素ガスBの流路の外側に層流状に放出され、露結を防止する。
【0041】
本発明の図1に示す液化窒素を使用したX線結晶解析用冷却装置は、液化ヘリウムを使用したX線結晶解析用冷却装置に切り替えて使用することができ、液化ヘリウムを使用する場合には、図1に示すN2 −He切替バルブ(手動)40、Heガス調整バルブ(手動)、切替チューブ43を使用して容易に切り替えることができる。
【0042】
本発明の液化窒素を使用したX線結晶解析用冷却装置は、極低温冷凍機を使用して発生した液化窒素を冷却媒体として使用する循環冷却系手段と、試料に吹き付ける低温窒素ガスを供給する吹き付け系手段を分離して両手段を組み合わせた構成とすることにより、一度使用した冷却用液体窒素を再液化し、液化窒素容器に戻す事により、液体窒素を追加供給することなく、測定を数日から数週間の長時間連続で行なう場合でも、一定温度を保ちつつ、試料を均一に冷却することができる。
【0043】
また、本発明の液化ヘリウムを使用したX線結晶解析用冷却装置は、新たに設けるか、または液体窒素の装置を切り替え使用することにより構成することができ、吹付で試料を冷却して長時間の測定を可能とし、さらに1OK以下での吹付式試料冷却を可能とするものである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明は、液化窒素を使用し、冷却温度が80Kまでの範囲で、液化窒素を追加供給することなく消費量を減少し、温度の安定性を保って、長時間連続で試料を冷却することができるX線結晶解析用冷却方法および冷却装置を提供することができる。
また、本発明は、液化ヘリウムを使用し、冷却温度が15Kまでの範囲で、温度の安定性を保って、長時間連続で試料を冷却することができるX線結晶解析用冷却方法および冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線結晶解析用冷却装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明のX線結晶解析用冷却装置の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明における熱交換器を有するクライオスタットの拡大説明図である。
【符号の説明】
1 液化窒素容器
2 窒素ガス発生器(PSA)
3 熱交換器
4 クライオスタット
5 極低温冷凍機
8 空気
9 試料
10 X線結晶解析装置
11 ダイアフラムポンプ
12 液化窒素再使用手段
21 液化ヘリウム容器
22 ヘリウムガス再使用手段
31 トランスファーチユーブ
32 マスフローコントローラー
33 シースガス
34 ヒーター
35 シースノズル
36 冷却槽
40 N2 −He切替バルブ
41 コールドガス
42 リターンガス
43 切替チューブ
Claims (4)
- 循環して冷却に使用する液化窒素Aと、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBを熱交換して生成した低温窒素ガスBをX線結晶解析装置に設置された試料に吹き付けて冷却する方法であって、循環して冷却に使用する液化窒素Aを液化窒素容器から熱交換器に供給し、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBを窒素ガス発生器から発生させて熱交換器に供給し、前記熱交換器で液化窒素Aと窒素ガスBを熱交換することにより、前記窒素ガスBは冷却されて低温窒素ガスBとなり試料に吹き付けて試料を冷却し、前記液化窒素Aは吸熱し気化して窒素ガスAとなり、極低温冷凍機で冷却して液化窒素Aにして液化窒素容器に収容し循環して冷却に使用することを特徴とするX線結晶解析用冷却方法。
- 冷却に使用する液化ヘリウムと、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスを熱交換して生成した低温ヘリウムガスをX線結晶解析装置に設置された試料に吹き付けて冷却する方法であって、冷却に使用する液化ヘリウムを液化ヘリウム容器から熱交換器に供給し、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスを熱交換器に供給し、前記熱交換器で液化ヘリウムとヘリウムガスを熱交換することにより、前記ヘリウムガスは冷却されて低温ヘリウムガスとなり試料に吹き付けて試料を冷却し、前記液化ヘリウムは吸熱し気化してヘリウムガスとなり、前記試料の吹き付けに使用するヘリウムガスとして使用することを特徴とするX線結晶解析用冷却方法。
- 循環して冷却に使用する液化窒素Aと、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBを熱交換して生成した低温窒素ガスBをX線結晶解析装置に設置された試料に吹き付けて冷却する装置であって、循環して冷却に使用する液化窒素Aを液化窒素容器から熱交換器に供給する液化窒素供給手段と、試料の吹き付けに使用する窒素ガスBを窒素ガス発生器から発生させて熱交換器に供給する窒素ガス供給手段と、供給された前記液化窒素Aと窒素ガスBを熱交換する熱交換器と、熱交換された前記窒素ガスBは冷却されて低温窒素ガスBとなり試料に吹き付けて試料を冷却する試料冷却手段と、熱交換された前記液化窒素Aは吸熱し気化して窒素ガスAとなり、極低温冷凍機で冷却して液化窒素Aにして液化窒素容器に収容し循環して冷却に使用する液化窒素再使用手段を具備することを特徴とするX線結晶解析用冷却装置。
- 冷却に使用する液化ヘリウムと、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスを熱交換して生成した低温ヘリウムガスをX線結晶解析装置に設置された試料に吹き付けて冷却する装置であって、冷却に使用する液化ヘリウムを液化ヘリウム容器から熱交換器に供給する液化ヘリウム供給手段と、試料の吹き付けに使用するヘリウムガスを熱交換器に供給するヘリウムガス供給手段と、供給された前記液化ヘリウムとヘリウムガスを熱交換する熱交換器と、熱交換された前記ヘリウムガスは冷却されて低温ヘリウムガスとなり試料に吹き付けて試料を冷却する試料冷却手段と、熱交換された前記液化ヘリウムは吸熱し気化してヘリウムガスとなり、前記試料の吹き付けに使用するヘリウムガスとして使用するヘリウムガス再使用手段を具備することを特徴とするX線結晶解析用冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002228449A JP4023671B2 (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | X線結晶解析用冷却方法および冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002228449A JP4023671B2 (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | X線結晶解析用冷却方法および冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004069461A true JP2004069461A (ja) | 2004-03-04 |
JP4023671B2 JP4023671B2 (ja) | 2007-12-19 |
Family
ID=32015128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002228449A Expired - Lifetime JP4023671B2 (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | X線結晶解析用冷却方法および冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4023671B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1757352A2 (de) | 2005-08-22 | 2007-02-28 | Bruker BioSpin AG | Kühlvorrichtung zur Erzeugung eines kalten Gasstromes |
JP2012230017A (ja) * | 2011-04-26 | 2012-11-22 | Rigaku Corp | X線分析装置の試料冷却装置及びx線分析装置 |
RU2480700C2 (ru) * | 2011-02-22 | 2013-04-27 | Общество с ограниченной ответственностью "РоссЭлектроСистемы" | Устройство для автоматического анализа параметров теплоносителя и способ его реализации |
WO2017198760A1 (en) * | 2016-05-18 | 2017-11-23 | Linde Aktiengesellschaft | Method and removal device for removing helium from a pressurized container |
CN114165653A (zh) * | 2021-11-04 | 2022-03-11 | 中国工程物理研究院应用电子学研究所 | 一种多通道液氦输液管及液氦输液装置 |
-
2002
- 2002-08-06 JP JP2002228449A patent/JP4023671B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1757352A2 (de) | 2005-08-22 | 2007-02-28 | Bruker BioSpin AG | Kühlvorrichtung zur Erzeugung eines kalten Gasstromes |
DE102005039795A1 (de) * | 2005-08-22 | 2007-03-15 | Bruker Biospin Ag | Kühlvorrichtung zur Erzeugung eines kalten Gasstromes |
DE102005039795B4 (de) * | 2005-08-22 | 2007-07-26 | Bruker Biospin Ag | Kühlvorrichtung zur Erzeugung eines kalten Gasstromes |
RU2480700C2 (ru) * | 2011-02-22 | 2013-04-27 | Общество с ограниченной ответственностью "РоссЭлектроСистемы" | Устройство для автоматического анализа параметров теплоносителя и способ его реализации |
JP2012230017A (ja) * | 2011-04-26 | 2012-11-22 | Rigaku Corp | X線分析装置の試料冷却装置及びx線分析装置 |
WO2017198760A1 (en) * | 2016-05-18 | 2017-11-23 | Linde Aktiengesellschaft | Method and removal device for removing helium from a pressurized container |
CN114165653A (zh) * | 2021-11-04 | 2022-03-11 | 中国工程物理研究院应用电子学研究所 | 一种多通道液氦输液管及液氦输液装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4023671B2 (ja) | 2007-12-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20050229609A1 (en) | Cooling apparatus | |
WO2000039513A1 (en) | Liquid helium recondensation device and transfer line used therefor | |
JP2017067178A (ja) | 水素ガス充填設備のプレクーラー及びプレクール方法 | |
JP7132789B2 (ja) | 液体水素製造設備 | |
JP2004069461A (ja) | X線結晶解析用冷却方法および冷却装置 | |
US20100236260A1 (en) | Undercooled horizontal cryostat configuration | |
JP2007051850A (ja) | 分析用超伝導マグネット用液体ヘリウム再凝縮装置および液体ヘリウム再凝縮方法 | |
JPH11248326A (ja) | 冷凍機 | |
JP3199967B2 (ja) | 極低温装置 | |
JP2003086418A (ja) | 極低温装置 | |
CN101105358B (zh) | 用于冷却的装置 | |
JP2005090928A (ja) | 希釈冷凍機 | |
JP3523085B2 (ja) | トランスファーライン | |
JP2010046344A (ja) | 生体磁場計測装置 | |
JP3304978B2 (ja) | 極低温生成方法 | |
Wang | Efficient helium recondensing using a 4 K pulse tube cryocooler | |
US3360943A (en) | Solidifying liquid at subzero temperatures | |
KR20200073956A (ko) | 직냉식 액화시스템 및 액화방법 | |
JP3908975B2 (ja) | 冷却装置及び冷却方法 | |
JP2000105072A (ja) | 多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置および方法 | |
JPH0582045B2 (ja) | ||
KR20120043433A (ko) | 스노우 제어 시스템 | |
JPH02145939A (ja) | 冷凍装置 | |
CN112509781A (zh) | 磁共振成像系统的磁体预冷装置 | |
JPS59117281A (ja) | 超電導装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050726 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070417 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070425 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070619 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070926 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070927 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4023671 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131012 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |