JP2010046344A - 生体磁場計測装置 - Google Patents

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正二 恒松
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Abstract

【課題】冷媒の送出効率を向上させると共に、生体磁場の計測に対する磁場ノイズの影響を低減する。
【解決手段】脳磁計(生体磁場計測装置)100は、デュワー7内で気化した液体ヘリウム5を再凝縮させるための凝縮用冷媒を通過させるチューブ6aと、チューブ6aに設けられたジュール・トムソン弁6bと、ジュール・トムソン弁6bの下流側でチューブ6aと接続し、気化した液体ヘリウム5と凝縮用冷媒との間で熱交換を行う凝縮熱交換器6cと、ジュール・トムソン弁6bより上流側のチューブ6aと、凝縮熱交換器6cより下流側のチューブ6aとの間で熱交換を行う熱交換器6dと、チューブ6a、ジュール・トムソン弁6b、凝縮熱交換器6c、及び熱交換器6dと、SQUIDセンサ3との間に設けられ、超伝導体シート17bを有する磁気シールド部17とをデュワー7内に備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、生体磁場計測装置に関する。
従来、このような分野の技術として、超伝導量子干渉計(Superconducting Quantum Interference Device:SQUID)センサを用いた生体磁場計測装置が知られている。SQUIDセンサは、生体磁場を検出する際に液体ヘリウムを用いて冷却される。液体ヘリウムの沸点は4.2Kであり絶えず蒸発しているため、このような生体磁場計測装置では、SQUIDセンサを冷却するための液体ヘリウムを補充する必要がある。また、液体ヘリウムは比較的高価であり希少な資源である。従って、液体ヘリウムの補充による年間消費金額の増加は、このような生体磁場計測装置の普及を阻害する一要因である。
そこで、液体ヘリウムの蒸発を抑制する冷却システムとして、例えば特許文献1に開示されているものが知られている。特許文献1の冷却装置は、冷媒としてのヘリウムガスを2段のギフォード・マクマホン(GM)冷凍機によって冷却し、さらにジュール・トマソン(JT)熱交換器を経てJT弁によって断熱膨張して温度約4Kのミスト状(液体ヘリウムとガスとの混合状態)とした後に、管路を介して、液体ヘリウムが貯留されている冷却容器中の冷却ヘッドに導入する。冷却容器内で気化したヘリウムは、この冷媒によって再凝縮される。
特開平6−109821号公報
しかし、特許文献1のような冷却システムでは、冷媒としてのヘリウムガスを冷凍機内でミスト状にしてから冷却容器に送られるため、例えば管路が上向きの場合には重力に逆らって冷媒を押し上げなければならず、冷媒の送出効率が悪いという問題がある。
そこで、冷媒の送出効率を向上させるために、JT熱交換器とJT弁とを冷却容器内に配置し、冷凍機と冷却容器とを接続する管路内に送出効率の良いヘリウムガスを流すことができると好ましい。
しかしながら、このようにJT熱交換器及びJT弁を冷却容器内に配置する冷却システムでは、一般にJT熱交換器やJT弁にステンレスなど磁性をもつ金属が使われるため、JT熱交換器やJT弁により磁場ノイズが発生し、SQUIDセンサが生体磁場を正常に計測するのに障害となるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決し、冷媒の送出効率を向上させると共に、生体磁場の計測に対する磁場ノイズの影響を低減することができる生体磁場計測装置を提供することを目的とする。
本発明に係る生体磁場計測装置は、生体から発生する磁場を検出するSQUIDセンサと、SQUIDセンサとこのSQUIDセンサを冷却するための寒剤とを収納する容器と、容器内に配置され、容器内で気化した寒剤を再凝縮させるための凝縮用冷媒を通過させるチューブと、容器内に配置され、チューブに設けられたジュール・トムソン弁と、容器内に設けられ、ジュール・トムソン弁の下流側でチューブと接続し、容器内で気化した寒剤と凝縮用冷媒との間で熱交換を行う凝縮熱交換器と、容器内に設けられ、ジュール・トムソン弁より上流側のチューブと、凝縮熱交換器より下流側のチューブとの間で熱交換を行う熱交換器と、容器内でチューブ、ジュール・トムソン弁、凝縮熱交換器、及び熱交換器と、SQUIDセンサとの間に設けられ、超伝導体からなる磁気シールド部と、を備えることを特徴とする。
このような生体磁場計測装置によれば、ジュール・トムソン弁が容器内に配置されるため、ジュール・トムソン弁より上流側のチューブ内では凝縮用冷媒を寒剤の沸点まで冷却させる必要がなく気体状で流通させることができ、冷媒の送出効率を向上させることができる。また、ジュール・トムソン弁、凝縮熱交換器、及び熱交換器と、SQUIDセンサとの間に超伝導体からなる磁気シールド部が配置されるため、磁気シールド部が寒剤や凝縮熱交換器の温度付近まで冷却され、磁気シールド部を構成する超伝導体が超伝導状態となって磁場ノイズを遮断する。この結果、SQUIDセンサによる生体磁場の計測に対するジュール・トムソン弁や熱交換器から発生した磁場ノイズの影響を抑制することができる。
また、上記した生体磁場計測装置は、SQUIDセンサを固定するセンサ固定部を備え、磁気シールド部は、センサ固定部によって、容器内のSQUIDセンサ寄りに固定されることが好適である。
この構成により、超伝導体からなる磁気シールド部がSQUIDセンサの近傍に配置されるため、ジュール・トムソン弁や熱交換器による磁場ノイズの他に、地磁気など外部から侵入する磁場ノイズも遮断することができ、SQUIDセンサによる生体磁場の計測に対する磁場ノイズの影響をより一層抑制することができる。
また、磁気シールド部は、鉛、はんだ、ニオブのいずれかからなることが好適である。これにより、安価で加工が容易な材料を用いて磁場ノイズを遮断することができ、製造コストを抑えることができる。
本発明に係る生体磁場計測装置は、生体から発生する磁場を検出するSQUIDセンサと、SQUIDセンサとSQUIDセンサを冷却するための寒剤とを収納する容器と、容器内に配置され、容器内で気化した寒剤を再凝縮させるための凝縮用冷媒を通過させるチューブと、容器内に配置され、チューブに設けられたジュール・トムソン弁と、容器内に設けられ、ジュール・トムソン弁の下流側でチューブと接続し、容器内で気化した寒剤と凝縮用冷媒との間で熱交換を行う凝縮熱交換器と、容器内に設けられ、ジュール・トムソン弁より上流側のチューブと、凝縮熱交換器より下流側の前記チューブとの間で熱交換を行う熱交換器と、を備え、ジュール・トムソン弁及び熱交換器は、超伝導体で被覆されていることを特徴とする。
このような生体磁場計測装置によれば、ジュール・トムソン弁が容器内に配置されるため、ジュール・トムソン弁より上流側のチューブ内では凝縮用冷媒を寒剤の沸点まで冷却させる必要がなく気体状で流通させることができ、冷媒の送出効率を向上させることができる。また、ジュール・トムソン弁及び熱交換器が超伝導体で被覆されているため、超伝導体がジュール・トムソン弁や熱交換器の表面温度付近まで冷却されて超伝導状態となり、ジュール・トムソン弁及び熱交換器から発生する磁場ノイズを遮断する。この結果、SQUIDセンサによる生体磁場の計測に対するジュール・トムソン弁や熱交換器から発生した磁場ノイズの影響を抑制することができる。
また、ジュール・トムソン弁及び熱交換器は、ハンダで被覆されていることが好適である。これにより、転移温度が高く、加工が容易なハンダを用いて、ジュール・トムソン弁及び熱交換器の表面形状に沿った被覆処理を精度良くかつ簡便に行うことができる。
また、チューブは、超伝導体で被覆されていることが好適である。これにより、チューブから発生する磁場ノイズが遮断され、SQUIDセンサによる生体磁場の計測に対する磁場ノイズの影響をさらに抑制することができる。
本発明に係る生体磁場計測装置によれば、冷媒の送出効率を向上させると共に、生体磁場の計測に対する磁場ノイズの影響を低減することができる。
以下、本発明に係る生体磁場計測装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、特に明示する場合を除き、上下方向は説明図面中の方向を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る脳磁計(生体磁場計測装置)の断面図であり、図2は、図1中の冷凍機、多重配管、及び寒剤凝縮部の詳細を示す概略図である。
図1に示すように、脳磁計100は、計測ユニット1内の計測位置Hに頭が位置するように被験者Pを着座させ、当該被験者Pの脳の神経活動に伴って発生する微弱な磁場を非接触で計測、解析する装置である。この計測ユニット1は、計測位置Hの周囲に配置され、脳で発生する磁場を検出するSQUIDセンサ3を複数備えている。この脳磁計100では、被験者Pの脳の様々な位置から発生する磁場を検出するため、数十個〜数百個(64個,128個,256個など)といった多数の上記SQUIDセンサ3が、被験者Pの頭の表面に沿うように配置され、図2に示すようにセンサホルダ(センサ固定部)4に固定されている。
計測ユニット1は、SQUIDセンサ3を冷却するため、図1に示すように、このSQUIDセンサ3と液体ヘリウム(寒剤)5とを収納する断熱容器のデュワー(容器)7を備えている。SQUIDセンサ3は、デュワー7内に貯留されている液体ヘリウム5によって冷却される。
また、デュワー7の内部において、液体ヘリウム5の液面の上方には、寒剤凝縮部6が収容されている。寒剤凝縮部6は、デュワー7内で気化した液体ヘリウム5を再凝縮させる。寒剤凝縮部6は、図2に示すように、デュワー7内で気化した液体ヘリウム5を再凝縮させるための凝縮用冷媒(例えば、ヘリウム)を通過させるチューブ6aと、このチューブ6aに設けられたジュール・トムソン弁6bと、ジュール・トムソン弁6bの下流側でチューブ6aと接続し、デュワー7内に露出し、デュワー7内で気化した液体ヘリウム5と凝縮用冷媒との間で熱交換を行う凝縮熱交換器6cと、ジュール・トムソン弁6bより上流側のチューブ6aと、凝縮熱交換器6cより下流側のチューブ6aとの間で熱交換を行う熱交換器6dと、を有する。
チューブ6aを通った凝縮用冷媒は、ジュール・トムソン弁6bによって断熱膨張されて温度が約4〜5Kまで低下し、下流側の凝縮熱交換器6cを冷却する。デュワー7内で気化した液体ヘリウム5は、低温の凝縮熱交換器6cに接触することで再液化する。従って、液体ヘリウム5の蒸発や消費を抑制することが可能となる。また、ジュール・トムソン弁6bがデュワー7内に位置する構成により、凝縮熱交換器6cを効率よく冷却することが可能となる。
寒剤凝縮部6は、図1に示すように多重配管16を介して冷凍機2と接続されている。より詳細には、図2に示すように、寒剤凝縮部6は、多重配管16内の凝縮用冷媒供給管8を介して凝縮用冷凍機2aと接続されている。また、寒剤凝縮部6は、多重配管16内の凝縮用冷媒返送管9を介して凝縮用冷凍機2aと接続されている。従って、凝縮用冷媒供給管8及び凝縮用冷媒返送管9を通じて、凝縮用冷凍機2aからの凝縮用冷媒が寒剤凝縮部6に循環する。凝縮用冷凍機2aは例えばGM冷凍機である。
計測ユニット1は、さらに、図1に示すようにデュワー7を包囲するように配置されると共に、被験者Pを覆う筒型体15を備えている。なお、筒型体15とデュワー7との間には真空断熱層19が配置される。
この脳磁計100では、被験者Pの脳で発生する極めて微弱な磁場を検出する必要があるので、計測位置Hの近傍から外部磁場の影響を除去する必要がある。このため、筒型体15は、筒軸線Aが計測位置Hを通るように配置された筒状の磁気シールド体11を備えている。磁気シールド体11は、デュワー7を包囲して筒型体15の外筒部15aに支持されると共に、筒型体15の上下寸法とほぼ同じ寸法で延在し、外筒部15aと内筒部15bとの間の間隙に内蔵されている。また、計測位置Hは、筒軸線A上に位置すると共に、上下方向においても磁気シールド体11の全長のほぼ中央に位置している。
この磁気シールド体11は、ニッケルからなる円筒状の基板11aと、当該基板11aの内壁面全体に成膜されたシールド膜11bとを備えている。シールド膜11bは、ビスマス系酸化物超伝導体からなり、磁束侵入長よりも十分に大きい膜厚を有している。ここで、シールド膜11bに用いられるビスマス系酸化物超伝導体としては、例えば、組成式Bi2Sr2Ca2Cu3Oxで表されるBi2223、或いは、組成式Bi2Sr2CaCu2Oxで表されるBi2212が好適に採用される。
磁気シールド体11には、その外壁面に沿って磁気シールド用冷媒(例えば、ここではヘリウム)を流通させる冷媒管(図示せず)が設けられており、この冷媒管に、冷凍機ユニット2の磁気シールド用冷凍機2bから送出される極低温の冷媒を循環させることで、磁気シールド体11のシールド膜11bが、超伝導転移温度まで冷却され、完全反磁性を発揮する。そして、このシールド膜11bの完全反磁性によって、磁気シールド体11に包囲された計測位置Hが外部磁場から遮蔽されるので、SQUIDセンサ3においては外部磁場によるノイズをほとんど排除した状態で微弱な磁場計測が可能になる。
磁気シールド体11は、図2に示すように、多重配管16内の磁気シールド用冷媒供給管12及び磁気シールド用冷媒返送管13を介して磁気シールド用冷凍機2bと接続されている。従って、磁気シールド用冷媒供給管12及び磁気シールド用冷媒返送管13を通じて、磁気シールド用冷凍機2bからの磁気シールド用冷媒が磁気シールド体11に循環する。磁気シールド用冷凍機2bは例えばGM冷凍機である。
熱輻射シールド部14は、図2に示すように、デュワー7の周囲に設けられており、デュワー7への外部からの輻射熱をシールドする。この熱輻射シールド部14は、磁気シールド用冷凍機2bにおいて冷却された磁気シールド用冷媒によって冷却されることで、外部からの輻射熱の進入を抑制する。この熱輻射シールド部14は、磁気シールド用冷媒供給管12と磁気シールド用冷媒返送管13との間において、磁気シールド体11に直列に接続されている。このため、熱輻射シールド部14を、磁気シールド用冷媒により冷却することが可能となる。従って、磁気シールド用冷凍機2bとは別に熱輻射シールド部14用の冷凍機を設けなくても、熱輻射シールド部14を冷却することが可能となる。したがって、脳磁計100を簡素化することが可能となる。なお、熱輻射シールド部14は、必ずしも設けられる必要はなく、省略しても構わない。
なお、当然ながら、この脳磁計100は、シールド膜11bの下部臨界磁場を超えない外部磁場の環境下で使用される。また、磁場の発生源ともなる凝縮用冷凍機2a及び磁気シールド用冷凍機2bからなる冷凍機ユニット2は、当然ながら、磁気シールド体11の外側に設けられており、例えば約10mの多重配管16を経て配置されている。
ここで、デュワー7内のSQUIDセンサ3のセンサホルダ4には、図1に示すように、その上方に磁気シールド部17が取り付けられている。より詳細には、磁気シールド部17は、図2に示すように、センサホルダ4の頭頂部分に固定されるFRP製のプレート17aと、このプレート17aの上面に配置される超伝導体シート17bからなる。プレート17aは、デュワー7の内周面に沿った円板状をなし、その法線方向は筒軸線Aと略一致している。超伝導体シート17bは、このプレート17aの上面全体にわたって配置され、プレート17aとほぼ同形の円板状をなす。なお、超伝導体シート17bには、鉛、ハンダ、ニオブを用いることができる。
磁気シールド部17は、デュワー7内に貯留されている液体ヘリウム5や、約4〜5K程度の温度の凝縮用冷媒が内部を通過する凝縮熱交換器6cによって、超伝導体シート17bが冷却されて超伝導状態になる。この結果、磁気シールド部17は、磁気シールド効果を生じ、SQUIDセンサ3への磁気ノイズを遮断することができる。
本実施形態では、チューブ6a、JT弁6b及び熱交換器6dには、冷却効率を向上させるべく熱伝導率の悪いステンレスが用いられている。これにより、熱交換器6dは、外部に近い上端の表面温度は約11Kであるが、輻射熱が下方に伝達しにくいため、下端の表面温度は約4K程度に保たれる。また、JT弁6bは、計測ユニット1の外部に設けられた操作用コック(図示せず)と連結されており、この連結部分にステンレスを用いることによってJT弁6bに操作用コックからの輻射熱を伝達しにくくして、JT弁6b近傍の温度を約4K程度に保持している。
ここで、ステンレスは磁性をもつ金属材料である。このため、ステンレスを用いたチューブ6a、JT弁6b及び熱交換器6dがデュワー7内に配置されることにより、デュワー7内で磁場ノイズが発生することが考えられる。
そこで、磁場ノイズの発生を防ぐために、チューブ6a、JT弁6b及び熱交換器6dは超伝導体で被覆されている。具体的には、JT弁6b及び熱交換器6dは、複雑な表面形状に沿った被覆処理を簡便にするために、転移温度が高く加工しやすいハンダを用いて被覆されるのが特に好適であるが、鉛やニオブを用いてもよい。また、チューブ6aも、加工が容易なハンダを用いて被覆されるのが特に好適であるが、例えばチューブ6aがフレキシブル・チューブであったり、チューブ6aの表面が網状であったりするなどハンダでは表面全体を被覆するのが困難な場合には、鉛やニオブを加工した筒状部材の中にチューブ6aを挿入し、筒状部材の接合部分をハンダで埋めるように構成してもよい。
なお、デュワー7内に露出される凝縮熱交換器6cには、デュワー7内で磁気ノイズを発生させないように、非磁性の金属材料である銅が用いられている。
以上説明したように、本実施形態に係る脳磁計100によれば、ジュール・トムソン弁6bがデュワー7内に配置されるため、ジュール・トムソン弁6bより上流側のチューブ6a内では凝縮用冷媒(ヘリウム)を液体ヘリウム5の沸点まで冷却させる必要がなく気体状で流通させることができ、冷媒の送出効率を向上させることができる。また、ジュール・トムソン弁6b、凝縮熱交換器6c、及び熱交換器6dと、SQUIDセンサ3との間に磁気シールド部17が配置されるため、磁気シールド部17が液体ヘリウム5や凝縮熱交換器6cの温度付近まで冷却され、磁気シールド部17を構成する超伝導体シート17bが超伝導状態となって磁場ノイズを遮断する。この結果、SQUIDセンサ3による生体磁場の計測に対するジュール・トムソン弁6bや熱交換器6dから発生した磁場ノイズの影響を抑制することができる。
また、磁気シールド部17は、センサホルダ4によってデュワー7内のSQUIDセンサ3寄りに固定され、SQUIDセンサ3の近傍に配置されるため、ジュール・トムソン弁6bや熱交換器6dによる磁場ノイズの他に、地磁気など外部から侵入する磁場ノイズも遮断することができ、SQUIDセンサ3による生体磁場の計測に対する磁場ノイズの影響をより一層抑制することができる。
また、磁気シールド部17の超伝導体シート17bには、鉛、はんだ、ニオブのいずれかが用いられるため、安価で加工が容易な材料を用いて磁場ノイズを遮断することができ、製造コストを抑えることができる。
また、本実施形態に係る脳磁計100によれば、ジュール・トムソン弁6b及び熱交換器6dが超伝導体からなる磁気シールド膜で被覆されるため、磁気シールド膜がジュール・トムソン弁6bや熱交換器6dの表面温度付近まで冷却され、磁気シールド膜を構成する超伝導体が超伝導状態となって、ジュール・トムソン弁6b及び熱交換器6dから発生する磁場ノイズを遮断する。この結果、SQUIDセンサ3による生体磁場の計測に対するジュール・トムソン弁6bや熱交換器6dから発生した磁場ノイズの影響を抑制することができる。
また、ジュール・トムソン弁6b及び熱交換器6dは、ハンダで被覆されているため、転移温度が高く、加工が容易なハンダを用いて、ジュール・トムソン弁6b及び熱交換器6dの表面形状に沿った被覆処理を精度良くかつ簡便に行うことができる。
また、チューブ6aは、超伝導体(例えば鉛、はんだ、ニオブ)で被覆されているため、チューブ6aから発生する磁場ノイズが遮断され、SQUIDセンサ3による生体磁場の計測に対する磁場ノイズの影響をさらに抑制することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では脳磁計100について説明したが、本発明は心磁計など他の生体磁場計測装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、磁場ノイズがSQUIDセンサ3に対して与える影響を抑制するために、(1)SQUIDセンサ3の上方に磁気シールド部17を設け、かつ、(2)デュワー7内に配置されるチューブ6a、JT弁6b及び熱交換器6dをハンダなどの超伝導体で被覆しているが、(1)または(2)のいずれか一方のみを適用してもよい。
本発明の一実施形態に係る脳磁計の断面図である。 図1中の冷凍機、多重配管、及び寒剤凝縮部の詳細を示す概略図である。
符号の説明
3…SQUIDセンサ、4…センサホルダ(センサ固定部)、5…液体ヘリウム(寒剤)、6a…チューブ、6b…ジュール・トムソン弁、6c…凝縮熱交換器、6d…熱交換器、7…デュワー(容器)、17…磁気シールド部、17b…超伝導体シート、100…脳磁計(生体磁場計測装置)。

Claims (6)

  1. 生体から発生する磁場を検出するSQUIDセンサと、
    前記SQUIDセンサと該SQUIDセンサを冷却するための寒剤とを収納する容器と、
    前記容器内に配置され、前記容器内で気化した前記寒剤を再凝縮させるための凝縮用冷媒を通過させるチューブと、
    前記容器内に配置され、前記チューブに設けられたジュール・トムソン弁と、
    前記容器内に設けられ、前記ジュール・トムソン弁の下流側で前記チューブと接続し、前記容器内で気化した前記寒剤と前記凝縮用冷媒との間で熱交換を行う凝縮熱交換器と、
    前記容器内に設けられ、前記ジュール・トムソン弁より上流側の前記チューブと、前記凝縮熱交換器より下流側の前記チューブとの間で熱交換を行う熱交換器と、
    前記容器内で前記チューブ、前記ジュール・トムソン弁、前記凝縮熱交換器、及び前記熱交換器と、前記SQUIDセンサとの間に設けられ、超伝導体からなる磁気シールド部と、
    を備えることを特徴とする生体磁場計測装置。
  2. 前記SQUIDセンサを固定するセンサ固定部を備え、
    前記磁気シールド部は、前記センサ固定部によって、前記容器内の前記SQUIDセンサ寄りに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の生体磁場計測装置。
  3. 前記磁気シールド部は、鉛、はんだ、ニオブのいずれかからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の生体磁場計測装置。
  4. 生体から発生する磁場を検出するSQUIDセンサと、
    前記SQUIDセンサと前記SQUIDセンサを冷却するための寒剤とを収納する容器と、
    前記容器内に配置され、前記容器内で気化した前記寒剤を再凝縮させるための凝縮用冷媒を通過させるチューブと、
    前記容器内に配置され、前記チューブに設けられたジュール・トムソン弁と、
    前記容器内に設けられ、前記ジュール・トムソン弁の下流側で前記チューブと接続し、前記容器内で気化した前記寒剤と前記凝縮用冷媒との間で熱交換を行う凝縮熱交換器と、
    前記容器内に設けられ、前記ジュール・トムソン弁より上流側の前記チューブと、前記凝縮熱交換器より下流側の前記チューブとの間で熱交換を行う熱交換器と、を備え、
    前記ジュール・トムソン弁及び前記熱交換器は、超伝導体で被覆されていることを特徴とする生体磁場計測装置。
  5. 前記ジュール・トムソン弁及び前記熱交換器は、はんだで被覆されていることを特徴とする、請求項4に記載の生体磁場計測装置。
  6. 前記チューブは、超伝導体で被覆されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の生体磁場計測装置。
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