JP2004068761A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排気浄化手段15と、浄化手段15へ一方S1から連通する第1部分通路22aと、浄化手段の他方S2から連通する第2部分通路22bと、排気ガスの経路を第1部分通路22aから浄化手段15へ流れる第1経路と、第2部分通路22bから浄化手段15へ流れる第2経路とで切替える切替手段26と、切替手段26の下流で還元剤を添加する還元剤添加ノズル34と、添加ノズル34の位置での排気ガス温を推定する温度検出手段36とを有する排気ガス浄化装置において、温度検出手段36による推定温度が所定温度以上である場合には、切替手段26により浄化手段15を通過し添加ノズル34に到る排気ガスの量を減少させることを特徴とする、排気ガス浄化装置を提供する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等に搭載される筒内噴射型の内燃機関、例えばディーゼル機関では、排気ガス中に含まれる煤等の排気微粒子や窒素酸化物(NOx)を除去することが要求されている。そしてこのような要求に対し、NOx吸蔵剤、パティキュレートフィルタ、もしくはNOx吸蔵剤が担持されたパティキュレートフィルタ等の排気ガス浄化手段を内燃機関の排気ガス通路に配置する方式の排気ガス浄化装置が提案されている。
【0003】
このような排気ガス浄化装置としては、上述のような排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を調整できるものが公知であり、その中には排気ガスの流れの方向を反転することができるものもある(例えば特開2001−342821号公報)。
【0004】
これは、通常使用時において、排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの方向を反転することにより、排気ガス浄化手段内の位置による排気微粒子捕集量やNOx吸蔵量の偏りを緩和して、排気ガス浄化手段を効率的に利用しようとするものである。また、排気ガス浄化手段がパティキュレートフィルタを含む場合であれば、排気ガスの流通方向を反転することにより、パティキュレートフィルタに堆積したアッシュ(灰分)を離脱させることによって、パティキュレートフィルタの詰まりを防止する効果もある。
【0005】
一方、上述したような排気ガス浄化装置に排気ガス浄化手段として用いられるNOx吸蔵剤は、排気ガスの空燃比がリーンの時にはNOxを吸蔵し、排気ガス中の空燃比が小さくなり、且つ排気ガス中にHCやCO等の還元剤が存在していれば吸蔵したNOxを還元浄化する作用(NOxの吸蔵離脱及び還元浄化作用)を有する。そしてこの作用を利用して、排気ガスの空燃比がリーンの時に排気ガス中のNOxをNOx吸蔵剤に吸蔵させ、一定期間使用してNOx吸蔵剤の吸蔵効率が低下した時または低下する前にNOx吸蔵剤の上流において還元剤(燃料)を添加する等して、NOx吸蔵剤に吸蔵したNOxの還元浄化を行うようにしている。
【0006】
ところで、内燃機関の燃料には硫黄(S)成分が含まれている場合があり、この場合には排気ガス中に硫黄酸化物(SOx)が含まれることとなる。排気ガス中にSOxが存在するとNOx吸蔵剤はNOxの吸蔵作用を行うのと全く同じメカニズムで排気ガス中のSOxの吸蔵を行う。
【0007】
ところが、NOx吸蔵剤に吸蔵されたSOxは比較的安定であり、一般にNOx吸蔵剤に蓄積されやすい傾向がある。NOx吸蔵剤のSOx蓄積量が増大すると、NOx吸蔵剤のNOx吸蔵容量が減少して排気ガス中のNOxの除去を十分に行うことができなくなるため、NOxの浄化効率が低下するいわゆる硫黄被毒(S被毒)の問題が生じる。特に、燃料として比較的硫黄成分を多く含む軽油を使用するディーゼルエンジンにおいてはこの硫黄被毒の問題が生じやすい。
【0008】
一方、NOx吸蔵剤に吸蔵されたSOxについても、NOxと同じメカニズムで離脱させることが可能であることが知られている。しかし、SOxは比較的安定した形でNOx吸蔵剤に吸蔵されるため、通常のNOxの還元浄化制御が行われる温度(例えば250℃程度以上)ではNOx吸蔵剤に吸蔵されたSOxを離脱させることは困難である。このため、硫黄被毒を解消するためには、NOx吸蔵剤を通常のNOx還元浄化制御時より高い温度、すなわち硫黄分離脱温度(例えば600℃以上)に昇温し、且つ流入する排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチ(以下、単にリッチという)にする硫黄被毒再生制御を定期的に行う必要がある。そして、硫黄被毒再生を実施するためにNOx吸蔵剤を高温且つリッチの状態にする方法としては、NOx吸蔵剤の上流において還元剤を添加し、還元剤の反応によってNOx吸蔵剤を昇温すると共にほぼ理論空燃比またはリッチ雰囲気を作り出す方法がある。
【0009】
また、上記排気ガス浄化手段がパティキュレートフィルタを含む場合であれば、排気ガス中に含まれる煤等の排気微粒子はパティキュレートフィルタにより捕集されて除去されるが、そのパティキュレートフィルタ上に蓄積された排気微粒子を着火燃焼させるために、パティキュレートフィルタの上流において還元剤を添加する場合もある。
【0010】
以上のように、上記のような排気ガス浄化手段を有する排気ガス浄化装置においては、その排気ガス浄化手段を再生(NOxの離脱及び還元浄化、硫黄被毒再生、捕集排気微粒子の燃焼等)するための制御等において排気ガス浄化手段の上流で還元剤の添加を行う必要がある場合があり、そのために排気ガス浄化手段の上流において還元剤を添加する還元剤添加ノズルを有している。
【0011】
ところが、この還元剤添加ノズルにおいては、その先端部分の温度が高くなるとノズル先端部分内の油溜り内に残留している還元剤が変質して固まるため、噴孔の詰まりが発生し易くなる。噴孔の詰まりが発生すると意図した量の還元剤の添加が実施できず、上述したような排気ガス浄化手段の再生制御を良好に実施することができなくなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、上記排気ガス浄化手段(NOx吸蔵剤やパティキュレートフィルタ等)の上流で還元剤を添加する還元剤添加ノズルを有する排気ガス浄化装置において、上記還元剤添加ノズルの噴孔における詰まりの発生を抑制するようにした排気ガス浄化装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された排気ガス浄化装置を提供する。
1番目の発明は、排気ガス通路内に配置されて排気ガスを浄化する排気ガス浄化手段と、該排気ガス浄化手段の一方の端面に連通する第1部分通路と、上記排気ガス浄化手段の他方の端面に連通する第2部分通路と、排気ガスの経路を、上記第1部分通路から上記排気ガス浄化手段を通り上記第2部分通路へ流れる第1経路と、上記第2部分通路から上記排気ガス浄化手段を通り上記第1部分通路へ流れる第2経路とで切替える経路切替手段と、上記経路切替手段の下流にあって排気ガス通路に還元剤を添加することにより上記排気ガス浄化手段に還元剤を供給する還元剤添加ノズルと、該還元剤添加ノズルの位置における排気ガスの温度を推定または検出する温度検出手段とを有する排気ガス浄化装置において、上記温度検出手段により推定または検出された温度が所定温度以上である場合には、上記経路切替手段により上記排気ガス浄化手段を通過し上記還元剤添加ノズルに到る排気ガスの量を減少させることを特徴とする、排気ガス浄化装置を提供する。
【0014】
上記還元剤添加ノズルは、その先端部分の温度が高くなるとノズル先端部分内の油溜り内に残留している還元剤が変質して固まるため、噴孔が詰まり易くなる。また、排気ガス浄化手段を通過した排気ガスは排気ガス浄化手段において排気ガス中に含まれる還元剤が反応する等の理由により排気ガス浄化手段が高温になっているため、特に高温となる傾向がある。本発明によれば、還元剤添加ノズルの位置における排気ガスの温度が所定温度以上である場合には、高温の排気ガス浄化手段を通過してから還元剤添加ノズルに到る排気ガスの量が減少させられるので、還元剤添加ノズルの噴孔における詰まりの発生を抑制することができる。
【0015】
2番目の発明は1番目の発明において、上記排気ガス浄化手段は、排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタと、流通する排気ガスの空燃比がリーンの時にNOxを吸蔵し流通する排気ガスの空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存在していれば吸蔵したNOxを還元浄化するNOx吸蔵剤の少なくとも何れかを含むことを特徴とする。
上記排気ガス浄化手段がパティキュレートフィルタを含めば煤等の排気微粒子を、NOx吸蔵剤を含めばNOxを、夫々排気ガス中から除去することが可能となる。
【0016】
3番目の発明は1番目または2番目の発明において、上記排気ガス浄化手段をバイパスするバイパス通路を更に有し、上記経路切替手段が排気ガスの経路を、上記第1経路と、上記第2経路と、排気ガスが上記バイパス通路を流れるバイパス経路とで切替えることを特徴とする。
本発明によっても1番目の発明とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【0017】
4番目の発明は3番目の発明において、上記バイパス通路に上記排気ガス浄化手段とは別個の排気ガス浄化手段が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、上記経路切替手段により排気ガスの経路がバイパス経路に切替えられた場合であっても、上記別個の排気ガス浄化手段によって排気ガスが浄化されるので、排気ガスが全く浄化されずに外部へ放出されることが防止される。
【0018】
5番目の発明は4番目の発明において、上記バイパス通路に配置された上記別個の排気ガス浄化手段は、酸化触媒、排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタ、流通する排気ガスの空燃比がリーンの時にNOxを吸蔵し流通する排気ガスの空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存在していれば吸蔵したNOxを還元浄化するNOx吸蔵剤のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
これにより、上記別個の排気ガス浄化手段が酸化触媒を含めばHCやCO等を、パティキュレートフィルタを含めば煤等の排気微粒子を、NOx吸蔵剤を含めばNOxを、夫々排気ガス中から除去することが可能となる。
【0019】
6番目の発明は1番目から5番目の何れかの発明において、上記還元剤添加ノズルが上記第1部分通路に設けられており、上記温度検出手段により推定または検出された温度が所定温度以上である場合には、排気ガスの経路が上記第2経路とならないようにされることを特徴とする。
上記還元剤添加ノズルが上記第1部分通路に設けられている場合に、排気ガスの経路を上記第2経路とすると、排気ガスは排気ガス浄化手段を通過してから上記還元剤添加ノズルに到ることとなる。本発明によれば、上記還元剤添加ノズルの位置における排気ガスの温度が所定温度以上である場合には、排気ガスの経路が上記第2経路とならないようにされるので、1番目の発明とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【0020】
7番目の発明は4番目または5番目の発明において、上記還元剤添加ノズルは上記第1部分通路に設けられ、上記バイパス通路に配置された上記別個の排気ガス浄化手段は排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタを含んでいて、上記温度検出手段により推定または検出された温度が所定温度以上である場合には、排気ガスの経路が上記バイパス経路とされることを特徴とする。上述したように、上記還元剤添加ノズルが上記第1部分通路に設けられている場合に、排気ガスの経路を上記第2経路とすると、排気ガスは排気ガス浄化手段を通過してから上記還元剤添加ノズルに到ることとなる。この場合、上記還元剤添加ノズルは排気ガス浄化手段で昇温されて特に高温となった排気ガスに晒され、その噴孔に詰まりが生じる可能性が高くなる。一方、排気ガスの経路を上記第1経路にした場合であっても、機関から排出される排気ガス自体が高温である場合には、上記還元剤添加ノズルはやはり高温の排気ガスに晒されることとなり、その噴孔に詰まるが生じる可能性は高い。
【0021】
本発明によれば、上記還元剤添加ノズルの位置における排気ガスの温度が所定温度以上である場合には、排気ガスの経路が上記バイパス経路とされるので、上記還元剤添加ノズルが高温の排気ガスに晒されなくなり、その噴孔における詰まりの発生が確実に抑制される。更に本発明では、上記バイパス通路に配置された上記別個の排気ガス浄化手段が排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタを含んでいるので、外部への排気微粒子の放出も防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。尚、図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照番号を付す。
図1は本発明をディーゼルエンジンへ適用した場合を示している。図1において、2は機関(エンジン)本体、4は吸気通路、6は排気ガス通路をそれぞれ示す。排気ガス通路6には排気ガス浄化器10が設けられるが、この部分に設置される排気ガス浄化器10については、後に構成の異なる二つの排気ガス浄化器20、30を例にとって詳細に説明する。
【0023】
電子制御ユニット(ECU)8は、CPU(中央演算装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、入出力ポートを双方向バスで接続した公知の形式のディジタルコンピュータからなり、機関本体2と信号をやり取りして燃料噴射量制御等のエンジンの基本制御を行う他、以下で述べるように本発明の各実施形態においては、排気ガス浄化器の各構成要素とも信号のやり取りを行いその制御も行う。
【0024】
図2は、図1に示されている排気ガス浄化器10の部分に設置されて排気ガス通路6の一部を構成する、排気ガス浄化器20の外観を模式的に示した説明図であり、図2(a)及び(b)がそれぞれ上面図及び側面図を示している。また、図3(a)及び(b)には、それぞれ、上方及び側方から見た場合の断面図が示され、排気ガス浄化器20の内部の排気ガスの流れが示されている。
【0025】
図2に示すように排気ガス浄化器20は、基幹通路18と、基幹通路18に接続された環状通路22とを備えており、環状通路22には第1排気ガス浄化手段が配置されている。本排気ガス浄化器20において第1排気ガス浄化手段は、排気ガス中の排気微粒子を除去する手段であるパティキュレートフィルタ14にNOx吸蔵剤12が担持されたもの(以下、NOx吸蔵剤12とパティキュレートフィルタ14を特に区別する必要がない場合には「NOx吸蔵剤担持フィルタ15」という)である。基幹通路18と環状通路22との接続部分には、経路切替部24が設けられている。経路切替部24は、排気ガスの経路を切替えると共にNOx吸蔵剤担持フィルタ15を流通する排気ガスの流量を調整する経路切替調整弁26と、経路切替調整弁26を駆動するための駆動部28とを備えている。経路切替部24は、4つの通路が接続された二組の対向面を有している。一方の組の対向面には、基幹通路18を構成する二つの部分基幹通路18a、18bが接続されており、他方の組の対向面には、環状通路22を構成する二つの部分環状通路22a、22bが接続されている。
【0026】
第1の部分環状通路22aは、NOx吸蔵剤担持フィルタ15の第1の面S1側に通じており、第2の部分環状通路22bは、第2の面S2側に通じている。また、下流側の部分基幹通路18bには第2排気ガス浄化手段として酸化触媒32が配置されている。下流側の部分基幹通路18bは、環状通路22のNOx吸蔵剤担持フィルタ15を内蔵している部分を囲むように形成されている。
【0027】
更に、排気ガス浄化器20は、還元剤添加部を第1の部分環状通路22aに備えており、この還元剤添加部はNOx吸蔵剤12及びパティキュレートフィルタ14の浄化制御の際等に還元剤を環状通路22内に添加するために使用される。還元剤添加部は、還元剤添加ノズル34と還元剤供給ポンプ(図示無し)とを備えており、還元剤供給ポンプから供給された還元剤は、還元剤添加ノズル34によって第1の部分環状通路22a内に、ECU8の制御によって適切なやり方で添加される。なお、本明細書で説明する排気ガス浄化装置においては、還元剤の貯蔵、補給等の際の煩雑さを避けるため、ディーゼルエンジン2の燃料である軽油を還元剤として使用している。
【0028】
また、排気ガス浄化器20は、第2の部分環状通路22bに排気ガスの温度を検出するための温度センサ36が設けられている。この温度センサ36はECU8に接続されていて、検出結果はECU8に与えられる。
経路切替部24と還元剤添加部とはECU8によって制御される。具体的には、ECU8は、経路切替部24の駆動部28に接続されており、駆動部28を制御することにより、経路切替調整弁26の動作を制御する。また、ECU8は、還元剤添加部の還元剤添加ノズル34に接続されており、還元剤添加ノズル34を制御することにより、還元剤添加ノズル34の還元剤添加動作を制御する。
【0029】
排気ガス浄化器20に流入した排気ガスは、以下で説明するように必ず基幹通路18を通り、選択的に環状通路22を通る。
図3(a)、(b)は、経路切替調整弁26が第1の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示している。この場合、排気ガス浄化器20に流入した排気ガスは、上流側の部分基幹通路18aを通って経路切替部24に流入し、第1の部分環状通路22aと第2の部分環状通路22bとをこの順序で通って、経路切替部24に戻る(この経路を「第1経路」とする)。この時、排気ガスは、NOx吸蔵剤担持フィルタ15を第1の面S1から第2の面S2に向かって流れる。経路切替部24に戻った排気ガスは、下流側の部分基幹通路18bに流入し、酸化触媒32を通過した後に排気ガス浄化器20から排出される。なお、酸化触媒32を通過した排気ガスは、図3(a)、(b)に示すように、部分基幹通路18bの環状通路22のNOx吸蔵剤担持フィルタ15を内蔵している部分を囲むように形成されている部分を通る。
【0030】
図4は、経路切替調整弁26が第2の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示している図3(a)と同様の図である。この場合、排気ガスは、図3(a)の場合とほぼ同様に流れるが、環状通路22を流れる方向が反転している。すなわち、経路切替部24に流入した排気ガスは、第2の部分環状通路22bと第1の部分環状通路22aとをこの順序で通って、経路切替部24に戻る(この経路を「第2経路」とする)。この時、排気ガスはNOx吸蔵剤担持フィルタ15を第2の面S2から第1の面S1に向かって流れる。このように、NOx吸蔵剤担持フィルタ15を流通する排気ガスの流れを反転することができるので、NOx吸蔵剤担持フィルタ15内の位置による排気微粒子捕集量及びNOx吸蔵量等の偏りを緩和してパティキュレートフィルタ14及びパティキュレートフィルタ14に担持されているNOx吸蔵剤12を効率良く使用することができる。また、排気ガスの流通方向を反転することにより、パティキュレートフィルタに堆積したアッシュ(灰分)を離脱させることによって、パティキュレートフィルタ14の詰まりを防止する効果もある。
【0031】
図5は、経路切替調整弁26が上記第1の位置と第2の位置との中間である第3の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示している図3(a)及び図4と同様の図である。なお、経路切替調整弁26を第1の位置と第2の位置とで切替える際には、経路切替調整弁26は一時的に第3の位置となる。経路切替調整弁26が第3の位置に位置している場合、経路切替部24に流入した排気ガスは、殆どがそのまま下流側の部分基幹通路18bに流入して酸化触媒32を通過した後に、排気ガス浄化器20から排出される(この経路を「バイパス経路」とする)。
【0032】
上記のように、経路切替調整弁26が第1または第2の位置にある場合には、排気ガスはNOx吸蔵剤担持フィルタ15を通過し、更に酸化触媒32を通過する。一方、経路切替調整弁26が第3の位置にある場合には、殆どの排気ガスはNOx吸蔵剤担持フィルタ15をバイパスし、酸化触媒32のみを通過して排気ガス浄化器20から排出される。したがって、通常状態においては、排気ガスがNOx吸蔵剤担持フィルタ15と酸化触媒32とを通過して浄化されるように、経路切替調整弁26は第1または第2の位置にある。そして必要に応じて、その位置が駆動部28により第1の位置と第2の位置の間で調整される。
【0033】
図6にNOx吸蔵剤担持フィルタ15の拡大断面図を示す。図6を参照すると、パティキュレートフィルタ14は多孔質セラミックから成り、排気ガスは矢印で示されるように図中左から右に向かって流れる。パティキュレートフィルタ14内には、上流側に栓34が施された第1通路38と下流側に栓42が施された第2通路44とが交互に配置されハニカム状をなしている。排気ガスが図中左から右に向かって流れると、排気ガスは第2通路44から多孔質セラミックの隔壁を通過して第1通路38に流入し、下流側に流れる。この時、排気ガス中の排気微粒子(パティキュレート)は多孔質セラミックによって捕集されて排気ガス中から除去され、排気微粒子の外部への放出が防止される。
【0034】
また、第1通路38および第2通路44の隔壁の表面及び内部の細孔内にはNOx吸蔵剤12が担持されている。NOx吸蔵剤12は、例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とから成る。NOx吸蔵剤12は流入排気ガス(すなわち、本排気ガス浄化器20の構成においてはNOx吸蔵剤担持フィルタ15を流通する排気ガス)の空燃比がリーンの時にはNOxを吸蔵し、NOx吸蔵剤流入排気ガスの空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存在していれば吸蔵したNOxを離脱して還元浄化する作用(NOxの吸蔵離脱及び還元浄化作用)を有する。
【0035】
図1に示した構成ではディーゼルエンジンが使用されているため、通常状態の時の排気ガス空燃比はリーンであり、NOx吸蔵剤12は通常状態の時には排気ガス中のNOxの吸蔵を行う。そして、一定期間使用してNOx吸蔵剤12のNOx吸蔵効率が低下する等した場合には、NOx吸蔵剤12からNOxを離脱させて還元する必要が生じる。本排気ガス浄化器20においては、このようなNOx吸蔵剤12からのNOxの離脱及び還元浄化が必要になった場合には、還元剤添加部の還元剤添加ノズル34からNOx吸蔵剤担持フィルタ15上流側の排気ガス通路、すなわち第1の部分環状通路22aに還元剤を供給してNOx吸蔵剤流入排気ガスの空燃比を小さくし且つ還元剤が存在する状態として、NOx吸蔵剤12から吸蔵したNOxを離脱させると共に離脱させたNOxを還元浄化するようにする。
【0036】
一方、排気ガス中にSOx成分が含まれていると、NOx吸蔵剤12は上述のNOxの吸蔵と同じメカニズムで排気ガス中のSOxを吸蔵する。すなわち、排気ガスの空燃比がリーンの時、排気ガス中のSOx(例えばSO2)は白金Pt上で酸化されてSO3 −、SO4 −となり、酸化バリウムBaOと結合してBaSO4を形成する。BaSO4は比較的安定であり、また、結晶が粗大化しやすいため一旦生成されると分解放出されにくい。このため、NOx吸蔵剤12中のBaSO4の生成量が増大するとNOxの吸蔵に関与できるBaOの量が減少してしまいNOxの吸蔵能力が低下してしまう。
【0037】
この硫黄被毒を解消するためには、NOx吸蔵剤12中に生成されたBaSO4を高温で分解するとともに、これにより生成されるSO3 −、SO4 −の硫酸イオンをスライトリーンを含むほぼ理論空燃比またはリッチ雰囲気(以下、単にリッチ雰囲気という)下で還元し、気体状のSO2に転換してNOx吸蔵剤12から離脱させる必要がある。すなわち、硫黄被毒を解消するためには、NOx吸蔵剤12を高温且つリッチ雰囲気の状態にする必要がある。
【0038】
本排気ガス浄化器20においては、このような硫黄被毒を解消する必要が生じた場合には、還元剤添加部の還元剤添加ノズル34からNOx吸蔵剤担持フィルタ15上流側の排気ガス通路、すなわち第1の部分環状通路22aに還元剤を供給し、還元剤の反応によってNOx吸蔵剤12を昇温すると共にリッチ雰囲気を作り出すようにし、NOx吸蔵剤12から硫黄分を放出するようにする。
【0039】
また、上述のように排気ガス中の排気微粒子はパティキュレートフィルタ14によって捕集されるが、本排気ガス浄化器20で用いるパティキュレートフィルタ14のように、例えばアルカリ金属、アルカリ土類、希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とから成る触媒(本例ではNOx吸蔵剤12)が担持されたパティキュレートフィルタ14上においては、捕集された排気微粒子は、通常、排気ガスの熱によって着火燃焼され、パティキュレートフィルタ14は再生され得る。しかしながら、排気微粒子量が多くなる等、何らかの原因で捕集された排気微粒子が完全に燃焼できなくなると、パティキュレートフィルタ14上に排気微粒子が積層状に堆積してしまう場合が生じる。このようにパティキュレートフィルタ14上に排気微粒子が積層状に堆積してしまうと、排気微粒子は着火燃焼しづらくなり通常温度の排気ガスの熱では着火しなくなる。したがって、この場合に排気微粒子を着火燃焼させてパティキュレートフィルタ14を再生するためには、排気ガスの温度を更に高めることが必要となる。
【0040】
排気ガス浄化器20においては、このような堆積した排気微粒子を着火燃焼させてパティキュレートフィルタ14を再生する必要が生じた場合に、還元剤添加部の還元剤添加ノズル34からNOx吸蔵剤担持フィルタ15上流側の排気ガス通路、すなわち第1の部分環状通路22aに還元剤を供給し、還元剤の反応によって排気ガス温度を高め、堆積した排気微粒子を着火燃焼させてパティキュレートフィルタ14を再生する。
【0041】
以上のように、NOx吸蔵剤12及びパティキュレートフィルタ14(すなわちNOx吸蔵剤担持フィルタ15)を利用している排気ガス浄化器20においては、そのNOx吸蔵剤12及びパティキュレートフィルタ14を再生(上述のようなNOxの離脱及び還元浄化、硫黄被毒の解消、捕集排気微粒子の燃焼等)するための制御等において還元剤添加ノズル34から排気ガス通路内に還元剤の添加が行われる。ところが、この還元剤添加ノズル34においては、その先端部分の温度が高くなるとノズル先端部分内の油溜り内に残留している還元剤が変質して固まるため、噴孔の詰まりが発生し易くなる。噴孔の詰まりが発生すると意図した量の還元剤の添加が実施できず、上述したような再生制御を良好に実施することができなくなる。
【0042】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、排気ガス浄化器20を用いた場合には、以下で図7を参照しつつ説明するような制御を行い、上記還元剤添加ノズル34の噴孔における詰まりの発生を抑制する。図7は本排気ガス浄化器20を用いて行われる制御のフローチャートである。
本制御がスタートすると、まずステップ101において還元剤添加ノズル34の位置における排気ガスの温度TNが推定される。本実施形態において温度TNは温度センサ36により検出された排気ガスの温度TGに基づいて推定される。すなわち、例えば温度TGと温度TNとの関係を経路切替調整弁26の位置(第1、第2、第3の位置)毎に予め求めておけば、温度TGと経路切替調整弁26の位置から温度TNを推定することができる。また、温度センサを経路切替部24の上流に設け、そこで検出される排気ガス温度に基づいて同様に温度TNを推定してもよい。
【0043】
更に、温度センサを設けずに内燃機関の運転状態に基づいて温度TNを推定するようにしてもよい。すなわち、例えば温度TNを機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機関回転数N)及び機関回転数Nの関数として予め求めてマップにしておき、このマップに基づいて機関負荷Q/Nと機関回転数Nとから温度TNを求めることも可能である。この際、経路切替調整弁26の位置毎にマップを作成しておいてもよい。
【0044】
また、還元剤添加ノズル34からの還元剤の添加によらず、いわゆる低温燃焼やポスト噴射等の内燃機関側の制御によってNOx吸蔵剤担持フィルタ15を再生(NOxの離脱及び還元浄化、硫黄被毒の解消、捕集排気微粒子の燃焼等)するための制御が実施される場合もある。このような制御が行われると、機関から排出される排気ガスの温度が高くなると共に、特にNOx吸蔵剤担持フィルタ15の下流における排気ガスの温度が高くなる。したがって、このような制御の実施についても内燃機関の運転状態に関する要素として考慮し、経路切替調整弁26の位置についても合わせて考慮して温度TNを推定することによって、より正確な温度TNの推定が可能となる。
【0045】
更に、上述したような温度センサによって検出された温度に基づいて推定する方法と機関の運転状態に基づいて推定する方法とを組合せて温度TNを推定するようにしてもよい。また、還元剤添加ノズル34の近傍に温度センサを設け、その温度センサで検出される温度を温度TNとしてもよい。
ステップ101において温度TNが推定されると、続くステップ103において、温度TNが予め定めた所定温度TCと比較される。所定温度TCは、還元剤添加ノズル34の噴孔がノズル先端部分内の油溜り内に残留している還元剤が変質して固まるために詰まり易くなり始める温度であり、実験等によって予め定められる。したがって、ステップ103において温度TNが所定温度TC未満であると判定された場合には、還元剤添加ノズル34の噴孔において詰まりが生じる危険性の低い場合であるのでそのまま本制御は終了する。一方、温度TNが所定温度TC以上である場合には還元剤添加ノズル34の噴孔において詰まりが生じる危険性が高い場合であるので、ステップ105に進み、還元剤添加ノズル34の噴孔における詰まりの発生を抑制するための処置がとられる。
【0046】
すなわち、ステップ105においては経路切替調整弁26が操作され、NOx吸蔵剤担持フィルタ15を通過してから還元剤添加ノズル34に到る排気ガスの量を減少させるようにする。より具体的には、例えば、経路切替調整弁26が第1の位置または第3の位置にあるように操作され、排気ガスが第1経路またはバイパス経路で流れるようにされる。なお、経路切替調整弁26が既にステップ105の制御において目標とする位置にある場合にはその位置が維持される。
【0047】
排気ガスが第1経路またはバイパス経路で流れる場合には、NOx吸蔵剤担持フィルタ15を通過し還元剤添加ノズル34に到る排気ガスの量はほぼゼロとなる。NOx吸蔵剤担持フィルタ15は排気ガス中に含まれる還元剤の反応等により高温となっている場合があり、それを通過した排気ガスが特に高温となる傾向がある。したがって、上述のように経路切替調整弁26を第1の位置または第3の位置にあるように操作するなどして、NOx吸蔵剤担持フィルタ15を通過してから還元剤添加ノズル34に到る排気ガスの量を減少させることによって、還元剤添加ノズル34がNOx吸蔵剤担持フィルタ15によって昇温され特に高温となった排気ガスに晒される機会が低減されるなどして、還元剤添加ノズル34の噴孔における詰まりの発生を抑制することができる。なお、以上の説明から明らかなように、ここでNOx吸蔵剤担持フィルタ15を通過してから還元剤添加ノズル34に到る排気ガスの量を減少させることには、NOx吸蔵剤担持フィルタ15を通過してから還元剤添加ノズル34に到る排気ガスの量をほぼゼロとすることを含む。
【0048】
また、特に、経路切替調整弁26を第3の位置にあるように操作し、排気ガスがバイパス経路で流れるようにした場合には、還元剤添加ノズル34の設けられた排気ガス通路を排気ガスが殆ど流通しなくなるので、機関から排出された排気ガス自体が高温である場合においても還元剤添加ノズル34が高温の排気ガスに晒される機会を低減することができる。但し、この場合には、排気ガスは第2排気ガス浄化手段である酸化触媒32のみを通過して外部へ放出される点に留意する必要がある。すなわち、排気ガスが第1経路で流れるようにされた場合には、排気ガスはNOx吸蔵剤担持フィルタ15を通過した後、更に酸化触媒32を通過して外部へ放出されるので、バイパス経路を流れた排気ガスに比べてNOx吸蔵剤担持フィルタ15を通過する分だけ浄化されて外部へ放出される。
【0049】
ここで、特に、排気微粒子の除去に関してはバイパス経路とした場合と第1経路とした場合とで相当の差があると考えられる。したがって、この点を考慮すると排気ガス浄化器20の構成ではステップ105において経路切替調整弁26を第1の位置にあるように操作し、排気ガスが第1経路で流れるようにすることが望ましい。
【0050】
その一方、ステップ105において排気ガスが第1経路で流れるようにすると、機関から排出される排気ガス自体が高温である場合には、還元剤添加ノズル34の噴孔における詰まりの発生を十分に抑制できない場合が生じる可能性がある。これに対しては、還元剤添加ノズル34の取付け部分の構成を図8のようにし、排気ガスが第1経路で流れた場合に排気ガスの熱の影響を受け難い構成とすることができる。図8は還元剤添加ノズル34の取付け部分の構成についての一例を示す拡大略示図であるが、この図のように還元剤添加ノズル34を排気ガス通路から引込んだ状態で取付けることによって、排気ガスが図8中に矢印で表示したように第1経路で流れた場合に還元剤添加ノズル34が排気ガスに直接晒されることを防止することができる。これにより、排気ガスが第1経路で流れた場合については、流通する排気ガスが高温であっても還元剤添加ノズル34の噴孔における詰まりの発生をある程度抑制することができる。なお、同様の目的を達成するために還元剤添加ノズル34の周りに冷却水を導く等、他の構成をとってもよい。
【0051】
ステップ105において経路切替調整弁26を第1の位置と第3の位置の何れにあるように操作するかは、上述したような排気ガスの浄化や装置の構成等を考慮して、事前に何れか一方に操作するように設定しておいてもよいし、温度TNと所定温度TCとの差に応じて決定するようにしてもよい。
【0052】
次に別の構成の排気ガス浄化器30について説明する。図9から図11の各図は排気ガス浄化器30を示し、これらは各々、上述した排気ガス浄化器20についての図3から図5の各図に対応している。
排気ガス浄化器30の基本的な構成及び各構成要素の作用等は、上述の排気ガス浄化器20とほぼ同様であるのでそれらの詳細な説明は省略するが、排気ガス浄化器30では、排気ガス浄化器20とは異なり、環状通路22に配置される第1排気ガス浄化手段としてNOxを吸蔵及び還元浄化するNOx吸蔵剤12が用いられ、部分基幹通路18bに配置される第2排気ガス浄化手段として排気微粒子を除去するパティキュレートフィルタ14が用いられている。
【0053】
また、本排気ガス浄化器30を用いて行われる制御についても、図7に示されるフローチャートで表すことができ、上述した排気ガス浄化器20の場合とほぼ同様であるので、重複する部分(ステップ101及びステップ103)については説明を省略するが、ステップ105における経路切替調整弁26の操作については排気ガス浄化器20の場合とは異なるので以下で説明する。
【0054】
すなわち、排気ガス浄化器20の場合にはステップ105において、経路切替調整弁26が第1の位置または第3の位置にあるように操作され、排気ガスが第1経路またはバイパス経路で流れるようにされたが、本排気ガス浄化器30においては経路切替調整弁26が必ず第3の位置にあるように操作され、排気ガスがバイパス経路で流れるようにされる。
【0055】
上述したように排気ガス浄化器20の場合には、経路切替調整弁26が第3の位置にあるように操作され、排気ガスがバイパス経路で流れるようにされると、排気ガスが第2排気ガス浄化手段である酸化触媒32のみを通過して外部へ放出されるため、排気微粒子除去の観点から好ましくないという問題があった。しかし、本排気ガス浄化器30においては第2排気ガス浄化手段として排気微粒子を除去するパティキュレートフィルタ14を用いているため、経路切替調整弁26を第3の位置にあるように操作し、排気ガスがバイパス経路で流れるようにしてもこのような問題は生じない。
【0056】
そこで、排気ガス浄化器30ではステップ105において経路切替調整弁26が必ず第3の位置にあるように操作され、排気ガスがバイパス経路で流れるようにされる。これにより、還元剤添加ノズル34の設けられた排気ガス通路を排気ガスが殆ど流通しなくなるので、機関から排出された排気ガス自体が高温である場合においても還元剤添加ノズル34が高温の排気ガスに晒される機会を低減することができ、より確実に還元剤添加ノズル34の噴孔における詰まりの発生を抑制することができる。
【0057】
なお、上述の排気ガス浄化器20、30における第1排気ガス浄化手段及び第2排気ガス浄化手段については、目的に応じて、酸化触媒、NOx吸蔵剤、パティキュレートフィルタ、またはこれらの任意の組合せ等、様々に変更され得る。例えば、第1排気ガス浄化手段をNOx吸蔵剤担持フィルタとし第2排気ガス浄化手段をNOx吸蔵剤としてもよい。あるいは、第1排気ガス浄化手段をNOx吸蔵剤担持フィルタとし、第2排気ガス浄化手段をNOx吸蔵剤担持フィルタもしくは酸化触媒担持フィルタとしてもよい。
【0058】
第1及び第2排気ガス浄化手段の種々の組合せにおいて、第2排気ガス浄化手段がパティキュレートフィルタを含む場合には、上述の説明からも明らかなように、図7に示されるフローチャートで表される制御において、ステップ105で経路切替調整弁26を第3の位置にあるように操作し、排気ガスがバイパス経路で流れるようにした場合においても、排気微粒子が外部へ放出されるのを防止することができる。したがって、この場合には排気ガス浄化器30に関して上述したような制御を実施し、同様の作用及び効果を得ることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、排気ガス浄化手段(NOx吸蔵剤やパティキュレートフィルタ等)の上流で還元剤を添加する還元剤添加ノズルを有する排気ガス浄化装置において、上記還元剤添加ノズルの噴孔における詰まりの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明をディーゼルエンジンに適用した場合を示す図である。
【図2】図2は、本発明で用いられる排気ガス浄化器の外観を模式的に示した説明図であり、図2(a)及び図2(b)がそれぞれ上面図及び側面図を示している。
【図3】図3は、図2に示された排気ガス浄化器の断面を示した説明図であって、図3(a)及び図3(b)がそれぞれ上方及び側方から見た場合の断面図を示しており、経路切替調整弁が第1の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示している。
【図4】図4は、図2及び図3に示された排気ガス浄化器に関し、経路切替調整弁が第2の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示している図3(a)と同様の図である。
【図5】図5は、図2から図4に示された排気ガス浄化器に関し、経路切替調整弁が第3の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示している図3(a)及び図4と同様の図である。
【図6】図6は、NOx吸蔵剤が担持されたパティキュレートフィルタ(NOx吸蔵剤担持フィルタ)の拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の排気ガス浄化装置の制御を示すフローチャートである。
【図8】図8は還元剤添加ノズルの取付け部分の構成についての一例を示す拡大略示図である。
【図9】図9は、本発明で用いられる別の排気ガス浄化器の断面を示した説明図であって、図9(a)及び図9(b)がそれぞれ上方及び側方から見た場合の断面図を示しており、経路切替調整弁が第1の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示している。
【図10】図10は、図9に示された排気ガス浄化器に関し、経路切替調整弁が第2の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示している図9(a)と同様の図である。
【図11】図11は、図9及び図10に示された排気ガス浄化器に関し、経路切替調整弁が第3の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示している図9(a)及び図10と同様の図である。
【符号の説明】
10、20、30…排気ガス浄化器
2…機関(エンジン)本体
4…吸気通路
6…排気ガス通路
8…電子制御ユニット(ECU)
12…NOx吸蔵剤
14…パティキュレートフィルタ
15…NOx吸蔵剤担持フィルタ
18…基幹通路
22…環状通路
24…経路変更部
26…経路切替調整弁
28…駆動部
32…酸化触媒
34…還元剤添加ノズル
36…温度センサ
Claims (7)
- 排気ガス通路内に配置されて排気ガスを浄化する排気ガス浄化手段と、
該排気ガス浄化手段の一方の端面に連通する第1部分通路と、
上記排気ガス浄化手段の他方の端面に連通する第2部分通路と、
排気ガスの経路を、上記第1部分通路から上記排気ガス浄化手段を通り上記第2部分通路へ流れる第1経路と、上記第2部分通路から上記排気ガス浄化手段を通り上記第1部分通路へ流れる第2経路とで切替える経路切替手段と、
上記経路切替手段の下流にあって排気ガス通路に還元剤を添加することにより上記排気ガス浄化手段に還元剤を供給する還元剤添加ノズルと、
該還元剤添加ノズルの位置における排気ガスの温度を推定または検出する温度検出手段とを有する排気ガス浄化装置において、
上記温度検出手段により推定または検出された温度が所定温度以上である場合には、上記経路切替手段により上記排気ガス浄化手段を通過し上記還元剤添加ノズルに到る排気ガスの量を減少させることを特徴とする、排気ガス浄化装置。 - 上記排気ガス浄化手段は、排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタと、流通する排気ガスの空燃比がリーンの時にNOxを吸蔵し流通する排気ガスの空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存在していれば吸蔵したNOxを還元浄化するNOx吸蔵剤の少なくとも何れかを含むことを特徴とする、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記排気ガス浄化手段をバイパスするバイパス通路を更に有し、上記経路切替手段が排気ガスの経路を、上記第1経路と、上記第2経路と、排気ガスが上記バイパス通路を流れるバイパス経路とで切替えることを特徴とする、請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記バイパス通路に上記排気ガス浄化手段とは別個の排気ガス浄化手段が配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記バイパス通路に配置された上記別個の排気ガス浄化手段は、酸化触媒、排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタ、流通する排気ガスの空燃比がリーンの時にNOxを吸蔵し流通する排気ガスの空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存在していれば吸蔵したNOxを還元浄化するNOx吸蔵剤のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項4に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記還元剤添加ノズルが上記第1部分通路に設けられており、上記温度検出手段により推定または検出された温度が所定温度以上である場合には、排気ガスの経路が上記第2経路とならないようにされることを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
- 上記還元剤添加ノズルは上記第1部分通路に設けられ、上記バイパス通路に配置された上記別個の排気ガス浄化手段は排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタを含んでいて、上記温度検出手段により推定または検出された温度が所定温度以上である場合には、排気ガスの経路が上記バイパス経路とされることを特徴とする、請求項4または5に記載の排気ガス浄化装置。
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