JP2004068141A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板 Download PDF

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Masayasu Nagoshi
名越 正泰
Hisato Noro
野呂 寿人
Takashi Kono
河野 崇史
Shoichiro Taira
平 章一郎
Yoshiharu Sugimoto
杉本 芳春
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【課題】プレス成形における摺動性に優れた合金化溶融めっき鋼板を提供する。
【解決手段】Fe−Zn合金めっき相を少なくとも鋼板の片面に有し、かつ該Fe−Zn合金めつき相はめっき面に平坦部を有し、該平坦部は、その表面に下記(1)及び(2)の粗さパラメータを満足する微細凹凸を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。(1)平坦部表面における粗さ曲線の平均粗さ(Ra):10nm以上100nm以下。(2)平坦部表面における微細凹凸の局部平均間隔(S):100nm以上1000nm以下。前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき面平坦部の微細凹凸の少なくとも凸部がリン片状の物質で構成されている。前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき面平坦部のリン片状物質は、平均厚さ3nm以上50nm以下で、平均長径50nm以上1500nm以下の範囲内である。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレス成形における摺動性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、亜鉛めっき鋼板と比較して塗装性及び溶接性に優れることから、自動車や家電製品等に広く利用されている。
【0003】
このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、プレス成形を施されて目的の用途に供される。しかし、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、冷延鋼板に比べてプレス成形性が劣るという欠点を有する。これは合金化溶融亜鉛めっき鋼板とプレス金型との摺動抵抗が、冷延鋼板の場合に比較して大きいことが原因である。即ち、ビードと亜鉛系めっき鋼板との摺動抵抗が著しく大きい部分で、合金化溶融亜鉛めっき鋼板がプレス金型に流入しにくくなり、鋼板の破断が起こりやすい。
【0004】
そこで亜鉛系めっき鋼板のプレス成形性を向上させる方法としては、一般に高粘度の潤滑油を塗布する方法が広く用いられている。しかしこの方法では、潤滑油の高粘性のために、塗装工程で脱脂不良による塗装欠陥が発生したり、またプレス時の油切れにより、プレス性能が不安定になる等の問題がある。前記問題を解決するには、潤滑油の塗布量を極力低減できることが必要であり、そのためには、合金化溶融亜鉛めっき鋼板自体のプレス成形性を改善することが必要となる。
【0005】
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、鋼板に亜鉛めっきを施した後、加熱処理を行い、鋼板中のFeとめっき層中のZnが拡散する合金化反応が生じることにより、Fe−Zn合金相を形成させたものである。このFe−Zn合金相は、通常、Γ相、δ相、ζ相からなる皮膜であり、Fe濃度が低くなるに従い、すなわち、Γ相→δ相→ζ相の順で、硬度ならびに融点が低下する傾向がある。このため、摺動性の観点からは、高硬度で、融点が高く凝着の起こりにくい高Fe濃度の皮膜が有効であり、プレス成形性を重視する合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、皮膜中の平均Fe濃度を高めに製造されている。
【0006】
しかしながら、高Fe濃度の皮膜では、めっき−鋼板界面に硬くて脆いΓ相が形成されやすく、加工時に界面から剥離する現象、いわゆるパウダリングが生じ易い問題を有している。このため、特開平1−319661号公報(以下、先行技術1)に示されているように、摺動性と耐パウダリング性を両立するために、上層に第二層として硬質のFe系合金を電気めっきなどの手法により付与する方法がとられている。めっき皮膜を二層とすることは製造コストが余計にかかるという問題も有している。
【0007】
この問題を解決する方法として、特開昭53−60332号公報(以下、先行技術2)および特開平2−190483号公報(以下、先行技術3)は、亜鉛系めっき鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布酸化処理、または加熱処理を施すことにより、Zn0を主体とする酸化膜を形成させて溶接性、または加工性を向上させる技術を開示している。
【0008】
特開平4−88196号公報(以下、先行技術4)は、亜鉛系めっき鋼板の表面に、リン酸ナトリウム5〜60g/lを含みpH2〜6の水溶液中にめっき鋼板を浸漬するか、電解処理、また、上記水溶液を散布することによりP酸化物を主体とした酸化膜を形成して、プレス成形性及び化成処理性を向上させる技術を開示している。
【0009】
特開平3−191093号公報(以下、先行技術5)は、亜鉛系めっき鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布処理、塗布酸化処理、または加熱処理により、Ni酸化物を生成させることによりプレス成形性および化成処理性を向上させる技術を開示している。
【0010】
特開平7−18402号公報(以下、先行技術6)は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に凹部を形成させることで、潤滑油を鋼板表面に保持しやすくし、プレス成形性を向上させる技術を開示している。
【0011】
特許第2704070号公報(以下、先行技術7)では、めっき表面を対象としたマクロな粗さパラメータである、“表面の断面曲線の振幅確率密度分布”(スキューネス)を−1.5以上−0.3未満に規定することにより、プレス成形性を向上させる技術を開示している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した先行技術2〜7を合金化溶融亜鉛めっき鋼板に適用した場合、プレス成形性の改善効果を安定して得ることはできない。発明者らは、この原因について詳細な検討を行った。その結果、合金化溶融めっき鋼板はAl酸化物が不均一に存在することにより表面の反応性が不均一であること、及びめっき表面の粗さが大きいことが原因であることを見出した。即ち、上述した先行技術2〜5を合金化溶融めっき鋼板に適用した場合、表面の反応性が不均一であるため、電解処理、浸漬処理、塗布酸化処理及び加熱処理等を行っても所定の皮膜を表面に均一に形成することは困難であり、反応性の低い(Al酸化物量が多い)部分では膜厚が薄くなってしまう。また、めっき表面は合金化反応の不均一性およびFe−Zn合金相の形状により数μm以上のマクロな凹凸が形成される。プレス成型時にプレス金型と直接接触するのは表面の凸部となるが、凸部のうち膜厚の薄い部分と金型との接触部での摺動抵抗が大きくなり、プレス成形性の改善効果が十分には得られない。
【0013】
また、凹部を形成させる先行技術6についても、これだけでは十分なプレス成形性が得られないことがわかった。これは、凹部には潤滑油が溜まり易いが、逆に摺動性に与える影響が大きい凸部には潤滑油が溜まりにくいという問題があるためと考えられる。先行技術7についても、十分なプレス成形性は得られていない。先行技術6と7は、めっき表面のマクロな形状制御だけでは、顕著なプレス成形性の向上は達成できないことを示している。
【0014】
この発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、プレス成形における摺動性に優れた合金化溶融めっき鋼板を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した目的を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき表面に平坦部を設け、その平坦部に微細な凹凸を形成することで、高度に安定して優れたプレス成形性が得られることを知見した。本発明における粗さは先行文献に示されているめっき表面の粗さとはそのスケールにおいてまったく異質のものである。すなわち、先行技術6、7ではめっき表面全体を対象としたマクロ粗さを規定しており(例えば、数10mm×数10mmの範囲内の粗さ、Ra≧1μm)、本発明ではめっき表面上に形成された平坦部(典型的には数μm×数μm)内の微細凹凸(Ra≦数100nm)を問題としている。
【0016】
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、合金化処理時の鋼板−めっき界面の反応性の差およびFe−Zn合金の角張った形状により、めっき表面にマクロな凹凸が存在している。このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板に平坦部を設ける。平坦部を設けることによって、めっき表面の凹凸を緩和し表面を平滑にすると同時にめっき表面の凸部を平坦にする。平坦部の形成方法は特に限定されないが、調質圧延と兼ねてもよい。このようにして形成された合金化溶融亜鉛めっき鋼板表面の平坦部は、プレス成形時に金型が直接接触する部分であるため、この平坦部の摺動抵抗を小さくすることが、プレス成形性を安定して改善することにつながるのである。図1は、このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板表面の二次電子像である。図中で島状に暗く見えるところが平坦部である。
【0017】
発明者らは平坦部の表面に微細な凹凸を形成させることにより鋼板の摺動抵抗が減少することを知見した。さらに、微細な凹凸の粗さパラメータと摩擦係数との関係を一つの指標として種々の微細凹凸について系統的な研究を行った結果、大きさや形状を制御して平坦部に微細凹凸を付与することが摺動抵抗の減少につながることを知見した。さらに、微細な凹凸のすべてあるいは一部をめっき皮膜のFe−Zn合金よりも高融点のZn主体の酸化物、で構成させることによりさらに優れた摺動抵抗低減効果が得られることがわかった。
【0018】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。
第1発明は、Fe−Zn合金めっき相を少なくとも鋼板の片面に有し、かつ該Fe−Zn合金めっき相はめっき面に平坦部を有し、該平坦部は、その表面に下記(1)及び(2)の粗さパラメータを満足する微細凹凸を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
(1)平坦部表面における粗さ曲線の平均粗さ(Ra):10nm以上100nm以下
(2)平坦部表面における微細凹凸の局部平均間隔(S):100nm以上1000nm以下
第2発明は、第1発明において、めっき面平坦部の微細凹凸の少なくとも凸部がリン片状の物質で構成されることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0019】
第3発明は、第2発明において、めっき面平坦部のリン片状物質は、平均厚さ3nm以上50nm以下で、平均長径50nm以上1500nm以下の範囲内であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0020】
第4発明は、第1〜第3発明において、第1〜第3発明に記載の微細凹凸を有する領域が、平坦部全体に対する面積率として30%以上存在することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0021】
第5発明は、第1〜第4発明において、めっき面平坦部の微細凹凸の少なくとも凸部はZnまたはZnとFeを含む酸化物及び/又は水酸化物からなることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0023】
合金化溶融亜鉛めっき鋼板のプレス成形性を向上させるためには、プレス成形時に金型が直接接触するめっき表面の摺動抵抗を低減することが必要である。めっき表面に平坦部を設けることにより、プレス成形時に金型が接触する表面の大部分をこの平坦部に限定することができる。その上で、この平坦部表面に微細な凹凸を形成させることが、摺動抵抗の低減に非常に有効である。
【0024】
これは、1)微細凸部によりめっき表面の平坦部と金型との接点が分散され実接触面積が減少することによる効果(以下、接触面積分散効果)と、2)微細凹部が平坦部に潤滑油を保持し、平坦部の潤滑性を向上する効果(以下、微小油溜効果)、によって平坦部と金型との摺動抵抗が低減するためと考えられる。従って、めっき鋼板全体が金型との間で滑り易くなり、プレス成型時の摺動性を格段に向上できるものと考えられる。
【0025】
微細凹凸については、平坦部表面における粗さ曲線の平均粗さ(Ra)が10nm以上100nm以下であると摺動抵抗の低減効果が顕著となる。平均粗さ(Ra)が10nm未満であると低減効果が顕著でなくなるのは、凹部の体積が小さくなり油を溜める効果が減少するためと考えられる。一方、平均粗さ(Ra)が100nmを越えると低減効果が顕著でなくなるのは、凹凸が激しいこと自体が摺動抵抗を高めるためと考えられる。
【0026】
さらに、粗さ曲線の凹凸の局部平均間隔(S)が100nm以上1000nm以下であると摺動抵抗の低減効果が顕著となる。前記平均粗さ(Ra)との違いは、平均粗さ(Ra)は粗さのみを表すのに対して粗さ曲線の凹凸の局部平均間隔(S)は凹凸の周期を表していることである。
【0027】
粗さ曲線の凹凸の局部平均間隔(S)は基準長さ内の粗さ曲線の局部凹凸の間隔の平均値であり、次式(1)で表される。
【0028】
【数1】
Figure 2004068141
【0029】
ここで、Sは粗さ曲線の局部凹凸の間隔であり、nは基準長さ内の粗さ曲線の局所凹凸の数である。表面粗さの定義に関しては、日本工業規格の「表面粗さ−用語」B−0660−1998に記載されており、式(1)は前記B0660−1998より引用したものである。
【0030】
粗さ曲線の凹凸の局部平均間隔(S)が1000nmを越えると摺動抵抗の低減効果が顕著でなくなるのは、凸部の数が少なく接触面積分散効果が低下するためと考えている。また、凹部が粗となり微小油溜効果も低減すると考えられる。一方粗さ曲線の凹凸の局部平均間隔(S)の下限は明確でないが本発明者等は100nmまでは摺動抵抗の低減効果を確認している。
【0031】
上述のように、平均粗さ(Ra)と微細凹凸の局部平均間隔(S)を上記範囲に制御することにより、微小油溜効果と接触面積分散効果を効率よくバランスさせ、摺動抵抗が低減するものと考えられる。
【0032】
本発明で示した粗さのパラメータは、めっき表面を垂直な平面で切断したときに切り口に現れる輪郭、すなわちめっき表面の断面曲線について規定したものである。
【0033】
めっきの平坦部に形成させる微細凹凸の粗さパラメータは例えば、電子線三次元粗さ解析装置により求めることができる。また、原子間力顕微鏡(AFM)を用いても計測可能である。これらは、電子線あるいは探針を表面に沿って走査し得られた二次(反射)電子信号あるいは探針の変位から、表面と平行方向の高さ分布を求めることができ、その結果から粗さパラメータを計算することができる。
【0034】
めっき皮膜の平坦部表面の微細凹凸の粗さパラメータが第1発明で規定する範囲を満足するなら、その形態は特に限定されないが、微細凹凸がリン片状の物質で形成されいれば摺動抵抗を低減させる効果が高く、この場合は、そのサイズを規定することで、摺動抵抗を低減することができる。
【0035】
図2は、リン片状の物質で構成される微細凹凸を説明する模式図である。リン片状の物質とは、図2の模式図に示されるように、厚さの薄い板状の物質であり、該板状の物質は、(a)の模式図の1〜3に示されるような平板状であってもよく、(b)の模式図の4〜6に示されるように板面がわん曲しているものであってもよい。またその端部はわん曲しているものであってもよく、厚さは均一でなくてもよい。このような板状の物質は、材料(この場合はめっき上の平坦部)の表面上に、該表面に対して、0度以上の角度を持ってランダムな方向に多数分布して存在することで微細凹凸を形成させることができる。リン片状の物質は、(c)の模式図の7や8に示されるように、(a)や(b)に示されるような平板状あるいはわん曲した板状のリン片状の物質同士が接触して連続して存在していてもよい。
【0036】
微細凹凸の凸部がリン片状の物質で形成されていると、微小油溜のための空間を効率的に構成することができると考えられる。そのため、めっき皮膜の平坦部表面の微細凹凸の凸部をリン片状の物質で構成とすることで、安定して高い摺動抵抗低減効果を得ることができる。微細凹凸はその基部で互いに接触して連続しており、その凹部がリン片状物質で構成されていてもよい。
【0037】
リン片状の物質の大きさは、平均厚さ3nm以上50nm以下で、平均長径50nm以上1000nm以下の範囲内であると摺動抵抗低減効果が顕著である。平均厚さ3nm未満で摺動抵抗低減効果が顕著でなくなるのは、局部的な圧力に耐える性能が低下するためと考えている。一方平均厚さ50nm超で摺動抵抗低減効果が顕著でなくなるのは、油溜のための空間が減少するためと考えている。また、平均長径が50nm未満であると、油溜のための空間を大きくとることが困難となり、逆に1000nm超であると、局部的な圧力に耐える性能が低下するため、摺動抵抗低減効果が顕著でなくなると考えている。
【0038】
ここで規定したリン片状物質のサイズは、高分解能の走査電子顕微鏡により低加速(例えば1kV)の電子線で観察すること、あるいは断面を透過電子顕微鏡により観察することにより測定することができる。例えば20個のリン片状物質について長径および厚さを測定し平均することで、平均長径および平均厚さを求めることができる。
【0039】
図3(a)と(b)は、めっき表面平坦部の微細凹凸がリン片状の物質で構成される合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき表面の平坦部を示す電子顕微鏡写真の例である。図3(a)と(b)において、暗いコントラストを有する部分(黒く見える部分以外)がリン片状物質で、(a)、(b)のいずれでも、写真の視野のほぼ全面がリン片状物質でおおわれている。リン片状の物質は、図3(a)ではめっき平坦部の表面に対してリン片状物質の板面が様々な方向・角度で分布している。また、図3(b)では、めっき平坦部表面に垂直に近い角度のリン片状の物質が網目状の構造を形成している。いずれであっても、摺動抵抗低減に効果的である。
【0040】
リン片状の物質の密度は、1μm当たり1個以上であることが望ましい。リン片状の物質の密度も、高分解能の走査電子顕微鏡観察により測定できる。リン片状の物質同士が接触して連続的に存在している場合は、スムースな平面あるいは曲面で区切られた領域を一つのリン片状物質として、そのサイズや密度をカウントする。
【0041】
図4は、調質圧延を施したままのめっき表面における平坦部の電子顕微鏡写真の例である。写真の倍率は図3とほぼ同じである。図4の平坦部は、調質圧延ロールで圧延されたことにより形成されているため、該ロール表面に依存したある程度の粗さを有している。本発明者等の調査によれば、このような表面の典型的な平均粗さ(Ra)は10nm以下、凹凸の局部平均間隔(S)は100nm以下であり、平滑性が高いものである。図4には、図3に存在したリン片状の物質は見られない。このことから、図3で例示した本発明に係る微細凹凸はめっき表面の平坦部に制御して付与されたものであることが明らかである。
【0042】
ここまで述べてきためっき表面の平坦部における微細凹凸は、微細凹凸が存在する平坦部が、平坦部全体に対する面積率として30%以上(100%を含む)であることが望ましい。その理由は、微細凹凸存在部が30%未満では摺動抵抗の低減効果が十分に得られないためである。このとき、面積率が高ければ高いほどその効果が大きく、50%以上とするのがより望ましい。
【0043】
微細凹凸存在部の面積率は、低加速電子線を使用した走査型電子顕微鏡の観察により求めることができる。次に述べるように微細凹凸部が酸化物や水酸化物で構成されている場合は、加速電圧を酸化物の厚さに合わせて低く(例えば酸化物の厚さが20nm程度の場合は1kV以下)することが有効である。物質の違い(酸化物または水酸化物に対して下地はFe−Zn合金)による二次電子発生効率の違いにより生じるコントラスト差を利用することで、容易に凹凸部を認識することができる。画像処理などを用いることで、前記の微細凹凸存在部の面積率を求めることができる。
【0044】
具体的には、まず、合金化溶融亜鉛めっき表面の平坦部の分布を記録する。めっき表面の平坦部の分布は、走査電子顕微鏡を用いた、高加速電圧(たとえば15kV)での観察(図1参照)や表面形状を強調した像の観察(たとえばトポグラフィック像)で記録することができる。その後、低加速電圧(たとえば1kV以下)で表面の二次電子像観察を行い、前記で記録した平坦部のなかで酸化物や水酸化物で形成された微細凹凸の存在する部分の面積率を求める。酸化物あるいは水酸化物は、同じ条件で観察した微細凹凸の形成処理をしていない合金化亜鉛めっき表面のコントラストを参照として、二次電子像のコントラスト差として容易に区別することができる(酸化物あるいは水酸化物は、未処理の合金化亜鉛めっき表面より暗いコントラストを有する。)すなわち、処理後の試料表面の平坦部において、参照試料のコントラストと同程度のコントラストを有する領域を、酸化物、水酸化が存在していない、すなわち微細凹凸が形成されていない領域と判断することができる。酸化物、水酸化が存在している領域と、酸化物、水酸化が存在していない領域では、十分なコントラスト差があるため、画像処理プログラムを用いて容易に二値化でき、酸化物、水酸化が存在する、すなわち微細凹凸が形成されている面積率を求めることができる。
【0045】
これまで述べた微細凹凸は、その組成を特に限定するものではないが、微細凹凸の少なくとも凸部表面を、ZnまたはZnとFeを含む酸化物及び/又は水酸化物とすることに、二つの点で利点がある。
【0046】
第一の利点は、合金めっき表面に融点のより高い酸化物及び/又は水酸化物が存在することで、プレス成形時に金型との融着を防止する効果があることである。例えば、ZnOは加圧下で1980℃という高い融点を有しており(理化学辞典、第5版、岩波、による)、凝着防止効果が高いと考えられる。そのために、摺動抵抗の低減効果が向上する。
【0047】
また、リン片状の微細突起物(第2、3発明)をこのような高融点酸化物で形成させた場合は、摺動を受けリン片状の微細突起物が潰れる際に、突起物間の微小油溜にたまった油を金型との接触部に効果的に供給すると同時に、リン片状の微細突起物が倒れてめっき表面を効率的に覆い、金型とめっき合金相との直接接触をより抑制する効果が優れると考えられる。
【0048】
第二は工業上の利点である。表面の高融点化を狙って他の金属や金属化合物を形成させるためには、新たな工程を追加する必要があるが、上記酸化物であれば、めっき皮膜中に含まれる金属成分を利用できるため、比較的簡便な処理により微細凸部を平坦部表面に形成できるからである。さらに、新たな工程を追加する必要が少ないため、合金化溶融亜鉛めっき鋼板本来の特性を劣化させる心配が少なく、新たな元素を追加する必要がないため添加元素による諸特性への影響の心配もない。ただし、この場合、十分な摺動抵抗低減効果を得るためには酸化物及び/又は水酸化物層の平均の厚さを10nm以上とすることが望ましい。
【0049】
微細凹凸の成分は、凸部を剥離するかFIB装置などで断面試料を作成し、分析機能を備えた透過電子顕微鏡を用いて調べることができる。
【0050】
めっき表面に平坦部を形成させる場合、平坦部の面積率は、20%以上80%以下とするのが望ましい。20%未満では、実際に金型に接触する面積のうち、平坦部を除く部分(マクロな凹部)と金型との接触面積が大きくなり、微細凹凸による摺動性改善効果を発揮できる平坦部と金型との接触面積が小さくなるため、プレス成形性の改善効果が小さくなる。平坦部を除く部分は、プレス成型時に潤滑油を保持する役割を持つ。平坦部を除く部分の面積率が20%未満になる(平坦部の面積率が80%を超える)とプレス成形時に油切れを起こしやすくなり、プレス成形性の改善効果が小さくなる。このなかでも、平坦部の面積率は30%以上70%以下の範囲がさらに望ましい。
【0051】
めっき表面の平坦部は、光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡等で表面を観察することで容易に識別可能である。めっき表面における平坦部の面積率は、上記顕微鏡写真を画像解析することにより求めることができる。
【0052】
本発明において、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜の合金相の構成については特に限定しない。めっき皮膜中鉄濃度が高くめっき皮膜の表面層平坦部にζ相がほとんど存在しない(すなわちほぼδ相である)めっき鋼板に本発明を適用する場合は、硬いδ相の効果と相まって高い摺動抵抗の低減効果を得ることができる。また、めっき皮膜中鉄濃度が低く表面層平坦部にζ相が存在するめっき鋼板に本発明を適用すると、低鉄濃度皮膜の高い成型性と本発明の低摺動抵抗を兼ね備えた、高加工性の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することができる。
【0053】
本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するには、亜鉛めっき浴でめっきし、合金化処理を行う。亜鉛めっき浴中にAlが添加されていることが必要であるが、Al以外の添加元素成分は特に限定されない。すなわち、Alの他にFe、Pb、Sb、Si、Sn、Mn、Ni,Ti,Li、Cuなどが含有または添加されていても、本発明の効果が損なわれるものではない。次いでめっき表面に平坦部を形成する。その際、平坦部の面積率を前記で説明した範囲にする。平坦部を形成する方法は特に限定されない。例えば、調質圧延によってめっき表面に平坦部を形成できる。その際、圧延条件を調整し、平坦部の面積率を前記で説明した範囲にする。
【0054】
次いで、めっき表面の平坦部に前記した微細凹凸を形成する。この方法は特に規定するものではないが、機械的あるいは化学的なエッチングなどを用いて微細凹凸を形成する方法が一例としてあげられる。また、物理的、化学的な反応を利用してめっき表面にFe−Zn合金とは異なる物質を付与することにより微細凹凸を形成する方法もある。ZnまたはZnとFeを含む酸化物及び/又は水酸化物からなる微細凹凸を形成する場合、酸化剤含有の水溶液への浸漬や同水溶液の吹き付けによる方法、あるいは酸化剤含有の水溶液中での陰極電解処理及び陽極電解処理などの方法、温水浸漬や水蒸気吹き付けなどの方法を一例として採用することができる。また、これらの処理を二つ以上組み合わせることもできる。この場合、酸化物及び/又は水酸化物中に、処理液などに含まれるF、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Baなどの元素が含有されていても、本発明のプレス成形性改善効果が損なわれることはない。
【0055】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明する。
板厚0.8mmの冷延鋼板上に、常法の合金化溶融亜鉛めっき法によりめっき皮膜を45〜60g/m形成し、更に調質圧延を行った(一部は行っていない)。この際、調質圧延の圧下荷重を変化させることで、表面における平坦部の面積率を40〜60%に調整した。変化させた。次に、pH12.5の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、合金化処理時の加熱により生成した酸化物層を除去した(以下、アルカリ処理)。表層におけるAlの量をこの処理時間により調整した。引き続き、平坦部にZnまたはZnとFeを含む酸化物及び/又は水酸化物からなる微細凹凸を形成するために次の処理を行った。
【0056】
上記合金化溶融めっき鋼板を10〜40g/lの酢酸ソーダ水溶液(pH=1.5〜2.5,60℃)に浸漬し、さらに浸漬後,液が付着した状態で2〜20秒間放置し、さらに水洗とアルカリ性溶液への浸漬(5秒以下)と水洗・乾燥を行うことにより表面に前記成分からなる微細凹凸を形成した。溶液のpH、放置時間、放置温度と温度を変化させることにより、微細凹凸の形状、粗さを制御した。リン片状の微細凹凸を形成させるためには、低pHで放置時間を長めにすればよい。このような条件により、リン片状のZnO構造の酸化物を形成させることができる。
【0057】
次いで、以上の様に作製した供試体について、めっき皮膜中のFe含有率、平坦部微細凹凸の形状、粗さ計測、平坦部における微細凹凸部の面積率、めっき表面における平坦部の面積率の測定及び摩擦係数測定を行なった。微細凹凸の形状は、電界放射型の走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて観察した。
また、比較のために、調質圧延、アルカリ処理、突起物形成処理の何れも施してない合金化亜鉛めっき鋼板を作製(試験材No.1)し、同様の調査を行った。
【0058】
(1)微細凹凸部の粗さ計測
電子線三次元粗さ解析装置(エリオニクス社製ERA−8800FE)を用いた。測定は加速電圧5kV、WD15mmにて行い、測定時の面内方向のサンプリング間隔は約20nmとした(観察倍率は10000倍)。なお、電子線照射による帯電を避けるため金蒸着を施した。平坦部一箇所当たり電子線の走査方向およびそれと垂直方向から長さ3μm程度の500本以上の粗さ曲線を切出し、微細凸部の単位長さ当たりの個数、および平均の高さを計測した。測定した平坦部は一試料当たり6箇所である。
【0059】
上記の粗さ曲線から装置に付属の解析ソフトウエアを用いて、粗さ曲線の平均粗さ(Ra)と局部凹凸の平均間隔(S)を計算した。電子線を試料表面に照射するとカーボン主体のコンタミネーションが成長し、それが測定データに現れる場合がある。この影響は今回のように測定領域が小さい場合顕著になりやすい。そこでデータ解析に当たっては、測定方向の長さ(8〜12μm)の半分をカットオフ波長とするSplineハイパーフィルターをかけて、この影響を除去した。本装置の較正には、米国の国立研究機関NISTにトレーサブルなVLSIスタンダード社のSHS薄膜段差スタンダード(段差18nm、88nm、450nm)を用いた。
【0060】
(2)表面微細凹凸観察
めっき皮膜平坦部の微細凹凸形状の特定、および平坦部における微細凹凸が占める面積率は、電界放射走査型電子顕微鏡(Leo社製GEMINI 1530)を用いた表面形状観察により行った。表面の形状を明らかにするため観察には1kV以下の低加速電子線を使用した。酸化物の形状に特定の特徴がない場合を“不定形”、平坦面に微細な粒子状の酸化物が点在している場合を“粒子状”、図3に示したようなリン片状物質が多数存在する場合を“リン片状”と判断した。リン片状構造の場合、そのサイズ(長径、厚さ)をリン片状の物質20以上について高倍率(1万倍以上)の走査電子顕微鏡写真より測定し、平均値を算出した。また、10μm×10μm程度の面積中のリン片状の物質の数を複数の視野について数えることで密度を算出した。
【0061】
(3)プレス成形性評価試験「摩擦係数測定試験」
プレス成形性を評価するために、各供試体の摩擦係数を、以下のようにして測定した。
【0062】
図5は、摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。図5に示すように、供試体から採取した摩擦係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されている。スライドテーブル3の下面には、これに接したローラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5が設けられ、これを押上げることにより、ビード6による摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するための第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取付けられている。上記押付力を作用させた状態でスライドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑油として、日本パーカライジング社製ノックスラスト550HNを試料1の表面に塗布して試験を行った。
【0063】
図6および図7は、使用したビードの形状・寸法を示す概略斜視図である。ビード6の下面が試料1の表面に押しつけられた状態で摺動する。図6に示すビード6の形状は、幅10mm、試料の摺動方向長さ12mm、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試料が押付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ3mmの平面を有する。図7に示すビード6の形状は、幅10mm、試料の摺動方向長さ69mm、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試料が押付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ60mmの平面を有する。
【0064】
摩擦係数測定試験は、以下に示す2条件で行った。
[条件1]図6に示すビードを用い、押付荷重N:400kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):100cm/minとした。この時、評価は、摩擦係数により行ない、◎:0.135未満、○:0.135以上、0.150未満、△:0.150以上、0.160未満、×:0.160以上、とした。
[条件2]図7に示すビードを用い、押付荷重N:400kgf,試料の引き抜き速度:20cm/minとした。この時、評価は、摩擦係数により行ない、◎:0.180未満、○:0.180以上、0.200未満、△:0.200以上、0.230未満、×:0.230以上、とした。
供試体とビードとの間の摩擦係数μは、式:μ=F/Nで算出した。
【0065】
試験結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 2004068141
【0067】
この試験結果から、めっき表面平坦部の微細凹凸の平均粗さ(Ra)および微細凹凸の局部平均間隔(S)が本発明範囲内にある合金化溶融亜鉛めっき鋼板(本発明例1〜8)は、平坦部のない比較例1、平坦部があっても平坦部の微細凹凸パラメータが本発明範囲を外れる比較例2〜5に比べて、摩擦係数がより低減されていることがわかる。
【0068】
本発明例の内、微細凹凸がリン片状の酸化物突起で形成されている本発明例3〜8は、不定形の酸化物突起の本発明例1、2より、摩擦係数が低い。また、平坦部に占める微細凹凸の割合(面積率)が30%以上の本発明例1〜4、7及び8は、凹凸の割合が30%未満の本発明例5、6よりも摩擦係数がより低い。なお、本発明例3〜8のリン片状の物質の平均サイズおよび密度は、平均厚さ5nm〜20nm、平均長径70nm〜1200nmで第2発明の範囲内であった。
【0069】
本発明例のうち、本発明例3、4について、リン片状微細突起物を、分析機能を有する透過電子顕微鏡(TEM)を用いて調査した結果、リン片状微細突起物は、六方晶ZnOの多結晶体と考えられた。成分は、ZnとOを主成分としているが、Fe、Sなどを含んでいる可能性、また、Zn(OH)が混在する可能性も考えられた。
【0070】
また、本発明例ではめっき皮膜中の鉄濃度の大小に係わらず低い摩擦係数が得られていることがわかる。
【0071】
なお、めっき皮膜の密着性(耐パウダリング性)をドロービード試験により調査したが、本発明例はいずれも耐パウダリング性が良好であり、摺動性の向上によりパウダリング性が低下することはなかった。
【0072】
【発明の効果】
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板はプレス成形時の摺動抵抗が小さく、安定して優れたプレス成形性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき表面を示す図面代用の走査型二次電子顕微鏡写真である。
【図2】合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき表面に存在するリン片状の物質で構成される微細凹凸を説明する模式図である。
【図3】めっき表面平坦部の微細凹凸がリン片状の物質で構成される合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき表面の平坦部を示す図面代用の走査型二次電子顕微鏡写真である。
【図4】調質圧延を施したままの合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき表面の平坦部を示す図面代用の走査型二次電子顕微鏡写真である。
【図5】摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。
【図6】図5中のビード形状・寸法を示す概略斜視図である。
【図7】図5中の別のビード形状・寸法を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 摩擦係数測定用試料
2 試料台
3 スライドテーブル
4 ローラ
5 スライドテーブル支持台
6 ビード
7 第1ロードセル
8 第2ロードセル
9 レール
N 押付荷重
F 摺動抵抗力
P 引張荷重

Claims (5)

  1. Fe−Zn合金めっき相を少なくとも鋼板の片面に有し、かつ該Fe−Zn合金めっき相はめっき面に平坦部を有し、該平坦部は、その表面に下記(1)及び(2)の粗さパラメータを満足する微細凹凸を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
    (1)平坦部表面における粗さ曲線の平均粗さ(Ra):10nm以上100nm以下
    (2)平坦部表面における微細凹凸の局部平均間隔(S):100nm以上1000nm以下
  2. めっき面平坦部の微細凹凸の少なくとも凸部がリン片状の物質で構成されることを特徴とする請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. めっき面平坦部のリン片状物質は、平均厚さ3nm以上50nm以下で、平均長径50nm以上1500nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 請求項1〜3に記載の微細凹凸を有する領域が、平坦部全体に対する面積率として30%以上存在することを特徴とする請求項1〜3に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. めっき面平坦部の微細凹凸の少なくとも凸部はZnまたはZnとFeを含む酸化物及び/又は水酸化物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
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