JP2004067946A - ガスタービン用燃料としての嫌気性消化発酵ガスの精製システムおよび精製方法 - Google Patents
ガスタービン用燃料としての嫌気性消化発酵ガスの精製システムおよび精製方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】メタン、二酸化炭素、硫黄化合物および水蒸気を含む嫌気性消化発酵ガスをガスタービン用燃料として用いるために精製するシステムは、上記硫黄化合物を除去する脱硫手段1と、上記脱硫手段1により硫黄化合物が除去された嫌気性消化発酵ガスを圧縮する圧縮手段20と、上記圧縮手段20により圧縮された嫌気性消化発酵ガスを冷却する冷却手段21と、上記冷却手段21により生じたドレン水をシステムの外部に排出するドレン排出手段5dと、を備え、嫌気性消化発酵ガスから所定レベル以下まで水蒸気を除去する脱湿手段として、圧力スイング吸着法により水蒸気を吸脱着する吸着剤が充填された吸着塔30,31を含んでいる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥や畜産糞尿、厨芥ゴミなどを嫌気性消化発酵させることによって発生するメタンおよび二酸化炭素を主成分として含む嫌気性消化発酵ガスを、発電用燃料として使用するための精製を行う精製システムおよびその精製システムを用いた精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、地球温暖化防止などを背景に資源リサイクルとして、家畜糞尿や都市の厨芥ゴミ、下水処理場の汚泥などといった廃棄物を嫌気性消化発酵させることにより発生する嫌気性消化発酵ガスが発電用燃料として利用されている。特に、嫌気性消化発酵ガスをガスタービンに導入し、このガスタービンを駆動させることにより上記廃棄物を電気や熱などのエネルギーに変換する技術が注目されている。より具体的には、畜産糞尿を微生物(メタン発酵菌)により分解するメタン発酵処理で発生したバイオガスをマイクロガスタービン(300kW未満の発電能力を有するガスタービン)に燃料として供給し、発電を行うといったものが挙げられる。
【0003】
一般的に嫌気性消化発酵ガスは、メタンおよび二酸化炭素を主成分とするガスであり、不純物として、水蒸気と、硫化水素、ジメチルサルファイド及びメチルメルカプタンなどの硫黄化合物などを含んでいる。
【0004】
水蒸気は、圧縮および/または冷却することにより飽和水蒸気圧を超えた分が液化する。この液化した水には、嫌気性消化発酵ガス中に多く含まれる二酸化炭素が溶け込むため、これが金属を腐食させる要因となる。したがって、水蒸気の除去が不十分な嫌気性消化発酵ガスを発電用燃料として、たとえばガスタービンに供給すると、高速回転するガスタービンの羽根やガスタービンを構成する付属品が腐食するなどの影響が懸念される。また、硫黄化合物の中でも最も多く含まれている硫化水素は、腐食性のガスである。そのため、ガス圧縮機や配管系統などに与える影響も大きく、また燃焼により亜硫酸ガスが生成するため、ガスタービンの前段で除去しておくことが必要である。
【0005】
しかしながら、従来の嫌気性消化発酵ガスを精製するシステムでは、硫化水素は、公知の脱硫塔を用いて吸着除去することによりガス圧縮機や配管系統への影響が十分に抑制されていたが、水蒸気の除去、つまり嫌気性消化発酵ガスの脱湿は、不十分であった。具体的には、嫌気性消化発酵ガスを圧縮機および冷却器を用いて圧縮および冷却し、飽和水蒸気圧を超えた分を液化させ、ドレン水として排出することにより水分除去を行っていたが、嫌気性消化発酵ガス中の高濃度の二酸化炭素が水分の存在により、過酷な動作条件で動作するガスタービンの腐食を引き起こしていた。
【0006】
本発明は、このような事情のもとに考えだされたものであって、嫌気性消化発酵ガスの精製を行う場合において、嫌気性消化発酵ガス中に含まれる高濃度の二酸化炭素が金属を腐食させる要因となる水蒸気を、たとえばガスタービンに導入される前に十分に除去することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、本発明では次の技術的手段を講じている。
【0008】
すなわち、本発明の第1の側面によれば、メタン、二酸化炭素、硫黄化合物および水蒸気を含む嫌気性消化発酵ガスをガスタービン用燃料として用いるために精製する方法であって、上記硫黄化合物の除去を行う脱硫ステップと、硫黄化合物が除去された嫌気性消化発酵ガスを圧縮した後に冷却して生じたドレン水を排出するステップと、を含んでおり、圧力スイング吸着法により水蒸気を吸脱着する吸着剤が充填された吸着塔に嫌気性消化発酵ガスを導入して、嫌気性消化発酵ガスから所定レベル以下まで水蒸気を除去する脱湿ステップをさらに含んでいることを特徴とする、嫌気性消化発酵ガスの精製方法が提供される。
【0009】
以上の精製方法によれば、嫌気性消化発酵ガスは、従来と同様の脱硫処理を受けた後に、上記圧縮および冷却により生じたドレン水を排出して水分除去されるのに加え、上記脱湿ステップにて圧力スイング吸着法によりさらに脱湿される。これにより、嫌気性消化発酵ガスは、たとえば高速で回転するガスタービンに高濃度の二酸化炭素が腐食の影響を与えない程度にまで脱湿される。そのため、上記精製方法を用いた精製により十分脱湿された嫌気性消化発酵ガスを発電用燃料としてガスタービンに供給しても、高速回転するガスタービンの羽根などの腐食を抑制することができる。したがって、嫌気性消化発酵ガスを発電用燃料として、より好ましい状態にて供給することが可能となる。
【0010】
上記脱湿ステップは、上記吸着塔に導入された嫌気性消化発酵ガスが露点−40℃以下になるまで脱湿を行うことが好ましい。
【0011】
本発明の第1の側面における好適な実施形態に係る精製方法は、上記吸着剤を再生する際に前記吸着塔外に放出される減圧ガスを、上記脱硫ステップにより硫黄化合物が除去された嫌気性消化発酵ガスと混合するリサイクルステップをさらに含む。この実施形態によれば、リサイクルステップにより減圧ガスを全量リサイクルすることにより、減圧ガス中に含まれるメタンを徹底回収することができ、最終的にメタンの回収効率を100%にすることができる。したがって、発電用燃料ガスの主成分であるメタンのロスをなくすことでき、無駄なく嫌気性消化発酵ガスの精製が行える。
【0012】
但し、上記リサイクルステップにおいて、上記減圧ガスの一部をリサイクルせずに系外に排出させてもよい。吸着塔内からの排出初期における減圧ガスは、吸着塔の空隙部に残留している塔内残留ガスであり、その組成はメタンの割合が高い。また、吸着塔内からの放出末期における減圧ガスは、吸着剤から脱着される脱着ガスであり、その組成は二酸化炭素や水蒸気を含む割合が高い。したがって、上記排出初期における減圧ガスをリサイクルステップにおいて回収し、残りの減圧ガスを系外に排出することにより、最終的に精製ガスとして回収される嫌気性消化発酵ガス中のメタン濃度を高めることができる。これにより、たとえば供給された原料ガスとしての嫌気性消化発酵ガス中のメタン濃度がガスタービンを駆動させるのに不十分な場合でも、駆動可能な発熱量を有する程度までメタンを濃縮することが可能となる。
【0013】
本発明においては、このような精製方法を用いて嫌気性消化発酵ガスの精製を行う精製システムも提供される。すなわち、本発明の第2の側面によれば、メタン、二酸化炭素、硫黄化合物および水蒸気を含む嫌気性消化発酵ガスをガスタービン用燃料として用いるために精製するシステムであって、上記硫黄化合物を除去する脱硫手段と、上記脱硫手段により硫黄化合物が除去された嫌気性消化発酵ガスを圧縮する圧縮手段と、上記圧縮手段により圧縮された嫌気性消化発酵ガスを冷却する冷却手段と、上記冷却手段により生じたドレン水をシステムの外部に排出するドレン排出手段と、を備え、嫌気性消化発酵ガスから所定レベル以下まで水蒸気を除去する脱湿手段として、圧力スイング吸着法により水蒸気を吸脱着する吸着剤が充填された吸着塔を含むことを特徴とする、嫌気性消化発酵ガスの精製システムが提供される。
【0014】
好ましくは、上記水蒸気を吸着する機能を有する吸着剤としては、アルミナを主成分として含んでいるものが用いられる。このような吸着剤は、加圧により水蒸気に対して優れた吸着機能を発揮し、減圧により比較的容易に吸着した水蒸気を脱着させるので、サイクル的に繰り返し使用することができる。なお、吸着剤としては、水蒸気の吸着に伴い二酸化炭素の吸着も行えるものが、メタンの濃縮を図る必要がある場合にはより好ましい。
【0015】
好ましくは、上記脱硫手段で用いられる吸着塔には、脱硫のための吸着剤に加え、シロキサンを吸着する機能を有する吸着剤がさらに充填されている。
【0016】
特に下水汚泥を嫌気性消化発酵させた場合、嫌気性消化発酵ガス中には不純物として、シャンプーやリンスなどの柔軟剤やカーワックスなどの撥水剤に由来するシロキサンが含まれている。シロキサンは、ケイ素化合物であり、燃焼により粒子状の二酸化ケイ素(SiO2)を生成するので、たとえばシロキサンを含む嫌気性消化発酵ガスをガスタービンに導入すると、タービン内部の磨耗や排熱回収ボイラの効率低下などを引き起こす。そこで、嫌気性消化発酵ガスを、シロキサンを吸着する機能を有する吸着剤が充填された吸着塔に導入し、通過させることにより、嫌気性消化発酵ガスからシロキサンの除去が行われる。これにより、タービン内部の磨耗や排熱回収ボイラの効率低下が抑制される。なお、シロキサンを吸着する機能を有する吸着剤としては、活性炭が好ましい。
【0017】
本発明の第2の側面における好適な実施形態によれば、精製システムは、上記水蒸気を吸脱着する吸着剤を上記圧力スイング吸着法により再生する際に吸着塔外に放出される減圧ガスを、上記脱硫手段により硫黄化合物が除去された嫌気性消化発酵ガスと混合して、上記圧縮手段に導入するためのリサイクル手段をさらに備えている。また、上記リサイクル手段は、上記減圧ガスの一部を系外に排出するための減圧ガス排出手段を有していてもよい。これらの構成による技術的意義については、本発明の第1の側面の好適な実施形態について述べたのと同様である。
【0018】
本発明においては、以上のような精製方法および精製システムにより精製を行った嫌気性消化発酵ガスをガスタービン用燃料として用いる発電システムも提供される。すなわち、本発明の第3の側面によれば、上記精製システムに加えて、ガスタービンをさらに備えることを特徴とする発電システムが提供される。
【0019】
このような発電システムによれば、ガスタービン、特にマイクロガスタービン(300kW未満の発電能力を有するガスタービン)は、たとえば燃料電池による発電設備に比べイニシャルコストの面で有利である。また、マイクロガスタービンはシステムが簡単であるため、工事やメンテナンスも容易に行えるとともに、容量が小さいため、中小規模でも経済性を確保しつつ利用できる。しかも、嫌気性消化発酵ガス中に含まれ、マイクロガスタービンに対して悪影響を与える可能性のある水蒸気や硫黄化合物、場合によってはシロキサンを上記精製システムおよび精製方法を用いて精製することにより取り除くことができるので、この精製された嫌気性消化発酵ガスを用いることは、たとえばガスタービンの腐食が抑制されるなど、ガスタービンに対し好適である。
【0020】
本発明の第1の側面についても説明したように、上記ガスタービンには、露点−40℃以下になるまで脱湿された嫌気性消化発酵ガスが上記精製システムから供給されるように構成されるのが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
本発明の第1の実施形態に係る嫌気性消化発酵ガスの精製システムXおよびその精製方法を図1ないし図3を参照して説明する。なお、この精製システムXに供給される原料ガスとして、下水汚泥を嫌気性消化発酵させることにより生成される嫌気性消化発酵ガスを用いた。この嫌機性消化発酵ガスは、メタンおよび二酸化炭素を主成分とし、不純物として、硫黄化合物、シロキサン、水蒸気などを含んでいる。
【0023】
精製システムXは、脱硫塔1と、マイクロガスタービン付帯装置2、PSA分離装置3と、リサイクルライン4とを有している。
【0024】
脱硫塔1は、原料ガス入口1aと、原料ガスから不純物の一部を除去した第1精製ガスを取り出す第1精製ガス出口1bとを有しており、その内部には硫黄化合物を除去する脱硫部11と、シロキサンを除去するシロキサン除去部12とを有している。なお、脱硫塔1は、1つに限らず複数塔を並列的に設けてもよい。
【0025】
脱硫塔1の原料ガス入口1aは、原料ガス供給用配管5aを介して原料ガス供給部6に繋げられている。また、脱硫塔1の第1精製ガス出口1bは、第1精製ガス供給用配管5b、後述する連結部41および共用配管5cを介してマイクロガスタービン付帯装置2に繋げられている。
【0026】
脱硫部11は、硫化水素、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンなどの硫黄化合物に対して吸着能力を有する吸着剤が充填されている。この吸着剤としては、たとえば酸化鉄を主成分とする脱硫剤が挙げられる。
【0027】
シロキサン除去部12は、シロキサンに対して吸着能力を有する吸着剤が脱硫部11として充填されている吸着剤に積層する形で充填されている。この吸着剤としては、たとえば活性炭などの多孔質吸着剤が挙げられる。なお、シロキサン除去部12にも硫黄化合物に対する高い吸着性能を持たせるために、たとえば活性炭にアルカリ剤を添着したものを吸着剤として用いてもよい。
【0028】
マイクロガスタービン付帯装置2は、圧縮機20と、ガスクーラー21とを有している。圧縮機20は、第1精製ガスと後述するリサイクルガスとの混合ガスを供給する混合ガス入口20aと、圧縮された混合ガスを取り出す圧縮混合ガス出口20bとを有している。ガスクーラー21は、圧縮混合ガス出口20b付近に設けられており、ドレン水を排出するためのドレン水排出口21aと、一部脱湿された圧縮混合ガスである第2精製ガスを取り出す第2精製ガス出口21bとを有している。ドレン水排出口21aは、ドレン水回収用配管5dを介してドレン水回収部7に繋げられている。
【0029】
PSA分離装置3は、吸着塔30,31を有している。吸着塔30,31は、それぞれ第2精製ガス入口30a,31aと、最終精製ガス出口30b,31bとを有しており、その内部には水蒸気に対して吸着能力を有する吸着剤が充填されている。水蒸気に対して吸着能力を有する吸着剤としては、アルミナを主成分とする吸着剤が挙げられる。なお、吸着剤としては、水蒸気の吸着に伴い二酸化炭素の吸着も行えるものが、より好ましい。また、吸着塔30,31は、2塔に限らず、1塔でも、3塔以上でもよい。
【0030】
第2精製ガス入口30aは、第2精製ガス供給用配管5f,5eを介して第2精製ガス出口21bに繋げられ、さらに減圧ガス用配管5lを介してリサイクルライン4に繋げられている。なお、第2精製ガス供給用配管5fおよび減圧ガス用配管5lには、それぞれ自動弁8a,8bが設けられている。なお、ここで減圧ガスとは、吸着が行われた吸着塔30,31内に充填された吸着剤を再生する際に塔外に排出される塔内残留ガスや吸着剤からの脱着ガスなどを含むガスである。
【0031】
第2精製ガス入口31aは、第2精製ガス供給用配管5g,5eを介して第2精製ガス出口21bに繋げられ、さらに減圧ガス用配管5mを介してリサイクルライン4に繋げられている。なお、第2精製ガス供給用配管5gおよび減圧ガス用配管5mには、それぞれ自動弁8c,8dが設けられている。
【0032】
最終精製ガス出口30bは、最終精製ガス用配管5hおよび最終精製ガス回収用配管5iを介して精製ガス回収部9に繋げられ、最終精製ガス出口31bは、最終精製ガス用配管5jおよび最終精製ガス回収用配管5iを介して精製ガス回収部9に繋げられている。また、最終精製ガス回収用配管5h,5jは、昇圧用配管5kにより互いに連結されている。なお、最終精製ガス用配管5h,5jおよび昇圧用配管5kには、それぞれ自動弁8e,8f,8gが設けられている。
【0033】
リサイクルライン4は、減圧ガス用共用配管5nと、リサイクルガス用配管5oとを有しており、減圧ガス用共用配管5nとリサイクルガス用配管5oとの間にはバッファタンク40が設けられている。また、減圧ガス用共用配管5nには、自動弁8hが設けられている。なお、ここでいうリサイクルガスとは、吸着塔30,31から放出された減圧ガスのうち、バッファタンク40で圧力変動が緩和されたガスである。
【0034】
リサイクルライン4は、減圧ガス用配管5l,5mから導入される減圧ガスが、減圧ガス用共用配管5nと、バッファタンク40と、リサイクルガス用配管5oとを介して第1精製ガス供給用配管5bと共用配管5cとの連結点41に繋げられている。なお、バッファタンク40は、吸着塔30,31から放出される減圧ガスの圧力が、排出開始時から排出終了時まで経時的に変化するため、この圧力変動幅を緩和する目的で設けられており、圧力変動幅が0〜0.5kPaの範囲内となるようにバッファタンク40の大きさが定められている。
【0035】
リサイクルライン4において、減圧ガス用共用配管5nには、さらに減圧ガス回収用配管5pが設けられている。これにより、リサイクルライン4は、この減圧ガス回収用配管5pを介して減圧ガス回収部10に繋げられている。減圧ガス回収用配管5pには、自動弁8iが設けられている。
【0036】
そして、各自動弁8a〜8iの開閉状態を適宜切り替えることにより、各配管5a〜5pでのガスの流れ状態が調整される。各吸着塔30,31においては、自動弁8a〜8gの切替状態に応じて、吸着剤への水蒸気の吸着を目的とする脱湿工程と、減圧ガスを排出し、吸着剤の再生を図ることを目的とする再生工程と、再生工程後の吸着塔30,31内の圧力を上げる昇圧工程とが繰り返し行われる。但し、再生工程の一部として、最終精製ガスをパージガスとして用いるパージ工程を追加してもよいし、さらに圧力スイング吸着法で一般的に用いられている均圧工程などを追加してもよい。
【0037】
本実施形態においては、以上のように構成された精製システムXを用いて、原料ガスから不純物を除去することにより、精製された嫌気性消化発酵ガスが得られる。この精製方法を、この精製システムXに供給される原料ガスとして、下水汚泥を嫌気性消化発酵させることにより生成される嫌気性消化発酵ガスを用い、マイクロガスタービンの発電用燃料ガスとして精製する場合を例にとって図1ないし図3を参照しつつ、具体的に説明する。
【0038】
原料ガス供給部6からの原料ガスは、たとえば約200mmH2Oの水柱圧力を有し、かつ原料ガス供給用配管5aおよび原料ガス入口1aを介して脱硫塔1に導入される。
【0039】
脱硫塔1内に供給された原料ガスは、脱硫部11で原料ガスに含まれる硫黄化合物が吸着除去される。これにより、たとえば原料ガス中に100ppm〜600ppmの濃度で存在する硫黄化合物、中でも特に硫化水素の濃度を1ppm以下にまで下げることができる。次いで、硫黄化合物の除去を行った原料ガスは、シロキサン除去部12に導入され、ここで原料ガスに含まれるシロキサンが吸着除去される。これにより、たとえば原料ガス中に100mg/m3程度の濃度で存在するシロキサンを5mg/m3以下にまで下げることができる。したがって、原料ガスは、脱硫塔1を通過することにより、原料ガスから硫黄化合物とシロキサンが除去された第1精製ガスとして、第1精製ガス出口1bから排出される。
【0040】
第1精製ガスは、たとえば約100mmH2Oの水柱圧力を有し、第1精製ガス供給用配管5bを介して、連結点41に導入される。連結点41では、第1精製ガスは、リサイクルガスと混合され混合ガスとなる。この混合ガスは、共用配管5cを介して圧縮機20に導入される。圧縮機20では、導入された混合ガスを圧縮することにより3〜10kPa、好ましくは4〜6kPaにまで昇圧する。
【0041】
次いで、圧縮機20により所定圧力まで圧縮された混合ガスを圧縮混合ガス出口20b付近に設けられたガスクーラー21により冷却する。これにより、飽和蒸気圧曲線に応じて、圧縮混合ガス中の水蒸気が一部液化され、ドレン水としてドレン水回収用配管5dを介してドレン水回収部7に回収されるとともに、一部脱湿された圧縮ガスは、第2精製ガスとして第2精製ガス出口21bから排出される。
【0042】
第2精製ガスは、第2精製ガス供給用配管5eを介してPSA分離装置3に供給される。PSA分離装置3における吸着塔30,31では、図2に示すようなタイミングで各工程(ステップ)が行われ、ステップ1〜4を1サイクルとして、このようなサイクルが繰り返し行われる。なお、図2には、各ステップにおける各弁8a〜8gの開閉状態を示し、図3(a)〜(d)には、各ステップに対応するPSA分離装置3のガスの流れ図を示した。
【0043】
ステップ1においては、図2に示したように吸着塔30では吸着工程、吸着塔31では再生工程が行われており、図3(a)に示したようなガス流れ状態とされている。
【0044】
図1および図3(a)に示したように、吸着塔30には、第2精製ガス供給用配管5e,5fおよび自動弁8aを介して第2精製ガスが導入される。吸着塔30では、吸着剤により水蒸気などが除去されて最終精製ガスが塔外に導出される。最終精製ガスは、自動弁8eおよび最終精製ガス用配管5hおよび最終精製ガス回収用配管5iを介して精製ガス回収部9に回収される。
【0045】
一方、吸着塔31は、自動弁8c,8f,8gが閉鎖され、自動弁8dが開放状態とされている。これにより、吸着塔31の内部では吸着剤に吸着されていた水蒸気などが脱着し、これが吸着塔31の塔内残留ガスとともに塔外に排出される。この減圧ガスは、減圧ガス用配管5mおよび自動弁8dを介してリサイクルライン4に導入される。
【0046】
ステップ2においては、図2に示したように吸着塔30では追加の吸着工程、吸着塔31では昇圧工程が行われており、図3(b)に示したようなガス流れ状態とされている。
【0047】
図1および図3(b)に示したように、ステップ2では、吸着塔30には、ステップ1と同様にして第2精製ガスが引き続き導入され、最終精製ガスが塔外に導出される。最終精製ガスは、ステップ1と同様にして回収されるが、その一部が最終精製ガス用配管5h、昇圧用配管5k、自動弁8g、最終精製ガス用配管5jを介して吸着塔31に導入され、吸着塔31の塔内の昇圧が行われる。なお、このステップ2は必須ではなく、再生工程を経た吸着塔31に直ちに第2精製ガスを供給して、昇圧の過程において吸着工程が開始するようにしてもよい。
【0048】
ステップ3,4においては、図2および図3(c),(d)に示したように、吸着塔30ではステップ1,2における吸着塔31と同様にして再生工程および昇圧工程が行われ、吸着塔31ではステップ1,2における吸着塔30と同様にして2つのステップ分連続して吸着工程が行われる。そして、以上に説明したステップ1〜4を各吸着塔30,31において繰り返し行うことにより、第2精製ガスから水蒸気が例えば露点−40℃以下まで除去され、原料ガスから不純物(硫黄化合物、シロキサン、水蒸気)が除去された最終精製ガスが連続的に得られる。ここで、吸着工程と再生工程の所要時間は、それぞれ1〜6分、好ましくは3〜4分であり、吸着圧力は、4〜6kPaの範囲で、脱着圧力は、0〜0.5kPaの範囲である。なお、吸着塔30,31における各工程は、上記したものに限られず、吸着塔数や必要に応じて定めればよい。
【0049】
PSA分離装置3より、減圧ガス用配管5lおよび自動弁8bを介して、あるいは減圧ガス用配管5mおよび自動弁8dを介して放出された減圧ガスは、リサイクルライン4に導入される。本実施形態において、自動弁8iは常に閉鎖状態にあり(他の実施形態で同様の精製システムを用いる際に使用される)、減圧ガスはすべて減圧ガス用配管5nおよび自動弁8hを介してバッファタンク40に導入される。
【0050】
バッファタンク40に一時的に蓄えられ、吸着塔30,31から排出される際に生じる圧力変動が緩和された減圧ガスは、リサイクルガスとしてリサイクルガス用配管5oを介して連結点41に導入され、ここで第1精製ガスと混合される。この混合されたガスは混合ガスとして圧縮機20に共用配管5cを介して供給される。なお、バッファタンク40内の圧力変動幅を0〜0.5kPaの範囲に抑えることにより、PSA分離装置3の脱湿性能に与える影響を抑制しつつ、減圧ガスの回収を行うことができる。
【0051】
本実施形態において、全ての減圧ガスをリサイクルするようにしたことにより、メタンおよび二酸化炭素は最終的にすべて最終精製ガス回収部9に回収される。また、ドライベースにおける原料ガス中のメタンと二酸化炭素の組成において、硫黄化合物やシロキサンの存在比はメタンや二酸化炭素に比べかなり小さいので、ドライベースにおける最終精製ガス中のメタンと二酸化炭素の組成比は、最終的にドライベースにおける原料ガス中のメタンと二酸化炭素の組成比とほぼ同じとなる。したがって、原料ガスがマイクロガスタービンを駆動させるのに十分な発熱量を有していれば、最終精製ガスにおいても十分な発熱量を有していることになるので、原料ガス中のメタンを無駄にすることなく、不純物が除去された嫌気性消化発酵ガスを発電用燃料ガスとして回収することが可能となる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態に係る嫌気性消化発酵ガスの精製システムXおよび精製方法を図1ないし図3を参照して説明する。
【0053】
本実施形態において、使用する精製システムおよび原料ガスは、先に説明した精製システムXおよび原料ガスと同一であるので、その説明は省略する。また、精製方法においても、減圧ガスを全量リサイクルするのではなく、一部をリサイクルし、残りを減圧ガス回収部10に回収するようにした以外は同様の操作が行われるため、同様の操作を行う部分の説明は省略する。なお、本実施形態においては、PSA分離装置3から排出される減圧ガスの内、排出初期から排出総量の40%をリサイクルライン4によりリサイクルし、残り60%を減圧ガス回収部10に回収する場合を例にとって説明を行う。
【0054】
PSA分離装置3より、減圧ガス用配管5lおよび自動弁8bを介して、あるいは減圧ガス用配管5mおよび自動弁8dを介して排出された減圧ガスは、リサイクルライン4に導入される。減圧初期において、自動弁8iは閉鎖状態にあり、減圧ガスは減圧ガス用配管5nおよび自動弁8hを介してバッファタンク40に導入される。減圧ガスを減圧初期から放出総量の40%リサイクルした後、残りの減圧ガスは、自動弁8hを閉鎖状態にするとともに自動弁8iを開放することにより、減圧ガス回収用配管5pおよび自動弁8iを介して減圧ガス回収部10に回収される。
【0055】
本実施形態において、減圧ガスのリサイクルされる割合は、上記した例示のものに限らず、必要に応じて任意に決定すればよい。なお、その決定を行うために、精製システムXの原料ガス供給部6および/または精製ガス回収部9にメタン濃度測定装置を設け、その結果に基づいて減圧ガスのリサイクル割合をコンピューターにより決定するようにしてもよい。さらに、事前に原料ガスの組成が分かっている場合には、濃度測定を行うことなく、その組成を予めコンピューターに入力しておき、そこでの計算に基づきリサイクル割合の決定およびそれに応じた自動弁8h,8iの制御を行うようにしてもよい。
【0056】
減圧ガスの組成は減圧初期から経時的に変化するが、減圧初期では吸着塔30,31内のメタン濃度の高い塔内残留ガスが減圧ガスとして放出され、減圧末期では吸着剤から脱着された水蒸気や二酸化炭素の濃度が高い脱着ガスが減圧ガスとして放出される。そのため、減圧初期におけるメタン濃度の高い減圧ガスをリサイクルし、水蒸気や二酸化炭素の濃度が高い減圧ガスを減圧ガス回収部10に回収することにより、ドライベースにおける最終精製ガス中のメタン濃度は、ドライベースにおける原料ガス中のメタン濃度に比べて高くなる。したがって、原料ガス中のメタン濃度が低く、そのままの濃度では、マイクロガスタービンを駆動できない場合でも、本実施形態における精製システムXおよび精製方法を用いることにより、最終精製ガスのメタン濃度をマイクロガスタービンが駆動可能な発熱量を有する程度まで高めることが可能となる。
【0057】
【実施例】
次に、本発明の有用性を実施例により説明する。
【0058】
【実施例1】
本実施例では、図1に示した精製システムXを用いて、PSA分離装置3から排出される減圧ガスを全量リサイクルする方法(本発明の第1の実施形態に係る方法)により、以下に示す条件下で原料ガスから不純物(硫黄化合物、シロキサンおよび水蒸気)の除去を行った。図4に示したように精製システム可動時における各ポイントI〜IIIでのガス組成を平均した結果を表1に示した。なお、DPは、露点を示す。
【0059】
脱硫部11に充填する吸着剤として酸化鉄を主成分とする脱硫剤、シロキサン除去部12に充填する吸着剤として活性炭を用いた。また、PSA分離装置3内の吸着塔30,31の内部には、それぞれアルミナが充填されている。原料ガスとしては、ドライベースで、メタン60%(容積基準)および二酸化炭素40%(容積基準)を含み、不純物として、さらに水分10.9%(容積基準)、硫黄化合物490ppm、シロキサン95mg/m3を含むものを使用した。この原料ガスは、ドライベースで56Nm3/hrで供給した。
【0060】
【表1】
【0061】
【実施例2】
本実施例では、図1に示した精製システムXを用いて、PSA分離装置3から放出される減圧ガスの一部をリサイクルし、一部を減圧ガス回収部10に回収する方法(本発明の第2の実施形態に係る方法)により、以下に示す条件下で原料ガスから不純物(硫黄化合物、シロキサンおよび水蒸気)を除去するとともに、メタンの濃縮を行った。図5に示したように精製システム可動時における各ポイントI〜VIでのガス組成を平均した結果を表2に示した。なお、DPは、露点を示す。
【0062】
脱硫部11およびシロキサン除去部12に充填する吸着剤は、実施例1と同様のものを用いた。また、PSA分離装置3内の吸着塔30,31の内部には、それぞれアルミナが充填されている。原料ガスとしては、ドライベースで、メタン30%(容積基準)および二酸化炭素70%(容積基準)を含み、不純物として、さらに水分4.0%(容積基準)、硫黄化合物95ppm、シロキサン80mg/m3を含むものを使用した。この原料ガスは、ドライベースで56Nm3/hrで供給した。
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明における嫌気性消化発酵ガスの精製システムXを用いた精製方法によれば、実施例1では、表1から明らかなように、不純物である硫黄化合物、シロキサンおよび水分の除去を行うとともに、減圧ガスを全量リサイクルすることにより、メタン濃度を維持したままメタンの回収が100%行える。したがって、原料としての嫌気性消化発酵ガス中のメタンを無駄にすることなく不純物を除去し、発電用燃料として嫌気性消化発酵ガスを回収することができる。また、実施例2では、表2から明らかなように、不純物である硫黄化合物、シロキサンおよび水分の除去を行うとともに、減圧ガスのうち、メタン濃度の高い部分をリサイクルし、水蒸気や二酸化炭素の濃度が高い部分を減圧ガス回収部10に回収したことにより、精製ガス回収部9に回収される発電用燃料としての嫌気性消化発酵ガスのメタン濃度を高めることができる。したがって、不純物の除去のみでは発電用燃料として発熱量が不十分な嫌気性消化発酵ガスを、マイクロガスタービンに対し発電用燃料として使用可能な程度(この場合メタン濃度50%以上)にまで発熱量を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る嫌気性消化発酵ガスの精製システムの概略図である。
【図2】上記精製システムのPSA分離装置における各工程(ステップ)のタイミングおよび各ステップにおける各弁の開閉状態を示す図である。
【図3】上記各ステップに対応するガスの流れ図である。
【図4】本発明の実施例1におけるガス組成を測定する各ポイントを示す概略図である。
【図5】本発明の実施例2におけるガス組成を測定する各ポイントを示す概略図である。
【符号の説明】
X 嫌気性消化発酵ガスの精製システム
1 脱硫塔(脱硫手段)
1a 原料ガス入口
1b 第1精製ガス出口
2 マイクロガスタービン付帯装置
3 PSA分離装置(脱湿手段)
4 リサイクルライン(リサイクル手段)
5a〜5p 配管
6 原料ガス供給部
7 ドレン水回収部
8a〜8i 自動弁
9 精製ガス回収部
10 減圧ガス回収部
11 脱硫部
12 シロキサン除去部
20 圧縮機(圧縮手段)
21 ガスクーラー(冷却手段)
30,31 吸着塔
40 バッファタンク
Claims (12)
- メタン、二酸化炭素、硫黄化合物および水蒸気を含む嫌気性消化発酵ガスをガスタービン用燃料として用いるために精製する方法であって、上記硫黄化合物の除去を行う脱硫ステップと、硫黄化合物が除去された嫌気性消化発酵ガスを圧縮した後に冷却して生じたドレン水を排出するステップと、を含んでおり、圧力スイング吸着法により水蒸気を吸脱着する吸着剤が充填された吸着塔に嫌気性消化発酵ガスを導入して、嫌気性消化発酵ガスから所定レベル以下まで水蒸気を除去する脱湿ステップをさらに含んでいることを特徴とする、嫌気性消化発酵ガスの精製方法。
- 上記脱湿ステップは、上記吸着塔に導入された嫌気性消化発酵ガスが露点−40℃以下になるまで脱湿を行う、請求項1に記載の嫌気性消化発酵ガスの精製方法。
- 上記吸着剤を再生する際に前記吸着塔外に放出される減圧ガスを、上記脱硫ステップにより硫黄化合物が除去された嫌気性消化発酵ガスと混合するリサイクルステップをさらに含む、請求項1または2に記載の嫌気性消化発酵ガスの精製方法。
- 上記リサイクルステップにおいて、上記減圧ガスの一部をリサイクルせずに系外に排出する、請求項3に記載の嫌気性消化発酵ガスの精製方法。
- メタン、二酸化炭素、硫黄化合物および水蒸気を含む嫌気性消化発酵ガスをガスタービン用燃料として用いるために精製するシステムであって、
上記硫黄化合物を除去する脱硫手段と、上記脱硫手段により硫黄化合物が除去された嫌気性消化発酵ガスを圧縮する圧縮手段と、上記圧縮手段により圧縮された嫌気性消化発酵ガスを冷却する冷却手段と、上記冷却手段により生じたドレン水をシステムの外部に排出するドレン排出手段と、を備え、嫌気性消化発酵ガスから所定レベル以下まで水蒸気を除去する脱湿手段として、圧力スイング吸着法により水蒸気を吸脱着する吸着剤が充填された吸着塔を含むことを特徴とする、嫌気性消化発酵ガスの精製システム。 - 上記吸着剤は、アルミナを主成分として含む、請求項5に記載の嫌気性消化発酵ガスの精製システム。
- 上記脱硫手段は、脱硫のための吸着剤に加え、シロキサンを吸着する吸着剤がさらに充填された吸着塔を含んでいる、請求項5または6に記載の嫌気性消化発酵ガスの精製システム。
- 上記シロキサンを吸着する吸着剤は、活性炭である、請求項7に記載の嫌気性消化発酵ガスの精製システム。
- 上記水蒸気を吸脱着する吸着剤を上記圧力スイング吸着法により再生する際に吸着塔外に放出される減圧ガスを、上記脱硫手段により硫黄化合物が除去された嫌気性消化発酵ガスと混合して、上記圧縮手段に導入するためのリサイクル手段をさらに備えている、請求項5ないし8のいずれかに記載の嫌気性消化発酵ガスの精製システム。
- 上記リサイクル手段は、上記減圧ガスの一部を系外に排出するための減圧ガス排出手段を有している、請求項5ないし9のいずれかに記載の嫌気性消化発酵ガスの精製システム。
- 請求項5ないし10のいずれかに記載の嫌気性消化発酵ガスの精製システムを用いて精製された嫌気性消化発酵ガスを燃料として発電を行うガスタービンをさらに備えていることを特徴とする、発電システム。
- 上記脱湿手段は、嫌気性消化発酵ガスが露点−40℃以下になるまで脱湿を行うように構成されている、請求項11に記載の発電システム。
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