JP2004067653A - 整髪用乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘアスタイルの高い整髪性とその保持力、及び再整髪性を有しながら、のびが良くバニッシュ性に優れ、且つべたつき感やぬるつき感などの好ましくない手触りを抑えた整髪用乳化化粧料を提供することにある。
【解決手段】(A)室温で固形の油分と、(B)室温で固形のノニオン性界面活性剤と、(C)25℃における粘度が50〜5000CStのメチルポリシロキサンと、(D)水を必須成分として含有することを特徴とする整髪用乳化化粧料とする。
【解決手段】(A)室温で固形の油分と、(B)室温で固形のノニオン性界面活性剤と、(C)25℃における粘度が50〜5000CStのメチルポリシロキサンと、(D)水を必須成分として含有することを特徴とする整髪用乳化化粧料とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は整髪用乳化化粧料に係り、その目的は高い整髪性を保持しながらバニッシュ性に優れ、且つべたつき感やぬるつき感などの好ましくない手触りを抑えた整髪用乳化化粧料を提供することにある。
尚、本発明において室温とは、1〜30℃(日本薬局方規定による)の範囲をいう。また、バニッシュ性とはワックスなどの整髪用乳化化粧料を皮膚に塗布して伸ばすとバニッシュ(Vanish)すなわち消失するようになじみ、白さが残らないことをいう。
【0002】
【従来の技術】
ヘアスタイルを整える目的で使用される整髪料として、ワックス状、ミルク状、クリーム状などの整髪料が知られている。
特に、油分を乳化してなる水中油型の乳化型毛髪用化粧料に類するヘアワックスには固形油分が多く含まれており、髪に動きをつけたり、立体感をつくるなど、高い整髪性と保持力、及び再整髪性を実現している。ヘアワックスの使用方法としては、適量を指にとり、それを掌で擦り合わせながら伸ばし、なじませたあと、目的とする頭髪部位に塗布し、目的とするヘアスタイルに形作る方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、配合された固形油分の融点と配合量によってはバニッシュ性が悪く、ヘアワックスを掌で伸ばす際に、掌が極端に白くなり、掌を擦り合わせてなじませようとしてもなじみにくく、白く残ることがあった。また、掌に白く残ったまま頭髪に塗布した場合は、頭髪が白くなり、のびが悪いため頭髪になじみにくく、何度も指や手を頭髪に通してなじませる必要があり、スタイリングのしやすさの面でも課題があった。これらは、炭化水素油やエステル油などの液状オイルを多量に配合することで、ある程度の改善が見られるが、液状オイルの高配合は、固形油分による整髪効果の低下だけでなく、べたつきの増加など好ましくない手触りを招く要因となる。
【0004】
本発明は上記した問題点を全て解決するためになされたものであって、高い整髪性を保持しながらのびが良くバニッシュ性に優れ、且つべたつき感やぬるつき感などの好ましくない手触りを抑えた整髪用乳化化粧料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明のうち請求項1に係る発明は、(A)室温で固形の油分と、(B)室温で固形のノニオン性界面活性剤と、(C)25℃における粘度が50〜5000CStのメチルポリシロキサンと、(D)水を必須成分として含有することを特徴とする整髪用乳化化粧料に関する。
請求項2に係る発明は、前記成分(A)がロウ類、炭化水素油類、高級脂肪酸類、及び高級アルコール類から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の整髪用乳化化粧料に関する。
請求項3に係る発明は、前記成分(B)がソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の整髪用乳化化粧料に関する。
請求項4に係る発明は、前記成分(A)と前記成分(B)の合計配合量が全量中10重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の整髪用乳化化粧料に関する。
請求項5に係る発明は、前記成分(C)の25℃における粘度が100〜1000CStであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の整髪用乳化化粧料に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る整髪用乳化化粧料について、詳細に説明する。
本発明に係る整髪用乳化化粧料は、必須成分として(A)室温で固形の油分と、(B)室温で固形のノニオン性界面活性剤と、(C)25℃における粘度が50〜5000CStのメチルポリシロキサンと、(D)水を含有することを特徴とする。
【0007】
本発明の構成要素である成分(A)としては、特に限定されないが、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、米ぬかロウ、ラノリン、鯨ロウ、セラック、綿ロウ、モクロウ、水添ホホバ油などのロウ類;オゾケライト、セレシン、パラフィンロウ、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素油類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸類;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、キミルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、セトステアリルアルコールなどの高級アルコール類が挙げられ、室温で固形のものが用いられる。これらのうち融点が90℃以下のものを用いるのが好ましい。融点が室温より低い場合は十分な整髪性が得られないばかりか、べたつき感などの好ましくない手触りが増す。
【0008】
成分(A)の配合量としては特に限定されないが、化粧料全量中6〜40重量%、より好ましくは8〜20重量%とする。6重量%より少ない場合、高い整髪性とスタイル保持力への付与効果が望めず、40重量%より多く配合すると乳化系がくずれるため好ましくない。また、これらの物質は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0009】
本発明の構成要素である成分(B)としては、特に限定されないが、例えば、モノステアリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリン、モノカプリル酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリンなどのグリセリン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類などが挙げられ、室温で固形のものが用いられる。これらのうち融点が90℃以下のものを用いるのが好ましい。融点が室温より低い場合は高い整髪性の付与が望めない。
【0010】
成分(B)の配合量としては特に限定されないが、化粧料全量中4〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%とする。4重量%より少ないと安定な乳化系が得られず、また充分な整髪性とその保持力の向上が見られないため好ましくなく、20重量%より多く配合するとべたつき感が出るため使用感が悪くなり好ましくない。また、これらの物質は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
尚、本発明に係る整髪用乳化化粧料は前記成分(A)と前記成分(B)の合計配合量が化粧料全量中10重量%以上であることが好ましい。より好ましくは10〜60重量%とする。その理由としては、該成分(A)と該成分(B)の合計配合量が10重量%より少ないと高い整髪性が望めず、その保持力、再整髪性にも劣るためである。
【0012】
本発明の構成要素である成分(C)としては、特に限定されないが、メチルポリシロキサンのうち粘度が25℃で50〜5000CSt、より好ましくは100〜1000CStのものを選択して用いる。粘度が25℃で50CStより低い場合は、固形油分による整髪効果の低下を招き、25℃で5000CStより高い場合は、バニッシュ性改善への寄与が見られない。
【0013】
成分(C)の配合量としては、化粧料全量中0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%とする。0.1重量%より少ない場合は、バニッシュ効果が低いので好ましくなく、10重量%より多い場合は、手触りが劣るので好ましくない。また、これらのメチルポリシロキサンは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
本発明の構成要素である成分(D)の水としては、特に限定されないが、蒸留水、イオン交換水などの精製水を使用することが好ましい。
成分(D)の配合量としては、化粧料全量中、20〜89重量%、より好ましくは30〜80重量%である。20重量%より少ないと乳化安定性に劣るために好ましくない。89重量%より多く配合すると整髪性に劣るために好ましくない。
【0015】
尚、本発明の組成物には、その安定性を損なわず、本発明の効果の発現が阻害されない範囲であれば、例えば、上記した以外の油性原料、多価アルコール、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、色素、防腐剤(パラベンやその誘導体)、キレート剤、抗菌剤、保湿剤、清涼剤、ビタミン類、増粘剤、植物抽出液、pH調整剤、界面活性剤、アミノ酸等の添加剤を所望により含有させても良い。
【0016】
本発明の組成物は、前記各構成成分を混合し、公知の方法、例えばホモミキサーを用いた転相乳化法により乳化することにより製造することができる。混合と乳化は別々に行っても同時に行っても良い。
【0017】
また、所望により本発明の組成物は、ヘアワックス、ヘアミルク、ヘアクリーム等の種々の剤型に適用することができる。中でも、高い整髪性とセット保持力、再整髪性を良好に発揮させる観点から、ヘアワックスとするのが好ましい。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき更に説明するが、本発明に係る整髪用乳化化粧料は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り、全て重量%である。
【0019】
(試料の調製)
表1に記した組成に従い、実施例1乃至5、及び比較例1乃至5の各ヘアワックスエマルジョンの試料をそれぞれ調製し、下記評価に供した。
尚、表1中のポリエチレンは商品名PERFORMALENE PL(ニューフェイズテクノロジーズ社製)を、カルナウバロウは商品名カルナバロウ 3号(日本ワックス社製)を、セチルアルコールは商品名CONOL 30−OC(新日本理化社製)を、ステアリン酸は商品名MCステアリン酸(川研ファインケミカル社製)を、親油性モノステアリン酸グリセリンは商品名エキセル84(花王社製)を、モノステアリン酸ソルビタンは商品名NIKKOL SS−10(日光ケミカルズ社製)を、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は商品名NIKKOL HCO−60(日光ケミカルズ社製)を、メチルポリシロキサン10CSt、100CSt、1000CSt、10000CStはそれぞれ商品名SH200C−10cs、SH200C−100cs、SH200C−1000cs、SH200C−10000cs(いずれも東レ・ダウコーニング社製)を、それぞれ用いた。
【0020】
【表1】
【0021】
(バニッシュ性の評価)
実施例1乃至5、及び比較例1乃至5の各試料を0.5gずつ掌で伸ばし、そのバニッシュ性{良い(2点)、やや悪い(1点)、悪い(0点)}について、専門パネラー5名で評価し、下記基準に従って結果を示した。結果を表2に示す。
○:5名の合計点が5点以上
△:5名の合計点が3〜4点
×:5名の合計点が0〜2点
【0022】
(整髪性の評価)
実施例1乃至5、及び比較例1乃至5の各試料を0.5gずつ、ウィッグに塗布し、頭髪の根元から立ち上げるようにスタイリングした。このときの毛先の立ち上がり程度{良い(2点)、やや良い(1点)、悪い(0点)}について、専門パネラー5名で評価し、下記基準に従って結果を示した。結果を表2に示す。○:5名の合計点が5点以上
△:5名の合計点が3〜4点
×:5名の合計点が0〜2点
【0023】
(べたつき感の評価)
実施例1乃至5、及び比較例1乃至5の各試料を0.1gずつ、長さ10cm、重さ1gの毛束に塗布し、よくなじませたあと、べたつき感{べたつかない(2点)、ややべたつく(1点)、べたつく(0点)}について、専門パネラー5名で評価し、下記基準に従って結果を示した。結果を表2に示す。
○:5名の合計点が5点以上
△:5名の合計点が3〜4点
×:5名の合計点が0〜2点
【0024】
【表2】
【0025】
表2の結果から、本発明に係る整髪用乳化化粧料は、高い整髪性を保持しながらバニッシュ性に優れ、且つべたつき感などの好ましくない手触りを抑えていることが分かる。
【0026】
以下、本発明に係る整髪用乳化化粧料の処方例を示す。尚、含有量は重量%である。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明は(A)室温で固形の油分と、(B)室温で固形のノニオン性界面活性剤と、(C)25℃における粘度が50〜5000CStのメチルポリシロキサンと、(D)水を必須成分として含有することを特徴とする整髪用乳化化粧料であるから、高い整髪性を保持しながらバニッシュ性に優れ、且つべたつき感やぬるつき感などの好ましくない手触りを抑えることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は整髪用乳化化粧料に係り、その目的は高い整髪性を保持しながらバニッシュ性に優れ、且つべたつき感やぬるつき感などの好ましくない手触りを抑えた整髪用乳化化粧料を提供することにある。
尚、本発明において室温とは、1〜30℃(日本薬局方規定による)の範囲をいう。また、バニッシュ性とはワックスなどの整髪用乳化化粧料を皮膚に塗布して伸ばすとバニッシュ(Vanish)すなわち消失するようになじみ、白さが残らないことをいう。
【0002】
【従来の技術】
ヘアスタイルを整える目的で使用される整髪料として、ワックス状、ミルク状、クリーム状などの整髪料が知られている。
特に、油分を乳化してなる水中油型の乳化型毛髪用化粧料に類するヘアワックスには固形油分が多く含まれており、髪に動きをつけたり、立体感をつくるなど、高い整髪性と保持力、及び再整髪性を実現している。ヘアワックスの使用方法としては、適量を指にとり、それを掌で擦り合わせながら伸ばし、なじませたあと、目的とする頭髪部位に塗布し、目的とするヘアスタイルに形作る方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、配合された固形油分の融点と配合量によってはバニッシュ性が悪く、ヘアワックスを掌で伸ばす際に、掌が極端に白くなり、掌を擦り合わせてなじませようとしてもなじみにくく、白く残ることがあった。また、掌に白く残ったまま頭髪に塗布した場合は、頭髪が白くなり、のびが悪いため頭髪になじみにくく、何度も指や手を頭髪に通してなじませる必要があり、スタイリングのしやすさの面でも課題があった。これらは、炭化水素油やエステル油などの液状オイルを多量に配合することで、ある程度の改善が見られるが、液状オイルの高配合は、固形油分による整髪効果の低下だけでなく、べたつきの増加など好ましくない手触りを招く要因となる。
【0004】
本発明は上記した問題点を全て解決するためになされたものであって、高い整髪性を保持しながらのびが良くバニッシュ性に優れ、且つべたつき感やぬるつき感などの好ましくない手触りを抑えた整髪用乳化化粧料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明のうち請求項1に係る発明は、(A)室温で固形の油分と、(B)室温で固形のノニオン性界面活性剤と、(C)25℃における粘度が50〜5000CStのメチルポリシロキサンと、(D)水を必須成分として含有することを特徴とする整髪用乳化化粧料に関する。
請求項2に係る発明は、前記成分(A)がロウ類、炭化水素油類、高級脂肪酸類、及び高級アルコール類から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の整髪用乳化化粧料に関する。
請求項3に係る発明は、前記成分(B)がソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の整髪用乳化化粧料に関する。
請求項4に係る発明は、前記成分(A)と前記成分(B)の合計配合量が全量中10重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の整髪用乳化化粧料に関する。
請求項5に係る発明は、前記成分(C)の25℃における粘度が100〜1000CStであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の整髪用乳化化粧料に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る整髪用乳化化粧料について、詳細に説明する。
本発明に係る整髪用乳化化粧料は、必須成分として(A)室温で固形の油分と、(B)室温で固形のノニオン性界面活性剤と、(C)25℃における粘度が50〜5000CStのメチルポリシロキサンと、(D)水を含有することを特徴とする。
【0007】
本発明の構成要素である成分(A)としては、特に限定されないが、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、米ぬかロウ、ラノリン、鯨ロウ、セラック、綿ロウ、モクロウ、水添ホホバ油などのロウ類;オゾケライト、セレシン、パラフィンロウ、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素油類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸類;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、キミルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、セトステアリルアルコールなどの高級アルコール類が挙げられ、室温で固形のものが用いられる。これらのうち融点が90℃以下のものを用いるのが好ましい。融点が室温より低い場合は十分な整髪性が得られないばかりか、べたつき感などの好ましくない手触りが増す。
【0008】
成分(A)の配合量としては特に限定されないが、化粧料全量中6〜40重量%、より好ましくは8〜20重量%とする。6重量%より少ない場合、高い整髪性とスタイル保持力への付与効果が望めず、40重量%より多く配合すると乳化系がくずれるため好ましくない。また、これらの物質は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0009】
本発明の構成要素である成分(B)としては、特に限定されないが、例えば、モノステアリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリン、モノカプリル酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリンなどのグリセリン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類などが挙げられ、室温で固形のものが用いられる。これらのうち融点が90℃以下のものを用いるのが好ましい。融点が室温より低い場合は高い整髪性の付与が望めない。
【0010】
成分(B)の配合量としては特に限定されないが、化粧料全量中4〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%とする。4重量%より少ないと安定な乳化系が得られず、また充分な整髪性とその保持力の向上が見られないため好ましくなく、20重量%より多く配合するとべたつき感が出るため使用感が悪くなり好ましくない。また、これらの物質は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
尚、本発明に係る整髪用乳化化粧料は前記成分(A)と前記成分(B)の合計配合量が化粧料全量中10重量%以上であることが好ましい。より好ましくは10〜60重量%とする。その理由としては、該成分(A)と該成分(B)の合計配合量が10重量%より少ないと高い整髪性が望めず、その保持力、再整髪性にも劣るためである。
【0012】
本発明の構成要素である成分(C)としては、特に限定されないが、メチルポリシロキサンのうち粘度が25℃で50〜5000CSt、より好ましくは100〜1000CStのものを選択して用いる。粘度が25℃で50CStより低い場合は、固形油分による整髪効果の低下を招き、25℃で5000CStより高い場合は、バニッシュ性改善への寄与が見られない。
【0013】
成分(C)の配合量としては、化粧料全量中0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%とする。0.1重量%より少ない場合は、バニッシュ効果が低いので好ましくなく、10重量%より多い場合は、手触りが劣るので好ましくない。また、これらのメチルポリシロキサンは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
本発明の構成要素である成分(D)の水としては、特に限定されないが、蒸留水、イオン交換水などの精製水を使用することが好ましい。
成分(D)の配合量としては、化粧料全量中、20〜89重量%、より好ましくは30〜80重量%である。20重量%より少ないと乳化安定性に劣るために好ましくない。89重量%より多く配合すると整髪性に劣るために好ましくない。
【0015】
尚、本発明の組成物には、その安定性を損なわず、本発明の効果の発現が阻害されない範囲であれば、例えば、上記した以外の油性原料、多価アルコール、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、色素、防腐剤(パラベンやその誘導体)、キレート剤、抗菌剤、保湿剤、清涼剤、ビタミン類、増粘剤、植物抽出液、pH調整剤、界面活性剤、アミノ酸等の添加剤を所望により含有させても良い。
【0016】
本発明の組成物は、前記各構成成分を混合し、公知の方法、例えばホモミキサーを用いた転相乳化法により乳化することにより製造することができる。混合と乳化は別々に行っても同時に行っても良い。
【0017】
また、所望により本発明の組成物は、ヘアワックス、ヘアミルク、ヘアクリーム等の種々の剤型に適用することができる。中でも、高い整髪性とセット保持力、再整髪性を良好に発揮させる観点から、ヘアワックスとするのが好ましい。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき更に説明するが、本発明に係る整髪用乳化化粧料は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り、全て重量%である。
【0019】
(試料の調製)
表1に記した組成に従い、実施例1乃至5、及び比較例1乃至5の各ヘアワックスエマルジョンの試料をそれぞれ調製し、下記評価に供した。
尚、表1中のポリエチレンは商品名PERFORMALENE PL(ニューフェイズテクノロジーズ社製)を、カルナウバロウは商品名カルナバロウ 3号(日本ワックス社製)を、セチルアルコールは商品名CONOL 30−OC(新日本理化社製)を、ステアリン酸は商品名MCステアリン酸(川研ファインケミカル社製)を、親油性モノステアリン酸グリセリンは商品名エキセル84(花王社製)を、モノステアリン酸ソルビタンは商品名NIKKOL SS−10(日光ケミカルズ社製)を、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は商品名NIKKOL HCO−60(日光ケミカルズ社製)を、メチルポリシロキサン10CSt、100CSt、1000CSt、10000CStはそれぞれ商品名SH200C−10cs、SH200C−100cs、SH200C−1000cs、SH200C−10000cs(いずれも東レ・ダウコーニング社製)を、それぞれ用いた。
【0020】
【表1】
【0021】
(バニッシュ性の評価)
実施例1乃至5、及び比較例1乃至5の各試料を0.5gずつ掌で伸ばし、そのバニッシュ性{良い(2点)、やや悪い(1点)、悪い(0点)}について、専門パネラー5名で評価し、下記基準に従って結果を示した。結果を表2に示す。
○:5名の合計点が5点以上
△:5名の合計点が3〜4点
×:5名の合計点が0〜2点
【0022】
(整髪性の評価)
実施例1乃至5、及び比較例1乃至5の各試料を0.5gずつ、ウィッグに塗布し、頭髪の根元から立ち上げるようにスタイリングした。このときの毛先の立ち上がり程度{良い(2点)、やや良い(1点)、悪い(0点)}について、専門パネラー5名で評価し、下記基準に従って結果を示した。結果を表2に示す。○:5名の合計点が5点以上
△:5名の合計点が3〜4点
×:5名の合計点が0〜2点
【0023】
(べたつき感の評価)
実施例1乃至5、及び比較例1乃至5の各試料を0.1gずつ、長さ10cm、重さ1gの毛束に塗布し、よくなじませたあと、べたつき感{べたつかない(2点)、ややべたつく(1点)、べたつく(0点)}について、専門パネラー5名で評価し、下記基準に従って結果を示した。結果を表2に示す。
○:5名の合計点が5点以上
△:5名の合計点が3〜4点
×:5名の合計点が0〜2点
【0024】
【表2】
【0025】
表2の結果から、本発明に係る整髪用乳化化粧料は、高い整髪性を保持しながらバニッシュ性に優れ、且つべたつき感などの好ましくない手触りを抑えていることが分かる。
【0026】
以下、本発明に係る整髪用乳化化粧料の処方例を示す。尚、含有量は重量%である。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明は(A)室温で固形の油分と、(B)室温で固形のノニオン性界面活性剤と、(C)25℃における粘度が50〜5000CStのメチルポリシロキサンと、(D)水を必須成分として含有することを特徴とする整髪用乳化化粧料であるから、高い整髪性を保持しながらバニッシュ性に優れ、且つべたつき感やぬるつき感などの好ましくない手触りを抑えることができる。
Claims (5)
- (A)室温で固形の油分と、(B)室温で固形のノニオン性界面活性剤と、(C)25℃における粘度が50〜5000CStのメチルポリシロキサンと、(D)水を必須成分として含有することを特徴とする整髪用乳化化粧料。
- 前記成分(A)がロウ類、炭化水素油類、高級脂肪酸類、及び高級アルコール類から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の整髪用乳化化粧料。
- 前記成分(B)がソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の整髪用乳化化粧料。
- 前記成分(A)と前記成分(B)の合計配合量が全量中10重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の整髪用乳化化粧料。
- 前記成分(C)の25℃における粘度が100〜1000CStであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の整髪用乳化化粧料。
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