JP2004067175A - キャップ及び容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】外蓋と内蓋とが組み合わされたタンパープルーフ機能を有するキャップにおいて、外蓋本体にタンパープルーフエビデンスバンドを取り付けているブリッジ部が、外蓋と内蓋との組み合わせ時、及び打栓工程時に容易に破断されることのない構造を備えたキャップを提供する。
【解決手段】円筒形の口部5を有するボトルBに使用され、ボトルの口部に挿嵌される内蓋3とその内蓋を覆う形状を備えた外蓋2とが組み合わされたタンパープルーフ型のキャップCにおいて、内蓋には外周面に雄ねじ形状31と外方に突出する内蓋係止部32とを備え、外蓋には雄ねじ形状と螺合するように形成した外蓋本体25と、外蓋本体に複数のブリッジ部40を介して取り付けられたタンパープルーフエビデンスバンド26bとを備え、タンパープルーフエビデンスバンドの内周面には、開封時に内蓋係止部に位置的干渉が生じるように形成された外蓋係止部27を設け、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路より長い経路に沿って形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】円筒形の口部5を有するボトルBに使用され、ボトルの口部に挿嵌される内蓋3とその内蓋を覆う形状を備えた外蓋2とが組み合わされたタンパープルーフ型のキャップCにおいて、内蓋には外周面に雄ねじ形状31と外方に突出する内蓋係止部32とを備え、外蓋には雄ねじ形状と螺合するように形成した外蓋本体25と、外蓋本体に複数のブリッジ部40を介して取り付けられたタンパープルーフエビデンスバンド26bとを備え、タンパープルーフエビデンスバンドの内周面には、開封時に内蓋係止部に位置的干渉が生じるように形成された外蓋係止部27を設け、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路より長い経路に沿って形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるタンパープルーフ型の容器キャップ及びそのキャップを備えた容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から店頭に陳列されて販売されることの多い食品、飲料、医薬品などのボトル容器には、異物混入行為を未然に防止すべく、開栓するとその行為が分かるように構成されたキャップが採用されている。特に、過剰包装を排して内容物の密封機能とタンパープルーフ機能とを確保する観点から、外蓋と内蓋とを組み合わせたねじ構造のタンパープルーフキャップが多く使用されるようになってきている。このような外蓋と内蓋とを組み合わせたねじ構造のタンパープルーフキャップにおいて、外蓋は外蓋本体と外蓋本体下方にブリッジ部を介してタンパープルーフエビデンスバンドとを有している。開封前においては、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとは、ブリッジ部に連結されて一体となっているが、キャップを反時計回り方向に回転させることによって、両者の間隔が次第に離間され、ついには前記ブリッジ部が破断されて、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの連結が解かれ、タンパープルーフ性が解除される。
【0003】
これら外蓋と内蓋とは別個に作製され、螺合されて一体化された後に、いわゆる「打栓」工程によりボトルに取り付けられるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを連結して一体化しているブリッジ部は、外蓋と内蓋とを組み合わせる際に破断されやすいという問題があった。また、これらの蓋を組み合わせたキャップをボトル口部へ取り付けるいわゆる打栓工程の際にもブリッジ部が破断されることがあるという問題もあった。ブリッジ部が破断されるとタンパープルーフ性が解除されるので、実質的にその容器を使用した商品の価値が失われてしまうことになる。
【0005】
そこで、本発明は、外蓋と内蓋とが組み合わされたタンパープルーフ機能を有するキャップにおいて、外蓋本体にタンパープルーフエビデンスバンドを取り付けているブリッジ部が、外蓋と内蓋との組み合わせ時、及び打栓工程時に容易に破断されることのない構造を備えたキャップを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明の第1の態様は、円筒形の口部(5)を有するボトル(B)に使用され、ボトルの口部に挿嵌される内蓋(3)とその内蓋を覆う形状を備えた外蓋(2)とが組み合わされたタンパープルーフ型のキャップ(C)であって、内蓋はその外周面に雄ねじ形状(31)と、外方に突出する内蓋係止部(32)とを備え、外蓋は雄ねじ形状と螺合するように形成された外蓋本体(25)と、外蓋本体に複数のブリッジ部(40)を介して取り付けられたタンパープルーフエビデンスバンド(26b)とを備え、タンパープルーフエビデンスバンドの内周面には、開封時に内蓋係止部に位置的干渉が生じるように形成された外蓋係止部(27)が設けられ、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路より長い経路に沿って形成されていることを特徴とするキャップにより前記課題を解決する。
【0008】
この発明の第一の態様によれば、複数のブリッジ部の少なくとも一部は、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを、両者間の最短の経路ではなく、それより長い経路に沿って連結している。ブリッジ部が外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の最短経路上に形成されている場合、例えば、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の距離を引き離す方向の衝撃、押し縮める方向の衝撃、あるいは両者を前記軸線の周りに互いに反対方向に剪断する衝撃が加えられた場合、その衝撃を吸収する余地が殆どないので、ブリッジ部は破断されやすくなる。これは需要者が容器を開封するという観点からは好都合である反面、製造工程においては外蓋を内蓋へと組み合わせる際(以下において「組み合わせ工程」という。)や、組み合わせた外蓋、内蓋をボトルに打栓する際(以下において「打栓工程」という。)に破断しやすいことへもつながり、その容器を使用した商品が店頭に陳列される以前にタンパープルーフ性を失い、商品価値をゼロにしてしまうことにもつながりかねない。
【0009】
これに対して本実施態様の様に、ブリッジ部が外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の最短経路より長い経路に沿って形成されている場合には、長さに余裕のあるブリッジ部が、これらの衝撃による応力を分散吸収する作用を奏する。すなわち外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間に衝撃を吸収する機能が付与されて、予期せぬブリッジ部の破断が未然に防止されるので、組み合わせ工程や、打栓工程などの製造工程や流通段階においてタンパープルーフ機能を備えた商品の商品価値を保つことができる。
【0010】
上記態様において、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部は、外蓋本体(25)とタンパープルーフエビデンスバンド(26b)とを結ぶ最短経路に対して傾斜をもって形成されているように構成してもよい。
【0011】
このように構成した場合、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部が破断されにくいという利点がある。
【0012】
また、上記態様において、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部は、外蓋(2)と内蓋(3)との組み合わせ時における外蓋の回転方向に傾けて設けてもよい。ここに「組み合わせ時の回転方向の傾き」とは、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の最短経路を結ぶ2点間に、例えば弾性伸縮部材を張り渡し、タンパープルーフエビデンスバンドを固定しつつ外蓋本体を組み立て時に行う回転方向に回転させた場合に、上記弾性伸縮部材が斜め方向に伸長されて前記最短経路に対してなす傾きをいう。
【0013】
このように構成した場合、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部が破断されにくい。また、組み合わせ工程においては、ブリッジ部には伸びる方向の応力がかかるが、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路にブリッジ部を配設した場合に比較して、ブリッジ部が長く形成されている分伸びに対する余裕があり、破断されにくい。
【0014】
上記態様において、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部は、開封時の外蓋本体回転方向に傾けて設けられているように構成することもできる。
【0015】
このように構成した場合にも、組み合わせ工程や打栓工程においてブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部の破断がされにくい。特に組み合わせ工程においては、ブリッジ部は縮む方向の力を受けることになるので、破断されにくい。
【0016】
更に、上記態様において、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部は、外蓋本体の内周側からタンパープルーフエビデンスバンド(26b)の外周側の方向に傾けて設けることもできる。
【0017】
また、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部を外蓋本体の外周側からタンパープルーフエビデンスバンド(26b)の内周側の方向に傾けて設けてもよい。
【0018】
これらのように構成した場合にも、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部が破断されにくい。特に打栓工程において加わる衝撃に対して、応力が径方向及び上下方向のみに分散されて周方向に分散されることが無いので緩衝能力が高く、ブリッジ部の破断がより発生しにくい。
【0019】
更に上記の諸態様において、各ブリッジ部(40)の少なくとも一部分を湾曲する形状に形成してもよい。
【0020】
このように構成すると、個々のブリッジ部に形成された湾曲部も衝撃を吸収することができるので、上記諸態様の構成による衝撃吸収効果と相俟って、更に衝撃を和らげてブリッジ部の破断を未然に防止することができる。
【0021】
また、上記の諸態様において、ブリッジ部(40)を挟んで、外蓋本体(25)とタンパープルーフエビデンスバンド(26b)とが互いに対向する部分には、タンパープルーフエビデンスバンドの周方向接線に対して、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路の方向に傾斜する斜行部(22a)を設け、ブリッジ部が外蓋本体に取り付けられている部分を、ブリッジ部がタンパープルーフエビデンスバンドに取り付けられている部分より細く形成してもよい。
【0022】
このように構成した場合に、ブリッジ部はより細く形成された外蓋本体側で破断されるので、需要者による開封時の操作をより円滑なものとすることができる。
【0023】
本発明の第二の態様では、上記諸態様のキャップのうち、いずれか一のキャップと、ボトル(B)とを備えた容器(1)である。
【0024】
この態様によれば、上記諸態様の効果を備えたキャップを容器に適用することができる。
【0025】
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、ボトルの口部に取り付けられたキャップを示し、中心線をはさんで左側は正面図、右側は直径を通る平面による垂直断面図である。図1に示されるように、本発明の実施形態にかかる容器1は、ボトルBと、ボトルBの口部5に挿嵌されている内蓋3と、内蓋3を覆い内蓋3と螺合する外蓋2と、を備えている。
【0027】
内蓋3には、周状に垂下する2つのスカート部35、及び36を備えており、スカート部35、36により形成される円筒状の隙間にボトルBの口部5の上端部が挿嵌されている。内蓋3は、円板状の隔壁部38を備えている。隔壁部38は、指掛けリング(不図示)により隔壁38の除去部(不図示)を取り去ることができるように構成されている。除去部を取り去ると、ボトル1の内容物を注ぎ出す注出孔が開口される。内蓋3の外周面には雄ねじ形状31が形成されている。
【0028】
一方、外蓋2は、円板状の天板23と天板23の外周から垂下するつまみ部24と、つまみ部24の下部に配設されるスカート部26とを備えている。つまみ部24の内周面には上記雄ねじ形状31に螺合可能なように雌ねじ形状21が形成されている。またスカート部26の上下方向略中央には、水平方向周状にスリット部22が形成されている。このスリット部22によりスカート部26は、上部スカート部26aと下部スカート部26bとに分断されている。上部スカート部26aと、下部スカート部26bとは、容器1が開封されていない状態においては、図1のA部拡大図に示されているブリッジ部40により連結されている。ブリッジ部40は、スリット部22の周上に、所定数設けられている(本実施形態においては4つ)。内蓋3のスリット部22に対応する位置には、断面形状が外周方向に凸状に形成されたストッパリング32が形成されている。一方、下部スカート部26bの上部、すなわちスリット部22の直下には、前記ストッパリング32に対応するように係止リング27が形成されている。係止リング27は、下部スカート部26bの内周面に更に内周向に凸状に形成されている。
【0029】
次にスリット部22の詳細について、図1のA部拡大図を参照しつつ説明する。図からも明らかなように、スリット部22は、上部スカート部26aと下部スカート部26bとが形成する隙間であり、この部分には上部スカート部26aと下部スカート部26bとを連結するブリッジ部40が設けられている。また、上部スカート部26aがスリット部22に面する下面側には緩衝突起41が設けられている。緩衝突起41の下端と下部スカート部26bの上端との間には、僅かに隙間が設けられている。スリット部22には、水平方向に対して角度を有する斜行部22aが設けられている。
【0030】
容器1の内部の液体等を注出しようとするときには、まずつまみ部24を反時計回りにまわす。そうすると外蓋本体25はねじの螺合形状に沿って上方へと位置を変えようとする。一方外蓋本体25にブリッジ部40を介して連結されている下部スカート部26bは、内蓋3の外周部に形成されたストッパリング32、及び外蓋2の内周部に形成された係止リング27の協働により上方への移動が規制されている。そこでつまみ部24をさらに反時計回り方向に回し続けると、外蓋本体25の下端部と、下部スカート部26bの上端部との間隔が次第に大きくなる。加えて、斜行部22aにおいては、下部スカート部26bの斜行面上に上部スカート部26aの斜行面が乗り上げる。これにより外蓋本体25の下端部と、下部スカート部26bの上端部との間隔がさらに大きくなり、ついにはブリッジ部40が破断されて、一体に連結されていた外蓋本体25と下部スカート部26bとは切り離され、開封が実現される。すなわち下部スカート部26bは、タンパープルーフエビデンスバンドとして機能し、ブリッジ部40の破断なきことが異物混入のないことを証明するものである。このようにして、開封が行われた後、さらにつまみ部24を反時計回り方向に回し続けることにより、外蓋2と内蓋3との螺合を解いて、外蓋2を内蓋3から離脱させることができる。内蓋3を覆っていた外蓋2を取り去ると、内蓋3の指かけリングが露出して、需要者は指かけリングを手がかりとして隔壁38に形成されている除去部を引き抜いて、注出孔を開口して容器内容物を注ぎ出すことができるようになる。
【0031】
なお、スリット部22に設けられている緩衝突起41は、外蓋本体25に下向きの衝撃が与えられたときに、下端部が下部スカート部26bの上面に押し当てられることによって、この衝撃を吸収して、ブリッジ部40が破断されるのを防止する働きを有するものである。
【0032】
飲料容器として使用される場合、一般的には、外蓋2はポリプロピレン(PP)、内蓋3はポリエチレン(PE)を材料として射出成型等の公知の方法にて形成することができる。また、ボトルBはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルを材料として、ブロー成型により形成することができる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
図2は、ブリッジ部40の第1実施形態、及び第2実施形態を模式的に示す斜視図である。ここではブリッジ部40は、スカート部26の外周面に沿って、傾きを持って形成されている。
【0034】
図2(a)は、ブリッジ部の第1実施形態を示す。第1実施形態のブリッジ部40aは、外蓋2と内蓋3との組み合わせ工程での外蓋本体25の回転方向に傾けて設けられている。ここでの「組み合わせ工程での外蓋本体25の回転方向の傾き」は、図に示す方向、すなわち外蓋本体25とタンパープルーフエビデンスバンド26bとの間の最短経路上に例えば弾性伸縮部材を張り渡して、外蓋本体25に組み合わせ工程時の回転を与えた場合に、該弾性伸縮部材が示す方向の傾きである。ブリッジ部40aがこのような傾きを持って形成されると、内蓋3と外蓋2との組み合わせ工程や打栓工程において、ブリッジ部40aが衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部の破断がされにくい。このような傾きの方向にブリッジ部を形成した場合、外蓋2を内蓋3に組み合わせるとき、すなわち内蓋3と外蓋2との組み合わせ工程において、ブリッジ部40aは上下の外蓋本体25及びタンパープルーフエビデンスバンド26bとにより長さ方向斜めに引張力を受ける。この場合、ブリッジ部が外蓋本体25とタンパープルーフエビデンスバンド26bとの最短経路上に形成されている場合に比較して、ブリッジ部40aの長さが長いので、材料の弾性変形あるいは塑性変形により延びる余地が大きく、ブリッジ部40aが破断されにくい。
【0035】
一方、図2(b)は、ブリッジ部の第2実施形態を示す。第2実施形態のブリッジ部40bは、組み合わせ時の外蓋本体回転方向とは逆の方向、すなわち開封時の回転方向に傾けて設けられている。ブリッジ部40bがこのような傾きを持って形成されても、組み合わせ工程や打栓工程において、ブリッジ部40bが衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部40bの破断がされにくい。特に組み合わせ工程において、ブリッジ部40bは縮む方向の力を受けることになるので、一層破断されにくい。
【0036】
図3は、ブリッジ部40の第3実施形態、及び第4実施形態を模式的に示す斜視図である。ここにおいてブリッジ部40は、スカート部26の径方向に、傾きを持って形成されている。
【0037】
図3(a)は、ブリッジ部の第3実施形態を示す。第3実施形態のブリッジ部40cは、外蓋本体25の内周側からタンパープルーフエビデンスバンド26bの外周側の方向に傾けて設けられている。このように構成しても、外蓋2と内蓋3との組み合わせ工程、及びボトルBへの打栓工程時にかかる衝撃応力を吸収して、予期せぬ破断を防ぐことができる。なお、このように構成した場合には、本実施形態にかかる容器1が搬送に付される場合に受ける径方向の衝撃応力を吸収して、破断を防ぐという利点もある。
【0038】
図3(b)は、ブリッジ部の第4実施形態を示す。第4実施形態のブリッジ部40dは、外蓋本体25の外周側からタンパープルーフエビデンスバンド26bの内周側の方向に傾けて設けられている。このように構成しても、組み合わせ工程、及びボトルへの打栓工程時にかかる衝撃応力を吸収して、予期せぬ破断を防ぐことができる。特に本実施形態のように構成した場合には、打栓工程において破断防止効果が高い。加えて、このように構成した場合には、キャップの製造工程や充填工程で、キャップ搬送のライン特性が良いという利点がある。すなわち、シュートにおいてぶつかり合うとき、本態様のブリッジが緩衝作用を示し破断しにくいので流れ性がよく、また本態様のブリッジが従来のものと全体の径に変化が無いので、ライン改造の必要性が少ない。
【0039】
図4は、ブリッジ部の他の実施形態を模式的に示す図である。ここでは上部スカート部26a、及び下部スカート部(タンパープルーフエビデンスバンド)26bに挟まれたスリット部22と、スリット部22にあって上下の上部スカート部26a及び、下部スカート部26bを連結するブリッジ部40のみが示されている。
【0040】
図4(a)は、円弧状に形成された第5実施形態のブリッジ部40eを示している。本実施形態においては、各ブリッジ部を形成する円弧は同一方向に凸に配列されているが、本発明においては必ずしもこのように配列する必要はなく、例えば、図4(b)の第6実施形態のブリッジ部40fに示すように、ひとつおきに凸となる向きを入れ替えて配置しても良い。これらのように構成することにより、円弧形状のブリッジ部40e、40fが上下方向の衝撃応力に対する緩衝材と作用し、特に打栓時の衝撃応力による破断を防止するのに有効である。
【0041】
図4(c)は、直線状のブリッジ部が、開封方向の向きと組み合わせ方向の向きとに、ひとつおきに傾けられて配置されている第7実施形態のブリッジ部40gを示している。本実施形態のブリッジ部40gは、いわば第1実施形態のブリッジ部40aと第2実施形態のブリッジ部40bとを組み合わせたものであり、両者の効果を併せ持つものである。すなわち、組み合わせ工程及び打栓工程いずれにおいても効果的に破断を防止することができる。
【0042】
図4(d)は、一部に円弧形状が設けられた第8実施形態のブリッジ部40hを示している。この第8実施形態のブリッジ部40hのように構成しても、上下方向の衝撃応力を有効に吸収することができる。
【0043】
図4(e)は、上部スカート部26a(外蓋本体25)への取り付け部分が、下部スカート部(タンパープルーフエビデンスバンド)26bへの取り付け部分より細く形成されたブリッジ部40iを示している。このようにブリッジ部を構成した場合、開封時にはブリッジ部40iの破断は上部スカート部26a側でおきるので、開封時の操作がより円滑に行われる。仮に、下部スカート部26b側で破断された場合、ブリッジ部は上部スカート部26a側に付いて残ることになり、上部スカート部26aがさらに反時計回りの回転をすると、ブリッジ部が斜行部22a(図1のA部拡大図参照)に乗り上げる形となり、開封時の操作に抵抗を生じるからである。加えて、ブリッジ部が上部スカート部26a側に付いて残ると外蓋2をボトルBから抜き去ったときに、ブリッジ部が外蓋2の下部端面に突起となって存在することになり、意匠性や需要者の手触り等の観点からも好ましくないからである。
【0044】
図5は、ブリッジ部のさらに他の実施形態を模式的に示す図である。ここでは上部スカート部26a、及び下部スカート部(タンパープルーフエビデンスバンド)26bに挟まれたスリット部22と、スリット部22にあって上下の上部スカート部26aと、下部スカート部26bとを連結するブリッジ部40を、スカート部26の周上の一点を垂直に切断した場合の断面図で示している。図5における各図の左側が外周側、右側が内周側を表している。
【0045】
図5(a)は、円弧状に形成された第9実施形態のブリッジ部40jを示している。本実施形態においては、各ブリッジ部を形成する円弧は全て外周方向に凸に配列されていることを想定しているが、本発明においては必ずしもこのように配列する必要はなく、例えば、図5(b)に示される第10実施形態のブリッジ部40kに示すように、内周向きに凸に形成してもよく、またこれらを組み合わせて、一部を外周向きに、他に一部を内周向きに形成してもよい。
【0046】
図5(c)は、ジグザグ状に形成された第11実施形態のブリッジ部40mを表している。これら第9〜第11実施形態のブリッジ部40j〜40mは、その形状からも明らかなように上下方向衝撃応力に対する緩衝材と作用して、特に打栓時の衝撃応力による破断を防止するのに有効である。
【0047】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うキャップ及び容器もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。以下に示す変形例は、当然に本願発明の技術的範囲に包含されるものである。
(変形例)
1.本発明において、全てのブリッジ部40を最短経路より長い経路に沿って形成する必要はない。一部を最短経路より長い経路に沿って形成し、他を最短経路に沿って形成してもよい。またこれらの比率を所定の割合に設定して、開封時の破断しやすさと、開封時以前の破断しにくさとのバランスを調整することもできる。
2.第3及び第4実施形態において、ブリッジ部は全て内周側から外周側向き、又は外周側から内周側向きとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一部を内周側向き、他の一部を外周側向きに構成してもよい。このようにすることにより径方向の衝撃応力と上下方向の衝撃応力に対し同時にクッション的な作用を働かせることができる。
3.上記各実施形態において、外蓋本体と下部スカート部とを結ぶ最短経路に対する傾斜として、スカート部26の筒形状の円周接線方向に関する傾斜(第1、2、5〜8実施形態)と、径方向に関する傾斜(第3、4、9〜11実施形態)とに分けて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、両方向の傾斜を適宜組み合わせて構成しても良い。
【0048】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の第1の態様である、円筒形の口部を有するボトルに使用され、ボトルの口部に挿嵌される内蓋とその内蓋を覆う形状を備えた外蓋とが組み合わされたタンパープルーフ型のキャップであって、内蓋はその外周面に雄ねじ形状と、外方に突出する内蓋係止部とを備え、外蓋は雄ねじ形状と螺合するように形成された外蓋本体と、外蓋本体に複数のブリッジ部を介して取り付けられたタンパープルーフエビデンスバンドとを備え、タンパープルーフエビデンスバンドの内周面には、開封時に内蓋係止部に位置的干渉が生じるように形成された外蓋係止部が設けられ、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路より長い経路に沿って形成されていることを特徴とするキャップによれば、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを、両者間の最短距離の経路ではなく、それより長い経路に沿って連結しているので、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の距離を引き離す方向、及び押し縮める方向の衝撃、あるいは両者を前記軸線の周り互いに反対方向に剪断する衝撃に対して、最短距離より長く構成されたブリッジ部が衝撃の応力を分散吸収する作用を奏する。すなわち外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の破断が未然に防止され、タンパープルーフ機能を備えた商品の商品価値を保つことができる。
【0049】
上記態様において、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部を、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路に対して傾斜をもって形成した場合、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働くので、ブリッジ部が破断されにくい。
【0050】
また、上記態様において、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部を組み合わせ工程の外蓋本体回転方向に傾けて設けた場合、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働くので、ブリッジ部が破断されにくい。また、組み合わせ工程においては、ブリッジ部には伸びる方向の応力がかかるが、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短距離の経路にブリッジ部を配設した場合に比較して、ブリッジ部が長く形成されているので伸びに対する余裕があり、破断されにくい。
【0051】
また、上記態様において、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部を組み合わせ工程の外蓋本体回転方向とは逆の方向に傾けて設けた場合にも、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部の破断がされにくい。特に組み合わせ工程においては、ブリッジ部は縮む方向の力を受けることになるので、破断されにくい。
【0052】
更に、上記態様において、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部を外蓋本体の内周側からタンパープルーフエビデンスバンドの外周側の方向に傾けて設け、あるいは、ブリッジ部は外蓋本体の外周側からタンパープルーフエビデンスバンドの内周側の方向に傾けて設た場合にも、組み合わせ工程や打栓工程において、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働くのでブリッジ部が破断されにくい。特に打栓工程において加わる衝撃に対して、応力が径方向及び上下方向のみに分散されて周方向に分散されることが無いので緩衝能力が高く、ブリッジ部の破断がより発生しにくい。
【0053】
更に上記の諸態様において、各ブリッジ部の少なくとも一部分を湾曲する形状に形成すると、個々のブリッジ部に形成された湾曲部も衝撃を吸収することができるので、上記諸態様の構成による衝撃吸収効果と相俟って、更に衝撃を和らげてブリッジ部の破断を未然に防止することができる。
【0054】
また、ブリッジ部を挟んで外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとが互いに対向する部分に、タンパープルーフエビデンスバンドの周方向接線に対して、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路の方向に角度を有する斜行部を設け、ブリッジ部が外蓋本体に取り付けられている部分はブリッジ部がタンパープルーフエビデンスバンドに取り付けられている部分より細く形成した場合には、ブリッジ部はより細く形成された外蓋本体側で破断されるので、需要者による開封時の操作をより円滑なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボトルの口部に取り付けられたキャップを示し、中心線をはさんで左側は正面図、右側は直径を通る平面による垂直断面図である。
【図2】ブリッジ部の態様を模式的に示す斜視図である。
【図3】ブリッジ部の他の態様を模式的に示す斜視図である
【図4】ブリッジ部の他の変形例を模式的に示す図である。
【図5】ブリッジ部のさらに他の変形例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
B ボトル
C キャップ
1 容器
5 口部
2 外蓋
3 内蓋
21 雌ねじ形状
25 外蓋本体
26 スカート部
26b 下部スカート部(タンパープルーフエビデンスバンド)
27 係止リング(外蓋係止部)
31 雄ねじ形状
32 ストッパリング(内蓋係止部)
40 ブリッジ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるタンパープルーフ型の容器キャップ及びそのキャップを備えた容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から店頭に陳列されて販売されることの多い食品、飲料、医薬品などのボトル容器には、異物混入行為を未然に防止すべく、開栓するとその行為が分かるように構成されたキャップが採用されている。特に、過剰包装を排して内容物の密封機能とタンパープルーフ機能とを確保する観点から、外蓋と内蓋とを組み合わせたねじ構造のタンパープルーフキャップが多く使用されるようになってきている。このような外蓋と内蓋とを組み合わせたねじ構造のタンパープルーフキャップにおいて、外蓋は外蓋本体と外蓋本体下方にブリッジ部を介してタンパープルーフエビデンスバンドとを有している。開封前においては、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとは、ブリッジ部に連結されて一体となっているが、キャップを反時計回り方向に回転させることによって、両者の間隔が次第に離間され、ついには前記ブリッジ部が破断されて、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの連結が解かれ、タンパープルーフ性が解除される。
【0003】
これら外蓋と内蓋とは別個に作製され、螺合されて一体化された後に、いわゆる「打栓」工程によりボトルに取り付けられるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを連結して一体化しているブリッジ部は、外蓋と内蓋とを組み合わせる際に破断されやすいという問題があった。また、これらの蓋を組み合わせたキャップをボトル口部へ取り付けるいわゆる打栓工程の際にもブリッジ部が破断されることがあるという問題もあった。ブリッジ部が破断されるとタンパープルーフ性が解除されるので、実質的にその容器を使用した商品の価値が失われてしまうことになる。
【0005】
そこで、本発明は、外蓋と内蓋とが組み合わされたタンパープルーフ機能を有するキャップにおいて、外蓋本体にタンパープルーフエビデンスバンドを取り付けているブリッジ部が、外蓋と内蓋との組み合わせ時、及び打栓工程時に容易に破断されることのない構造を備えたキャップを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明の第1の態様は、円筒形の口部(5)を有するボトル(B)に使用され、ボトルの口部に挿嵌される内蓋(3)とその内蓋を覆う形状を備えた外蓋(2)とが組み合わされたタンパープルーフ型のキャップ(C)であって、内蓋はその外周面に雄ねじ形状(31)と、外方に突出する内蓋係止部(32)とを備え、外蓋は雄ねじ形状と螺合するように形成された外蓋本体(25)と、外蓋本体に複数のブリッジ部(40)を介して取り付けられたタンパープルーフエビデンスバンド(26b)とを備え、タンパープルーフエビデンスバンドの内周面には、開封時に内蓋係止部に位置的干渉が生じるように形成された外蓋係止部(27)が設けられ、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路より長い経路に沿って形成されていることを特徴とするキャップにより前記課題を解決する。
【0008】
この発明の第一の態様によれば、複数のブリッジ部の少なくとも一部は、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを、両者間の最短の経路ではなく、それより長い経路に沿って連結している。ブリッジ部が外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の最短経路上に形成されている場合、例えば、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の距離を引き離す方向の衝撃、押し縮める方向の衝撃、あるいは両者を前記軸線の周りに互いに反対方向に剪断する衝撃が加えられた場合、その衝撃を吸収する余地が殆どないので、ブリッジ部は破断されやすくなる。これは需要者が容器を開封するという観点からは好都合である反面、製造工程においては外蓋を内蓋へと組み合わせる際(以下において「組み合わせ工程」という。)や、組み合わせた外蓋、内蓋をボトルに打栓する際(以下において「打栓工程」という。)に破断しやすいことへもつながり、その容器を使用した商品が店頭に陳列される以前にタンパープルーフ性を失い、商品価値をゼロにしてしまうことにもつながりかねない。
【0009】
これに対して本実施態様の様に、ブリッジ部が外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の最短経路より長い経路に沿って形成されている場合には、長さに余裕のあるブリッジ部が、これらの衝撃による応力を分散吸収する作用を奏する。すなわち外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間に衝撃を吸収する機能が付与されて、予期せぬブリッジ部の破断が未然に防止されるので、組み合わせ工程や、打栓工程などの製造工程や流通段階においてタンパープルーフ機能を備えた商品の商品価値を保つことができる。
【0010】
上記態様において、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部は、外蓋本体(25)とタンパープルーフエビデンスバンド(26b)とを結ぶ最短経路に対して傾斜をもって形成されているように構成してもよい。
【0011】
このように構成した場合、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部が破断されにくいという利点がある。
【0012】
また、上記態様において、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部は、外蓋(2)と内蓋(3)との組み合わせ時における外蓋の回転方向に傾けて設けてもよい。ここに「組み合わせ時の回転方向の傾き」とは、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の最短経路を結ぶ2点間に、例えば弾性伸縮部材を張り渡し、タンパープルーフエビデンスバンドを固定しつつ外蓋本体を組み立て時に行う回転方向に回転させた場合に、上記弾性伸縮部材が斜め方向に伸長されて前記最短経路に対してなす傾きをいう。
【0013】
このように構成した場合、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部が破断されにくい。また、組み合わせ工程においては、ブリッジ部には伸びる方向の応力がかかるが、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路にブリッジ部を配設した場合に比較して、ブリッジ部が長く形成されている分伸びに対する余裕があり、破断されにくい。
【0014】
上記態様において、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部は、開封時の外蓋本体回転方向に傾けて設けられているように構成することもできる。
【0015】
このように構成した場合にも、組み合わせ工程や打栓工程においてブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部の破断がされにくい。特に組み合わせ工程においては、ブリッジ部は縮む方向の力を受けることになるので、破断されにくい。
【0016】
更に、上記態様において、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部は、外蓋本体の内周側からタンパープルーフエビデンスバンド(26b)の外周側の方向に傾けて設けることもできる。
【0017】
また、複数のブリッジ部(40)のうち少なくとも一部を外蓋本体の外周側からタンパープルーフエビデンスバンド(26b)の内周側の方向に傾けて設けてもよい。
【0018】
これらのように構成した場合にも、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部が破断されにくい。特に打栓工程において加わる衝撃に対して、応力が径方向及び上下方向のみに分散されて周方向に分散されることが無いので緩衝能力が高く、ブリッジ部の破断がより発生しにくい。
【0019】
更に上記の諸態様において、各ブリッジ部(40)の少なくとも一部分を湾曲する形状に形成してもよい。
【0020】
このように構成すると、個々のブリッジ部に形成された湾曲部も衝撃を吸収することができるので、上記諸態様の構成による衝撃吸収効果と相俟って、更に衝撃を和らげてブリッジ部の破断を未然に防止することができる。
【0021】
また、上記の諸態様において、ブリッジ部(40)を挟んで、外蓋本体(25)とタンパープルーフエビデンスバンド(26b)とが互いに対向する部分には、タンパープルーフエビデンスバンドの周方向接線に対して、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路の方向に傾斜する斜行部(22a)を設け、ブリッジ部が外蓋本体に取り付けられている部分を、ブリッジ部がタンパープルーフエビデンスバンドに取り付けられている部分より細く形成してもよい。
【0022】
このように構成した場合に、ブリッジ部はより細く形成された外蓋本体側で破断されるので、需要者による開封時の操作をより円滑なものとすることができる。
【0023】
本発明の第二の態様では、上記諸態様のキャップのうち、いずれか一のキャップと、ボトル(B)とを備えた容器(1)である。
【0024】
この態様によれば、上記諸態様の効果を備えたキャップを容器に適用することができる。
【0025】
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、ボトルの口部に取り付けられたキャップを示し、中心線をはさんで左側は正面図、右側は直径を通る平面による垂直断面図である。図1に示されるように、本発明の実施形態にかかる容器1は、ボトルBと、ボトルBの口部5に挿嵌されている内蓋3と、内蓋3を覆い内蓋3と螺合する外蓋2と、を備えている。
【0027】
内蓋3には、周状に垂下する2つのスカート部35、及び36を備えており、スカート部35、36により形成される円筒状の隙間にボトルBの口部5の上端部が挿嵌されている。内蓋3は、円板状の隔壁部38を備えている。隔壁部38は、指掛けリング(不図示)により隔壁38の除去部(不図示)を取り去ることができるように構成されている。除去部を取り去ると、ボトル1の内容物を注ぎ出す注出孔が開口される。内蓋3の外周面には雄ねじ形状31が形成されている。
【0028】
一方、外蓋2は、円板状の天板23と天板23の外周から垂下するつまみ部24と、つまみ部24の下部に配設されるスカート部26とを備えている。つまみ部24の内周面には上記雄ねじ形状31に螺合可能なように雌ねじ形状21が形成されている。またスカート部26の上下方向略中央には、水平方向周状にスリット部22が形成されている。このスリット部22によりスカート部26は、上部スカート部26aと下部スカート部26bとに分断されている。上部スカート部26aと、下部スカート部26bとは、容器1が開封されていない状態においては、図1のA部拡大図に示されているブリッジ部40により連結されている。ブリッジ部40は、スリット部22の周上に、所定数設けられている(本実施形態においては4つ)。内蓋3のスリット部22に対応する位置には、断面形状が外周方向に凸状に形成されたストッパリング32が形成されている。一方、下部スカート部26bの上部、すなわちスリット部22の直下には、前記ストッパリング32に対応するように係止リング27が形成されている。係止リング27は、下部スカート部26bの内周面に更に内周向に凸状に形成されている。
【0029】
次にスリット部22の詳細について、図1のA部拡大図を参照しつつ説明する。図からも明らかなように、スリット部22は、上部スカート部26aと下部スカート部26bとが形成する隙間であり、この部分には上部スカート部26aと下部スカート部26bとを連結するブリッジ部40が設けられている。また、上部スカート部26aがスリット部22に面する下面側には緩衝突起41が設けられている。緩衝突起41の下端と下部スカート部26bの上端との間には、僅かに隙間が設けられている。スリット部22には、水平方向に対して角度を有する斜行部22aが設けられている。
【0030】
容器1の内部の液体等を注出しようとするときには、まずつまみ部24を反時計回りにまわす。そうすると外蓋本体25はねじの螺合形状に沿って上方へと位置を変えようとする。一方外蓋本体25にブリッジ部40を介して連結されている下部スカート部26bは、内蓋3の外周部に形成されたストッパリング32、及び外蓋2の内周部に形成された係止リング27の協働により上方への移動が規制されている。そこでつまみ部24をさらに反時計回り方向に回し続けると、外蓋本体25の下端部と、下部スカート部26bの上端部との間隔が次第に大きくなる。加えて、斜行部22aにおいては、下部スカート部26bの斜行面上に上部スカート部26aの斜行面が乗り上げる。これにより外蓋本体25の下端部と、下部スカート部26bの上端部との間隔がさらに大きくなり、ついにはブリッジ部40が破断されて、一体に連結されていた外蓋本体25と下部スカート部26bとは切り離され、開封が実現される。すなわち下部スカート部26bは、タンパープルーフエビデンスバンドとして機能し、ブリッジ部40の破断なきことが異物混入のないことを証明するものである。このようにして、開封が行われた後、さらにつまみ部24を反時計回り方向に回し続けることにより、外蓋2と内蓋3との螺合を解いて、外蓋2を内蓋3から離脱させることができる。内蓋3を覆っていた外蓋2を取り去ると、内蓋3の指かけリングが露出して、需要者は指かけリングを手がかりとして隔壁38に形成されている除去部を引き抜いて、注出孔を開口して容器内容物を注ぎ出すことができるようになる。
【0031】
なお、スリット部22に設けられている緩衝突起41は、外蓋本体25に下向きの衝撃が与えられたときに、下端部が下部スカート部26bの上面に押し当てられることによって、この衝撃を吸収して、ブリッジ部40が破断されるのを防止する働きを有するものである。
【0032】
飲料容器として使用される場合、一般的には、外蓋2はポリプロピレン(PP)、内蓋3はポリエチレン(PE)を材料として射出成型等の公知の方法にて形成することができる。また、ボトルBはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルを材料として、ブロー成型により形成することができる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
図2は、ブリッジ部40の第1実施形態、及び第2実施形態を模式的に示す斜視図である。ここではブリッジ部40は、スカート部26の外周面に沿って、傾きを持って形成されている。
【0034】
図2(a)は、ブリッジ部の第1実施形態を示す。第1実施形態のブリッジ部40aは、外蓋2と内蓋3との組み合わせ工程での外蓋本体25の回転方向に傾けて設けられている。ここでの「組み合わせ工程での外蓋本体25の回転方向の傾き」は、図に示す方向、すなわち外蓋本体25とタンパープルーフエビデンスバンド26bとの間の最短経路上に例えば弾性伸縮部材を張り渡して、外蓋本体25に組み合わせ工程時の回転を与えた場合に、該弾性伸縮部材が示す方向の傾きである。ブリッジ部40aがこのような傾きを持って形成されると、内蓋3と外蓋2との組み合わせ工程や打栓工程において、ブリッジ部40aが衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部の破断がされにくい。このような傾きの方向にブリッジ部を形成した場合、外蓋2を内蓋3に組み合わせるとき、すなわち内蓋3と外蓋2との組み合わせ工程において、ブリッジ部40aは上下の外蓋本体25及びタンパープルーフエビデンスバンド26bとにより長さ方向斜めに引張力を受ける。この場合、ブリッジ部が外蓋本体25とタンパープルーフエビデンスバンド26bとの最短経路上に形成されている場合に比較して、ブリッジ部40aの長さが長いので、材料の弾性変形あるいは塑性変形により延びる余地が大きく、ブリッジ部40aが破断されにくい。
【0035】
一方、図2(b)は、ブリッジ部の第2実施形態を示す。第2実施形態のブリッジ部40bは、組み合わせ時の外蓋本体回転方向とは逆の方向、すなわち開封時の回転方向に傾けて設けられている。ブリッジ部40bがこのような傾きを持って形成されても、組み合わせ工程や打栓工程において、ブリッジ部40bが衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部40bの破断がされにくい。特に組み合わせ工程において、ブリッジ部40bは縮む方向の力を受けることになるので、一層破断されにくい。
【0036】
図3は、ブリッジ部40の第3実施形態、及び第4実施形態を模式的に示す斜視図である。ここにおいてブリッジ部40は、スカート部26の径方向に、傾きを持って形成されている。
【0037】
図3(a)は、ブリッジ部の第3実施形態を示す。第3実施形態のブリッジ部40cは、外蓋本体25の内周側からタンパープルーフエビデンスバンド26bの外周側の方向に傾けて設けられている。このように構成しても、外蓋2と内蓋3との組み合わせ工程、及びボトルBへの打栓工程時にかかる衝撃応力を吸収して、予期せぬ破断を防ぐことができる。なお、このように構成した場合には、本実施形態にかかる容器1が搬送に付される場合に受ける径方向の衝撃応力を吸収して、破断を防ぐという利点もある。
【0038】
図3(b)は、ブリッジ部の第4実施形態を示す。第4実施形態のブリッジ部40dは、外蓋本体25の外周側からタンパープルーフエビデンスバンド26bの内周側の方向に傾けて設けられている。このように構成しても、組み合わせ工程、及びボトルへの打栓工程時にかかる衝撃応力を吸収して、予期せぬ破断を防ぐことができる。特に本実施形態のように構成した場合には、打栓工程において破断防止効果が高い。加えて、このように構成した場合には、キャップの製造工程や充填工程で、キャップ搬送のライン特性が良いという利点がある。すなわち、シュートにおいてぶつかり合うとき、本態様のブリッジが緩衝作用を示し破断しにくいので流れ性がよく、また本態様のブリッジが従来のものと全体の径に変化が無いので、ライン改造の必要性が少ない。
【0039】
図4は、ブリッジ部の他の実施形態を模式的に示す図である。ここでは上部スカート部26a、及び下部スカート部(タンパープルーフエビデンスバンド)26bに挟まれたスリット部22と、スリット部22にあって上下の上部スカート部26a及び、下部スカート部26bを連結するブリッジ部40のみが示されている。
【0040】
図4(a)は、円弧状に形成された第5実施形態のブリッジ部40eを示している。本実施形態においては、各ブリッジ部を形成する円弧は同一方向に凸に配列されているが、本発明においては必ずしもこのように配列する必要はなく、例えば、図4(b)の第6実施形態のブリッジ部40fに示すように、ひとつおきに凸となる向きを入れ替えて配置しても良い。これらのように構成することにより、円弧形状のブリッジ部40e、40fが上下方向の衝撃応力に対する緩衝材と作用し、特に打栓時の衝撃応力による破断を防止するのに有効である。
【0041】
図4(c)は、直線状のブリッジ部が、開封方向の向きと組み合わせ方向の向きとに、ひとつおきに傾けられて配置されている第7実施形態のブリッジ部40gを示している。本実施形態のブリッジ部40gは、いわば第1実施形態のブリッジ部40aと第2実施形態のブリッジ部40bとを組み合わせたものであり、両者の効果を併せ持つものである。すなわち、組み合わせ工程及び打栓工程いずれにおいても効果的に破断を防止することができる。
【0042】
図4(d)は、一部に円弧形状が設けられた第8実施形態のブリッジ部40hを示している。この第8実施形態のブリッジ部40hのように構成しても、上下方向の衝撃応力を有効に吸収することができる。
【0043】
図4(e)は、上部スカート部26a(外蓋本体25)への取り付け部分が、下部スカート部(タンパープルーフエビデンスバンド)26bへの取り付け部分より細く形成されたブリッジ部40iを示している。このようにブリッジ部を構成した場合、開封時にはブリッジ部40iの破断は上部スカート部26a側でおきるので、開封時の操作がより円滑に行われる。仮に、下部スカート部26b側で破断された場合、ブリッジ部は上部スカート部26a側に付いて残ることになり、上部スカート部26aがさらに反時計回りの回転をすると、ブリッジ部が斜行部22a(図1のA部拡大図参照)に乗り上げる形となり、開封時の操作に抵抗を生じるからである。加えて、ブリッジ部が上部スカート部26a側に付いて残ると外蓋2をボトルBから抜き去ったときに、ブリッジ部が外蓋2の下部端面に突起となって存在することになり、意匠性や需要者の手触り等の観点からも好ましくないからである。
【0044】
図5は、ブリッジ部のさらに他の実施形態を模式的に示す図である。ここでは上部スカート部26a、及び下部スカート部(タンパープルーフエビデンスバンド)26bに挟まれたスリット部22と、スリット部22にあって上下の上部スカート部26aと、下部スカート部26bとを連結するブリッジ部40を、スカート部26の周上の一点を垂直に切断した場合の断面図で示している。図5における各図の左側が外周側、右側が内周側を表している。
【0045】
図5(a)は、円弧状に形成された第9実施形態のブリッジ部40jを示している。本実施形態においては、各ブリッジ部を形成する円弧は全て外周方向に凸に配列されていることを想定しているが、本発明においては必ずしもこのように配列する必要はなく、例えば、図5(b)に示される第10実施形態のブリッジ部40kに示すように、内周向きに凸に形成してもよく、またこれらを組み合わせて、一部を外周向きに、他に一部を内周向きに形成してもよい。
【0046】
図5(c)は、ジグザグ状に形成された第11実施形態のブリッジ部40mを表している。これら第9〜第11実施形態のブリッジ部40j〜40mは、その形状からも明らかなように上下方向衝撃応力に対する緩衝材と作用して、特に打栓時の衝撃応力による破断を防止するのに有効である。
【0047】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うキャップ及び容器もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。以下に示す変形例は、当然に本願発明の技術的範囲に包含されるものである。
(変形例)
1.本発明において、全てのブリッジ部40を最短経路より長い経路に沿って形成する必要はない。一部を最短経路より長い経路に沿って形成し、他を最短経路に沿って形成してもよい。またこれらの比率を所定の割合に設定して、開封時の破断しやすさと、開封時以前の破断しにくさとのバランスを調整することもできる。
2.第3及び第4実施形態において、ブリッジ部は全て内周側から外周側向き、又は外周側から内周側向きとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一部を内周側向き、他の一部を外周側向きに構成してもよい。このようにすることにより径方向の衝撃応力と上下方向の衝撃応力に対し同時にクッション的な作用を働かせることができる。
3.上記各実施形態において、外蓋本体と下部スカート部とを結ぶ最短経路に対する傾斜として、スカート部26の筒形状の円周接線方向に関する傾斜(第1、2、5〜8実施形態)と、径方向に関する傾斜(第3、4、9〜11実施形態)とに分けて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、両方向の傾斜を適宜組み合わせて構成しても良い。
【0048】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の第1の態様である、円筒形の口部を有するボトルに使用され、ボトルの口部に挿嵌される内蓋とその内蓋を覆う形状を備えた外蓋とが組み合わされたタンパープルーフ型のキャップであって、内蓋はその外周面に雄ねじ形状と、外方に突出する内蓋係止部とを備え、外蓋は雄ねじ形状と螺合するように形成された外蓋本体と、外蓋本体に複数のブリッジ部を介して取り付けられたタンパープルーフエビデンスバンドとを備え、タンパープルーフエビデンスバンドの内周面には、開封時に内蓋係止部に位置的干渉が生じるように形成された外蓋係止部が設けられ、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路より長い経路に沿って形成されていることを特徴とするキャップによれば、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを、両者間の最短距離の経路ではなく、それより長い経路に沿って連結しているので、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の距離を引き離す方向、及び押し縮める方向の衝撃、あるいは両者を前記軸線の周り互いに反対方向に剪断する衝撃に対して、最短距離より長く構成されたブリッジ部が衝撃の応力を分散吸収する作用を奏する。すなわち外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとの間の破断が未然に防止され、タンパープルーフ機能を備えた商品の商品価値を保つことができる。
【0049】
上記態様において、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部を、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路に対して傾斜をもって形成した場合、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働くので、ブリッジ部が破断されにくい。
【0050】
また、上記態様において、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部を組み合わせ工程の外蓋本体回転方向に傾けて設けた場合、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働くので、ブリッジ部が破断されにくい。また、組み合わせ工程においては、ブリッジ部には伸びる方向の応力がかかるが、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短距離の経路にブリッジ部を配設した場合に比較して、ブリッジ部が長く形成されているので伸びに対する余裕があり、破断されにくい。
【0051】
また、上記態様において、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部を組み合わせ工程の外蓋本体回転方向とは逆の方向に傾けて設けた場合にも、組み合わせ工程や打栓工程においては、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働く。したがってブリッジ部の破断がされにくい。特に組み合わせ工程においては、ブリッジ部は縮む方向の力を受けることになるので、破断されにくい。
【0052】
更に、上記態様において、複数のブリッジ部のうち少なくとも一部を外蓋本体の内周側からタンパープルーフエビデンスバンドの外周側の方向に傾けて設け、あるいは、ブリッジ部は外蓋本体の外周側からタンパープルーフエビデンスバンドの内周側の方向に傾けて設た場合にも、組み合わせ工程や打栓工程において、ブリッジ部が衝撃を和らげるクッションとして働くのでブリッジ部が破断されにくい。特に打栓工程において加わる衝撃に対して、応力が径方向及び上下方向のみに分散されて周方向に分散されることが無いので緩衝能力が高く、ブリッジ部の破断がより発生しにくい。
【0053】
更に上記の諸態様において、各ブリッジ部の少なくとも一部分を湾曲する形状に形成すると、個々のブリッジ部に形成された湾曲部も衝撃を吸収することができるので、上記諸態様の構成による衝撃吸収効果と相俟って、更に衝撃を和らげてブリッジ部の破断を未然に防止することができる。
【0054】
また、ブリッジ部を挟んで外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとが互いに対向する部分に、タンパープルーフエビデンスバンドの周方向接線に対して、外蓋本体とタンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路の方向に角度を有する斜行部を設け、ブリッジ部が外蓋本体に取り付けられている部分はブリッジ部がタンパープルーフエビデンスバンドに取り付けられている部分より細く形成した場合には、ブリッジ部はより細く形成された外蓋本体側で破断されるので、需要者による開封時の操作をより円滑なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボトルの口部に取り付けられたキャップを示し、中心線をはさんで左側は正面図、右側は直径を通る平面による垂直断面図である。
【図2】ブリッジ部の態様を模式的に示す斜視図である。
【図3】ブリッジ部の他の態様を模式的に示す斜視図である
【図4】ブリッジ部の他の変形例を模式的に示す図である。
【図5】ブリッジ部のさらに他の変形例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
B ボトル
C キャップ
1 容器
5 口部
2 外蓋
3 内蓋
21 雌ねじ形状
25 外蓋本体
26 スカート部
26b 下部スカート部(タンパープルーフエビデンスバンド)
27 係止リング(外蓋係止部)
31 雄ねじ形状
32 ストッパリング(内蓋係止部)
40 ブリッジ部
Claims (8)
- 円筒形の口部を有するボトルに使用され、前記ボトルの口部に挿嵌される内蓋とその内蓋を覆う形状を備えた外蓋とが組み合わされたタンパープルーフ型のキャップであって、
前記内蓋はその外周面に雄ねじ形状と、外方に突出する内蓋係止部とを備え、
前記外蓋は、前記雄ねじ形状と螺合するように形成された外蓋本体と、前記外蓋本体に複数のブリッジ部を介して取り付けられたタンパープルーフエビデンスバンドと、を備え、
前記タンパープルーフエビデンスバンドの内周面には、開封時に前記内蓋係止部に位置的干渉が生じるように形成された外蓋係止部が設けられ、
前記複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は、前記外蓋本体と前記タンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路より長い経路に沿って形成されていることを特徴とするキャップ。 - 前記複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は、前記外蓋本体と前記タンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路に対して傾斜をもって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
- 前記複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は、前記組み合わせ時における前記外蓋本体の回転方向に傾けて設けられている請求項2に記載のキャップ。
- 前記複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は、前記外蓋本体の内周側から前記タンパープルーフエビデンスバンドの外周側の方向に傾けて設けられている請求項2又は3に記載のキャップ。
- 前記複数のブリッジ部のうち少なくとも一部は、前記外蓋本体の外周側から前記タンパープルーフエビデンスバンドの内周側の方向に傾けて設けられている請求項2又は3に記載のキャップ。
- 前記各ブリッジ部の少なくとも一部分は湾曲する形状に形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャップ。
- 前記ブリッジ部を挟んで前記外蓋本体と前記タンパープルーフエビデンスバンドとが互いに対向する部分には、前記タンパープルーフエビデンスバンドの周方向接線に対して、前記外蓋本体と前記タンパープルーフエビデンスバンドとを結ぶ最短経路の方向に傾斜する斜行部が設けられており、前記ブリッジ部が前記外蓋本体に取り付けられている部分は前記ブリッジ部が前記タンパープルーフエビデンスバンドに取り付けられている部分より細く形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のキャップ。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載されたキャップと、前記ボトルとを備えた容器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002229538A JP2004067175A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | キャップ及び容器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004067175A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010137878A (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-24 | Mikasa Sangyo Kk | 合成樹脂製キャップ |
JP2011219110A (ja) * | 2010-04-06 | 2011-11-04 | Daiwa Can Co Ltd | ヒンジキャップ |
JP2013527823A (ja) * | 2010-01-05 | 2013-07-04 | エスディー、アイピー、ホールディングス、カンパニー | ちょうつがい付き蓋を持つ多部品閉鎖体 |
CN115771671A (zh) * | 2022-12-05 | 2023-03-10 | 广州雅塑包装技术服务有限公司 | 一种连体盖、连体盖切环设备及其工艺 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002229538A patent/JP2004067175A/ja active Pending
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