JP2004067118A - ロービング包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリ塩化ビニルを使用せず、且つ、ロービング巻体の中心軸と包装材の開口部の中心とがほぼ一致したロービング包装体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のロービング包装体は、ロービング10が円筒状に巻かれたロービング巻体20と、該ロービング巻体20を包装すると共に、該ロービング巻体の一方の端面に開口部32を有するポリオレフィン系の包装材30と、を備え、包装材30は、該ロービング巻体の軸方向Xの熱収縮率が15%以下であり、円周方向Rの熱収縮率が30%以上である包被材を熱収縮させたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス繊維等のロービングを円筒状に巻き取った巻体を包装してなるロービング包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化プラスチック(FRP)の補強材等として使用されるロービングは、通常、両端面が円形な中空の円筒状に巻き取った巻体を、包被材を熱収縮させた包装材で包装して保管されている。ロービングの利用に際しては、円筒の内側すなわち中空部分からロービングを引き出すことになる。
【0003】
上記のようなロービングの巻体の包装材に用いられる包被材は、一般的にポリ塩化ビニル製のチューブ原反に対してインフレーション方式による延伸処理を施し、熱収縮性を有するチューブ状のフイルムに成形し、溶断シール等により袋状に製袋加工し作製されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、環境問題への取組みが盛んになっており、ダイオキシン対策としてポリ塩化ビニルの使用を避ける傾向にある。このため、上記の包装材を形成するポリ塩化ビニルの代替材料を見出さなければならなくなった。
【0005】
さらに、ロービング包装体において、ロービング巻体の形態は両端面が円形な円筒状であり、一方の端面には包装材の開口部が位置しているが、この開口部がロービング巻体と同軸状になることが羨望されている。ロービング巻体の中心軸と包装材の開口部の中心とがほぼ一致すれば、ロービングをスムーズに引き出せることになる。従って、本発明者らは、ポリ塩化ビニルの代替材料を検討しつつ、このような要望を満たすロービング包装体の開発に迫られた。
【0006】
本発明は、かかる背景の下でなされたものであり、ポリ塩化ビニルを使用せず、且つロービング巻体の中心軸と包装材の開口部の中心とがほぼ一致したロービング包装体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のロービング包装体は、ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体と、該ロービング巻体を包装すると共に、該ロービング巻体の一方の端面に開口部を有するポリオレフィン系の包装材と、を備えたロービング包装体であって、前記包装材は、該ロービング巻体の軸方向の熱収縮率が15%以下であり、円周方向の熱収縮率が30%以上である包被材を熱収縮させてなることを特徴とする。
【0008】
本発明者らは、円筒状のロービング巻体の軸方向と円周方向についての包被材の熱収縮がほぼ等しいと、軸方向の熱収縮が大きいため、開口部の位置が製品ごとに異なり、ロービング巻体の中心軸からもずれてしまうことを見出した。これに対して、本発明のロービング包装体では、包被材の軸方向の熱収縮率が15%以下と小さいことから包装材の開口部がロービング巻体の中心軸にほぼ一致し、且つ包被材の円周方向の熱収縮率が30%以上と大きいことから包装材をロービング巻体に密着させることができる。なお、円周方向の熱収縮が70%を超える包被材は製造が困難になるため、円周方向の熱収縮率は70%以下にすることが好ましい。また、包装材をポリオレフィン系材料で形成することで、ダイオキシン発生の問題も無くなる。
【0009】
従来はチューブ状のフイルムを製袋した包被材を熱収縮してロービング巻体を包装しているため、ロービング巻体の軸方向にフイルムの接着部が無い。そのため、ロービングを巻き出していくと包装材が型崩れを生じやすく、最後までロービングをスムーズに巻き出せないという不具合が生じやすかった。
【0010】
このような事情を考慮し、本発明において、包被材は、ポリオレフィン系のフイルム材で構成されるとともに、フイルム材の重ね合わされた端部同士を接着した1本又は2本以上の接着部が、ロービング巻体の軸方向に延在していることが好ましい。
【0011】
このような構成にした場合、包装材の接着部分はコシが強くなるため、ロービング巻体からロービングの多くを引き出し、殆ど包装材のみになっても型崩れしにくくなり、ロービングを最後まで引き出しやすくすることができる。なお、接着部の幅は型崩れの程度を考慮して決定すればよい。また、フイルム材を折り曲げることで重ねあわされた端部同士を接着してもよく、2枚以上のフイルム材を端部が重なるように接着してもよい。ロービング巻体の軸方向に延在する接着部が1本でもあれば型崩れ防止に寄与するが、2本以上あれば更に型崩れを防止できる。
【0012】
また、本発明のロービング包装体において、包被材は、1枚のフイルム材を3辺の重ね合わせ部が形成されるように折り曲げて構成され、3辺の重ね合わせ部のうち2辺の重ね合わせ部が接着されて袋状にされるとともに、接着されていない1辺の重ね合わせ部は、上記開口部となることが好ましい。
【0013】
このような構成を採用した場合、包装材は、袋の底部の径方向(幅方向)と袋の深さ方向にそれぞれ少なくとも1本の接着部を有するか、または、袋の深さ方向に少なくとも2本の接着部を有することになる。つまり、ロービング巻体の軸方向と底部の径方向とのそれぞれ1本の接着部が延在するか、または、ロービング巻体の軸方向に少なくとも2本の接着部が延在する。このため、ロービング巻体からロービングの多くを引き出した場合でも、包装材の型崩れを抑えられる。
【0014】
特に、フイルム材の折り曲げ部の両側端から延在する2辺の重ね合わせ部を接着した包装材は、ロービング巻体の軸方向に少なくとも2本の接着部が延在するため、型崩れをより効果的に防止でき、ロービングを最後まで一層スムーズに引き出すことができる。
【0015】
また、本発明のロービング包装体において、包被材は、2枚のフイルム材を4辺の重ね合わせ部が形成されるように重ねて構成され、4辺の重ね合わせ部のうち3辺の重ね合わせ部が接着されて袋状にされるとともに、接着されていない1辺の重ね合わせ部は、上記開口部となることも好ましい。
【0016】
このような構成を採用した場合、包装材は、底部に少なくとも1本の接着部と袋の深さ方向に少なくとも2本の接着部を有することになる。つまり、ロービング包装体における包装材は、ロービング巻体の軸方向に少なくとも2本の接着部と底部に少なくとも1本の接着部が延在する。そのため、包装材の型崩れを効果的に抑制し得る。
【0017】
尚、上記のような形態の包被材は、1枚または2枚以上の長尺フイルムを準備し、この長尺フイルムの端から順に包装材を切り出すように作製すれば、作業性が向上する。
【0018】
本発明のロービング包装体において、包被材を形成するためのフイルム材の端部を接着する方法は、超音波シール、接着剤による接着、ヒートシールなど、特に限定するものではないが、超音波シールはシール面に凸凹を生じさせ、接着部分の包装材のコシを特に強くさせることができ、包装材自身の型崩れを特に抑制するために好ましい。
【0019】
さらに、本発明のロービング包装体において、前記ロービング巻体と前記包装材の間に、前記ロービング巻体の最外層のロービングを保持すると共に前記ロービング巻体と前記包装材の双方に貼着した熱接着性の崩落防止部材を更に備えることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るロービング包装体の例を掲げ、詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のロービング包装体1を示す斜視図であり、図2は、図1のロービング包装体1の縦断面図である。ロービング包装体1は、ガラスロービング10を円筒状に巻いて形成され、両端面が円形状のロービング巻体20と、このロービング巻体20を包装する包装材30と、を備えている。
【0022】
ロービング巻体20は、ケーキから引き出したストランドを合わせて巻き取ったものでもよいし、或いは紡糸した繊維を集束して直接巻き取ったものであってもよい。また、ロービング巻体20の重量は特に限定されないが、70kg以上の大型サイズのものが好適で、更には100kg〜200kg程度のものが好ましい。また、ロービング10は、本実施形態ではガラス繊維としているが、この他炭素繊維等でもよい。
【0023】
包装材30は、熱収縮性のポリオレフィン系材料によって形成され、ロービング巻体20を覆うように袋状にされている。また、包装材30には、ロービング巻体20の軸方向の上端面に相当する箇所に開口部32が形成されており、この開口部32からロービング巻体20のロービング10が引き出される。ロービング10は、ロービング巻体20の内側の中空部22から引き出される。
【0024】
なお、ガラスロービング10の引き出しをスムーズにするため、及び、ロービング包装体1の保型性を確保するために、開口部32の面積は、ロービング巻体20の円形端面の面積に対して20〜60%であることが好ましい。
【0025】
包装材30は包被材を熱収縮して形成されているが、この包被材は、ポリプロピレン層・ポリエチレン層・ポリプロピレン層の3層からなるポリオレフィン系のフイルム材に対してテンター方式またはインフレーション方式による延伸処理を施し、フイルム端部を接着することにより、図3(a)〜(c)のいずれかの形態の袋状の包被材40a〜40cを得ることができる。包装材をポリオレフィン系材料で形成することで、焼却処理におけるダイオキシン発生の問題を解消できる。
【0026】
図3(a)に示す包被材40aは、一枚のフイルムを端部が重なり合うように折り曲げ部41aで折り曲げて3辺の重ね合わせ部(図中、上側、右側、及び下側)を形成し、そのうちの2つの辺を接着部42a,43aとしたものである。これにより、開放端部44aが形成される。この包被材40aから得られる包装材は、1本の接着部43aがロービング巻体の軸方向に延在し、もう1本の接着部42aがロービング巻体の底部の径方向(幅方向)に延在することになる。
【0027】
図3(b)に示す包被材40bは、一枚のフイルムを端部が重なり合うように折り曲げ部42bで折り曲げて3辺の重ね合わせ部(図中、上側、右側、及び左側)を形成し、そのうちの2つの辺を接着部41b,43bとしたものである。これにより、開放端部44bが形成される。この包被材40bから得られる包装材は、折り曲げ部42bの両側端からロービング巻体の軸方向に延在する2本の接着部41b,43bが形成されている。
【0028】
図3(c)に示す包被材40cは、二枚のフイルムの端部を重ね合わせて4辺の重ね合わせ部を形成し、そのうちの3つの辺を接着部41c,42c,43cとしたものである。これにより、開放端部44cが形成される。この包被材40cから得られる包装材は、2本の接着部41a,43cがロービング巻体の軸方向に延在し、もう1本の接着部42cがロービング巻体の底部の径方向に延在することになる。
【0029】
図3(a)〜(c)に示すような構成を採用することで、包装材は、ロービング巻体の軸方向に少なくとも1本の接着部が延在することになる。接着部分の包装材はコシが強くなるため、ロービングの多くを引き出して包装材の中味が殆ど空になっても型崩れしにくくなり、ロービングを最後まで引き出しやすくすることができる。
【0030】
一枚のフイルム材における各接着部の接着方法は異なっていてもよいが、接着強度のばらつきを小さくするためには、同一であることが好ましい。図3においては、超音波シールにより接着している。つまり、超音波によってフイルム材40の端部を溶かし、これにより接着を図っている。
【0031】
包被材の形態は、図3(a)〜(c)のいずれでもよいが、包装材自身の型崩れを抑制するため、ロービング巻体の軸方向に2本の接着部が延在する図3(b)又は(c)に示した形態が好ましい。また、3枚以上のフイルムを端部が重なるように接着すれば、ロービング巻体の軸方向に3本以上の接着部を延在させることができ、更に型崩れを抑制できる。尚、図3(a)に示す態様では、接着部43aはロービング巻体の軸方向に1本だけ延在しているが、折り曲げ部41aに接着部を形成し、更に型崩れを抑制するようにしてもよい。
【0032】
また、図4に示すように、接着部44は、略長方形状の個別接着部44dを千鳥状に点接着させたものとなっている。接着方式には封筒貼りシール、合掌シールがあるが、包装材の型崩れを抑制するため、合掌シールによる接着方式が好ましい。更に、図4に示す態様において、個別接着部44dを千鳥状に並べたものを1本の接着部と捉えて、この接着部を包被材の1辺の重ね合わせ部に2本以上形成してもよい。
【0033】
図5に、包被材の底部における接着部の形態を示す。図5(a)は、接着部44を1本の直線状にした形態を示す。このように、接着工程の作業性の観点からは1本の直線状にすることが好ましいが、包装材の型崩れ防止の観点からは、図5(b)に例示したように3本の直線状、図5(c)に示したように4本の直線状、或いは、5本以上の複数本の直線状にすることも好適である。
【0034】
また、包装材の底部に複数本の接着部44を有する場合の交点部45の付近など、重ね合わせ部の接着すべき各辺は、完全に閉じていなくても本発明の課題を達成することができるので、本発明の技術的範囲に属することはいうまでもない。
【0035】
包被材の熱収縮率は、110℃のグリセリンバス中で測定した際、包被材40の袋の深さ方向(図3のH方向)が15%以下であることが必要であり、更に3〜10%であることが好適である。また、包被材40の袋の巾方向(図3のL方向)は30%以上であることが必要であり、好ましくは30%〜70%、更に40〜60%であることが好適である。言い換えると、このような熱収縮率になるように、フイルム材40の延伸温度や延伸倍率などの延伸条件を設定し、かつ包被材を熱収縮させる温度、時間を設定することが好ましい。
【0036】
ロービング包装体1を作製するには、包被材40に、ロービング巻体20を収容し、これをヒートセット炉に入れる。ロービング巻体20の収容に際しては、包被材40の開放端部44にロービング巻体の一方の円形端面が位置するようにする。これにより、包被材の熱収縮率は、ロービング巻体の軸方向X(図1参照)に沿う方向は小さく、円周方向Rに沿う方向が大きくなる。そして、包被材40の熱収縮温度まで昇温すると、包被材40は熱収縮してロービング巻体20を包装する包装材30となり、ロービング包装体1を得ることができる。
【0037】
包被材40を熱収縮させる温度は、90℃〜130℃であることが好ましく、さらに105℃〜115℃にすることが好適である。上記範囲の上限よりも温度が高いと、ガラス繊維表面に付着している集束剤が変質し、ロービングがスムーズに引き出せなくなることがある。一方、上記範囲の下限よりも温度が低いと、ポリオレフィン系材料で形成した包被材40が熱収縮し難い。
【0038】
この際、円形な端面を有する円筒状のロービング巻体20の側面においては、包被材40の巾方向(図3に示すL方向)の熱収縮率が大きいことから、包被材40が円筒状のロービング巻体20の側面に密着した包装材30を形成することができる。
【0039】
さらに、端面においても下記の理由により、ロービング巻体20に密着した包装材30を形成することができる。すなわち、包被材40の高さ方向(図3に示すH方向)の熱収縮率が小さいため、ロービング巻体20の軸方向の熱収縮は小さい。従って、ロービング巻体20の端面から突き出ている包被材40のフイルムの熱収縮後における長さは、熱収縮前に比してさほど短くならず、熱収縮後の該突き出し量を所望量に設定しやすい。このため、ロービング巻体20の円形状の端面から突き出ている包被材40のフイルムの長さを調整することにより、ロービング巻体20の一方の円形端面に開口部32を設けることができ、しかも開口部の位置ずれが抑えられ、開口部32がロービング巻体20の中心軸Xo(図2参照)にほぼ一致する。なお、包被材40の巾方向(図3に示すL方向)の熱収縮率が大きいので、一方の端面に開口部を有し、端面にも密着した包装材30を形成することができる。
【0040】
[第2実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。図6は、本実施形態のロービング包装体1の包装材を省略した状態を示す図である。ロービング巻体20の外周には、最外層のロービング10を保持する熱接着性の崩落防止部材50が軸方向に延在し、周方向に複数枚貼り付けられている。
【0041】
崩落防止部材50は、その両面が熱接着性を有しており、ロービング巻体20を包装材30で包装した形態にあっては、最外層のロービング10と包装材30の内面の双方に貼着されている。更に、包被材40の熱収縮時に同時に崩落防止部材50の貼着が行えるように、包被材40の収縮温度で接着性を発現し得る材料が好ましい。このような材料としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0042】
また、ロービング巻体20の最外層のロービング10は、崩落防止部材50に保持されているが、この接着は化学的な接着というよりは、崩落防止部材50の軟化した部分がロービング10に押し付けられて単糸間に食い込むことにより生ずる物理的な結合となっている。このため、接着強度はさほど大きくなく、崩落防止部材50に接着した最外層のロービング10を引き出す際に、容易に剥がすことができる。
【0043】
次に、このような崩落防止部材50を備えたロービング包装体1の製造方法の一例を説明する。まず、ロービング巻体20の外周面に粘着テープなどの適当な手段で崩落防止部材50を仮止めする。そして、これを第1実施形態と同様の手法で作製した包被材40に収容し、ヒートセット炉に入れて加熱する。すると、包被材40の熱収縮温度にて崩落防止部材50の表面が軟化し、且つ、包被材40の収縮力により、崩落防止部材50はロービング巻体20の外周面と包装材30に押し付けられて貼着し、本実施形態のロービング包装体1が完成する。
【0044】
このようなロービング包装体1によれば、次のような効果が得られる。すなわち、ロービング巻体20の内側からロービング10を引き出し、巻体の残りが最外層付近のみになった場合であっても、崩落防止部材50によって、ロービング10が保持されるので、ロービング巻体20の崩れを防止できる。そのため、ロービング10を最後までスムーズに引き出すことができる。しかも、最外層のロービング10を崩落防止部材50から剥がして引き出した場合、そのロービングには崩落防止部材50の熱接着性材料は殆ど付着せず、ロービングの品質低下を抑制できる。
【0045】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。
【0046】
例えば、包被材40の製造方法は、前述の製造方法以外に長尺フイルムから連続的に製造することもでき、フイルム材は必ずしも3層構造にする必要はなく、2層以下、或いは4層以上でもよい。
【0047】
また、第2実施形態において、崩落防止部材をロービング巻体の軸方向に延在させロービング巻体の周方向に複数枚貼り付けるのではなく、筒状の崩落防止部材でロービング巻体を覆うようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るロービング包装体では、収縮率がロービング巻体の軸方向よりも円周方向の方が大きい包被材を熱収縮して包装している。従って、包被材の縦方向の収縮率が小さいことから包装材の開口部がロービング巻体の中心軸にほぼ一致し、且つ、巾方向の収縮率が大きいことから包装材をロービング巻体に密着させることができる。また、包装材を焼却処理する際、ポリオレフィン系材料で形成しているので、ダイオキシン発生の問題も無くなる。
【0049】
さらに、包被材の縦方向に接着部を延在させることにより、ロービングがほとんどなくなっても包装材の型崩れを抑制することができ、最後まで一層スムーズにロービングを引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロービング包装体の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のロービング包装体の縦断面図である。
【図3】包被材の形態を示す図である。
【図4】包被材の接着部の形状を示す図である。
【図5】包被材の底部における接着部を示す概念図である。
【図6】本発明に係るロービング包装体の第2実施形態を示す斜視図である。包装材の図示は省略している。
【符号の説明】
1…ロービング包装体、10…ガラスロービング、20…ロービング巻体、22…中空部、30…包装材、32…包装材の開口部、40…包被材、42…筒状体、50…崩落防止部材、R…ロービング巻体の円周方向、X…ロービング巻体の軸方向、Xo…ロービング巻体の中心軸。

Claims (6)

  1. ロービングが円筒状に巻かれたロービング巻体と、該ロービング巻体を包装すると共に、該ロービング巻体の一方の端面に開口部を有するポリオレフィン系の包装材と、を備えたロービング包装体であって、
    前記包装材は、該ロービング巻体の軸方向の熱収縮率が15%以下であり、円周方向の熱収縮率が30%以上である包被材を熱収縮させてなることを特徴とするロービング包装体。
  2. 前記包被材は、ポリオレフィン系のフイルム材で構成されるとともに、前記フイルム材の重ね合わされた端部同士を接着した1本又は2本以上の接着部が、前記ロービング巻体の軸方向に延在していることを特徴とする請求項1記載のロービング包装体。
  3. 前記包被材は、1枚のフイルム材を3辺の重ね合わせ部が形成されるように折り曲げて構成され、
    前記3辺の重ね合わせ部のうち2辺の重ね合わせ部が接着されて袋状にされるとともに、接着されていない1辺の重ね合わせ部は、前記開口部となることを特徴とする請求項1記載のロービング包装体。
  4. 前記包被材は、2枚のフイルム材を4辺の重ね合わせ部が形成されるように重ねて構成され、
    前記4辺の重ね合わせ部のうち3辺の重ね合わせ部が接着されて袋状にされるとともに、接着されていない1辺の重ね合わせ部は、前記開口部となることを特徴とする請求項1記載のロービング包装体。
  5. 前記接着は、超音波シールによる接着である請求項2〜請求項4のうち何れか一項記載のロービング包装体。
  6. 前記ロービング巻体と前記包装材の間に、前記ロービング巻体の最外層のロービングを保持すると共に前記ロービング巻体と前記包装材の双方に貼着した熱接着性の崩落防止部材を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項記載のロービング包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011057383A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Aprica Children's Products Kk 汚物処理装置用詰替フィルム、詰替フィルム収納用カセット、および携帯用汚物処理袋
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