JP2004066307A - ダイクッション装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダイクッション装置1のシリンダ10内にスプール30を設け、このスプール30は、シリンダ10の外部から調整手段2により回転させることができ、シリンダ10に対しての相対位置L1を変更することができる。そのため、流体の流出入のタイミングを調整することができるので、ダイクッション能力を変化させるタイミングを容易に調整することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイクッション装置に係り、例えば、プレスによる深絞り成形に好適に用いられるダイクッション装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、板金等のプレス加工の分野においては、プレス機械のベッドの下部または内部にダイクッション装置を設け、下型に空気圧などによる上向きの反力を加えて成形を良好に行なえるようにしている。
このようなダイクッション装置の構造としては、所定圧力に設定されたシリンダ内の空気をピストンの下降によって圧縮し、その時に生じる反力を利用するものが主流である。
【0003】
以上のようなダイクッション装置は、薄板材の深絞り成形などの場合には、以下のようして一工程中のダイクッション能力を変更することにより、ブランクホルダでの薄板材の保持具合を変化させることが、成形部品の品質向上のために有益な加工方法であることがわかっている。
すなわち、上型が薄板材を押圧し始める初期段階では、ダイクッション装置での反力を大きくして薄板材を堅固に保持できるようにし、絞りが開始されてからの成形段階では、反力を小さくして絞りが良好に行われるようにし、成形が終了する最終段階では再度、反力を大きくして外形形状を確実に成形できるようにする。
【0004】
このようにダイクッション能力を制御するために、ダイクッション装置の流体シリンダ内に、上下の大径部と中間の切換部を有するスプールを、ピストンを貫通させて設ける方法が知られている。
この方法では、ピストンのストロークの間、つまり、成形時の一行程中において、第1室および第2室間での流体の流出入を制御手段で制御している。例えば、ダイクッション能力を小さくしたい場合には、第1、第2室を連通させ、第1、第2室内を等圧に維持しながらピストンを移動させ、反対に、ダイクッション能力を大きくしたい場合には、第1、第2室間の連通を遮断し、第2室内での圧縮作用によって成形に必要な反力が確実に生じるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ダイクッション能力を変化させるタイミングは、製品形状、言い換えれば金型によってそれぞれ異なるものである。
しかし、従来のダイクッション装置において使用されるスプールは、それぞれ、所定の長さに形成された切換部およびその両側の大径部を有する一本物で形成されているため、ダイクッション能力を変化させるタイミングが固定されてしまうという問題がある。
そのため、ダイクッション能力を変化させるタイミングを変更したい場合には、その都度、所定のタイミングが得られるようなスプールと交換しなければならず、作業が大掛かりとなるとともに、スプールを交換する間はプレス機械の運転を停止しなければならないので、生産性が悪くなるという問題がある。
また、金型に対応するタイミングを模索する場合においても、数種類のスプールを予め用意しておいて、試打ちの合間にスプールを交換することになり、作業性が悪くなるとともに、生産性も悪くなり、その上、スプールを数種類揃えなければならないので、部品点数が増えるという問題もある。
【0006】
本発明の目的は、ダイクッション能力を変化させるタイミングを容易に調整することができるダイクッション装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用効果】
本発明のダイクッション装置は、シリンダ内を摺動するピストンにより当該シリンダ内に前記ピストンで分割された第1室および第2室を有するダイクッション装置において、前記ピストンのストロークと連動して前記第1室および第2室間での流体の流出入を機械的に制御する制御手段と、この制御手段による前記流体の流出入のタイミングを前記シリンダ外部より調整する調整手段と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
このような本発明では、ピストンのストロークの間、つまり、成形時の一行程中において、第1室および第2室間での流体の流出入を制御手段で制御する。制御手段では、第1、第2室内の流体の流出入をピストンのストロークに連動して機械的に制御するので、第1、第2室を連通させた時や遮断した時の流体の動きが迅速に切り換わり、ダイクッション能力がスムーズに変更されるようになる。そして、シリンダ外部より調整手段によって流体の流出入のタイミングを調整することができるので、上記ダイクッション能力を変化させるタイミングを容易に調整することができる。
【0009】
また、本発明のダイクッション装置では、前記制御手段は、前記シリンダの内部に設けられかつスプールを備えた弁体により構成され、前記調整手段は、前記スプールと前記シリンダとの相対位置を調整可能となっていることが望ましい。このような構成では、スプールとシリンダとの相対位置を調整することで、スプールを交換することなく、ダイクッション能力の大から小、および小から大のタイミングを容易に調整することができ、金型の形状に柔軟に対応することができる。
【0010】
また、本発明のダイクッション装置では、前記制御手段は、前記シリンダの内部に設けられかつスプールを備えた弁体により構成され、前記スプールは、上下の大径部の間に当該大径部より小径の切換部を有して形成され、前記調整手段は、前記切換部の長さを調整可能となっていてもよい。
このような場合には、ダイクッション能力が小である時間を調整することができる。また、切換部の調整をするとともに、その調整量に合わせてスプールとシリンダとの相対位置を調整すれば、ダイクッション能力の小から大へのタイミングのみを変えることができ、これにより、金型の形状により柔軟に対応することができる。
【0011】
さらに、本発明のダイクッション装置では、前記調整手段は、当該調整手段を駆動させる駆動手段を備えていることが好ましい。
このような本発明によれば、駆動手段によって調整手段が駆動されるので、ダイクッション能力を変化させるタイミングの調整作業が容易となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るダイクッション装置1を示す断面図、図2は、ダイクッション装置1の動作を説明するための図である。
【0014】
図1に示すように、ダイクッション装置1は、有底円筒状のシリンダ10と、シリンダ10内で図中上下に摺動する円盤状のピストン20と、シリンダ10およびピストン20を貫通するスプール30とを備えた空圧式である。そして、本実施形態のダイクッション装置1は、スプール30を交換することなく、調整手段2によって、スプール30とシリンダ10との相対位置を変更することで、ダイクッション能力を変化させるタイミングを調整可能とするものである。
【0015】
シリンダ10の上面部11には、ピストン20のロッド21が挿通される挿通孔12の他、前記スプール30を挿通するための挿通孔13が設けられ、また、底面部14にもスプール30を挿通するための挿通孔15が設けられている。
これらの挿通孔13,15には、スプール30と密着してシリンダ10内外のシール性(気密性)を確保するためのシール材16,17が設けられている。
なお、図示を省略するが、同様なシール材が挿通孔12やピストン20回りにも設けられ、シリンダ10内外でのシール性および次に述べる上室18、下室19間での気密性が確保されている。
【0016】
シリンダ10の内部には、ピストン20が降下することで該ピストン20の上方に第1室としての上室18が形成され、また、ピストン20の下方は第2室としての下室19になっている。
底面部14の側方には下室19と連通した入力ポート141が設けられ、この入力ポート141には流路142が接続され、この流路142および入力ポート141を介して空気圧Aが下室19内に作用している。
一方、上面部11には排気ポート131が設けられ、排気ポート131には流路132を介して電磁弁133が設けられている。
流路132,142間にはバイパス流路143が設けられ、バイパス流路143には逆止弁144が設けられている。逆止弁144は、上室18内の空気圧が下室19内の空気圧以上になった時に開き、各室18,19内を空気圧Aに維持する機能を有している。
【0017】
ピストン20のロッド21上部にはダイクッションパッド22が取り付けられ、図示しないプレス機械のスライドの動きにより、このダイクッションパッド22には下向きの外力Pが作用する。
さらに、ピストン20には上室18、下室19を連通させ、かつ内部をスプール30が貫通した連通孔23が設けられ、この連通孔23にはスプール30との間でシールするためのシール材24が設けられている。
【0018】
ピストン20の上室18に臨む上面26の面積は、下室19に臨む下面27の面積よりもロッド21の断面積分だけ小さくなっている。つまり、下面27の受圧面積が上面26の受圧面積よりも大きく、このため、外力Pが作用せずに上室18、下室19内の圧力が空気圧Aに維持されている時には、ピストン20を下降させるように作用する力よりも、ピストン20を上昇させるように作用する力の方が大きくなり、ピストン20が自動的に上昇する。
【0019】
前記スプール30は、シリンダ10の下面にディスタンス36を介して着脱可能に設けられている。
スプール30の上下方向の途中には、他の部位よりも径寸法が小さい切換部31が所定の長さ寸法で形成され、切換部31の位置にピストン20の連通孔23が達した時、上室18と下室19とが連通するようになっている。そして、切換部31の上側が上大径部32、下側が下大径部33になっており、これらの上、下大径部32,33の位置に上記連通孔23が達した時、上室18、下室19が遮断されるようになっている。
【0020】
つまり、本実施形態では、連通孔23を有したピストン20と、切換部31および上、下大径部34,35を有したスプール30とにより、制御手段としての弁体35が構成されている。
なお、切換部31の径寸法、上下寸法、位置、上下端側のR部の形状などは、要求される反力の減衰タイミング、反力を減衰させていたい時間、反力を減衰させたり生じさせたりする際の勢い等を勘案して任意に決められる。
【0021】
また、電磁弁133の位置を切り換えて上室18を大気開放等することにより、上室18内の残留圧縮空気を強制的に排出し、シリンダ10内をもとの圧縮状態に戻すとともに、ピストン20をもとの位置に戻すことが可能である。
さらに、何らかの理由により、ピストン20が最後まで戻らない場合にも、電磁弁133を切り換えて上室18内の空気を排出し、ピストン20をもとの位置に強制的に戻すことができる。
【0022】
以下には、図2を参照し、ピストン20のストロークに伴うダイクッション装置1の動作を説明する。
図2(A):先ず、ピストン20がシリンダ10内の最上部に位置している状態(図1中にも2点鎖線で図示)で、下室19内に空気圧Aを供給しておき、この状態で、例えば薄板材の深絞り成形等を開始し、ダイクッションパッド22上に下向きの外力Pを作用させる。
すると、ピストン20が下降して下室19内が圧縮されることにより、外力Pに対抗する反力が生じるとともに、ピストン20の下降に伴って上記反力が上昇し、ピストン20の上方の上室18は低圧となる。
【0023】
図2(B):次いで、ピストン20が下降し続けると、ピストン20の連通孔23がスプール30の切換部31に達する。そして、ピストン20がスプール30の上大径部32とのシールが完全に解かれる位置に達すると、上室18、下室19が連通し、下室19内で圧縮された空気の一部が連通孔23から瞬時に上室18に移動し、上室18、下室19内が共に空気圧Aに切り換わる。この際、反力も瞬時に減衰する。
【0024】
この後、上室18、下室19内の空気圧Aは若干上昇しながら、ピストン20が下降し続ける。この間の反力は、ピストン20の上面26と下面27との受圧面積の差による上向きの力と、ピストン20が下降して下室19の空気を若干圧縮することによる空気圧の上昇分に応じた力と、空気が下室19から上室18へ移動する際の流体抵抗による力とを含むが、その変化は小さく抑えられる。
【0025】
図2(C):ピストン20が下降し続けると、やがて、連通孔23の下側のシール材24が切換部31を過ぎてスプール30の下大径部33の外周に密着し、上室18、下室19の連通が遮断される。この段階から下室19の圧縮が開始され、反力が再度大きく上昇する。
【0026】
続いて、プレス機械のスライドが最下点まで下がって上昇に転ずると、下室19内の圧力は圧縮状態から空気圧Aに戻ろうとするために、ピストン20が圧縮前の位置に即座に押し上げられ、下室19の体積は増加し、上室18の体積は減少する。
そして、上室18、下室19内の両方がほぼ等しい空気圧に近づくが、前述した受圧面積の差から、ピストン20が自動的に上昇を継続する。その後、ピストン20がスプール30の切換部31に達すると、上室18から下室19への空気の移動を伴い、かつ上室18、下室19内が空気圧Aに維持されながらピストン20は上昇する。
【0027】
この後、ピストン20の上昇途中で連通孔23の上側のシール材24がスプール30の切換部31を過ぎ、スプール30の上大径部32の外周と密着すると、ピストン20が上室18内を圧縮し始める。しかし、この圧縮によって上室18内の圧力が上昇すると同時に逆止弁144が開くため、上室18、下室19が連通してそれぞれの内部が空気圧Aに維持される。このため、ピストン20は反力が小さい状態で図1中の2点鎖線の位置まで、すなわち、ストロークの開始位置まで戻ることになる。
【0028】
以上に述べたように、ピストン20が、図2(A)に示す位置にあるときは反力が大きく、ダイクッション能力は大であり、図2(B)に示す位置にあるときは反力が小さく、ダイクッション能力は小であり、図2(C)に示す位置にあるときは反力が大きく、ダイクッション能力は大である。
そのため、ダイクッション能力が変化するタイミングとしては、図2(A)から図2(B)に移行するタイミング、つまり、大から小になる第1タイミングと、図2(B)から図2(C)に移行するタイミング、つまり、小から大になる第2タイミングとがあることになる。
【0029】
ここで、前記第1タイミングおよび第2タイミングと、プレス機械によって例えば薄板材の深絞り成形を行う場合の成形段階との関係を述べる。
上型が薄板材を押圧し始める初期段階では、図2(A)に示すように、ダイクッション装置での反力を大きくして薄板材を堅固に保持できるようにする。つまり、ダイクッション能力を大にしておく。
第1タイミングが到来して絞りが開始されてからの成形段階では、図2(B)に示すように、反力を小さくして絞りが良好に行われるようにする。つまり、ダイクッション能力を小にする。
第2タイミングが到来して成形が終了する最終段階では、図2(C)に示すように、再度、反力を大きくして外形形状を確実に成形できるようにする。つまり、ダイクッション能力を大にする。このようなタイミングを経ることが成形部品の品質向上のために有益である。
【0030】
第1タイミングと第2タイミングとの時間は、前述のように、プレス機械で用いられる金型により異なるため、成形部品の品質向上を図るには、それぞれの金型に対応させなければならない。そこで、本第1実施形態では、前述のように、スプール30を交換することなく、調整手段2によって、スプール30とシリンダ10との相対位置を変更することができるようにしたものである。
【0031】
図1に示すように、シリンダ10の底面部14の下面には、所定厚さの例えば円筒上の前記ディスタンス36が固定ボルト37により取り付けられており、このディスタンス36の内部には雌ねじ36Aが切られている。
これに対して、スプール30の下部には、上記ディスタンス36の雌ねじ36Aと螺合する雄ねじ30Aが所定距離にわたって切られている。また、スプール30の雄ねじ30Aにはナット38が螺合しており、このナット38を締め付けてシリンダ10に押し付けることにより、ナット38とディスタンス36との協働によるダブルナット効果が生じ、スプール30が所定位置に固定される。
さらに、スプール30の雄ねじ30Aの下方には突出部30Bが形成されており、この突出部30Bには二面幅30Cが形成されている。そして、二面幅30Cにスパナ等を係合させて回すと、スプール30が回り、相対位置L1が変わるようになっている。このように、本実施形態では、シリンダ10の外部から相対位置L1の変更が可能となっている。
そして、前記スプール30の雄ねじ30A、ディスタンス36およびナット38を含んで前記調整手段2が構成されている。
【0032】
ここで、シリンダ10とスプール30との相対位置L1を変えるには、まず、ナット38を緩めておいて、二面幅30Cにスパナ等を係合させて一方方向に回すと、スプール30の雄ねじ30Aとディスタンス36の雌ねじ36Aとが螺合していることから、スプール30がシリンダ10に対して上下いずれかの方向に移動し、シリンダ10とスプール30との相対位置L1が変わる。調整が終了した時点で、ナット38を締め付ければその位置でスプール30が固定される。
これにより、第1タイミングと第2タイミングとが変化する。しかし、切換部31の長さは同じであるため、第1タイミングと第2タイミングとのピストン位置の間隔は同じである。
【0033】
このような本第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1) スプール30がシリンダ10内に設けられ、かつ、シリンダ10の底面部14の下面側からスプール30を回すことで、当該スプール30とシリンダ10との相対位置L1を変更することができる。その結果、スプール30を交換することなく、ダイクッション能力の大から小、および小から大のタイミングを容易に調整することができ、金型の形状に柔軟に対応することができる。
【0034】
(2) スプール30のシリンダ10に対する相対位置L1の変更の調整をシリンダ10の底面部14の下面、つまりシリンダ10の外部で行うことができるので、調整作業が容易である。
(3) スプール30とシリンダ10との相対位置L1の変更は、スプール30の雄ねじ30Aとディスタンス36の雌ねじ36Aとが螺合していることから、スプール30の下端の二面幅30Cにスパナ等を係合させて回すだけで行うことができ、構造が簡単であり、調整作業も容易である。
【0035】
(4) スプール30が、切換部31とその上方の上大径部32および下方の下大径部33で形成されているので、ピストン20の一行程中にダイクッション能力(反力)を切り換えることができ、特に成形の開始時には反力を大きくし、途中では反力を小さくし、終盤では反力を再度大きくすることにより、ブランクホルダ等による薄板材の保持具合を変化させることができ、例えば、薄板材の深絞り成形等に良好に対応できる。
【0036】
(5) ダイクッション能力の切り換えは、シリンダ10内に設けられてピストン20を貫通するスプール30により、ピストン20のストロークに連動して機械的に行われるため、切り換え時のタイムラグを生じにくくでき、反力Fの切り換えを瞬時に行うことができる。
(6) ダイクッション能力の切り換えは、シリンダ10内のスプール30によって行われるので、シリンダ10の外部に複雑な機構を設ける必要がなく、構造を簡略化できる。
【0037】
(7) スプール30は、ピストン20を貫通することで当該ピストン20のガイド部材を兼用するので、ピストン20の上下方向の摺動をより確実かつスムーズにできる。
(8) ピストン20は円盤状とされ、下面27の受圧面積が上面26の受圧面積よりもロッド21の断面積分だけ大きいため、外力Pが作用しないことで上室18、下室19内の圧力が同じになっている時には、ピストン20を自動的に上昇させることができ、特別な上昇機構を不要にして構造をさらに簡略化できる。
【0038】
(9) 流路132,142間のバイパス流路143には逆止弁144が設けられているため、上室18内の空気圧が下室19内の空気圧以上になった時に逆止弁144を開放させることができる。このため、ピストン20がもとの位置に戻ろうとする時に上室18内の空気が圧縮されても、上室18内の空気圧を排圧して流路132側に逃がすことができるので、実質的には上室18内の空気を圧縮させることなく、上室18、下室19内を空気圧Aに維持でき、上室18が略完全になくなるまでピストン20を最上位置に確実に上昇させることができる。
(10) シリンダ10には、上室18内の残留空気を強制的に排気する電磁弁133が設けられているので、ピストンの下降、上昇の1サイクルが終了後に上室18内の残留空気を排気させ、最初の状態(押上力大)に戻すことができる。また、万が一残留空気が悪さしてピストン20が最上位置まで戻らない場合でも、電磁弁133を切り換えて残留空気を排気でき、不具合回避を迅速に行える。
【0039】
〔第2実施形態〕
図3には、本発明の第2実施形態が示されている。
この実施形態では、調整手段3によってシリンダとスプールとの相対位置を変えるとともに、スプールの切換部の長さ寸法を変えて、ダイクッション能力を変化させるタイミングを調整することができるようにしたものである。
なお、図3において、前記第1実施形態と同一機能部材には同じ符号を付し、ここでの詳細な説明を省略または簡略化する。また、後に説明する他の実施形態や変形形態でも同じであり、さらに、後に説明する各実施形態同士でも同じである。
【0040】
本実施形態のスプール40は、上スプール44および下スプール45を含んで構成されている。上スプール44は上大径部42と切換部41とを有して形成され、上大径部42と切換部41とは所定の傾斜で連続されている。上大径部42と切換部41との外径寸法は、前記第1実施形態のスプール30の上大径部32および切換部31の外径寸法とほぼ同じとなっている。
【0041】
上スプール44の切換部41の下スプール45側端部には、上スプール44の軸線に沿って雌ねじ41Aが切られている。一方、下スプール45の下端に形成された凹部45Cからワッシャ49を介して固定ボルト48が差し込まれ、この固定ボルト48の雄ねじ48Aが雌ねじ41Aに螺合することにより、上スプール44と下スプール45とが連結され、1個のスプール40が構成されるようになっている。
【0042】
下スプール45は、鍔部45Aを有するパイプ状部材で形成されており、鍔部45Aは、シリンダ10の底面部14の下面にディスタンス46を介して、固定ボルト47により取り付けられている。下スプール45の外径は、前記スプール30の下大径部33の寸法とほぼ同じとされてスプール40の下大径部43を形成している。
【0043】
下スプール45の上部には切換部41側に向かって先細りとなる傾斜部45Bが形成され、ダイクッション能力の切り替えがスムーズに行われるようになっている。また、下スプール45の内部にはシール28が設けられ、切換部41がシールされている。
下スプール45の内部には、固定ボルト48の外周に被せられてスペーサパイプ51が設けられ、また、下スプール45の鍔部45Aには、固定ボルト48の落下を防止するためにボルト押え52がビス53により取り付けられている。
そして、前記ディスタンス46、固定ボルト48およびスペーサパイプ51を含んで前記調整手段3が構成されている。
【0044】
このような第2実施形態において、スプール40の切換部41の長さ寸法L2を調整するには、ボルト押え52を取り外した後、固定ボルト48を上スプール44の切換部41から取り外しておいて、現在のスペーサパイプ51に換えて、長さの異なる別のスペーサパイプを固定ボルト48に被せ、この固定ボルト48を再度切換部41にねじ止めする。そして、ボルト押え52を取り付けて固定ボルト48の落下防止を行う。
【0045】
ここで、切換部41の長さ寸法L2を短くしたい場合には、長さの短いスペーサパイプを使用すればよく、また、切換部41の長さ寸法L2を長くしたい場合には、長さの長いスペーサパイプを使用すればよい。このように長さ寸法L2を調整することで、ダイクッション能力の「小」の状態を保持するピストン位置が調整される。
【0046】
また、シリンダ10とスプール40との相対位置L1の調整は、ディスタンス46の厚さTを変えることにより行われる。この場合、厚さTの異なるディスタンスを複数準備しておくと好都合である。このようにディスタンス46を換えて相対位置L1を調整することで、第1タイミングと第2タイミングとが、共に同じ方向に同じ距離だけ調整される。
以上のように、切換部41の長さ寸法L2と、相対位置L1の調整を行えることから、例えば、スペーサパイプ51の長さを短くする調整量と、ディスタンス46の厚さTを薄くする調整量を同じにすることで、第2タイミングのみを早めることができる。
【0047】
以上の第2実施形態によれば、前記(2) 、(4) 〜 (10) と同様の効果の他、次のような効果がある。
(11) スプール40の切換部41の長さ寸法L2の調整、およびシリンダ10とスプール40との相対位置L1の調整をそれぞれ別個に行うことができる。従って、スプール40を交換することなく、ダイクッション能力の「小」の状態のみを調整することができるとともに、ダイクッション能力の大から小、および小から大のタイミングを容易に調整することができ、金型の形状に柔軟に対応することができる。
(12) スプール40の切換部41の長さ寸法L2の調整は、予め正確に寸法設定された長さの異なるスペーサパイプ51をその都度交換すればよいので、調整が容易である。
(13) シリンダ10とスプール40との相対位置L1の調整は、予め正確に寸法設定された厚さの異なるディスタンスをその都度交換すればよいので、調整が容易である。
【0048】
〔第3実施形態〕
図4には、本発明の第3実施形態が示されている。
この実施形態では、調整手段4によって上スプールを回転させて切換部の長さ寸法L2を調整するとともに、ディスタンスを交換して相対位置L1を調整するものである。
【0049】
すなわち、スプール60は、上スプール64と下スプール65とを含んで構成されている。上スプール64は、上大径部62と切換部61とを有して形成され、切換部61は、下スプール65を貫通する長さに形成されている。
切換部61の下部には雄ねじ61Aが所定長さにわたって切られ、雄ねじ61Aの下方端部には突出部61Bが形成されるとともに、突出部61Bには二面幅61Cが形成されている。
【0050】
下スプール65は、鍔部65Aを有するとともに内部に雌ねじ65Cが切られ、この雌ねじ65Cと前記雄ねじ61Aとが螺合することにより、上スプール64と下スプール65とが連結されてスプール60が形成されている。
下スプール65の外径は、スプール60の下大径部63を形成しており、下スプール65の上部には、切換部61側に向かって先細りとなる傾斜部65Bが形成されている。また、切換部61の雄ねじ61Aにはナット67が螺合され、このナット67は、下スプール65の雌ねじ65Cとの協働により、ダブルナットの役割を果たせるようになっている。
そして、前記ディスタンス46、スプール60の雄ねじ61Aと下スプール65の雌ねじ65C、およびナット67を含んで前記調整手段4が構成されている。
【0051】
ここで、切換部61の長さ寸法L2を短くしたい場合には、ナット67を緩めておいて、上スプール64の突出部61Bの二面幅61Cにスパナ等を係合させて、ナット67を緩める方向と同一方向に回すと、上スプール64の雄ねじ61Aと下スプール65の雌ねじ65Cとが螺合していることから、上スプール64が下スプール65に対して下方に移動することになる。長さ寸法L2の設定が終了した後、ナット67を締め付けることにより、切換部61が固定される。
長さ寸法L2を長くしたい場合には、上スプール64を上記と逆方向に回せばよい。
【0052】
また、シリンダ10とスプール60との相対位置L1の調整は、前記第2実施形態と同様に、ディスタンス46を交換することにより行われる。このように距離L1を調整することで、第1タイミングと第2タイミングとが、共に同じ方向に同じ時間だけ調整される。
以上のように、切換部61の長さ寸法L2と、相対位置L1の調整を行えることから、例えば、上スプール64の切換部61の長さを短くする調整量と、ディスタンス46の厚さTを薄くする調整量を同じにすることで、第2タイミングのみを早めることができる。
【0053】
このような第3実施形態によれば、前記(2) 、(4) 〜(11) 、(13) と同様の効果の他、次のような効果がある。
(14) スプール60の切換部61の長さ寸法L2の変更は、スプール60の雄ねじ61Aと下スプール65の雌ねじ65Cとが螺合していることから、スプール60の下端の二面幅61Cにスパナ等を係合させて回すだけで行うことができ、作業が容易である。
【0054】
〔第4実施形態〕
図5には、本発明の第4実施形態が示されている。
この実施形態では、スプールを上スプールおよび下スプールで構成し、調整手段5によって両スプールとも個別に回転させ、切換部の長さ寸法L2および相対位置L1を調整するものである。
【0055】
スプール70は、上スプール74と下スプール75とを含んで構成されており、上スプール74は、前記第3実施形態の上スプール64とほぼ同じ形状に形成されている。この上スプール74の切換部71の下部には、雄ねじ71Aが所定長さにわたって切られ、雄ねじ71Aの下方端部には突出部71Bが形成されるとともに、突出部71Bには二面幅71Cが形成されている。
【0056】
下スプール75の外径部は、スプール70の下大径部73を形成しており、その上部には、切換部71側に向かって先細りとなる傾斜部75Bが形成されている。下スプール75の下部外周には雄ねじ75Aが切られ、この雄ねじ75Aは、ディスタンス77の内部に切られた雌ねじ77Aに螺合されており、このディスタンス77は、固定ボルト47によりシリンダ10の底面部14の下面に取り付けられている。
また、雄ねじ75Aにはナット78も螺合され、このナット78は、ディスタンス77との協働によりダブルナットの役割を果たせるようになっている。
【0057】
下スプール75の内径部には前記切換部71の雄ねじ71Aと螺合する雌ねじ75Cが切られている。また、切換部71の雄ねじ71Aにはナット67が螺合しており、このナット67は、下スプール75の雌ねじ75Cとの協働によりダブルナットの役割を果たせるようになっている。
そして、前記切換部71の雄ねじ71Aと下スプール75の雌ねじ75C、ナット67、前記下スプール75の雄ねじ75A、ディスタンス77の雌ねじ77Aおよびナット78を含んで前記調整手段5が構成されている。
【0058】
ここで、切換部71の長さ寸法L2を短くしたい場合には、ナット67を緩めておいて、切換部71の二面幅71Cにスパナ等を係合させて、ナット67を緩める方向と同一方向に回すと、切換部71の雄ねじ71Aと下スプール75の雌ねじ75Cとが螺合していることから、切換部71、つまり上スプール74が下スプール75に対して下方方向に移動することになる。長さ寸法L2を所定の設定値に設定した後、ナット67を締め付けることにより上スプール74が固定される。また、長さ寸法L2を長くしたい場合には、上スプール74を上記と逆方向に回せばよい。
【0059】
また、シリンダ10とスプール70との相対距離L1の調整は、ナット67を締め付けた状態でナット78を緩めておいて、切換部71の二面幅71Cにスパナ等を係合させて一方方向に回すと、下スプール75の雄ねじ75Aとディスタンス77の雌ねじ77Aとが螺合していることから、スプール70全体がシリンダ10に対して上下方向に移動することになる。
【0060】
以上のように、切換部71の長さ寸法L2と、相対位置L1の調整を行えることから、例えば、上スプール74の切換部71の長さを短くする調整量と、下スプール75の調整量とを同じにすることで、第2タイミングのみを早めることができる。
【0061】
このような第4実施形態によれば、前記(2) 〜(11) 、(14) と同様の効果を得ることができる。
【0062】
〔第5実施形態〕
図6には、本発明の第5実施形態が示されている。
この実施形態では、調整手段6によって、上スプールと下スプールとを個別に回転させ、スプールの切換部の長さを調整し、シリンダとスプールとの相対位置を変えるものである。
【0063】
スプール80は、上スプール84と下スプール85とを含んで構成されており、両スプール84,85は、前記第4実施形態の上スプール74、下スプール75とほぼ同じ大きさ、形状に形成されている。上スプール84は、上大径部82と切換部81とを有して形成され、切換部81の下部には雄ねじ81Aが所定長さにわたって切られ、雄ねじ81Aの下方端部には突出部81Bが形成されている。
【0064】
下スプール85の外径部は、スプール80の下大径部83を形成しており、下スプール85の上部には切換部81側に向かって先細りとなる傾斜部85Bが形成されている。また、下スプール85の下部内周には雌ねじ85Aが切られ、この雌ねじ85Aは、前記上スプール84の切換部81の雄ねじ81Aと螺合され、これにより、上スプール84と下スプール85とが連結されている。
下スプール85の下部途中には鍔部85Cが形成され、この鍔部85Cの下方外周には、複数の、例えば4箇所に凹部85Dが形成されており、これらの凹部85Dには、下スプール85を回すための棒状のハンドル86がそれぞれ係合可能となっている。
【0065】
下スプール85の鍔部85Cは、前記ディスタンス46と押え部材87とにより挟み込まれた状態となっており、これにより、下スプール85は上下方向への移動が規制されていることになる。
また、シリンダ10の底面部14の下面には、上スプール84の回り止めを行う回り止め機構88が設けられている。この回り止め機構88は、脚部材88Aと回り止め部材88Bとを含んで構成され、回り止め部材88Bは、上スプール84の突出部81Bに係合可能となっている。
【0066】
すなわち、回り止め部材88Bの先端側には、突出部81Bの外周に沿った半円状の係合部88Cが形成されるとともに、この係合部88Cには、突出部81Bに対して進退可能に固定ボルト89が設けられている。固定ボルト89は、突出部81Bに形成されたノッチと係合して上スプール84の回転を防止することができるようになっている。
また、回り止め部材88Bは、図略の機構により、図6の紙面向こう側に所定角度回動可能となっており、上スプール84を上下動させる際は、上スプール84から離されるようになっている。
そして、前記ディスタンス46、スプール80の雄ねじ81Aと下スプール85の雌ねじ85A、ハンドル86および回り止め機構88を含んで前記調整手段6が構成されている。
【0067】
ここで、切換部81の長さ寸法L2を短くしたい場合には、回り止め機構88の回り止め部材88Bを上スプール84の突出部81Bから離しておいて、下スプール85の凹部85Dにハンドル86を差し込むとともに、下スプール85を前記切換部81から抜く方向に回す。すると、下スプール85は上下方向への移動が規制されているが、下スプール85の雌ねじ85Aが上スプール84の切換部81の雄ねじ81Aと螺合しているので、上スプール84が下方に移動し、これにより、長さ寸法L2が短くなる。また、切換部81の長さ寸法L2を長くしたい場合には、上スプール84を上記と逆方向に回せばよい。
【0068】
また、シリンダ10とスプール80との相対位置L1の調整は、まず、回り止め部材88Bを上スプール84の突出部81Bから離しておくとともに、下スプール85の凹部85Dからハンドル86を取り外した状態で、固定ボルト47を取り外して押え部材87を取り外す。
次いで、スプール80全体を下方へずらし、鍔部85Cによる押さえを緩め、半割り状態のディスタンス46をシリンダ10の底面部14から取り外す。
【0069】
その後、現在のディスタンス46に替えて、距離L1が所定の寸法となるようなディスタンスを用意し、そのディスタンスを固定ボルト47により押え部材87と共に底面部14に固定する。
【0070】
以上のように、切換部81の長さ寸法L2と、シリンダ10とスプール80との相対位置L1の調整を行えることから、例えば、切換部81の長さを短くする調整量と、ディスタンス46の厚さTを薄くする調整量とを同じにすることで、第2タイミングのみを早めることができる。
【0071】
このような第5実施形態によれば、前記(2) 、(4) 〜(11) と同様の効果の他、次のような効果がある。
(15) スプール80の切換部81の長さ寸法L2の変更は、スプール80の雄ねじ81Aと下スプール85の雌ねじ85Cとが螺合していることから、下スプール85の凹部85Dにハンドル86を差し込んで回すだけで行うことができ、作業が容易である。
【0072】
〔第6実施形態〕
図7には、本発明の第6実施形態が示されている。
この実施形態では、スプールの切換部の長さ寸法、およびシリンダとスプールとの相対位置を、駆動手段を備えた調整手段7によって行うものである。
【0073】
駆動手段107は、ウォーム102と第1ウォームホイル101との噛合、回転により上スプール94の切換部91の長さ寸法L2の調整を行う第1の駆動機構108と、ウォーム102と第2ウォームホイル106との噛合、回転により下スプール95を上下移動させてスプール90の相対位置L1の変更を行う第2の駆動機構109とを含み構成されている。
【0074】
スプール90は、上スプール94と下スプール95とを含んで構成されている。上スプール94は、上大径部92と切換部91とを有して形成され、切換部91の下部には雄ねじ91Aが所定長さにわたって切られている。
下スプール95の外径部は、スプール90の下大径部93を形成しており、その上部には、切換部91側に向かって先細りとなる傾斜部95Bが形成されている。また、下スプール95の下部外周には、雄ねじ95Aが切られている。そして、この雄ねじ95Aは、前記ディスタンス77の内周に切られた雌ねじ77Aに螺合されている。
【0075】
ディスタンス77の下部には第2のケース98が取り付けられ、この第2のケース98の下部には第1のケース96が取り付けられている。
第2のケース98は所定厚さの円筒部材で形成されており、ディスタンス77側に、ディスタンス77の雌ねじ77Aの径より大きな内径の第2凹部99が形成されている。
【0076】
第1のケース96は有底の所定厚さの円筒部材で形成され、底部には前記切換部91の雄ねじ91Aと螺合可能な雌ねじ96Aが切られている。また、第1のケース96には、第2のケース98側上面に、前記第2凹部99と同じような形状の第1凹部97が形成されている。
【0077】
前記切換部91の雄ねじ91Aの上方には、所定長さ寸法のキー溝91Bが形成されている。このキー溝91Bには、前記第1凹部97において、切換部91の外周に設けられた第1ウォームホイル101のキー101Aが係合している。この第1ウォームホイル101は、キー101Aによって上スプール94と共回りしながら、上スプール94に対し相対的に上下方向に移動可能となっているが、第1ウォームホイル101が、第2のケース98と第1凹部97により上下方向への移動を規制されていることから、上スプール94が回転したとき、雄ねじ91Aと第1のケース96の雌ねじ96Aとの螺合により、上スプール94がキー101Aの長さ分だけ、上下方向に移動できるようになっている。
また、第1ウォームホイル101には、ウォーム102が噛合されており、このウォーム102は第1のケース96の外側に延びる軸102Aを介して第2歯車103に連結されている。
【0078】
第2歯車103は、駆動源であるモータ104の主軸に設けられた第1歯車105に噛合されている。従って、モータ104を駆動させると、その回転が、第1歯車105、第2歯車103を経由してウォーム102に伝達され、さらにこのウォーム102から第1ウォームホイル101に伝達されて第1ウォームホイル101を回転させるようになっている。
そして、前記第1ウォームホイル101から続き番号で第1歯車105までの各部材で、前記駆動手段107を構成する第1の駆動機構108が構成されている。
【0079】
下スプール95の雄ねじ95Aの下方には、所定長さ寸法のキー溝95Cが形成されている。このキー溝95Cには、前記第2凹部99において、下スプール95の外周に設けられた第2ウォームホイル106のキー106Aが係合している。この第2ウォームホイル106は、キー106Aによって下スプール95と共回りしながら、下スプール95に対し相対的に上下方向に移動可能となっているが、第2ウォームホイル106が、ディスタンス77と第2凹部99により上下方向への移動を規制されていることから、下スプール95が回転したとき、雄ねじ95Aとディスタンス77の雌ねじ77Aとの螺合により、下スプール95がキー溝106Aの長さ分だけ、上下方向に移動できるようになっている。
【0080】
また、第2ウォームホイル106には、前記ウォーム102が噛合されており、このウォーム102は、第2のケース98の外側に延びる軸102Aを介して第2歯車103に連結されている。
そして、前記第2ウォームホイル106、ウォーム102、軸102A、第2歯車103、モータ104および第1歯車105を含んで、前記第1の駆動機構108とともに前記駆動手段107を構成する第2の駆動機構109が構成されている。
そして、前記スプール90の雄ねじ91Aと第1ケース96の雌ねじ96A、下スプール95の雄ねじ95A、ディスタンス77の雌ねじ77Aおよび駆動手段107を含んで前記調整手段7が構成されている。
【0081】
ここで、切換部91の長さ寸法L2の調整は、第1の駆動機構108の第1ウォームホイル101を回転させ、上スプール94を、第1ケース96の雌ねじ96Aに沿って上下方向へ移動させることにより行われる。
【0082】
シリンダ10とスプール90との相対位置L1の調整は、第2の駆動機構109の第1ウォームホイル106を回転させ、下スプール95を、ディスタンス77の雌ねじ77Aに沿って上下方向へ移動させることにより行われる。
【0083】
このような第6実施形態によれば、前記(2) 、(4) 〜(11) と同様の効果の他、次のような効果がある。
(16) スプール90の切換部91の長さ寸法L2の調整、およびシリンダ10とスプール90との相対位置L1の調整を駆動手段107によって行えるので、調整作業が楽であり、かつ、遠隔操作が可能になる。
【0084】
〔第7実施形態〕
図8には、本発明の第7実施形態が示されている。
この実施形態では、前記第4実施形態における切換部71の調整、およびシリンダ10とスプール70との相対位置の調整を、プーリおよびベルトを用いた駆動手段127で行うものである。
【0085】
上スプール74の切換部71の下端には、固定ボルト117によって第1プーリ118が取り付けられており、この第1プーリ118には、図示しないモータにより駆動されるベルト119が掛け回されている。
そして、これらの第1プーリ118とベルト119とにより、第1の駆動機構128が構成されている。
【0086】
また、下スプール75の下端には、固定ボルト117によって第2プーリ120が取り付けられており、この第2プーリ120には、図示しないモータにより駆動されるベルト119が掛け回されている。なお、第2プーリ120の内径は、下スプール75の雄ねじ75Aを挿通させる大きさに形成されている。
そして、これらの第2プーリ120とベルト119とにより、第2の駆動機構129が構成され、前記第1の駆動機構128および第2の駆動機構129により、前記駆動手段127が構成されている。
【0087】
切換部71の長さ寸法L2の調整は、第1の駆動機構128のプーリ118を回転させ、上スプール74を、下スプール75の雌ねじ75Cに沿って上下方向へ移動させることにより行われる。
【0088】
シリンダ10とスプール70との相対位置L1の調整は、上スプール74の回転を停止した状態で、第2の駆動機構129のプーリ120を回転させ、下スプール75を、ディスタンス77の雌ねじ77Aに沿って上下方向へ移動させることで行われる。
なお、本実施形態では、第1プーリ118とベルト119および第2プーリ120とベルト119とで動力を伝達しているが、スプロケットとチェーンとを用いて動力を伝達する構成としてもよい。
【0089】
このような第7実施形態によれば、前記(2) 、(4) 〜(11) 、(16) と同様の効果の他、次のような効果がある。
(17) 駆動手段107は、上スプール74の端部に第1プーリ118、下スプール75の端部に第2プーリ120を取り付け、それぞれをベルト119で回転させる構造なので、前記第6、第7実施形態の駆動手段107,117がモータ104や、ウォーム102等を備えて構成されている構造に比べて、簡単な構造である。
【0090】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記第6、第7実施形態では、駆動手段107,117として、モータ104でウォーム102を回転させて、ウォームホイル101,106および111,116を回転させているが、これに限らず、ウォーム102にハンドルを連結させ、このハンドルを手で回すことによりウォーム102、ウォームホイル101等を回すようにしてもよい。このようにすれば、モータや歯車が不要となるので、構造が簡単となり、経費の節減も図れる。
【0091】
また、前記各実施形態では、ピストン20によって上室18と下室19とに分けられるシリンダ10が適用されているが、本発明は、これに限定されない。図示はしないが、例えば、隔壁部によってシリンダを第1シリンダ、第2シリンダに分け、それぞれのシリンダにダイクッション装置を設けた多段ダイクッション装置とすることもできる。
この多段ダイクッション装置によれば、例えば、第1シリンダでは第1室と第2室とを連通し、第2シリンダでは第1室と第2室とを遮断するというような調整が可能であり、多彩なダイクッション能力の調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイクッション装置の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】前記第1実施形態のダイクッション装置の動作を説明するための図である。
【図3】本発明のダイクッション装置の第2実施形態の要部を示す縦断面図である。
【図4】本発明のダイクッション装置の第3実施形態の要部を示す縦断面図である。
【図5】本発明のダイクッション装置の第4実施形態の要部を示す縦断面図である。
【図6】本発明のダイクッション装置の第5実施形態の要部を示す縦断面図である。
【図7】本発明のダイクッション装置の第6実施形態の要部を示す縦断面図である。
【図8】本発明のダイクッション装置の第7実施形態の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】1…ダイクッション装置、2〜9…第1実施形態〜第7実施形態の調整手段、10…シリンダ、18…第1室である上室、19…第2室である下室、20…ピストン、26…受圧面である上面、27…受圧面である下面、30…制御手段である弁体の一部を構成するスプール(第1実施形態)、31…切換部、32,33…大径部、35…制御手段である弁体、40,60,70,80,90…制御手段である弁体の一部を構成するスプール(第2〜7実施形態)、107…駆動手段。
Claims (4)
- シリンダ(10)内を摺動するピストン(20)により前記シリンダ(10)内に前記ピストン(20)で分割された第1室(18)および第2室(19)を有するダイクッション装置(1)において、
前記ピストン(20)のストロークと連動して前記第1室(18)および第2室(19)間での流体の流出入を機械的に制御する制御手段(35)と、
この制御手段(35)による前記流体の流出入のタイミングを前記シリンダ(10)外部より調整する調整手段(2)とを備えている
ことを特徴とするダイクッション装置(1)。 - 請求項1に記載のダイクッション装置(1)において、
前記制御手段(35)は、前記シリンダ(10)の内部に設けられかつスプール(30)を備えた弁体(35)により構成され、前記調整手段(2)は、前記スプール(30)と前記シリンダ(10)との相対位置を調整可能となっていることを特徴とするダイクッション装置(1)。 - 請求項1または請求項2に記載のダイクッション装置(1)において、前記制御手段(35)は、前記シリンダ(10)の内部に設けられかつスプール(30)を備えた弁体(35)により構成され、前記スプール(30)は、上下の大径部(32)、(33)の間に当該大径部(32)、(33)より小径の切換部(31)を有して形成され、前記調整手段(2)は、前記切換部(31)の長さを調整可能となっていることを特徴とするダイクッション装置(1)。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のダイクッション装置(1)において、前記調整手段(2)は、当該調整手段(2)を駆動させる駆動手段(107)を備えていることを特徴とするダイクッション装置。
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JP2002230268A JP4225750B2 (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | ダイクッション装置 |
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