JPH0744351Y2 - 多段圧力式液圧作動加工機 - Google Patents

多段圧力式液圧作動加工機

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JPH0744351Y2
JPH0744351Y2 JP1988088997U JP8899788U JPH0744351Y2 JP H0744351 Y2 JPH0744351 Y2 JP H0744351Y2 JP 1988088997 U JP1988088997 U JP 1988088997U JP 8899788 U JP8899788 U JP 8899788U JP H0744351 Y2 JPH0744351 Y2 JP H0744351Y2
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hydraulic
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、低圧側圧力回路を介して圧力源に連結された
圧力作動室を有する、工具を被加工物方向に移動させて
これを加工する液圧作動加工機に関する。
〔従来技術と考案が解決しようとする課題〕
歯車などの回転体を回転軸に取り付けてトルクを伝える
場合に、一般的にはキーが用いられるが、より強固にト
クルを伝達するためにスプラインなどが用いられる。例
えば、FFオートマチック車のトランスミッションにおい
て駆動軸から終減速装置(デフ)にトルクを伝達する歯
車部品はこの駆動軸にスプライン結合される。すなわ
ち、駆動軸の所定部位には軸線方向に沿って(数多くの
キーを軸と一体的に形成したような形状に)数十条の凹
凸が設けられ、一方、歯車部品にはその回転軸線方向に
駆動軸のスプライン(軸)が適合するようにスプライン
(穴)が形成され、これにより両者が結合される。
この歯車部品にスプライン(穴)を形成する場合、量産
ラインにおいて高精度且つ高能率に複雑形状のスプライ
ンを加工するという観点から、多数の歯を有する棒状の
ブローチ(工具)をその軸線方向に移動させて内径スプ
ラインを加工する、いわゆるブローチ加工により行われ
る。しかして、スプラインが形成されたこれらの歯車部
品(半製品)は熱処理炉内でその材質を調整するため、
第5図に示す如く串刺し状に炉内に並べられて熱処理が
行われる。
この際、当該半製品の形状,局所的残留応力あるいは熱
処理姿勢などの影響から冷却速度が不均一となり易く、
焼入後には第6図に示す如くスプライン入口付近が先細
穴形状となり、上記駆動軸と歯車部品とをスプライン軸
穴嵌合(圧入)する際に、この歪Sによりスプライン穴
の円筒度が損なわれているため圧入不足や組付精度低下
などの問題が生じ易い。現状では、半製品を第4図に示
す如く段付小径部が下方にくる逆さの姿勢状態で炉内に
並べ熱処理を行うなど当該歪の量を少しでも少なくし得
るような策を講じて対処している。しかしながら、半製
品をこのような姿勢に並べるために作業工数の増大や炉
内の収容量の減少に伴う作業能率の低下などの不利益・
不都合を被っている。このため、これらの問題を抜本的
に解消し得る解決策が望まれていた。
ところで、例えば横断面はスプライン形状であり、縦断
面は円錐台形状であるテーパ状工具を熱処理前の半製品
のスプライン穴に所定量だけ押し込んで塑性加工を行い
熱処理歪に応じた量だけ予め外方にラッパ状に拡径して
おけば、熱処理後の歪量と当該加工量とが相殺され少な
くともスプライン穴の円筒度は補償される(第3図参
照)。
このように熱処理前に半製品に所定の前加工を加えるこ
とで、上記従来の問題は解決されることができる。
しかしながら、単にテーパ状工具を被加工物(半製品)
に対して一定のストロークで押し込むと、スプライン穴
自体が精度的なバラツキを有することもあり、当該工具
が被加工部分に接触(加工開始)してから加工を終了す
るまでの実質的な加工ストロークは当然に個々に変動
し、加工量が一定とならない結果、熱処理後のスプライ
ン穴の円筒度が保証され得ないという問題がある。
なお、実開昭58−150417号公報には、ピストンストロー
クを調節可能な油圧作動機が開示されているが、これは
外部からストロークエンド位置を単に変化・設定するこ
とができるにすぎず、被加工物に応じて実質的な加工ス
トロークを常に一定にし得るというものではない。
以上の点に鑑み本考案においては、スプライン穴自体の
精度に依存せずに実質的加工ストロークが一定である均
一な量の例えばラッパ状加工を各被加工物に施すことが
可能である、従ってこれによりその後に行う従来の熱処
理に伴う不都合などを回避できると共にスプライン穴の
円筒度を所定に維持できる、多段圧力式液圧加工機を提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、本考案による多段圧力式液
圧作動加工機は、液圧シリンダ装置に作動液を供給する
ことによって工具を被加工物方向に移動させて該被加工
物を加工する液圧作動加工機において、該液圧シリンダ
に作動液を低圧で供給可能な低圧圧力回路と、該低圧圧
力回路によって該液圧シリンダ装置に作動液が供給され
該工具が該被加工物に接触したことが接触検出手段によ
って検出された後に、該液圧シリンダ装置に予め定めら
れた所定量の作動液を高圧でさらに供給可能な高圧圧力
回路とを備えたことを特徴とする。
〔作用〕
前述の多段圧力式液圧作動加工機は、低圧圧力回路が液
圧シリンダに作動液を低圧で供給することによって工具
が被加工物に接触し、接触検出手段によってこの接触が
検出された後に、高圧圧力回路が液圧シリンダ装置に予
め定められた所定量の作動液を加工に十分な高圧でさら
に供給することによって、作動液の供給量に比例してス
トロークが大きくなる液圧シリンダが工具をさらに所定
ストロークだけ確実に移動させ、それにより被加工物が
加工されるために、被加工物の加工ストロークが一定と
なる。
〔実施例〕
本考案の実施例について図面を参照して説明する。
第1図は本考案に係る多段圧力式液圧作動加工機の一実
施例を示し、第2図はこれを駆動するための回路の一例
を示す。第1図において、1はC形フレーム、2はC形
フレーム1に固定された被加工物位置決め用治具、3は
治具2に取付けられた被加工物、4は被加工物3を加工
する工具、5はC形フレーム1の上部側に取付けられた
工具4を上下に駆動する油圧シリンダである。油圧シリ
ンダ5のピストンロッド6先端には、ピストンロッド6
の移動方向に平行に移動自在に軸支された一組の案内棒
7から成る公知の回り止め機構8が取付けられ、さらに
ピストンロッド6前方(図では下方)には同軸的に工具
4が取付けられる。
ここで第2図の作動回路図を参照するに、図示しない油
タンク・油圧ポンプ・モータなどで構成される油圧源10
で発生された高圧の油圧は減圧弁11で所定の低圧(例え
ば7kg/cm2)に減圧され、方向制御弁12のPポートに連
結される。方向制御弁12は両ソレノイド方式の3位置4
ポート弁(プレッシャ・クローズド・センタ)であり、
Rポートはドレンに連結され、Aポートは回路13、逆止
弁14、及び回路15を介して油圧シリンダ5の第1圧力作
動室5aに連結され、Bポートは、回路16、(逆止手段を
構成する)逆止弁17、及び回路18を介して油圧シリンダ
5の第2圧力作動室5bに連結される。方向制御弁12のソ
レノイド12aの励磁時には弁が切換わり、PポートはB
ポート、AポートはRポートにそれぞれ連通し、ソレノ
イド12bの励磁時には弁が切換わり、PポートはAポー
ト、BポートはRポートにそれぞれ連通する。両ソレノ
イド12a,12bの非励磁時には図示の中央位置(ばねセン
タ)にあり、Pポートは封止され、Aポート及びBポー
トはRポートに連通する。逆止弁14,17はパイロット操
作逆止弁であり、逆止弁14には回路18からのパイロット
圧がかかり、逆止弁17には回路15からのパイロット圧が
かかるようにしてあり、従ってこれらの逆止弁14,17は
単に油の流れを1方向のみに許し逆方向の流れを阻止す
る役目を果たすのみならず、パイロット圧に応じて逆流
を許し得るようになっている。
一方、加圧装置である小型油圧シリンダ20の第1圧力作
動室20aには方向制御弁21を介して油圧源10から高圧の
油圧が導入される。方向制御弁21はソレノイド方式の2
位置4ポート弁であり、Pポートは油圧源、Rポートは
ドレンに連結され、Aポートは閉塞され、そしてBポー
トは回路22を介して油圧シリンダ20の第1圧力作動室20
aに連結される。方向制御弁21のソレノイド21aの励磁時
には弁が切換わり、PポートはBポート、AポートはR
ポートにそれぞれ連通し、非励磁時には図示の位置(ば
ねオフセット)にあり、PポートはAポート、Bポート
はRポートにそれぞれ連通する。油圧シリンダ20の第2
圧力作動室(可変容量室)20bは回路18を介して油圧シ
リンダ5の第2圧力作動室5bと連結されている。油圧シ
リンダ20の第1及び第2圧力作動室20a,20bを隔離する
ピストン20cに一体移動自在に連結されたピストンロッ
ド20dは外部に突出し、リミットスイッチの一種である
プログラムスイッチ23(第1図)と係合するようになっ
ており、またピストンロッド20dの移動を停止させるボ
ルトなどから成るストッパ24が設けられ、このストッパ
24によりピストンロッド20dの停止位置が調整自在とな
っている。ここで、油圧シリンダ20の作動を確認するた
めに、リミットスイッチではなく、プログラムスイッチ
23を使用するのは、ストッパ24を調整して停止位置を変
えた場合に、従来のドグ式リミットスイッチでは出力信
号を発生させるため停止位置に応じてドグ又はスイッチ
本体を移動せねばならないという不都合があるからであ
り、プログラムスイッチでは移動位置に応じたパルス信
号の発生が可能で電気的な調整のみで簡便に対処できる
からである。
以上の如く構成された本実施例の装置の作動を説明す
る。
先ず、位置決め用治具2の上に被加工物3がセットされ
る。前述の如く被加工物3に形成されたスプライン穴に
対して、横断面がスプライン形状であり且つ縦断面が円
錐台形状であるテーパ状の工具4を押込み、スプライン
穴入口部を外方に向かってラッパ状に拡径するため、被
加工物3のスプラインと工具4のスプラインとが同軸線
上にあり且つ位相が一致するように相互に芯出しされて
被加工物3と工具4とが取付けられる。
次いで、方向制御弁12のソレノイド12aが励磁されて弁
が切換わり、減圧弁11で減圧された低圧の作動油が回路
16、逆止弁17、及び回路18を通って油圧シリンダ5の第
2圧力作動室5b内に圧送され、従って工具4は被加工物
3に向かって前進(下降)する。この時、逆止弁14は回
路18によってパイロット圧が作用するために逆流が可能
となり、油圧シリンダ5の第1圧力作動室5a内の作動油
はRポートを介してドレンに排出される。そして工具4
が被加工物3のスプライン穴縁部に当接すると、第2圧
力作動室5b内が低圧であるため工具4はそれ以上前進
(下降)せずに停止状態となる。油圧シリンダ5の停止
状態にもかかわらず第2圧力作動室5b及び回路18にはな
おも低圧作動油が供給されるために僅かに内部圧力が上
昇する。回路18内には、予め設定した圧力に達すると作
動するスイッチを内蔵した圧力スイッチ25が設けられて
おり、この圧力スイッチ25が作動し、これに応じて方向
制御弁12のソレノイド12aの励磁が解除されて弁が図示
中央位置に切換わる。
次いで、方向制御弁21のソレノイド21aが励磁されて弁
が切換わり、油圧源10から高圧の作動油が回路22を通っ
て小型油圧シリンダ20の第1圧力作動室20a内に圧送さ
れ、従ってピストン20c及びピストンロッド20dが前進
(図では上昇)する。そして、ピストンロッド20dがス
トッパ24に係合して移動は停止する。このとき、第2圧
力作動室20b内にあった作動油のうちピストン20cあるい
はピストンロッド20dの移動量に相当する量(厳密には
シリンダ20のボア部とピストンロッド20dとの断面積差
に移動量を乗じた容積)の作動油が外部、すなわち回路
18内に排出される。この時、逆止弁17にはパイロット圧
が作用しないために逆流は防止され、回路18が密閉状態
となっており、油圧源10により提供される高圧は、被加
工物3のスプライン穴入口部を工具4によって容易にラ
ッパ状に塑性変形させるのに十分な大きさであるため
に、油圧シリンダ5の第2圧力作動室5bには、所定量の
作動油がこの高圧で強制的に供給され、供給される作用
油量に比例してストロークが大きくなる油圧シリンダ5
が、停止状態にある工具4を所定量の作動油に相当する
所定ストロークだけさらに確実に前進(加工)させる。
これにより、被加工物3のスプライン穴入口部はラッパ
状に塑性加工され、この加工ストロークは、この時に小
型油圧シリンダ20から油圧シリンダ5へ供給される作動
油が所定量に維持される限り常に一定となる。
加工終了後には、方向制御弁21のソレノイド21aの励磁
が解除されて弁が切換わり、他方、方向制御弁12のソレ
ノイド12bが励磁されて弁が切換わる。これにより、低
圧作動油が回路13、逆止弁14、及び回路15を通って油圧
シリンダ5の第1圧力作動室5a内に圧送されると共に、
逆止弁17にはパイロット圧が作用して逆流を可能とする
ために、油圧シリンダ5の第2圧力作動室5b内の作動油
はRポートを介してドレンに排出され、従って工具4は
上昇して初期位置に復帰する。このとき、工具4と被加
工物3とが加工部分の噛み込みなどにより外れ難いこと
もあるのでノックアウトシリンダ機構が組み込まれてい
る。すなわち、工具4の根元側に形成したフランジ部30
と、工具4に係合して軸線方向に移動自在であり且つこ
のフランジ部と共に内部に圧力作動室31を形成し得る筒
体32とから成り、加工時に筒体32の上方移動により狭く
なった圧力作動室内に、加工終了時に方向制御弁33を介
して油圧を供給し、筒体32を被加工物3に対して強圧下
させることにより工具4と被加工物3とを分離させよう
とするものである。
以上説明したように、本実施例の特徴的なところは、次
のようなことである。すなわち先ず低圧で油圧シリンダ
5を駆動して工具4を被加工物3に当てる(この時点で
はまだ加工を行っていない)。ここで油圧シリンダ5に
高圧を作用させ工具4により加工を行う。しかも、この
ときこの高圧作動油は加工装置である高圧発生定量送り
用油圧シリンダ20により所定量だけ油圧シリンダ5に供
給されるため、スプライン穴径の多少のバラツキに左右
されることもなく工具4が加工を実施的に行うストロー
クを常に略一定にすることができる。すなわち、被加工
物の状態にかかわらず常に均一な量の加工を被加工物に
加えることができる。このため、この前加工を加えた被
加工物を熱処理してもそのスプライン穴の円筒度は常に
良好に保証されることになる。
なお、以上の実施例において、逆止手段を逆止弁17によ
り具現化したが、例えば2位置2ポート形式の方向制御
弁などを用いることもできる。また、可変容量室を構成
する油圧シリンダ20の第2圧力作動室20bを圧縮するの
を油圧によらずに例えば人為的な力などで行うこともで
きる。
〔考案の効果〕
駆動圧力を多段階に切換えて適切に加工機を作動させ、
工具が被加工物に対して加工を開始する位置から常に略
一定のストロークだけ所定の加工を行い得るようにした
ため、被加工物に所定の熱処理歪の量を相殺する量の加
工を多数の被加工物に対して略均一に加えることができ
る。このため、この前加工を加えておけば熱処理作業に
伴う前記不都合などを一掃でき、工数低減が図れる。そ
して、熱処理後のスプライン穴形状の円筒度を高精度に
維持できる結果、圧入不足や組付精度低下などの問題が
効果的に解決できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る多段圧力式液圧作動加工機の一実
施例の全体概略側面図、 第2図は第1図の装置を駆動するための一例を示す作動
回路図、 第3図は本装置によりスプライン穴入口部がラッパ状に
拡径された被加工物の縦断面図、 第4図は炉内で逆さの姿勢状態にある半製品を示す図、 第5図は炉内で串刺し状に並べられた半製品を示す図、 第6図は熱処理後にスプライン穴入口部が先細形状とな
った製品を示す図である。 3……被加工物、4……加工工具、5……油圧シリン
ダ、5b……第2圧力作動室、12……方向制御弁、14,17
……逆止弁、13,15,16,18……回路、20……油圧シリン
ダ、20b……第2圧力作動室。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】液圧シリンダ装置(5)に作動液を供給す
    ることによって工具(4)を被加工物(3)方向に移動
    させて該被加工物を加工する液圧作動加工機において、
    該液圧シリンダに作動液を低圧で供給可能な低圧圧力回
    路(10,12,16,18)と、該低圧圧力回路によって該液圧
    シリンダ装置に作動液が供給され該工具が該被加工物に
    接触したことが接触検出手段(25)によって検出された
    後に、該液圧シリンダ装置に予め定められた所定量の作
    動液を高圧でさらに供給可能な高圧圧力回路(10,18,2
    0,21,22)とを備えたことを特徴とする多段圧力式液圧
    作動加工機。
JP1988088997U 1988-07-06 1988-07-06 多段圧力式液圧作動加工機 Expired - Lifetime JPH0744351Y2 (ja)

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