JP2004066116A - 油分含有廃液の処理方法とその施設 - Google Patents

油分含有廃液の処理方法とその施設 Download PDF

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Yoshiyuki Kashiwagi
柏木 佳行
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Abstract

【課題】油分含有廃液の再利用。
【解決手段】油類精製過程で発生する油分含有廃液の処理施設であって、
水分と油分を含有する廃液を間接過熱しながら、廃液に乳化破壊剤又は及び油吸着材を添加して水相と油相とに分離する油水分離手段1と、前記油相成分を加熱処理して、乾燥または有機成分を分解除去する加熱処理手段と、を備える。加熱処理手段にて得られた炭化物は、脱臭剤、土壌改良剤、融雪剤、融氷剤、凝集剤、吸着剤等として再利用できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種油類(動植物油、鉱物油等)の精製工程における脱酸工程から排出された油分含有廃液を加熱処理して、有用物質を回収し、土壌有改良剤、融雪剤、融氷剤、凝集剤、吸着剤等として再生利用を図る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種油類(動植物油、鉱物油等)の精製工程においては油分を含む廃液が発生する。例えば、脱酸工程では水酸化ナトリウム等のアルカリ剤が用いられ、その廃液は産業廃棄物として処理されている。
【0003】
図7は、従来の処理形態を示した概略図で、大豆などの植物油の精製過程で発生した産業廃棄物の処理の一例である。ここでは、脱酸工程及び脱色工程で発生した回収廃液、回収脱色剤は産業廃棄物として処理されている。尚、廃液は、水分が約70質量%含み、他には脂肪酸塩や油分を含んでいる。
【0004】
従来の油分含有の廃液は、油水がエマルジョン化しており、一般的には廃水として処理している。具体的な手段としては、例えば、特開2000−271593号や特開平5−245479号等が知られている。
【0005】
また、廃液の再生処理法としては、例えば、特開2001−354993号、特開平10−182518号や特開平10−182518号がある。
【0006】
さらに、廃液を燃料化する方法としては、例えば、特開2000−219886号や特開平9−235573号等が知られている。
【0007】
また、油含有物から油分を選択的に除去する方法として、アニオン系界面活性剤や非イオン系界面活性剤を添加する方法等が知られている。例えば、特開昭51−96785号や特開平7−310077号等がある。
【0008】
さらに、乳化破壊剤を添加して油分を選択的に除去する方法がある。例えば、特開2000−230177号、特開平11−241074号、特開平7−310077号、特開平4−338201号、特開平8−10509号、特開2002−86143号、特開平11−169605号等がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
脂肪酸を含む油分含有廃液は、油水がエマルジョン化していることから取り扱いが煩雑である。しかも、廃水処理することは資源有効利用の観点から好ましくなく、一方で、油脂として再生または燃料として利用するにしてもコスト面及び品質の安定化の点から問題がある。
【0010】
また、上記のような油水分離技術は、分離回収した油分を熱分解処理して有用物質を回収して再利用することには着目していない。
【0011】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、エマルジョン化した油分含有廃液中の油分の再利用が図れる油分含有廃液の加熱処理方法とその施設の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明は以下のことを特徴とする。
【0013】
請求項1記載の発明は、油類精製過程で発生する油分含有廃液の処理方法であって、
水分と油分を含有する廃液を間接加熱しながら乳化破壊剤又は及び油吸着剤を添加することにより、廃液を水相と油相とに分離する工程と、
分離した油相を加熱処理して、有機成分を分解除去する工程と、を有すること
を特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、油類精製過程で発生する油分含有廃液の処理施設であって、
水分と油分を含有する廃液を間接過熱しながら乳化破壊剤又は及び油吸着材を添加して、廃液を水相と油相とに分離する油水分離手段と、
前記油相成分を加熱処理する乾燥炉と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の油分含有廃液の処理施設において、
前記乾燥炉から供給された乾物を加熱処理して、乾物中に含まれる有機成分を分解除去する加熱加工炉を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の油分含有廃液の処理施設において、
前記油相成分を乾燥炉に供するにあたり、または前記乾物を加熱加工炉に供給するにあたり、有害物質と接触反応して無害な無機物を置換生成する薬剤を乾物に添加するようにしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
発明者は、本発明の創出にあたり、油分含有廃液を被処理物とする乾燥処理と炭化処理の実験を行った。供試サンプルは、大豆油(脂肪酸を含む)を含有する脱酸廃液を使用した。
(1)乾燥処理実験
供試サンプル50gを、金属製容器に入れて、電気炉内で加熱し、このとき得られた乾物の分析を行った。乾燥処理条件は、加熱温度110℃で48時間とした。乾物については、質量分析(EPMAによる)を行った。
【0018】
質量分析結果によると、試供サンプル50g(含水率77%、比重0.99kg/l、pH7〜8)に対して、得られた乾物の質量は11.5gとなり、残留率は23質量%であった。
(2)炭化処理実験
供試サンプル((1)の処理条件で得た乾物)11.5gを、金属製容器に入れて、電気炉内で加熱し、このとき得られた炭化物と発生ガスの分析を行った。炭化処理条件は、加熱温度600℃で2時間とした。炭化物については、質量分析(EPMAによる)を行い、発生ガスについては、HCl、SO、NO+NOの濃度を調べた。発生ガスは検知管(JIS−K0804)によって測定した。実験結果を以下に示す。
【0019】
1)炭化物の質量分析結果
試供サンプル(乾物)11.5gから得られた炭化物の質量は0.15gとなり、残留率は出発時の質量(50g)に対して3質量%であった。
【0020】
2)発生ガスの検出結果
【0021】
【表1】
Figure 2004066116
【0022】
表から明らかなように、400℃の雰囲気のもとで、HClが最大1ppm検出された。また、90℃の雰囲気のもとで、SOが最大3ppm検出された。NO+NOは、100℃以下の雰囲気のもとで、10ppm検出された。かかる結果から、本サンプルの油分含有被処理物(脱酸廃液)の加熱処理にあたり、硫黄成分またはハロゲン成分を除去する薬剤の添加が望ましいことがわかる。
(3)含有成分の比較
各加熱処理工程で得た処理物の含有成分分析結果を表2に示した(2サンプルの平均値)。ここでは、乾燥処理及び炭化処理で得た処理物の成分分析結果を示した。乾燥処理では、乾燥炉にて110℃の雰囲気で48時間処理した。炭化処理では、電気炉にて600℃の雰囲気で2時間処理した。成分分析は、EPMAによって行った(単位は質量%)。
【0023】
【表2】
Figure 2004066116
【0024】
表2の結果から明らかなように、乾物は、油分を含むことから炭素が多いものの粘性がある。一方、炭化処理することで、油分及び他の有機物は除去され、リン成分の多い物質として回収できることが確認できる。
【0025】
以上の実験結果に基づき創出された本発明の実施形態について説明する。
【0026】
図1は、本発明の概念を示した概略図である。
【0027】
本発明は、先ず、油水分離手段1にて、油分含有廃液を、乳化破壊剤及び又は油吸着剤と接触させて、水分と油分に分離している。そして、水分を水処理に供する共に、油分を加熱処理に供している。前記実験結果から明らかなように、加熱処理によって得た炭素成分は、脱臭剤、土壌改良剤、融雪剤、融氷剤、凝集剤、吸着剤等として再利用できる。また、リン成分を含む場合には土壌改良剤、肥料として再利用できる。
【0028】
油水型含有廃液には、油分が連続相で水分が分散相である油中水型と、水分が連続相で油分が分散相である水中油型とがある。したがって、乳化破壊剤及び油吸着剤の材料には、水分吸着性、油分吸着性、水分油分吸着性を有する材料を適宜選択するとよい。
【0029】
乳化破壊剤としては、例えば、ポリアルキルイミンとアルキレンオキシドからなるポリエーテル化合物を含んでなるもの、フェノール樹脂系(ノニオン系)や第4級アンモニウム塩系の界面活性剤、ポリエチレンイミンなどからなるもの等がある。
【0030】
油吸着材としては、有機質材または無機質材のいずれかまたは両者を含んでなるものがある。このとき、ハロゲン等の有害物質成分を含んでないものが望ましい。また、乾燥工程においては、100〜150℃の雰囲気で加熱するので、この雰囲気で溶解しないものが望ましい。有機質材には、例えば、たんぱく質、セルロース、各種穀物の殻、おが屑、澱粉等が挙げられ、さらに具体的には、樹皮、泥炭ゴケ、葦、干し草、羽毛、椰子殻、サトウキビの搾りかす等の天然有機物がある。また、有機質材には、非水溶性、可水溶性の高分子材料がある。非水溶性のものとしては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリアミド系の繊維素材がある。可水溶性のものとしては、携帯トイレ、おむつ等に使用されている高分子吸収体が採用される。例えば、自己架橋型アクリル酸アルカリ金属塩ポリマーや、カルボキシル基を有するものがある。無機質材には、蛭石、真珠石、火山灰等の鉱物起源物質や、再生した白土、アルミナ、シリカゲル等が例示され、さらに好ましくは廃棄物を加工したものがある。
【0031】
また、油吸着材は、液相との接触面積をなるべく大きく確保できるように形成される。このとき、ポンプで搬送できるような形状、例えばシート状または粉体状に形成するとよい。例えば、高分子化合物を含んでなる油吸着材はシート状(不繊布)、糸状等に形成され、無機化合物を含んでなる油吸着材は顆粒状に形成される。
【0032】
図1において、油水分離手段1は、油分含有廃液を一定温度(例えば、50〜95℃程度)で加熱しながら乳化破壊剤又は及び油吸着材と接触させて油相と水相とに油水分離する手段で、導入した油分含有廃液と油吸着材とを一時的に滞留させる分離槽11と、分離槽11内の廃液を間接加熱する加熱槽12と、を備える。分離槽11には、油相を排出するための配管と、水相を排出するための配管とが接続されている。加熱槽12には、加熱媒体として、加熱処理施設内で生成した加熱水、熱風ガスまたは排ガス等が供給される。尚、図示省略されているが、分離槽11には攪拌手段が適宜設置される。
【0033】
油分廃液は、バルブ手段V1を開に制御し廃液貯留ピット10からポンプP1によって吸引することで分離槽11に導入される。また、廃液を多く処理する場合に、油水分離手段とバルブ手段とを複数並設しておき、対応するバルブ手段を開に制御することによって、並設される他の油水分離手段1にも供給する。
【0034】
一方、乳化破壊剤は、乳化破壊剤供給手段13によって導入される。また、油吸着材は、油吸着材供給手段14によってそれぞれ分離槽11に導入される。乳化破壊剤供給手段13及び油吸着材供給手段14としては、例えばホッパー装置やフィーダー装置等が採用される。
【0035】
油水分離手段1において分離された水相は、バルブ手段V2及びポンプ2を介して水処理施設に供される。一方、分離された油相は、バルブ手段V3及びポンプP3を介して(A)ラインを介して後述の加熱処理施設に供され、乾燥処理さらには炭化処理される。また、油相を他に併せて処理する固形物質(例えば、廃白土等の廃脱色剤)がある場合には、(B)ラインを介して追加供給される。乾燥処理あるいは炭化処理された被処理物は、各種再利用のために回収される。一方、加熱処理過程で生じた水蒸気や熱分解ガスは、後述のガス燃焼炉5に供されて無害化処理された後に、熱交換器52及びバグフィルタ53を経てブロア54によって煙突55から大気開放される。
【0036】
図2は、油水分離手段における廃液の処理方式を示した概略説明図である。
【0037】
油水分離手段1は、廃液の特性に応じて、導入した廃液を加熱しながら攪拌する手段Aと、乳化破壊剤を導入する手段Bと、油吸着材を導入する手段Bとを、単独または適宜組み合わせて、廃液の油水分離を行う。例えば、手段A+手段Bは、導入した廃液に乳化破壊剤を添加し、加熱しながら攪拌する。手段A+手段Cは、導入した廃液に油吸着材を添加し、加熱しながら攪拌する。手段A+手段B+手段Cは、導入した廃液に乳化破壊剤と油吸着材とを添加し、加熱しながら攪拌する。
【0038】
図3及び図4は、油水分離手段1の動作例を説明した図である。ここでは、手段A+手段B+手段Cの処理方式の動作例を説明している。当該処理方式はバッチ方式で廃液を導入しているが、廃液の導入形態はこれに限定されるもではない。
【0039】
廃液・乳化破壊剤・油吸着材導入工程(図3(a))では、バルブ手段V2,V3が閉に、ポンプP2,P3が停止に制御された後、廃液貯留ピット10から廃液が分離槽11内に投入される。このとき、攪拌手段を一定時間作動し、分離槽11内の液相を攪拌する。分離工程(図3(b))では、一定時間分離槽11内の液相を静置することで、槽内の液相を油相と水相とに分離する。水相排出工程(図4(a))では、バルブ手段V2が開に、ポンプP2が運転に制御されて、分離槽11内の水相が水処理手段に移送される。油相排出工程(図4(b))では、バルブ手段V3が開に、ポンプP3が運転に制御されて、分離槽11内の油相が加熱処理施設に移送される。待機工程では(図4(c))、バルブ手段V2,V3が閉に、ポンプP2,P3が停止に制御され、待機工程に移行する。
【0040】
図5は、本発明に係る加熱処理施設の第一の実施形態を示した概略図である。
【0041】
本実施形態では、被処理物(油水分離手段1で分離した油相)を乾燥炉2において乾燥処理している。このとき、被処理物を乾燥炉2に供するにあたり、被処理物の質量を計量し、この計量結果に基づき、一定量の被処理物を供給している。このことにより、乾燥処理工程における被処理物の処理量が把握でき、加熱処理は安定し、乾燥炉2は、乾燥処理施設としての法適用を受けることができる。
【0042】
乾燥炉2は、被処理物の含有する水分を蒸発して乾燥処理するための手段で、回転キルン方式を採用し、回転自在の回転炉21と、回転炉21の外周にガスダクトを形成し、熱風ガスを導入して回転炉21を外部から加熱する外部加熱手段としての加熱ジャケット22と、回転炉22を両端側で回転自在に支承する支持ローラと、回転炉22を回転駆動する回転駆動源と、を具備してなる。尚、熱風ガスは、熱風炉4から導入される。
【0043】
回転炉21は、その一端側に被処理物を搬入する図示しない供給口側を、また他端側に図示しない排出口側を設け、円筒体内部には搬送物を攪拌搬送するための図示省略した送り羽根が複数枚具備されている。そして、供給側ダクト20から供給された被処理物を、供給口側から回転炉21に導入し、回転炉21の回転によって、該被処理物を撹拌しながらの排出口側への移送を可能としている。尚、供給側ダクト20には、被処理物を回転炉21内に供給するスクリューコンベアタイプのホッパー設備201が設置されている。
【0044】
熱風炉4は、熱風ガスを供給する手段で、熱風ガスを発生させるための燃焼バーナー40を備えている。発生した熱ガスは、乾燥炉2の加熱ジャケット22内に供給される。このとき、熱風ガスには、温度調整用の空気が注入されてガス温度が適宜調整される。
【0045】
乾燥炉2では、被処理物は、例えば350〜650℃程度の加熱温度、及び一定の滞留時間(例えば約30分間)のもとで、乾燥処理される。このとき、被処理物に含有する水分が水蒸気として放出される。水蒸気は、排出側ダクト23から後述のガス燃焼炉5に移送される。乾物は、表2に示したような成分となっており、排出側ダクト23から回収された後、土壌改良剤等の各種の原料として再利用等に供される。尚、加熱ジャケット22から排出された熱風ガスは、一部利用のために油水分離手段1や熱風炉4に供される。
【0046】
図6は、本発明に係る加熱処理施設の第二の実施形態を示した概略図である。尚、図5記載の手段と同様な構成の手段には、当該手段と同一の符号を付して、その説明は適宜省略した。
【0047】
本実施形態では、乾燥炉2にて乾燥処理した被処理物を加熱加工炉3に供して加熱処理し、該被処理物に含まれる有機成分、油分及び吸着材を熱分解により炭化処理している。
【0048】
ここで、被処理物を乾燥炉2または加熱加工炉3に供給する過程で、被処理物にハロゲン成分や硫黄成分等の有害物質を除去するための薬剤が適宜添加混合される。当該薬剤は、ハロゲン成分や硫黄成分等の有害物質と接触反応して無害な塩化物(無機の塩化物)に置換生成する。
【0049】
薬剤としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物中の少なくとも1種類を選択または2種類以上を混合したものが有効である。
【0050】
アルカリ金属には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムまたはフランシウムがある。そして、これらの化合物としては、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、硝酸塩または硫酸塩等が挙げられる。その具体的な薬剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。尚、炭酸水素ナトリウムは、酸性炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムまたは重炭酸ソーダと別称される。炭酸ナトリウムは、炭酸ソーダ、ソーダ、ソーダ灰、洗濯ソーダまたは結晶ソーダと別称される。セスキ炭酸ナトリウムは、二炭酸一水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウムまたはナトリウムセスキカーボネートと別称される。天然ソーダは、トロナと別称される。
【0051】
また、アルカリ土類金属には、カルシウム、ストロンチウム、バリウムまたはラジウム等がある。そして、その化合物としては、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸水素塩または炭酸塩等が挙げられる。具体的な薬剤としては、例えば、石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)またはドロマイド(CaCO・MgCO)等が挙げられる。
【0052】
乾燥炉2は、被処理物を乾燥処理するための手段で、前記実施形態の乾燥炉2と略同様の構成をなす。
【0053】
加熱加工炉3は、乾燥炉2にて乾燥処理し水分除去した被処理物をさらに加熱処理し、該被処理物に含まれる有機成分、油分及び吸着材を熱分解により炭化処理する手段である。加熱加工炉3は、回転キルン方式を採用し、乾燥炉2と同様の構成をなし、回転炉31と加熱ジャケット32とを備える。
【0054】
乾燥炉2と加熱加工炉3は、図示されたように、加熱加工炉3の供給口側が乾燥炉2の排出口側と連絡するように配置される。このとき、乾燥炉2の排出口側と加熱加工炉3の供給口側には、これら排出口側と供給口側を覆って連通する連絡ダクト30が設けられる。連絡ダクト30は、乾燥炉2と加熱加工炉3にて発生した水蒸気及び熱分解ガスを系外に移送(ここではガス燃焼炉5に移送)するための経路が接続されている。図においては、連絡ダクト30に、主に水蒸気を移送するための経路301と、主に熱分解ガスを移送する経路302と、が接続されている。また、経路301,302は、熱ガスによって適宜保温され、浮遊物が導管内壁に付着するのを防いでいる。尚、連絡ダクト30内には、被処理物を効率的に加熱加工炉3に供するための誘導板303が適宜設けられている。
【0055】
加熱加工炉3では、被処理物が例えば450〜650℃程度の加熱により乾留処理される。このとき、被処理物の有機成分、油分及び吸着材が熱分解によって炭化処理されて、炭化物が得られる。また、被処理物に含有するハロゲン成分及び硫黄成分等の有害物質は、添加した薬剤によって無害な無機塩等の物質に変換される。さらに、他の分解析出成分は、熱分解ガスとして、経路302を介して、ガス燃焼炉6に供され、一定の雰囲気及び滞留時間のもとで(例えば、約850℃の雰囲気で、2秒以上の滞留時間)、燃焼処理される。尚、加熱加工炉3で得た炭化物は、固定炭素が主成分となっており、排出ダクト33から回収される。回収した炭化物は、土壌改良剤、融雪剤、融氷剤、凝集剤、吸着剤等として再利用できる。
【0056】
熱風炉4は、熱風ガスを供給する手段で、図5に示した熱風炉と同様の構成をなす。熱風ガスは、本視実施形態では、先ず、加熱加工炉3の加熱ジャケット32に供給され、回転炉31を加熱した後、乾燥炉2の加熱ジャケット22内に供給される。このように、乾燥炉2内に導入された被処理物は乾燥処理され、加熱加工炉3内に導入された被処理物は熱分解処理される。
【0057】
ガス燃焼炉5は、乾燥炉2及び加熱加工炉3で発生した水蒸気や熱分解ガスを燃焼処理する(例えば、約850℃、約2秒間)。ここで、水蒸気は経路301を介してエゼクタ51aによって導入し、熱分解ガスは経路302を介してエゼクタ51bによって導入している。このとき、新鮮な空気が適宜導入される。また、加熱ジャケット22から排出された熱風ガスの一部が、エゼクト駆動ガスとして利用されている。
【0058】
ガス燃焼炉5は、導入したガスを燃焼するガス燃焼室を備える。このとき、熱分解ガスが充分発生している場合には、燃焼バーナー50による燃焼は、燃料の供給を調整することにより適宜調節される。ガス燃焼炉5にて処理したガスは、空気を冷却媒体とする気体−気体熱交換方式の熱交換器52によって冷却処理した後、バグフィルタ53を経て、ブロア54によって煙突55から系外に排出させている。尚、熱交換器52にて、加熱された空気は、熱風炉4での熱風ガスの生成や油水分離手段1における加熱処理に供される。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の処理方法とその施設においては、水分、油分を含む廃液を油水分離した後、水相成分を水処理に供すると共に、油相成分を加熱して熱分解処理し揮発成分を除去しているので、油分を構成する炭素成分を効率的に回収することができる。得られた炭素成分は、脱臭剤、土壌改良剤、融雪剤、融氷剤、凝集剤、吸着剤などとして循環再利用できる。よって、本発明は油分含有廃液を有効利用できる。尚、本発明においては、廃液中に含まれる有害物質と接触反応して該有害物質を除去する薬剤を当該廃液に添加することで、有害物質やダイオキシン類の発生も抑制でき、油分含有廃液を安全に有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示した概略図。
【図2】油水分離手段における廃液の処理方式の各工程を示した概略説明図。
【図3】油水分離手段の動作例を説明した図。
【図4】油水分離手段の動作例を説明した図。
【図5】本発明に係る加熱処理施設の第一の実施形態を示した概略図。
【図6】本発明に係る加熱処理施設の第二の実施形態を示した概略図。
【図7】従来の処理形態を示した概略図。
【符号の説明】
1…油水分離手段、10…廃液貯留ピット、11…分離槽、12…加熱槽、13…乳化破壊剤供給手段、14…油吸着材供給手段
2…乾燥炉
3…加熱加工炉
4…熱風炉
5…ガス燃焼炉

Claims (4)

  1. 油類精製過程で発生する油分含有廃液の処理方法であって、
    水分と油分を含有する廃液を間接加熱しながら乳化破壊剤又は及び油吸着剤を添加することにより、廃液を水相と油相とに分離する工程と、
    分離した油相を加熱処理して、有機成分を分解除去する工程と、を有すること
    を特徴とする油分含有廃液の処理方法。
  2. 油類精製過程で発生する油分含有廃液の処理施設であって、
    水分と油分を含有する廃液を間接過熱しながら乳化破壊剤又は及び油吸着材を添加して、廃液を水相と油相とに分離する油水分離手段と、
    前記油相成分を加熱処理する乾燥炉と、を備えること
    を特徴とする油分含有廃液の処理施設。
  3. 前記乾燥炉から供給された乾物を加熱処理して、乾物中に含まれる有機成分を分解除去する加熱加工炉を備えること
    を特徴とする請求項2記載の油分含有廃液の処理施設。
  4. 前記油相成分を乾燥炉に供するにあたり、または前記乾物を加熱加工炉に供給するにあたり、有害物質と接触反応して無害な無機物を置換生成する薬剤を乾物に添加するようにしたこと
    を特徴とする請求項3記載の油分含有廃液の処理施設。
JP2002229577A 2002-08-07 2002-08-07 油分含有廃液の処理方法とその施設 Pending JP2004066116A (ja)

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